JPH06236711A - 導電性材料およびその製造方法 - Google Patents

導電性材料およびその製造方法

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JPH06236711A
JPH06236711A JP5315077A JP31507793A JPH06236711A JP H06236711 A JPH06236711 A JP H06236711A JP 5315077 A JP5315077 A JP 5315077A JP 31507793 A JP31507793 A JP 31507793A JP H06236711 A JPH06236711 A JP H06236711A
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sintered body
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conductive
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Masatoshi Shibata
雅敏 柴田
Akira Umigami
暁 海上
Masatsugu Oyama
正嗣 大山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ITO、ATO(アンチモン添加酸化錫)よ
りも耐湿性に優れ、還元によっても黒化しにくく、かつ
ITO、ATOと同等の導電性を有する導電性材料を提
供する。 【構成】 InとZnを主成分とし、一般式In2 3
(ZnO)m (m=2〜20)で表される六方晶層状化
合物を含む粉末、またはその粉末を所定形状に成形して
焼結した焼結体からなることを特徴とする導電性材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂などの帯電防止剤
または静電制御剤、表面導電性付与剤、導電性塗料、ス
パッタリング用のターゲット又は表示装置の透明電極な
どに用いられる導電性材料およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】透明、白色または淡色の導電性材料とし
ては、酸化錫にアンチモンを添加したもの(ATO)、
酸化インジウムに錫を添加したもの(ITO)、酸化亜
鉛にアルミニウムを添加したもの等が知られている。こ
れらは、粉末の状態で帯電防止または静電制御のために
合成樹脂などに添加され、樹脂の電気抵抗値を調製する
ために用いられている。また、表面導電性を付与するた
めに用いられる導電性塗料等にも添加されている(例え
ば静電塗装用のプライマーとして)。
【0003】また粉末を所定形状に成形し焼結すること
により焼結体を作製し、ターゲット材を得ている。そし
てこの焼結体からなるターゲットを用いて、スパッタ
法、蒸着法、イオンプレーティング法等で表示装置用の
透明電極がガラスや樹脂基板の上に形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、IT
O、ATOは粉末の状態では耐湿性が比較的低く、湿気
により電気抵抗値が増大するという難点を有している。
またITO、ATO粉末は還元状態では黒化するため、
樹脂に添加すると樹脂製品の自由な着色が困難になると
いう欠点を有している。またITO、ATO焼結体から
なるターゲットも還元により黒化し易いため、その特性
の経時変化が問題となっている。
【0005】本発明の目的は、ITO、ATOよりも耐
湿性に優れ、黒化しにくいとともに、ITO、ATOと
同等の導電性を有する導電性材料およびその製造方法を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の導電性材料は、InとZnを主成分とし、一般式I
2 3 (ZnO)m (m=2〜20)で表される六方
晶層状化合物を含む粉末、またはその粉末を所定形状に
成形して焼結した焼結体からなることを特徴とする導電
性材料(以下、この導電性材料を導電性材料Iという)
である。また、前記六方晶層状化合物が、正三価以上の
原子価を有する元素の少なくとも1種を、六方晶層状化
合物を形成する全カチオン元素の合量に対して20原子
%以下で含有させたものであることを特徴とする導電性
材料もまた、上記目的を達成する(以下、この導電性材
料を導電性材料IIという)。
【0007】一方、上記目的を達成する本発明の導電性
材料の製造方法は、インジウム化合物および亜鉛化合物
を用い、これらの少なくとも1種を含む1種以上の溶液
から、沈澱形成剤により形成される沈澱を、固液分離
し、必要により焼成、還元処理して導電性の粉末を得、
