JPH06235595A - 加湿エレメント及びその製造方法 - Google Patents

加湿エレメント及びその製造方法

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JPH06235595A
JPH06235595A JP25071493A JP25071493A JPH06235595A JP H06235595 A JPH06235595 A JP H06235595A JP 25071493 A JP25071493 A JP 25071493A JP 25071493 A JP25071493 A JP 25071493A JP H06235595 A JPH06235595 A JP H06235595A
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humidification
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Abstract

(57)【要約】 【構成】シェル1内に透湿膜からなる加湿パイプ4を多
数束ねて収容した加湿エレメントである。加湿パイプ4
の端部は、シェル1の壁面を構成する管板2aの、加湿
パイプ貫通孔3を貫通し、外方へ突出する。管板5の外
面を覆う、接着剤からなるシール層5を設けた。シール
層5は、加湿パイプ貫通孔3の内周面と加湿パイプ4の
外周面との間の隙間S1を埋める。 【効果】管板の、加湿パイプの貫通部分を確実に封止で
き、密封性が高い。従来の、加湿パイプの端部を樹脂液
で固める場合と比較して、工程数を削減でき、製造コス
トを安くできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、シェル内に透湿膜か
らなる加湿パイプを多数収容した加湿エレメント及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シェル内に多数束ねて収容された
透湿膜からなる加湿パイプの両端部が、シェルの対向す
る壁面に保持された状態で、加湿パイプの内部が、その
両端部を通してシェルの外部に連通されるとともに、加
湿パイプの周壁面によって、シェル内部の水溜め空間と
加湿パイプ内部の通風路とが仕切られている加湿エレメ
ントが提供されている。
【0003】この種の加湿エレメントとして、その壁面
が樹脂液の固化により形成されるものがあった。このよ
うな加湿エレメントの製造方法としては、図8を参照し
て、両端の開放した加湿パイプ90〔図8(a)参照〕
の端部を絞って閉塞するピンチ工程〔図8(b)参
照〕、加湿パイプ90の端部を樹脂液91に浸漬し〔図
8(c)参照〕、樹脂液91を固化させて加湿パイプ9
1の端部を埋設した樹脂壁92を形成する樹脂壁形成工
程〔図8(d)参照〕、および加湿パイプ90の絞り部
を含む樹脂壁92の一部をカットし、加湿パイプ91の
端部の内部を開放するカット工程〔図8(e)参照〕と
を有するものが提供されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
製造方法では、ピンチ工程やカット工程が必要であるた
め、製造コストが高かった。また、カット工程時に、廃
材が発生するため、この点からも製造コストが高くなっ
ていた。さらに、カット時のカット面から糸状の剥離が
発生し、これを排除する作業が必要となって、一層製造
コストが高くなっていた。このため、製品のコストも高
くなっていた。
【0005】また、カット時の剪断抵抗に起因する樹脂
壁の変形のため、加湿パイプの外周面と樹脂壁との間に
隙間を生じ、これによりシェル内の密封性が悪くなると
いう問題もあった。そこで、この発明の目的は、製造コ
ストが安く且つ密封性に優れた加湿エレメント及びその
製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る加湿エレ
メントは、シェル内に多数束ねて収容された透湿膜から
なる加湿パイプの両端部が、シェルの対向する壁面に貫
