JPH062351Y2 - フィルタ切り換え装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はフィルタ切り換え装置に係り、特に、無線通信
機とアンテナとの間に介挿されるフィルタ用の切り換え
装置に関する。

（従来の技術） 従来より、無線通信機とアンテナとの間にフィルタを介
挿させることによって選択度を向上させる手法が利用さ
れており、特に、帯域が３KHz〜数１０KHz程度のクリス
タルフイルタ（ＢＰＦ）を用いたトップフィルタ（通信
機のアンテナ入力側のトップ、すなわち最もアンテナに
近いところに挿入されるフィルタ）を応用したものは、
選択度は勿論、２信号特性やスプリアス特性をも大巾に
向上させることができるという特長がある。この種トッ
プフィルタは極めて狭帯域であり、また、高価であるた
め一般には使用者が希望する１波乃至数波の周波数に対
応させた個数だけ装着することとなるが、従来において
はその切り換えは、第１図に示すように、トップフィル
タＦ10，Ｆ11，及び直結線路Ｔを受信周波数に合わせて
スイッチＳ11，Ｓ12で手動切り換えするようにしてい
た。

しかるに、上記した手動切り換え方式では、フィルタを
切り換えるべき周波数帯域が極めて狭いというトップフ
ィルタの特性上、その切り換えが煩雑となり、特に掃引
受信により信号を探索する場合等では実用に堪えないも
のであった。

（考案の目的） 本考案は上記した点に鑑みてなされたものであり、その
目的は受信周波数がトップフィルタの通過帯域内に入っ
た場合には自動的にトップフィルタ側に切換わり、高Ｒ
Ｆ選択度の受信が可能となるようにしたフィルタ切り換
え装置を提供することにある。

（考案の構成） 本考案に係るフィルタ切り換え装置は、受信機のアンテ
ナ入力部に設けられるフィルタの切り換え装置であっ
て、アンテナと受信機のアンテナ入力回路との間に設け
られると共に所定の受信周波数を通過帯域とするフィル
タと、前記フィルタの代わりに受信信号を通過させる直
結線路と、前記フィルタの通過帯域の上限周波数及び下
限周波数を記憶させる記憶手段と、選局操作によって任
意に設定した受信周波数が前記上限周波数及び下限周波
数より通過帯域内であるか否かを判別する判別手段と、
前記フィルタ又は前記直結線路を切り換える切り換え手
段とを備え、前記受信周波数が前記通過帯域内であると
き前記判別手段からの信号に応答してフィルタ側に切り
換えるように構成されている。

（実施例） 本考案に係るフィルタ切り換え装置の実施例を第２図及
び第３図に基づいて説明する。

図中、１は本考案に係るフィルタ切り換え装置全体、２
は無線送受信機、ＡＮＴはアンテナである。３はフィル
タＦ１，Ｆ２・・・・の通過帯域特性、特に通過周波数
を記憶させるための記憶手段であって、バックアップ型
ＲＡＭが用いられている。４はテンキーやエンコーダー
等の送受信周波数設定手段５によって任意に設定される
周波数と上記記憶手段３に記憶されたフィルタデータと
を比較して一致するか否かを判別するための判別手段で
あって、実施例ではマイクロコンピューターが用いられ
ている。６は切り換え手段であって、上記判別手段から
の信号に応じて作動し、フィルタを通信線路に介挿した
り通信線路を直結線路Ｔで直結するよう選択的に切り換
えることができるようになっている。Ｒ１，Ｒ２・・・
・・は上記切り換え手段６によって駆動されるリレー群
であって、アンテナＡＮＴと無線送受信機２との間にフ
ィルタＦ１，Ｆ２・・・・・を介挿したり、或いは直結
状態にすることができるように配置されている。なお７
は設定周波数や、どのフィルタが接続されているか等を
表示する表示部であって、判別手段４からの信号によっ
て作動するようになっている。また、第３図は第２図の
無線送受信機２の詳細に示したもので、図中、ＡＦは周
波数バンド分割用Ｌ，Ｃフィルタである。なお０１は第
１局発、８はＢＦＯ，Ｍ１は第１ミクサ、Ｍ２は第２ミ
クサ、Ｏ２は第２局発、ＩＦはＩＦフィルタ、ＩＡはＩ
Ｆアンプ、Ｄは検波段である。Ｏ１の第１局発及び８の
ＢＦＯに供給される信号はＰＬＬ分周データである。

上記した構成とすることにより、送受信周波数とフィル
タの同調周波数とが一致すると、そのフィルタに自動的
に切り換えることができるのは勿論、該当するフィルタ
が挿着されていない場合には通信線路を直結させること
ができるから通信には何等の支障も与えない。またフィ
ルタを他のものと交換した場合においても記憶手段にそ
の通過帯域特性を記憶させるだけで所定の切り換え動作
を行なわせることができる。

なお、上記したフィルタＦ１，Ｆ２・・・・としてはＢ
ＰＦを使用することができるのは勿論、ＢＥＦ（帯域消
去フィルタ）やトラップフィルタを使用することもでき
る。後者のフィルタを使用した場合にはスタート周波数
（フィルタリングを開始すべき周波数）とストップ周波
数（フィルタリングを終了すべき周波数）とを前者のフ
ィルタを利用する場合とは逆の切り換え動作となるよう
設定することにより、中波帯又はＢＣバンド等に常時存
在する近接妨害信号を除去することができる。

（考案の効果） 本考案に係るフィルタ切り換え装置はアンテナと受信機
の入力同調回路との間に設けられたフィルタの切り換え
装置であり、受信機の高周波増幅回路は周波数変換回路
よりも前段に設けるものであるから、目的とする受信信
号以外の信号、特に、強力な近接周波数の信号による混
変調等の改善に効果があり、また、チューニングした際
に受信周波数が上記の挿入フィルタの帯域内に入れば自
動的に挿入フィルタ側に切り換わり、高ＲＦ選択度の受
信が可能となるから、面倒な切り換え操作等は不要とな
る。さらに、掃引受信により信号を探索したりする場合
等においてきわめて効果がある。

しかも高周波フィルタに関するデータは記憶手段中に記
憶させることができ、フィルタを他のものに交換した
り、フィルタを増設した場合においてもそのデータを再
入力するだけで直ちに所定の切り換え動作を行わせるこ
とができる等、特にアマチュア無線機におけるＨＦトラ
ンシーバー用フィルタ切り換え装置として最適である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のフィルタ切り換え装置を示す回路図、第
２図は本考案に係るフィルタ切り換え装置を示すブロッ
ク図、第３図は第２図の無線送受信機を詳細に示したブ
ロック図である。 １：フィルタ切り換え装置全体、２：無線送受信機 ３：記憶手段、４：判別手段、６：切り換え手段

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】受信機のアンテナ入力部に設けられるフィ
   ルタの切り換え装置であって、アンテナと受信機のアン
   テナ入力回路との間に設けられると共に所定の受信周波
   数を通過帯域とするフィルタと、前記フィルタの代わり
   に受信信号を通過させる直結線路と、前記フィルタの通
   過帯域の上限周波数及び下限周波数を記憶させる記憶手
   段と、選局操作によって任意に設定した受信周波数が前
   記上限周波数及び下限周波数より通過帯域内であるか否
   かを判別する判別手段と、前記フィルタ又は前記直結線
   路を切り換える切り換え手段とを備え、前記受信周波数
   が前記通過帯域内であるとき前記判別手段からの信号に
   応答してフィルタ側に切り換えるように構成されている
   ことを特徴とするフィルタ切り換え装置。