JPH06240536A - 高収縮複合繊維およびその加工方法 - Google Patents

高収縮複合繊維およびその加工方法

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JPH06240536A
JPH06240536A JP5025341A JP2534193A JPH06240536A JP H06240536 A JPH06240536 A JP H06240536A JP 5025341 A JP5025341 A JP 5025341A JP 2534193 A JP2534193 A JP 2534193A JP H06240536 A JPH06240536 A JP H06240536A
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alkali
fiber
conjugate fiber
elution
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JP5025341A
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Masaki Yamanaka
昌樹 山中
Ryoji Nakamura
良司 中村
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、手触りに優れた高密度布帛に成形
可能な衣料用複合繊維とその加工方法に関し、特にアル
カリ溶出処理後の収縮性の高い溶出型複合繊維とその加
工方法の提供を目的とする。 【構成】 2成分からなる溶出型極細繊維発現性複合繊
維であり、50℃でのアルカリ減量処理でも、充分な減
量速度を有するポリマーを用いるために、減量処理時の
熱履歴の悪影響を全く与える事なく、溶出成分の減量を
行うことが可能であり、溶出成分の溶出後に、高い収縮
能力を持つ素材を得ることが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は手触りに優れた高密度布
帛に成形可能な衣料用複合繊維とその加工方法に関し、
特にアルカリ溶出処理後の収縮性の高い溶出型複合繊維
とその加工方法に関するものである
【0002】
【従来の技術】複合繊維から、一成分を溶出除去する方
法によって極細繊維束を得る方法は、良く知られてお
り、このような方法で得られた極細繊維を用い、織物を
はじめとする衣料用途で、優れた特性や風合いを持つ素
材の提案が数多くなされてきた。
【0003】しかしながら上記の溶出処理を用いて得ら
れた布帛は、溶出処理に必然的に伴う織密度の低下によ
る「はり」、「こし」の低下の問題等があり、感覚的な
諸特性について不十分な点が多かった。
【0004】また、界面での剥離を利用した、分繊型複
合繊維では、前記のような 密度低下は起こらないが、
しかしながら、この分繊処理による極細化によって得ら
れる糸束は、剥離性を高めるために異種ポリマーの組合
せを用いているため、染色時に色合わせが困難であると
いう問題があった。
【0005】そこで、溶出処理による極細化後に、熱処
理を施し、収縮発現による高密度化を行う必要が生じる
が、有機溶剤を使用しない最も有効な溶出処理であるア
ルカリ減量を用いる場合、溶出除去処理時に受ける熱セ
ットによって、多くの場合、該処理後に目的の収縮や捲
縮が十分には発現しないという欠点があった。
【0006】また、得にポリエステルからなる溶出成分
をアルカリ減量によって溶出する場合においては、実用
的な処理時間で減量を終了するには、従来、溶出速度の
向上した改質PETを用いても、せいぜい70℃程度ま
でしか処理温度を下げる事ができず、残留成分への熱履
歴の悪影響は避けられないという欠点があった。特に、
残留成分もポリエステルを用いる場合、このような処理
温度では、減量完了前に熱固定を受け、収縮が発現する
前に複合糸の状態で形状が固定されてしまうために、ほ
とんど目的の収縮率が得られないという欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は溶出型異収縮
もしくは溶出型捲縮発現性複合繊維における前記従来の
欠点、即ち、溶出処理時に受ける熱セットを解消し、収
縮を充分に発現できる複合糸及びその加工方法を提供せ
んとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の一つは、
2成分AおよびBの熱可塑性重合体より構成される複合
繊維であり、B成分は繊維中10〜50重量%を占めて
おり、50℃のアルカリ水溶液(60g/l)で100
%/hr以上の溶解速度を有する低温溶出型のポリマー
であり、AがBにより完全に独立分離された複合形態を
有し、B成分をアルカリ溶出した後にAが1.5〜0.
