JPH06238851A - 帯電防止性の改良された易接着性ポリエステルフイルム及びその製造方法 - Google Patents

帯電防止性の改良された易接着性ポリエステルフイルム及びその製造方法

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JPH06238851A
JPH06238851A JP3191793A JP3191793A JPH06238851A JP H06238851 A JPH06238851 A JP H06238851A JP 3191793 A JP3191793 A JP 3191793A JP 3191793 A JP3191793 A JP 3191793A JP H06238851 A JPH06238851 A JP H06238851A
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polyester
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acid
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polyester film
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JP3191793A
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Teruo Takahashi
輝夫 高橋
Masato Sato
正人 佐藤
Tatsuya Ogawa
達也 小川
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低い帯電性を示し、かつフイルム表面に塗布
される種々の被覆物例えば磁気塗料に対して優れた接着
性を示すポリエステルフイルムを提供する。 【構成】 少なくとも一つの外層が分子内にスルホン酸
塩基を有する帯電防止剤を含有するポリエステルからな
る多層ポリエステルフイルムの少なくとも一つの表面に
水性プライマー層を設けていることを特徴とする帯電防
止性の改良された易接着性ポリエステルフイルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は帯電防止性の改良された
易接着性ポリエステルフイルム及びその製造方法に関
し、さらに詳しくは磁気テープ、ケミカルマットフイル
ム等の製造の際に生じる静電障害(放電引火事故)がな
く、かつ磁気塗料、ケミカルマット塗料等への接着性に
優れたポリエステルフイルム及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリエステル、例えばポリエチ
レンテレフタレート、ポリ(1,4―シクロヘキシレン
ジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン―2,6―
ナフタレートもしくはこれらの共重合体、あるいはこれ
らと小割合の他の樹脂とのブレンド物等を溶融押出し、
二軸延伸後、熱固定したポリエステルフイルムは、機械
強度、耐熱性、耐薬品性等に優れ、産業上種々の分野で
利用されている。しかし、その表面は高度に配向結晶化
しているので、塗料、接着剤、インキ等の受容性に乏し
いという問題がある。
【0003】そこで、この接着性を改善する方法とし
て、物理処理例えばコロナ処理、紫外線処理、プラズマ
処理、EB処理あるいは火焔処理等、あるいは薬剤処理
例えばアルカリ水溶液、アミン水溶液、トリクロル酢酸
フェノール類等の薬剤による処理が知られている。しか
しながら、これらの方法は接着力の経時劣化や薬剤の揮
散による作業環境の汚染等の実用上不利な問題がある。
【0004】もう一つの手段として、通常のポリエステ
ルフイルムの製膜工程以外のプロセスでフイルム表面に
易接着性塗膜を塗布してプライマー層を設ける方法が知
られている。しかし、この方法では、通常塗剤の溶剤と
して有機溶剤を用い、またコーティング雰囲気が十分に
クリーンであるとは言い難いので、塵埃の付着による加
工商品の表面欠陥の多発、あるいは有機溶剤による環境
の悪化等の安全、衛生上の問題がある。
【0005】そこで、このプライマー処理を水系塗剤を
用いてポリエステルの製膜工程中で行なえば、クリーン
な環境の中で塵埃の付着もなく、また水系溶剤のため爆
発の恐れや環境の悪化もなく、フイルムの性能、経済
面、安全上の点で有利である。
【0006】しかし、得られる易接着性ポリエステルフ
イルムは、基材フイルムの表面に異種のケミカルズが積
層されていることが原因と推定されるが、静電気が起り
やすく、帯電性が高いという欠点を有している。
【0007】この欠点を解消する手段の一つとして、プ
ライマー層中に帯電防止剤を添加する方法があるが、接
着性の低下、耐ブロッキング性の悪化等の新たな問題点
が発生する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、放電
引火火災等の静電気障害がなく、しかもポリエステルフ
イルムに塗布される種々の被覆物、例えばオフセットイ
ンキ、グラビヤインキ、シルクスクリーンインキ、UV
インキ、磁気塗料、粘着剤、電子写真トナー、ケミカル
