JPH06237889A - 内視鏡用送気送水ノズル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は導中部の先端からの突出量を小さく
しながら、対物レンズ全面を均一に洗浄し、これによっ
て常に鮮明な映像信号を得る。 【構成】 導中部に挿通されて固定される円筒パイプ５
の先端に角度θの切欠き６を有する鍔部７を形成すると
ともに、側面部分に前記切欠き６と対応する切欠き８を
有し、内面に角度αのテーパーが形成されたキャップ部
３を前記鍔部７に填込んで固定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は内視鏡の先端に設けられ
た対物レンズを効率良く洗浄する内視鏡用送気送水ノズ
ルに関する。

【０００２】

【従来の技術】被検者の体内を見ることができる内視鏡
装置として、従来、図５に示す装置が知られている。

【０００３】この図に示す内視鏡装置１０１は被検者の
体腔内に挿入される導中部１０２と、この導中部１０２
の元端側に設けられる操作部１０３とを備えており、被
検者の体腔内を観察するとき、導中部１０２が先端側か
ら被検者の口等から体腔内に挿入されるとともに、操作
部１０３が操作され、これによって導中部１０２の先端
側に配置された撮影部１０４によって観察部位の像が撮
影され、これが導中部１０２内に配置されている信号線
を介して操作部１０３に導かれた後、ユニバーサルコー
ド１０５を介して装置本体１０６側に伝送されてＣＲＴ
１０７上に映し出される。

【０００４】この場合、前記導中部１０２に設けられて
いる撮像部１０４は図６（ａ）、（ｂ）に示す如く前記
導中部１０２の先端に設けられる対物レンズ１１０と、
この対物レンズ１１０によって結像された光学像を映像
信号に変換するＣＣＤ（図示は省略する）と、前記導中
部１０２の先端に設けられ、導中部１０２内のパイプ
（図示は省略する）を介して洗浄水や洗浄空気が供給さ
れたとき、これを導中部１０２の先端から噴出して前記
対物レンズ１１０を洗浄する送気送水ノズル１１１とを
備えており、導中部１０２内に配置される信号線を介し
て操作部１０３から駆動信号が供給されたとき、ＣＣＤ
によって対物レンズ１１０によって結像された光学像を
映像信号に変換してこれを導中部１０２内に配置されて
いる信号線を介して操作部１０３に導いた後、ユニバー
サルコード１０５を介して装置本体１０６側に伝送して
ＣＲＴ１０７上に映し出させる。

【０００５】また、導中部１０２内のパイプを介して洗
浄水や洗浄空気が供給されたとき、送気送水ノズル１１
１によってこれを導中部１０２の先端から噴出して前記
対物レンズ１１０を洗浄して常に鮮明な映像信号が得ら
れるようにする。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の内視鏡装置１０１においては、円筒パイプの先
端を潰してこれを対物レンズ１１０側に曲げた構造の送
気送水ノズル１１１を使用するようにしているので、円
筒パイプの径に応じてノズルの開口が決まってしまい、
対物レンズ１１０の径が大きいとき、これに応じて円筒
パイプの径を大きくしなければならないという問題があ
った。

【０００７】また、この送気送水ノズル１１１では、円
筒パイプの曲げ径を零にすることができないため、ノズ
ルの先端が導中部１０２の先端からの突出量が多くなっ
てしまい、この部分が被検者の体壁に突き当たりやすく
体壁に傷をつけるという問題があった。

【０００８】そこで、このような問題を解決することが
できる送気送水ノズルとして、図７（ａ）、（ｂ）に示
す送気送水ノズル１１２や図８（ａ）、（ｂ）に示す送
気送水ノズル１１３が開発されている。

【０００９】この場合、図７（ａ）、（ｂ）に示す送気
送水ノズル１１２は前記導中部１０２内に配置される小
径円筒パイプ１１５と、前記導中部１０２外に配置さ
れ、前記小径円筒パイプ１１５の先端を閉じるととも
に、その一部に前記小径円筒パイプ１１５の内外を連通
させる開口部１１６が形成されたキャップ部１１７とを
備えており、小径円筒パイプ１１５を介して洗浄水や洗
浄空気が供給されたとき、これをキャップ部１１７に形
成された開口部１１６から噴出して前記対物レンズ１１
０を洗浄する。

