JPH0624163Y2 - ヘッジトリマー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、小型エンジン作業機に関するものであり、
一層詳細には、手持ちで作業を行うヘッジトリマーの改
良に関するものである。

〔従来技術および解決すべき課題〕

従来より、小型エンジンを搭載し、手持ちで作業を行う
ヘッジトリマーは所要の作業を簡便に行えることから広
範に使用されている。

ところで、この種のヘッジトリマーは、機器本体上に搭
載したエンジンの回転駆動力を、遠心クラッチ、減速機
構および往復機構を介してトリミング刃の往復動に変換
し、本体前部の把持ハンドルを左手で持ち、右手で後部
操作ハンドルのスロットルレバーを操作することにより
手持ちで草樹木などのトリミング作業を行うように構成
されている。

ところで、トリミングを作業性の面からみると、作業者
が通常の姿勢で草樹木の上面を刈る場合などは問題ない
が、側面の刈り取り作業や足場の悪い地形などでの作業
に際しては手首をまげたり無理な姿勢で作業を行う必要
があるため作業能率が大幅に低下したり、スロットル操
作を行う手指がトリミング後の枝先端によって傷つけら
れてしまうなど解決すべき問題点が指摘されていた。

〔課題の解決手段〕

そこで、この考案では、機器本体上に搭載したエンジン
の回転駆動力を、遠心クラッチ、減速機構および往復機
構を介してトリミング刃の往復動に変換し、本体前部の
ループハンドルと後部操作ハンドルを把持して手持ちで
トリミング作業を行うようにしたヘッジトリマーにおけ
る後部操作ハンドルの取付軸を機器本体に設けた割溝付
き取付スリーブに対して回動自在に装着するとともにこ
の取付スリーブの取付軸線をトリミング刃の長手方向軸
線に対して斜め上方に偏倚させ、さらに前記取付スリー
ブを緊締することにより後部操作ハンドルを所望の回動
位置に固定する操作ノブを設ける構成を採用することに
より、草樹木の側面を刈ったりあるいは足場の悪い地形
などでの作業性と安全性の向上を図ろうとするものであ
る。

〔作用〕

この考案に係るヘッジトリマーでは、草樹木の側面トリ
ミングや足場の悪い地形などでは、機器本体のハンドル
取付部に装着された後部操作ハンドルを適宜回動して固
定具で緊締することにより所望の回動位置に固定し、本
体前部のループハンドルの適所を一方の手で把持し、他
方の手で後部操作ハンドルのスロットルレバーを操作し
て作業を行うものである。

〔実施例〕

次に本考案に係るヘッジトリマーの好適な実施例を例示
し、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。

第１図〜第３図において、本考案に係るヘッジトリマー
は、機器本体１０上に搭載したエンジン１２の回転駆動
力を、遠心クラッチ１４、減速機構１６および往復機構
１８を介してトリミング刃２０の往復動に変換し、本体
１０前部のループハンドル２２と後部操作ハンドル２４
を把持して手持ちでトリミング作業を行う構成となって
いる。

すなわち、エンジン１２の回転駆動力は、遠心クラッチ
１４の出力軸２６に設けたピニオンギア２８、減速ギア
３０およびこの減速ギア３０の軸部に対称的に偏倚させ
て配設した偏心カム３２、３４を介して偏心回転運動に
変換され、次ぎにこれらの偏心カム３２、３４に取着さ
れたリンク杆３６、３８を介して上刃４０と下刃４２の
交互の往復動に変換するように構成されている。

また、前部ループハンドル２２はパイプ部材などを折曲
加工することにより略門形に形成され、その両下端部が
止具４６によって防振機構４４を介して機器本体１０前
部に固定されている。なお、このループハンドル２２の
前方には傾斜した楯状のガード部材４８が一体的に設け
られている。

一方、環状に形成した後部操作ハンドル２４の所定箇所
には、誤操作しないようにセフティレバー５０で保護さ
れたスロットルレバー５２とエンジン停止スイッチ５４
が夫々配設されている。この後部操作ハンドル２４に突
設した取付軸５６は、本体１０後端に配置され、かつ水
平（トリミング刃２０の長手方向軸線）に対して約２０
度傾斜させた取付スリーブ５８に挿着され、さらに抜止
めを行うことにより本体１０に対して回動可能に構成さ
れている。

