JPH0623953U - ガス媒体により帯材を非接触的に案内するための装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】比較的薄い帯材も比較的厚い及び／または剛性
の大きな帯材も（特にメタルバンド）非接触的に正弦波
形状に案内することができるようにする。 【構成】ノズルケース２−９のノズル噴出面が、帯材１
の搬送方向に相当するほぼ水平な面１０に対して、搬送
方向に個々にまたはグループごとに異なった間隔をもっ
ている。帯材１のそれぞれの波山または波谷に複数のノ
ズルケース２−９が付設されている。ノズルケース２−
９のノズル噴出面の位置が波形に適合可能である。

Description

【考案の詳細な説明】 【０００１】 【産業上の利用分野】 本考案は、帯材の上方及ぞび下方に該帯材から間隔をもって配置され且つそれ ぞれ１つのノズル噴出面を有しているノズルケースを備え、これらのノズルケー スの間にして帯材の上方及び下方にガス排気ダクトが設けられている、ガス媒体 により帯材を非接触的に案内するための装置に関する。 【０００２】 【従来の技術】 この種の装置は、特に帯材または帯状の材料を加熱もしくは冷却するために用 いられる。ガス媒体としては主に、帯材に対して吹きつけられる空気または保護 ガスが使用される。 【０００３】 厚さが０．１mm以上の帯材を、特にメタルバンドを、むらなく且つ平坦な状態 で互いに逆方向に指向するノズルケースの間の隙間を通過させ案内することはす でに公知である（ドイツ特許公告第２５２１０１７号公報）。ノズルケースは帯 材の搬送方向に対して横に延在し、且つ縦方向或は横方向に向けられるノズルは 互いにずらして配置されている。１枚の帯材の近傍に配置されるノズルケースは 、ノズルを介して前記帯材に吹きつけられるガス媒体の排出用のガス排気ダクト によって互いに仕切られている。これらのガス排気ダクトのなかには、ガスの排 気量を調節するための絞り弁が設けられている。 【０００４】 この公知の装置は、０．３mm以上の厚さのメタルバンドを満足に案内すること ができない。例えばある種の銅合金のような特殊な金属合金の場合には、厚さが ０．３mm以下であっても満足な案内は得られない。 【０００５】 この装置によってメタルバンドを正弦状に有利に案内することは不可能である 。むしろ、装置から出るメタルバンドにはかなりの縦じわや他の非平面部分があ り、廃物にせざるを得ない場合が多い。 【０００６】 さらに、焼なまし処理の目的で帯材を、特にアルミニウムバンドを浮動状態で 案内することができる装置が公知である（ドイツ特許第３３１８８６１号公報） 。この装置では、帯材の搬送方向に対して横に延びるノズルケースが使用されて いる。各ノズルケースは、空気クッションの形成のために、送風方向が互いに対 して傾斜している２つの長穴或は穴列を有している。これらのノズルケースは、 帯材の上方及び下方に対になって配置されている。帯材の上方に配置される１対 のノズルケースには、搬送方向にして帯材の下方に他のノズルケース対が続いて いる。このノズルケース対には、搬送方向にして帯材の上方に他のノズルケース 対が続く。このような構成は、帯材の上方または下方に配置されているノズル対 の間に大きな中間空間があることを意味している。つまり、帯材の加熱或は冷却 が処理区間に関連して比較的弱いのが欠点である。従って、装置の性能を高める ためには比較的長い処理区間を必要とするが、これは技術的な浪費である。 【０００７】 さらに上記の装置の場合、ノズルケースから流出し互いに対して傾斜したガス 流の搬送力が極めて小さく、従って比較的厚く重いメタルバンドに対しては適し ていない。この装置の場合、ノズルケースは実際浪費的に構成されているが、搬 送効果及び案内効果の上で最適な、帯材の正弦状の案内は不可能である。 【０００８】 【考案が解決しようとする課題】 本考案の目的は、比較的薄い帯材も比較的厚い及び／または剛性の大きな帯材 も（特にメタルバンド）非接触的に正弦波形状に案内することができ、加熱また は冷却に対し高い出力密度が得られるような、冒頭で述べた種類の装置を形成す ることである。 【０００９】 【課題を解決するための手段】 本考案は、上記目的を達成するため、帯材の上方及び下方に配置されるノズル ケースのノズル噴出面が、帯材の搬送方向に相当するほぼ水平な面に対して、搬 送方向に個々にまたはグループごとに異なった間隔をもっていること、帯材を波 形状に案内するため、それぞれの波山または波谷に複数のノズルケースが付設さ れていること、ノズルケースのノズル噴出面の位置が波形に適合可能であること を特徴とするものである。 【００１０】 帯材から上部及び下部ノズルケースまでの距離は、搬送されるべき帯材に対応 して選定することができる。ノズルケースは、１つまたは複数のノズル列を有す ることができ、その際丸い、または楕円形の、もしくは他の形状のノズル開口部 を備えたノズル及びスリットノズルを使用することができる。