JPH06234786A - マルチトールスラリーの連続的製造方法 - Google Patents

マルチトールスラリーの連続的製造方法

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JPH06234786A
JPH06234786A JP5043377A JP4337793A JPH06234786A JP H06234786 A JPH06234786 A JP H06234786A JP 5043377 A JP5043377 A JP 5043377A JP 4337793 A JP4337793 A JP 4337793A JP H06234786 A JPH06234786 A JP H06234786A
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Shinya Omori
紳也 大森
Hiroki Miyake
広樹 三宅
Motohiro Takemura
元宏 竹村
Kazuaki Kato
和昭 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 濃度92〜98重量%、固形物中のマルチト
ール純度が88重量%以上のマルチトール水溶液を、導
入速度SV=0.4〜8.0で連続的に容器内に導入
し、温度90〜120℃、周速度100m/分以上で攪
拌することによりマルチトールスラリーを生成させる。 【効果】 従来のように、長い工程を経由してやっと得
られた無水結晶マルチトール又はそれを含有する含蜜結
晶の粉末の一部を再度結晶化工程に戻すこと無く、極め
て短時間のうちに、且つ、再現性よく、しかも連続的
に、必要な時に必要な数のマルチトール結晶を発生させ
ることが可能になり、これによって形成されるマルチト
ールスラリーを連続的に得ることが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
【0002】本発明は、マルチトールスラリーの連続的
製造方法に関する。
【0003】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
【0004】無水マルチトール結晶及びそれを含有した
含蜜結晶は、三宅等によって1981年に初めて存在が
確認され、その理化学的性質は特公昭63−2439号
に詳しく紹介されている。
【0005】また、無水マルチトール結晶及びそれを含
有した含蜜結晶の一般的な製造方法も既に知られてお
り、特公昭63−2439号及び特公平2−11599
号に各種の製造方法が紹介されているが、現在の工程で
は、マルチトール水溶液に外部から種結晶を添加して結
晶化した後、全体を固化する方法、あるいは分蜜する方
法の二種類が採用されている。
【0006】高度に経済的効率を追及された現在の製造
工程では、短時間に結晶化工程を終了させることが要求
されるが、マルチトールの結晶成長速度が遅いので、結
晶化時間を短縮するためには種結晶の使用量を多くする
必要に迫られている。
【0007】しかし、その結果、一度結晶化工程を終え
た後、分蜜又は固化、乾燥、粉砕、分級等の長い工程を
経由してやっと得られた無水結晶マルチトール又はそれ
を含有する含蜜結晶の粉末の一部を再度結晶化工程に戻
すことになるので、生産効率の点からは極めて大きな損
失になっている。
【0008】この課題を解決するには、濃縮されたマル
チトール水溶液中に必要な時に必要な数の種結晶を発生
させることが考えられるが、マルチトールは他の糖アル
コールに較べて過飽和状態を形成し易く、僅かな成分組
成の差異等によって結晶性が大きく左右されることか
ら、種結晶を再現性良く発生させることは困難とされて
いた。
【0009】因に、種結晶の発生について従来紹介され
ているのも特公昭63−2439号のような、純度9
8.5%の高純度マルチトールを濃度75%に濃縮し、
軟質ガラス容器に入れて30〜5℃に約6ケ月保ち、内
壁に結晶を生じた例や、特公平2−11599号のよう
な、純度90.5%、濃度90%としたマルチトール水
溶液を75℃の温度に4時間保持した後自発核形成し、
結晶化を開始した例、つまり、偶然マルチトールの種結
晶が生成した例や、回分式でしかも4時間もかけてマル
チトールの種結晶を発生させた例が知られているだけ
で、外部から種結晶を加えることなく、連続的にマルチ
トールの種結晶を発生させ、マルチトールのスラリー又
はマスキットを形成させる技術はこれまで紹介されてい
ない。
【0010】このような事情から、マルチトール水溶液
に外部から種結晶を加えることなく、連続的にマルチト
ールの種結晶を発生させ、マルチトールのスラリー又は
マスキットを形成させて、無水結晶マルチトール又はそ