また、前記取付軸５６は、第４図からも明らかなよう
に、軸方向に割溝６４を設けた前記取付スリーブ５８を
操作ノブ６０の回動操作で締付ベルト６２を介して緊締
することによりその回動が阻止され、後部操作ハンドル
２４は所望の回動位置で固定される構成となっている。

なお、添付図面において参照符号６６は本体１０後端に
配置した振動吸収部材であって、この振動吸収部材６６
はトリミング刃２０、エンジン１２などの振動を後部操
作ハンドル２４にできるだけ伝えないようにするための
ものである。

このように構成したヘッジトリマーを使用するに際して
は、エンジン１２を駆動した後、ループハンドル２２を
左手で持ってヘッジトリマーを支持するとともに後部操
作ハンドル２４のスロットルレバー５２を右手で適宜操
作してトリミング刃２０を往復動させ、例えば、第５ａ
図に示すような植木の上面をトリミングする。

また、植木の側面をトリミングする時は、操作ノブ６０
を緩めてこの操作ノブ６０および締付ベルト６２による
取付スリーブ５８内の取付軸５６の緊締状態を解除した
のち、後部操作ハンドル２４を略９０度回転して再び操
作ノブ６０で取付軸５６を緊締保持し、第５ｂ図に示す
ように、左手でループハンドル２２の側部を持ってヘッ
ジトリマーを吊下げ、右手で後部操作ハンドル２４のス
ロットルレバー５２を適宜操作して作業を行えば良い。

なお。この場合、後部操作ハンドル２４の取付軸線Ａを
作業手段としてのトリミング刃２０の軸線Ｂに対して斜
め上方に偏倚させてあるので、スロットル操作を行う右
手がトリミング後の枝先端からかなり離れることにな
り、従って、手指が傷ついたりするのを防止することが
できるものである。

〔考案の効果〕

先に述べたように、本考案に係るヘッジトリマーによれ
ば、機器本体に対して後部操作ハンドルを所望の回動位
置に固定できるので草樹木の側面を刈ったりあるいは足
場の悪い地形などでの作業を無理なく簡便に行うことが
でき、従って、作業能率はもちろん安全性の向上も図る
ことができる等種々の利点を有しその実用的効果は極め
て大きい。

以上、本考案に係るヘッジトリマーの好適な実施例につ
き説明したが、本考案はこの実施例に限定されるもので
はなく、本考案の精神を逸脱しない範囲内において種々
の改変をなし得ることは勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るヘッジトリマーの好適な実施例の
一部省略断面側面図、第２図は第１図に示すヘッジトリ
マーの一部省略断面底面図、第３図は第１図に示すヘッ
ジトリマーの一部省略平面図、第４図は第１図に示すヘ
ッジトリマーにおける後部操作ハンドルの取付軸の緊締
構造を示す要部断面説明図、第５ａ図は第１図に示すヘ
ッジトリマーで植木の上面をトリミングしている状態の
側面図、第５ｂ図は後部操作ハンドルを回動固定して植
木の側面をトリミングしている状態の平面図である。 10……機器本体、12……エンジン、 14……遠心クラッチ、16……減速機構、 18……往復機構、20……トリミング刃、 22……ループハンドル、24……操作ハンドル、 26……出力軸、28……ピニオンギア、 30……減速ギア、32,34……偏心カム、 36,38……リンク杆、40……上刃、 42……下刃、44……防振機構、 46……止具、48……ガード部材、 50……セフティレバー、52……スロットルレバー、 54……エンジン停止スイッチ、 56……取付軸、58……取付スリーブ、 60……操作ノブ、62……締付ベルト、 64……割溝、66……振動吸収部材、

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】機器本体上に搭載したエンジンの回転駆動
   力を、遠心クラッチ、減速機構および往復機構を介して
   トリミング刃の往復動に変換し、本体前部のループハン
   ドルと後部操作ハンドルを把持して手持ちでトリミング
   作業を行うようにしたヘッジトリマーにおいて、後部操
   作ハンドルの取付軸を機器本体に設けた割溝付き取付ス
   リーブに対して回動自在に装着するとともにこの取付ス
   リーブの取付軸線をトリミング刃の長手方向軸線に対し
   て斜め上方に偏倚させ、さらに前記取付スリーブを緊締
   することにより後部操作ハンドルを所望の回動位置に固
   定する操作ノブを設けることを特徴とするヘッジトリマ
   ー。