JPH06234917A - 高誘電性樹脂組成物、並びにそれを用いたマルチチップモジュール、圧力センサー、感湿センサー、コンデンサー、光フィルター、光導波路およびプラズマディスプレイ - Google Patents

高誘電性樹脂組成物、並びにそれを用いたマルチチップモジュール、圧力センサー、感湿センサー、コンデンサー、光フィルター、光導波路およびプラズマディスプレイ

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JPH06234917A
JPH06234917A JP28107293A JP28107293A JPH06234917A JP H06234917 A JPH06234917 A JP H06234917A JP 28107293 A JP28107293 A JP 28107293A JP 28107293 A JP28107293 A JP 28107293A JP H06234917 A JPH06234917 A JP H06234917A
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JP
Japan
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film
resin composition
high dielectric
represented
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JP28107293A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Toyoshima
利之 豊島
Takamitsu Fujimoto
隆光 藤本
Fumiaki Baba
文明 馬場
Torahiko Ando
虎彦 安藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 硬化物が耐熱性に優れ密着性が良好で、誘電
率が向上した高誘電性樹脂組成物を得ることができ、例
えば成膜材料とした時に、スピンコート、スプレーコー
ト、ディップコート、スクリーン印刷などの方法が適用
できる。 【構成】 化学式 【化1】 で表されるポリアミド酸を含むポリアミド酸ワニス中
に、硬化後の膜中のチタン酸バリウムの含有率が20体
積%となるようにテトライソプロポキシチタネート、ジ
ピバロイルメタンバリウムを添加し、高誘電性樹脂組成
物であるポリアミド酸/チタン酸バリウム溶液を得た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性に優れているだ
けでなく、成形加工性、高温機械特性にも優れた熱硬化
性の高誘電性樹脂組成物に関する。
【0002】本発明はまた、上記高誘電性樹脂組成物の
硬化膜を用いたマルチチップモジュール(MCM)、圧
力センサー、感湿センサー、コンデンサー、光フィルタ
ー、光導波路およびプラズマディスプレイ(PALC)
に関する。
【0003】
【従来の技術】容量絶縁膜や圧力センサーなどの用途に
用いられる高誘電性材料としては、さまざまな材料が検
討されてきている。従来、セラミックス、高分子材料お
よびセラミックスと高分子材料の複合材が開発されてき
ており、半導体用の容量絶縁膜、超音波トランスデュー
サの素子あるいはせん断応力検出用素子など各種の圧力
センサーの素子などの幅広い分野にわたって応用されて
いる。
【0004】このような用途に適用されるセラミックス
系膜材料として代表的なものには、チタン酸ジルコン酸
鉛(以下PZTと略記する)の焼結体があり比誘電率は
ε=1200程度、圧電縦効果に関する定数d33は12
0pC/N前後である。
【0005】つぎに、高分子系膜材料として代表的なも
のとしては、ポリフッ化ビニリデン(以下PVDFと略
記する)があり、その比誘電率はε=13程度、一軸延
伸したフィルムではd33は20pC/N前後である。
【0006】セラミックスと高分子の複合圧電膜材料と
して代表的なものとしては、PVDFにPZT粉末を8
0重量%程度配合したものがあり、その比誘電率はε=
150程度、d33は50pC/N前後である。
【0007】しかしながら、現在までに検討されてきて
いるこれらの材料は、以下の諸問題があるため適用範囲
が限定されている。
【0008】セラミックス系材料、例えばPZT焼結体
の場合には、耐熱性が高く圧電特性も良好であるが、1
000℃以上もの焼結温度が必要であり、固相反応であ
るため基材上への成膜は困難である。またその焼結体は
脆弱であり、取扱いにも注意が必要であり、これを用い
た圧電素子の製造は難しく、製造された圧電素子は、耐
衝撃性に弱い素子になる。
【0009】MCM、DRAMなどの容量絶縁膜等とし
て用いられる場合は、主にこのセラミックス系の材料が
適用されており、成膜方法はスパッタ法{サーキット
アンド デバイス(IEEE Circuit And
Devices.,Jan,P17,1990)}や
CVD{Chemical Vapor Deposi
tion(Japan Journal Of App
lied Physics.,Vol21,L655,
1982)}法などが用いられている。しかしながら、
これらの成膜方法は装置が大変高価となり製造コストが
高く、バッチ処理になることから量産性も低いといった
問題点がある。また、CVD等を用いて形成した場合に
は、膜の平坦性が悪いため、多層化構造を形成すること
が難しく、コストが高い、量産性に劣るといった問題が
ある。
【0010】高分子系材料であるPVDFを用いる場合
には、膜形成が容易であり柔軟なフィルムとなるが、比
誘電率、圧電定数がPZT焼結体などよりかなり低く、
フッ素を含んだ樹脂であることから基材との密着性がよ
くなく、デバイスを製造する上で問題がある。
【0011】また、PVDFはTg(ガラス転移温度)
が−40℃、融点が153℃であることから、圧電素子
としての耐熱性も100℃程度と低いという問題があ
る。
【0012】複合材料系であるPVFD+PZTの場合
には、比誘電率、圧電特性、柔軟性などの点は改善され
たものとなるが、PZTの混合が機械的な混練であるた
めに、PZT粉末が凝集して期待どうりの特性がでなか
ったり、高充填が難しいといった材料製造上の問題があ
る。また圧電材料としてもPVDFをマトリックスとし
ていることから耐熱性が低い、基材との密着性の低い、
膜が脆弱であるといった問題がある。
【0013】そのためこれまで複合系の高誘電性膜材料
としては、耐熱性の向上を目的として、マトリックス樹
脂にエポキシ樹脂を用い、これにPZTの粉末を混練し
たもの{富山県工業技術センター研究報告、NO.2、
p82〜88(1987)}が検討されているが、この
系においても材料の耐熱性は用いるエポキシ樹脂の耐熱
性に等しく、150℃程度にとどまる。またPZT粉末
の混合は機械的混練によるものであることから、均一分
散が難しいといった問題は残る。
【0014】ところで、MCM等の容量絶縁膜に用いら
れる高誘電膜は、一般的にはセラミック系の材料を化学
気相法(CVD)を用いて形成する。しかしながらCV
Dでは、大面積にピンホールレスの膜を均一に形成する
ことが非常に難しく、量産性にも劣る。また成膜される
基材におうとつがある場合、CVDでの膜形成では、成
膜後もそのおうとつは忠実に再現されてしまうことか
ら、多層構造とする場合に段差部分で断線が生じたり、
上下の配線間の位置合わせ精度が低下する問題がある。
【0015】以上の問題点を解決するために、ゾル・ゲ
ル法を用いた高誘電膜の製造法が盛んに検討されてい
る。ゾル・ゲル法により高誘電膜を形成する場合、基材
への塗布方法は、スピンコート、ディップコートなどに
より行われ、大面積に均一な膜を容易に形成できる。し
かしながら、この方法では、高誘電膜の原料であるゾル
・ゲル溶液を塗布後、乾燥、硬化工程において、大きな
膜収縮が発生するため、硬化膜にクラックが発生する問
題が残る。
【0016】また、シリコンアルコキシド、チタンアル
コキシドとポリアミド酸化合物をゾル・ゲル法により混
合する試みも報告されており{刊行物(ケミストリーマ
テリアル:Chemistry Material,
3,201,1991)}、混合物を加熱硬化すること
により、SiO2、TiO2を含有したポリイミド複合膜
が得られている。報告例では、複合膜の誘電特性の評価
は全く行われていないが、当方の検討では、SiO2
含有した複合膜では、その誘電率は4.0程度と低く、
高誘電膜として電子デバイスなどへの適用は困難であ
る。TiO2を含有した複合膜についても、得られた膜
が非常に脆弱なものであり、TiO2の含有率も14重
量%と非常に低い複合膜しか得られていない。そのた
め、誘電率は4.0程度と低く、高誘電膜としての適用
は困難である。TiO2複合膜が脆弱である理由として
は、混合しているテトラメトキシチタンとポリアミド酸
の相溶性が低いため、両者が均一に混じり合わないため
と考えられる。TiO2含有率が低い理由は、用いられ
ているテトラメトキシチタンとポリアミド酸の相溶性が
低いことと、アルコキシドの加水分解性が非常に早いた
め、これらを混合するプロセスにおいてワニスのゲル化
が進行してしまうことによる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の高誘
電性膜材料は、セラミック系膜材料においては、高い耐
熱性をもつものの、その膜の成形・加工性が悪くまた脆
弱であるといった問題があり、高分子系膜材料では、成
形・加工性は良好であるが、基材との密着性が低い、耐
熱性が低いといったことから適用される範囲が限定され
ている。複合系についても耐熱性の向上はみられるもの
の150℃程度にとどまっており、機械的な混練により
製造することから充填材の凝集が発生する、あるいは高
充填が難しいといった問題が残っている。
【0018】高誘電率膜の成膜方法からは、従来から用
いられているスパッタ法、CVD法では、高価で複雑な
装置が必要になるため、プロセスが複雑となりコストも
高く、平坦性が悪い、ピンホールのない膜形成が非常に
難しい、硬化膜にクラックが発生するなどの問題があ
る。
【0019】本発明者らは、かかる課題を解決するため
になされたもので、その硬化物が耐熱性および誘電率が
高く、密着性、成形加工性および高温機械特性にも優れ
た高誘電性樹脂組成物を得ることを目的とするものであ
る。
【0020】また、本発明は、信頼性の向上したマルチ
チップモジュール(MCM)、圧力センサー、感湿セン
サー、コンデンサー、光フィルター、光導波路ズマディ
スプレイ(PALC)を得ることを目的とするものであ
