JPH0652566A - 光ディスク装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ディスクのデータ部とアドレス部との境界に
おける光ビームスポットの振られを抑制し、より安定し
たトラッキング制御が可能な光ディスク装置を提供す
る。 【構成】 光ディスク１のデータ部とアドレス部でのト
ラッキングエラー信号ＴＥが、二分割受光素子２７及び
差動増幅器２８によって検出され、レベル差算出回路６
によってデータ部の中心位置とアドレス部の中心位置と
のズレ量に応じたレベル差信号ＴＥｏｆｆｓｅｔが算出
される。この信号を当該トラッキングエラー信号ＴＥに
加算した補正トラッキングエラー信号ＴＥａｄｄに基い
て、トラッキングサーボ回路３が対物レンズアクチュエ
ータ２９を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、光ディスクに光ビーム
を照射して情報を記録再生する光ディスク装置に係り、
特に、光ディスクの記録トラックに光ビームを適正に照
射するトラッキング制御技術に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の光ディスク装置について、光磁気
ディスク装置を例にして説明する。図４は、従来の光磁
気ディスク装置における基本構成図である。同図におい
て、信号化された情報が記録されるディスク１は、基板
層１ａと記録膜１ｂとから構成され、図示しない回転機
構によって回転される。ディスク１の下方には、記録膜
１ｂに光ビーム２０ａを照射する光学ヘッド２が設けら
れている。この光学ヘッド２には、コリメータレンズ２
１、対物レンズ２２等のレンズ類と、半導体レーザ２
４、ハーフミラー２５、二分割受光素子２７などの光学
系部品が配設され、さらに、二分割受光素子２７の出力
を受けてトラッキングエラー信号ＴＥを出力する差動増
幅器２８や、光ビーム２０ａの集光スポットの位置を調
整するために対物レンズ２２を駆動するアクチュエータ
２９が設けられている。このアクチュエータ２９は、差
動増幅器２８から出力されるエラー信号ＴＥに基いてト
ラッキングサーボ回路３によって制御される。一方、デ
ィスク１の上方には、記録膜１ｂに磁界を与えるための
磁気ヘッド４が設けられ、この磁気ヘッド４には磁界発
生回路５が接続されている。

【０００３】図２（ａ）は、ディスク１の基板層１ａに
螺旋状に形成されているトラック１０の平面図であり、
そのトラック１０のａ−ａ´線における断面構成を同図
（ｂ）に、また、ｂ−ｂ´線における断面構成を同図
（ｃ）に示す。トラック１０には、光ビーム２０ａを導
くための案内溝（グルーブ）１１と、光ビーム２０ａが
照射されて情報が記録される照射部（ランド）１２と
が、ディスク１の半径方向に交互に配置されている。同
図（ｃ）に示すようにランド１２の一部には、予め、凹
凸の形状で刻み込まれたピット１３が形成されており、
この部分をアドレス部という。このアドレス部によっ
て、トラック１０はセクタと呼ばれる単位に分割されて
いる。トラックやセクタの番地は、前記のピット１３に
よって表されるアドレス情報としてアドレス部に記録さ
れている。アドレス情報は、ディスクの製造時にて一定
の様式でプリフォーマットされたものであり、ディスク
が出荷された後、ユーザによる記録もしくは消去はでき
ない。ユーザは、ピットが形成されていないデータ部を
ユーザ領域として使用する。

【０００４】上記の構成による情報の記録及び再生は次
のように行われる。半導体レーザ２４から発せられた光
ビーム２０ａは、対物レンズ２２によってディスク１の
記録膜１ｂ上に、直径約１μｍ程度の径のスポットとし
て集光される。光ビーム２０ａを照射された記録箇所
は、キュリー温度以上になるように熱せられ、その箇所
の保磁力がゼロにされる。一方、磁気ヘッド４からは、
記録する信号化情報に応じて変調された外部磁界が発生
されており、この外部磁界を記録膜１ｂに作用させつつ
記録箇所の温度を下げることにより、記録箇所が外部磁
界と同方向に磁化され、信号化情報が記録膜１ｂ上に記
録される。

【０００５】記録された情報を再生する時には、光ビー
ムが磁性体の表面で反射する際に反射光の偏光面が磁化
の方向によって回転するカー効果を利用する。すなわ
ち、記録時よりも弱いパワーの光ビーム２０ａが半導体
レーザ２４から出射されて、記録時と同様に記録膜１ｂ
上に集光され、その反射光２０ｂが光学ヘッド２内に受
光される。そして、反射光の偏光面の回転角の変化が検
出されることにより、記録箇所に記されていた信号化情
報が再生される。