焼結体を得る場合には、前記粉末を所定形状に成形後、
焼結して導電性の焼結体を得ることを特徴とする導電性
材料の製造方法(以下、この方法を方法Iという)であ
る。さらに、インジウム化合物、亜鉛化合物および正三
価以上の原子価を有する元素の少なくとも1種の化合物
を用い、これらの少なくとも1種を含む1種以上の溶液
から、沈澱形成剤により形成される沈澱を、固液分離
し、必要により焼成、還元処理して導電性の粉末を得、
焼結体を得る場合には、前記粉末を所定形状に形成して
焼結して導電性の焼結体を得ることを特徴とする導電性
材料の製造方法もまた、上記目的を達成する(以下、こ
の方法を方法IIという)。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】まず、本発明の導電性材料Iは、上述した
ようにInとZnを主成分とし、一般式In2 3 (Z
nO)m (m=2〜20)で表される六方晶層状化合物
を含む粉末、またはその粉末を所定形状に成形して焼結
した焼結体からなることを特徴とする導電性材料からな
るものである。
【0010】ここに、「六方晶層状化合物を含む粉末ま
たは焼結体」とは、X線回折測定で、六方晶層状化合物
に帰属されるX線回折パターンを示す物質からなる焼結
体または六方晶層状化合物に帰属されるX線回折パター
ンを示す物質とともに、他の構造に帰属されるX線回折
パターンを示す物質、非晶質物質を含む粉末または焼結
体を意味する。
【0011】より具体的には、この粉末または焼結体
は、六方晶層状化合物を20重量%以上、より好ましく
は30重量%以上、特に好ましくは50重量%以上含
み、その好ましい例として以下のものが挙げられる。
【0012】(a).In2 3 (ZnO)m (m=2〜
20)の六方晶層状化合物、 (b).In2 3 (ZnO)m (m=2〜20)の六方
晶層状化合物とIn2 3 との混合物、 (c).In2 3 (ZnO)m (m=2〜20)の六方
晶層状化合物とZnOとの混合物、 (b) ,(c) においてIn2 3 とZnOは結晶であって
も非晶質であってもよい。
【0013】本発明の導電性材料Iにおいて、InとZ
nの原子比(In/(In+Zn))は0.1〜0.9
であるのが好ましい。その理由は、0.1未満では導電
性材料の導電性が低くなり、0.9を超えると導電性材
料の耐湿、耐熱性が低下するからである。原子比(In
/(In+Zn))は0.5〜0.9がより好ましく、
0.6〜0.8が特に好ましい。
【0014】上記のInとZnの原子比は沈澱形成時の
インジウム化合物と亜鉛化合物の混合比を調整すること
により得られ、化学的量論比率に見合うインジウム酸化
物と亜鉛酸化物からなる六方晶層状化合物が生成し、残
りのインジウム酸化物と亜鉛酸化物が結晶質又は非晶質
物質として存在するものと推定される。
【0015】本発明の導電性材料Iは、上述したように
上記インジウム・亜鉛酸化物の粉末または焼結体からな
り、この導電性材料Iは、ITO、ATOよりも耐湿性
に優れ、還元によっても黒化しにくいとともにITO、
ATOと同等の導電性を有し、前記した各種の用途(帯
電防止剤、表面導電性付与剤、導電性塗料、スパッタリ
ング用のターゲット、表示装置の透明電極など)に用い
られる。
【0016】導電性材料Iは気相法(CVD法)、固相
法(物理混合法)などの種々の方法により製造すること
が可能であるが、後述する本発明の方法Iに従って液相
法(共沈法)により製造することが好ましい。
【0017】次に、本発明の導電性材料IIについて説明
する。
【0018】この導電性材料IIは、InとZnを主成分
とし、一般式In2 3 (ZnO)m (m=2〜20)
で表される六方晶層状化合物に、正三価以上の原子価を
有する元素の少なくとも1種を、六方晶層状化合物を形
成する全カチオン元素の合量に対して20原子%以下で
含有させたものを含む粉末、またはその粉末を所定形状
に成形し焼結した焼結体からなるものである。ここで、
正三価以上の原子価を有する元素としては、Al,Ga
(正三価)、Si,Ge,Sn(正四価)、Sb(正五
価)の元素が挙げられるが、導電性改良の効果が大きい
Snが望ましい。
【0019】この正三価以上の原子価を有する元素は、
六方晶層状化合物のIn2 3 ,ZnOのいずれか一方
又は両方に含有されていてもよい。
【0020】また本発明ではこの正三価以上の原子価を
有する元素の一部が、六方晶層状化合物を形成しない酸
化物あるいは他の酸化物(例えばIn2 3 ,ZnO)
に含有されたものとして存在するものをも含む。
【0021】「六方晶層状化合物を含む粉末又は焼結
体」については導電性材料Iと同様に理解される。
【0022】また、本発明の導電性材料IIにおいて、正
三価以上の原子価を有する元素、例えばSn,Al,G
