JPH06238165A - ジアルキルカーボネートの製造方法 - Google Patents

ジアルキルカーボネートの製造方法

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JPH06238165A
JPH06238165A JP5050239A JP5023993A JPH06238165A JP H06238165 A JPH06238165 A JP H06238165A JP 5050239 A JP5050239 A JP 5050239A JP 5023993 A JP5023993 A JP 5023993A JP H06238165 A JPH06238165 A JP H06238165A
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JP
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catalyst
magnesium
group
reaction
alcohol
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JP5050239A
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Masaru Kirishiki
賢 桐敷
Yoshiyuki Onda
義幸 恩田
Hideaki Tsuneki
英昭 常木
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 触媒としてMgとMg以外の金属元素との原
子比が1:0.001〜1:0.05の範囲でMg以外
の金属元素を含むMgとMg以外の金属元素との複合酸
化物の存在下、アルキレンカーボネート(1)とアルコ
ール(2)とをエステル交換反応させてジアルキルカー
ボネート(3)を製造する。 (式中、R1,R2,R3およびR4はH、アルキル基、ア
ルケニル基、アリール基、シクロアルキル基、アルコキ
シアルキル基またはアルコキシ基を示し、R5は炭素数
1〜20のアルキル基、アルケニル基、アリールアルキ
ル基、シクロアルキル基またはアルコキシアルキル基を
示す) 【効果】 触媒活性が優れ、エステル交換反応が速やか
に進行し、反応後、触媒が容易に分離できてジアルキル
カーボネートの分離・精製が効率よくできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はジアルキルカーボネート
の製造方法に関するものである。更に詳しくは、触媒の
存在下、一般式(1)で示されるアルキレンカーボネー
トと一般式(2)で示されるアルコールとをエステル交
換反応させて一般式(3)で示されるジアルキルカーボ
ネートを製造する方法に関する。このエステル交換反応
では目的とするジアルキルカーボネートの他に一般式
(4)で示されるアルキレングリコールも生成する。
【化4】 (式中、R1,R2,R3およびR4は各々独立して水素原
子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロア
ルキル基、アルコキシアルキル基またはアルコキシ基を
示し、R5は炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル
基、アリールアルキル基、シクロアルキル基またはアル
コキシアルキル基を示す) ジアルキルカーボネートは溶剤、ガソリン添加剤などへ
の利用の他、毒性の強いホスゲンやジメチル硫酸などの
代替物となる安全性が高くて取扱い易いカーボネート化
剤やアルキル化剤として今後需要の伸びが見込まれる化
合物である。
【0002】
【従来の技術】ジアルキルカーボネートの製造方法とし
ては、アルキレンカーボネートとアルコールをエステル
交換反応させる方法が種々提案されている。その基本と
なる技術はエステル交換触媒にあり、均一系触媒と不均
一系触媒に分類される。
【0003】均一系触媒としては、例えば、アルカリ金
属またはアルカリ金属誘導体(米国特許第364285
8号、特公昭61−16267号)、第3級脂肪族アミ
ン(特公昭59−28542号)、アルキル錫アルコキ
サイド(特公昭56−40708号)、亜鉛、アルミニ
ウム、チタンのアルコキサイド(特公昭60−2269