マット塗料、ジアゾ塗料、ハードコート塗料、UV塗
料、ヒートシール性付与組成物、無機質被膜形成性物質
等、特に磁気塗料に対し優れた接着性を有する、帯電防
止性の改良された易接着性ポリエステルフイルム及びそ
の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
本発明によれば、 1. 少なくとも一つの外層が分子内にスルホン酸塩基
を有する帯電防止剤を含有するポリエステルからなる多
層ポリエステルフイルムの少なくとも一つの表面に水性
プライマー層を設けていることを特徴とする帯電防止性
の改良された易接着性ポリエステルフイルム、並びに 2. 結晶配向化が完了していない、少なくとも一つの
外層が分子内にスルホン酸塩基を有する帯電防止剤を含
有するポリエステルからなる多層ポリエステルフイルム
の少なくとも一つの表面に水性プライマー液を塗布し、
次いで乾燥、延伸、熱処理を施してフイルムの結晶配向
化を完了させることを特徴とする帯電防止性の改良され
た易接着性ポリエステルフイルムの製造方法によって達
成される。
【0010】本発明においてポリエステルフイルムを構
成するポリエステルとは、芳香族二塩基酸またはそのエ
ステル形成性誘導体とジオールまたはそのエステル形成
性誘導体とから合成される線状飽和ポリエステルであ
る。かかるポリエステルの具体例として、ポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリ(1,4―シクロヘキシレ
ンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン―2,6
―ナフタレンジカルボキシレート等が例示でき、これら
の共重合体またはこれらと小割合の他樹脂とのブレンド
物なども含まれる。
【0011】本発明において多層ポリエステルフイルム
は、異種のポリエステルフイルムの積層体であってもま
た同種のポリエステルフイルムの積層体であってもよい
が、分子内にスルホン酸塩基を有する帯電防止剤を含有
するポリエステルの層が多層フイルムの少なくとも一つ
の外層を構成しているものである。この外層の厚みは、
多層フイルムの全厚みの1/2以下が好ましく、更に好
ましくは1/4以下である。この厚みが全厚みの1/2
より厚くなると、積層ポリエステルフイルムの機械的特
性が低下するので好ましくない。
【0012】この外層を形成するポリエステル中に含有
させるスルホン酸塩基を有する帯電防止剤としては、例
えばスルホン酸塩基を有する不飽和単量体(例えばビニ
ルスルホン酸ソーダ、メタリルスルホン酸ソーダ、スチ
レンスルホン酸ソーダ、ビニルスルホン酸アンモニウ
ム、メタクリルスルホン酸カリウム、スチレンスルホン
酸リチウム等)の1種以上の重合体からなる高分子型帯
電防止剤、R―SO3 X(ここで、Rはアルキル基、ア
リール基、又はアルキル基を有する芳香族基を、Xは金
属イオン(例えばLi,Na,K等)、アンモニウムイ
オン、アミンイオン、リン酸エステルイオンを示す。)
の低分子型帯電防止剤が挙げられる。
【0013】前記アルキルスルホン酸塩としてはペンタ
ンスルホン酸ソーダ、オクタンスルホン酸ソーダ、オク
タンスルホン酸リチウム、オクタンスルホン酸カリ、テ
トラデシルスルホン酸ソーダ等を、前記アリールスルホ
ン酸塩としてはベンジルスルホン酸ソーダ、トルイルス
ルホン酸ソーダ、ナフチルスルホン酸ソーダ等を、アル
キル基を有する芳香族スルホン酸塩としてはアルキル
(C8 〜C20)ベンゼンスルホン酸金属塩(例えばL
i,K,Na等);例えばドデシルベンゼンスルホン酸
ソーダ等、アルキルナフタレンスルホン酸ソーダ、アル
キルフェニールエーテルジスルホン酸ソーダ等を、それ
ぞれ例示することができる。
【0014】これらの中でもアルキルスルホン酸塩及び
アルキル基を有する芳香族スルホン酸塩が好ましく、更
に好ましくはアルキル基を有する芳香族スルホン酸塩で
ある。
【0015】かかる帯電防止剤の量は、ポリエステルに
対し、0.1〜10wt%、好ましくは0.2〜5wt
%、更に好ましくは0.5〜3wt%である。
【0016】この帯電防止剤の作用効果をより一層高め
るために、少量(0.1〜2wt%)の保水剤例えばポ
リエチレングリコールを添加するのが好ましい。
【0017】本発明における両外層を形成するポリエス
テルには、フイルム特性を向上する、前記帯電防止剤以
外の剤、例えば滑剤、着色剤、難燃剤、遮光剤、安定
剤、紫外線吸収剤等を含有させることができる。この滑
剤としては内部析出粒子、外部添加粒子のいずれでもよ
く、また2種以上のものを組合せたものでもよい。外部
添加粒子としては、例えばシリカ、カオリン、炭酸カル
シウム、リン酸カルシウム、酸化チタン等を挙げること
ができ、内部析出粒子としては例えばアルカリ(土類)
金属化合物、リン化合物等の組合せでポリエステル製造
中に析出させたものを挙げることができる。また、内層
を形成するポリエステルにも前記した帯電防止剤以外の
剤を含有させることができる。
【0018】本発明におけるポリエステルはそれ自体公
知であり、かつ公知の方法で製造することができる。ポ
リエステルの固有粘度(O―クロロフェノール、35
℃)は0.45〜0.9が好ましい。
【0019】本発明における多層ポリエステルフイルム
は、分子内にスルホン酸塩基を有する帯電防止剤を含有