れを含有した含蜜結晶を効率良く製造できる技術が要望
されていたのである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
【0012】本発明者等は、前記課題の解決に向けて、
各種組成のマルチトール水溶液の性質を詳細に研究した
結果、特定の純度で、特定の濃度範囲を有するマルチト
ール水溶液を連続的に容器に導入し、強く攪拌すること
により数分から数時間と云う極めて短い時間に、且つ連
続的に無水結晶マルチトールの核を発生させることに成
功し、更に、その核の生成量を調節することに成功して
本発明を完成するに至った。
【0013】即ち、第一の本発明は、濃度92〜98重
量%、固形物中のマルチトール純度が88重量%以上の
マルチトール水溶液を連続的に容器内に導入し、攪拌す
ることによりマルチトールスラリーを生成させることを
特徴とするマルチトールスラリーの連続的製造方法であ
る。
【0014】また、第二の本発明は、マルチトール水溶
液の導入速度がSV(容器の有効容積に対する1時間あ
たりに導入するマルチトール水溶液の体積の比率を示
す)=0.4〜8.0であり、攪拌時の温度が90〜1
20℃である前記第一に記載のマルチトールスラリーの
連続的製造方法である。
【0015】また、第三の本発明は、マルチトール水溶
液が濃度94〜98重量%、固形物中のマルチトール純
度が90重量%以上、マルチトールの導入速度がSV=
0.5〜6.0、温度が95〜115℃、攪拌の効率が
周速度100m/分以上である前記第一に記載のマルチ
トールスラリーの連続的製造方法である。
【0016】本発明に用いるマルチトール水溶液は、本
発明の実施条件下でマルチトールの種結晶を発生する能
力を有するものであればよく、その製造方法については
特に問われないが、マルチトール水溶液の好ましい固形
分濃度は92〜98重量%、更に好ましくは94〜98
重量%である。
【0017】濃度がこの範囲を外れた場合、例えば、濃
度が92重量%未満の場合には、マルチトールの結晶が
発生しないかまたは発生する結晶の数が少ないことが多
いので好ましくなく、98重量%を超えた場合には、マ
ルチトールの微細な結晶が数多く発生し過ぎることが多
く、そのためにスラリーの粘度が異常に高くなり、スラ
リーの取り扱いが困難になることがあるので好ましくな
い。
【0018】また、本発明に用いるマルチトール水溶液
の好ましいマルチトール純度は、88重量%以上、更に
好ましくは90重量%以上である。
【0019】マルチトール純度が88重量%に満たない
場合には、マルチトールの結晶が発生するまでに長い時
間を要することがあると云う理由や、マルチトールの結
晶が発生しないかまたは発生するマルチトール結晶の数
が少ないことが多いと云う理由で、本発明に採用するこ
とが困難である。
【0020】更に、本発明に採用するマルチトール水溶
液の純度と濃度が前記の範囲に入っていれば、その他に
含まれる糖の組成に格別の制約は無いが、マルチトール
水溶液の糖組成の中で、マルトトリイトールやマルトテ
トライトールが少ないほうが、マルチトール結晶の発生
が容易な場合が多い。
【0021】本発明を実施する際の温度は、90〜12
0℃とすることが好ましく、95〜115℃とすること
が更に好ましいが、この範囲を外れた場合、例えば、9
0℃未満の場合には、マルチトール結晶を発生させるた
めの攪拌の際に、マルチトール水溶液や形成初期のスラ
リーの粘度が高くなり、攪拌するために大きな力が必要
になることが多いことや、発生するマルチトール結晶の
数が多くなり過ぎることがあるので好ましくなく、一
方、温度が120℃を超えて実施された場合にも、マル
チトール結晶の発生数が少ないことや、マルチトール水
溶液に分解等による色が着くことがある等の理由から好
ましくない。
【0022】本発明を実施するうえで、容器内へのマル
チトール水溶液の好ましい導入速度は、SV=0.4〜
8.0であり、これと同時に、導入速度に相当する重量
のマルチトールスラリーが連続的に容器外に排出される
が、更に好ましい導入速度は、SV=0.5〜6.0で
ある。
【0023】この導入速度がSV=0.4未満の場合に
は、マルチトール結晶が発生することにより既に形成さ
れたマルチトールスラリーを必要以上に容器内で攪拌、
滞留させることになるので、製造効率の点から好ましく
なく、SV=8.0を超えて実施された場合には、形成
されたマルチトールスラリーの性質、品質が安定しない
うちに容器外に排出されることになり、排出された後の
マルチトールスラリーの性質、品質が刻々と変化するこ
とが多いので、このものを用いる後工程の条件が一定に
ならず、品質の管理が困難になることが多く、好ましく
ない。
【0024】本発明において、マルチトールの種結晶を
発生させる具体的な方法は、容器中に導入したマルチト
