JPH06234611A - 向上した接着力のための酸化的予備処理 - Google Patents

向上した接着力のための酸化的予備処理

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JPH06234611A
JPH06234611A JP6008389A JP838994A JPH06234611A JP H06234611 A JPH06234611 A JP H06234611A JP 6008389 A JP6008389 A JP 6008389A JP 838994 A JP838994 A JP 838994A JP H06234611 A JPH06234611 A JP H06234611A
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JP
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adhesive
amalgam
dental
water
agent
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JP6008389A
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Joel D Oxman
デイビッド オックスマン ジョエル
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3M Co
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Minnesota Mining and Manufacturing Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、現状の歯科用アマルガムに対する
接着性を要する用途、例えばアマルガム修復剤への複合
修復材料の貼り合わせ、及び古い修復剤を新しいアマル
ガム又は複合修復材料に修復又は換えるために有用な方
法及び材料を提供する。 【構成】 本発明は、被着体のE°還元剤の絶対値以上
の酸化電位を有する酸化剤及び任意的な溶媒を含んで成
るプライマー組成物、並びに接着剤を含んで成る接着促
進剤を提供する。本発明はまた、プライマー組成物及び
接着剤をアマルガム基体に塗布し、接着剤を硬化させ、
次いで任意的にこの接着剤に修復材料をかぶせることを
含んで成る、修復材料をアマルガム基体に接着する方法
を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は歯科用金属、例えば歯科
用アマルガムに対する接着のためのプライマー及び接着
剤、並びにかかるプライマー及び接着剤の利用方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】歯科用アマルガム及び修復剤が歯冠内及
び歯冠外の修復のために長い間利用されてきている。し
かしながら、アマルガムは接着せしめるのに難しい材料
である。例えば、歯科用アマルガムは歯の構造に接着せ
ず、従って歯医者は歯科用アマルガムを髓腔の中に機械
的に閉じ込めるばち形及び様々な切欠き溝を有する歯髓
腔を用意しなくてはならない。しかしながら、かかる用
意は、歯の構造と歯科用アマルガムとの間に良好な接着
力があった場合に必要とされるであろうよりも歯の構造
のより多大な掘削をもたらしてしまう。更に、歯科用ア
マルガムと髓腔壁との接触面での漏出(「マイクロリー
ケッジ (microleakage) 」として知られる)が起きがち
である。このマイクロリーケッジは細菌、可溶性塩類及
び唾液の、歯科用アマルガムと歯の構造との間の任意の
隙間の中への侵入を可能にしてしまう。このことは炎
症、髄質過敏、歯の無機質脱落、歯科用アマルガムの腐
触及びその他の付随する複雑化をもたらしうる。歯科用
アマルガムと歯の構造との間に向上したシール性を供す
る接着材料はマイクロリーケッジを最少限にする及び/
又は予防することができ、従って歯の物質の少なめの掘
削により強めの修復を可能とする。
【0003】これらの拘束は長い間認識されていたが、
やっと最近になって、硬質組織に新たに載せられた歯科
アマルガムの有効な接着力を達成せしめる接着剤を提供
することについてのいくつかの成功が収められてきた。
歯の構造に歯科用アマルガムを接着させると言われてい
る製品が入手できる。かかる製品の一つは商標名AMA
LGAMBOND接着剤(Parkell Co.)の
もとでキットとして販売されている。この製品は歯の構
造の上に直接塗布する液状接着剤である。この接着剤の
中の活性成分には、4−META(4−メタクリルオキ
シエチルトリメリット酸無水物)及びTBB(トリ−n
ブチルボラン)が含まれる。歯科用アマルガムを接着さ
せるために歯の構造に直接特定の硬化性樹脂を塗布せし
めることを同様に包括するその他の製品は、商標名PA
NAVIA歯科用接着剤(クラレ社)及びSUPERB
OND(商標)接着剤(サンメディカル(株)、日本
国、京都府)のもとで入手できる。これらの製品は利用
しにくく、なぜならそれらの塗布及び硬化のために数多
くの必要とされる準備段階があるからである。これらの
製品の性能は数多くの研究室において現在調べられてい
るが、これらの製品はその複雑性及びあまり実用的でな
い性能に基づいてその利用性が限られると信じられてい
る。他方、単純化された高性能歯科用アマルガム接着剤
(硬質組織に載せられたばかりの歯科用アマルガムの実
質的な接着を供することが可能)が米国の係属特許出願
07/815,171号、07/815,172号及び
07/815,697号、並びに国際公開WO92/1
1837号に開示されている。
【0004】エチレン系不飽和接着樹脂を歯に予め塗布
することによる歯の構造への歯科用アマルガムの接着を
述べている論文には、M.StaninecとM.Holt, Journal of
Prosthetic Dentistry (1988), 第59巻、頁3
97−402, A.LaceyとM.Staninec, Quintessence I
nternational(1989),第20巻、頁521−52
4,Y.Aboushと C.Jenkins, Br.Dent.J.(1989),
第166巻、頁255−257,Y.AboushとR.Elderto
n, Br.Dent.J.(1991),第170巻、頁219−
222及びY.AboushとR.Elderton, Dent.Mater. (19
91),第7巻、頁130−132が含まれる。この最
後の論文は、予め硬化させておいた歯科用アマルガムに
対する接着を包括し、他方、その他の論文は新鮮な歯科
用アマルガムに対する接着を包括している。また、A.Be
n-Amar, J.Am.Dent.Assoc.(1989)第119巻、頁
725−728は、歯科用アマルガムの装着前に、「S
COTCHBOND」Dual Cure Dental Adhesive (3
M)を髓腔のヘリに塗布したときの歯科用アマルガムの
ヘリでのマイクロリーケッジの削減を述べており、そし
てM.Mitrosky. Jr., Quintessence International (1
981)第9巻、頁871−874は、歯科用アマルガ
ム及び複合修復剤の下での結合剤としてのエチルシアノ
アクリレートの利用を述べている。 H.J.Staehleら Dts
ch.Zahnartzt(1988)第43巻、頁952−957
は、歯科用アマルガムとぞうげ質に接着させるための様
々な歯科用接着剤及びバーニッシュの利用を述べてい
る。
【0005】燐含有フリーラジカル重合性化合物を採用
する接着剤が報告されている。例えば、 M.Buonocore,
W.Wileman,とF.Brudevold, J.Dent.Res., 35,846
(1956), M.Buonocoreと M.Quigley, J.Amer.Den
t.Assoc., 57,807(1958), M.Anbarと E.F
arley, J.Dent.Res., 53,879(1974),E.Fa
rley, R.Jones,とM.Anbar, J.Dent.Res., 56,194
3(1977),米国特許第3,882,600号、第
3,997,504号、第4,222,780号、第
4,235,633号、第4,259,075号、第
4,259,117号、第4,368,043号、第
4,383,052号、第4,499,251号、第