ガス媒体としては 特に空気が考慮される。 【００１１】 帯材の上方及び下方に配置されている個々のノズルケースは、帯材の可能な限 り正弦状の延在に対応して配置されている。 【００１２】 本考案による装置は、ノズルケースが、帯材の上方及び下方にほぼ等しい帯幅 にわたって配分されているように構成することができる。 【００１３】 さらに本考案による装置は、帯材の上方に配置されるノズルケースが、帯材の 下方に配置されるノズルケースに対して帯材の搬送方向にずらして配置されてい るように構成することができる。この場合、帯材上方の１個のノズルケースが帯 材下方の２つのノズルケースの中央に向くように、或はその逆にすることが可能 である。しかし他のずれ配置も可能である。 【００１４】 さらに本考案による装置は、帯材の上方に配置されるノズルケースが、帯材の 下方に配置されるノズルケースに対して搬送方向に対し横にずらして配置されて いるように構成することができる。 【００１５】 さらに本考案による装置は、ノズルケースの少なくとも１部が、帯材の搬送方 向にほぼ水平に延びる面に対して垂直に位置調整可能であるように構成すること ができる。このような位置調整によって、装置内での帯材の延在を変化させるこ とができる。特に、不定形の帯材や材質への適用が可能となる。 【００１６】 最後に本考案による装置は、位置調整可能な前記ノズルケースの少なくとも一 部が一緒に位置調整可能であるように構成することができる。このようにして、 帯材に対するノズルケースの位置調整が簡単且つ迅速になる。 【００１７】 【実施例】 次に、本考案の実施例を添付の図面を用いて説明する。 【００１８】 図１ａは、加熱炉または冷却装置として形成される装置Ａを示す。この装置Ａ は、プレッシャーダクトＣを介してガス流をノズルケースＤへ搬送する送風機Ｂ を有している。ガスはノズルケースＤから出て、帯材Ｅへあたる。帯材Ｅへあた った後ガスは吸込ダクトＦを介して再び送風機Ｂに供給される。プレッシャーダ クトＣ及び／または吸込ダクトＦ内には、ガス流のための加熱または冷却要素を 設けることができる。 【００１９】 帯材は、メタルバンド１の形状で図１に図示した装置を貫通するように案内さ れる。メタルバンド１の上方には、上部ノズルケース２ないし５が配置されてい る。メタルバンド１の下方には、逆方向に指向する下部ノズルケース６ないし９ が配置されている。上部ノズルケース２ないし５と下部ノズルケース６ないし９ の間には、ほぼ水平な中心面１０が搬送方向に延びている。ノズルケース２ない し９は、この中心面１０に対して異なった間隔で配置されている。この場合、上 部ノズルケース２と４及び下部ノズルケース７と９は、中心面１０から同じ間隔 で配置されている。上部ノズルケース３と５及び下部ノズルケース６と８も中心 面１０から同じ間隔をもって配置されている。各ノズルケース２ないし９からメ タルバンド１の方向へ出ている矢印１１は、各ノズルケース２ないし９のノズル から噴出するガス流を示す。 【００２０】 上部ノズルケース２ないし５は、下部ノズルケース６ないし９に対して、矢印 １２で示したメタルバンド１の搬送方向に関しずらして配置されている。 【００２１】 ノズルケース２ないし９から噴出する空気、保護ガス等のガス流でメタルバン ド１に作用を及ぼす場合、メタルバンド１は正弦状に延びている。 【００２２】 隣接する２つのノズルケース２ないし９の間にはそれぞれ１つのガス排気ダク ト１３が設けられている。これらのガス排気ダクト１３のなかには、処理室から 排出されるべきガス量を調節する位置調整可能な絞り弁１４ないし１９が取り付 けられている。位置調整可能な絞り弁１４ないし１９の代わりに、定置の絞り板 等を使用することもできる。必要に応じて、上部絞り弁１４ないし１６もしくは 下部絞り弁１７ないし１９の全部或は一部を省略することもできる。 【００２３】 図２に示した実施例は、特に、剛性の大きな、もしくは比較的厚いメタルバン ド１の処理に適している。この場合、中心面１０に対する上部ノズルケース２０ ないし２７及び下部ノズルケース２８ないし３４の間隔は、メタルバンド１の全 長にわたって図１の実施例の場合よりも小さなステップで変化している。これに 対応して、搬送時のメタルバンド１の正弦状の延在はより平坦である。 【００２４】 この実施例の場合も、ガス排気ダクト３５のなかにして個々のノズルケース２ ０ないし３４の間に、図示していない絞り装置を設けることができる。 【００２５】 図３に図示した実施例も、比較的剛性が大きくて厚いメタルバンド１の処理に 適している。ノズルケース３６ないし５３のうちノズルケース３６ないし３８、 ４２ないし４４、４５ないし４７、５１ないし５３は、中心面１０から等間隔で 配置されている。ノズルケース３９ないし４１と４８ないし５０は、中心面１０ から互いに異なった他の間隔で配置されている。この実施例でも、ガス排気ダク ト５４のなかにしてノズルケース３６ないし５３の間に絞り装置を適当に設ける ことができる。 