ール水溶液を強く攪拌して系に刺激を与えることである
が、その攪拌の強さは、容器の大きさによって選択する
必要があり、周速度で表した場合に、有利に採用できる
のは、100m/分以上である。
【0025】攪拌の強さが100m/分未満の場合に
は、マルチトール結晶が発生するまでに長い時間を要し
たり、必要な数のマルチトール結晶が発生しなかったり
することが多いので、好ましくない。
【0026】このようにして得られたマルチトール結晶
はマルチトールスラリーの状態を形成するが、このスラ
リーは、従来のマルチトールを結晶化する工程の途中
に、種結晶として添加することにより、従来の粉末状の
種結晶に代えることが可能であり、極めて有効に使用す
ることができる。
【0027】本発明の実施により得られたマルチトール
スラリーを、公知の回分式または連続式のマルチトール
結晶化工程中で添加した後は、結晶を成長させ、分蜜し
て無水結晶マルチトールを得ることもできるし、全体を
ブロック状に固化して無水結晶マルチトールを含有する
含蜜結晶とすることも自由である。
【0028】更に、本発明の実施により得られたマルチ
トールスラリーは、そのまま混練または冷却固化して含
蜜結晶とすることも、必要に応じてマルチトール水溶液
を添加して過飽和度を調節し、結晶を成長させて分蜜さ
せることも可能である。
【0029】以上に述べたように、本発明を実施するこ
とによって、従来工程のように、長い工程を経由してや
っと得られた無水結晶マルチトール又はそれを含有する
含蜜結晶の粉末の一部を再度結晶化工程に戻すこと無
く、極めて短時間のうちに、且つ、再現性よく、しかも
連続的に、必要な時に必要な数のマルチトール結晶を発
生させることが可能になり、これによって形成されるマ
ルチトールスラリーを連続的に得ることが可能になる。
【0030】
【実施例】
【0031】以下に実施例を挙げて本発明の内容を更に
具体的に説明するが、例中の%は特に断らない限り重量
%を表すものとする。
【0032】また、本発明の技術的範囲は、以下の例に
よって制限されるものではない。
【0033】[実施例−1]
【0034】内径30cm、20リットル容(有効容積
10リットル)のジャケット付円筒型ステンレス製容器
に、濃度96.1%のマルチトール水溶液(マルチトー
ル純度95.3%)10リットルを入れ、長さ12c
m、幅2.1cmのパドル型攪拌翼を用いて毎分300
回転(周速度=113m/分)の速さで攪拌し、温度を
105℃に保って、容器内の液量が増減しないように、
前記と同じマルチトール水溶液を、毎時40リットル
(SV=4.0)の速さで容器内の上部から連続的に導
入しつつ、導入量に相当する量を容器下部から連続的に
排出した。操作開始後、約2分後に、マルチトール水溶
液は白濁し、マルチトール結晶の発生が確認され、30
分後、1時間後、2時間後にそれぞれ排出されたマルチ
トールスラリーをろ過して調べたところ、何れもマルチ
トール結晶を約30重量%含有するマルチトールスラリ
ーであり、マルチトールの結晶化用種結晶として適した
品質を有していた。
【0035】[実施例−2]
【0036】マルチトール水溶液の濃度を97.3%、
マルチトール純度を92.1%とした他は実施例−1と
同様にしてマルチトールスラリーを調製した。操作開始
後、約2分後に、マルチトール水溶液は白濁し、マルチ
トール結晶の発生が確認され、30分後、1時間後、2
時間後にそれぞれ排出されたマルチトールスラリーを調
べたところ、何れもマルチトール結晶を約28重量%含
有するマルチトールスラリーであり、マルチトールの結
晶化用種結晶として適した品質を有していた。
【0037】[実施例−3]
【0038】マルチトール水溶液の濃度を94.6%、
マルチトール純度を98.2%とし、温度を115℃と
した他は実施例−1と同様にしてマルチトールスラリー
を調製した。操作開始後、約1分後に、マルチトール水
溶液は白濁し、マルチトール結晶の発生が確認され、3
0分後、1時間後、2時間後にそれぞれ排出されたマル
チトールスラリーを調べたところ、何れもマルチトール
結晶を約35重量%含有するマルチトールスラリーであ
り、マルチトールの結晶化用種結晶として適した品質を
有していた。
【0039】[実施例−4]
【0040】マルチトール水溶液の濃度を95.4%、
マルチトール水溶液の導入速度をSV=1.0とし、温
度を115℃とした他は実施例−1と同様にしてマルチ
トールスラリーを調製した。操作開始後、約2分後に、
マルチトール水溶液は白濁し、マルチトール結晶の発生
が確認され、30分後、1時間後、2時間後にそれぞれ
排出されたマルチトールスラリーを調べたところ、何れ
もマルチトール結晶を約25重量%含有するマルチトー
ルスラリーであり、マルチトールの結晶化用種結晶とし