4,514,342号、第4,515,930号、第
4,537,940号、第4,539,382号及び第
4,544,467号、ヨーロッパ特許出願公告第00
58483号及び日本国特許出願公開第57−1433
72号及び第57−167364号を参照のこと。
【0006】様々な歯科用基体に対する向上した接着力
を助長するための表面改質剤としての化学プライマー及
びエッチング剤の利用が公知である。例えば、ぞうげ質
及びエナメルは一般に酸性プライマーで処理又は蝕刻さ
れ、他方、ポーセレン表面はシランカップリング剤で日
常的に処理されている。どちらのケースにおいても、対
応の基体は、この基体と樹脂ベース接着剤との間での高
められた接着力をもたらす特別な処理で化学的に改質さ
れる。
【0007】同様に、硬化した歯科用アマルガムへの歯
科用複合物の接着についての若干の成功が報告されてい
る。典型的な手法は、歯科用アマルガムの表面をバー
(又はマイクロサンドブラスチング技術を介して)で粗
くし、次いで接着剤を塗布することを含む。この表面の
改質は限られた接着力により機械的に保持された修復を
供するきめのある表面をもたらす。予めセットされてい
る歯科用アマルガムへの限られた接着力は言外に、破損
した歯科用アマルガムを新たな歯科用アマルガム又は複
合修復剤のいづれによっても修復することができるこ
と、及び歯科用アマルガムに複合修復材料を接着的に貼
り合わせることができないことを含んでいる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題及び課題を解決するため
の手段】本発明は接着促進用組成物を提供し、これは:
被着体のE°還元体の絶対値より高い酸化電位を有する
酸化体及び任意的に溶媒を含んで成るプライマー組成
物;並びに接着剤;を含んで成る。好ましくは、この酸
化体は約0.8ボルト以上の酸化電位を有する。本発明
はまた、硬化アマルガム表面を酸化剤で化学処理して、
その改質表面が歯科用接着剤及び修復剤に対して高めら
れた接着性を示すようにする方法を提供する。
【0009】本発明は修復材料を歯科用アマルガム基体
に接着する方法も提供し、この方法は下記の段階:プラ
イマー組成物を歯科用アマルガム基体に塗布する;この
処理せしめた歯科用アマルガム基体に接着剤を塗布す
る;この接着剤を硬化させる;次いで任意的にこの接着
剤に修復材料をかぶせる;ことを含んで成る。
【0010】この方法及び材料は、現状の歯科用アマル
ガムへの接着性を要求する用途、例えば、歯科用アマル
ガム修復剤に複合修復材料を美感的に貼り合わせる、及
び古い歯科用アマルガム修復剤を新しい歯科用アマルガ
ム又は複合修復材料で修復又は修正することを含む用途
にとって有用である。
【0011】本発明の好ましい方法においては、該プラ
イマーを被着体の上に所望の時間にわたり放置し、次い
ですすいで(例えば水すすぎにより)下塗り被着体を残
し、この被着体に接着剤の層をかぶせ、次いでこの接着
剤を硬化させ、そして任意的に複合物もしくは修復剤
(以降、かかる複合物及び修復物を総称して「修復剤」
と呼ぶ)又はその他の硬化性コーティングをかぶせる。
従って、本発明は被着体、例えば歯科用アマルガムの下
塗りを可能とし、これによりそれに適用された修復剤又
はコーティングの結合強度又は耐久性は向上する。
【0012】本発明は予めセットされた歯科用アマルガ
ムに対する強力な結合強度を達成せしめるための迅速、
且つ、簡単な方法に関する。歯科用アマルガムを、被着
体の見かけ電極電位(E°)還元体の絶対値より高いE
°、好ましくは約0.8ボルト以上を有する酸化体のプ
ライマー溶液で予備処理し、続いて接着剤、好ましくは
歯科用接着剤を塗布することは、未処理の基体に比べて
歯科用アマルガム基体への高められた接着力をもたらす
ことを発見した。他方、該酸化体及び接着剤は被着体
(例えば歯科用アマルガム、歯科用合金又は金属)に同
時に適用してよい。
【0013】本明細書で用いている「被着体」なる語は
プライマーを適用せしめる、そして接着剤を接着せしめ
る表面を意味する。本発明のプライマー及び接着剤は、
歯科用合金及びアマルガムを含む酸化されることのでき
る数多くの典型的な歯科用金属に対する接着力を高める
であろうものと現状信じられている。
【0014】本明細書で用いている「修復剤」なる語
は、公知の歯科用コーティング又は充填剤、例えば歯科
用複合物、修復剤、ガラスイオノマーセメント、シール
剤、アマルガム又はその他の硬化性コーティングを意味
する。
【0015】本明細書で用いている「歯科用アマルガ
ム」なる語は公知の常用の歯科用アマルガム合金を意味
する。常用のアマルガム調製物はカプセルとして入手で
き、これはアマルガム合金粉末及びカプセルの一先端に
位置する侵入性浮袋によりシールされている水銀を含
む。歯科医はアマルガム修復剤をまずこの合金粉末及び
水銀を含むカプセルをアマルガメーターの中に入れるこ
とにより調製する。このアマルガメーター又は通常呼ば
れている粉砕器は高速で振動し、従ってこのカプセル内
の金属棒が浮袋に侵入してその中に含まれている水銀を
放出させることができる。水銀が合金粉末と混ざり合う
と、合金粉末と水銀との間で反応が起き、そしてアマル
ガムはゆっくりと硬化(セット)し始める。この段階
で、アマルガムは歯の髓腔の中に填められる用意がなさ
れる。
【0016】常用の合金粉末は典型的には銀、スズ、銅
及び亜鉛の混合物である。常用のアマルガム合金粉末
は、「均合合金」として当業界で説明されている合金を
もたらすようなこれらの金属の適当な比率を有する。例
えば、銀の含有量を増やすことは、硬化アマルガムの膨
張率を高め、硬化時間を短くし、圧縮強度を高め、そし
てこの合金混合物を汞和することをより困難なものとす
る。スズはこれらの性質全てと反対の方向に挙動させる
ものと信じられている。銅及び亜鉛は膨張、硬化時間及
び強度に関しては銀と似たような性質を担うが、しかし
銅は主として強度を強めるために、そして亜鉛は曇りに
対する耐久性を高めるために利用されている。
【0017】常用の合金は大雑把には低銅合金(5%以
下の銅)と高銅合金(13%〜30%の銅)に分類され
る。削片粒子又は球形粒子の形状の適合する市販の低銅
アマルガム合金は典型的に下記の組成を含む:銀(63
〜70%)、スズ(26〜28%)、銅(2〜5%)及
び亜鉛(0〜2%)。削片粒子を利用する市販の高銅合
金は一般に下記の組成を含む:銀(40〜70%)、ス
ズ(26〜30%)、銅(2〜30%)及び亜鉛(0〜
2%)。球形粒子を利用する市販の高銅合金は一般に下
記の組成を含む:銀(40〜65%)、スズ(0〜30
%)、銅(20〜40%)、亜鉛(0%)及びパラジウ
ム(0〜1%)。水銀は一般にはアマルガム混合物の4
0〜60重量%を占める。一種の高銅アマルガム合金
が、L.D.Caulk Division, Dentsply International In
c. より商標名「DISPERSALLOY」合金のも
とで入手できる。この「DISPERSALLOY」合
金は約13%の銅を含み、そして混合「DISPERS
ALLOY」アマルガムは約50%の水銀を含む。
【0018】アマルガムは一世紀以上にわたって選り抜
きの歯科用修復剤とされ、そして歯科医に数多くの利
点、例えば比較的簡単な設置技術、歯の髓腔への容易な
る装着、利用当りの低価格、長期保持及び対立の歯列へ
の最少限の消耗を供している。しかしながら、歯科用ア
マルガムはそれらをあまり望ましくさせなくしてしまう
重大な欠点を有する。例えば、常用の歯科用アマルガム
は歯の構造及び美感的複合材料の両者への接着性を欠い
ている。その結果、アマルガム材を利用している修復剤
はヘリ漏出を示し、そして劣った美感を供する。
【0019】前述した通り、歯科用アマルガムの主成分
は金属性の水銀、銀及びスズを含む。この混合アマルガ
ム合金の酸化還元特性はこれらの個々の成分の関数であ
ると現状信じられている。従って、アマルガムを酸化す
るための能力は下記に示す銀、水銀及びスズの半減反応
(half reaction) の見かけ電極電位により支配される: Hg°→Hg2++2e E°=−0.854
ボルト Ag°→Ag+ +e E°=−0.799
ボルト Sn°→Sn2++2e E°=0.136ボ
ルト
【0020】酸化還元反応の起電力は下記の通りに半電
池電位を合計することによって計算されうる:E°電池
=E°酸化剤+E°還元剤。E°酸化剤とE°還元剤と
の合計がゼロ以上である組合せに関して、酸化還元反応