【００１０】また、図８（ａ）、（ｂ）に示す送気送水
ノズル１１３は前記導中部１０２内に配置される円筒パ
イプ１２０と、前記導中部１０２外から前記円筒パイプ
１２０に挿通されて接着剤等によって固定されるＬ字状
の変流部材１２１とを備えており、円筒パイプ１２０を
介して洗浄水や洗浄空気が供給されたとき、これを変流
部材１２１によって流れ方向を変えて噴出し、前記対物
レンズ１１０を洗浄する。

【００１１】しかしながら、このような送気送水ノズル
１１２、１１３においては、各々、次に述べるような問
題がある。

【００１２】すなわち、図７（ａ）、（ｂ）に示す送気
送水ノズル１１２においては、キャップ部１１７に開口
部１１６を形成するとき、キャップ部１１７の外側から
穴をあけて開口部１１６を形成しなければならないた
め、キャップ部１１７の開口部１１６内側にバリができ
て洗浄水や洗浄空気の流れが乱れてしまうとともに、開
口部１１６の大きさを大きくすることができないので、
開口部１１６から噴出される洗浄水や洗浄空気の形状が
狭い扇状になってしまい、対物レンズ１１０の全面を洗
浄することが難しいという問題があった。

【００１３】また、図８（ａ）、（ｂ）に示す送気送水
ノズル１１３においては、導中部１０２の先端から変流
部材１２１をあまり突出させた状態で円筒パイプ１２０
に接続すると、変流部材１２１の先端が被検者の体壁に
突き当たってしまうので、変流部材１２１を導中部１０
２の先端からあまり突出させることができない。

【００１４】このため、変流部材１２１から噴出される
洗浄水や洗浄空気を対物レンズ１１０の斜め上方から当
てることができず、対物レンズ１１０全体を均一に洗浄
することができないという問題があった。

【００１５】本発明は上記の事情に鑑み、導中部の先端
からの突出量を小さくしながら、対物レンズ全面を均一
に洗浄することができ、これによって常に鮮明な映像信
号を得ることができる内視鏡用送気送水ノズルを提供す
ることを目的としている。

【００１６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明による内視鏡用送気送水ノズルは、内視鏡装
置を構成する導中部の先端部分に設けられ、前記導中部
を介して供給される洗浄水や洗浄空気を変流して前記導
中部の先端部分に設けられた対物レンズを洗浄する内視
鏡用送気送水ノズルにおいて、先端側に角度θの切欠き
を有する鍔部が形成され、元端側のパイプが前記導中部
に挿通されて固定される筒部と、内面に角度αのテーパ
ーが形成されるとともに、側面に前記鍔部の切欠きに対
応する切欠きが形成され、この切欠きと前記鍔部の切欠
きと対応するように前記筒部の鍔部に固定されるキャッ
プ部とを備えたことを特徴としている。

【００１７】

【作用】上記の構成において、導中部に挿通されて固定
されるパイプの先端に角度θの切欠きを有する鍔部を形
成するとともに、側面部分に前記切欠きと対応する切欠
きを有し、内面に角度αのテーパーが形成されたキャッ
プ部を前記鍔部に填込んで固定することにより、導中部
内に配置されたパイプを介して洗浄水や洗浄空気が供給
されたとき、これを筒部のパイプによってキャップ部内
面に導くとともに、このキャップ部の内面中心部分によ
って変流してキャップ部の内面に形成されているテーパ
ーの角度α、鍔部に形成される切欠きの角度θ（広がり
角θ）で導中部の先端に設けられている対物レンズに噴
出してこれを洗浄する。

【００１８】

【実施例】図１は本発明による内視鏡用送気送水ノズル
の一実施例を示す分解斜視図である。

【００１９】この図に示す内視鏡用送気送水ノズル１は
内視鏡装置の導中部の先端部分に埋め込まれる筒部２
と、この筒部２の先端部分を閉止するキャップ部３とを
備えており、前記導中部内のパイプを介して洗浄水や洗
浄空気が供給されたとき、筒部２によってこれを取り込
むとともに、キャップ部３によってこれを変流した後、
キャップ部３と筒部２とに形成された開口部４から噴出
し、前記導中部の先端に取り付けられている対物レンズ
を斜め上方から洗浄して常に鮮明な映像信号が得られる
ようにする。