通された状態で、加湿パイプの内部が、その両端部を通
してシェルの外部に連通されるとともに、加湿パイプの
周壁によって、加湿パイプ内部の通風路とシェル内部の
水溜め空間とが仕切られている加湿エレメントにおい
て、上記対向する壁面が、加湿パイプの外径よりも所定
量大きい内径を有する加湿パイプ貫通孔が形成された管
板により構成されており、各加湿パイプの両端部は、上
記加湿パイプ貫通孔を通して、両管板の外方へ所定量だ
け突出されており、加湿パイプ貫通孔の内周面と加湿パ
イプの外周面との間の隙間を埋めた状態で管板の外面を
覆う、所定厚みの接着剤からなるシール層が設けられて
いることを特徴とするものである。
【0007】また、請求項2に係る加湿エレメントの製
造方法は、加湿パイプの外径よりも所定量大きい内径を
有する多数の加湿パイプ貫通孔が形成された管板によっ
て、対向する壁面が構成されたシェルの、当該加湿パイ
プ貫通孔を通して、加湿パイプの両端部が、管板の外方
へ所定量だけ突出された状態で、当該突出された端部ど
うしの間を縫いながら管板の外面に沿って連続的な軌跡
を描く接着剤吐出用ノズルから、接着剤を吐出し、管板
の外面を覆う所定厚みの接着剤の層を形成する工程と、
層となった接着剤を乾燥固化させて、シール層を形成す
る工程とを含み、上記接着剤の粘度は、所定以上であっ
て、且つ上記の吐出時に加湿パイプ貫通孔の内周面と加
湿パイプの外周面との間の隙間に浸入し得るように設定
されていることを特徴とするものである。
【0008】また、請求項3に係る加湿エレメントは、
シェル内に多数束ねて収容された透湿膜からなる加湿パ
イプの両端部が、シェルの対向する壁面に貫通された状
態で、加湿パイプの内部が、その両端部を通してシェル
の外部に連通されるとともに、加湿パイプの周壁によっ
て、加湿パイプ内部の通風路とシェル内部の水溜め空間
とが仕切られている加湿エレメントにおいて、上記対向
する壁面が、加湿パイプ貫通孔が形成された管板により
構成されており、上記加湿パイプおよび管板は、熱融着
可能な樹脂からなり、各加湿パイプの両端部は、上記加
湿パイプ貫通孔に挿通されており、各加湿パイプの両端
部の外周面とこれに対向する加湿パイプ貫通孔の内周面
とは、超音波振動による摩擦により相互に熱融着されて
いることを特徴とするものである。
【0009】また、請求項4に係る加湿エレメントは、
上記請求項3記載の加湿エレメントにおいて、上記加湿
パイプの両端部は、管板の外面に沿うフランジ部を有し
ており、上記フランジ部と管板の外面とは、超音波振動
による摩擦により相互に熱融着されていることを特徴と
するものである。
【0010】
【作用】上記請求項1に係る加湿エレメントによれば、
加湿パイプ貫通孔の内周面と加湿パイプの外周面との間
の隙間を埋めた状態で、管板の外面を覆う、所定厚みの
シール層が形成されているので、壁面の加湿パイプ貫通
部分の封止が確実であり、シェル内部の水溜め空間から
水漏れすることがない。加湿パイプ貫通孔の内径を加湿
パイプの外径よりも大きくしてあるので、製造時に、加
湿パイプを加湿パイプ貫通孔に挿入しやすい。
【0011】上記請求項2に係る加湿エレメントの製造
方法によれば、加湿パイプの端部が管板の加湿パイプ貫
通孔から突出する状態に加湿パイプをセットする際、加
湿パイプ貫通孔の内径を加湿パイプの外径よりも大きく
してあるので、セットしやすい。そして、管板の外面に
おいて、接着剤吐出用ノズルに、加湿パイプの端部間を
縫う連続的な軌跡を描かせることにより、管板の外面を
覆う接着剤の層が形成されるとともに、この層状の接着
剤は、加湿パイプ貫通孔の内周面と加湿パイプの外周面
との間の隙間に浸入して当該隙間を埋めた状態となる。
次に、この層状の接着剤を乾燥固化させることにより、
上記隙間を埋めた状態で管板の外面を覆うシール層が形
成される。
【0012】上記吐出された接着剤は所定以上の粘度を
有しているので、シェル内部への垂れが防止される。な
お、このように所定以上の粘度を有する接着剤は、単に
管板上に流し込むだけでは、均一な接着剤の層を得るこ