a,Sb,Si,Ge元素を20原子%を超えて添加す
ると、六方晶層状化合物の生成を阻害し、導電性が低下
することがある。
【0023】本発明の導電性材料IIは、ITO、ATO
よりも耐湿性に優れ、黒化しにくいとともにITO、A
TOと同等の導電性を有するので、前記した各種の用途
(帯電防止剤、表面導電性付与剤、導電性塗料、スパッ
タリング用のターゲット、表示装置の透明電極など)に
用いられる。
【0024】導電性材料IIも気相法(CVD法)、固相
法(物理混合法)などの種々の方法により製造すること
が可能であるが、後述する本発明の方法IIに従って溶液
法(共沈法)により製造することが好ましい。
【0025】次に、本発明の方法Iおよび方法IIについ
て説明する。
【0026】まず本発明の方法Iは、前述したようにイ
ンジウム化合物および亜鉛化合物を用い、これらの少な
くとも1種を含む1種以上の溶液から、沈澱形成剤によ
り形成される沈澱を、固液分離し、必要により焼成、還
元処理して導電性の粉末を得、焼結体を得る場合には、
粉末を所定形状に成形後、焼結して導電性の焼結体を得
ることを特徴とする。
【0027】方法Iで原料として用いるインジウム化合
物および亜鉛化合物は、酸化物または焼成後に酸化物に
なるもの(酸化物前駆体)であれば良い。インジウム酸
化物前駆体、亜鉛酸化物前駆体としては、インジウム、
亜鉛の硫化物、硫酸塩、硝酸塩、ハロゲン化物(塩化
物、臭化物等)、炭酸塩、有機酸塩(酢酸塩、プロピオ
ン酸塩、ナフテン酸塩等)、アルコキシド(メトキシ
ド、エトキシド等)、有機金属錯体(アセチルアセトナ
ート等)等が挙げられる。
【0028】特に、低温で完全に熱分解し、不純物が残
存しないようにするためには、この中でも、硝酸塩、有
機酸塩、アルコキシド、有機金属錯体を用いるのが好ま
しい。
【0029】方法Iでは、先ず沈澱を形成するが、沈澱
の形成は、具体的には、以下に示す方法で行なうことが
できる。
【0030】まず、インジウム化合物と亜鉛化合物を溶
解した溶液、もしくは少なくともインジウム化合物を溶
解した溶液と少なくとも亜鉛化合物を溶解した溶液、お
よび沈澱形成剤を溶解した溶液をそれぞれ調製し、別個
に用意した容器(必要により溶媒を入れておいてもよ
い)に必要により撹拌しながら前述の溶液を同時にある
いは順次添加混合して沈澱を形成することができる。
【0031】また、インジウム化合物と亜鉛化合物を溶
解した溶液に沈澱形成剤を溶解した溶液を添加してもよ
いし、またその逆であってもよい。
【0032】例えば、インジウム化合物と亜鉛化合物を
溶解した溶液と沈澱形成剤を溶解した溶液をそれぞれ調
製し、別個に溶媒を入れた容器に撹拌しながら両者の溶
液を同時に添加混合して沈澱を形成する場合について以
下詳細に説明する。
【0033】先ず、上記インジウム化合物および亜鉛化
合物を、適当な溶媒に溶解させた溶液(以下、溶液Aと
いう)を準備する。溶媒は、用いるインジウム化合物ま
たは亜鉛化合物の溶解性に応じて適宜選択すればよく、
例えば、水、アルコール、非プロトン性極性溶媒(DM
SO、NMP、スルホラン、THFなど)を用いること
ができ、生成する沈澱の溶解度が低いことから、特に炭
素数1〜5のアルコール(メタノール、エタノール、イ
ソプロパノール、メトキシエタノール、エチレングリコ
ールなど)が好ましい。溶液A中の各金属の濃度は0.
01〜10mol/リットルが好ましい。その理由は
0.01mol/リットル未満では生産性が劣り、10
mol/リットルを超えると不均一な沈澱が生成するか
らである。さらに、原料の溶解を促進するため、各種溶
媒により適宜、酸(硝酸、塩酸等)やアセチルアセトン
類、多価アルコール(エチレングリコール等)、エタノ
ールアミン類(モノエタノールアミン、ジエタノールア
ミン類)を溶液中の金属量の0.01〜10倍程度添加
してもよい。
【0034】方法Iにおいて、上記溶液Aとともに、沈
澱形成剤を溶解させた溶液(以下、溶液Bという)をも
準備する。溶液Bに溶解させる沈澱形成剤としては、ア
ルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリ
ウム、水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウム、重炭酸
アンモニウム等)、有機酸(ギ酸、しゅう酸、クエン酸
等)等が用いられるが、不純物の混入を避けるため、有
機酸(特にしゅう酸)を用いることが好ましい。 沈澱
は沈澱形成剤により水酸化物、無機酸塩、有機酸塩とな
る。
【0035】また沈澱形成剤を溶解するための溶媒及び
沈澱を形成させる容器に入れる溶媒としては、原料を溶
解するために用いる上記した溶媒を用いることができ
る。
【0036】また、各種溶液に用いる溶媒は、操作上同
じものを用いた方がよいが、異なる溶媒を用いてもよ