が起こるものと予測される水銀と銀は常用のアマルガム
組成物のうちの最大の比率を占めている。最も一般的な
歯科用アマルガムに関して、約0.8ボルト以上の電極
電位を有する酸化剤(「E°酸化剤」)はアマルガムの
表面改質を誘発し、従ってアマルガム表面への歯科用接
着剤及び複合物の接着力を高めることが発見された。
【0021】本発明のプライマーは酸化剤及び任意的に
溶媒を含んで成る。この酸化剤は液体又は固体であって
よい:固体なら、この酸化剤がアマルガム基を濡らすこ
とができるように適当な溶媒にそれを溶解又は分散させ
るべきである。液状酸化剤も、例えば濡れを助長せしめ
るように適当な溶媒の中に溶解させてよい。より詳しく
は、この酸化剤は、特定のアマルガム基体に対する所望
の度合いの接着力及びそれにかかわる用途を供するため
に溶媒に十分に相溶性であるべきである。例えば、アマ
ルガム上での接着力の度合いは下記に説明する試験法に
従って少なくとも7MPa 、より好ましくは少なくとも8
MPa 、そして最も好ましくは少なくとも10MPa の測定
平均剪断強度を供するのに十分であることが好ましい。
【0022】本発明における利用にとって適切な酸化剤
は被着体(例えばアマルガム基体)のE°還元剤の絶対
値より高い電極酸化電位を有し、そして被着体に所望の
表面改質を供するのに十分な濃度で適当な溶媒の中に可
溶性又は分散性であることが好ましい。本発明における
利用にとって好ましい酸化剤は約0.8ボルト以上の電
極酸化電位を有する。より好ましい酸化剤は約0.8ボ
ルト〜約3.0ボルトの電極酸化電位を有する。
【0023】本発明における利用のために適当な酸化剤
はアニオン、カチオン又は中性物質及びその混合物を含
む。本発明における利用にとって適当なアニオン酸化剤
には下記のアニオン:NO2 - ,NO3 - ,ClO-
ClO3 - ,ClO4 - ,BrO- ,BrO3 - ,IO
- ,IO3 - ,MnO4 - ,Cr2 7 - 及びS2 8
-2の酸又は塩を含む。本発明において利用するの適当な
カチオン酸化剤には、Ru+4,Cr+6,Rh+4,C
+4,Mn+3,CO+3及びCu+2が含まれる。本発明に
おいて利用するのに適当な中性(非イオン)酸化剤には
ClO2 ,Br2 ,MnO2 及びH2 2 が含まれる。
【0024】本発明において利用するのに好ましい酸化
剤にはNO3 - ,MnO4 - ,Cr 2 7 - ,S2 8
-2及びH2 2 が含まれる。
【0025】本発明の酸化剤を好ましくは1又は複数値
の溶媒と合わせ、次いでプライマー溶液の形態において
アマルガムの表面に塗布する。この溶媒はアマルガム基
体を濡らす、及び酸化剤を溶解又は分散するうえで役立
つ。この溶媒は電子の輸送においても役立ち、それ故酸
化反応を助長する。本発明の酸化剤にとって適当な溶媒
は有機溶媒(水を含む)であってこの酸化剤を溶解又は
懸濁させることのできるものである。前述した通り、こ
の酸化剤は接着剤の中に溶解又は懸濁してもよい。この
場合、かかる接着剤は溶媒として又は酸化剤の共溶媒と
して働きうる。
【0026】本発明の酸化剤にとって好ましい溶媒は極
性溶媒である。「極性溶媒」とは、溶液の中で電離して
導電性を担うような極性分子を含んで成る溶媒を意味す
る。考慮すべき極性溶媒の重要な性質は誘導率「ε」で
ある。この誘導率は溶媒の特性の大雑把な指針を供す
る。例えば、ある物質の誘導率はこの物質の中に浸され
ている荷電粒子を囲む電場の強度の、真空の中での同じ
粒子のまわりの電場の強度に対する低下の尺度となる。
一般に、そして本発明の目的に関して、極性溶媒は約1
5以上の誘導率を有し(ε≧〜15)、他方、非極性溶
媒は約15未満の誘導率を有する(ε<〜15)。本発
明における利用にとって好ましい溶媒は約15以上の誘
導率を有する。本発明における利用にとってより好まし
い溶媒は約30以上の誘導率を有する。本発明における
利用にとって最も好ましい溶媒は約70以上の誘導率を
有する。
【0027】適当な溶媒には、例えば水、アルコール
類、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノー
ル、2−プロパノール及び2−メチル−2−プロパノー
ル、ケトン類、例えばアセトン及びメチルエチルケト
ン、アルデヒド類、例えばホルムアルデヒド、アセトア
ルデヒド、プロピオンアルデヒド、アクロレイン、グル
タルアルデヒド及び2−ヒドロキシアジプアルデヒド、
アミド類、例えばアセトアミド及びN,N−ジメチルホ
ルムアミド、並びにその他の物質、例えばテトラヒドロ
フラン及びジメチルスルホキシドが含まれる。水が最も
好ましい。該プライマーは好ましくは約95重量%以下
の溶媒、より好ましくは約20〜約95重量%の溶媒、
最も好ましくは約30〜約95重量%の溶媒を含む。
【0028】溶媒に溶解すべき酸化剤の適当量は約0.
001モラー(「M」)〜溶解度の限界値であろう。よ
り好ましくは、溶媒に溶解すべき酸化剤の量は約0.1
M〜約15Mであろう。最も好ましくは、溶媒に溶解す
べき酸化剤の量は約1M〜約12Mであろう。その最適
量は特定の酸化剤についてのE°酸化値にある程度依存
する。例えば硝酸に関して、約0.8M〜約15Mの濃
度が好ましい。
【0029】酸化剤及び任意的な溶媒を所望の度合いの
下塗りを供するのに十分に長い間基体の表面の上に放置
させるべきである。放置時間は採用した特定の酸化剤及
び接着剤、基体のタイプ及び使用目的、並びにこの下塗
り手順を実施するのに利用できる時間に依存するであろ
う。アマルガムの下塗りに関して、約5分以内、そして
好ましくは約5秒〜1分の放置時間が非常に有効な下塗
りを提供するが、より短めの又は長めの時間を所望する
なら利用できうる。
【0030】本発明における利用にとって適切な接着化
合物(以降「接着剤」又は「化合物」と呼ぶ)には、歯
科用複合物を硬質組織、例えばぞうげ質、エナメル、骨
等に結合するうえで有用性が見い出されている組成物を
含む。典型的には、かかる接着剤は有機モノマー、オリ
ゴマー、ポリマー又は共溶媒を含んで成り、そして被着
体の表面上に硬化性(例えば重合性)な連続又は半連続
膜を形成することができる。更に、かかる接着剤は架橋
又は重合される前には一般に比較的低い粘度を有し、即
ち、流動性である。この接着剤は、任意の揮発性成分が
除去される前に、好ましくは被着体を濡らし、そして最
も好ましくは被着体の表面に予め存在しているか又は酸
化剤の作用によりそれに作り上げられた間隙の中にそれ
が流入することが可能なほど十分なる低い粘度を有して
いる。任意の揮発性成分の除去の後、この接着剤は好ま
しくは歯液又はその他の外生液による排除に耐えること
ができるほど十分に高い粘度を有する。好ましくは、こ
の接着剤は未重合及び重合状態の両方において口内環境
の中に利用されるのに適切である。燐化及び無燐の両方
のエチレン系不飽和化合物並びにその混合物が適切であ
る。下記に説明する水ベースセメント、例えばガラスイ
オノマーセメントも接着剤として適切である。
【0031】所望するなら、2個以上の接着剤の塗布が
利用される。例えば、第一接着剤を下塗り被着剤に塗布
し、続いて同一又は別の接着剤のいづれかの第二接着剤
を塗布してよい。この第一接着剤は任意的な第二接着剤
と相溶性であることが好ましい(例えばこの第一接着剤
は、第2接着剤と合わせたときに均質な溶液を形成でき
るか、又は第二接着剤と共重合もしくは架橋できるか、
又はその両方が可能である)。更に、この第一接着剤は
任意的な第二接着剤の塗布の前に任意的に硬化させてよ
い。
【0032】硬化の補助のため、この接着剤は1又は複
数種の架橋性物質又は重合性物質を含むことが好まし
い。付加重合性物質(例えばビニル化合物、例えばアク
リレート及びメタクリレート)が特に好ましい。この接
着剤はその硬化を助ける適切な重合触媒(例えば光開始
剤)を含んでもよい。
【0033】接着剤に利用するのに適切な無燐エチレン
系不飽和化合物はモノ−もしくはポリ−(例えばジ−、
トリもしくはテトラ−官能価)アクリレート及びメタク
リレート、例えばメチルアクリレート、2−ヒドロキシ
エチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート(「HEMA」)、トリエチレングリコールジアク
リレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、
ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート及び
ジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレ
ート、ヘキサメチレングリコールジアクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリ
トールテトラアクリレート、ポリアルキレングリコール
モノ−及びジ−アクリレート、ウレタンモノ−もしくは
ポリ−官能価アクリレート、2−及び3−ヒドロキシプ
ロピルアクリレート及びメタクリレート、1,3−及び
2,3−ジヒドロキシプロピルアクリレート及びメタク
リレート、2−ヒドロキシプロピル−1,3−ジアクリ
レート及びジメタクリレート、3−ヒドロキシプロピル
−1,2−ジアクリレート及びジメタクリレート、ペン
タエリスリトールジアクリレート及びジメタクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリメタクリレート及びトリ
アクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、2−トリメ
チルアンモニウムエチルメタクリル酸塩化物、グリセロ
ールジメタクリレート及びジアクリレート、グリセロー
ルモノメタクリレート及びモノアクリレート、ビスフェ
ノールAジアクリレート、テトラヒドロフルフランメタ
クリレート、グリセリル−1,3−ジメタクリレート、
エチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート及
び1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、並びに
上記の化合物の対応のアクリレート類又はメタクリレー
ト類、更にはアクリルアミド類及びメタクリルアミド
類、例えば2−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、2−ヒ
ドロキシエチルアクリルアミド及びメタクリルアミド、
N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド
及びメタクリルアミド、メタクリルアミドプロピルトリ
メチルアンモニウムクロリド、N−アルキル−N−ヒド
ロキシエチルアクリルアミド類及びメタクリルアミド
類、2−及び3−ヒドロキシプロピルアクリルアミド及
びメタクリルアミド、ビニル化合物、スチレン化合物、
並びに口内環境における利用に適切なその他のオレフィ
ン系不飽和化合物及びそれらの化合物が含まれる。米国
特許第4,499,251号、第4,515,930
号、第4,537,940号及び第4,539,382
号はかかる化合物の長いリストを含んでいる。特に好ま
しい接着剤は、メタクリル酸とビスフェノールAのジグ
リシジルエーテルとの反応に由来するジメタクリレート
(「ビス−GMA」)を、親水性モノマー、例えばHE
MA、ヒドロキシプロピルメタクリレート又はメタクリ
ル酸と合わせることにより獲得される。
【0034】代表的な無燐エチレン系不飽和歯科用接着
剤には、下記の商標名の接着剤、「SCOTCHBON
D2」 Dental Adhesive(3M),「SCOTCHBO
ND」 Multi-Purpose Dental Adhesive(3M),「C
ONCISE」 Enamel Bond(3M),「TENUR
E」Solution Dentin Bonding System (Den-Mat Cor
p.), 「GLUMA」 Bonding System (Columbus Denta
l Miles, Inc.) 及び「MIRAGE−BOND」 Dent
in-Enamel Bonding System (Chameleon Dental Product
s, Inc.) が含まれる。米国特許第4,514,527
号、第4,521,550号、第4,588,756号
及び第4,659,751号を参照のこと。
【0035】該接着剤に利用するのに適切なポリマーに
は硬化段階前に形成される線状、枝分れ又は環状ポリマ
ーが含まれる。本発明の目的のため、ポリマーは少なく
とも2個の反復単位を有する化学化合物である。それら
はエチレン系不飽和モノマーのポリマーであるか、又は
ポリマー系化合物、例えばポリエステル、ポリアミド、
ポリエーテル、ポリエチレングリコール、ポリエチレン
グリコールジメタクリレート及びジアクリレート、多糖
類、セルロース、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリ
ル、ポリウレタン、ポリ(ビニルクロリド)、ポリ(メ
チルメタクリレート)、フェノール−ホルムアルデヒ
ド、メラミン−ホルムアルデヒド及びウレア−ホルムア
ルデヒドである。所望するならばかかるポリマーの混合
物を使用できうる。
【0036】好ましいポリマーはエチレン系不飽和モノ
マーのポリマーである。これらのポリマーはホモ−又は
コ−ポリマーであってよく、そして親水基又は疎水基を
含んでよい。このポリマーは任意的に酸性基及びその塩
を含むか、又はその反応性誘導基を含んでよい。特に好
ましいポリマーは接着剤又は歯科用修復剤のその他の成
分と更に反応する(即ち、架橋又は共重合する)反応基
を含む。付加重合性反応基(例えばビニル基、例えばア
クリレート類及びメタクリレート類)が特に好ましい。
【0037】エチレン系不飽和モノマーのポリマーは通
常歯科用ガラスイオノマーセメントに用いられている。
これらのポリマーは本発明において特に有用であり、な
ぜならこれらは良好な生体適合性を有し、且つ、適当な
分子量を有するからである。イオノマーセメントのポリ
マー成分は通常アクリル酸とイタコン酸とのコポリマー
であるが、その他のモノマーも含まれていてよく、そし
て本明細書ではポリアルケノン酸と呼ぶ。一般的には、
Prosserら、Developments in Ionic Polymers-1,第5
章、 Applied Science Publishers (London and New Yo
rk, 1983)を参照のこと。近年、かかるポリマーは
本発明の譲受人の研究室において、前記した付加重合性
反応基の一体化により更に改質されている。その製造は
下記及び米国特許第5,130,347号に記載されて
いる。
【0038】本発明の適切なポリマー化合物は約1,0
00以上、しかしながら好適には2,000,000以
下の硬化前の重量平均分子量を有する。より好ましく
は、本発明のポリマー化合物はゲル浸透クロマトグラフ
ィーを利用してポリスチレン標準品に対して評価して約
1,000〜1,000,000の硬化前の重量平均分
子量を有する。最も好ましくは、本発明のポリマー化合
物は約5,000〜200,000の硬化前の重量平均
分子量を有する。
【0039】適切なエチレン系不飽和燐化化合物は、炭
素、窒素、酸素又は硫黄原子を通じて1又は複数のエチ
レン系不飽和基を含む基に結合している1又は複数の燐
原子を含んで成る。好ましいエチレン系不飽和基はアク
リレート及びメタクリレート基の中にそれぞれ見い出せ
るエテニル及び2−プロペニルである。1又は複数の燐
原子が1又は複数のハロゲン原子、活性水素原子又は置
換化もしくは未置換炭化水素基(例えばアルキル、アリ
ール、アルクアリール又はアリアルキル基)に結合して
いてよい。適当な燐化化合物の特定のクラスがヨーロッ
パ特許公報第0,058,483号及び米国特許第4,
515,930号に記載されている。これらの燐化化合
物には、1又は複数の燐酸の有機エステルを含んで成
り、前記エステルの有機基は少なくとも1個のエチレン
系不飽和基を含み、ここで前記エステルは燐に直接結合
している塩素又は臭素を有している(以降、「ハロ燐酸
エステル」と呼ぶ)。かかるハロ燐酸エステルの好まし
いサブクラスには、ビス−GMAを燐酸ハライドと反応
させることにより作られるビスフェノールAのジグリシ
ジルメタクリレート(「ビス−GMA」)のハロ燐酸エ
ステルが含まれる。ビス−GMAと反応しうる燐酸ハラ
イド(例えば塩化物、臭化物)には、POCl 3 ,PC
3 ,PBr3 ,R′OP(O)Cl2 ,(R′O)2
(O)Clが含まれ、ここでR′は炭化水素基であり、
好ましくはヒドロキシル含有化合物、例えば2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート、エチレングリコール、ポリ
エチレングリコール、ペンタエリスリトール等からの、
このヒドロキシル含有化合物と燐酸ハライドとの反応に