するポリエステルと該帯電防止剤を含有しないポリエス
テルとを用い、該帯電防止剤を含有するポリエステルが
少なくとも一つの外層を形成するように溶融共押出し
し、急冷固化して未延伸多層フイルムとし、次いで未延
伸多層フイルムを二軸方向に延伸し、熱固定することで
製造することができる。これらの延伸はフイルムを走行
させて行う。縦方向及び横方向の延伸手段は公知の手段
を用いることができる。例えば、縦方向の延伸(縦延
伸)は未延伸多層フイルムを加熱ロール群で加熱し、低
速ロールと高速ロールの周速差を利用して行う。その
際、低速ロールと高速ロールの間に赤外線ヒーターを設
けてフイルムを延伸温度に加熱することが好ましく、ま
た低速ロールでフイルムを延伸温度に加熱しても良い。
この縦方向の延伸は通常2.5〜4.5倍の倍率で行
う。また、横方向の延伸(横延伸)はテンター式延伸熱
処理装置を用いて行う。この横方向の延伸は通常2.5
〜4.5倍の倍率で行う。次いで150〜240℃の温
度で熱処理し、配向結晶化を完了する。
【0020】ポリエステルフイルムの延伸処理は、上記
逐次二軸延伸法以外にも同時二軸延伸法や多段延伸法
(縦―横―縦、縦―横―縦―横、縦―縦―横、縦―横―
横等)を用いることもできる。
【0021】本発明における多層ポリエステルフイルム
は二層以上の多層構造をとるが、二層または三層構造が
好ましい。二層構造の場合一層が帯電防止剤を含有する
ポリエステルからなり、他の層が帯電防止剤を含有しな
いポリエステルからなる。また三層構造の場合芯層が帯
電防止剤を含有しないポリエステルからなり、両外層が
帯電防止剤を含有するポリエステルからなることが好ま
しい。
【0022】本発明において易接着性水性プライマー層
を形成する樹脂成分はアニオン性官能基を有する易接着
性樹脂であり、このアニオン性官能基としてはスルホン
酸(塩)基、カルボン酸(塩)基、硫酸半エステル基等
を例示することができる。そしてアニオン性官能基を有
する易接着性樹脂としては、例えば水性ポリウレタン樹
脂、水性ポリエステル樹脂、水性(メタ)アクリル樹
脂、水性ポリエステル・ポリアクリルコポリマー、水性
フェノキシ樹脂、水性塩化ビニリデン樹脂等を挙げるこ
とができる。これらの中、水性ポリウレタン樹脂、水性
ポリエステル樹脂及び水性ポリエステル・ポリアクリル
コポリマーが好ましい。
【0023】前記水性ポリウレタン樹脂はカルボン酸塩
基、スルホン酸塩基または硫酸半エステル基によって水
への親和性が高められたものであり、通常かかる水親和
性付与基はポリウレタン合成時ないし合成後に導入され
る。例えば、カルボン酸塩基の導入は、ポリウレタン合
成時、原料ポリヒドロキシ化合物の1つとしてカルボン
酸基含有ポリヒドロキシ化合物を用いるか、未反応イソ
シアネート基を有するポリウレタンの該イソシアネート
基に水酸基含有カルボン酸やアミノ基含有カルボン酸を
反応させ、次いで反応生成物を高速撹拌下でアルカリ水
溶液中に添加し、中和する等によって行うことができ
る。
【0024】また、スルホン酸塩基または硫酸半エステ
ル塩基の導入は、通常ポリヒドロキシ化合物、ポリイソ
シアネート及び鎖延長剤からプレポリマーを生成させ、
これに末端イソシアネート基と反応しうるアミノ基また
は水酸基とスルホン酸塩基または硫酸半エステル塩基と
を分子内に有する化合物を添加、反応させ、最終的に分
子内にスルホン酸塩基または硫酸半エステル塩基を有す
る水性ポリウレタンを得ることで行なうことができる。
その際、生成反応は有機溶剤中で行ない、次いで水を加
えてから該溶剤を除去することが好ましい。
【0025】また他の方法としてはスルホン酸基を有す
る化合物を原料の一つとして使用してスルホン酸基を有
するポリウレタンを合成し、次いで該ポリウレタンを高
速撹拌下でアルカリ水溶液中に添加し、中和する方法、
ポリウレタンの主鎖又は側鎖の1級又は2級アミノ基に
アルカリの存在下でサルトン化合物を付加してスルホン
酸アルカリ塩(例えば―SO3 Na等)を導入する方法
等があげられる。
【0026】アルカリ水溶液としては水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、アンモニア、アルキルアミン等の
水溶液を用いることが好ましいが、該アルカリが被覆膜
(下塗り膜)中に残留しないアンモニア、乾固条件で揮
発するアミンが特に好ましい。
【0027】カルボン酸塩基、スルホン酸塩基、硫酸半
エステル塩基等の塩基の量は1×10-4〜2×10-3
量/gが好ましい。塩基の割合が少なすぎるとポリウレ
タンの水親和性が不足して塗布液の調製が難しくなり、
また多すぎるとポリウレタン本来の特性が損なわれるの
で、好ましくない。
【0028】かかる水性ポリウレタンは、所望により分
散助剤を用いて、安定な水分散液を形成するものないし
水溶液を形成するものである。
【0029】ポリウレタンの合成に用いるポリヒドロキ
シ化合物としては、例えばポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、ポリエチレン・プロピレング
リコール、ポリテトラメチレングリコール、ヘキサメチ
レングリコール、テトラメチレングリコール、1,5―
ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、ポリカプロラクトン、ポリヘキサメチレ