る。
【0021】
【課題を解決するための手段】請求項1の高誘電性樹脂
組成物は、一般式(I)で表されるポリアミド酸、一般
式(II)で表わされ分子鎖中にアルコキシル基を有す
るポリアミド酸、一般式(III)で表わされ分子鎖末
端に、アルコキシル基を有するポリアミド酸、一般式
(IV)で表わされ溶媒に可溶な可溶性ポリイミド、一
般式(V)で表わされ分子鎖中にアルコキシル基を有
し、溶媒に可溶な可溶性ポリイミド、および一般式(V
I)で表され分子鎖末端にアルコキシル基を有し、溶媒
に可溶な可溶性ポリイミドからなるマトリックス樹脂の
群の少なくとも1種と、一般式(VII)で表される化
合物、一般式(VIII)で表される硝酸化合物、およ
び一般式(IX)で表されるジピバロイルメタン化合物
からなる金属化合物の群の少なくとも1種とからなるも
のである。
【0022】請求項2の高誘電性樹脂組成物は、一般式
(I)で表わされるポリアミド酸、一般式(II)で表
わされ分子鎖中にアルコキシル基を有するポリアミド
酸、一般式(III)で表わされ分子鎖末端に、アルコ
キシル基を有するポリアミド酸、一般式(IV)で表わ
され溶媒に可溶な可溶性ポリイミド、一般式(V)で表
わされ、分子鎖中にアルコキシル基を有し、溶媒に可溶
な可溶性ポリイミド、および一般式(VI)で表され分
子鎖末端にアルコキシル基を有し、溶媒に可溶な可溶性
ポリイミドからなるマトリックス樹脂の群の少なくとも
1種と、一般式(VII)で表される化合物、一般式
(VIII)で表される硝酸化合物、および一般式(I
X)で表されるジピバロイルメタン化合物からなる金属
化合物の群の少なくとも1種と、一般式(X)で表され
るアミン化合物、一般式(XI)で表される酢酸化合
物、一般式(XII)で表されるアセトン化合物、一般
式(XIII)で表わされる分子鎖末端に、アルコキシ
ル基を有するアミド酸、および一般式(XIV)で表さ
れる分子鎖末端にアルコキシル基を有するイミドからな
る安定剤の群の少なくとも一種とからなるものである。
【0023】請求項3の高誘電性樹脂組成物は、請求項
第2項における安定剤が金属化合物に対して、モル比で
0.1〜5のものである。
【0024】請求項4の高誘電性樹脂組成物は、請求項
第1項ないし請求項第3項のいずれかに記載の金属化合
物が、マトリックス樹脂および金属化合物の合計に対し
て、10〜70体積%のものである。
【0025】請求項5のマルチチップモジュール(MC
M)は、絶縁膜容量絶縁膜に、請求項第1項ないし請求
項第4項のいずれかに記載の高誘電性樹脂組成物の硬化
物を用いたものである。
【0026】請求項6の圧力センサーは、歪ゲージに、
請求項第1項ないし請求項第4項のいずれかに記載の高
誘電性樹脂組成物の硬化物を用いたものである。
【0027】請求項7の感湿センサーは、感湿膜に請求
項第1項ないし請求項第4項のいずれかに記載の高誘電
性樹脂組成物の硬化物を用いたものである。
【0028】請求項8のコンデンサーは、誘電体膜に請
求項第1項ないし請求項第4項のいずれかに記載の高誘
電性樹脂組成物の硬化物を用いたものである。
【0029】請求項9の光フィルターは、干渉膜に請求
項第1項ないし請求項第4項のいずれかに記載の高誘電
性樹脂組成物の硬化物を用いたものである。
【0030】請求項10の光導波路は、クラッド層に請
求項第1項ないし請求項第4項のいずれかに記載の高誘
電性樹脂組成物の硬化物を用いたものである。
【0031】請求項11のプラズマディスプレイ(PA
LC)は、請求項第1項ないし請求項第4項のいずれか
に記載の高誘電性樹脂組成物の硬化物を用いたものであ
る。
【0032】
【作用】請求項1の発明では、上記耐熱性の高いポリア
ミド酸化合物および可溶性ポリイミド化合物の少なくと
も一種と、上記高誘電性金属化合物群の少なくとも1種
とから成っているので、上記金属化合物の充填材をマト
リックス中に均一にしかも高充填することができ、その
硬化物が密着性と耐熱性に優れ誘電率が向上した高誘電
性樹脂組成物を得ることができる。また本発明の高誘電
率膜の成膜方法は、上記高誘電性樹脂組成物をスピンコ
ート、スプレーコート、ディップコート、スクリーン印
刷などの方法で塗布し、乾燥後、硬化させる方法を用い
ることができるので、従来の成膜が高真空環境を必要と
するCVD法などの複雑な方法により行われていたのに
較べて、大幅なコストダウンを実現した。
【0033】請求項2の発明では、請求項1の発明にさ
らに上記安定剤を混合することにより、マトリックスと
充填材の相溶性が向上し、マトリックス中に充填材がさ
らに均一に高充填されるので、その硬化物がより高誘電
率で、耐熱性と密着性に優れた高誘電性樹脂組成物を得
ることができる。
【0034】請求項3の発明では、請求項2における安
定剤が金属化合物に対して、モル比で0.1〜5である
ので、高充填量で機械強度にも優れた高誘電性樹脂組成
物を得ることができる。
【0035】請求項4の発明では、請求項1ないし請求
項3のいずれかにおいて、金属化合物が、マトリックス
樹脂および金属酸化物の合計に対して、10〜70体積
%であるので、誘電率が5以上の高誘電率で、しかもそ
の硬化物が機械強度に優れた高誘電性樹脂組成物を得る
ことができ、また上記範囲で金属化合物の量を変化する
ことにより容易に誘電率を任意値にすることが可能であ
る。
【0036】請求項5の発明では、容量絶縁膜として上
記高誘電性樹脂組成物を用いているので、信頼性の高い
MCMを得ることができる。
【0037】請求項6の発明では、歪ゲージとして上記
高誘電性樹脂組成物の硬化物を用いているので、耐熱性
に優れた圧力センサーを製作することができる。
【0038】従来の感湿センサーが、容量型、抵抗型の
2方式に分類されており、それぞれに長所・短所が存在
し、対応する分野が限られているのに対して、請求項7
の発明では、感湿膜として、上記高誘電性樹脂組成物の
硬化物を用いているので、容量・抵抗併用型の感湿セン
サーが容易に製造でき、広範囲の湿度条件に対応する感
湿センサーを得ることができる。
【0039】請求項8の発明では、誘電体膜とて上記高
誘電性樹脂組成物の硬化物を用いているので、耐衝撃性
に優れ、高密度実装可能なコンデンサーを得ることがで
きる。
【0040】また、光通信に用いられる光ファイバー、
光導波路などに用いられている光フィルターは、従来5
0μm程度の薄いガラス板上にSiO2、TiO2膜をC
VDなどにより蒸着して作製されてる。そのため、大変
高価でしかも壊れ易い欠点を持っているが、請求項9お
よび10の発明では、上記高誘電性樹脂組成物の硬化物
のフィルムを光フィルターとすることにより、低価格で
しかも壊れにくい光フィルターを製造することができ
る。さらに、光導波路には、光の通るコアの外壁をコア
材に用いられている材料と異なる屈折率を持つクラッド
材料によって被覆しているが、このクラッド材が従来、
SiO2、TiO2膜をCVDなどにより形成していたた
め、生産性が低く、大変高価なものとなっていた。しか
しながら、上記高誘電性樹脂組成物は、スピンコートあ
るいはスプレーコートにより、膜形成可能であることか
ら、生産性が高く、安価に製造することができる。
【0041】請求項11の発明では、50μm程度の薄
いガラス板にポリイミド配向膜を形成して用いていた従
来のプラズマディスプレイ用の上記配向膜の代わりに、
上記高誘電性樹脂組成物の硬化物を用いることにより、
ディスプレイ製造プロセスを簡略化でき、製造コストを
低減することができる。
【0042】
【実施例】本発明の高誘電体組成物に係わるマトリック
ス樹脂であるポリアミド酸および可溶性ポリイミドとし
ては、高い耐熱性を持ち強靱な膜を形成することのでき
る一般式(I)、(II)および(III)で表される
ポリアミド酸並びに一般式(IV)、(V)および(V
I)で表される可溶性ポリイミドの少なくとも一種の化
合物が用いられる。
【0043】一般式(I)、(II)(III)、(I
V)、(V)および(VI)中のR1は4価の有機基で
あり、その具体例としては、例えば下記化学式
【0044】
【化9】
【0045】で示されたものなどがある。また一般式
(I)、(II)(III)、(IV)、(V)および
(VI)中のR2は2価の有機基であり、その具体例と
しては、例えば下記化学式
【0046】
【化10】
【0047】で示されるものがある。また一般式(I
I)中のR3は3価の有機基であり、その具体例として
は、例えば下記化学式
【0048】
【化11】
【0049】で示されるものがある。また一般式(I
I)、(III)、(V)および(VI)中のR4は2
〜4価の有機基であり、その具体例としては、例えば下
記化学式
【0050】
【化12】
【0051】で示されるものがある。また一般式(I
I)、(III)、(V)および(VI)中のR5は水
素原子または一価の有機基、例えばメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基などがある。kは1〜3の整
数であり、R4の価数が2の場合はk=1、価数が3の
場 合はk=2、価数が4の場合にはk=3となる。一
般式(II)および(V)については、m、nはいずれ
も1以上の整数であり、一般式(III)および(V
I)は、それぞれ一般式(XIII)および(XIV)
に対応しているがmの値が異なる。即ち、マトリックス
樹脂として用いるときは、mは2以上の整数であり、安
定剤として用いるときは0または1である。また硬化物
の強度の点から分子量は大きいことが望ましいが、溶解
性が低下するため成形性の点から分子量は6000〜5
0000程度が望ましい。したがって、m、nは前記分
子量を満足される範囲で適宜選択される。
【0052】特に、一般式(III)、(VI)で表さ
れる分子鎖末端にアルコキシル基を持つポリアミド酸化
合物の分子量の調整は、酸無水物を一定量とした場合、
反応させるジアミンとモノアミンの割合を変えることで
行う。この場合ジアミンの割合が多いほど分子量は大き
くなり粘度は上がる。ジアミンの割合を減らし、モノア
ミンの割合を増加させるにしたがって、分子量は小さく
なり粘度は低下する。
【0053】上記ポリアミド酸化合物の具体例として
は、例えば下記化学式
【0054】
【化13】
【0055】などがある。上記可溶性ポリイミド化合物
としては、例えば下記化学式
【0056】
【化14】
【0057】で表される(株)日本合成ゴム社製のオプ
トマーAL1051や下記化学式
【0058】
【化15】
【0059】で示されるものがある。上記ポリアミド酸
化合物、可溶性ポリイミド化合物は、例えばテトラカル
ボン酸二無水物、ジアミンより既知の方法{ジャーナル