【０００６】また、上記の記録及び再生動作時において
は、ディスク１上のトラック１０を正確に追跡して光ビ
ーム２０ａを照射するために、光学ヘッド２から出力さ
れたトラッキングエラー信号ＴＥがトラッキングサーボ
回路３に入力され、このトラッキングサーボ回路３は、
エラー信号ＴＥをもとに、この信号がゼロになるように
アクチュエータ２９を駆動し、光ビーム２０ａの集光ス
ポットがトラック１０から外れないように制御してい
る。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の光ディスク装置にあっては、ディスクのアドレス部
に形成されたピット１３の中心が、ランド１２の中心と
ずれている場合や、ピット１２の断面形状が左右非対称
になっている場合などには、光ビームの集光スポット
が、アドレス部に照射される位置とデータ部に照射され
る位置の軌跡に、ディスク半径方向のズレが生じる。こ
のため、集光スポットの軌跡が、図３（ａ）に示すよう
に、データ部とアドレス部の境界部分で急に振られ、そ
れに応じて、図３（ｂ）に示すトラッキングエラー信号
にも乱れが生じる。このように、トラッキングエラー信
号が不安定になると、トラッキングサーボが外れて記録
・再生が不可能になることがある。

【０００８】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、ディスクのデータ部とアドレ
ス部との境界における光ビームスポットの振られを抑制
し、より安定したトラッキング制御が可能な光ディスク
装置を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、データが記録されるデータ部とプリフォ
ーマットされたアドレス部とを含む記録トラックが設け
られた光ディスクに光ビームを照射する光学ヘッドと、
この光学ヘッドからの光ビームの照射位置と該記録トラ
ックとのズレをトラッキングエラー信号として検出する
トラッキングエラー検出手段とを有した光ディスク装置
において、前記トラッキングエラー検出手段によって該
データ部とアドレス部でそれぞれ検出されるトラッキン
グエラー信号のレベル差を算出し、それに応じてレベル
差信号を出力するレベル差算出回路と、このレベル差算
出回路から出力されるレベル差信号を当該トラッキング
エラー信号に加算して補正するエラー信号補正手段と、
このエラー信号補正手段によって補正されたエラー信号
に基いて該光ビームが該記録トラックに適正に照射され
るよう前記光学ヘッドを制御するトラッキング制御手段
とを備えたものである。

【００１０】

【作用】上記の構成により、光ディスクの記録トラック
のデータ部とアドレス部に、光学ヘッドから光ビームが
照射されたときの、それぞれのトラッキングエラー信号
が、トラッキングエラー検出回路によって検出され、そ
のエラー信号のレベル差がレベル差算出回路にて算出さ
れ、それに応じてレベル差信号が出力される。このレベ
ル差信号がエラー信号補正手段によって当該トラッキン
グエラー信号に加算されて、当該トラッキングエラー信
号が補正される。そして、補正されたエラー信号に基い
て、光ビームが記録トラックに適正に照射されるよう
に、トラッキング制御手段によって光学ヘッドの位置が
制御される。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
して説明する。なお、前記従来例と同等の機能を有する
部材には、同じ符号を付してある。図１は、本実施例に
よる光ディスク装置（光磁気ディスク装置）の基本構成
図である。同図において、信号化された情報を記録され
るディスク１は、基板層１ａと記録膜１ｂとからなり、
図示しない回転機構によって支持されている。このディ
スク１は、前記従来例と同様に図２に示すようなトラッ
ク１０が螺旋状に形成されたものであり、トラック１０
に含まれるアドレス部及びデータ部の構造も同等であ
る。ディスク１の下方には、記録膜１ｂに光ビーム２０
ａを照射するための光学ヘッド２が配設されている。こ
の光学ヘッド２は、コリメータレンズ２１、対物レンズ
２２、集光レンズ２３などのレンズ類と、半導体レーザ
２４、ハーフミラー２５、偏光ビームスプリッタ２６、
二分割受光素子２７などの光学系部材や、二分割受光素
子２７からの受光信号を受けてトラッキングエラー信号
ＴＥを出力する差動増幅器２８、及び、対物レンズ２２
を駆動するアクチュエータ２９などから構成されてい
る。

【００１２】一方、ディスク１を挟んで、光学ヘッド２
と対向する位置には、記録膜１ｂに磁界を与えるための
磁気ヘッド４が設けられ、この磁気ヘッド４は磁界発生
回路５から通電されることにより磁界を発生する。