ンアジペート、ポリヘキサメチレンセバケート、ポリテ
トラメチレンアジペート、ポリテトラメチレンセバケー
ト、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、
ペンタエリスリトール、グリセリン等を挙げることがで
きる。
【0030】ポリイソシアネート化合物としては、例え
ばヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン
ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートとト
リメチロールプロパンの付加物、ヘキサメチレンジイソ
シアネートとトリメチロールエタンの付加物等を挙げる
ことができる。
【0031】カルボン酸基含有ポリオールとしては、例
えばジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸、ジ
メチロール吉草酸、トリメリット酸ビス(エチレングリ
コール)エステル等を挙げることができる。
【0032】アミノ基含有カルボン酸としては、例えば
β―アミノプロピオン酸、γ―アミノ酪酸、P―アミノ
安息香酸等を挙げることができる。水酸基含有カルボン
酸としては、例えば3―ヒドロキシプロピオン酸、γ―
ヒドロキシ酪酸、P―(2―ヒドロキシエチル)安息香
酸、リンゴ酸等を挙げることができる。
【0033】アミノ基または水酸基とスルホン基を有す
る化合物としては、例えばアミノメタンスルホン酸、2
―アミノエタンスルホン酸、2―アミノ―5―メチルベ
ンゼン―2―スルホン酸、β―ヒドロキシエタンスルホ
ン酸ナトリウム、脂肪族ジ第1級アミン化合物のプロパ
ンサルトン、ブタンサルトン付加生成物等が挙げられ、
好ましくは脂肪族ジ第1級アミン化合物のプロパンサル
トン付加物があげられる。
【0034】更にアミノ基または水酸基と硫酸半エステ
ル基を含有する化合物としては、例えばアミノエタノー
ル硫酸、エチレンジアミンエタノール硫酸、アミノブタ
ノール硫酸、ヒドロキシエタノール硫酸、γ―ヒドロキ
シプロパノール硫酸、α―ヒドロキシブタノール硫酸等
があげられる。
【0035】これら化合物を用いてのポリウレタンの合
成は、従来から良く知られている方法で合成することが
できる。
【0036】前記水性ポリエステル樹脂は、多塩基酸ま
たはそのエステル形成性誘導体とポリオールまたはその
エステル形成性誘導体とから合成される、実質的に線状
のポリエステルである。
【0037】このポリエステル樹脂の多塩基酸成分とし
ては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フ
タル酸、2,6―ナフタレンジカルボン酸、1,4―シ
クロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、
トリメリット酸、ピロメリット酸、ダイマー酸等を例示
することができる。これら成分は2種以上を用いること
ができる。更に、これら成分と共にマレイン酸、フマー
ル酸、イタコン酸等の如き不飽和多塩基酸やp―ヒドロ
キシ安息香酸、p―(β―ヒドロキシエトキシ)安息香
酸等の如きヒドロキシカルボン酸を小割合用いることが
できる。不飽和多塩基酸成分やヒドロキシカルボン酸成
分の割合は高々10モル%、好ましくは5モル%以下で
ある。
【0038】また、ポリオール成分としては、エチレン
グリコール、1,4―ブタンジオール、ネオペンチルグ
リコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコ
ール、1,6―ヘキサンジオール、1,4―シクロヘキ
サンジメタノール、キシリレングリコール、ジメチロー
ルプロピオン酸、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(テト
ラメチレンオキシド)グリコール等を例示することがで
きる。これらは2種以上を用いることができる。
【0039】上記水性ポリエステル樹脂は、例えば分子
内に有機スルホン酸塩、カルボン酸塩、ジエチレングリ
コール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレン
グリコール等の如き親水性基含有化合物を共重合したも
のが水分散液を作るのに有利となり、好ましい。このカ
ルボン酸塩の導入は、通常三官能以上のカルボン酸を用
いるが、このカルボン酸は重合の工程で分岐が起り、ゲ
ル化しやすいのでその共重合割合を小さくすることが望
ましい。この点、スルホン酸塩、ジエチレングリコー
ル、ポリアルキレンエーテルグリコール等による親水基
の導入はカルボン酸塩のときの問題が生ぜず、より有利
である。
【0040】スルホン酸塩の基をポリエステル分子内に
導入するためには、例えば5―Naスルホイソフタル
酸、5―アンモニウムスルホイソフタル酸、4―Naス
ルホイソフタル酸、4―メチルアンモニウムスルホイソ
フタル酸、2―Naスルホテレフタル酸、5―Kスルホ
イソフタル酸、4―Kスルホイソフタル酸、2―Kスル
ホイソフタル酸、Naスルホコハク酸等のスルホン酸ア
ルカリ金属塩系又はスルホン酸アミン塩系化合物等を用
いることが好ましい。スルホン酸塩の基を有する多価カ
ルボン酸又は多価アルコールは全多価カルボン酸成分又