オブ ポリメリックマテリアル(J.O.Polym
eric Mateiral.) 第9巻 1982年
4月 225頁}で合成することができる。上記テトラ
カルボン酸二無水物の具体例としては、例えばピロメリ
ット酸二無水物、3,3’4,4’―ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物、2,2’3,3’―ビフェニルテ
トラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’―ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’3,3’
―ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’
―(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ビス(フタル酸
無水物)などが挙げられる。上記ジアミンは、例えば
4,4’―ジアミノジフェニルエーテル、4,4’―ジ
アミニジフェニルメタン、4,4’―ジアミノジフェニ
ルスルホン、4,4’―(m―アミノフェノキシ)ジフ
ェニルスルホン、4,4’―ジ(p―アミノフェノキ
シ)ジフェニルスルホン、o−フェニレンジアミン、m
−フェニレンジアミンン、p―フェニレンジアミン、
2,2’―ジアミノベンゾフェノン、4,4’―ジアミ
ノベンゾフェノン、2,2’―ビス(アミノフェニル)
プロパン、9,9’―ビス(4―アミノフェニル)フル
オレン、2,2’―ビス(トリフルオロメチル)―4,
4’―ジアミノビフェニル、などの芳香族ジアミン、ト
リメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサ
メチレンジアミン、4,4’―ジメチルヘプタメチレン
―1,7―ジアミンなどの脂肪族ジアミンなどがあげら
れる。本発明では、前記一般式(I)、(II)、(I
II)で表されるポリアミド酸化合物、(IV)、
(V)、(VI)で表される可溶性ポリイミド化合物を
混合して用いることも可能であり、とくに限定するもの
ではない。
【0060】本発明の樹脂組成物に係わる金属化合物
は、脱水反応により金属酸化物(セラミックス)となる
化合物であって、つぎのものがあげられる。まず、一般
式(VII)で表される金属アルコキシドであり、式
中、R6、R7はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基などの一価の有機基である。Mは、例えばSi、T
i、Zn、Pb、Si―Ti、Wo、W、Zr、Al、
Baなどの金属である。nは正の整数、mは0または正
の整数であり、n+mは金属の原子価と同じ値である。
上記金属アルコキシド化合物としては、例えばテトラエ
トキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニル
トリエトキシシラン、イソプロポキシチタネート、ジイ
ソプロポキシビス(アセチルアセトナト)チタン、ジノ
ルマルブトキシビス(トリエタノールアミナト)チタ
ン、ペンタメトキシタンタル、テトラエトキシジルコニ
ウム、テトラメトキシジルコニウム、テトラメトキシゲ
ルマニウム、ペンタエトキシモリブデン、ペンタエトキ
シタングステン、テトライソプロポキシアルミニウム、
テトラエトキシバリウムなどがあげられる。上記金属ア
ルコキシド化合物は、2種類以上を混合して用いても良
く、要求される特性に応じて組成比を設定して混合する
ことができる。
【0061】次ぎに、一般式(VIII)で表される加
熱による脱水、脱アルコール反応により、金属酸化物と
なる金属酢酸化合物であり、式中、R6、R7、R8は1
価の有機基を表し、例えばメチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基などがあげられる。Mは、金属でありそ
の具体例としては、例えば、Si、Ti、Zn、Pb、
Si−Ti、Wo、W、Zr、Al、Baなどがあげら
れる。k、m、nは0以上の整数であり、その和は金属
の原子価数に等しい。上記酢酸化合物としては、具体的
には、例えば、Zr(CH3COO)4、Pb(CH3
OO)2、Ba(CH3COO)2、Si(CH3COO)
(C25O)2(C65)などの酢酸ジルコン、酢酸
鉛、酢酸バリウム、ジエトキシアセチルフェニルシラン
などがある。上記酢酸金属化合物は、その2種類以上を
混合して用いても良く、金属アルコキシド化合物、硝酸
化合物と混合して用いても良い。要求される特性に応じ
て組成比を設定し、混合して用いることができる。
【0062】また、一般式(IX)で表される加熱によ
る脱硝酸、加水分解反応により、金属酸化物となる硝酸
金属化合物であり、式(IX)中のMは金属であり、そ
の具体例としては、例えば、Si、Ti、Zn、Pb、
Si−Ti、Wo、W、Zr、Al、Baなどがあげら
れる。nは金属の原子価に等しい整数である。上記硝酸
金属化合物の例としては、例えば、Pb(NO33、Z
rO(NO32、La(NO32で表される硝酸鉛、硝
酸酸化ジルコニウム、硝酸ランタン化合物がある。上記
硝酸金属化合物は、その2種類以上を混合して用いても
良く、金属アルコキシド、酢酸化合物などと混合して用
いてもよく、要求される特性に応じて組成比を設定して
混合して用いることができる。
【0063】さらに、一般式(IX)で表されるジピバ
ロイルメタン(DPM)化合物であり、ジピバロイルメ
タン化合物の具体例としては、例えば、Ba(C1119
22、Y(C111923で表される2、2、6、6
―テトラメチル―3、5―ヘプタンジオンバリウム(ビ
スジピバロイルメタネートバリウム)あるいは、トリス
(ジピバロイルメタネート)イットリウム等がある。本
発明では、上記金属化合物を混合して用いることも可能
であり、特に限定されるものではなく、要求される特性
に応じて組成比を決定し調製すればよい。また上記例示
化合物だけに特に限定されることはなく、上記一般式で
表され、反応により金属酸化物となる金属化合物であれ
ば良い。
【0064】本発明の高誘電性樹脂組成物における上記
マトリックス樹脂と上記金属化合物の割合は、両者の合
計に対し、金属化合物が5〜85体積%であることが好
ましく、さらには10〜70体積%であることが好まし
く、10体積%以上では誘電率が5以上となり好まし
い。金属化合物の割合が5%体積未満では充分な特性が
得られず、70体積%を越えると機械的強度が低下する
傾向がある。
【0065】本発明の樹脂組成物に係わる安定剤として
は、一般式(X)〜(XIV)に示されるものがあり、
安定剤により上記金属化合物とマトリックス樹脂との相
溶性が向上し、マトリックス中に金属化合物が安定に高
充填される。また、安定剤は上記金属化合物に対してモ
ル比で0.1〜5であるのが好ましく、0.1未満では
上記効果が得られず、5を越えると機械特性が低下す
る。
【0066】本発明の高誘電性樹脂組成物をうるには、
マトリックス樹脂と金属化合物類を水とともに混合した
のち、加熱硬化するが、混合方法としては、以下のよう
な方法があげられる。混合方法としては、マトリックス
樹脂と金属化合物類を有機溶媒中に溶解し、均一な溶液
を作製したのち、さらに水を添加して混合し、加水分解
反応を促進させ、水酸化物とし、あるいはさらに脱水反
応が生じて酸化物を形成した状態となったワニスとする
ものである。上記混合方法では、金属化合物類として
は、例えば、テトライソプロポキシチタネート、ジピバ
ロイルメタネートバリウム、酢酸バリウムなどが用いら
れる。なお、これらの化合物は、水または適当な有機溶
媒に可溶性である。混合方法は、前述の方法に限定され
るものではなく、例えば金属化合物類が有機溶媒中に溶
解している溶液中で、酸無水物とジアミンを反応させ、
ポリアミド酸あるいは可溶性ポリイミドを合成する段階
で混合してもよい。このときに使用される有機溶媒とし
ては、例えばN−メチルピロリドン(NMP)、γ−ブ
チロラクトン(GBL)、ジメチルアセトアミド(DM
Ac)、ジメチルホルムアミド(DMF)などがあげら
れ、これらは一種で、あるいは二種以上の混合系で用い
られる。添加される水の量は、特に限定されるものでは
ないが、金属化合物類の総量の等mol〜50倍mol
が好ましく、さらには1〜10mol倍程度が望まし
い。前記水の添加量が50倍molを越えるとワニス中
のポリアミド酸化合物、あるいは可溶性ポリイミド化合
物が析出したり、金属化合物類の加水分解反応が促進さ
れてゲル化を生じたりなどして、作業性が損なわれる恐
れがある。また等mol未満の場合には、金属アルコキ
シドあるいは、酢酸金属化合物を用いた場合に、加水分
解反応が充分に進行せず好ましくない。
【0067】反応を促進したい場合には、触媒を添加し
ても良い。添加する触媒としては、たとえば、塩酸、酢
酸などの酸性触媒、あるいはアンモニア等のアルカリ性
触媒があげられ、その添加量としては、前記ワニスに触
媒量程度の添加でよい。
【0068】ワニスの濃度は、必要な膜厚に応じて調整
することができ、通常は化合物濃度65%(重量、以下
同様)以下の濃度で調整されるが、20〜50%がさら
に好ましい。濃度が65%をこえるとワニス中のポリア
ミド酸あるいは可溶性ポリイミド成分が析出し易くな
り、作業性が若干損なわれる恐れがある。なお、ワニス
の粘度は、基板の凹凸の平坦化の点から、80ポイズ以
下であることが望ましい。前記の方法で混合されたワニ
スは、通常スピンコート、スプレーコートなどの方法に
より成膜され、60〜80℃で6〜24時間、ワニスの
塗布量に対して、溶媒残存量が10〜50%程度になる
まで乾燥したのち、さらに300〜400℃で3〜10
時間加熱することにより溶媒が完全に除去されると同時
に、前記ポリアミド酸および混合した金属化合物類が反
応し、それぞれポリイミド樹脂、金属酸化物に変化し硬
化膜となる。
【0069】このように本発明の高誘電性樹脂組成物
は、ワニスのスピンコートなどの簡便な塗布方法が使用
可能であるため、従来の成膜方法であるCVDなどにく
らべて大幅なコストダウンを実現することができる。ま
た、前記ワニスは、ガラス板などに流延したのち乾燥
し、そのあと剥離して、未硬化の状態でフィルムシート
として用いることもでき、一般に用いられているように
ガラスクロス、カーボンクロスなどの基材に含浸、乾燥
し、ガラスクロス/エポキシ樹脂のプリプレグと同様に
積層後、加熱などによって容易に膜厚を制御することも
可能である。
【0070】以下、実施例にもとづいて本発明をさらに
説明するが、本発明はかかる実施例にのみ限定されるも
のではない。 製造例1 1000mlの三ツ口フラスコを用い、脱水精製したN