い。
【0037】方法Iにおいては、上述のいずれかの手段
で沈澱物を形成させるが、沈澱形成時の温度は、溶媒の
融点以上沸点以下であればよい。また、形成後に熟成を
1〜50時間行ってもよい。
【0038】方法Iによれば、上記のようにして得られ
た沈澱物を次に固液分離、乾燥する。沈澱物の固液分離
は、遠心分離、濾過等の常法により行なわれる。固液分
離後、沈澱物から陰イオンやアルカリ金属イオン等を除
去する目的で、溶液A、Bに用いた溶媒またはその他の
溶媒で濾別物を十分に洗浄することが望ましい。濾別後
の乾燥は、40〜200℃で0.1〜100時間行うの
が好ましい。低温では、乾燥に時間がかかり過ぎ、高温
では粒子の凝集が起きやすくなる。
【0039】方法Iによれば、上記固液分離、乾燥後に
焼成、粉砕、還元処理を行なう。
【0040】焼成は、用いるインジウム化合物および亜
鉛化合物にもよるが300〜1200℃で0.1〜10
0時間行なうのが好ましい。低温、短時間では、インジ
ウム又は亜鉛の酸化物前駆体の酸化物への分解が不十分
となり、また高温、長時間では粒子の凝集や成分の飛散
が起きやすくなる。
【0041】焼成後の粉砕はボールミル、ロールミル、
ジェットミル、パールミル等によって、粒子径が0.0
1〜10μmになるまで行なうのが好ましい。粉砕時間
は、通常1分〜500時間である。
【0042】還元処理は、還元性ガス(水素、CO
等)、真空、不活性ガス(窒素、アルゴン)等の雰囲気
で、温度100〜800℃で1分〜100時間行なうの
が好ましい。低温、短時間では、還元が不十分であり、
高温、長時間では粒子の凝集や成分の飛散が起きやす
い。この還元処理は、焼成工程又は粉砕工程の後に行う
ことが好ましい。
【0043】方法Iによれば、上記の諸工程を行なうこ
とにより、InとZnを主成分とし、一般式In2 3
(ZnO)m (m=2〜20)で表される六方晶層状化
合物を含む導電性を有する粉末が得られる。この導電性
粉末は本発明の導電性材料Iの一態様であり、ITO、
ATOよりも耐湿性が優れ、黒化しにくいとともにIT
O、ATOと同等の導電性を有している。この粉末の体
積固体抵抗(一般に「粉体抵抗」と表現されることもあ
る)は例えば40Ω・cm以下である。
【0044】方法Iにおいて、導電性焼結体を得る場合
には、上記導電性粉末を成形した後、焼結処理する。
【0045】成形は、導電性粉末に、必要であれば、ポ
リビニルアルコール、メチルセルロース、ワックス、ポ
リブチルアルコール等の成形助剤等を添加し、加圧成形
法、鋳込み成形法、射出成形法等により行なうのが好ま
しい。
【0046】一般に成形助剤は減圧下又は常圧下で10
0〜800℃で脱脂、除去される。
【0047】成形後の焼結は、800〜1700℃で
0.1〜100時間加熱することにより行なうのが好ま
しい。
【0048】低温、短時間では、焼結密度が不十分であ
り、高温、長時間では異常粒成長や成分の飛散が起きや
すい。特に、800〜1400℃で1〜20時間とする
のが好ましい。なお、焼結の際、加圧焼結やガス圧焼結
を行ってもよい。
【0049】このようにして得られた、InとZnを主
成分とし、一般式In2 3 (ZnO)m (m=2〜2
0)で表される六方晶層状化合物を含む導電性を有する
焼結体は本発明の導電性材料Iの一態様であり、IT
O、ATOよりも耐湿性に優れ、還元によっても黒化し
にくいとともにITO、ATOと同等の導電性を有して
いる。
【0050】次に、本発明の方法IIについて説明する。
【0051】この方法IIは前述したように、インジウム
化合物および亜鉛化合物に正三価以上の原子価を有する
元素(例えば錫化合物,アルミニウム化合物,ガリウム
化合物、アンチモン化合物、ケイ素化合物およびゲルマ
ニウム化合物)から選択される少なくとも1種を加えた
ものを原料として用いる点でのみ上記方法Iと異なり、
他は上記方法Iと同様に行うものである。
【0052】方法IIで用いる正三価以上の原子価を有す
る元素(例えば錫化合物、アルミニウム化合物、ガリウ
ム化合物、アンチモン化合物、ケイ素化合物およびゲル
マニウム化合物)は、酸化物または焼成後に酸化物にな
るもの(酸化物前駆体)であれば良い。これらの酸化物
前駆体としては、それぞれの元素(例えばSn,Al,
Ga,Ab,SiおよびGe)の硫化物、硫酸塩、硝酸
塩、ハロゲン化物(塩化物、臭化物等)、炭酸塩、有機
酸塩(酢酸塩、プロピオン酸塩、ナフテン酸塩等)、ア
ルコキシド(メトキシド、エトキシド等)、有機金属錯
体(アセチルアセトナート等)が挙げられる。
【0053】低温で完全に熱分解し、不純物が残存しな
いようにするためには、この中でも、硝酸塩、有機酸
塩、アルコキシド、有機金属錯体を用いるのが好まし
い。
【0054】方法IIにより、六方晶層状化合物に、正三