は多価アルコール成分中0.5〜20モル%、更には1
〜18モル%を占めることが好ましい。
【0041】また、カルボン酸塩の基をポリエステル分
子内に導入するためには、例えば無水トリメリット酸、
トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ピロメリット
酸、トリメシン酸、シクロブタンテトラカルボン酸、ジ
メチロールプロピオン酸等の化合物を用いることができ
る。また、カルボン酸塩基はカルボン酸基をアミノ化合
物、アンモニア、アルカリ金属等で中和することによっ
て得ることができる。
【0042】親水基含有化合物をポリエステル分子内に
導入する場合には公知の種々な方法を採用することがで
きる。カルボン酸塩や有機スルホン酸塩の基を導入する
場合について更に説明すると、例えば 分子内にカルボン酸塩または有機スルホン酸塩の基
を有する化合物を出発原料の1成分としてポリエステル
を合成する方法、 分子内にカルボキシル基を3個以上有する化合物を
出発原料の1成分としてポリエステルを合成した後に該
ポリエステル中の遊離のカルボキシル基をアンモニア、
アミン、アルカリ金属化合物等で媒体中に中和させる方
法 等の方法がある。の方法を更に説明すると、例えば無
水トリメリット酸をポリエステル原料の1成分として用
いて側鎖に遊離のカルボキシル基を有するポリマーを造
り、反応終了後にアンモニア水を添加して中和し、水性
ポリエステルを造ることができる。ポリエステルは溶融
重合法で製造することが好ましい。
【0043】前記水性(メタ)アクリル樹脂は、(メ
タ)アクリロイル基含有不飽和単量体の付加重合体であ
って、かかる単量体としては例えばアルキルアクリレー
ト、アルキルメタクリレート(アルキル基としてはメチ
ル基,エチル基,n―プロピル基,イソプロピル基,n
―ブチル基,イソブチル基,t―ブチル基,2―エチル
ヘキシル基,シクロヘキシル基,フェニル基,ベンジル
基,フェニルエチル基等):2―ヒドロキシエチルアク
リレート,2―ヒドロキシエチルメタクリレート,2―
ヒドロキシプロピルアクリレート,2―ヒドロキシプロ
ピルメタクリレート等のヒドロキシ含有モノマー;アク
リルアミド,メタクリルアミド,N―メチルメタクリル
アミド,N―メチルアクリルアミド,N―メチロールア
クリルアミド,N―メチロールメタクリルアミド,N,
N―ジメチロールアクリルアミド,N―メトキシメチル
アクリルアミド,N―メトキシメチルメタクリルアミ
ド,N―フェニルアクリルアミド等のアミド基含有モノ
マー;N,N―ジエチルアミノエチルアクリレート,
N,N―ジエチルアミノエチルメタクリレート等のアミ
ノ基含有モノマー;グリシジルアクリレート,グリシジ
ルメタクリレート等のエポキシ基含有モノマー;アクリ
ル酸,メタクリル酸及びそれらの塩(ナトリウム塩,カ
リウム塩,アンモニウム塩)等のカルボキシル基または
その塩を含有するモノマー等があげられる。
【0044】これらは他種モノマーと併用することがで
きる。他種モノマーとしては、例えばアリルグリシジル
エーテル等のエポキシ基含有モノマー;スチレンスルホ
ン酸,ビニルスルホン酸及びそれらの塩(ナトリウム
塩,カリウム塩,アンモニウム塩等)等のスルホン酸基
又はその塩を含有するモノマー;クロトン酸,イタコン
酸,マレイン酸,フマール酸及びそれらの塩(ナトリウ
ム塩,カリウム塩,アンモニウム塩等)等のカルボキシ
ル基またはその塩を含有するモノマー;無水マレイン
酸,無水イタコン酸等の酸無水物を含有するモノマー;
ビニルイソシアネート,アリルイソシアネート,スチレ
ン,ビニルメチルエーテル,ビニルエチルエーテル,ビ
ニルトリスアルコキシシラン,アルキルマレイン酸モノ
エステル,アルキルフマール酸モノエステル,アクリロ
ニトリル,メタクリロニトリル,アルキルイタコン酸モ
ノエステル,塩化ビニリデン,酢酸ビニル,塩化ビニル
等が挙げられる。上述のモノマーは1種もしくは2種以
上を用いて共重合させることができる。
【0045】アクリル系重合体への親水性付与、水性液
の分散安定性、ポリエステルフイルムとの密着性等の点
から、水酸基、アミド基やカルボキシル基またはその塩
(ナトリウム塩,カリウム塩,アンモニウム塩等)等の
官能基を有するものが好ましい。
【0046】前記水性ポリエステル・ポリアクリルコポ
リマーは水性コポリマーであり、このコポリマーを構成
する各ポリマー成分は前述の水性ポリエステル樹脂、水
性(メタ)アクリル樹脂と同一であり、例えば水性ポリ
エステル・ポリアクリルブロックポリマー、幹ポリマー
がポリエステルでありこれにアクリルをグラフトさせた
水性ポリエステル・アクリルグラフトコポリマー、幹ポ
リマーがポリアクリルでありこれにポリエステルをグラ
フトさせた水性ポリアクリル・ポリエステルグラフトコ
ポリマー等を挙げることができる。これらの中幹ポリマ
ーがポリエステルでありこれにアクリルをグラフトさせ
た水性ポリエステル・アクリルグラフトコポリマーが最
も好ましい。
【0047】ポリアクリルをポリエステル(幹ポリマ
ー)にグラフトさせる方法は、公知のグラフト重合法を
用いることができる。大別して次の3つの方法があげら
れる。 (A) 幹ポリマーにラジカル,カチオン或いはアニオ
ン等の反応開始点を発生させ、アクリル系モノマーをグ
ラフト重合する方法。 (B) 幹ポリマーの存在下、該ポリマーへの連鎖移動