―メチルピロリドン446.0g中にオキシジアニリン
12.018g(60mmol)を添加し、室温で30
分攪拌して溶解させる。つぎにフラスコを氷冷しなが
ら、窒素気流中でピロメリット酸二無水物13.087
g(60mmol)を攪拌しながら徐々に添加した。氷
冷下で6時間攪拌したのち、反応容器を徐々に室温に戻
し、そのまま室温で3時間攪拌し、下式
【0071】
【化16】
【0072】で表されるポリアミド酸(樹脂濃度5%)
を含むポリアミド酸ワニスを得た。
【0073】製造例2 300ml三ツ口フラスコを用いて、製造例1で得られ
たポリアミド酸ワニス50.0g(0.386mol)
中に、窒素気流中、氷冷しながら、硬化後の膜中のチタ
ン酸バリウムの含有率が20体積%となるようにテトラ
イソプロポキシチタネート3.13g(0.011mo
l)、ジピバロイルメタンバリウム5.54g(0.0
11mol)の混合溶液を攪拌しながら徐々に添加し
た。全量添加後、溶液が均一になるまで攪拌し(およそ
2時間)、ポリアミド酸/チタン酸バリウム前駆体溶液
を得た。
【0074】製造例3 製造例2と同様に、300ml三ツ口フラスコを用い
て、製造例1で得られたポリアミド酸ワニス中に、ポリ
アミド酸ワニス50.0gに対して硬化後の膜中チタン
酸バリウムの含有量が5、10、50、60、80体積
%となるようにテトライソプロポキシチタネート、ジピ
バロイルメタネートバリウムをそれぞれ0.002、
0.005、0.044、0.066、0.177mo
lづつ混合して、混合割合の異なるいくつかのポリアミ
ド酸/チタン酸バリウム前駆体溶液を得た。ここで、高
誘電性樹脂組成物中のチタン酸バリウムの割合は、体積
%で、5%(実施例1)、10%(実施例2)、20%
(実施例3)、50%(実施例4)、80%(実施例
5)である。
【0075】実施例1〜6.製造例2および3で得られ
たポリアミド酸/チタン酸バリウム前駆体ワニス2.0
gを、スピンコートにより6cm×6cmのガラス板上
に塗布し、窒素気流下、80℃で6時間乾燥した。次に
この乾燥した膜をガラス板上より剥離し、キャスティン
グ用治具に固定し、真空理工(株)社製、赤外線ゴール
ドイメージ炉(IR―9000)を用いて、昇温速度5
℃/分で200℃、300℃のそれぞれの温度で3時間
づつ、350℃の温度で7時間硬化し、ポリイミド/酸
化チタン複合膜を得た。
【0076】製造例4 300mlの三ツ口フラスコを用い、脱水精製したジメ
チルホルムアミド(DMF)59.477g中に、γ-
アミノプロピルトリエトキシシラン4.4274g
(0.02mol)を添加し、室温で30分攪拌して溶
解させる。つぎにフラスコを氷冷しながら、アルゴン気
流中でピロメリット酸二無水物2.1812g(0.0
1mol)を攪拌しながら徐々に添加した。氷冷下で1
時間攪拌したのち、反応容器を徐々に室温に戻し、その
まま室温で1時間攪拌し、下式
【0077】
【化17】
【0078】で表されるジ(トリエトキシシリルプロピ
ル)ピロメリットイミド(樹脂濃度11.1重量%)を
含む安定剤溶液をえた。
【0079】製造例5 300ml三ツ口フラスコを用いて、製造例4でえた安
定化剤溶液69.948g中に、アルゴン気流下、テト
ライソプロポキシチタネート5.29gを攪拌しながら
徐々に加え、全量添加後30分攪拌し酸化チタン前駆体
溶液を得た。
【0080】製造例6〜10 製造例3と同様に、製造例5でえた酸化チタン前駆体溶
液中に、酸化チタン前駆体溶液75.238gに対し
て、硬化後の膜中酸化チタンの含有量が10(製造例
6)、30(製造例7)、50(製造例8)、70(製
造例9)、90(製造例10)重量%となるように市販
の可溶性ポリイミドワニス(オプトマーAL1051、
樹脂濃度5%:日本合成ゴム社製)をそれぞれ243.
67g、65.126g、33.808g、12.76
8g、6.258gづつ混合して、混合割合の異なる5
種類の可溶性ポリイミド/チタンアルコキシド前駆体溶
液を得た。
【0081】製造例11 300ml三ツ口フラスコを用いて、ジ(イソプロポキ
シ)ビスアセチルアセトナトチタン12.1275gを
DMF59.332g中に添加し、アルゴン気流下、攪
拌して溶解させ、濃度20.44重量%のチタンアルコ
キシド溶液を得た。
【0082】製造例12〜16 300ml三ツ口フラスコを用いて、製造例11で得た
チタンアルコキシド溶液20.0g中に、硬化後の複合
膜中の酸化チタン含有量が10、30、50、70、9
0重量%となるように、可溶性ポリイミドワニス(日本
合成ゴム(株)オプトマ−AL1051;樹脂濃度5w
t%)をそれぞれ、121.41g、31.4765
g、13.492g、5.7841g、1.3491g
づつ徐々に添加し、アルゴン気流下、2時間攪拌した。
つぎにそれぞれの溶液に蒸留水を0.6064gづつ徐
々に添加し、同様にしてアルゴン気流下、1時間攪拌
し、硬化後の複合膜中の酸化チタン含有量が10(製造
例12)、30(製造例13)、50(製造例14)、
70(製造例15)、90(製造例16)重量%となる
可溶性ポリイミド/チタンアルコキシド前駆体溶液を得
た。
【0083】実施例7〜11.製造例12〜16で得ら
れた可溶性ポリイミド/酸化チタン前駆体ワニス2.0
gを、スピンコートにより6cm×6cmのガラス板上
に塗布し、窒素気流下、80℃で6時間乾燥した。次に
この乾燥した膜をガラス板上より剥離し、キャスティン
グ用治具に固定し、真空理工(株)社製、赤外線ゴール
ドイメージ炉(IR―9000)を用いて、昇温速度5
℃/分で200℃、300℃のそれぞれの温度で3時
間、350℃の温度で7時間硬化し、ポリイミド/酸化
チタン複合膜を得た。ここで、高誘電性樹脂組成物中の
酸化チタンの割合は、重量%で、10%(実施例7)、
20%(実施例8)、50%(実施例9)、70%(実
施例10)、90%(実施例11)である。
【0084】製造例17 300ml三ツ口フラスコを用いて、可溶性ポリイミド
ワニス(日本合成ゴム(株)オプトマ−AL1051;
樹脂濃度5wt%)50.0g中に製造例4で得た安定
剤ワニス5.0gを攪拌しながら添加する。つづいて、
硬化後のSiO2の含有量が50wt%となるようにテ
トラエトキシシラン(TEOS)8.7gを攪拌しなが
ら徐々に添加し、全量添加後、1時間攪拌する。最後
に、蒸留水1.0gを添加、30分攪拌し、透明ワニス
を得た。電子顕微鏡を用いて、得られた硬化膜の破断面
の観察を行った。その結果、本発明の高誘電樹脂組成物
の硬化膜は、金属酸化物(チタン酸バリウム:BaTi
3)の粒子がポリイミドマトリックス中に均一に分散
されており、粒子の凝集なども全く見られない膜となっ
ていた。つぎに得られた硬化膜の両面に、アルミ蒸着に
より電極を形成し誘電率を測定した結果を図1に示す。
図1は、本発明の実施例の高誘電体組成物の硬化膜のB
aTiO3量による比誘電率変化を示す特性図であり、
縦軸は比誘電率、横軸は含有量( %)である。それに
よると、高誘電酸化物の割合によって誘電率は変化し、
高誘電酸化物の割合が増加するにつれて、硬化膜の誘電
率は上昇した。
【0085】つぎに、上記方法で得られたチタン酸バリ
ウムの割合が50体積%の硬化膜(実施例4)と、PV
DF(比較例1)およびPZTを50体積%含有するP
VDF/PZTの複合膜(比較例2)を用いて、圧電定
数の温度依存性について測定を行い測定結果を図2に示
す。図2は本発明の実施例の高誘電体組成物の硬化膜と
従来例を比較する温度に対する圧電定数の変化を示す特
性図であり、それによると、高分子材料系(PVDF)
(b)、複合系の圧電膜材料(PVDF/PZT)
(c)に較べて本発明の一実施例の高誘電性樹脂組成物
の硬化膜(a)は、熱安定性が大幅に向上していること
が確認された。
【0086】さらに前記チタン酸バリウムの割合が50
体積%の硬化膜について、いくつかの特性を測定した。
従来より用いられている高誘電性材料としてPVDF
(比較例1)、PZTを50体積%含有するPVDF/
PZT複合膜(比較例2)およびPZT(比較例3)の
特性も併記し比較し、結果を表1に示す。
【0087】
【表1】
【0088】この結果から、本発明品の高誘電性樹脂組
成物は圧電特性も良好であり、誘電率についてもPVD
F/PZTの複合膜より優れた値となっていることがわ
かる。すなわち、圧電率、比誘電率はPZT焼結体には
及ばないものの、高分子材料であるPVDF(比較例
1)あるいは複合材料であるPVDF/PZT(比較例
2)と比較するといずれの特性も向上しており、セラミ
ックスに較べて成膜が容易で柔軟な膜を得ることが可能
であり、高分子系(比較例1)、複合系(比較例2)に
較べて特性が良好で耐熱性が飛躍的に向上していること
から、本発明の樹脂組成物が絶縁容量膜、圧電膜として
優れていることがわかる。
【0089】つぎに、得られた硬化膜の両面に、アルミ
蒸着により電極を形成し誘電率を測定した結果を図3に
示す。図3は本発明の実施例の高誘電体組成物の硬化膜
の酸化チタン量による比誘電率変化を示す特性図であ
り、縦軸は比誘電率、横軸は含有量(%)である。それ
によると、硬化膜の酸化物含有率の上昇にともない誘電
率は向上することが確認された。
【0090】実施例12.図4は、本発明の一実施例
の、上記高誘電樹脂組成物からなる硬化膜を容量絶縁膜
として用いたマルチチップモジュール(MCM)の断面
構成図であり、図中、1はベース基材、2は絶縁膜、3
は導体層、4は容量絶縁膜、8はLSIの半導体チップ
である。即ち、ベース基材1は例えばシリコンウェハー
およびアルミなどの金属またはセラミックスなどを用
い、ベース基材1上には、絶縁のために絶縁膜2が設け
られている。絶縁膜材料としては、例えばポリイミド、
SiO2等が用いられ、そ の厚さは、絶縁特性の点から
0.2〜10ミクロン程度であるのが望ましい。絶縁膜
2上には、グランド層となる導体層3が設けられ、導体
層材料としては、例えばCu、Al、Tiなどが用いら
れ、その厚さは、1〜20ミクロン程度であるのが望ま
しい。導体層3上に、上記本発明の高誘電性樹脂組成物
を用いた容量絶縁膜4が設けられている。容量絶縁膜4
は。チタン酸バリウム(BaTiO3 )を40〜85体
積%含有するのが好ましく、80体積%である場合に
は、その比誘電率(εr)は約280となる。容量絶縁
膜4は、必要とされる容量に応じ て膜厚が異なるが、
40nFの容量が必要である場合には、皮膜性、凹凸の
平坦性の点から、0.5〜5μmであるのが好ましい。
容量絶縁膜4上には、電源層となる導体層5が設けら
れ、導体層材料は2の導体層材料と同様なものが用いら
れ、その厚さは、1〜20μmが好ましい。導体層5上