とができないが、本発明では接着剤吐出用ノズルに連続
的な軌跡を描かせることにより、均一な接着剤の層を得
ることができる。
【0013】従来の製造方法においては、加湿パイプの
端部を絞って閉塞するピンチ工程や、加湿パイプの端部
を樹脂液に浸漬して端部を埋設した樹脂壁を形成した
後、加湿パイプの端部の内部を開放するために、加湿パ
イプの絞り部を含む樹脂壁の一部をカットするカット工
程を含んでいたが、本発明の製造方法では、従来の、ピ
ンチ工程やカット工程を不要にすることができる。これ
に伴い、従来のカット工程時に発生していた廃材を無く
すことができ、且つカット面の剥離等の虞もなくすこと
ができる。
【0014】なお、上記接着剤の粘度の設定に関して、
チキソ性(揺変性)に起因する粘度の変化を利用するこ
ともできる。上記請求項3に係る加湿エレメントによれ
ば、加湿パイプを管板の加湿パイプ貫通孔に対して、い
わゆる超音波融着させてある。超音波融着であれば、加
湿パイプの外周面と加湿パイプ貫通孔の内周面との両者
が、融着した時点で、両者間の相対振動がなくなり、こ
れより以降の摩擦熱の発生がないので、熱融着された部
分は不要な熱負荷を受けていない。したがって、不要な
熱負荷による加湿パイプの変形や焼損等がないので、加
湿パイプ貫通部分の封止が確実であり、シェル内部の水
溜め空間から水漏れすることがない。また、シール層が
ある場合と比較して、加湿エレメントを小型にできる。
【0015】上記請求項4記載に係る加湿エレメントに
よれば、加湿パイプの両端部のフランジ部が、管板の外
周面に超音波融着されるので、熱融着面積を広く確保で
き、上記封止を一層確実にでき、信頼性を向上させるこ
とができる。
【0016】
【実施例】以下実施例を示す添付図面によって詳細に説
明する。図2は、この発明の一実施例に係るる加湿エレ
メントを示す斜視図であり、図1はその要部の断面図で
ある。図2を参照して、この加湿エレメントAは、中空
容器からなるシェル1と、このシェル1の対向する壁面
を構成し、多数(例えば1500程度)の加湿パイプ貫
通孔3(図1参照)を穿設した一対の管板2a,2b
と、両端部が管板2a,2bの各加湿パイプ貫通孔3を
貫通して所定量突出された状態でシェル1に収容され
た、透湿膜からなる加湿パイプ4と、管板2a,2bの
外面を覆う、所定厚み(例えば数mm程度)の接着剤か
らなるシール層5と、給水パイプ接続用の継手7とを備
えている。多数の加湿パイプ4は、所定ピッチで横方向
に並べられて列を構成するとともに、この列が縦方向に
並べられて多段の列を構成している。隣合う列の加湿パ
イプは、横方向に半ピッチ分ずらすことにより、縦方向
に近づけて配置してある。これにより、所定面積の壁面
に加湿パイプ4を密に配設し、加湿能力の向上を図って
いる。
【0017】シェル1は、樹脂からなり、筒状体の開口
縁部に管板2a,2bを嵌め込んで形成されている。管
板2a,2bは、筒状体と別体に構成されている。な
お、何れか一方の管板を筒状体と一体に形成することも
できる。加湿パイプ4の両端面は、加湿パイプ4の内部
を外部に開放させるように、シール層5によって埋めら
れずに外部に開放している。すなわち、シール層5の厚
みとしては、加湿パイプ4の、管板2a,2b外面から
の突出量と同等以下の値に設定してある。この加湿エレ
メントでは、加湿パイプ4の周壁4aによって、加湿パ
イプ4内部の通風路とシェル1内部の水溜め空間6とが
仕切られており、使用状態では、加湿パイプ4内部に送
られた通気流を、加湿パイプ4の周壁4aを通して加湿
する。加湿パイプ貫通孔3の内径は、加湿パイプ4の外
径よりも所定量(例えば0.2mm〜0.4mm程度)
大きく設定されているとともに、加湿パイプ4の外周面
と加湿パイプ貫通孔3の内周面との間の隙間S1は、上
記シール層5の一部によって埋められている。
【0018】加湿パイプ4としては、図3に示すよう
に、帯状のテープ材Tからなり、当該テープ材Tの側縁
部T1どうしが重合された状態でらせん状に巻回されて
いるとともに、テープ材Tの重合部分4bの少なくとも