7号)、タリウム化合物(特公昭60−27658
号)、ルイス酸と含窒素有機塩基の複合物(特公昭60
−22698号)、ホスフィン化合物(特公昭61−4
381号)、4級ホスホニウム塩(特開昭56−101
44号)、第V族元素含有ルイス塩基およびエポキサイ
ドまたは環状アミジン(特開昭59−106436号)
などが提案されている。
【0004】これら、均一系触媒を用いる方法では、少
量の添加量で高い触媒活性を得ることができる長所があ
るが、反応液から触媒を分離するのが困難である。この
エステル交換反応は平衡反応であり、触媒の存在下に反
応液を蒸留して目的のジアルキルカーボネートを分離し
ようとすると、蒸留中に平衡がずれて逆反応が起こって
一旦生成したジアルキルカーボネートがアルキレンカー
ボネートに戻る。また、触媒が存在するために、分解、
重合反応などが併発して精製工程での効率が悪く、プロ
セス上好ましくなかった。
【0005】一方、不均一系触媒の場合は、反応液から
触媒を分離するのが容易であり、均一系触媒にみられる
上記問題点は解決される。不均一系触媒としてイオン交
換樹脂、特に第4級アンモニウム基を交換基として有す
る固体強塩基性アニオン交換樹脂を用いる方法が提案さ
れている(特開昭64−31737号、特開昭63−2
38043号)。これらの方法は比較的高い触媒活性を
発現するが、工業的に利用するには耐熱性、耐久性に問
題があり、とくに、高温条件で第4級アンモニウム基か
ら含窒素化合物の分解がおこり、触媒成分が反応液中に
溶解するなど問題があった。
【0006】また、不均一系触媒として、シリカ−チタ
ニア固体酸(特公昭61−5467号);アルカリ金属
あるいはアルカリ土類金属の珪酸塩担持シリカ、アンモ
ニウム交換ゼオライト(特開昭64−31737号);
ジルコニウム、チタン、スズの酸化物(特開昭63−4
1432号);鉛化合物(特開平4−9356号)など
の無機固体触媒を用いる方法も提案されている。これら
の方法は全般的に触媒活性が低く実用には適応しがたい
ものであった。
【0007】更に、近年、不均一系触媒としてMgOと
Al23とを含有するハイドロタルサイト化合物を用い
る方法(特開平3−43354号)や、酸化マグネシウ
ムを10〜90%含有した複合酸化物を用いる方法(M
g:Al=3:1の原子比からなる複合酸化物触媒)
(欧州特許公開第478073号)が提案されている。
これらの方法は上記の方法よりは触媒活性が改善されて
はいるものの、未だ満足のいくものではなく、エステル
交換反応が平衡に達するまでに長時間を要したり、高い
反応温度を必要とするなどなお問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アル
キレンカーボネートとアルコールとをエステル交換反応
させてジアルキルカーボネートを製造する方法におい
て、前記従来技術がかかえる問題を解決し、触媒活性と
耐久性に優れた工業的に有利なジアルキルカーボネート
を製造する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アルキレ
ンカーボネートとアルコールとをエステル交換反応させ
てジアルキルカーボネートを製造する方法について鋭意
検討を行った結果、驚くべきことに触媒としてマグネシ
ウムに対しごくわずかな量のマグネシウム以外の金属元
素を添加したマグネシウムとマグネシウム以外の金属元
素との複合酸化物が、従来提案されているMgとAlの
複合酸化物に比べ優れた触媒活性を示すことを見いだし
本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明は、触媒の存在下、前記
一般式(1)で示されるアルキレンカーボネートと一般
式(2)で示されるアルコールとをエステル交換反応さ
せる一般式(3)で示されるジアルキルカーボネートの
製造方法において、触媒としてマグネシウムとマグネシ
ウム以外の金属元素との原子比が1:0.001〜1:
0.05の範囲でマグネシウム以外の金属元素を含むマ
グネシウムとマグネシウム以外の金属元素との複合酸化
物を用いることを要旨とするジアルキルカーボネートの
製造方法である。以下に本発明を詳しく説明する。
【0011】本発明において原料として用いられる一般
式(1)で示されるアルキレンカーボネートは、例え