には、導体層7aとの絶縁のために、絶縁膜6が設けら
れている。絶縁膜6は、絶縁膜2と同様なものが用いら
れ、その厚さは絶縁特性、凹凸平坦制の点から5〜20
μmが望ましい。絶縁層6上には、LSIなどの実装部
品との接続のために導体層7aが設けられている。導体
層7aの材料としては、例えばCu、Al、Ti、A
u、Ag等が用いられ、その厚さは、5〜20μmであ
るのが好ましい。LSIなどの実装部品との接続には、
通常ハンダが用いられるが、導電性の接着剤などでも良
い。また、ワイヤーボンディングを用いる方法も可能で
ある。なお、上記容量絶縁膜4は、例えばスピンコー
ト、スプレーコート法、印刷法などの方法により塗布さ
れ、乾燥、加熱硬化される。
【0091】次ぎに、より具体的に説明する。まずベー
ス基材1として、シリコンウェハーを用い、表面に絶縁
膜2として、ポリイミド膜をスピンコート法により形成
し、つぎにグランド層となる導体層3をTiの蒸着、C
uメッキ、Ti蒸着の3層構造により形成、つぎに製造
例2で得られたポリアミド酸/チタン酸バリウムワニス
をスピンコート法により塗布し、80℃で12時間乾燥
し、200、250℃でそれぞれ3時間づつ、350℃
で7時間硬化し、容量絶縁膜4を得た。さらに容量絶縁
膜4上に電源層となる導体層5をTiの蒸着、Cuメッ
キ、Ti蒸着の3層構造により形成し、絶縁膜6として
ポリイミド膜をスピンコート法により塗布、乾燥、硬化
により形成、ポリイミド膜上に導体層7をCuメッキに
より形成し、その上にハンダを用いてLSIチップ8を
実装した。上記のようにして得られた本発明の上記高誘
電性樹脂組成物の硬化膜を用いたMCMは、容量絶縁膜
に柔軟性のある樹脂組成物を適用したことにより、この
部分で冷熱衝撃時に発生する応力が緩和されるため、ク
ラックなどの発生が低減し、信頼性の高いMCMとなっ
ている。また、LSI動作時には、低周波成分がカット
され、電源ノイズが吸収されるため誤動作を防止する。
【0092】実施例13.実施例6で得られた本発明の
高誘電性樹脂組成物(チタン酸バリウム2含有率80体
積%、εr=280)を容量絶縁膜として用いたMCMに
ついて、図5に示す等価回路を用いてA、B間の電位差
を測定することにより解析を行った。図5はMCMの評
価をするための等価回路図であり、14は測定する容量
絶縁膜、15は1×1010Ωの抵抗(R)、16はクロ
ック周波数100MHz、スイングが5Vの信号源、1
7はCMOS、18、19は10nHのコイル(L)、
22は50pFのコンデンサ(C)、23は5Vの直流
電源である。そして、測定は24で示されるAB間の伝
位差を測定することにより行い結果を図6に示す。図6
は本発明の一実施例のMCMのスイッチングノイズ特性
図である。
【0093】上記の様に、高誘電性樹脂化合物をLS
I、MCMなどの容量絶縁膜に適用する場合、リーク電
流の点が問題になる場合には、下式 La(CH3COO)3 で表される酢酸ランタン化合物を添加しても良い。酢酸
ランタンを添加する場合には、混合する金属アルコキシ
ド、金属酢酸化合物、硝酸金属化合物、ジピバロイルメ
タン化合物など(以下、前記4種類の金属化合物を総称
する場合には金属化合物類という)の使用量を変える。
その添加量は、前記金属化合物類の20mol%をこえ
ない程度が好ましく、さらには3〜5mol%がより好
ましい。上記のように高誘電性樹脂組成物をDRAM,
MCMなどの容量絶縁膜として適用する場合において
は、Naイオン、Clイオン等の不純物の濃度を2.0
ppm以下にコントロールすることが望ましい。
【0094】比較例4.実施例13において、容量絶縁
膜として市販のポリイミド樹脂(東レ(株)製のSEM
ICOFINE−PB26、εr=3.4)を用いるほか
は、実施例13と同様に測定し、結果を図7に示す。図
7は従来のMCMのスイッチングノイズ特性図である。
【0095】図6および図7の測定結果より明らかなよ
うに、本発明の組成物からなる樹脂硬化膜を容量絶縁膜
として用いた場合には、スイッチングによる電源ノイズ
が大幅に低減されていることがわかる。このため、本発
明のMCMは誤動作の少ない信頼性の高いデバイスとな
る。
【0096】実施例14.図8は、本発明の高誘電樹脂
組成物の硬化膜を圧電膜として用いた圧力センサーの断
面構成図であり、9はダイヤフラム、10は絶縁膜、1
1は歪みゲージ、12は歪みゲージ11の歪みを検出す
る蒸着電極である。即ち、起歪部のダイアフラム9の材
質はステンレス(SUS630)あるいはそれに相当す
るものが用いられその外径は10mm、長さは約6mm
である。ダイアフラム9の上面には、絶縁膜10が形成
されて、絶縁膜10の材料は、例えばポリイミドなどが
あり、その厚さは、絶縁特性の点から、2〜5μmが好
ましい。絶縁膜10上に、本発明の高誘電性樹脂組成物
の硬化物からなる歪ゲージ11が形成されており、さら
に温度補償用の抵抗(図示せず)と蒸着電極12が形成
されている。歪ゲージ11は、BaTiO3を50〜8
5体積%含有するのが好ましく、60体積%では圧電率
26pC/N、比誘電率約280となる。歪ゲージ11
は、圧力感度の点から、その厚さが1〜3μm程度のも
のが好ましい。
【0097】次に、圧電素子の製法をより具体的に説明
する。ダイアフラム9の材質は、ステンレス(SUS6
30)を用いた。まずダイヤフラム9の上面を研磨し、
その上に絶縁膜として、例えばポリイミド樹脂10をス
ピンコートにより形成する。その上に、製造例3で得ら
れたポリアミド酸化合物に対して、BaTiO360体
積%のポリアミド酸ワニスをスピンコートにより塗布
し、フォトエッチングにより歪ゲージ(ゲージ抵抗)1
1を形成する。その後、温度補償用の抵抗と蒸着電極1
2を形成し、最後にパッシベーション膜としてポリイミ
ド樹脂膜13を形成してこれらを保護する。このように
してえられた本発明の圧力センサーにおいて、歪ゲージ
11は、基材との密着性も良好で、耐熱性も高く強靱な
膜でありまた、圧力センサーは歪ゲージと起歪部である
ダイアフラムおよび圧力接続部までが一体構造となって
いることから、機械的強度が高く信頼性の高い圧力セン
サーとなる。また電極を除く各部分は、従来はCVDな
どにより形成されていたが、ワニスのスピンコートによ
り塗布・形成が可能となったため、平坦性の高いセンサ
ーが得られただけでなく、製造プロセスが簡便なものと
なり、大幅な製造コスト低下を実現することができる。
つぎに上記のようにして得た圧力センサーの温度特性を
評価した。評価方法としては、圧力センサーに0.0K
g/cm2、1.0Kg/cm2の圧力(スパン圧力)を
かけ、−50〜250℃の温度範囲でのセンサー圧力を
検出し、スパン圧力とのズレを測定した。図9および図
10は本発明の実施例の圧力センサーの温度特性を示す
特性図であり、図9(スパン圧力1.0Kg/c
2)、図10( スパン圧力0.0Kg/cm2)に示
したように、いずれの条件においても誤差 は±1.0
%以内となっており、本発明の圧力センサーは、耐熱性
に優れた素子であることが分かった。つまり、以上の結
果は、本発明の高誘電性樹脂組成物が、加熱硬化して硬
化膜となると、チタン酸バリウム粒子が均一分散して、
耐熱性、誘電性、圧電性に優れ、機械強度、成膜性に優
れた高誘電膜となることによる。
【0098】実施例16.図11は、本発明の一実施例
の、高誘電樹脂組成物からなる硬化物を感湿膜として適
用した感湿センサーの構成図であり、1はベース基材、
25、27は金電極、26は感湿膜、28はAg−Pb
電極、29はリードである。ベース基板1としては、シ
リコンウェハーを用い、ベース基材1上に導体層25と
して金を蒸着により形成し、導体層25上に本発明の製
造例14でえた樹脂組成物をスピンコートにより塗布
し、乾燥、硬化し、感湿膜26を形成した。つぎに感湿
膜26上に、導体層27を金の蒸着により形成し、その
上に電極保護膜を形成した。導体層25、27にはそれ
ぞれAg−Pb電極28を形成し、それを介してリード
29を導電性接着剤を用いて接続した。こうして得られ
た感湿センサーは、ポリイミドマトリックス中に金属酸
化物が分散された複合膜を感湿材としていることから、
高い強度を持つ感湿材となり、耐衝撃性に優れた感湿セ
ンサーとなる。またポリイミドと金属酸化物の複合膜と
なっていることから、広い湿度領域において、湿度に対
する感度が非常に高い感湿センサーとなった。
【0099】実施例17.つぎに実施例16で得た感湿
センサーの湿度変化に対する感湿特性のヒステリシスを
測定した。測定は、センサー素子の雰囲気の温度を一定
に保ち、総体湿度を5〜90%RHの範囲で増加または
減少させ、そのときの静電容量の変化をLCRメータ
{横河フューレットパッカード(株)社製:4274A
Malti−Frequency LCR mete
r}を用いて検出した。測定は、周波数1KHz、各湿
度における保持時間は、10分間として行った。結果を
図12中の●に示す。図12は本発明の実施例の感湿セ
ンサーと従来例を比較する相対湿度に対する容量変化を
示す特性図である。
【0100】比較例5.比較のため、感湿膜をポリアミ
ド酸ワニス{東レ(株)社製。セミコファインPB2
6}を用いた他は、実施例16と同様にして、感湿セン
サーを作製し、前記と同様の評価を行い、結果を図12
中の○に示す。
【0101】測定結果より明らかなように、ポリアミド
酸を用いた感湿センサーに比べて、本発明の感湿センサ
ーは、湿度による静電容量変化が大きく感度が高いこ
と、そのヒステリシスも2%RH以下となっており、1
0〜90%RHの広い湿度領域においてほとんど補正が
必要の無い高精度の感湿センサーとなっていることが分
かる。
【0102】実施例18.図13は本発明のコンデンサ
ーの断面構成図であり、図中、1はシリコンウェハー基
材、30は電極となる導体層、31は誘電体膜、32は
電極となる導体層、33は電極保護膜、34はリード線
である。ベース基板1としては、シリコンウェハーを用
い、ベース基板1上に導体層30としてCuつづいてP
tを蒸着により形成し、導体層30上に上記製造例3で
えた樹脂組成物をスピンコートにより塗布し、乾燥、硬
化し、誘電体膜31を形成した。つぎに誘電体膜31上
に、導体層32をPtつづいてCuの蒸着により形成
し、その上にポリイミド(東レ:セミコファインPB2
5)をスピンコートにより塗布、乾燥、硬化し電極保護
膜34を形成した。導体層30、32からはそれぞれハ
ンダ付けによりリード34を接続した。導体層は、Cu
−Ptに限定されることはなく、Al、Auなどを蒸
着、メッキなどを用いて形成しても良い。こうして得ら
れたコンデンサーは、高誘電酸化物を高強度のマトリッ