【００２０】前記筒部２は導中部の先端部分に埋め込ま
れる円筒パイプ５と、一部に切欠き６が形成されるとと
もに、図２に示す如く一面側にテーパーが形成され、他
面側が前記円筒パイプ５の先端側に接続されるように前
記円筒パイプ５と一体形成される鍔部７とを備えてお
り、円筒パイプ５の元端側から導中部の先端側に形成さ
れた穴に挿入され、鍔部７が導中部の先端面に当接した
位置で前記導中部に固定される。

【００２１】また、前記キャップ部３は図３に示す如く
内面側に前記鍔部７のテーパーと同じ形状のテーパーが
形成され、側面の一部に前記鍔部７の切欠き６と対応す
る形状の切欠き８を有する凹部部材９によって構成され
ており、図４に示す如く各切欠き６、８の位置を一致さ
せられた状態で、前記筒部２の鍔部７に填込まれて固定
される。

【００２２】この場合、導中部内に配置されたパイプを
介して洗浄水や洗浄空気が供給されたとき、これが筒部
２の円筒パイプ５内を通過してキャップ部３の内面中心
部分によって図４の矢印に示す如く変流されてキャップ
部３の内面に形成されているテーパーの角度α、鍔部７
に形成される切欠きの角度θ（広がり角θ）で導中部に
設けられている対物レンズに噴出されるので、キャップ
部３の内面に形成されているテーパーの角度αと、鍔部
７に形成される切欠きの角度θとを調整することによ
り、対物レンズを斜め上方から広い範囲で均一に洗浄す
ることができる。

【００２３】このようにこの実施例においては、円筒パ
イプ５の先端に角度θの切欠きを有する鍔部７を形成す
るとともに、側面部分に前記切欠き６と対応する切欠き
８を有し、内面に角度αのテーパーが形成されたキャッ
プ部３を前記鍔部７に填込んで固定するようにしたの
で、導中部の先端からの突出量を小さくしながら、対物
レンズ全面を均一に洗浄することができ、これによって
常に鮮明な映像信号を得ることができる。

【００２４】また、上述した実施例においては、筒部２
と、キャップ部３とを別々に成形するようにしている
が、金型等を工夫してこれらを一体的に成形するように
しても良い。

【００２５】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、導
中部の先端からの突出量を小さくしながら、対物レンズ
全面を均一に洗浄することができ、これによって常に鮮
明な映像信号を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による内視鏡用送気送水ノズルの一実施
例を示す分解斜視図である。

【図２】図１に示す筒部のＢ−Ｂ断面図である。

【図３】図１に示すキャップ部のＡ−Ａ断面図である。

【図４】図１に示す内視鏡用送気送水ノズルの断面図で
ある。

【図５】一般的な内視鏡装置の一例を示す斜視図であ
る。

【図６】内視鏡装置用として、従来から知られている送
気送水ノズルの一例を示す斜視図および部分断面図であ
る。

【図７】内視鏡装置用として、従来から知られている送
気送水ノズルの他の一例を示す斜視図および部分断面図
である。

【図８】内視鏡装置用として、従来から知られている送
気送水ノズルのさらに他の一例を示す斜視図および部分
断面図である。

【符号の説明】

１ 内視鏡用送気送水ノズル ２ 筒部 ３ キャップ部 ４ 開口部 ５ 円筒パイプ ６ 切欠き ７ 鍔部 ８ 切欠き ９ 凹部部材

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内視鏡装置を構成する導中部の先端部分
   に設けられ、前記導中部を介して供給される液体または
   気体を変流して前記導中部の先端部分に設けられた対物
   レンズにふきつける内視鏡用送気送水ノズルにおいて、 先端側に角度θの切欠きを有する鍔部が形成され、元端
   側のパイプが前記導中部に挿通されて固定される筒部
   と、 内面に角度αのテーパーが形成されるとともに、側面に
   前記鍔部の切欠きに対応する切欠きが形成され、この切
   欠きと前記鍔部の切欠きと対応するように前記筒部の鍔
   部に固定されるキャップ部と、 を備えたことを特徴とする内視鏡用送気送水ノズル。
2. 【請求項２】 前記筒部と、前記キャップ部とが一体形
   成される請求項１記載の内視鏡用送気送水ノズル。