ば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、
1,2,−ブチレンカーボネート、2,3−ブチレンカ
ーボネート、1,2−ペンチレンカーボネート、スチレ
ンカーボネート、3−メトキシ−1,2−プロピレンカ
ーボネート、3−エトキシ−1,2−プロピレンカーボ
ネートなどが挙げられ、これらの混合物であっても差し
支えない。これらの中でも、工業的に容易に入手できる
こと、副生する一般式(4)で示されるアルキレングリ
コールの利用価値が高いことから、主としてエチレンカ
ーボネート及びプロピレンカーボネートが工業的に有用
である。
【0012】本発明においてもう一方の原料として用い
られる一般式(2)で示されるアルコールは、例えば、
メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコ
ール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、、
イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、ペンチ
ルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコー
ル、2−エチルヘキシルアルコール、デシルアルコー
ル、ドデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ヘ
キサデシルアルコール、オクタデシルアルコール、アリ
ルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキシルア
ルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エ
チレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコ
ールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどが挙
げられ、これらの混合物であっても差し支えない。これ
らの中でも、製造されるジアルキルカーボネートとして
ジメチルカーボネートの需要が大きいことから、メチル
アルコールが工業的に有用である。これら原料のアルキ
レンカーボネートおよびアルコールの組み合せにより、
前記反応式に従って一般式(3)で示されるジアルキル
カーボネートおよび一般式(4)で示されるアルキレン
グリコールが生成する。
【0013】本発明においては触媒としてマグネシウム
とマグネシウム以外の金属元素との原子比が1:0.0
01〜1:0.05の範囲でマグネシウム以外の金属元
素を含むマグネシウムとマグネシウム以外の金属元素と
の複合酸化物を用いる。マグネシウム以外の金属元素の
添加量が0.05を越える場合や0.001未満の場
合、触媒活性が低下するので好ましくない。
【0014】本発明においてマグネシウム以外の金属元
素とは化学大辞典(共立出版社)第2巻914頁に示さ
れるような物質のうちマグネシウムを除くものを言う。
具体的には周期律表IA族のリチウム、ナトリウム、カ
リウム、ルビジウム、セシウム、IIA族のベリリウム、
カルシウム、ストロンチウム、バリウム、IIIB族のス
カンジウム、イットリウム、ランタン、ランタニド(セ
リウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマ
リウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジ
スプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イ
ッテルビウム、ルテチウム、)、アクチニウム、アクチ
ニド(トリウム、プロトアクチニウム、ウラン)、IVB
族のチタン、ジルコニウム、ハフニウム、VB族のバナ
ジウム、ニオブ、タンタル、VIB族のクロム、モリブデ
ン、タングステン、VIIB族のマンガン、レニウム、VII
I族の鉄、コバルト、ニッケル、IB族の銅、銀、IIB族
の亜鉛、カドニウム、IIIA族のホウ素、アルミニウ
ム、ガリウム、インジウム、タリウム、IVA族のケイ
素、ゲルマニウム、スズ、鉛、VA族のヒ素、アンチモ
ン、ビスマス、VIA族のテルルなどを挙げることができ
る。これらの中でも遷移金属元素がより好ましい。遷移