クスであるポリイミド中に分散した複合膜を誘電体とし
ていることから、耐衝撃性に優れたコンデンサーとな
る。また、従来のコンデンサーは、ハンダ付けなどによ
り回路上に実装されていたため、リジットなプリント基
板上にしか実装する事ができなかったが、本発明の高誘
電樹脂組成物を誘電体膜にすることにより、誘電体自身
が柔軟で可撓性に富んでいることから、ポリイミドフレ
キシブル基板(FPC)上にコンデンサを作製すること
も可能となり、回路設計自由度が広くなるとともに、高
密度実装が可能となる。つぎに作製したコンデンサーの
温度特性を測定した。測定試料は、電極の大きさ:5m
m×5mmとし、膜厚1μmのコンデンサーとし、 容
量の測定は、LCRメータ{横河フューレットパッカー
ド(株)社製:4274A Malti−Freque
ncy LCR meter}を用いて行い、静電容量
変化率(C/C0)の温度依存性を評価した。測定結果
を図14中の○に示す。図14は本発明の一実施例のコ
ンデンサーと従来例を比較するコンデンサーの静電容量
値の温度特性を示す特性図である。
【0103】比較例6.実施例18の誘電体をポリアミ
ド酸ワニス{東レ(株)社製。セミコファインPB2
6}とした他は、実施例18と同様にして、コンデンサ
ーを作製し、前記と同様の評価を行い、結果を図14中
の×に示す。
【0104】測定結果より明らかなように、本発明の組
成物からなる硬化膜をコンデンサーの誘電体として用い
たばあいには、温度による静電容量変化率は、−50〜
250℃の高温域においても2%以下と小さく、温度に
よる影響を受けにくい広い温度範囲で安定なコンデンサ
ーであることが分かる。さらに、測定結果を表2に示
す。
【0105】
【表2】
【0106】測定結果より明らかなように、本発明の組
成物からなる硬化膜をコンデンサーの誘電体として用い
たばあい、ポリイミド単体膜を用いたコンデンサー(比
較例6)に較べて、誘電損失は、大きくなる傾向がある
が、単位面積あたりの容量は10倍にも達しており、コ
ンデンサーの誘電体としてたいへん有用であることがわ
かる。
【0107】実施例21.図15は本発明の一実施例の
光フィルターの断面構成図であり、図中1はベースポリ
イミド基材、35および36は干渉膜である。ガラス基
板上に、ポリイミドワニス(日本合成ゴム(株)性、オ
プトマーAL1051)をスピンコートにより塗布、乾
燥し、ベースポリイミド膜1を形成する。つぎにポリイ
ミド膜基材1上に、製造例17で得たワニスをスピンコ
ートにより塗布し、乾燥、加熱硬化して、干渉膜35を
形成する。つぎに製造例13で得たワニスを同様にして
形成し、干渉膜36を形成したのち、ガラス基板より剥
離し光フィルターを得た。なお、干渉膜35および36
は屈折率が異なる。こうして得た光フィルターは、ポリ
イミドフィルムをベース基材とし、それをベースとし
て、ポリイミドマトリックスを用いた複合膜を干渉膜と
していることから、柔軟性があり、耐衝撃性が高く取扱
いが容易な光フィルターとなる。得られた光フィルター
の光透過特性を評価し、結果を図16の実線に示す。図
16は本発明の一実施例の光フィルターと従来例を比較
する光透過特性図である。
【0108】比較例7.比較のため、実施例21で用い
たガラス基板上に、上記ワニスをスピンコートする代わ
りに、CVDを用いてSiO2、つづいてTiO2膜を形
成した光フィルターを得、その光透過特性を評価し、結
果を図16の破線に示す。
【0109】測定結果より明らかなように、本発明の光
干渉フィルターは、比較例7とほぼ同じ光透過特性を持
っていることが分かる。また、本発明の一実施例の光フ
ィルターは、1.33μmと1.55μmの波長の光を
効率よく分離することが可能であり、しかもガラス基板
ではなく光透過性の良好な柔軟なポリイミドフィルムを
ベースとしているため、壊れ難く扱いが容易であり、光
通信用の光フィルターとして有用であることがわかっ
た。
【0110】実施例22.図17は本発明の一実施例
の、上記高誘電樹脂組成物の硬化物を光導波路のクラッ
ド材として適用した光導波路の断面構成図であり、1は
ベース基材、37はコア層、38および39はクラッド
層である。ベース基材1としては、シリコン基材を用
い、シリコン基板上にコア層37として、SiO2をC
VDにより形成した 。つぎに、本発明の高誘電性樹脂
組成物をスピンコートにより塗布、乾燥、硬化してクラ
ッド層38を形成した。次にクラッド層38上に、さら
にクラッド層39を、クラッド層38と同様にしてスピ
ンコートにより塗布、乾燥、硬化し、光導波路をえた。
つぎに、より具体的に説明する。ベース基板1として
は、シリコン基板を用い、シリコン基板上にCVDによ
り石英ガラスを形成したのち、フォトリソグラフィによ
りコア層37を形成する。つぎに製造例8で得た本発明
の高誘電性樹脂組成物をスピンコートにより塗布、乾
燥、硬化しクラッド層38を形成した。次にクラッド層
38上に、クラッド層39として、製造例17で得たワ
ニスを同様にスピンコートにより塗布、乾燥、硬化し、
光導波路をえた。こうして得た光導波路は、クラッド層
に、柔軟性のあるポリイミドをマトリックスとする複合
膜を用いているために、耐衝撃性の高い光導波路となっ
た。また、クラッド層の形成方法は、ワニスのスピンコ
ートによる塗布、乾燥、硬化といった簡便な方法で、し
かも膜厚の制御が、0.1〜20μm程度の広い範囲で
容易に行うことが可能あり、従来のCVDによる膜形成
などに較べて、厚膜形成が容易で、連続成膜が可能であ
り、低いコストで導波路形成が可能である。上記光導波
路について、光透過損失を評価した。光透過損失の評価
は、波長633nmのHe−Neレーザー光をコア層に
入射し、コア層を透過してきた出射光の強度を測定し、
入射光の強度に対する損失を求め、結果を表3に示す。
【0111】
【表3】
【0112】比較例8.比較として、クラッド層をCV
DによりTiO2つづいてSiO2で作製した光導波路を
作製する他は上記のように光導波路を形成し、上記と同
様な評価を行った。
【0113】評価結果より明らかなように、実施例22
で作製した光導波路は、光透過損失が、比較例8とほぼ
同等の値を示しており、光導波路として有用であること
が確認された。また、本発明の光導波路はクラッド層
に、柔軟性のあるポリイミドをマトリックスとする複合
膜を用いているために、耐衝撃性の高い光導波路となっ
ているとともにクラッド層の形成方法が、ワニスのスピ
ンコートによる塗布、乾燥、硬化といった簡便な方法で
作製可能であるため、従来のCVDによる膜形成などに
較べて、厚膜形成が容易で、連続成膜が可能であり、低
いコストの導波路形成が可能となる。
【0114】実施例23.図18は、本発明の一実施例
の、上記高誘電樹脂組成物の硬化物を配向膜として用い
たプラズマディスプレイの断面構成図であり、1はガラ
ス基材、3は配向膜、45は透明基材、41は陽極、4
2はプラズマ用ガス、42は陰極、6は液晶層である。
ガラス板上に実施例10と同様にして、製造例15でえ
た本発明の実施例の高誘電樹脂組成物のワニスをスピン
コートにより塗布、乾燥、硬化し硬化膜を作製する。こ
れをガラス板上より剥離して高誘電樹脂組成物フィルム
を得た。つぎに、プラズマ発生溝を形成したガラス基材
1を用いて、溝内部に一対の電極を蒸着により形成す
る。溝を覆う形で、配向膜43として、製造例18で得
た上記樹脂硬化物のフィルムを接着する。プラズマ発生
溝内部を1×10-3まで減圧したのち、He、Kr、X
eの混合ガス42を溝内部に充填する。つづいて配向膜
43をラビング処理したのち、透明基材のITOガラス
45を厚さ調整しながら配向膜上に接着しセルを形成す
る。そののち、セル内部に液晶を注入してプラズマディ
スプレイ(PALC)を作製した。こうして得たプラズ
マディスプレイ(PALC)は、誘電率の高い膜を配向
膜として用いていることから、PALCの液晶部分を駆
動するのに必要な5.0Vの駆動電圧(5.0V)を得
るためのPALCセル全体への駆動電圧は、従来のポリ
イミド膜/ガラスを用いた場合には、100Vもの電圧
が必要であったのに対して、20Vと約1/5と低く抑
えることが可能となり、PALCの大幅な省電力化が可
能となった。上記のようにして得たPALCについて、
PALCの駆動電圧波形に対する液晶部分に加わる印加
電圧波形を測定し、結果を図19に示す。図19は本発
明の一実施例のPALCの駆動電圧に対する液晶セルの
電圧を示す特性図である。
【0115】比較例10.実施例23で得た高誘電性フ
ィルムを接着する代わりに、厚み0.5mmのガラス板
上に、可溶性ポリイミドワニス(日本合成ゴム(株)
性、オプトマーAL1051)を塗布、乾燥して、ポリ
イミド層とし、つづくラビング処理によって配向膜を形
成したガラス板を実施例25と同様にして接着した以外
は、実施例23と同様にしてPALCを作製し、上記に
示す同様な方法で評価を行い、結果を図20に示す。図
20は従来例のPALCの駆動電圧に対する液晶セルの
電圧を示す特性図である。
【0116】評価結果より明らかなように、実施例23
により作製したPALCはPALCの印加電圧が20V
で液晶セルの駆動電圧は5Vに達しており、比較例10
では、PALC印加電圧が85Vで液晶セルの駆動電圧
が5Vとなっており、実施例25の約4倍のPALC印
加電圧が必要であることが分かった。すなわち、本発明
のPALCでは、低い印加電圧でPALCを動作可能で
あることが分かった。
【0117】以上のように、本発明の高誘電性樹脂化合
物は、DRAMなどの半導体用あるいは、MCMの容量
絶縁膜として適用可能であるほか、圧電性や焦電性が要
求される超音波トランスデューサの素子材料、剪断応力
検出用素子材料など各種の圧力センサーの素子材料、感
湿センサー用の感湿膜材料、プラズマディスプレイ用の
液晶配向膜、光導波路用の干渉フィルター、光導波路の
クラッド材などへの適用が可能であることがわかる。
【0118】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、一般式(I)
で表わされるポリアミド酸、一般式(II)で表わされ
る分子鎖中にアルコキシル基を有するポリアミド酸、一
般式(III)で表わされる分子鎖末端に、アルコキシ
ル基を有するポリアミド酸、一般式(IV)で表わされ
溶媒に可溶な可溶性ポリイミド、一般式(V)で表わさ
れ、分子鎖中にアルコキシル基を有し、溶媒に可溶な可
溶性ポリイミド、および一般式(VI)で表され分子鎖
末端にアルコキシル基を有し、溶媒に可溶な可溶性ポリ
イミドからなるマトリックス樹脂の群の少なくとも1種
と、一般式(VII)で表される化合物、一般式(VI