価以上の原子価を有する元素の少なくとも1種が六方晶
層状化合物を形成する全カチオン元素の合量に対して2
0原子%以下で含有されている、目的とする導電性材料
II(粉末または焼結体)を得ることができる。得られた
導電性材料IIはITO、ATOよりも耐湿性に優れ、還
元によっても黒化しにくく、かつITO、ATOと同等
の導電性を有する。
【0055】なお、方法IおよびIIで得られた粉末また
は焼結体を更に還元処理してもよい。
【0056】本発明の導電性粉末は各種の樹脂と混合す
ることにより帯電防止樹脂組成物として利用することが
できる。
【0057】使用できる樹脂としては、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリスチレン、塩化ビニール、酢酸ビ
ニール、ポリビニルアルコール、塩化ビニリデン、AB
S樹脂、ポリエステル、メタクリル酸メチル、ポリウレ
タン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネー
ト、ケイ素樹脂、フッ素樹脂などの熱可塑性樹脂;フェ
ノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹
脂、フラン樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリ
イミド樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0058】また導電性粉末は樹脂100重量部に対し
て1〜600重量部添加するのが好ましい。添加量が少
ないと導電性が不十分となり、多いと樹脂の物性を損な
うことがある。導電性粉末の分散性を改良するため、導
電性粉末の表面を表面処理剤(シラン系カップリング
剤、チタン系カップリング剤、アルミネート系カップリ
ング剤など)で処理してもよい。
【0059】またその他各種の添加剤(可塑剤、安定
剤、滑剤、無機フィラー(炭酸カルシウム、マイカ、ガ
ラス、タルクなど)、無機繊維(ガラス繊維、炭素繊維
など)、ウィスカー(チタン酸カリウム、酸化亜鉛ウィ
スカーなど)、界面活性剤などを添加してもよい。
【0060】導電性粉末と樹脂の混合方法としては、2
本ロール、3本ロール又は射出成形機を用いて加熱状態
または常温下で練り込む方法、または、樹脂を溶かした
溶液と粉末を混合する方法などの通常の手段を用いるこ
とができる。
【0061】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
先ず、実施例で得られた物質の物性の測定方法について
説明しておく。
【0062】[測定方法] (1)粒子径と組成の測定 粒子径はSEM(走査型電子顕微鏡)で、組成はXMA
(X線マイクロアナライザー)で測定した。
【0063】(2)六方晶層状化合物の定量 粉末X線回折装置を用いて、「セラミックスのキャラク
タリゼーション技術」,社団法人窯業協会発行、198
7年、44〜45頁に記載の方法により、六方晶層状化
合物の含有量を定量した。
【0064】(3)体積固体抵抗の測定 体積固体抵抗(一般に「粉体抵抗」と表現されることも
ある)は試料1gを内径10mmの樹脂の円筒に入れ、
100kg/cm2 の加圧を行い、テスターで抵抗を測
定し、下記の式により求めた。
【0065】 体積固体抵抗(Ω・cm)=[(全抵抗(Ω)×シリン
ダーの内面積(cm2 )]/試料の厚さ(cm)
【0066】実施例1 (1)In2 3 (ZnO)3 六方晶層状化合物を含む
粉末の製造 まず、硝酸インジウム70.97gと硝酸亜鉛89.2
5gとを1リットルのイオン交換水に溶解させて、イン
ジウム塩と亜鉛塩とが溶解した水溶液を調製した。ま
た、アンモニア水(濃度28%)78gを750ccの
イオン交換水に溶解させて、アルカリ性水溶液を調製し
た。
【0067】次いで、イオン交換水100ccが入った
容積5リットルの容器に、上で得られた水溶液とアルカ
リ性水溶液とを室温下で激しく攪拌しながら同時に滴下
して、両液を反応させた。このとき、反応系のpHが
9.0に保たれるように滴下速度を調節した。そして、
滴下終了後も更に1時間攪拌した。このようにして上記
水溶液とアルカリ性水溶液とを反応させることにより沈
殿物が生じ、スラリーが得られた。なお、この反応系に
おける金属(InおよびZn)濃度は0.3 mol/リッ
トルであった。
【0068】次に、得られたスラリーを十分に水洗した
後、沈殿物を濾取した。そして、濾取した沈殿物を12
0℃で一晩乾燥した後、900℃で5時間焼成した。
【0069】この後、得られた焼成物を直径2mmのア
ルミナボールとともに容積80ccのポリイミド製ポッ
トに入れ、エタノールを加えて、遊星ボールミルで2時
間粉砕した。
【0070】このようにして得られた粉末についてX線