【００１３】さらに、装置には、前記対物レンズ２２の
アクチュエータ２９を駆動制御するトラッキングサーボ
回路３、加算器７、及び、データ部とアドレス部とのト
ラッキングエラー信号ＴＥのレベル差ＴＥｏｆｆｓｅｔ
を計算するレベル差算出回路６が設けられている。

【００１４】レベル差算出回路６は、ディスク１のデー
タ部でのトラッキングエラー信号をサンプル・ホールド
する第１のサンプル・ホールド回路６１と、アドレス部
でのトラッキングエラー信号をサンプル・ホールドする
第２のサンプル・ホールド回路６２を有している。ま
た、図２に示したように、アドレス部には凹凸形状のピ
ット１３が形成されているので、これらピット１３の形
状のムラによる検出信号の乱れを防ぐために、第２のサ
ンプル・ホールド回路６２には、平均値回路６３を介し
てトラッキングエラー信号ＴＥの所定時間の平均値が入
力されるようにした。第１及び第２サンプル・ホールド
回路６１，６２の出力端子は、それぞれ差信号生成回路
６５の入力端子へ接続され、差信号生成回路６５におい
て、データ部とアドレス部とのトラッキングエラー信号
のレベル差が計算される。そして、第１及び第２サンプ
ル・ホールド回路６１，６２の動作タイミングを制御す
るためにタイミング発生回路６４が設けられている。

【００１５】加算器７の一方の入力端子には、前記光学
ヘッド２の差動増幅器２８の出力端子が、もう一方の入
力端子には、レベル差算出回路６の差信号生成回路６５
の出力端子が接続されており、加算器７の出力端子は、
トラッキングサーボ回路３の入力端子に接続されてい
る。

【００１６】上記の構成による、トラッキングエラー信
号の検出と補正、及び、トラッキングサーボ制御につい
て、集光スポットがデータ部からアドレス部へ移動する
過程を例にして説明する。光学ヘッド２の半導体レーザ
２４から出射された光ビーム２０ａは、コリメータレン
ズ２１によって平行光に整形され、ハーフミラー２５を
透過し、対物レンズ２２によってディスク１の記録膜１
ｂ上に集光される。記録膜１ｂからの反射光２０ｂは、
対物レンズ２２を介して光学ヘッド２内に入射し、ハー
フミラー２５によって往路ビーム２０ａと直角の方向に
経路を変えられ、ビームスプリッタ２６を経て、集光レ
ンズ２３によって二分割受光素子２７上に集光される。
二分割受光素子２７の２つの素子からそれぞれ出力され
る受光信号が差動増幅器２８に入力され、受光信号の差
に応じてトラッキングエラー信号ＴＥが生成される。

【００１７】レベル差算出回路６では、タイミング発生
回路６４から駆動指令が出力されると、第１サンプル・
ホールド回路６１によって、光ビーム２０ａの集光スポ
ットがデータ部からアドレス部に移動する直前のトラッ
キングエラー信号ＴＥの値が検出され、検出信号ＴＥｄ
ａｔａとして所定時間にわたって出力される。続いて、
集光スポットがデータ部からアドレス部に移動した直後
には、アドレス部にスポットが入った直後のＴ１時間に
検出されたトラッキングエラー信号ＴＥの平均値が平均
値回路６３によって計算され、その値が第２サンプル・
ホールド回路６２により検出信号ＴＥａｄｄｒｅｓｓと
して出力される。

【００１８】次に、信号ＴＥｄａｔａの値から信号ＴＥ
ａｄｄｒｅｓｓの値を減算した値が、差信号生成回路６
５によって計算され、レベル差に応じたレベル差信号Ｔ
Ｅｏｆｆｓｅｔが生成される。このレベル差信号ＴＥｏ
ｆｆｓｅｔは、前記図２に示したデータ部のランド１２
の中心とアドレス部のピット１３の列の中心とのズレ量
に応じた信号である。

【００１９】レベル差算出回路６から出力されたレベル
差信号ＴＥｏｆｆｓｅｔは、加算器７において、光学ヘ
ッド２から出力されたトラッキングエラー信号ＴＥに加
算され、これにより補正されたトラッキングエラー信号
ＴＥａｄｄが生成される。この補正信号ＴＥａｄｄに基
いてトラッキングサーボ回路３が対物レンズアクチュエ
ータ２９を駆動制御する。なお、上記とは逆に、集光ス
ポットがアドレス部からデータ部に移動する過程では、
レベル差算出回路６において、始めにアドレス部の信号
ＴＥａｄｄｒｅｓｓが検出された後、データ部の信号Ｔ
Ｅｄａｔａが検出され、信号ＴＥａｄｄｒｅｓｓの値か
ら信号ＴＥｄａｔａの値を減算し、このレベル差に応じ
た信号がレベル差信号ＴＥｏｆｆｓｅｔとして出力され
る。