金属元素とは具体的には周期律表のIB,IIB,IIIB,
IVB,VB,VIB,VIIB,VIII族の元素である。
【0015】本発明においては触媒の調製造方法につい
ては特に制限はなく、以下のような一般的な方法が用い
られる。酸化マグネシウムにマグネシウム以外の金属元
素の塩の水溶液を含浸後焼成して触媒とする方法。:こ
こで用いる酸化マグネシウムは、酸化マグネシウムであ
れば特に制限はなく、一般的な方法により製造されたも
のでよい。酸化マグネシウムを製造するには、例えば金
属マグネシウムを空気中で燃焼させる方法、マグネシウ
ムの水酸化物、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩などを空気中で
焼成する方法などが用いられる。これらの中で、工業的
に利用しやすく、焼成温度が比較的低く高い比表面積が
得られる製造方法としてマグネシウムの水酸化物、炭酸
塩を焼成する方法が好ましい。また一般に医薬用制酸
剤、工業用吸着剤として販売されている酸化マグネシウ
ムを利用することもできる。また、マグネシウム以外の
金属元素の塩としては、硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩、蓚酸
塩、水酸化物などが用いられる。また、上記の方法で酸
化マグネシウムを成型したものにマグネシウム以外の金
属元素の塩の水溶液を含浸後焼成して触媒とする方法を
用いることもできる。
【0016】マグネシウムの塩とマグネシウム以外の金
属元素の塩を混練し乾燥後、焼成して触媒とする方
法。:ここで、マグネシウムの塩としては硝酸塩、炭酸
塩、酢酸塩、水酸化物などが用いられる。また、マグネ
シウム以外の金属元素の塩としては、硝酸塩、酢酸塩、
硫酸塩、蓚酸塩、水酸化物などが用いられる。
【0017】マグネシウムの可溶性塩の水溶液とマグネ
シウム以外の金属元素の塩の水溶液を混合し水酸化アル
カリ、アンモニア水溶液などで各元素の水酸化物を共沈
させ生成した沈澱を乾燥、焼成して触媒とする方法。こ
こで、マグネシウム以外の金属元素の塩としては、硝酸
塩、酢酸塩、硫酸塩、蓚酸塩などが用いられる。
【0018】本発明において、触媒の形状には特に制限
はないが、反応時の通液性や反応後の触媒分離を容易に
するため、成形されていることが望ましい。その形態
は、100μm程度の微粉末でも、造粒、打錠などの一
般的な方法で成型したものでも使用できる。
【0019】本発明に用いる触媒を調製するにあたっ
て、適当なバインダーを用いることもできる。バインダ
ーは固体を結合させ触媒の機械的強度を増強させる目的
で用いられるものであり、本発明に係わる反応を阻害し
たり触媒活性を阻害したりしないものであれば無機物あ
るいは有機物いずれでもよい。また、バインダーは反応
に対して触媒活性がある程度発現するものでも特に制限
はない。しかし、マグネシウムとマグネシウム以外の金
属元素との複合酸化物にさらに均一に反応し複合化する
ものは触媒表面の反応活性点を消失させ触媒活性を阻害
することになるので好ましくない。本発明に用いられる
バインダーの具体例としては、シリカゾル、アルミナゾ
ル、ジルコニアゾル、有機ポリマーなどが挙げられる。
【0020】本発明に用いる触媒を調製するにあたっ
て、適当な担体を用いることもできる。担体はその表面
に触媒活性点を分散させて高表面積の触媒としたり触媒
の機械的強度を高めたりする目的で用いられる。担体は
反応を阻害したり触媒活性を阻害したりしないものであ
れば特に制限はなく、反応に対して触媒活性がある程度
発現するものでもよい。しかし、マグネシウムとマグネ
シウム以外の金属元素との複合酸化物にさらに均一に反
応し複合化するものは触媒表面の反応活性点を消失させ
触媒活性を阻害することになるので好ましくない。本発
明に用いられる担体の具体例としては、シリカ、アルミ
ナ、ジルコニア、チタニア、シリカ−アルミナ、ジルコ
ニア−チタニア、シリカ−ジルコニア、アルミナ−チタ
ニア、シリカ−チタニア、アルミナ−ジルコニアなどの
無機担体;カオリナイト族のカオリナイト、ディッカイ
ト、ハロイサイト、クリソタイル、リザーダイト、アメ
サイトなどやスメクタイト族のモンモリロナイト、バイ
デライト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイトな
ど、雲母族の白雲母、パラゴナイト、金雲母、黒雲母、
レピドライトなど、ハイドロタルサイト、タルクなどの
粘土鉱物;などが挙げられる。
【0021】また、本発明に用いる触媒は、多孔質で比
表面積の大きなものが高い触媒活性を得られるので好ま
しい。比表面積は通常5〜500m2/g、より好まし
くは10〜300m2/gの範囲の触媒が用いられる。
比表面積が5m2/g未満の場合十分な触媒活性が得ら
れないため好ましくない。また、比表面積が500m2
/gを越えると、触媒の強度が低下し、耐久性の面で問
題が生じるため好ましくない。
【0022】本発明に用いる触媒は、使用する前に炭酸
ガスや水分などの表面吸着物を除去する目的で、窒素な
どの不活性ガス気流中で加熱処理することにより活性化
することが好ましい。その際の処理温度は300℃〜8
00℃の範囲、より好ましくは400〜700℃の範囲
である。処理温度が300℃未満では吸着物質の脱着が
不十分となるため好ましくない。また、処理温度が80
0℃を越えると酸化マグネシウムが一部溶融し表面積が
減少するため好ましくない。活性化処理の時間は表面吸
着物の量や処理温度により左右されるため特に限定され
るのもではないが通常1〜100時間の範囲である。
【0023】本発明において原料として用いるアルキレ
ンカーボネートとアルコールの組成比は理論的にはモル
比で2であるが、特に限定されるのではなく製造プロセ
スに併せて広い範囲で用いることができる。当該反応は
平衡反応であるため、一般的にはアルキレンカーボネー
トの転化率を向上させるために、アルコールの比率を上
げることが好ましく、通常アルキレンカーボネートに対
するアルコールのモル比は1〜20、より好ましくは2
〜10の範囲である。
【0024】本発明において、反応温度は原料の種類や
触媒の活性により適応範囲が異なるが、一般的には30
〜300℃、より好ましくは、50〜200℃の範囲で
ある。その際、圧力は反応液の蒸気圧により規定される
ものであり、特に制限はなく、エステル交換反応への影
響は少ない。
【0025】本発明において、触媒の存在下アルキレン
カーボネートとアルコールをエステル交換反応させる方
法としては、回分式反応でも流通式反応でもよく、特に
限定されるものではない。
【0026】回分式反応をおこなう場合の触媒の使用量
は、原料に対して0.1〜30重量%、より好ましくは
1〜15重量%の範囲である。回分式反応機内に、本発
明の触媒、および原料を所定量充填し、所定温度で撹拌
を伴いながらエステル交換反応することにより、目的と
するジアルキルカーボネートを含む反応液混合物が得ら
れる。その際反応時間は反応温度と触媒使用量により異
なるが、一般的には0.1〜100時間、より好ましく
は1〜30時間の範囲が用いられる。こうして得られた
触媒を含む反応液から触媒は濾過、遠心分離などの方法
により容易に分離でき、触媒を分離した反応液からジア
ルキルカーボネートや副生するアルキレングリコール、
未反応のアルキレンカーボネートやアルコールを一般的
には蒸留により、場合により抽出や再結晶などの方法に
より回収することができる。
【0027】流通式反応を行う場合には、固定床式、流
動床式、撹拌漕式いずれの方式でも用いることができ
る。この際の通液条件は、触媒に対する液時空間速度
(LHSV)で表すと、0.1〜50/hr、より好ま
しくは0.2〜10/hrの範囲を用いることができ
る。
【0028】
【発明の効果】本発明の方法により、アルキレンカーボ
ネートとアルコールからジアルキルカーボネートへのエ
ステル交換反応が速やかに進行し、かつ触媒のマグネシ
ウムとマグネシウム以外の金属元素との複合酸化物が反
応液に不溶であることから、反応液と触媒の分離が容易
であり、均一系触媒でみられる蒸留工程での残存触媒に
よる逆反応、分解、重合反応などによる収率低下を防止
できる。従って、工業的に重要なジアルキルカーボネー
トを効率的に生産でき、産業の発展に貢献するものであ
る。
【0029】
【実施例】次に本発明について実施例および比較例を挙
げてさらに詳細に説明するが、本発明はこれだけに限定
されるものではない。なお、実施例中の転化率、収率は
以下の式により求めたものである。
【数1】
【0030】
【実施例1】蒸留水41.4gに硝酸コバルト6水塩
8.89gを完全に溶解させた硝酸コバルト水溶液を、