由来するであろう1又は複数のヒドロキシル基の除去に
由来するものである。燐化化合物の特に好ましいクラス
にはビス−GMAのクロロ燐酸エステルが含まれる。
【0040】燐化化合物の更なる適当なクラスには、米
国特許第3,882,600号、第3,997,504
号、第4,222,780号、第4,235,633
号、第4,259,075号、第4,259,117
号、第4,368,043号、第4,442,239
号、第4,499,251号、第4,514,342
号,第5,537,940号、第4,539,382
号、第4,657,941号、第4,816,495
号、第4,966,934号及び日本国特許公開公報第
85−17235号に記載されている燐酸エステルが含
まれる。このクラスの典型的な構成員は2−メタクリロ
イルオキシエチルフェニルホスフェート及び10−メタ
クリロイルオキシデシル二水素ホスフェートである。
【0041】燐化化合物の更なる適当なクラスには、米
国特許第4,383,052号及び第4,404,15
0号、並びに日本国公開公報第57−143372号及
び57−167364号に記載のピロホスフェートエス
テル誘導体が含まれる。グリセロホスフェートジメタク
リレートも適当である。
【0042】該接着剤は1又は複数種の適当な共溶媒を
含んで成ることが好ましい。この共溶媒は被着体を濡ら
すうえで、及び接着物質を溶解又は分散せしめるうえで
役立つ。適当な共溶媒には水、アルコール類、例えばメ
タノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパ
ノール及び2−メチル−2−プロパノール、ケトン類、
例えばアセトン及びメチルエチルケトン、アルデヒド
類、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロ
ピオンアルデヒド、アクロレイン、グルタルアルデヒド
及び2−ヒドロキシアジプアルデヒド、アミド類、例え
ばアセトアミド及びN,N−ジメチルホルムアミド、並
びにその他の物質、例えばテトラヒドロフラン及びジメ
チルスルホキシドが含まれる。この接着剤は好ましくは
約95重量%以下の共溶媒、より好ましくは約85重量
%以下の共溶媒、最も好ましくは約50重量%以下の共
溶媒を含む。
【0043】その他の補助剤、例えば重合触媒、医薬
品、フッ化化合物、インジケーター、色素、湿潤剤、緩
衝剤、充填剤、チキソトロープ等を、所望の被着上での
利用にとっての所望の度合いの結合性能の達成及び適切
性に依存してこの接着剤に含ませてよい。
【0044】歯科業界において利用されている多数の水
ベースセメントが本発明において有用であることも注目
すべきである。これらの水ベースセメントは前述の接着
剤と同じ成分の一部を含みうるが、しかしはるかに高い
粘度を有することにより前記の接着剤と区別され、そし
て荷重保持用途における利用に推奨されているものであ
る。更に、これらのセメントは該組成物の架橋を補助す
る反応性ガラス充填剤を採用する。その例には、酸化金
属セメント、例えば米国特許第3,655,605号に
記載されているもの、及びフルオロアルミノシリケート
ガラスセメント(「ガラスイオノマーセメント」として
も知られる)、例えば、同特許の実施例6、並びに米国
特許第3,814,717号、第4,043,327
号、第4,143,018号、第4,209,434
号、第4,872,936号及び第5,130,347
号;ヨーロッパ特許出願第0,329,268号及びオ
ーストラリア公開特許明細書第46717/89号に記
載されているものが含まれる。
【0045】一般に、接着剤として水ベースセメントを
使用するとき、それは二部に分けられるが、三部以上を
採用する製剤も所望するならば作ることができる。二部
製剤においては、第一部は典型的には酸反応性充填剤を
含む粉末部分である。第二部は典型的には酸性ポリマー
及び水を含む液状部分である。この水ベースセメントは
任意的に上記に挙げたタイプのモノマーを含みうる。
【0046】本発明は粉末:液体製剤に限定されない。
例えば、充填剤、ポリマー、還元剤及び酸化剤を含む一
部無水製剤を調製することができる。これらは乾燥状態
で販売され、そして水を加えることによって使用の用意
がされる。また、二部のペースト:ペースト製剤を、酸
−反応性充填剤に、この充填剤と反応しない適当な重合
性液(例えば2−ヒドロキシエチルメタクリレート又は
「HEMA」)を加えることによってまず第1ペースト
を作ることにより、調製することができる。前述の酸性
ポリマーをこの酸性ポリマーと反応しない適当な充填剤
(例えば粉砕石英)と合わせて第2ペーストを作る。こ
の2つのペーストは、それらを混ぜ合わせることによっ
て使用のために用意される。この合わされたペースト
は、その混合物が歯科用接着剤として有用となるよう
に、十分に低い充填剤装填量及び十分に低い粘度を有す
ることが好ましい。その他の有用な形態が当業者に慣れ
親しまれている。しかしながら、便宜上、本特許明細書
の残りは何らかのことわりがない限り粉末:液体製剤に
関している。
【0047】該接着剤は水を含んでよい。水は販売され
る製品の中に存在しているか、又は使用直前に歯科医に
より加えられてよい。水は蒸留、脱イオン又は単なる水
道水でよい。一般に脱イオン水が好ましい。水の量は適
当な取扱い及び混合特性を供し、並びに充填剤−酸反応
におけるイオンの輸送を可能とするのに十分とすべきで
ある。好ましくは、水はこの接着剤を作るため利用した
成分の総重量の少なくとも約1%、より好ましくは約3
%〜約60%、そして最も好ましくは約5%〜約40%
を占める。
【0048】一般に、水ベースセメントはイオン的硬化
性である。このことはそれらが、合わされたときイオン
反応を通じて硬化した塊を生成できる成分を含むことを
意味する。イオン反応はポリマー上の酸性基と充填剤上
の酸−反応性基との間で生ずる。
【0049】好ましくは、水ベースセメントはエチレン
系不飽和基も含む。換言すれば、それらは好ましくは少
なくとも1個のエチレン系不飽和成分を含む。エチレン
系不飽和成分は独立の成分として存在するか(例えばア
クリレート−又はメタクリレート−官能モノマーとし
て)、又は所望されるなら、別の成分として、例えば酸
性ポリマー上の基として存在していてよい。広範囲にわ
たる様々なエチレン系不飽和成分が利用できる。適切な
材料の有用なリストがオーストラリア公開特許明細書第
46717/89号の第9頁、第13行〜第13頁、最
後の行に示されている。挙げられている多数の材料のう
ちで、水混和性又は水溶性アクリレート及びメタクリレ
ート類、例えば2−ヒドロキシエチルメタクリレート、
ヒドロキシメチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリ
レート、グリセロールモノ−又はジ−メタクリレート、
トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレン
グリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコール
ジメタクリレート、ウレタンメタクリレート、アクリル
アミド、メタクリルアミド、メチレンビス−アクリルア
ミド又はメタクリルアミド、並びにジアセトンアクリル
アミド及びメタクリルアミドが好ましい。所望されるな
ら、エチレン系不飽和成分の混合物が利用できる。好ま
しくは、このエチレン系不飽和成分は酸性ポリマー上の
基として存在しており、下記に更に詳しく説明する。こ
のアセチル系不飽和基は好ましくは、適当な触媒(例え
ば光開始剤及び/又は還元剤:酸化剤の組合せ)により
促進されたときにフリーラジカル重合又は架橋できるこ
とが好ましい。
【0050】一般に、水ベース接着剤は酸−反応性充填
剤を含む。この充填剤は、他の接着剤成分と簡単に混ざ
り合い、そして口の中で利用されうるように十分に細く
分割されているべきである。セメント中の充填剤の好適
な平均粒径は約0.2〜約15マイクロメーター、より
好ましくは約1〜10マイクロメーターであり、これは
例えば沈降分析機を利用して測定される。適切な酸−反
応性充填剤には酸化金属、金属塩及びガラスが含まれ
る。好ましい酸化金属には酸化バリウム、酸化カルシウ
ム、酸化マグネシウム及び酸化亜鉛が含まれる。好まし
い金属塩には多価カチオン類、例えば酢酸アルミニウ
ム、塩化アルミニウム、塩化カルシウム、塩化マグネシ
ウム、塩化亜鉛、硝酸アルミニウム、硝酸バリウム、硝
酸カルシウム、硝酸マグネシウム、硝酸ストロンチウム