1dpfに分離する溶解型の複合繊維であり、60℃以
下のアルカリ溶出処理後のAの90℃における乾熱応力
が30mg/d以上かつ、10mg/d荷重下、90℃
水中での湿熱収縮率が5%以上であることを特徴とする
高収縮複合繊維であり、
【0009】また、本発明の別の一つは、2成分Aおよ
びBの熱可塑性重合体より構成される複合繊維であり、
B成分は繊維中10〜50重量%を占めており、イソフ
タル酸骨格を有するジカルボン酸成分を全酸成分に対し
2.0モル%以上含む改質されたポリエチレンテレフタ
レートに、ポリアルキレングリコールを6.0〜20重
量%メルトブレンドしたアルカリ易溶出性ポリエステル
であり、AがBにより完全に独立分離された複合形態を
有し、B成分を溶出した後にA成分が1.5〜0.1d
pfに分離する複合形態である溶解型の複合繊維を用
い、該複合繊維の、B成分を除去する工程において、6
0℃以下の液温でアルカリ減量することを特徴とする、
高収縮複合繊維の加工方法である。
【0010】B成分の繊維中に占める重量比が一定値以
上であることは、B成分の溶出後残留成分が収縮を発現
するための空隙を、繊維間に与えるために必要である。
また逆に、B成分の重量比が大きすぎると、溶出で生じ
た空隙を、収縮で埋め尽くすことが出来ず、密度低下が
大きくなりすぎ、また「はり」「こし」のない風合いと
なる。つまり、本発明におけるB成分の複合比は15%
〜50%の範囲であることが必要であり、特に好ましく
は15〜40%であることが優れている。
【0011】A成分に用いるポリマー種としては、以後
に示すポリマーに必ずしも限られないが、例えば、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン2,6−ナフタレートなどやこれらの
改質共重合ポリエステルや、あるいは、ナイロン6、ナ
イロン66、ポリヘキサメチレンテレフタルアミドや、
これらの改質共重合ポリアミドなどを用いることができ
る。
【0012】但し、本発明では後に述べるように、B成
分は特殊なポリエステル系のポリマーを用いることが最
も好ましいため、この様な特殊なポリエステル系ポリマ
ーを使用する際には、A成分もポリエステル系ポリマー
を用いることが、紡糸安定性の点から好ましいことも多
い。
【0013】本発明における、複合繊維の断面形状は、
B成分によってA成分が1.5〜0.1dpfの細繊度
繊維に分離されている形状である。ここで、A成分は、
図1〜4に示した好ましい例のように、単純な芯/鞘構
造(図1)であっても良いし、超極細繊維を発生する海
島形断面(図2)、放射形断面(図3)、あるいは張り
合わせ型断面(図4)でも良い。
【0014】B成分の溶出後、A成分からなる残留成分
の、90℃での熱応力が30mg/d以上かつ、10m
g/dの荷重下における90℃水中での湿熱収縮率が5
%以上であることは、本発明において特に重要であり、
この条件を全て満たす場合にはじめて本発明の初期の目
的とする効果が得られる。
【0015】つまり、布帛成形後の拘束力下において、
充分な収縮を発現するには、B成分の溶出後、A成分か
らなる残留成分の、90℃での熱応力が30mg/d以
上であることが必要であり、この値以下では充分な糸長
差、または捲縮の発現がみられない。本発明において、
90℃での熱応力は特に40mg/d以上であることが
好ましい。
【0016】また、B成分の溶出後、A成分からなる残
留成分の、10mg/dの荷重下における90℃水中で
の湿熱収縮率が5%以上であることは、拘束力下での収
縮発現能力が一定値以上であることが必要であることを
意味し、この値以下では、充分な収縮が発現しない。本
発明において、B成分の溶出後、A成分からなる残留成
分の、20mg/dの荷重下における90℃水中での湿
熱収縮率は特に10%以上であることがより好ましい。
【0017】本発明において、B成分が50℃のアルカ
リ水溶液(60g/l)で100%/hr以上の溶解速
度を有する低温溶出型のポリマーであることも、特に重
要である。即ち、一般的なアルカリ処理濃度である60
g/lのアルカリ溶液を用いても、減量処理時の熱履歴
の悪影響をほとんど受けない50℃の液温でも1時間程
度の処理時間で減量が完了するほど、B成分がアルカリ
易溶出性であることである。この処理条件で1時間を越
す処理時間が必要になる場合は加工コストの点から実用
性がなくなるし、また無理に減量時間を増やしてB成分
を完全に溶出しようとすると、残留成分Aも長時間アル
カリにさらされることになり、物性の低下を引き起こ
す。特に、この条件でのB成分の減量速度は120%/
hrであることが好ましい。
【0018】但し、ここで言う減量速度とは、B成分の
完全な溶出除去に必要な時間(min)を求め、この値
を60(1hr)で除算した商に100を乗じた値とす
る。
【0019】また本発明において、B成分はイソフタル
酸骨格を有するジカルボン酸成分を全酸成分に対し2.