酸化マグネシウム60.0gに含浸させ、一昼夜乾燥さ
せた後、窒素気流中500℃で5時間焼成して触媒を得
た。この触媒のCo/Mgの原子比は0.0205であ
る。また、この触媒は比表面積49.9m2/gであっ
た。撹拌器、コンデンサー、温度計を取り付けたガラス
製フラスコにエチレンカーボネート1モル(88g)、
メチルアルコール2モル(64g)、触媒15.2g
(反応液の10重量%)を仕込んで加熱し、反応温度6
0℃でエステル交換反応を行った。反応中、反応液の一
部を採取して高速液体クロマトグラフにより反応液組成
を分析した。
【0031】
【実施例2】蒸留水41.4gに硝酸ニッケル6水塩
1.47gを完全に溶解させた硝酸ニッケル水溶液を、
酸化マグネシウム60.0gに含浸させ、一昼夜乾燥さ
せた後、窒素気流中500℃で5時間焼成して触媒を得
た。この触媒のNi/Mgの原子比は0.00340で
ある。また、この触媒は比表面積45.7m2/gであ
った。エステル交換反応の反応方法および分析方法は実
施例1と同様に行った。
【0032】
【実施例3】蒸留水41.4gに硝酸ニッケル6水塩
8.92gを完全に溶解させた硝酸ニッケル水溶液を、
酸化マグネシウム60.0gに含浸させ、一昼夜乾燥さ
せた後、窒素気流中500℃で5時間焼成して触媒を得
た。この触媒のNi/Mgの原子比は0.0206であ
る。また、この触媒は比表面積52.5m2/gであっ
た。エステル交換反応の反応方法および分析方法は実施
例1と同様に行った。
【0033】
【実施例4】蒸留水41.4gに硝酸ニッケル6水塩1
7.3gを完全に溶解させた硝酸ニッケル水溶液を、酸
化マグネシウム60.0gに含浸させ、一昼夜乾燥させ
た後、窒素気流中500℃で5時間焼成して触媒を得
た。この触媒のNi/Mgの原子比は0.0400であ
る。また、この触媒は比表面積40.3m2/gであっ
た。エステル交換反応の反応方法および分析方法は実施
例1と同様に行った。
【0034】
【実施例5】蒸留水41.4gに硝酸ニッケル6水塩
4.46g及び硝酸コバルト6水塩4.44gを完全に
溶解させた硝酸ニッケル及び硝酸コバルトを含む水溶液
を、酸化マグネシウム60.6gに含浸させ、一昼夜乾
燥させた後、窒素気流中500℃で5時間焼成して触媒
を得た。この触媒の(Ni+Co)/Mgの原子比は
0.0206である。また、この触媒は比表面積48.
8m2/gであった。エステル交換反応の反応方法およ
び分析方法は実施例1と同様に行った。
【0035】
【実施例6】蒸留水41.4gに硝酸鉄(III)9水塩
13.0gを完全に溶解させた硝酸鉄水溶液を、酸化マ
グネシウム60.0gに含浸させ、一昼夜乾燥させた
後、窒素気流中500℃で5時間焼成して触媒を得た。
この触媒のFe/Mgの原子比は0.0216である。
また、この触媒は比表面積55.4m2/gであった。
エステル交換反応の反応方法および分析方法は実施例1
と同様に行った。
【0036】
【実施例7】蒸留水41.4gに硝酸マンガン(II)6
水塩9.40gを完全に溶解させた硝酸マンガン水溶液
を、酸化マグネシウム60.0gに含浸させ、一昼夜乾
燥させた後、窒素気流中500℃で5時間焼成して触媒
を得た。この触媒のMn/Mgの原子比は0.0220
である。また、この触媒は比表面積44.3m2/gで
あった。エステル交換反応の反応方法および分析方法は
実施例1と同様に行った。
【0037】
【実施例8】蒸留水41.4gに硝酸クロム(III)9
水塩13.9gを完全に溶解させた硝酸クロム水溶液
を、酸化マグネシウム60.0gに含浸させ、一昼夜乾
燥させた後、窒素気流中500℃で5時間焼成して触媒
を得た。この触媒のCr/Mgの原子比は0.0233
である。また、この触媒は比表面積48.1m2/gで
あった。エステル交換反応の反応方法および分析方法は
実施例1と同様に行った。
【0038】
【実施例9】蒸留水41.4gに硝酸銅3水塩6.84
gを完全に溶解させた硝酸銅水溶液を、酸化マグネシウ
ム60.0gに含浸させ、一昼夜乾燥させた後、窒素気
流中500℃で5時間焼成して触媒を得た。この触媒の
Cu/Mgの原子比は0.0190である。また、この
触媒は比表面積50.2m2/gであった。エステル交
換反応の反応方法および分析方法は実施例1と同様に行
った。
【0039】
【実施例10】蒸留水41.4gに硝酸亜鉛6水塩8.