及びフルオロ硼酸カルシウムが含まれる。好ましいガラ
スにはボレートガラス、ホスフェートガラス及びフルオ
ロアルミノシリケートガラスが含まれる。フルオロアル
ミノシリケートガラスが特に好ましい。適当な充填剤は
当業者に慣れ親しまれている様々な商業起源より入手す
ることもできる。例えば、適当な充填剤は数多くの市販
のガラスイオノマーセメント、例えば「GC Fuji
LC」(商標)接着剤及び「Kerr XR」(商
標)イオノマーセメントから入手できうる。充填剤の混
合物が所望するならば利用できる。
【0051】所望するなら、充填剤を表面処理に付して
よい。適切な表面処理には酸洗浄、リン酸処理、キレー
ト化性剤例えば酒石酸による処理、オーストラリア公開
特許第46717/89に記載のようなシランによる処
理、及びシラノール溶液による処理が含まれる。
【0052】充填剤の量は硬化前に所望の混合及び取扱
い特性を有する接着剤を供するのに、並びに硬化後に良
好な接着性能を供するのに十分な量とすべきである。こ
の充填剤は好ましくは、未硬化の接着剤の総重量(水を
含む)の約90重量%、より好ましくは約25〜約85
重量%、そして最も好ましくは約30〜約75重量%を
占める。
【0053】この酸性ポリマーは全体的に水溶性である
必要はないが、しかし接着剤の液状成分と組合されたと
きに実質的に分離しないほど少なくとも十分に水混和性
であるべきである。適切な酸性ポリマーには、引用する
ことで本明細書に組入れる米国特許第4,209,43
4号の第2欄、第62行〜第3欄、第6行に記載されて
いるものが含まれる。好ましい酸性ポリマーには、アル
ケノン酸、例えばアクリル酸、イタコン酸及びマレイン
酸のホモポリマー及びコポリマーが含まれる。適当なポ
リマーは広範囲にわたる様々な商業起源からも入手で
き、そして現状入手できるガラスイオノマーセメントの
中に数多くのものが見い出せる。当業者に明らかな通
り、このポリマーは良好な貯蔵、取扱い及び混合特性を
供するのに十分な分子量を有すべきである。好ましい分
子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーを利用してポリス
チレン標準品に対して評価して、約2,000〜約10
0,000の重量平均分子量(「Mw」)である。酸性
ポリマーは1又は複数のエチレン系不飽和基を含むこと
が好ましい。適当なエチレン系不飽和基が米国特許第
4,872,936号及び第5,130,347号に記
載されている。好ましくは、酸性基及びエチレン系不飽
和基の数は、硬化反応中及び接着剤が硬化された後の両
方で、各接着剤において適切な性質の均合が供されるよ
うに調節する。約10〜約30%の酸性基がエチレン系
不飽和基で置き換えられている酸性ポリマーが好まし
い。
【0054】各接着剤中の酸性ポリマーの量も所望の物
理的性質の均合を供するのに十分であるべきである。好
ましい酸性ポリマーの量は未硬化接着剤成分の総重量
(水を含む)の少なくとも約5%、より好ましくは約1
0〜約50%、そして最も好ましくは約10〜約30%
である。
【0055】接着剤の中に含まれうる重合触媒は自己硬
化又は光硬化触媒(即ち、化学線、例えば可視光に感受
性な触媒)、例えば米国特許第4,539,382号の
第28及び第27欄に記載されているもの、米国特許第
3,954,475号に示されているような発色団置換
化ハロメチル−S−トリアジン類、米国特許第4,21
2,970号に示されているような発色団置換化ハロメ
チル−オキサジオゾール類、及びヨーロッパ特許出願第
0,290,133号に示されているようなアリールヨ
ードニウム塩である。
【0056】本発明の接着剤の任意的な光開始剤は適当
な波長及び強さの光に対する暴露に基づいてエチレン系
不飽和成分のフリーラジカル架橋を促進することが可能
であるべきである。それは典型的な歯科条件のもとでそ
の貯蔵及び使用が可能となるよう十分に棚安定性であ
り、且つ、望ましくない着色性がないことも好ましい。
可視光光開始剤が好ましい。水ベース接着剤にとって
は、この光開始剤は水溶性又は水混和性であることが好
ましい。極性基を保有する光開始剤は通常十分な度合い
の水溶解性又は水混和性を有している。この光開始剤は
よく単独で利用されうるが、しかし典型的には適当なド
ナー化合物又は適当な加速剤(例えばアミン類、過酸化
物、燐化合物、ケトン類及びアルファ−ジケトン化合
物)と組合されて利用される。
【0057】好ましい可視光誘発型開始剤にはカルホル
キノン(「CPQ」、これは一般に適当な水素ドナー、
例えばアミンと組合される)、ジアリールヨードニウム
単純又は金属錯体塩、発色団置換化ハロメチル−S−ト
リアジン類及びハロメチルオキサジアゾール類が含まれ
る。特に好ましい可視光誘発型光開始剤には、アルファ
−ジケトン、例えばカルホルキノンと、ジアリールヨー
ドニウム塩、例えばジフェニルヨードニウムクロリド、
ブロミド、ヨージド又はヘキサフルオロホスフェート
(「DPIHFP」)との、追加の水素ドナー(例えば
ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、アミン類及びアミン
アルコール類)を有す又は有さない組合せが含まれる。
【0058】好ましい紫外光誘発型重合開始剤にはケト
ン類、例えばベンジル及びベンゾイン、並びにアクロイ
ン類及びアクロインエーテル類が含まれる。好ましい市
販の紫外光誘発型重合開始剤には2,2−ジメトキシ−
2−フェニルアセトフェノン(「IRGACURE65
1」)及びベンゾインメチルエーテル(2−メトキシ−
2−フェニルアセトフェノン)が含まれ、共にCiba Gei
gy社より入手できる。
【0059】この光開始剤は所望の速度の光重合を供す
るのに十分な量で存在すべきである。この量はある程
度、光源、放射エネルギーに暴露すべき接着層の厚み、
及び光開始剤の吸光係数に依存するであろう。典型的に
は、光開始剤成分は未硬化接着剤の総重量(水を含む)
に基づいて、約0.01〜約5%、より好ましくは約
0.1〜約5%の総重量で存在するであろう。水ベース
セメント接着剤に関して、光開始剤は各接着剤の粉末又
は液体部のいづれかに含まれていてよい。
【0060】エチレン系不飽和基を含む水ベースセメン
トにおける利用に好ましい開始剤系は水溶性還元剤と水
溶性酸化剤との組合せである。水溶性還元剤と水溶性酸
化剤は一緒に説明するのが最も好都合である。それらは
互いに反応又はそうでなければ協力し合ってエチレン系
不飽和成分の重合を開始させることのできるフリーラジ
カルを生成すべきである。この還元剤及び酸化剤は典型
的な歯科条件のもとでその貯蔵及び利用が可能となるよ
うに十分に棚安定性であり、且つ、所望されない着色性
を有さないことが好ましい。それらは他の成分中に容易
に溶ける(且つ、それから分離しない)ことを可能とす
るように十分に水溶性であるべきである。好ましくは、
還元剤及び酸化剤は少なくともその200ppm が水の中
に容易に溶けるほど十分に可溶性であり、そしてこの溶
液を1週間放置しておいた後に溶けていない物質が観察
されないであろうものであるべきである。還元剤及び酸
化剤は適切なフリーラジカル反応速度を可能とするのに
十分な量で十分に可溶性であり、且つ、存在しているべ
きである。これは接着剤の成分のうちの充填剤を除く全
てを安全光の条件のもとで組合せ、次いで硬化した塊が
得られるかどうかを観察することによって評価できる。
還元剤及び酸化剤は水溶性であり、且つ、水性架橋性ア
クリルアミド溶液のゲル化を開始せしめるのに十分な還
元及び酸化電位を有することが好ましい。これは2重量
%づつの還元剤及び酸化剤を水性アクリルアミドメチレ
ンビス−アクリルアミド溶液(引用することで本明細書
に組入れる米国特許第5,154,762号の表Iaに
記載)に加え、次いで30分以内にゲル化が起きるかど
うかを観察することによって評価できる。有用な還元剤
/酸化剤の組は「Redox Polymerization」G.S.Misra 及
び U.D.N.Bajpai, Prog.Polym.Sci., 8,61−131
(1982)に示されている。
【0061】好ましい還元剤にはアスコルビン酸、塩化
コバルト(II)、塩化第一鉄、硫酸第一鉄、ヒドラジ
ン、ヒドロキシルアミン(酸化剤の選択に依存して)シ
ュウ酸、チオウレア、及びジチオニット又はスルフィッ
トイオンの塩が含まれる。好ましい還元剤には塩化コバ
ルト(III)、tert−ブチル−ヒドロペルオキシド、