0モル%以上含む改質されたポリエチレンテレフタレー
トに、ポリアルキレングリコールを6.0〜20重量%
メルトブレンドしたアルカリ易溶出性ポリエステルを用
いる事が必要で、この条件を満たす場合にB成分が先に
述べたアルカリ易溶出性を示すようになる。
【0020】従来、特開平2-145812号公報や、特開平3-
287819号公報に示されているように、イソフタル酸骨
格、特に5−Naスルホイソフタル酸成分を骨格中に有
する、ポリエステルにポリアルキレングリコールをブレ
ンドしたポリマーは、非常にアルカリ減量速度がはやい
ことが知られている。本発明者らは、このようなブレン
ドポリマーのイソフタル酸骨格成分とブレンドするポリ
アルキレングリコールのブレンド量をある値以上にする
と、50℃のアルカリ水溶液(60g/l)で100%
/hr以上の溶解速度を有する低温溶出型のポリマーが
得られる事を見いだした。
【0021】B成分中に含まれるイソフタル酸骨格成分
は、酸成分に対して少なくとも2.0モル%以上である
ことが必要である。イソフタル酸骨格成分のモル分率の
上限は100%、即ち酸成分が全てイソフタル酸骨格を
有するモノマーから構成されていても良い。また、さら
にこの改質ポリエステル成分に、ポリアルキレングリコ
ールを6.0〜20重量%メルトブレンドしてあること
が必要である。B成分にブレンドするポリアルキレング
リコールのブレンド量は6.0重量%以上でその易溶出
効果を発揮し、また20重量%以上になると溶融粘度の
低下が著しく、複合糸としての紡糸安定性の低下や、ノ
ズル内流動の不安定化を引き起こす。
【0022】本発明におけるB成分にブレンドするポリ
アルキレングリコールのブレンド量は特に、10〜15
重量%で有ることが好ましい。また、本発明におけるB
成分中に含まれるイソフタル酸骨格成分は、5−Naス
ルホイソフタル酸であることが特に好ましい。
【0023】また、特にこのイソフタル酸骨格成分に、
イソフタル酸を用いる場合には、5−Naスルホイソフ
タル酸を用いる場合に比べて、少々減量速度が遅くなる
が、この場合特に、酸成分に対して少なくとも8.0モ
ル%以上イソフタル酸を共重合したポリエステルにポリ
アルキレングリコールをブレンドすることで、好ましい
易溶出性を示すポリエステルを得ることができる。
【0024】また、本発明においては、アルカリ処理を
60℃以下で行う必要がある。図5はイソフタル酸を全
酸成分に対して10モル%共重合した改質ポリエチレン
テレフタレートを、未延伸糸−延伸法により製糸して得
られた延伸糸の、湿熱収縮率と処理温度との関係を各荷
重下で測定したものである。
【0025】収縮率は、50℃付近から立ち上がりはじ
め、60℃以上ではピーク値の60%以上の収縮が発現
していることがわかる。すなわち、本発明の複合糸を6
0℃以上の液温でアルカリ減量した場合、残留成分A、
Bがポリエステルである場合、B成分の減量完了以前に
かなりの収縮が発現する。つまり、複合されたままの状
態で糸全体が収縮して形状が固定されてしまうために、
後の加熱工程で収縮させようとしても充分な収縮能が残
っておらず、収縮が充分には、あるいは全く発現しない
のである。
【0026】本発明におけるアルカリ処理温度は、好ま
しくは60℃以下、また50℃以下であれば特に好まし
い。
【0027】
【実施例】以下に、実施例を用いて本発明を詳しく説明
する。尚、実施例に用いた熱応力曲線は、20mmの糸
条試料を、初荷重10mg/d、昇温速度20℃/分で
30℃から270℃まで昇温し、応力値を測定したもの
である。また、実施例中の90℃における熱応力値も、
上記熱応力曲線の、90℃での応力値を読みとったもの
である。
【0028】実施例1 A成分として、フェノール/テトラクロロエタン=3/
2混合溶媒中での極限粘度0.63のポリエチレンテレ
フタレート、B成分として、下記一般式化1(式中m+
n=6)で表される化合物をエチレングリコールに対し
て3重量%、5-ナトリウムスルホイソフタル酸を全酸成
分に対して3モル%共重合した、フェノール/テトラク
ロロエタン=3/2混合溶媒中での極限粘度0.52の
改質ポリエチレンテレフタレートに、平均分子量約20
000のポリエチレングリコールを10wt%メルトブ
レンドしたアルカリ易溶出ポリエステルを用い、図2に
示した、海島断面に複合し、紡速4500m/minで
紡糸した後、延伸倍率1.5、ホットローラー温度82
℃で延伸し、複合比(重量比)A/B=3/1、50デ
ニール、10フィラメントの延伸糸を得た。
【0029】
【化1】