て適した品質を有していた。
【0041】[実施例−5]
【0042】マルチトール水溶液の濃度を95.7%、
攪拌速度を毎分525回転(周速度=198m/分)の
速さで攪拌し、マルチトール水溶液の導入速度をSV=
6.0とした他は実施例−1と同様にしてマルチトール
スラリーを調製した。操作開始後、約1分後に、マルチ
トール水溶液は白濁し、マルチトール結晶の発生が確認
され、30分後、1時間後、2時間後にそれぞれ排出さ
れたマルチトールスラリーを調べたところ、何れもマル
チトール結晶を約35重量%含有するマルチトールスラ
リーであり、マルチトールの結晶化用種結晶として適し
た品質を有していた。
【0043】[実施例−6]
【0044】内径30cm、20リットル容(有効容積
15リットル)のジャケット付円筒型ステンレス製容器
に、濃度95.9%のマルチトール水溶液(マルチトー
ル純度94.8%、ソルビトール1.6%、DP≧3の
糖アルコール3.6%)を15リットル入れ、長さ12
cm、幅2.1cmのパドル型攪拌翼を用いて毎分30
0回転(周速度=113m/分)の速さで攪拌し、温度
を110℃に保って、容器内の液量が増減しないよう
に、前記と同じマルチトール水溶液を毎時22リットル
(SV=約1.5)の速さで容器内の上部から連続的に
導入しつつ、導入量に相当する量を容器下部から連続的
に排出した。操作開始後、約2分後に、マルチトール水
溶液は白濁し、マルチトール結晶の発生が確認され、3
0分後、1時間後、2時間後にそれぞれ排出されたマル
チトールスラリーをろ過して調べたところ、何れもマル
チトール結晶を約30重量%含有するマルチトールスラ
リーであり、マルチトールの結晶化用種結晶として適し
た品質を有していた。
【0045】[実験例−1]
【0046】(1) 実施例−6のスラリー調製容器の排出
口と食品用二軸回転スクリュウ式エクストルーダー
[(株)日本製鋼所製、TEX38FSS−20AW−
V]の第1ゾーンの入口とを接続して、実施例−6で得
られた、マルチトールスラリーを、エクストルーダーの
第1ゾーンに連続的に供給し、シリンダー温度を60℃
に調節して毎分35回転で混練しながら、マルチトール
マグマを形成させ、第2ゾーンに輸送した。 (2) エクストルーダーの第2ゾーンのシリンダー温度が
60℃になるように調節し、混練しながらマルチトール
マグマを第3ゾーンに輸送した。 (3) エクストルーダーの第3ゾーンシリンダー温度が6
0℃になるように調節し、3.5mmの押出孔が17カ
所開いたノズルから、約22kg/時間の速度で押出し
た結果、押出されたマルチトールペレットの温度は88
℃であり、その水分は3.7%であった。
【0047】上記(1) 〜(3) の実験を連続12時間継続
して行ったが、マルチトールスラリーが第1ゾーンに供
給された後第3ゾーンの押出しノズルから排出されるま
での、エクストルーダー内での平均滞留時間は約1.9
分間であり、得られたマルチトールペレットは、表面の
ベトつきが無く、手で曲げることにより簡単に折れる程
度の可塑性の無い、扱い易い性質を持ったものであっ
た。このようにして得られたマルチトールペレットを国
際公開WO92/00309号公報の実施例−1に記載
の方法により乾燥、粉砕した結果、無水結晶マルチトー
ルを含有するマルチトール含蜜結晶が得られ、その性質
は、従来法により得られたマルチトール含蜜結晶と変わ
り無く、優れたものであった。
【0048】[実験例−2]
【0049】(1) ソルビトール1.2%、マルチトール
94.0%、DP(重号度)≧3の糖アルコール4.8
%からなる固形分組成を有する濃度94.7%のマルチ
トール水溶液を、22kg/時間の速度で食品用二軸回
転スクリュウ式エクストルーダー[(株)日本製鋼所製、
TEX38FSS−20AW−V]の第1ゾーンに供給
し、温度80℃にて毎分60回転で混練しながら、第2
ゾーンに輸送した。 (2) エクストルーダーの第2ゾーンのシリンダーが60
℃になるように調節し、実施例−2で得られたマルチト
ールスラリーを4kg/時間の速度で供給し、混練しな
がらマルチトールマグマを形成させ、第3ゾーンに輸送
した。 (3) エクストルーダーの第3ゾーンのシリンダーが40
℃になるように冷却し、4mmの押出孔が12カ所開い
たノズルから、約26kg/時間の速度で押出した結
果、押出されたマルチトールペレットの温度は69℃で
あり、その水分は4.0%であった。
【0050】上記(1) 〜(3) の実験を連続100時間継
続して行ったが、マルチトール水溶液が第1ゾーンに供
給された後第3ゾーンの押出しノズルから排出されるま
での、エクストルーダー内での平均滞留時間は約1.7
分間であり、得られたマルチトールペレットは、表面の
ベトつきが無く、手で曲げることにより簡単に折れる程
