JPH06240505A - 転写マーク付き手袋の製造法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】文字や模様などのマークを樹脂手袋表面に転写
するとき、皺がなく、空気溜りがない状態できれいに転
写できるようにする。 【構成】耐熱性樹脂からなるフイルム１の片面に透明な
剥離層３を介して文字や模様などのマーク印刷層２を設
けるとともにこのマーク印刷層２を剥離層３との間で挟
む接着層４を設けてなり且つフイルム１がマーク印刷層
２よりも大きな転写シート７を用い、樹脂手袋の被転写
部表面５を扁平とした状態で転写シート７をフイルム１
が外側に向くようにして被転写部表面５に重ね、フイル
ム１の上から接着層４に対して局部的に熱盤６により加
熱して接着層４を溶融圧着させた後、剥離層３からフイ
ルム１を剥離することにより、きれいな転写マーク付き
手袋が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、文字や模様などの転写
マークを樹脂手袋表面に設けるための転写マーク付き手
袋の製造法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、表面に文字や模様が付いた樹脂手
袋を製造する方法として、離型紙に合成樹脂透明フイル
ムを剥離自在に貼合しこのフイルムの外面に図柄などを
印刷すると共に同フイルムにおいて図柄の周囲にビグ抜
きの切縁を設けて絵を裏面に印刷した小片を剥離自在に
備えたシートを構成し、このシートより小片を剥離し当
該小片を成形型の表面に絵の印刷面が外側になるように
して剥離自在に貼り付け、次いで成形型を合成樹脂ラテ
ックス、プラスチゾルまたはオルカノゾルに浸漬しこれ
を引き揚げて型面に付着した薄膜をゲル化したのちこの
薄膜を成形型より反転して剥離する方法が知られてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の方法では、前記小片を成形型の表面に貼り付けると
き、先ず小片を指でつまんでシートより剥離し、この剥
離した小片を指でつまんだまま成形型の表面に貼り付け
るのであるが、小片は言葉通り小さいためにつまみにく
く、また成形型の表面は手の型に合わせて湾曲している
ため、小片が成形型の表面に貼り付けられたとき皺が寄
るとともに小片と成形型の表面との間に空気が溜りやす
いという問題があった。

【０００４】本発明はこのような課題を解決するもの
で、文字や模様などのマークを樹脂手袋表面に転写する
とき、皺がなく、空気溜りがない状態できれいに転写で
きるようにすることを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は、耐熱性樹脂からなるフイルムの片面に透明
な剥離層を介して文字や模様などのマーク印刷層を設け
るとともにこのマーク印刷層を前記剥離層との間で挟む
接着層を設けてなり且つ前記フイルムがマーク印刷層よ
りも大きな転写シートを用い、樹脂手袋の被転写部表面
を扁平とした状態で前記転写シートを耐熱性樹脂からな
るフイルムが外側に向くようにして樹脂手袋の被転写部
表面に重ね、前記フイルムの上から前記接着層に対して
局部的に熱盤により加熱して前記接着層を溶融圧着させ
た後、前記剥離層から前記フイルムを剥離することを特
徴とする転写マーク付き手袋の製造法を要旨とするもの
である。

【０００６】

【作用】この構成により、文字や模様などのマークを樹
脂手袋表面に転写するとき、前記フイルムは前記剥離
層、マーク印刷層、接着層の重なり部の面積より大きい
ため、機械的に転写する場合でも取り扱いが容易とな
り、転写シートを樹脂手袋の被転写部表面に重ねるとき
前記剥離層、マーク印刷層、接着層の重なり部に皺が寄
らず、且つ接着層と樹脂手袋表面との間に空気溜りがな
い状態で正確に重ねることができ、きれいな転写マーク
付き手袋が得られる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の一実施例について、図面に基
づいて説明する。図１は転写シートの断面図であり、１
は耐熱性樹脂からなるフイルム、２はこのフイルム１の
片面に透明な剥離層３を介して設けられた文字や模様な
どのマーク印刷層である。４はこのマーク印刷層２を前
記剥離層３との間で挟む接着層である。

【０００８】前記耐熱性樹脂からなるフイルム１は融点
が２４５℃のポリエチレンテレフタレートを材料として
厚みが２５μｍに成形され、前記剥離層３は融点が１３
０℃のアクリル酸エステル共重合体を材料として厚みが
５μｍに成形され、前記マーク印刷層２は顔料により厚
みが５μｍに印刷され、前記接着層４は融点が１００℃
のポリウレタンを材料として厚みが５μｍに成形されて
いる。そして前記マーク印刷層２は前記剥離層３と前記
接着層４との間で挟まれ、周囲がマーク印刷層２より一
回り大きな前記剥離層３と前記接着層４により包まれて
いる。