【0030】この延伸糸を用いてチューブ編みとした
後、アルカリ濃度60g/l、50℃のNaOH水溶液
中で減量処理した。図6に示したように、このときの減
量処理時間と減量率との関係は、30分処理でC成分比
相当以上の減量率を達成し、その後は減量曲線の傾きも
小さくなることから、C成分の選択的溶出の終了がうか
がえる。
【0031】上記のアルカリ処理条件において、チュー
ブ編みとせず、糸条で40分処理したサンプル(38デ
ニール)を用いて、湿熱収縮率の温度依存性と乾熱応力
の測定を行ったところ、図7、図8に示すように、90
℃、10mg荷重下における湿熱収縮率9.6%、90
℃における乾熱応力82mg/d(3100mg)であ
った。
【0032】また、この延伸糸を緯糸に用い、経糸とし
て70D−48fのポリエステルフィラメントを用いて
タフタに製織した。このタフタをアルカリ濃度60g/
l、50℃のNaOH水溶液中で60分減量処理した
後、沸水中で10分間加熱処理したところ、「はり」
「こし」があり、手触りに優れた高密度布帛が得られ
た。
【0033】実施例2 A成分として、イソフタル酸を全酸成分の10モル%共
重合した、フェノール/テトラクロロエタン=3/2混
合溶媒中での極限粘度0.61の改質ポリエチレンテレ
フタレート、B成分として、イソフタル酸を全酸成分の
10モル%共重合した、フェノール/テトラクロロエタ
ン=3/2混合溶媒中での極限粘度0.61の改質ポリ
エチレンテレフタレートに、平均分子量約20000の
ポリエチレングリコールを10wt%メルトブレンドし
たアルカリ易溶出ポリエステルを用い、図3に示した、
放射断面に複合し、紡速1300m/minで紡糸した
後、延伸倍率3.0、ホットローラー温度82℃で延伸
し、複合比(重量比)A/B=2/1、80デニール、
24フィラメントの延伸糸を得た。
【0034】この延伸糸を用いて実施例1同様糸状で、
アルカリ濃度60g/l、50℃のNaOH水溶液中で
60分減量処理し、57デニールのサンプルを得た。こ
のサンプルの90℃、10mg荷重下における湿熱収縮
率は19.2%、90℃における乾熱応力は250mg
/d(14300mg)であった。
【0035】実施例3 A成分として、96%濃硫酸中の相対粘度2.50のナ
イロン6、B成分として、イソフタル酸を全酸成分の1
0モル%共重合した、フェノール/テトラクロロエタン
=3/2混合溶媒中での極限粘度0.61の改質ポリエ
チレンテレフタレートに、平均分子量約20000のポ
リエチレングリコールを10wt%メルトブレンドした
アルカリ易溶出ポリエステルを用い、実施例1同様、図
2に示した海島断面に複合し、紡速4500m/min
で紡糸した後、延伸倍率1.5、ホットローラー温度8
2℃で延伸し、複合比(重量比)A/B=3/1、80
デニール、10フィラメントの延伸糸を得た。
【0036】この延伸糸を用いて実施例1同様、アルカ
リ濃度60g/l、55℃のNaOH水溶液中で30分
減量処理し60デニールのサンプルを得た。このサンプ
ルの90℃、10mg荷重下における湿熱収縮率は1
1.5%、90℃における乾熱応力は70mg/d(4
200mg)であった。
【0037】比較例1 実施例1の延伸糸を(糸条で)用い、アルカリ濃度60
g/l、70℃のNaOH水溶液中で15分減量処理
し、38デニールの糸条サンプルを得た。このサンプル
の熱収縮特性は、第4図、第5図に示したように、90
℃、10mg荷重下における湿熱収縮率2.0%、90
℃における乾熱応力15mg/d(500mg/39
d)であった。またこのサンプルを90℃水中で5分間
熱処理したが、写真2に示すように、捲縮は全く発現し
なかった。
【0038】比較例2 実施例1において、B成分として、フェノール/テトラ
クロロエタン=3/2混合溶媒中での極限粘度0.63
のポリエチレンテレフタレートに、平均分子量約200
00のポリエチレングリコールを10wt%メルトブレ
ンドしたアルカリ易溶出ポリエステルを用いた。
【0039】この延伸糸を用いてチューブ編みとした
後、アルカリ濃度80g/l、50℃のNaOH水溶液
中で減量処理した。このとき、B成分の完全な溶出除去
には100分の処理時間を要した。また、このときの減
量率は、B成分の重量%=25%に対し、30%であ
り、残留成分もかなり減量されていることがわかった。
【0040】比較例3 実施例1において、延伸時にホットプレートを用い、延
伸倍率1.5、ホットローラー温度82℃、ホットプレ
ート温度150℃で延伸した。(50デニール、10フ
ィラメント)