【００２６】 図４の実施例では、メタルバンド１の上方及び下方にそれぞれ２つのノズルケ ース５５，５６；５８，５９；６１，６２；６４，６５；６７，６８が中心面１ ０から等間隔で並設されている。ノズルケースの各対の間にはそれぞれ１つのノ ズルケース５７，６０，６３，６６，６９が中心面１０から他の間隔をもって配 置されている。 【００２７】 図５の実施例では、全体としてメタルバンド１の表面に対し、即ち中心面１０ に対し垂直にずらして配置されていないノズルケース７０ないし８４が設けられ ている。むしろここでは、ノズルケース７０ないし８４のノズルを具備した面だ けが、メタルバンド１の表面に対して垂直に、従って中心面１０に対して垂直に 図示したようにずらして取り付けられている。 【００２８】 【考案の効果】 本考案によれば、ノズル噴出面が水平な面に対して個々にまたはグループごと に異なった間隔を持ち、且つノズル噴出面の位置が波形に適合可能であるので、 搬送されるべき帯材の材質、処理目的に応じてその都度種々の正弦波形状で帯材 を搬送させることができる。 【００２９】 また、それぞれの波山または波谷に複数のノズルケースが付設されているので 、比較的薄い帯材も比較的厚い帯材及び／または剛性の大きな帯材も搬送するこ とができるばかりでなく、所望の正弦波形状にその都度正確に調整することがで きる。

【図面の簡単な説明】 【図１】第１の実施例に従って配置されるノズルケース
を備えた本考案による装置の図式図。 【図１ａ】図１の装置の図式側面図。 【図２】特に比較的厚いメタルバンドに適している、本
考案の他の実施例によるノズルケースの配置図。 【図３】剛性の大きなメタルバンドのための他の実施例
を示す図。 【図４】本考案による装置の他の実施例を示す図。 【図５】ノズルケースのノズルを具備する面が中心線に
対してずれている、本考案による装置の他の実施例を示
す図である。 【符号の説明】 １ 帯材（メタルバンド） ２−９；２０−３４；３６−５３；５５−６９；７０−
８４ ノズルケース １０ 水平な面（中心面）

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 （１） 帯材の上方及び下方に該帯材から間隔をもって
   配置され且つそれぞれ１つのノズル噴出面を有している
   ノズルケースを備え、これらのノズルケースの間にして
   帯材の上方及び下方にガス排気ダクトが設けられてい
   る、ガス媒体により帯材を非接触的に案内するための装
   置において、 帯材（１）の上方及び下方に配置されるノズルケース
   （２−９；２０−３４；３６−５３；５５−６９；７０
   −８４）のノズル噴出面が、帯材（１）の搬送方向に相
   当するほぼ水平な面（１０）に対して、搬送方向に個々
   にまたはグループごとに異なった間隔をもっているこ
   と、 帯材（１）を波形状に案内するため、それぞれの波山ま
   たは波谷に複数のノズルケース（２−９；２０−３４；
   ３６−５３；５５−６９；７０−８４）が付設されてい
   ること、 ノズルケース（２−９；２０−３４；３６−５３；５５
   −６９；７０−８４）のノズル噴出面の位置が波形に適
   合可能であること、 を特徴とする装置。 （２） ノズルケース（２−９；２０−３４；３６−５
   ３；５５−６９；７０−８４）が、帯材（１）の上方及
   び下方にほぼ等しい帯幅にわたって配分されていること
   を特徴とする、実用新案登録請求の範囲第１項に記載の
   装置。 （３） 帯材（１）の上方に配置されるノズルケース
   （２−５；２０−２７；３６−４４；５５−６２；７０
   −７７）が、帯材（１）の下方に配置されるノズルケー
   ス（６−９；２８−３４；４５−５３；６３−６９；７
   ８−８４）に対して帯材（１）の搬送方向にずらして配
   置されていることを特徴とする、実用新案登録請求の範
   囲第１項または第２項に記載の装置。 （４） 帯材（１）の上方に配置されるノズルケース
   （２−５；２０−２７；３６−４４；５５−６２；７０
   −７７）が、帯材（１）の下方に配置されるノズルケー
   ス（６−９；２８−３４；４５−５３；６３−６９；７
   ８−８４）に対して搬送方向に対し横にずらして配置さ
   れていることを特徴とする、実用新案登録請求の範囲第
   １項から第３項までのいずれか１つに記載の装置。 （５） ノズルケース（２−９；２０−３４；３６−５
   ３；５５−６９；７０−８４）の少なくとも１部が、帯
   材（１）の搬送方向に相当するほぼ水平な面（１０）に
   対して垂直に位置調整可能であることを特徴とする、実
   用新案登録請求の範囲第１項から第４項までのいずれか
   １つに記載の装置。 （６） 位置調整可能な前記ノズルケース（２−９；２
   ０−３４；３６−５３；５５−６９；７０−８４）の少
   なくとも１部が一緒に位置調整可能であることを特徴と
   する、実用新案登録請求の範囲第５項に記載の装置。