一部が接着されているもの(例えば特願平3−2151
51号に開示のもの)であれば、下記の点で好ましい。
すなわち、テープ材Tを巻いた加湿パイプ4の周壁4a
は、重合部分4bで外方に膨らみ、周壁4aの最大外径
は、重合部分4bで規定されることになる。したがっ
て、当該加湿パイプ4を密に束ねたときに、隣接するパ
イプは、重合部分4bのみで接触することになり、重合
部分4bを除く周壁4aどうしの間に、必ず所定の隙間
S2を確保することができ、これにより、加湿パイプ4
を密に配置しても所定の加湿能力を確保することができ
る。しかも、当接加湿パイプ4の両端部をシェル1に保
持する際の位置決め精度をさほど厳密に要求しなくても
良いことになり、自動化に適している。なお、テープ材
としては、例えばPTFE等からなるテープ状透湿膜の
両面に不織布を熱融着により積層したもの等を示すこと
ができる。
【0019】シール層5は、例えばエポキシ樹脂系接着
剤からなる接着剤を、加湿パイプ貫通孔3から加湿パイ
プ4の端部を突出させた状態の管板2a,2bの外面上
に充填し、これを乾燥固化することにより形成される。
上記接着剤は、管板2a,2b上への充填時に、加湿パ
イプ貫通孔3の内周面と加湿パイプ4の外周面との間の
隙間には浸入するがシェル1内部には殆ど垂れない程度
の粘性を有するものが使用される。
【0020】次に、加湿エレメントの製造方法について
工程を追って説明する。まず、上記加湿パイプ4を、上
記シェル1の管板2a,2bの加湿パイプ貫通孔3に挿
入し、加湿パイプ4の両端部が管板2a,2bの外方へ
所定量突出する状態にセットする。次に、図4に示すよ
うに、一方の管板2aを上方に向けた状態で、各加湿パ
イプ4の周囲に順次に且つ連続的に接着剤Bを吐出しな
がら管板2aの外面上に所定厚みの接着剤の層を形成す
る。このとき、接着剤Bを吐出する接着剤吐出用ノズル
Nは、一定の吐出速度で接着剤を吐出しながら、公知の
ロボット機構Rによって、予め設定された軌跡を予め設
定された速度で移動する。この軌跡としては、図5に示
すように、まず、上端縁に最も近接した加湿パイプ4の
列に沿って直線Lを描いた後、各加湿パイプ4の突出さ
れた端部の外周面に沿って略半円弧状の軌跡Cを連続的
に描く、一筆書き状のものを例示することができる。す
なわち、加湿パイプ4の端部が林立する間をうろこ状に
縫うようにして、接着剤吐出用ノズルNが移動する。
【0021】次に、所定温度の乾燥室内で、上記層状の
接着剤を乾燥固化させ、シール層5を形成する。他方の
管板2b側についても同様にしてシール層5を形成す
る。その後、給水パイプ取付用の継手7をシェル1の所
定の孔に取り付け、製造が完了する。この実施例に係る
加湿エレメントによれば、加湿パイプ貫通孔3の内周面
と加湿パイプ4の外周面との間の隙間を埋めた状態で、
管板2a,2bの外面を覆うシール層5が形成されてい
るので、管板2a,2bの、加湿パイプ4の貫通部分の
封止が確実であり、シェル1内部の水溜め空間6から水
漏れすることがない。
【0022】また、従来の加湿エレメントでは、絞り形
成した加湿パイプの端部を樹脂液で固めて、樹脂壁内に
加湿パイプの端部を埋設した後、樹脂壁の一部をカット
していたために、製造に際してピンチ工程やカット工程
が必要であったが、本実施例の加湿エレメントでは、加
湿パイプ貫通孔3付きの管板を用いるので、上記のピン
チ工程やカット工程を不要にすることができるととも
に、カット工程時に発生していた廃材を無くすことがで
き、製造コストを安くすることができる。
【0023】さらに、加湿パイプ貫通孔3の内径を加湿
パイプ4の外径よりも大きくしてあるので、製造時に、
加湿パイプ4を加湿パイプ貫通孔3に挿入しやすく、製
造しやすい。この点からも製造コストを安くすることが
できる。そして、この実施例に係る加湿エレメントの製
造方法によれば、従来の製造方法におけるピンチ工程お
よびカット工程を不要にすることができるとともに、カ
ット工程時に発生していた廃材を無くすことができ、製
造コストを安くすることができる。