回折測定を行ったところ、60wt%のIn2 3 (Z
nO)3 の六方晶層状化合物の生成が確認され、その組
成は実質的に均一であった。また、SEM観察の結果、
得られた粉末は平均粒子径が0.12μmで、実質的に
均一粒径であることが確認された。
【0071】また、得られた粉末の体積固体抵抗は95
0Ω・cmであった。そして、この体積固体抵抗は、4
0℃、90%RH(相対湿度)の条件での耐湿性試験1
000時間後でも1000Ω・cmと低く、得られた粉
末は耐湿性に優れていることが確認された。
【0072】(2)In2 3 (ZnO)3 六方晶層状
化合物を含む焼結体の製造 まず、上記(1)で得られた粉末を10mmφの金型に
装入し、金型プレス成型機により100kg/cm2
圧力で予備成型を行った。次に、冷間静水圧プレス成型
機により4t/cm2 の圧力で圧密化した後、1300
℃で5時間焼結して、焼結体を得た。
【0073】このようにして得られた焼結体は80wt
%のIn2 3 (ZnO)3 の六方晶層状化合物を含む
導電性材料Iであることが確認され、その組成および粒
径は実質的に均一であった。また、この焼結体の密度は
95%であった。
【0074】(3)透明導電膜の製造 上記(2)で得られた焼結体をスパッタリングターゲッ
トとして用いて、以下の要領で透明導電膜を製造した。
【0075】まず、基板(厚さ125μmのガラス板)
をマグネトロン高速スパッタ装置に装着し、真空槽内を
1×10-6torr以下まで減圧した。この後、アルゴンガ
スと酸素ガスとの混合ガスを真空圧2×10-3torrまで
導入し、ターゲット印加電圧430V、基板温度280
℃の条件でスパッタリングを行い、膜厚200nmの透
明導電膜を成膜した。
【0076】このようにして得られた透明導電膜の表面
抵抗は150Ω/□であり、可視光透過率は82%であ
った。また、40℃、90%RHの条件での耐湿性試験
1000時間後でも表面抵抗は159Ω/□と低く、得
られた透明導電膜は耐湿性に優れていることが確認され
た。
【0077】実施例2 (1)In2 3 (ZnO)5 六方晶層状化合物を含む
粉末の製造 まず、硝酸インジウム50.69gと硝酸亜鉛106.
24gとを1リットルのイオン交換水に溶解させて、イ
ンジウム塩と亜鉛塩とが溶解した水溶液を調製し、この
水溶液と実施例1(1)と同様にして調製したアルカリ
性水溶液とを実施例1(1)と同様にして反応させて、
スラリーを得た。なお、この反応系における金属(In
およびZn)濃度は0.3 mol/リットルであった。
【0078】次に、得られたスラリーを十分に水洗した
後、沈殿物を濾取した。そして、濾取した沈殿物を12
0℃で一晩乾燥した後、900℃で5時間焼成した。
【0079】この後、得られた焼成物を実施例1(1)
と同様にして粉砕して、粉末を得た。
【0080】このようにして得られた粉末についてX線
回折測定を行ったところ、60wt%のIn2 3 (Z
nO)5 の六方晶層状化合物の生成が確認され、その組
成は実質的に均一であった。また、SEM観察の結果、
得られた粉末は平均粒子径が0.20μmで、実質的に
均一粒径であることが確認された。
【0081】また、得られた粉末の体積固体抵抗は70
0Ω・cmであった。そして、この体積固体抵抗は、4
0℃、90%RHの条件での耐湿性試験1000時間後
でも730Ωcmと低く、得られた粉末は耐湿性に優れ
ていることが確認された。
【0082】(2)In2 3 (ZnO)5 六方晶層状
化合物を含む焼結体の製造 上記(1)で得られた粉末を実施例1(2)と同様にし
て予備成型および圧密化した後、1350℃で5時間焼
結して、焼結体を得た。
【0083】このようにして得られた焼結体は80wt
%のIn2 3 (ZnO)5 の六方晶層状化合物を含む
導電性材料Iであることが確認され、その組成および粒
径は実質的に均一であった。また、この焼結体の密度は
96%であった。
【0084】(3)透明導電膜の製造 上記(2)で得られた焼結体をスパッタリングターゲッ
トとして用いた以外は実施例1(3)と同様にして、膜
厚200nmの透明導電膜を成膜した。
【0085】このようにして得られた透明導電膜の表面
抵抗は110Ω/□であり、可視光透過率は84.1%
であった。また、40℃、90%RHの条件での耐湿性
試験1000時間後でも表面抵抗は118Ω/□と低
く、得られた透明導電膜は耐湿性に優れていることが確
認された。
【0086】実施例3 (1)錫を含有したIn2 3 (ZnO)5 六方晶層状
化合物を含む粉末の製造 実施例2(1)と同様にして、インジウムと亜鉛の金属
塩を溶解した水溶液を調製した後、これに更に塩化第二
錫7.2g(5原子%)を添加した。次にこの水溶液
と、実施例1(1)と同様にして調製したアルカリ性水