19gを完全に溶解させた硝酸亜鉛水溶液を、酸化マグ
ネシウム60.0gに含浸させ、一昼夜乾燥させた後、
窒素気流中500℃で5時間焼成して触媒を得た。この
触媒のZn/Mgの原子比は0.0185である。ま
た、この触媒は比表面積51.6m2/gであった。エ
ステル交換反応の反応方法および分析方法は実施例1と
同様に行った。
【0040】
【実施例11】蒸留水41.4gに硝酸アルミニウム9
水塩14.0gを完全に溶解させた硝酸亜鉛水溶液を、
酸化マグネシウム60.0gに含浸させ、一昼夜乾燥さ
せた後、窒素気流中500℃で5時間焼成して触媒を得
た。この触媒のAl/Mgの原子比は0.0251であ
る。また、この触媒は比表面積52.4m2/gであっ
た。エステル交換反応の反応方法および分析方法は実施
例1と同様に行った。
【0041】
【実施例12】撹拌器、温度計を取り付けたオートクレ
ーブにエチレンカーボネート1モル(88g)、メチル
アルコール2モル(64g)、実施例1の調製法により
調製した触媒15.2g(反応液の10重量%)を仕込
んで加熱し、反応温度100℃にて2.5時間反応を行
った。反応終了後、高速液体クロマトグラフにより反応
液組成を分析した。その結果、エチレンカーボネート転
化率59モル%、メチルアルコール転化率45モル%、
ジメチルカーボネート収率32モル%、エチレングリコ
ール収率30モル%であった。
【0042】
【実施例13】反応温度を140℃、反応時間1時間と
した他は実施例8と同様にしてエステル交換反応および
分析を行った。分析した結果、エチレンカーボネート転
化率56モル%、メチルアルコール転化率41モル%、
ジメチルカーボネート収率28モル%、エチレングリコ
ール収率26モル%であった。
【0043】
【比較例1】触媒としてハイドロタルサイト化合物(組
成式:Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O)を用いた
以外は実施例1と同様にしてエステル交換反応および分
析を行った。なお、この触媒は比表面積88m2/gで
あった。
【0044】
【比較例2】蒸留水41.4gに硝酸ニッケル6水塩
0.216gを完全に溶解させた硝酸ニッケル水溶液
を、酸化マグネシウム60.0gに含浸させ、一昼夜乾
燥させた後、窒素気流中500℃で5時間焼成して触媒
を得た。この触媒のNi/Mgの原子比は0.0005
である。また、この触媒は比表面積40.3m2/gで
あった。エステル交換反応の反応方法および分析方法は
実施例1と同様に行った。
【0045】
【比較例3】蒸留水41.4gに硝酸コバルト6水塩2
9.6gを完全に溶解させた硝酸コバルト水溶液を、酸
化マグネシウム60.0gに含浸させ、一昼夜乾燥させ
た後、窒素気流中500℃で5時間焼成して触媒を得
た。この触媒のCo/Mgの原子比は0.0682であ
る。また、この触媒は比表面積51.7m2/gであっ
た。エステル交換反応の反応方法および分析方法は実施
例1と同様に行った。実施例及び比較例の結果を表1か
ら表4に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 23/26 X 8017−4G 23/34 X 8017−4G 23/72 X 8017−4G C07C 68/06 A 9279−4H 69/96 Z 9279−4H // C07B 61/00 300

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒の存在下、一般式(1) 【化1】 (式中、R1,R2,R3およびR4は各々独立して水素原
    子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロア
    ルキル基、アルコキシアルキル基またはアルコキシ基を
    示す)で示されるアルキレンカーボネートと一般式
    (2) 【化2】R5OH (2) (式中、R5は炭素数1〜20のアルキル基、アルケニ
    ル基、アリールアルキル基、シクロアルキル基またはア
    ルコキシアルキル基を示す)で示されるアルコールとを
    エステル交換反応させる一般式(3) 【化3】 (式中、R5は前記と同じである)で示されるジアルキ
    ルカーボネートの製造方法において、触媒としてマグネ
    シウムとマグネシウム以外の金属元素との原子比が1:
    0.001〜1:0.05の範囲でマグネシウム以外の
    金属元素を含むマグネシウムとマグネシウム以外の金属
    元素との複合酸化物を用いることを特徴とするジアルキ
    ルカーボネートの製造方法。
  2. 【請求項2】 マグネシウム以外の金属元素が遷移金属
    元素である請求項1記載の製造方法。
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