JPH0624269U - シール材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ユニオン接合部のフレアー部に組み付け、フ
レアー部の形状異常に起因する流体漏れを防止するのに
有効なシール材を提供する。 【構成】 シール材Ａは、金属板１０の両面にそれぞれ
ゴム層１１ａ，１１ｂを積層して成る積層材を、ユニオ
ン接合部の形状に合うように、円錐筒形状に成型する。 【効果】 シール材Ａをユニオン接合部に組み付けた場
合、内側となるゴム層１１ａは管本体のシート面に弾力
的に当接し、外側となるゴム層１０ｂはフレアー管のフ
レアー部内面に弾力的に当接し、金属対ゴムのシール部
が形成されるので、フレアー部に形状異常があっても、
それに起因する流体漏れは生じなくなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、管接合用シール材に係るもので、特に冷媒や高圧エアー配管のユニ オン接合部に用いて有用なシール材に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図７に、従来のユニオン接合部の構造例を示す。 同図において、１は接合管本体、２は銅製のフレアー管、２ａはその先端部を ラッパ状に拡開したフレアー部、３はフレアーナットであり、フレアー部２ａを もつフレアー管２にフレアーナットを予め嵌め込み、フレアー部２ａを管本体１ のシート面１ａに当て付け、フレアーナット３を本体１の雄ネジ部に螺合させ、 スパナ等の工具で強く締め付けると、フレアー部２ａは本体１のシート面に圧接 し、そこに金属同士によるシール部が形成され、フレアー管２は管本体１に接合 される。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記ユニオン接合部の構成では、フレアー管のフレアー加工時の形状異常によ り、フレアー部２ａに傾き（図８（ａ））、面傷（図８（ｂ））、ひび割れ（図 ８（ｃ））、偏肉（図８（ｄ））等が起こり、それが原因で流体漏れが生じるこ とがある。

【０００４】

【考案の目的】

本考案は、ユニオン接合部のフレアー部への組み付けが容易で、フレアー部に 形状異常があっても、フレアー部での流体漏れを生じさせないようにしたシール 材を提供することを主たる目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案のシール材は、金属板の両面にそれぞれゴム層を積層して成る積層材を 、ユニオン接合部の形状に合うように、円錐筒形状に成型したことを要旨とする 。

【０００６】

【作用】

上記円錐筒形状のシート材をユニオン接合部に組み付けた場合、内側となるゴ ム層はユニオン接合部の管本体シート面に弾力的に当接し、外側となるゴム層は フレアー部の内面に弾力的に当接し、金属対ゴムのシール部が形成される。した がってフレアー部に形状異常があっても、前記金属対ゴムのシール部により、流 体漏れは生じなくなる。 また、シール材に金属板を芯材として用いているので、フレアーナットの締め 付けで生じる剪断力を受けても、シール材が破損するおそれもない。

【０００７】

【実施例】

図１および図２に、本考案の一実施例によるシール材を示し、図３および図４ に、前記シール材のユニオン接合部への組み付け状態を示す。なお、図７と同一 または類似する部材には同じ符号が付されている。

【０００８】 Ａはシール材である。このシール材Ａは、薄い金属板１０とその両面にそれぞ れゴムコーティングした薄いゴム層１１ａ，１１ｂからなる積層材を、ユニオン 接合部の形状に合うように円錐筒形状に成型している。

【０００９】 シール材を構成する金属板１０は冷間圧延鋼板、アルミ板、ステンレス板、黄 銅板等が使用され、ゴム層１１ａ，１１ｂのゴム材には、ＳＢＲ、ＮＢＲ、ＮＲ 等のゴムが使用される。シール材を構成する金属板１０およびゴム層１１ａ，１ １ｂの厚さについて、特に制限はないが、金属板の厚さは０．２〜０．３mm、ゴ ム層の厚さは０．０５〜０．１０mmの範囲のものが好ましい。薄いゴム層はゴム コーティング加工により容易に得られる。厚いゴム層とする場合には、ゴムシー トを接着剤にて接着するようにしてもよい。また、必要に応じ、前記積層材をさ らに複数積層することもできる。

【００１０】 上記構成のシール材Ａは、図３および図４に示すように、ユニオン接合部にお ける管本体１の先端シート面１ａとフレアー管２のフレアー部２ａの間に介在さ れる。この介在により、シール材Ａの金属板１０の内面側ゴム層１１ａは前記管 本体の先端シート面１ａに弾力的に当接し、外面側ゴム層１１ｂはフレアー部２ ａの内面に弾力的に当接し、各当接面で金属対ゴムのシール部が形成される。し たがって、このシール部の形成により、フレアー部に形状異常があっても、それ に起因する流体漏れは生じなくなる。

【００１１】 また、前記シール材Ａは金属板１０を芯材として構成しているので、フレアー ナットでの締め付けで生じる剪断力を受けても、破損するおそれはない。 加えて、シール材Ａに、金属板１０を芯材として構成していることから、図５ に示すビート１０ｃの加工や、図６に示すハーフビード１０ｄの加工も可能とな り、シール性を更に向上させることができる。

【００１２】

【考案の効果】

以上に述べたように、本考案によるシール材はユニオン接合部のシール材に用 いて、下記効果が得られる。 （１）ユニオン接合部のフレアー部に形状異常があっても、流体漏れを生じさせ ない。 （２）シール材に金属板を芯材として用いているので、フレアーナットでの締め 付けで生じる剪断力を受けても、シール材の破損がない。 （３）また、金属板を芯材として用いていることから、シール材にビード加工が 可能になり、シール性を更に向上させることも可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示すシール材の側面図であ
る。

【図２】上記シール材の拡大断面図である。

【図３】シール材が組み込まれる前のユニオン接合部の
分解断面図である。

【図４】シール材が組み込まれた後のユニオン接合部の
断面図である。

【図５】本考案の他の実施例を示すシール材の側面図で
ある。

【図６】本考案の他の実施例を示すシール材の側面図で
ある。

【図７】従来のユニオン接合部の断面図である。

【図８】フレアー管におけるフレアー部の形状異常例を
示す説明図である。

【符号の説明】

１ 管本体 １ａ 管本体の先端シート面 ２ 銅管 ２ａ フレアー部 ３ フレアーナット Ａ シール材 １０ 薄い金属板 １１ａ，１１ｂ ゴムコーティング加工によるゴム層 １１ｃ ビード １１ｄ ハーフビード

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 金属板の両面にそれぞれゴム層を積層し
   て成る積層材が、ユニオン接合部の形状に合うように、
   円錐筒形状に成型されていることを特徴とするシール
   材。