溶液とを実施例1(1)と同様にして反応させて、スラ
リーを得た。
【0087】次に、得られたスラリーを十分に水洗した
後、沈殿物を瀘取した。そして、瀘取した沈殿物を12
0℃で乾燥した後、900℃で5時間焼成した。ボール
とともに容積80ccのポリイミド製のポットに入れ、
エタノールを加えて遊星ボールミルで2時間粉砕した。
【0088】この後、得られた焼成物を実施例1(1)
と同様にして粉砕して、粉末を得た。
【0089】このようにして得られた粉末のX線回折測
定の結果、60wt%のIn2 3(ZnO)5 の六方
晶層状化合物が生成していることが確認された。粉末の
体積固体抵抗は、330Ω・cmであった。そして、こ
の体積固体抵抗は、40℃、90%RHの条件での耐湿
性試験1000時間後でも350Ω・cmと低く、得ら
れた粉末は耐湿性に優れていることが確認された。
【0090】(2)錫を含有したIn2 3 (ZnO)
5 六方晶層状化合物を含む焼結体の製造 上記(1)で得られた粉末を実施例1(2)と同様にし
て予備成型及び圧密化した後、1350℃で5時間焼結
して、焼結体を得た。
【0091】このようにして得られた焼結体は80wt
%のIn2 3 (ZnO)5 の六方晶層状化合物からな
る導電性材料Iであることが確認され、その組成及び粒
径は実質的に均一であった。また、この焼結体の密度は
95%であった。
【0092】(3)透明導電膜の製造 上記(2)で得られた焼結体をスパッタリングターゲッ
トとして用いた以外は、実施例1(3)と同様にして、
膜厚200nmの透明導電膜を成膜した。
【0093】このようにして得られた透明導電膜の表面
抵抗は70Ω/□であり、可視光透過率は85.0%で
あった。また、40℃、90%RHの条件での耐湿性試
験1000時間後でも表面抵抗は75Ω/□と低く、得
られた透明導電膜は耐湿性に優れていることが確認され
た。
【0094】実施例4 (1)In2 3 (ZnO)5 六方晶層状化合物を含む
粉末の製造 硝酸インジウム6水和物350.5gと硝酸亜鉛6水和
物637.5gをエタノール5.00リットルに溶解し
て溶液Aを得た。
【0095】一方、しゅう酸2水和物475.4gをエ
タノール5.00リットルに溶解して溶液Bを得た。
【0096】室温下、容器にエタノール1.00リット
ルを入れて撹拌しておき、そこへ同じ流量に制御した溶
液AとBを同時に滴下した。滴下終了後、温度を40℃
に上げて沈澱物を4時間熟成した。その後、沈澱物を濾
過し、エタノールで洗浄し、110℃で12時間乾燥し
た。さらに、700℃で4時間焼成した。ボールミルで
の粉砕(20時間)の後、粉末を真空中で300℃、4
時間還元処理したところ、淡黄色の粉末を得た。
【0097】このようにして得られた粉末のX線回折測
定を行なったところ、70wt%のIn2 3 (Zn
O)5 の生成が確認された。さらに、粉末の体積固体抵
抗を測定したところ、25Ω・cmであった。そしてこ
の体積固体抵抗は、40℃、90%RHの条件での耐湿
性試験1000時間後にも32Ω・cmであり、耐湿性
に優れていることがわかった。また、SEMとXMAの
分析によりこの粉末は平均粒径0.22μmで均一な組
成を持つことがわかった。
【0098】(2)In2 3 (ZnO)5 六方晶層状
化合物を含む焼結体の製造 (1)で得られた粉末にポリビニルアルコールを2wt
%添加し、直径150mmの金型にて100kg/cm
2 でプレス成形した。さらに、4t/cm2 で冷間静水
圧プレスにより圧密化した。
【0099】この成形体を、500℃で10分間脱脂し
た後、1200℃で4時間焼結した。このようにして得
られた焼結体において、X線回折測定により90wt%
のIn2 3 (ZnO)5 の生成が確認された。また、
この焼結体の密度は92%であり、体積抵抗は5×10
-3Ω・cmであった。
【0100】実施例5 (1)In2 3 (ZnO)3 六方晶層状化合物を含む
粉末の製造 塩化インジウム4水和物293.2gと酢酸亜鉛2水和
物351.2gをエタノール5.00リットルに溶解し
て溶液Aを得た。
【0101】一方、しゅう酸2水和物415.9gをエ
タノール5.00リットルに溶解して溶液Bを得た。
【0102】溶液Aおよび溶液Bを用いて、実施例4
(1)と同様にして淡黄色の粉末を得た。粉末のX線回
折測定を行なったところ、60wt%のIn2 3 (Z
nO)3 の生成が確認された。さらに、粉末の体積固体
抵抗を測定したところ、18Ω・cmであった。そして
この体積固体抵抗は、40℃、90%RHの条件での耐
湿性試験1000時間後にも25Ω・cmであり、耐湿
性に優れていることがわかった。また、SEMとXMA
の分析によりこの粉末は平均粒径0.15μmで均一な
組成を持つことがわかった。