II)で表される硝酸化合物、および一般式(IX)で
表されるジピバロイルメタン化合物からなる金属化合物
の群の少なくとも1種とからなるものを用いることによ
り、その硬化物が耐熱性に優れ密着性が良好で、誘電率
が向上した高誘電性樹脂組成物を得ることができ、例え
ば成膜材料とした時に、容易な方法であるスピンコー
ト、スプレーコート、ディップコート、スクリーン印刷
などの方法が適用できる。
【0119】請求項2の発明によれば、請求項1のもの
に一般式(X)で表されるアミン化合物、一般式(X
I)で表される酢酸化合物、一般式(XII)で表され
るアセトン化合物、一般式(XIII)で表わされる分
子鎖末端に、アルコキシル基を有するアミド酸、および
一般式(XIV)で表される分子鎖末端にアルコキシル
基を有するイミドからなる安定剤の群の少なくとも一種
を加えたものを用いることにより、その硬化物が耐熱性
に優れ密着性が良好で、さらに誘電率が向上した高誘電
性樹脂組成物を得ることができる。
【0120】請求項3の発明によれば、請求項2項の発
明の安定剤を金属化合物に対して、モル比で0.1〜5
とすることにより、金属化合物が高充填量で、しかも機
械強度にも優れた高誘電性樹脂組成物を得ることができ
る。
【0121】請求項4の発明によれば、請求項第1ない
し請求項第3項のいずれかに記載の発明のマトリックス
樹脂および金属化合物の合計に対して、金属化合物を1
0〜70体積%とすることにより、誘電率が5以上の高
誘電率で、しかもその硬化物が機械強度に優れた高誘電
性樹脂組成物を得ることができ、また上記範囲で金属化
合物の量を変化することにより容易に誘電率を任意値に
することが可能である。
【0122】請求項5の発明によれば、請求項1ないし
請求項4のいずれかに記載の高誘電性樹脂組成物の硬化
物を容量絶縁膜として用いることにより信頼性の向上し
たMCMを得ることができる。
【0123】請求項6の発明によれば、請求項1ないし
請求項4のいずれかに記載の高誘電性樹脂組成物の硬化
物を歪ゲージとして用いることにより、耐熱性に優れ、
信頼性の向上した圧力センサーを得ることができる。
【0124】請求項7の発明によれば、請求項1ないし
請求項4のいずれかに記載の高誘電性樹脂組成物の硬化
物を感湿膜として用いることにより、容量・抵抗併用型
で、一つで、広範囲の湿度条件に対応できる感湿センサ
ーを得ることができる。
【0125】請求項8の発明によれば、請求項1ないし
請求項4のいずれかに記載の高誘電性樹脂組成物の硬化
物を誘電体膜に用いることにより、耐衝撃性に優れ、高
密度実装可能なコンデンサーを得ることができる。
【0126】請求項9の発明によれば、請求項1ないし
請求項4のいずれかに記載の高誘電性樹脂組成物の硬化
物を干渉膜に用いることにより、低価格でしかも壊れに
くい光フィルターを得ることができる。
【0127】請求項10の発明によれば、請求項1ない
し請求項4のいずれかに記載の高誘電性樹脂組成物の硬
化物をクラッド材に用いることにより、生産性が高く、
安価で耐衝撃性に優れた光導波路を得ることができる。
【0128】請求項11の発明によれば、請求項1ない
し請求項4のいずれかに記載の高誘電性樹脂組成物の硬
化物を配向膜に用いることにより、製造コストの低減さ
れたPALCを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の高誘電体組成物の硬化膜のB
aTiO3量による比誘電率変化を示す 特性図である。
【図2】本発明の実施例の高誘電体組成物の硬化膜と従
来例を比較する温度に対する圧電定数の変化を示す特性
図である。
【図3】本発明の実施例の高誘電体組成物の硬化膜の酸
化チタン量による比誘電率変化を示す特性図である。
【図4】本発明の一実施例のMCMの断面構成図であ
る。
【図5】MCMの評価をするための等価回路図である。
【図6】本発明の一実施例のMCMのスイッチングノイ
ズ特性図である。
【図7】従来のMCMのスイッチングノイズ特性図であ
る。
【図8】本発明の一実施例の圧力センサーの断面構成図
である。
【図9】本発明の一実施例の圧力センサーの温度特性を
示す特性図である。
【図10】本発明の一実施例の圧力センサーの温度特性
を示す特性図である。
【図11】本発明の一実施例の感湿センサーの構成図で
ある。
【図12】本発明の実施例の感湿センサーと従来例を比
較する相対湿度に対する容量変化を示す特性図である。
【図13】本発明の一実施例のコンデンサーの断面構成
図である。
【図14】本発明の一実施例のコンデンサーと従来例を
比較する静電容量値の温度特性を示す特性図である。
【図15】本発明の一実施例の光フィルターの断面構成
図である。
【図16】本発明の一実施例の光フィルターと従来例を
比較する光透過特性図である。
【図17】本発明の一実施例の光導波路の断面構成図で
ある。
【図18】本発明の一実施例のPALCの断面構成図で
ある。
【図19】本発明の一実施例のPALCの駆動電圧に対
する液晶セルの電圧を示す図である。
【図20】従来例のPALCの駆動電圧に対する液晶セ
ルの電圧を示す図である。
【符号の説明】
1 基材 4 容量絶縁膜 8 半導体チップ 9 ダイアフラム 11 歪ゲージ 26 感湿膜 31 誘電体膜 35 干渉膜 36 干渉膜 38 クラッド層 39 クラッド層 43 配向膜
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年3月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【化7】 で表わされ分子鎖末端にアルコキシル基を有するアミド
酸、および一般式(XIV)
【化8】 で表され分子鎖末端にアルコキシル基を有するイミドか
らなる安定剤の群の少なくとも一種とからなる高誘電性
樹脂組成物。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正内容】
【0080】製造例6〜10 製造例3と同様に、製造例5でえた酸化チタン前駆体溶
液中に、酸化チタン前駆体溶液75.238gに対し
て、硬化後の膜中酸化チタンの含有量が10(製造例
6)、30(製造例7)、50(製造例8)、70(製
造例9)、90(製造例10)重量%となるように市販
の可溶性ポリイミドワニス(オプトマーAL1051、
樹脂濃度5%:日本合成ゴム(株)社製)をそれぞれ2
43.67g、65.126g、33.808g、1
2.768g、6.258gづつ混合して、混合割合の
異なる5種類の可溶性ポリイミド/チタンアルコキシド
前駆体溶液を得た。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0082
【補正方法】変更
【補正内容】
【0082】製造例12〜16 300ml三ツ口フラスコを用いて、製造例11で得た
チタンアルコキシド溶液20.0g中に、硬化後の複合
膜中の酸化チタン含有量が10、30、50、70、9
0重量%となるように、可溶性ポリイミドワニス(日本
合成ゴム(株)社製:オプトマ−AL1051;樹脂濃
度5wt%)をそれぞれ、121.41g、31.47
65g、13.492g、5.7841g、1.349
1gづつ徐々に添加し、アルゴン気流下、2時間攪拌し
た。つぎにそれぞれの溶液に蒸留水を0.6064gづ
つ徐々に添加し、同様にしてアルゴン気流下、1時間攪
拌し、硬化後の複合膜中の酸化チタン含有量が10(製
造例12)、30(製造例13)、50(製造例1
4)、70(製造例15)、90(製造例16)重量%
となる可溶性ポリイミド/チタンアルコキシド前駆体溶
液を得た。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0084
【補正方法】変更
【補正内容】
【0084】製造例17 300ml三ツ口フラスコを用いて、可溶性ポリイミド
ワニス(日本合成ゴム(株)社製:オプトマ−AL10
51;樹脂濃度5wt%)50.0g中に製造例4で得
た安定剤ワニス5.0gを攪拌しながら添加する。つづ
いて、硬化後のSiO2の含有量が50wt%となるよ
うにテトラエトキシシラン(TEOS)8.7 gを攪
拌しながら徐々に添加し、全量添加後、1時間攪拌す
る。最後に、蒸留水1.0gを添加、30分攪拌し、透
明ワニスを得た。電子顕微鏡を用いて、得られた硬化膜
の破断面の観察を行った。その結果、本発明の高誘電樹
脂組成物の硬化膜は、金属酸化物(チタン酸バリウム:
BaTiO3)の粒子がポリイミドマトリックス中に均
一に分散されており、粒子の凝集なども全く見られない
膜となっていた。つぎに得られた硬化膜の両面に、アル
ミ蒸着により電極を形成し誘電率を測定した結果を図1
に示す。図1は、本発明の実施例の高誘電体組成物の硬
化膜のBaTiO3量による比誘電率変化を示す特性図
であり、縦軸は比誘電率、横軸は含有量( %)であ
る。それによると、高誘電酸化物の割合によって誘電率
は変化し、高誘電酸化物の割合が増加するにつれて、硬
化膜の誘電率は上昇した。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0092
【補正方法】変更
【補正内容】
【0092】実施例13.実施例6で得られた本発明の
高誘電性樹脂組成物(チタン酸バリウム含有率80体積
%、εr=280)を容量絶縁膜として用いたMCMにつ
いて、図5に示す等価回路を用いてA、B間の電位差を
測定することにより解析を行った。図5はMCMの評価
をするための等価回路図であり、14は測定する容量絶
縁膜、15は1×1010Ωの抵抗(R)、16はクロッ
ク周波数100MHz、スイングが5Vの信号源、17
はCMOS、18、19は10nHのコイル(L)、2
2は50pFのコンデンサ(C)、23は5Vの直流電
源である。そして、測定は24で示されるAB間の伝位
差を測定することにより行い結果を図6に示す。図6は
本発明の一実施例のMCMのスイッチングノイズ特性図
である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0094
【補正方法】変更
【補正内容】
【0094】比較例4.実施例13において、容量絶縁
膜として市販のポリイミド樹脂(東レ(株)製のSE
MICOFINE−PB26、εr=3.4)を用いるほ
かは、実施例13と同様に測定し、結果を図7に示す。
図7は従来のMCMのスイッチングノイズ特性図であ
る。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0102
【補正方法】変更
【補正内容】
【0102】実施例18.図13は本発明のコンデンサ
ーの断面構成図であり、図中、1はシリコンウェハー基