【0024】また、加湿パイプ貫通孔3の内径を加湿パ
イプ4の外径よりも所定量大きくしたので、加湿パイプ
4をセットする際にセットしやすく、自動化に適してい
る。さらに、接着剤吐出用ノズルNに、上記加湿パイプ
4の端部間を縫いながら半円弧状の軌跡Cを連続的に描
かせる作業も、自動化に適しており、自動化により、一
層製造コストを安くすることができる。
【0025】加えて、シール層5を形成するための接着
剤の粘性の設定により、シール層5として、上記隙間を
埋めた部分を有するものに容易に形成することができ、
したがって、密封性の高い加湿エレメントを容易に得る
ことができる。さらに、本実施例においては、下記の作
用効果を奏する。すなわち、上記接着剤は、管板2a,
2b上への充填時に、加湿パイプ貫通孔3の内周面と加
湿パイプ4の外周面との間の隙間には浸入するがシェル
1内部には殆ど垂れない程度の粘性を有するものが使用
される。このような粘性を有する接着剤を単に管板2
a,2b上に流し込むだけでは、管板2a,2b上に均
一に拡がらないため、均一な厚みでシール性の高いシー
ル層を得ることができない。これに対して、本実施例で
は、接着剤吐出用ノズルNに連続的軌跡を描かせること
により、管板2a,2b上に均一な接着剤の層を得、こ
れにより、均一な厚みでシール性の高いシール層5を得
ることができる。
【0026】なお、上記実施例において、加湿パイプ
に、他の公知の多孔質透湿膜を使用することができる。
また、接着剤吐出用ノズルNに描かせる軌跡としては、
加湿パイプ4の端部間を重複せずに縫うことができれ
ば、他の一筆書き形状を採用しても良い。さらに、接着
剤の粘度の設定に関して、チキソ性(揺変性)に起因す
る粘度の変化を利用することもできる。すなわち、吐出
時には粘度の低い(流動性の高い)ゾル状態の接着剤に
よって、上記管板2a,2bの外面に均一な層が形成さ
れるとともに、隙間に流れ込んだ接着剤はゲル化により
粘度が高くなって(流動性が低くなって)、シェル1内
部への垂れ等が防止されるわけである。
【0027】図6はこの発明の他の実施例を示してい
る。同図を参照して、この実施例の特徴とするところ
は、下記の〜である。 加湿パイプ4は、外周面が熱融着可能な樹脂により
構成されたものからなり、例えば、図1の実施例と同様
の、PTFE等からなる透湿膜の両面にポリプロピレン
等の不織布を熱融着により積層したものを示すことがで
きる。 管板2a(2b)も熱融着可能な樹脂、例えばAB
S樹脂からなる。 加湿パイプ4の両端部の外周面とこれに対向する加
湿パイプ貫通孔3の内周面とは、超音波振動による摩擦
により相互に熱融着され、これにより、両者間の隙間が
封止されている。 加湿パイプ4の両端部に、管板2a(2b)の外面
に沿うフランジ部FRを設け、このフランジ部FRと管
板2a(2b)の外面とは、と同様にして、超音波振
動による摩擦により相互に熱融着されている。
【0028】上記加湿パイプ4を超音波により熱融着す
るには、公知の超音波溶着機を用いることができる。す
なわち、図7に示すように、共鳴体としての段付きホー
ンHNを、加湿パイプ貫通孔3に挿通し支持した状態の
加湿パイプ4の内周に挿入し、このホーンを超音波領域
(20KHz 以上)で振動させる。これにより、加湿パイ
プ4の外周面と加湿パイプ貫通孔3の内周面とが、摩擦
熱により熱融着されるとともに、フランジ部FRと管板
2a,2bの外面とが摩擦熱によって熱融着される。
【0029】この実施例によれば、いわゆる超音波融着
によって、加湿パイプ4を加湿パイプ貫通孔3に固着さ
れているので、密封性が高い。すなわち、超音波融着で
あれば、上記の加湿パイプ4と管板2a(2b)とが融
着した時点で、両者の相対振動が止まり、これより以降
の摩擦熱の発生がない結果、熱融着された部分は不要な
熱負荷を受けていない。したがって、不要な熱負荷によ
る加湿パイプ4の変形や焼損等がないので、加湿パイプ
貫通部分の封止が確実となり、シェル1内部の水溜め空
間から水漏れすることがない。特に、フランジ部FRも
熱融着することにより、熱融着面積を広く確保でき、密