【0041】この延伸糸を用いて実施例1同様糸状で、
アルカリ濃度60g/l、50℃のNaOH水溶液中で
40分減量処理を施した。(38デニール)このとき、
90℃、10mg荷重下における湿熱収縮率3.2%、
90℃における乾熱応力63mg/d(2000mg)
であった。
【0042】比較例4〜8 96%濃硫酸中の相対粘度2.50のナイロン6を島成
分とし、海成分として、下記5種のポリマーを用い、複
合比(海/島=)1/2、島数25本/フィラメントの
海島繊維とし、紡速1300m/minで紡糸後、延伸
し、50デニール10フィラメントの延伸糸を得た。
【0043】この延伸糸をチューブ編みとして用い、ア
ルカリ濃度60g/l、50℃のNaOH水溶液中で減
量し、減量率が33%(海成分比)となる時間を測定
し、減量速度(%/hr)を求めた。この結果を表1に
示す。尚、比較例9では、紡糸安定性が低く、ほとんど
サンプルを得ることが出来なかった。また、分配不良に
よる単糸間の太さむらが顕著であった。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、50℃でのアルカリ減
量処理でも、充分な減量速度を有するポリマーを用いる
ために、減量処理時の熱履歴の悪影響を全く与える事な
く、溶出成分の減量を行うことが可能であり、溶出成分
の溶出後に、高い収縮発現能力を有する素材を得る事が
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の繊維断面を示す図である。
【図2】本発明の繊維断面を示す図である。
【図3】本発明の繊維断面を示す図である。
【図4】本発明の繊維断面を示す図である。
【図5】イソフタル酸を全酸成分に対して10モル%共
重合した改質ポリエチレンテレフタレートを、未延伸糸
−延伸法により製糸して得られた延伸糸の湿熱収縮率と
処理温度との関係を各荷重下の対比により示す図であ
る。
【図6】本発明の易溶出ポリエステルの減量処理時間と
減量率との関係を示す図である。
【図7】湿熱収縮率の温度依存性を実施例1と比較例1
について対比して示す図である。
【図8】乾熱応力の温度依存性を実施例1と比較例1に
ついて対比して示す図である。
【符号の説明】
1はA成分、2はB成分を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 11/38

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2成分AおよびBの熱可塑性重合体より
    構成される複合繊維であり、B成分は繊維中10〜50
    重量%を占めており、50℃のアルカリ水溶液(60g
    /l)で100%/hr以上の溶解速度を有する低温溶
    出型のポリマーであり、AがBにより完全に独立分離さ
    れた複合形態を有し、B成分をアルカリ溶出した後にA
    が1.5〜0.1dpfに分離する溶解型の複合繊維で
    あり、60℃以下のアルカリ溶出処理後のAの90℃に
    おける乾熱応力が30mg/d以上かつ、10mg/d
    荷重下、90℃水中での湿熱収縮率が5%以上であるこ
    とを特徴とする高収縮複合繊維。
  2. 【請求項2】 2成分AおよびBの熱可塑性重合体より
    構成される複合繊維であり、B成分は繊維中10〜50
    重量%を占めており、イソフタル酸骨格を有するジカル
    ボン酸成分を全酸成分に対し2.0モル%以上含む改質
    されたポリエチレンテレフタレートに、ポリアルキレン
    グリコールを6.0〜20重量%メルトブレンドしたア
    ルカリ易溶出性ポリエステルであり、AがBにより完全
    に独立分離された複合形態を有し、B成分を溶出した後
    にAが1.5〜0.1dpfに分離する複合形態である
    溶解型の複合繊維を用い、該複合繊維の、B成分を除去
    する工程において、60℃以下の液温でアルカリ減量す
    ることを特徴とする、高収縮複合繊維の加工方法。
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Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100329036B1 (ko) * 2000-11-27 2002-03-18 구광시 경편용 해도형 복합섬유 및 그의 제조방법
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