反応を利用して、アクリル系モノマーをグラフト重合す
る方法。 (C) 側鎖に官能基を有する幹ポリマーと末端に前記
官能基と反応する基を有する枝ポリマーとを反応させる
方法。
【0048】上記(A)の更に具体的方法としては、例
えば光,熱或いは放射線によって幹ポリマーにラジカル
を発生させてからモノマーをグラフト重合させるラジカ
ル重合法;AlCl3 ,TiCl4 等の如き触媒を用い
て幹ポリマーにカチオン基を発生させ、或いは金属N
a,金属Li等を用いて幹ポリマーにアニオン基を発生
させてからモノマーをグラフト重合させるカチオン重合
或いはアニオン重合法等があげられる。
【0049】また、上記(B)の更に具体的方法として
は、例えばカルボキシル基や水酸基を側鎖に持ったポリ
エステルにグリシジルメタクリレート,2―ヒドロキシ
エチルアクリレート,アクリル酸等を反応させて該ポリ
エステルの側鎖に不飽和基を導入し、これとモノマーと
を重合させる方法;合成原料の1成分としてフマール酸
の如き不飽和化合物を用いてポリマー主鎖に不飽和基を
導入したポリエステルとアクリル系モノマーとを反応さ
せる方法等があげられる。
【0050】更にまた、上記(C)具体的方法として
は、例えば側鎖に水素供与基例えば―OH,―SH,―
NH2 ,―COOH,―CONH2 等を有するポリエス
テル(幹ポリマー)と、片末端が水素受容基例えば―N
=C=O,―C=C=O,
【0051】
【化1】
【0052】等であるアクリル系重合体(枝ポリマー)
とを反応させる方法;側鎖に水素受容基を有するポリエ
ステル(幹ポリマー)と片末端が水素供与基であるアク
リル系重合体(枝ポリマー)とを反応させる方法等があ
げられる。これ以外の官能基の組合せとしては、―CO
OHと―COCl,―COOHと―OH,―COOHと
―NH2 ,―NH2 と―OH等の組合せが例示できる。
【0053】グラフトコポリマーにおける幹ポリマー
(ポリエステル)と枝ポリマーの割合は、重量比で、
5:95〜95〜5、更には10:90〜90:10で
あることが好ましい。幹ポリマーの分子量は5,000
〜20万、更には1万〜10万が好ましく、また枝ポリ
マーの分子量は500〜5万、更には1,000〜1万
が好ましい。
【0054】次に、幹ポリマーがポリアクリルである水
性ポリアクリル・ポリエステルグラフトコポリマーのポ
リエステル及びアクリルポリマーの成分は、上述した水
性ポリエステル・アクリルグラフトコポリマーと同じも
のを用いることができる。かかるコポリマーはポリアク
リルを幹ポリマーとし、これにポリエステルを枝ポリマ
ーとしてグラフトさせることによって造ることができる
が、この製造法は特に限定されない。この製造法のいく
つかを例示すると、ポリエステル片末端に不飽和基を導
入し、アクリル系モノマーと共重合させる方法、ポリア
クリルの側鎖にカルボキシル基、水酸基,メチロール基
等の官能基を導入し、一方片末端に上記官能基と反応す
るエポキシ基,イソシアネート基,水酸基,メチロール
基等を導入したポリエステルを反応させる高分子反応を
用いる方法等がある。
【0055】このグラフトコポリマーにおける幹ポリマ
ー(ポリアクリル)の分子量は5,000〜20万、更
には1万〜10万が好ましく、また枝ポリマーの分子量
は500〜5万、更には1,000〜1万が好ましい。
幹ポリマーと枝ポリマーの割合は、重量比で、5:95
〜95:5、更には10:90〜90:10が好まし
い。
【0056】更に、水性ポリエステル・ポリアクリルブ
ロックコポリマーの各成分は上述した水性アクリル・ポ
リエステルグラフトコポリマーと同じものを用いること
ができる。
【0057】かかるブロックコポリマーは公知の製法で
合成できる。例えば、ポリエステル両末端にアクリル系
不飽和基を導入し、これとポリアクリルとをブロック化
重合する方法、、またポリアクリルの末端に高分子反応
可能な基(例えば、イソシアネート基,エポキシ基,水
酸基,カルボキシル基等)を導入し、これとポリエステ
ル末端の水酸基,カルボキシル基とを反応させて合成す
る方法があり、更にまたポリオールとポリカルボン酸エ
ステルとをエステル交換反応させた後250〜300℃
の温度、常圧下で重縮合反応を開始し、最終的に真空下
でこの反応を進めて所定重合度のポリエステルを得、該
ポリエステルとポリアクリルとを有機溶剤に溶解後高分
子反応等でブロックコポリマー液を造る方法がある。
【0058】このブロックコポリマーにおけるポリアク
リルの分子量は1,000〜5万、更には2,000〜
1万が好ましく、またポリエステルの分子量は2,00
0〜5万、更には3,000〜1万が好ましく、全体の
分子量は5,000〜20万が好ましい。上記ポリアク
リルとポリエステルとの割合は、重合比で95:5〜
5:95、更には80:20〜20〜80が好ましい。
【0059】前記水性ポリエステル・ポリアクリルコポ
リマーは水性樹脂であり、ポリエステル部分に水分散性
基(例えはスルホン酸,カルボン酸等の金属塩,アミン
塩等)を含有する場合、ポリアクリル部分に水分散性基
を含有する場合、あるいは両者に水分散性基が共存する
場合がある。
【0060】本発明における水性プライマー液には、ポ
リエステルフイルムへの濡れ性を向上させるために濡れ
剤を含有させることが好ましい。濡れ剤としては、アニ