封性を一層確実にして信頼性を向上させることができ
る。また、シール層がある場合と比較して、加湿エレメ
ントを小型にできる。
【0030】上記のフランジ部FRは、予め加湿パイプ
4に形成することもできるし、段付きホーンの段付き部
をテーパ状にし、このテーパ状の部分で加湿パイプ4の
端部拡径させながら、熱融着と同時に形成することもで
きる。なお、フランジ部FRを設けない構成とすること
もできる。本発明は、上記各実施例に限定されるもので
はなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の設計変
更を施すことができる。
【0031】
【発明の効果】請求項1に係る加湿エレメントによれ
ば、加湿パイプ貫通孔の内周面と加湿パイプの外周面と
の間の隙間を埋めた状態で、管板の外面を覆うシール層
が形成されているので、加湿パイプの両端部の周囲の封
止が確実であり、シェル内部の水溜め空間から水漏れす
ることがない。また、従来の加湿エレメントでは、加湿
パイプの絞り端部を埋設した後カット成形された樹脂壁
により、壁面を構成していたので、製造に際してピンチ
工程やカット工程が必要であったが、本発明ではこれら
の工程を不要にでき、製造コストを安くすることができ
る。さらに、加湿パイプ貫通孔の内径を加湿パイプの外
径よりも大きくしてあるので、製造時に、加湿パイプを
加湿パイプ貫通孔に挿入しやすく、製造しやすい。
【0032】請求項2に係る加湿エレメントの製造方法
によれば、従来の製造方法におけるピンチ工程およびカ
ット工程を不要にすることができるとともに、カット工
程時に発生していた廃材を無くすことができ、製造コス
トを安くすることができる。また、加湿パイプ貫通孔の
内径を加湿パイプの外径よりも所定量大きくしたので、
加湿パイプを予めセットする際にセットしやすく、自動
化に適している。さらに、接着剤吐出用ノズルに、加湿
パイプの端部間を縫う連続的な軌跡を描かせる作業も、
自動化に適しており、自動化により、一層製造コストを
安くすることができる。
【0033】さらに、上記接着剤吐出用ノズルにより吐
出された接着剤は所定以上の粘度を有しているので、シ
ェル内部への垂れを防止できる。一方、このように所定
以上の粘度を有する接着剤は、単に管板上に流し込むだ
けでは、均一な接着剤の層を得ることができないが、本
発明では接着剤吐出用ノズルに連続的な軌跡を描かせる
ことにより、均一な接着剤の層を得ることができ、その
結果、密封性の高い加湿エレメントを得ることができ
る。
【0034】請求項3に係る加湿エレメントによれば、
加湿パイプを管板の加湿パイプ貫通孔に対して、いわゆ
る超音波融着させてある。超音波融着であれば、加湿パ
イプの外周面と加湿パイプ貫通孔の内周面との両者が、
融着した時点で、両者間の相対振動がなくなり、これよ
り以降の摩擦熱の発生がないので、熱融着された部分は
不要な熱負荷を受けていない。したがって、不要な熱負
荷による加湿パイプの変形や焼損等がないので、加湿パ
イプ貫通部分の封止が確実であり、シェル内部の水溜め
空間から水漏れすることがない。また、シール層がある
場合と比較して、加湿エレメントを小型にできる。
【0035】請求項4記載に係る加湿エレメントによれ
ば、加湿パイプの両端部のフランジ部が、管板の外周面
に超音波融着されるので、熱融着面積を広く確保でき、
上記封止を一層確実にでき、信頼性を向上させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る加湿エレメントの要部
の断面図である。
【図2】加湿エレメントの全体を示す斜視図である。
【図3】加湿パイプの製造方法を説明する概略図であ
る。
【図4】シェルの表面に接着剤の層を形成する工程を示
す概略図である。
【図5】接着剤吐出用ノズルの描く軌跡を示す概略図で
ある。
【図6】本発明の他の実施例に係る加湿エレメントの要
部の断面図である。
【図7】その製造時の状態を示す概略断面図である。
【図8】従来の加湿エレメントの製造工程を順次に示す