材、30は電極となる導体層、31は誘電体膜、32は
電極となる導体層、33は電極保護膜、34はリード線
である。ベース基板1としては、シリコンウェハーを用
い、ベース基板1上に導体層30としてCuつづいてP
tを蒸着により形成し、導体層30上に上記製造例3で
えた樹脂組成物をスピンコートにより塗布し、乾燥、硬
化し、誘電体膜31を形成した。つぎに誘電体膜31上
に、導体層32をPtつづいてCuの蒸着により形成
し、その上にポリイミド(東レ(株)社製:セミコファ
インPB25)をスピンコートにより塗布、乾燥、硬化
し電極保護膜34を形成した。導体層30、32からは
それぞれハンダ付けによりリード34を接続した。導体
層は、Cu−Ptに限定されることはなく、Al、Au
などを蒸着、メッキなどを用いて形成しても良い。こう
して得られたコンデンサーは、高誘電酸化物を高強度の
マトリックスであるポリイミド中に分散した複合膜を誘
電体としていることから、耐衝撃性に優れたコンデンサ
ーとなる。また、従来のコンデンサーは、ハンダ付けな
どにより回路上に実装されていたため、リジットなプリ
ント基板上にしか実装する事ができなかったが、本発明
の高誘電樹脂組成物を誘電体膜にすることにより、誘電
体自身が柔軟で可撓性に富んでいることから、ポリイミ
ドフレキシブル基板(FPC)上にコンデンサを作製す
ることも可能となり、回路設計自由度が広くなるととも
に、高密度実装が可能となる。つぎに作製したコンデン
サーの温度特性を測定した。測定試料は、電極の大き
さ:5mm×5mmとし、膜厚1μmのコンデンサーと
し、 容量の測定は、LCRメータ{横河ヒューレット
パッカード(株)社製:4274A Malti−Fr
equency LCR meter}を用いて行い、
静電容量変化率(C/C0)の温度依存性を評価した。
測定結果を図14中の○に示す。図14は本発明の一実
施例のコンデンサーと従来例を比較するコンデンサーの
静電容量値の温度特性を示す特性図である。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0107
【補正方法】変更
【補正内容】
【0107】実施例21.図15は本発明の一実施例の
光フィルターの断面構成図であり、図中1はベースポリ
イミド基材、35および36は干渉膜である。ガラス基
板上に、ポリイミドワニス(日本合成ゴム(株)社製
オプトマーAL1051)をスピンコートにより塗布、
乾燥し、ベースポリイミド膜1を形成する。つぎにポリ
イミド膜基材1上に、製造例17で得たワニスをスピン
コートにより塗布し、乾燥、加熱硬化して、干渉膜35
を形成する。つぎに製造例13で得たワニスを同様にし
て形成し、干渉膜36を形成したのち、ガラス基板より
剥離し光フィルターを得た。なお、干渉膜35および3
6は屈折率が異なる。こうして得た光フィルターは、ポ
リイミドフィルムをベース基材とし、それをベースとし
て、ポリイミドマトリックスを用いた複合膜を干渉膜と
していることから、柔軟性があり、耐衝撃性が高く取扱
いが容易な光フィルターとなる。得られた光フィルター
の光透過特性を評価し、結果を図16の実線に示す。図
16は本発明の一実施例の光フィルターと従来例を比較
する光透過特性図である。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0115
【補正方法】変更
【補正内容】
【0115】比較例10.実施例23で得た高誘電性フ
ィルムを接着する代わりに、厚み0.5mmのガラス板
上に、可溶性ポリイミドワニス(日本合成ゴム(株)
、オプトマーAL1051)を塗布、乾燥して、ポリ
イミド層とし、つづくラビング処理によって配向膜を形
成したガラス板を実施例25と同様にして接着した以外
は、実施例23と同様にしてPALCを作製し、上記に
示す同様な方法で評価を行い、結果を図20に示す。図
20は従来例のPALCの駆動電圧に対する液晶セルの
電圧を示す特性図である。
【手続補正10】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正11】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図20
【補正方法】変更
【補正内容】
【図20】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安藤 虎彦 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社材料デバイス研究所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 で表されるポリアミド酸、一般式(II) 【化2】 で表わされ分子鎖中にアルコキシル基を有するポリアミ
    ド酸、一般式(III) 【化3】 で表わされ分子鎖末端に、アルコキシル基を有するポリ
    アミド酸、一般式(IV) 【化4】 で表わされ溶媒に可溶な可溶性ポリイミド、一般式
    (V) 【化5】 で表わされ分子鎖中にアルコキシル基を有し、溶媒に可
    溶な可溶性ポリイミド、および一般式(VI) 【化6】 で表され分子鎖末端にアルコキシル基を有し、溶媒に可
    溶な可溶性ポリイミドからなるマトリックス樹脂の群の
    少なくとも1種と、一般式(VII) M(OR6n7m (VII) (式中、Mは金属原子、R6、R7は一価の有機基、nは
    1以上の整数、mは0以上の整数を表しn+mは金属の
    原子価数に等しい)で表される化合物、一般式(VII
    I) M(NO3n (VIII) (式中、Mは金属原子、nは金属の原子価に等しい整数
    を表す)で表される硝酸化合物、および一般式(IX) M(C11192n (IX) (式中、Mは金属原子、nは金属の原子価に等しい整数
    を表す)で表されるジピバロイルメタン化合物からなる
    金属化合物の群の少なくとも1種とからなる高誘電性樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】 一般式(I)で表わされるポリアミド
    酸、一般式(II)で表わされ分子鎖中にアルコキシル
    基を有するポリアミド酸、一般式(III)で表わされ
    分子鎖末端にアルコキシル基を有するポリアミド酸、一
    般式(IV)で表わされ溶媒に可溶な可溶性ポリイミ
    ド、一般式(V)で表わされ分子鎖中にアルコキシル基
    を有し、溶媒に可溶な可溶性ポリイミド、および一般式
    (VI)で表され分子鎖末端にアルコキシル基を有し、
    溶媒に可溶な可溶性ポリイミドからなるマトリックス樹
    脂の群の少なくとも1種と、一般式(VII)で表され
    る化合物、一般式(VIII)で表される硝酸化合物、
    および一般式(IX)で表されるジピバロイルメタン化
    合物からなる金属化合物の群の少なくとも1種と、一般
    式(X) Nn(R1OH)m (X) (式中R1は2価の有機基、n+m=3をあらわす)で表
    されるアミン化合物、一般式(XI) R1COOR2 (XI) (式中R1、R2は1価の有機基を表す)で表される酢酸
    化合物、一般式(XII) R1COCH3 (XII) (式中R1は1価の有機基を表す)で表されるアセトン
    化合物、一般式(XIII) 【化7】 で表わされ分子鎖末端にアルコキシル基を有するアミド
    酸、および一般式(XIV) 【化8】 で表され分子鎖末端にアルコキシル基を有するイミドか
    らなる安定剤の群の少なくとも一種とからなる高誘電性
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 安定剤が金属化合物に対して、モル比で
    0.1〜5である請求項第2項記載の高誘電性樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 金属化合物が、マトリックス樹脂および
    金属化合物の合計に対して、10〜70体積%である請
    求項第1項ないし請求項第3項のいずれかに記載の高誘
    電性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 基材、この基材に設けた絶縁膜、この絶
    縁膜に設けた導体層、この導体層に設け請求項第1項な
    いし請求項第4項のいずれかに記載の高誘電性樹脂組成
    物の硬化物からなる容量絶縁膜、この容量絶縁膜に設け
    た導体層、この導体層に設けた絶縁膜およびこの絶縁膜
    に設けた半導体チップを備えたマルチチップモジュー
    ル。
  6. 【請求項6】 ダイヤフラム、このダイヤフラムの上面
    に設けた絶縁膜、この絶縁膜に設け請求項第1項ないし
    請求項第4項のいずれかに記載の高誘電性樹脂組成物の
    硬化物からなる歪ゲージおよびこの歪ゲージの歪みを検
    出する電極を備えた圧力センサー。
  7. 【請求項7】 基材、この基材に設けた電極、この電極
    を被覆するように設け請求項第1項ないし請求項第4項
    のいずれかに記載の高誘電性樹脂組成物の硬化物からな
    る感湿膜およびこの感湿膜に設けた電極を備えた感湿セ
    ンサー。
  8. 【請求項8】 基材、この基材に設けた電極、この電極
    に設け請求項第1項ないし請求項第4項のいずれかに記
    載の高誘電性樹脂組成物の硬化物からなる誘電体膜およ
    びこの誘電体膜に設けた電極を備えたコンデンサー。
  9. 【請求項9】 基材、この基材に設けた電極、およびこ
    の電極に設け、請求項第1項ないし請求項第4項のいず
    れかに記載の高誘電性樹脂組成物の硬化物からなり、屈
    折率の異なる複数の干渉膜を備えた光フィルター。
  10. 【請求項10】 基材、この基材に設けたコア層、およ
    びこのコア層を覆うように設け、請求項第1項ないし請
    求項第4項のいずれかに記載の高誘電性樹脂組成物の硬
    化物からなり、屈折率の異なる複数のクラッド層を備え
    た光導波路。
  11. 【請求項11】 プラズマ発生気体を充填する溝を有
    し、この溝内部に一対の電極を形成した基材、上記溝を
    覆うように設け、請求項第1項ないし請求項第4項のい
    ずれかに記載の高誘電性樹脂組成物の硬化物からなる配
    向膜およびこの配向膜に液晶層を介在させて設けた透明
    基材を備えたプラズマディスプレイ。
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