【0103】(2)In2 3 (ZnO)3 六方晶層状
化合物とIn2 3 を含む焼結体の製造 上記(1)で得られた粉末を用い、実施例4(2)と同
様にして焼結体を得た。このようにして得られた焼結体
において、X線回折測定により、80wt%のIn2
3 (ZnO)3 の生成が確認された。この焼結体の密度
は93%であり、体積抵抗は2×10-3Ω・cmであっ
た。
【0104】実施例6 (1)錫を含有したIn2 3 (ZnO)5 六方晶層状
化合物を含む粉末の製造 硝酸インジウム6水和物350.5g、硝酸亜鉛6水和
物637.5gおよびナーセム錫((Sn(C4 9
2 (C5 7 2 2 )108gをメトキシエタノール
5.00リットルに溶解して溶液Aを得た。
【0105】一方、しゅう酸2水和物472.5gをエ
タノール5.00リットルに溶解して溶液Bを得た。
【0106】これらの溶液A,Bを用いて、実施例4
(1)と同様に粉末を調製した。この粉末も淡黄色であ
った。
【0107】粉末のX線回折測定を行なったところ、6
0wt%のIn2 3 (ZnO)5の生成が確認され
た。さらに、粉末の体積固体抵抗を測定したところ、1
5Ω・cmであった。そしてこの体積固体抵抗は、40
℃、90%RHの条件での耐湿性試験1000時間後に
も19Ω・cmであり、耐湿性に優れていることがわか
った。また、SEMとXMAの分析によりこの粉末は平
均粒径0.21μmで均一な組成を持つことがわかっ
た。
【0108】(2)錫を含有したIn2 3 (ZnO)
5 六方晶層状化合物を含む焼結体の製造 上記(1)で得られた粉末を用い、実施例4(2)と同
様にして焼結体を得た。このようにして得られた焼結体
において、X線回折測定により、80wt%のIn2
3 (ZnO)5 の生成が確認された。この焼結体の密度
は91%であり、体積抵抗は1×10-3Ω・cmであっ
た。
【0109】
【発明の効果】本発明によれば、ITO、ATOよりも
耐湿性に優れ、黒化しにくく、かつITO、ATOと同
等の導電性を有する導電性材料およびその製造方法が提
供された。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 InとZnを主成分とし、一般式In2
    3 (ZnO)m (m=2〜20)で表される六方晶層
    状化合物を含む粉末、またはその粉末を所定形状に成形
    して焼結した焼結体からなることを特徴とする導電性材
    料。
  2. 【請求項2】 六方晶層状化合物に、正三価以上の原子
    価を有する元素の少なくとも1種を、六方晶層状化合物
    を形成する全カチオン元素の合量に対して20原子%以
    下で含有させたものである、請求項1に記載の導電性材
    料。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の粉末または焼
    結体を還元処理してなる導電性材料。
  4. 【請求項4】 粉末の体積固体抵抗が40Ω・cm以下
    である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の導電性材
    料。
  5. 【請求項5】 インジウム化合物および亜鉛化合物を用
    い、これらの少なくとも1種を含む1種以上の溶液か
    ら、沈澱形成剤により形成される沈澱を、固液分離し、
    必要により焼成、還元処理して導電性の粉末を得ること
    を特徴とする請求項1に記載の導電性材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5で得られた粉末を所定形状に成
    形後、焼結して導電性の焼結体を得ることを特徴とする
    請求項1に記載の導電性材料の製造方法。
  7. 【請求項7】 インジウム化合物、亜鉛化合物および正
    三価以上の原子価を有する元素の少なくとも1種の化合
    物を用い、これらの少なくとも1種を含む1種以上の溶
    液から、沈澱形成剤により形成される沈澱を、固液分離
    し、必要により、焼成、還元処理して導電性の粉末を得
    ることを特徴とする請求項2に記載の導電性材料の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 請求項7で得られた粉末を所定形状に成
    形後、焼結して導電性の焼結体を得ることを特徴とする
    請求項2に記載の導電性材料の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記粉末または焼結体を更に還元処理す
    る、請求項5〜8のいずれか一項に記載の方法。
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