【００２０】図３に、本実施例の装置を用いたときにデ
ィスク１のトラック１０に照射される集光スポットの軌
跡（ｃ）と、それに対応する補正トラッキングエラー信
号ＴＥａｄｄの波形図（ｄ）を示す。同図（ａ），
（ｂ）に示した前記従来例では、検出されたトラッキン
グエラー信号ＴＥをそのままトラッキングサーボ制御に
用いるので、データ部とアドレス部とでは、集光スポッ
トの軌跡がずれており、そのため、データ部とアドレス
部の境界付近に当たるＴ１，Ｔ２時間でトラッキングエ
ラー信号が乱れ、トラッキングはずれが生じることがあ
った。一方、本実施例では、データ部とアドレス部のズ
レ量に応じた信号ＴＥｏｆｆｓｅｔを生成し、これをト
ラッキングエラー信号ＴＥに加算した補正トラッキング
エラー信号ＴＥａｄｄを用いて光ビーム２０ａの照射位
置を調整しているので、集光スポットは、同図（ｃ）に
示すようにデータ部とアドレス部とで同じ軌跡を描くよ
うに照射され、境界付近で振られることもない。また、
同図（ｄ）に示すトラッキングエラー信号も、波形が乱
れず、出力レベルが一定である。これにより、従来と比
較してトラッキングサーボが外れる危険性が極めて少な
くなり、安定して記録もしくは再生動作を行うことがで
きる。

【００２１】以上、本発明の一実施例について説明した
が、上記したタイミング発生回路６４による制御パター
ンや、平均値回路６３の検出時間等は、装置の使用目的
や規模、用いるディスクの種類などに応じて決めればよ
い。また、上記実施例では、光磁気ディスク装置を例示
したが、本発明は、ディスクに光学的にアクセスする装
置であれば、その他の光ディスク装置に幅広く適用する
ことができ、さらに、ディスクのタイプについても、再
生専用型や追記型、書換可能型など、ほとんどの方式の
ものに対応させることが可能である。

【００２２】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、データ部
のランドの中心位置とアドレス部のピット列の中心位置
とのズレ量に応じたレベル差信号を検出し、このレベル
差信号をトラッキングエラー信号に加算した補正トラッ
キングエラー信号に基いてトラッキングサーボを制御す
るので、光ビームの集光スポットの軌跡が、データ部と
アドレス部との境界で振られることがなくなる。これに
より、トラッキングエラー信号のレベルが一定範囲内に
抑制され、データ部とアドレス部との境界付近で、しば
しば発生していたトラッキング外れが防止できるので、
従来よりも安定したトラッキングが行え、記録もしくは
再生動作時のエラー発生が軽減される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例による光ディスク装置の基本構
成図である。

【図２】（ａ）は光ディスクのトラック構造を示す平面
図、（ｂ）はａ−ａ´線断面図、（ｃ）はｂ−ｂ´線断
面図である。

【図３】本発明の実施例と従来例の集光スポットの軌
跡、及び、それらに対応したトラッキングエラー信号の
波形図である。

【図４】従来の光ディスク装置の基本構成図である。

【符号の説明】 １ ディスク １ｂ 記録膜 ２ 光学ヘッド ３ トラッキングサーボ回路（トラッキング制御手段） ６ レベル差算出回路 ７ 加算器（エラー信号補正手段） ２７ 二分割受光素子（トラッキングエラー検出手段） ２８ 差動増幅器（トラッキングエラー検出手段） ２９ 対物レンズアクチュエータ（トラッキング制御手
段）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 データが記録されるデータ部とプリフォ
   ーマットされたアドレス部とを含む記録トラックが設け
   られた光ディスクに光ビームを照射する光学ヘッドと、
   この光学ヘッドからの光ビームの照射位置と該記録トラ
   ックとのズレをトラッキングエラー信号として検出する
   トラッキングエラー検出手段とを有した光ディスク装置
   において、前記トラッキングエラー検出手段によって該
   データ部とアドレス部でそれぞれ検出されるトラッキン
   グエラー信号のレベル差を算出し、それに応じてレベル
   差信号を出力するレベル差算出回路と、このレベル差算
   出回路から出力されるレベル差信号を当該トラッキング
   エラー信号に加算して補正するエラー信号補正手段と、
   このエラー信号補正手段によって補正されたエラー信号
   に基いて該光ビームが該記録トラックに適正に照射され
   るよう前記光学ヘッドを制御するトラッキング制御手段
   とを備えたことを特徴とする光ディスク装置。