度の可塑性の無い、扱い易い性質を持ったものであっ
た。このようにして得られたマルチトールペレットを乾
燥、粉砕した結果、無水結晶マルチトールを含有するマ
ルチトール含蜜結晶が得られ、その性質は、従来法によ
り得られたマルチトール含蜜結晶と変わり無く、優れた
ものであった。
【0051】
【発明の効果】
【0052】本発明を実施することにより、種結晶を用
いずに、極めて短時間のうちに、且つ、再現性よく、し
かも連続的に、必要な時に必要な数のマルチトール結晶
を発生させることが可能になり、これによって形成され
るマルチトールスラリーをそのまま結晶化して無水結晶
マルチトール製品またはそれを含むマルチトール含蜜結
晶製品とすることが可能になる。また、本発明により得
られたマルチトールスラリーを従来工程の種結晶として
用いることにより、従来の工程のように長い工程を経由
してやっと得られた無水結晶マルチトール又はそれを含
有する含蜜結晶の粉末の一部を再度結晶化工程に戻すこ
と無く、無水結晶マルチトール又はそれを含有する含蜜
結晶を効率良く製造することが可能になる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年10月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】本発明を実施する際の温度は、本発明の好
ましい実施態様においては90〜120℃とすることが
好ましく、95〜115℃とすることが更に好ましい
が、この範囲を外れた場合、例えば、90℃未満の場合
には、マルチトール結晶を発生させるための攪拌の際
に、マルチトール水溶液や形成初期のスラリーの粘度が
高くなり、攪拌するために大きな力が必要になることが
多いことや、発生するマルチトール結晶の数が多くなり
過ぎることがあるので好ましくなく、一方、温度が12
0℃を超えて実施された場合にも、マルチトール結晶の
発生数が少ないことや、マルチトール水溶液に分解等に
よる色が着くことがある等の理由から好ましくない。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】本発明を実施するうえで、容器内へのマル
チトール水溶液の本発明の好ましい実施態様における導
入速度は、SV=0.4〜8.0であり、これと同時
に、導入速度に相当する重量のマルチトールスラリーが
連続的に容器外に排出されるが、更に好ましい導入速度
は、SV=0.5〜6.0である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】本発明において、マルチトールの種結晶を
発生させる具体的な方法は前記第一の本発明に記載した
通り、容器中に導入したマルチトール水溶液を強く攪拌
して系に刺激を与えることであり、攪拌方法には制約が
無く公知のポンプ等での移動運動による攪拌、公知の攪
拌翼等での攪拌などを採用できるが、その攪拌の強さ
は、容器の大きさによって選択する必要があり、本発明
の好ましい実施態様において周速度で表した場合に、有
利に採用できるのは、100m/分以上である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】本発明の実施により得られたマルチトール
スラリーを、公知の回分式または連続式のマルチトール
結晶化工程中で添加した後は、結晶を成長させ、分蜜し
て無水結晶マルチトールを得ることもできるし、全体を
ペレット状やブロック状に固化して無水結晶マルチトー
ルを含有する含蜜結晶とすることも自由である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 濃度92〜98重量%、固形物中のマル
    チトール純度が88重量%以上のマルチトール水溶液を
    連続的に容器内に導入し、攪拌することによりマルチト
    ールスラリーを生成させることを特徴とするマルチトー
    ルスラリーの連続的製造方法。
  2. 【請求項2】 マルチトール水溶液の導入速度がSV
    (容器の有効容積に対する1時間あたりに導入するマル
    チトール水溶液の体積の比率を示す)=0.4〜8.0
    であり、攪拌時の温度が90〜120℃である請求項1
    記載のマルチトールスラリーの連続的製造方法。
  3. 【請求項3】 マルチトール水溶液が濃度94〜98重
    量%、固形物中のマルチトール純度が90重量%以上、
    マルチトールの導入速度がSV=0.5〜6.0、温度
    が95〜115℃、攪拌の効率が周速度100m/分以
    上である請求項1記載のマルチトールスラリーの連続的
    製造方法。
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