オン型界面活性剤,カチオン型界面活性剤,ノニオン型
界面活性剤等の界面活性剤が好ましく、例えばポリエチ
レンオキサイド・ポリプロピレンオキサイドブロック共
重合体,ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル,ポリオキシエチレン―脂肪酸エステル,ソルビタン
脂肪酸エステル,グリセリン脂肪酸エステル,脂肪酸金
属石鹸,アルカンスルホン酸塩,アルキル硫酸塩,アル
キルベンゼンスルホン酸塩,アルキルスルホン酸塩,ア
ルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩,アルキルス
ルホコハク酸塩,第4級アンモニウムクロライド塩,ア
ルキルアミン塩酸等を挙げることができる。これらの中
でノニオン型界面活性剤が液安定性の面でより好まし
い。濡れ剤の量としては、プライマー全固形分の2〜3
0重量%が好ましく、より好ましくは3〜20重量%で
ある。
【0061】更に本発明の効果を消失させない範囲にお
いて、例えば紫外線吸収剤、顔料、有機フィラー、無機
フィラー、潤滑剤、ブロッキング防止剤、メラミン、エ
ポキシ、アジリジン等の架橋剤等の他の添加剤を混合す
ることができる。
【0062】水性プライマー液の固形分濃度は、通常3
0重量%以下であり、10重量%以下が更に好ましい。
塗付量は走行しているフイルム1m2 当り0.5〜20
g、さらには1〜10gが好ましい。
【0063】塗布方法としては、公知の任意の塗工法が
適用できる。例えばロールコート法、グラビアコート
法、リバースコート法、ロールブラッシュ法、スプレー
コート法、エアーナイフコート法、含浸法及びカーテン
コート法などを単独又は組み合わせて適用するとよい。
この水性プライマー液には、塗液の安定性又は塗液の塗
工性を助ける目的で若干量の有機溶剤を含んでもよい。
【0064】水性プライマー液の塗布は多層ポリエステ
ルフイルムの製造工程中で行ってもよく、また二軸配向
処理の完了した多層ポリエステルフイルムに行ってもよ
い。
【0065】水性プライマー液の塗布後は、乾燥処理す
ることで水性プライマー層が形成されるが、多層ポリエ
ステルフイルムの配向結晶化が完了していない場合、例
えば水性プライマー液を塗布した縦延伸された多層ポリ
エステルフイルムは、乾燥され、横延伸、熱固定等の工
程に導かれる。水性プライマー液を塗布した縦延伸多層
ポリエステルフイルムは、例えばステンターに導かれて
横延伸及び熱固定される。この間塗布液は乾燥し、フイ
ルム上に連続皮膜を形成する。乾燥は横延伸前或いは横
延伸時に行なうと良い。
【0066】このようにして得られる水性プライマー層
塗設の積層ポリエステルフイルムは、ポリエステルフイ
ルムの帯電防止性とプライマーの易接着性を兼備してお
り、この低帯電性の易接着性多層ポリエステルフイルム
は種々の被覆物例えばセロファン用インキ、磁気塗料、
電子写真用トナー組成物、ケミカルマット塗料、ジアゾ
塗料、UVインキ等の極めて広汎な塗料に対して高い接
着性を示し、特に磁気塗料に強い接着性を示し、かつ粘
着性のない良好な耐ブロッキング性を示す。
【0067】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に説明す
る。
【0068】なお、例中の「部」は「重量部」を意味す
る。またフイルムの各特性は次の方法で測定した。
【0069】1.接着性 プライマー被覆ポリエステルフイルムに評価塗料をマイ
ヤーバーで乾燥後の厚さが約4μmになるように塗布
し、100℃で3分間乾燥する。その後60℃で24時
間エージングし、次いでスコッチテープ No.600(3
M社製)幅12.7mm、長さ15cmを気泡の入らない
ように粘着し、この上をJIS C2701(197
5)記載の手動式荷重ロールでならし密着させ、テープ
巾に切り出す。これを180度剥離した時の強力を測定
する。
【0070】[評価用塗料]固形分換算で、 ウレタン樹脂 ニッポラン2304 25部 (日本ポリウレタン製) 塩ビ・酢ビ樹脂 エスレックA(積水化学製)50部 分散剤 レシオンP(理研ビタミン製) 1部 磁性剤 CTX―860(戸田化学製) 500部 をメチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサノン混
合溶剤に溶解し、40%液にし、サンドグライダーで2
時間分散する。その後架橋剤のコロネートL 25部
(固形分換算)を添加し、よく撹拌して磁性塗料を得
る。
【0071】2.帯電性 片面プライマー塗設フイルム(10μm×500mm×
3000m)ロールを23℃×75%RHの雰囲気下で
150m/min のスピードで巻き返し、そのロールの剥
離帯電量をヒューグルエレクトロニクス(株)製のデジ
タル式試験電気測定器Model―203を用いて測定
する。
【0072】3.表面抵抗 プライマー塗設前のポリエステルフイルムを23℃×6
0%RHで24hr放置後、振動容量型電位差測定器T
R―84M型(タケダ理研社製)で測定する。
【0073】4.表面粗さ Ra(Center Line Average :中心線平均粗さ) JIS B0601に準じ、(株)小坂研究所製の高精
度表面粗さ計SE―3FATを使用して、針の半径2μ
m、荷重30mgで拡大倍率20万倍、カットオフ0.