概略図である。
【符号の説明】
A 加湿エレメント 1 シェル 2a,2b 管板 3 加湿パイプ貫通孔 4 加湿パイプ 5 シール層 FR フランジ部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シェル(1)内に多数束ねて収容された透
    湿膜からなる加湿パイプ(4)の両端部が、シェル
    (1)の対向する壁面に貫通された状態で、加湿パイプ
    (4)の内部が、その両端部を通してシェル(1)の外
    部に連通されるとともに、加湿パイプ(4)の周壁(4
    a)によって、加湿パイプ(4)内部の通風路とシェル
    (1)内部の水溜め空間(6)とが仕切られている加湿
    エレメントにおいて、 上記対向する壁面が、加湿パイプ(4)の外径よりも所
    定量大きい内径を有する加湿パイプ貫通孔(3)が形成
    された管板(2a,2b)により構成されており、 各加湿パイプ(4)の両端部は、上記加湿パイプ貫通孔
    (3)を通して、両管板(2a,2b)の外方へ所定量
    だけ突出されており、 加湿パイプ貫通孔(3)の内周面と加湿パイプ(4)の
    外周面との間の隙間(S1)を埋めた状態で管板(2
    a,2b)の外面を覆う、所定厚みの、接着剤からなる
    シール層(5)が設けられていることを特徴とする加湿
    エレメント。
  2. 【請求項2】加湿パイプ(4)の外径よりも所定量大き
    い内径を有する多数の加湿パイプ貫通孔(3)が形成さ
    れた管板(2a,2b)によって、対向する壁面が構成
    されたシェル(1)の、当該加湿パイプ貫通孔(3)を
    通して、加湿パイプ(4)の両端部が、管板(2a,2
    b)の外方へ所定量だけ突出された状態で、 当該突出された端部どうしの間を縫いながら管板(2
    a,2b)の外面に沿って連続的な軌跡を描く接着剤吐
    出用ノズルから、接着剤を吐出し、管板(2a,2b)
    の外面を覆う所定厚みの接着剤の層を形成する工程と、 層となった接着剤を乾燥固化させて、シール層(5)を
    形成する工程とを含み、 上記接着剤の粘度は、所定以上であって、且つ上記の吐
    出時に加湿パイプ貫通孔(3)の内周面と加湿パイプ
    (4)の外周面との間の隙間に浸入し得るように設定さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の加湿エレメン
    トの製造方法。
  3. 【請求項3】シェル(1)内に多数束ねて収容された透
    湿膜からなる加湿パイプ(4)の両端部が、シェル
    (1)の対向する壁面に貫通された状態で、加湿パイプ
    (4)の内部が、その両端部を通してシェル(1)の外
    部に連通されるとともに、加湿パイプ(4)の周壁(4
    a)によって、加湿パイプ(4)内部の通風路とシェル
    (1)内部の水溜め空間とが仕切られている加湿エレメ
    ントにおいて、 上記対向する壁面が、加湿パイプ貫通孔(3)が形成さ
    れた管板(2a,2b)により構成されており、 上記加湿パイプ(4)および管板(2a,2b)は、熱
    融着可能な樹脂からなり、 各加湿パイプ(4)の両端部は、上記加湿パイプ貫通孔
    (3)に挿通されており、 各加湿パイプ(4)の両端部の外周面とこれに対向する
    加湿パイプ貫通孔(3)の内周面とは、超音波振動によ
    る摩擦により相互に熱融着されていることを特徴とする
    加湿エレメント。
  4. 【請求項4】上記請求項3記載の加湿エレメントにおい
    て、 上記加湿パイプ(4)の両端部は、管板(2a,2b)
    の外面に沿うフランジ部(FR)を有しており、 上記フランジ部(FR)と管板(2a,2b)の外面と
    は、超音波振動による摩擦により相互に熱融着されてい
    ることを特徴とする加湿エレメント。
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