塩化第二鉄、ヒドロキシルアミン(還元剤の選択に依存
して)、過硼酸及びその塩、並びに過マンガン酸又は過
硫酸アニオンの塩が含まれる。過酸化水素も利用できる
が、任意的な光開始剤が存在しているとそれを妨害して
しまうことがある。
【0062】還元剤及び酸化剤の量はエチレン系不飽和
成分の所望の度合いの重合を供するのに十分であるべき
である。還元剤及び酸化剤各々の好適な量は、接着剤成
分の総重量(水を含む)に基づいて約0.01〜約10
%、より好ましくは約0.02〜約5%である。
【0063】還元剤又は酸化剤はマイクロ封入されてい
てよい。これは一般に棚安定性を高め、且つ、還元剤及
び酸化剤の両方を一緒に包装することを可能とする。例
えば、封入剤の適切な選択を介して、酸化剤及び還元剤
の両者を充填剤と組合せ、そして貯蔵安定状態に保つこ
とができる。同様に、水不溶性封入剤の適切な選択を介
して、還元剤及び酸化剤を水及び酸性ポリマーと組合
せ、次いで貯蔵安定状態に保つことができる。
【0064】水溶性又は水不溶性のいづれの封入剤を利
用することができる。しかしながら、水不溶性封入剤が
好ましく、なぜならそれらは一般に多湿条件のもとでよ
り長い貯蔵安定性を供するからである。水不溶性封入剤
の利用は水ベース接着剤において最初は不適切のように
思えるが、強力な機械的混合が一般にカプセル壁を十分
に破砕し、そして封入された還元剤又は酸化剤の適切な
放出を可能にし、そして接着剤のその後の硬化を可能に
することが見い出されている。
【0065】封入剤は医学的に許容されるポリマーであ
ることが好ましい。また、封入剤のガラス転移温度(T
g)は室温以上であることが好ましい。
【0066】広範囲にわたる様々な封入剤が利用でき、
ここでセルロース系材料、例えばセルロースアセテー
ト、セルロースアセテートブチレート、エチルセルロー
ス、ヒドロキシメチルセルロース及びヒドロキシエチル
セルロースが好ましい。その他の封入剤には、ポリスチ
レン、ポリスチレンとその他のビニル系モノマーとのコ
ポリマー、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリ
レートとその他のエチレン系不飽和モノマーとのコポリ
マー、及び封入剤の当業者に慣れ親しまれているその他
の材料が含まれる。
【0067】カプセル自体は完全に球形又は均一な形態
である必要はない。それは単に所望されない早期重合を
もたらすことなく接着剤中の封入材料の貯蔵を可能する
ほどに十分な状況で封入された還元剤又は酸化剤を拘束
又は捕捉するだけで十分である。
【0068】水溶性封入剤の中に還元剤又は酸化剤を封
入するには、封入剤を適当な水非混和性溶媒、例えばメ
チルアセテート、エチルアセテート又は塩化メチレンの
中に溶かすことが好ましい。その間、還元剤又は酸化剤
を水の中に溶かしておく。この水溶液を次にこの封入剤
及び水非混和性溶媒の溶液に加えることができる。均質
なマイクロカプセル形成を助長するために撹拌又はその
他の高速剪断技術を利用することが好ましい。この水非
混和性溶媒の蒸発又はこの封入剤を沈殿せしめるであろ
う第二水非混和性溶媒(例えばn−ヘキサン)の添加の
いづれかにより水性溶液の液滴のまわりにカプセルシェ
ルが形成される。次にこのカプセルを冷却、次いで濾過
によって取り出すことができる。
【0069】水溶性封入剤の中に還元剤又は酸化剤を封
入するためには、水非混和性有機溶媒の中の封入剤の撹
拌溶液の中に乾燥還元剤又は酸化剤を懸濁することが好
ましい。強力な撹拌は還元剤又は酸化剤の均質な封入を
助長するであろう。カプセルは蒸発又は沈殿により形成
され、そして上記の技術を利用して取出すことができ
る。
【0070】この接着剤は任意的にキレート化性剤を含
みうる。好ましいキレート化性剤には酒石酸、エチレン
ジアミン四酢酸、クエン酸及びこれらの酸の塩等が含ま
れる。
【0071】上記にも述べた通り、プライマー及び接着
剤に常用の修復剤又はコーティングをかぶせることが好
ましい。これにより、硬い組織は常用の技術を利用して
仕上げることができる。例えば、歯の組織の上で、プラ
イマーに歯科用接着剤、歯科用イオノマーセメント及び
/又は歯科用修復剤をかぶせることができ、従って例え
ば歯の修復、クラウン、ブリッジワークもしくはその他
の補てつ具を装着させる、又は歯科矯正用ブラケットを
被着体に結合させるのに利用される。
【0072】本発明のプライマー、接着剤及び修復剤
は、これらの材料及び任意の塗布具、例えばブラッシ、
ドロッパー、スパチュラ又はスポンジを含む「キット」
の中に包装されていることが好ましい。より好ましく
は、このキットはアマルガム材料も含む。
【0073】剪断強度の試験方法 予めセットしたアマルガムに対する複合修復剤の接着力
を下記の通りに評価した。直径25mm、高さ10mmのア
クリルシリンダーを作り、そして直径6mm、深さ約3mm
の穴を各アクリルシリンダーの中心に開けた。DISP
ERALLOY(商標)アマルガムを製造者の仕様に従
って粉砕し、そしてこのアクリルシリンダー内の穴の中
に入れた。次にこのアマルガムサンプルを15分間硬化
させ、水に移し、そして37℃で少なくとも24時間保
存した。各アマルガムの露出部分を宝石細工用ホイール
上の120シリカカーバイド紙補強研磨具を用いて平
ら、且つ、このアクリルシリンダーに平行に研磨して、
アマルガム表面を露出させた。この研磨及びみがき段階
の最中及び後、このアマルガムサンプルを水で連続的に
すすいだ。この宝石細工用ホイールの上にグレード60
0紙補強研磨具を装着させることによって更なるみがき
を行った。このアマルガムサンプルを水の中に保存し、
そしてこのみがきの後2時間以内に使用した。このみが
いたアマルガムを水から取り出し、そして使用前に圧縮
エアー流を用いて乾かした。
【0074】本発明の一つの酸化剤のうちのプライマー
溶液をこのアマルガム表面に塗布し、30秒間放置し、
水ですすぎ、そして無油エアーで乾かした。少なくとも
一層の接着剤をこの乾いた表面の上に載せ、次いで適宜
に硬化させた。厚さ2.5mmの「テフロン」シートより
成り、シートにわたって径5mmの穴がある予め作ってお
いたモルドにゼラチンカプセルスリーブを填めて径4.
72mmの穴を作り、そしてこの下塗りしたアマルガムサ
ンプルにクランプさせた。この穴に可視光硬化歯科用修
復剤(例えばP−50(商標) Universal shade, 3M
より入手可能)を填め、そしてVISILUX(商標)
2硬化用ライト(3Mより入手可能)由来の30秒間の
照射によって硬化させた。このサンプル及びモルドを室
温で5分放置し、そして蒸留水の中に37℃で24時間
保存した。次にこのモルドをサンプルから慎重に取外
し、サンプル表面に付着したボタン状に成形された修復
剤のプラグが得られた。
【0075】接着強度は、アクリル板を「Instro
n」装置のジョーにクランプされたホルダーの中に、み
がき上げたサンプル表面を引張方向に対して平行に向け
て装着させることによって評価した。ワイヤー(径4m
m)のループをみがき上げられたサンプル表面に隣接す
る修復ボタンのまわりにかけたワイヤーの先をInst
ron装置の引張ジョーにクランプし、これによりこの
結合物に剪断応力を付し、そして外れるまで2mm/min.
のクロスヘッドスピードで引っ張った。
【0076】下記の実施例は本発明の理解を助けるうえ
で提供し、その範囲を限定するものではない。何らかの
ことわりのない限り、全ての部及びパーセンテージは重
量で示す。
【0077】
【実施例】
調製例1 tricureイオノマー組成物の調製 「tricure」イオノマー組成物を下記の粉末及び
液体を混合することにより調製した。液体は下記の表A
に記載の成分を混合することによって調製した。
【0078】
【表1】
【0079】この粉末はガラス及び2種類の別々の顆粒
マイクロカプセルを含む。ガラスは下記の表Bに記載の
成分をまず混合することによって調製した。それらの成
分を次に約1350〜1450℃のアーク炉の中で溶融
させ、この炉から薄いストリームの中に注ぎ入れ、そし
てチルローラーを用いて急冷してアモルファス単相フル
オロアルミノシリケートガラスを供した。
【0080】
【表2】
【0081】ガラスをボールミルに付して、 Brunauer,
EmmetとTeller(「BET」)法を利用して測定して
3.0m2 /gの表面積を有する微粉砕フリットを得
た。4部の「A−174」ガンマ−メタクリルオキシプ
ロピルトリメトキシシラン (Union Carbide 社) 、0.