08mmの条件下にチャートをかかせ、フイルム表面粗
さ曲線からその中心線の方向に測定長さLの部分を抜き
取り、この抜き取り部分の中心線をX線、縦倍率の方向
をY軸として、粗さ曲線をY=f(X)で表わしたと
き、次の式で与えられた値をμm単位で表わす。
【0074】
【数1】
【0075】この測定は基準長を1.25mmとして、
4個行い、その平均値で表わす。
【0076】5.初期ヤング率 フイルムを試料巾10mm、長さ150mmに切り、チ
ャック間100mmにして引張速度100mm/分、チ
ャート速度100mm/分にインストロンタイプの万能
引張試験装置にて引張る。得られる荷重―伸び曲線から
初期ヤング率を計算する。
【0077】
【実施例1】帯電防止剤としてドデシルベンゼンスルホ
ン酸リチウム(以下DBSLiと略称する)1wt%及
び滑剤を含有するA層用ポリエステルチップ、及び滑剤
のみ含有するB層用ポリエステルチップをそれぞれ17
0℃で3時間乾燥後、共押出し製膜機の別々の押出機に
供給し、A層とB層の厚み比が30:70となるように
二層ダイから共押出して未延伸多層フイルムを得た。
【0078】この未延伸多層フイルを75℃にて予熱
し、更に低速、高速のロール間で10mm上方より85
0℃の表面温度のIRヒーターにて加熱して3.1倍に
延伸し、急冷し、次いで、易接性樹脂の互応化学(株)
製プラスコートZ―461とポリエチレンオキサイドノ
ニルフェニルエーテルを固形分比で90/10(重量)
となる割合で含有している水性プライマー(固形分4w
t%)をキスコート法にて縦延伸フイルムのA層上にW
et2g/m2 の割合で塗布した。引き続き105℃で
横方向に3.9倍延伸し、次いで215℃で6秒熱固定
を行った。この時のフイルム厚さは10μmであり、ま
た最終プライマー層の厚さは0.02μmであった。こ
のフイルムの特性を表1に示す。
【0079】
【実施例2〜5、比較例1】実施例1におけるプライマ
ー層での易接性樹脂の互応化学(株)性プラスコートZ
―461を高松油脂(株)製SH―416(実施例2)
に、A層ポリエステル中の帯電防止剤DBSLiをドデ
シルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム(実
施例3)に、同じくDBSLiの含有量を1wt%から
2wt%(実施例4)、Owt%(比較例1)に、また
水性プライマー液の塗布面をA層からB層(実施例5)
にかえた以外は、実施例1と全く同じ方法で易接着性多
層ポリエステルフイルムを得た。このフイルムの特性を
表1に示す。
【0080】
【実施例6】実施例1におけるA層、B層中の滑剤の種
類を変え、各々の表面粗さRaを4nm(A層)、10
nm(B層)にした以外は実施例1と全く同様な方法で
易接着性多層ポリエステルフイルムを得た。このフイル
ムの特性を表1に示す。
【0081】
【比較例2】水性プライマー液を塗布しなかった以外は
実施例1と全く同様の方法で多層ポリエステルフイルム
を得た。このフイルムの特性を表1に示す。
【0082】
【比較例3】実施例1のA層用のポリエステルチップを
単層ダイで押出した以外は実施例1と全く同様な方法で
易接着性ポリエステルフイルムを得た。このフイルムの
特性を表1に示す。
【0083】
【表1】
【0084】表1から明らかなように、実施例のポリエ
ステルは帯電性が低く、接着力、機械的特性も優れてい
る。
【0085】
【発明の効果】本発明によれば、低い帯電性を示し、か
つポリエステルフイルムに塗布される種々の被覆物、例
えばオフセットインキ、グラビヤインキ、シルクスクリ
ーンインキ、UVインキ、磁気塗料、粘着剤、電子写真
トナー、ケミカルマット塗料、ジアゾ塗料、ハードコー
ト塗料、UV塗料、ヒートシール性付与組成物、無機質
被膜形成性物質等、特に磁気塗料に対し優れた接着性を
示すプライマー層を有する低帯電性の易接着性積層ポリ
エステルフイルム及び製造方法を提供することができ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一つの外層が分子内にスルホ
    ン酸塩基を有する帯電防止剤を含有するポリエステルか
    らなる多層ポリエステルフイルムの少なくとも一つの表
    面に水性プライマー層を設けていることを特徴とする帯
    電防止性の改良された易接着性ポリエステルフイルム。
  2. 【請求項2】 結晶配向化が完了していない、少なくと
    も一つの外層が分子内にスルホン酸塩基を有する帯電防
    止剤を含有するポリエステルからなる多層ポリエステル
    フイルムの少なくとも一つの表面に水性プライマー液を
    塗布し、次いで乾燥、延伸、熱処理を施してフイルムの
    結晶配向化を完了させることを特徴とする帯電防止性の
    改良された易接着性ポリエステルフイルムの製造方法。
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