【０００９】図２および図３に以上の構成の転写シート
の文字や模様などの転写マークを樹脂手袋の被転写部表
面に転写する状態を示しており、５はポリ塩化ビニルか
らなる手袋の被転写部表面で、内部に型板が挿入されて
扁平状態に形付けられている。６は扁平状態の被転写部
表面５に転写シート７を耐熱性樹脂からなるフイルム１
が外側に向くようにして重ねた状態で、前記フイルム１
の上から前記接着層４に対して局部的に加熱して接着層
４を溶融させる熱盤である。

【００１０】この熱盤６はヒーター加熱されるアルミニ
ウムからなる昇降体８の下面にシリコンゴム９を貼り付
けてなるもので、この熱盤６が下降することによりシリ
コンゴム９は前記フイルム１の上から前記剥離層３、マ
ーク印刷層２、接着層４の重なり部を被転写部表面５に
３秒程度押し付け、熱盤６からの熱を接着層４に伝えて
接着層４を溶融圧着させた後、前記剥離層３から前記フ
イルム１を剥離することにより被転写部表面５に剥離層
３、マーク印刷層２、接着層４の重なり部が残った状態
となって転写が完了する。この一連の作業は機械により
自動的に行なうことができる。

【００１１】なお、前記シリコンゴム９の温度は１９０
℃に設定され、この温度が前記フイルム１の上から前記
剥離層３、マーク印刷層２、接着層４、手袋の被転写部
表面５に伝わったとき、接着層４のみが３秒程度の押し
付けで溶融して手袋の被転写部表面５に付着するもので
ある。また、手袋を構成するポリ塩化ビニルは融点が１
８０℃位であり、前記加熱温度（１９０℃）の方がポリ
塩化ビニルの融点よりも若干高いが、加熱時間は３秒程
度で短いため、手袋の被転写部表面５は僅かに軟化する
程度で、熱変形しない。

【００１２】ところで前記耐熱性樹脂からなるフイルム
１、剥離層３、接着層４は以上の材料に限定されるもの
ではなく、手袋の材料（例えば前記ポリ塩化ビニルの
他、天然ゴムや合成ゴムなどが用いられる）に応じて適
宜選択すれば良い。

【００１３】また、前記剥離層３、マーク印刷層２、接
着層４の重なり部を１枚のフイルム１に多数設けた転写
シートを用意すれば、１枚の転写シートから多数の手袋
に対して転写することができるとともに機械により連続
的な転写作業が行なえる。

【００１４】

【発明の効果】 以上のように本発明によれば、文字や
模様などのマークを樹脂手袋表面に転写するとき、前記
フイルムは前記剥離層、マーク印刷層、接着層の重なり
部の面積より大きいため、機械的に転写する場合でも取
り扱いが容易となり、転写シートを樹脂手袋の被転写部
表面に重ねるとき前記剥離層、マーク印刷層、接着層の
重なり部に皺が寄らず、且つ接着層と樹脂手袋表面との
間に空気溜りがない状態で正確に重ねることができ、き
れいな転写マーク付き手袋が得られる。さらに手袋に転
写されたマークの印刷面は剥離層で覆われているため、
傷が付きにくいという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における転写シートの拡大断
面図である。

【図２】同転写シートから転写マークを樹脂手袋の被転
写部表面に転写する直前の状態を示す拡大断面図であ
る。

【図３】同転写シートから転写マークを樹脂手袋の被転
写部表面に転写した状態を示す拡大断面図である。

【符号の説明】

１ 耐熱性樹脂からなるフイルム ２ マーク印刷層 ３ 剥離層 ４ 接着層 ５ 被転写部表面 ６ 熱盤 ７ 転写シート

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 耐熱性樹脂からなるフイルムの片面に透
   明な剥離層を介して文字や模様などのマーク印刷層を設
   けるとともにこのマーク印刷層を前記剥離層との間で挟
   む接着層を設けてなり且つ前記フイルムがマーク印刷層
   よりも大きな転写シートを用い、樹脂手袋の被転写部表
   面を扁平とした状態で前記転写シートを耐熱性樹脂から
   なるフイルムが外側に向くようにして樹脂手袋の被転写
   部表面に重ね、前記フイルムの上から前記接着層に対し
   て局部的に熱盤により加熱して前記接着層を溶融圧着さ
   せた後、前記剥離層から前記フイルムを剥離することを
   特徴とする転写マーク付き手袋の製造法。