44部の氷酢酸、25部のメタノール及び25部の水を
室温で15分混合して、シラノール含有溶液を作った。
上記で調製したガラス100部をこのシラノール含有溶
液に合わせ、室温で1.5時間スラリー化し、45℃で
一夜乾かし、そして74μmのメッシュスクリーンで篩
った。
【0082】顆粒アスコルビン酸含有球形マイクロカプ
セルを、47.62部の水の中の2.38部のアスコル
ビン酸をエチルアセテート中の1%のセルロースアセテ
ートブチレート溶液366部と混合することによって作
った。この混合物を、その容器を氷水浴の中に浸して7
00rpm で撹拌することにより4℃に保った。267部
の氷冷n−ヘキサンを30分かけてこの溶液に加えた。
顆粒沈殿物を濾過し、氷冷n−ヘキサンで洗い、真空の
もとで乾かし、そして電気ミルの中で粉砕した。同様に
してアスコルビン酸をK2 2 8 に置き換えることに
より過硫酸カリウムを含む球形マイクロカプセルを調製
した。
【0083】tricure粉末は100部のシラノー
ル処理ガラス、0.55部のアスコルビン酸マイクロカ
プセル及び0.1部のK2 2 8 マイクロカプセルを
一時間一緒に混練することによって調製した。
【0084】調製例2 歯科用接着剤系の調製 歯科用「プライマー」を下記の表Cに記載の成分を混合
することによって調製した。
【0085】
【表3】
【0086】歯科用「接着剤」を下記の表Dに記載の成
分を混合することによって調製した。
【0087】
【表4】
【0088】実施例1 前述した剪断強度試験方法を利用して、歯科用複合体
(P−50(商標)、3Mより入手可能)と硬化アマル
ガム(DISERSALLOY)との間の結合の剪断強
度を評価した。第一に、アマルガム表面に第1表に記載
の酸化剤溶液のいづれかを下塗りした。下塗り後、この
表面を水ですすぎ、そしてエアーストリームで乾かし
た。次にこの表面に液状硬化型イオノマーセメント
(1.4:1の粉末、対、液体の比を有するtricu
reイオノマー)をコートし、そしてVISILUX
(商標)2歯科用硬化ランプ(3M)を用いて40秒間
照射せしめた。次に、光硬化型歯科用接着剤(SCOT
CHBOND(商標) Dual Cure接着剤、3Mより入手
可能)のコーティングをこのコート化表面に施し、そし
てVISILUX(商標)2ランプを用いて10秒間硬
化させた。最後に、P−50(商標)複合体(3M)を
載せ、そし前述した通りに硬化させた。第1表に記載し
てあるのは試験番号(#)、プライマー溶液、酸化剤の
E°(ボルト)、及び平均剪断接着値(MPa )である。
各試験について10サンプルを調べた。
【0089】この結果が示すには、0.8ボルト以上の
半電池酸化電位(E°)を有する酸化剤で予備処理した
ほぼ全てのサンプルが未処理のコントロールに比べて向
上した接着力を示した。0.8ボルトより低い半電池酸
化電位を有する酸化剤で処理したどのサンプルについて
も向上は認められなかった。
【0090】
【表5】
【0091】実施例2 アマルガム表面を水中の37%の燐酸溶液又は水中の3
0%の過酸化水素溶液のいづれかで予備処理した。別の
アマルガム表面は比較のために未処理のままにした。t
ricureイオノマー接着剤を実施例1に記載の通り
に、3通りの粉末:液体比(0.7:1,1:1及び
1.4:1)において、処理又は未処理サンプルに個別
に塗布した。次にSCOTCHBOND Dual Cure接着
剤及びP−50複合体を実施例1に記載の通りに、イオ
ノマー表面に順に塗布した。第2表に記載してあるのは
試験#、プライマー溶液、酸化剤のE°(ボルト)、t
ricure組成物の粉末:液体の比、及び平均剪断接
着値(MPa )である。5つのサンプルを各試験について
調べた。
【0092】結果が示すには、過酸化水素予備処理
(0.8ボルト以上のE°)は未処理アマルガムに比べ
て高い接着力上昇を供し、一方、燐酸予備処理(0.8
ボルト以下のE°)は接着性能に最少限の影響を及ぼ
す。
【0093】
【表6】
【0094】実施例3 アマルガム表面を水中の37%の燐酸溶液又は水中の7
0%硝酸溶液のいづれかで予備処理した。別のアマルガ
ム表面は比較のために未処理のままにしておいた(試験
#1)。tricureイオノマー接着剤を処理又は未
処理表面に、1.4:1の粉末:液体の比で塗布し、次
いで30秒硬化させた。SCOTCHBOND Dual Cu
re接着剤及びP−50複合体を次に実施例1に記載の通
りにコート化イオノマー表面に順に載せた。
【0095】第3表に結果をまとめ、非酸化型燐酸予備
処理又は未処理コントロールに比べて、硝酸の酸化予備
処理が有意に向上した接着力を供することが示唆されて
いる。
【0096】
【表7】
【0097】実施例4 アマルガム表面を硝酸の水性溶液(0.0,5.0又は
70.0重量%の硝酸を含む)で予備処理した。tri
cureイオノマー接着剤を処理表面に、実施例2に記
載の通りに、3通りの粉末:液体の比(0.7:1,
1:1及び1.4:1)で別々に塗布した。次にSCO
TCHBOND Dual Cure接着剤及びP−50複合体を
実施例2に記載の通りに各硬化イオノマー表面に順に載
せた。第4表に示しているのは試験#、プライマー溶
液、VITREBOND(商標)ガラスイオノマーの粉
末、対、液体の比、及び平均剪断接着値(MPa )であ
る。
【0098】データーが示すには、硬化アマルガムに対
する接着力は水性硝酸による予備処理を通じて向上し、
この接着力の上昇は硝酸の濃度の上昇に伴い、そして粉
末:液体の比はこの予備処理において高濃度の硝酸が存
在しているときに接着性能に影響することが認められ
た。類似の効果が実施例2に認められた。
【0099】
【表8】
【0100】実施例5 アマルガム表面を実施例1に記載の通りに、0.0,
7.5,15.0又は30%の過酸化水素を含む水性溶
液で予備処理した。2つの接着剤系を次にこの予備処理
基体に対する接着力について評価した。tricure
イオノマー(調製例1に記載)、続いてSCOTCHB
OND Dual Cure接着剤(以降系「A」と呼ぶ);又は
歯科用プライマー、続いて歯科用接着剤(調製例2に記
載しており、そして以降系「B」と呼ぶ)をアマルガム
表面に塗布した。次に各材料を40又は20秒の光暴露
にVISILUX(商標)2歯科用硬化ランプ(3M)
を用いてそれぞれ暴露せしめた。P−50複合体を次に
前述の通りに載せた。
【0101】第5表に記載してあるのは試験#、予備処
理における過酸化水素の濃度、酸化剤のE°酸化電位
(ボルト)、接着剤系、及び評価したサンプルの平均剪
断接着強度である。このデーターが示すには、両者の接
着系に関して結合強度は過酸化水素の濃度の上昇に伴っ
て上昇し、そして系Bに若干の高めの接着値が獲得され
た。
【0102】
【表9】
【0103】本発明の様々な改良及び変更は本発明の範
囲を逸脱することなく行われることが当業者に明らかで
あり、そして本発明は記載の実施態様に限定されるべき
ではない。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歯科用アマルガムに接着又はコーティン
    グを施すための方法であって、下記の段階:前記歯科用
    アマルガムに接着的に有効な量のプライマー組成物及び
    接着剤を塗布し(ここで前記プライマー組成物は少なく
    とも0.8ボルトのE°酸化電位を有する酸化剤を含ん
    で成る);そして前記接着剤を硬化する(ここで前記接
    着剤の硬化により、前記接着剤と歯科用アマルガムとの
    間に少なくとも7MPa の平均測定剪断強度が供されるこ
    とができる);を含んで成る方法。
  2. 【請求項2】 歯科用アマルガムに接着又はコーティン
    グを施すためのキットであって:少なくとも0.8ボル
    トのE°酸化電位を有する酸化剤を含んで成るプライマ
    ー;及び接着剤;を含んで成り、ここで前記接着剤の硬
    化により、前記接着剤と歯科用アマルガムとの間に少な
    くとも7MPa の平均測定剪断強度が供されることができ
    ることを特徴とするキット。
  3. 【請求項3】 前記酸化剤がNO3 - ,MnO4 - ,C
    2 7 - ,S2 8 -2及び H2 2 より成る群から
    選ばれ、そしてここで前記プライマーが30以上の誘導
    率を有する極性溶媒を含んで成ることを特徴とする、請
    求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記酸化剤がNO3 - ,MnO4 - ,C
    2 7 - ,S2 8 -2及び H2 2 より成る群から
    選ばれ、そしてここで前記プライマーが30以上の誘導
    率を有する極性溶媒を含んで成ることを特徴とする、請
    求項2に記載のキット。
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