JPH06234363A - 索道のプラットホームのホームドア装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 交走式索道設備のプラットホームで搬器が定
位置に停止したことを搬器検出で検出し、プラットホー
ムのホームカバーに備えたホームドア装置を自動的に開
いて乗降客扱いの自動化を計ることを目的とする。 【構成】 交走式索道設備の停留場のプラットホームに
は、プラットホームの全体をホームカバーで覆い、乗降
位置にはホームドア装置を装備する。さらに、搬器が乗
降定位置で停止したことを検出する搬器検出器を備え
て、搬器を検出するとホームドア装置を自動的に開き、
搬器の扉を閉じると連動してホームドア装置を閉じるよ
うにする。こうして、乗降客扱いの省力化、省人化を計
ると共にプラットホームで待機している乗客を風雪から
保護する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は索道設備の乗客が乗降す
るプラットホームにおいて、搬器が乗降定位置に停止し
ている時は乗客の搬器の乗降を許容し、搬器が乗降定位
置に停止していない時には乗客の安全範囲を規制する索
道のプラットホームにおけるホームドア装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】両端の停留場間の索道線路に搬器を支
承、誘導するための静止索である単数または複数条の支
索を張架する。また、両端の停留場に枢設した滑車間に
も支索に支承、誘導されて搬器を牽引するための単数ま
たは複数条の曳索を張架する。搬器はこの曳索に往復線
路の対称位置で固接されて、曳索の移動と共に停留場間
を交互に行き違い往復移動して乗客の輸送をする。一般
に、搬器は数十人から百人を超える乗客が乗車出来る大
型の客車が懸垂されている。こうした形式の索道設備は
交走式索道として汎く知られている。

【０００３】図５は交走式索道設備の一端の停留場５０
のプラットホーム５１へ搬器５７、または搬器６０が到
着した状態を示す平面図である。さらに、図６は図５の
側面図を示すものである。停留場５０には搬器５７、ま
たは搬器６０へ乗客が乗降するためのプラットホーム５
１が設けられている。このプラットホーム５１には搬器
５７および搬器６０が進入、到着するための”コ”の字
型の空間部が二箇所設けられている。また、乗客がプラ
ットホーム５１から転落しないように辺縁部に沿って防
護柵５２が巡らされている。また、降車位置７１，７３
および乗車位置７３の防護柵５２にはそれぞれ鎖５３，
５４，５５，５６を係止して乗降位置での乗客の安全を
確保するようになしている。通常、搬器５７および搬器
６０には車掌が１名乗車しており、乗客の誘導、監視お
よび緊急時の連絡等を行う。また、プラットホーム５１
にも係員６４ａ，６４ｂがおり、搬器５７および搬器６
０の出発、到着の監視、乗客の誘導、および発車承認を
行う。

【０００４】今、一方の搬器５７が索道線路６５の矢印
６８の方向から低速でプラットホーム５１に進入して乗
降定位置で停止すると、プラットホーム５１の降車位置
７２に待機していた係員６４ａは搬器５７が完全に停止
したことを確認して防護柵５２に係止されていた鎖５３
を取り外して降車通路を開き、さらに、搬器５７の扉５
８の鍵をあける。次に、搬器５７に乗車している車掌６
３が扉５８を二点鎖線で示した開位置５８ｂに開く。搬
器５７に乗車していた乗客はプラットホーム５１へ降車
し、その後、車掌６３は乗客が完全に降車したことを確
認して、再び扉５８を閉位置５８ａに閉じる。次に、係
員６４ａは扉５８を施錠し、鎖５３を防護柵５２に取り
付けて降車通路を遮断する。

【０００５】乗車の場合はプラットホーム５１の乗車位
置７３に待機していた係員６４ｂは防護柵５２に係止さ
れている鎖５４を取り外して乗車通路を開き、さらに、
扉５９に具えられた鍵をあける。搬器５７の車掌６３は
扉５９を二点鎖線で示した開位置５９ｂに開く。プラッ
トホーム５１に待機していた乗客は搬器５７に乗車し、
乗車が完了すると車掌６３は扉５９を閉位置５９ａに閉
じる。次に、係員６４ｂは扉５９の鍵を施錠して、さら
に、鎖５４を再び防護柵５２へ取り付けて乗車通路を遮
断する。こうして、搬器５７の出発条件が整うと係員６
４ｂはプラットホーム５１に具えた発車承認用の押しボ
タン（図示していない。）を押して搬器５７の運転が可
能となり、搬器５７は停留場５０から索道線路６５の矢
印６７の方向へ出発する。他方の搬器６０についても同
様にして出発到着および乗客の乗降が行われる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】前記したように交走式
索道設備の乗客の乗降に関しては、搬器に乗車した車掌
およびプラットホームの係員によって搬器の扉の開閉、
乗客の監視、誘導および発車承認等が行われているのが
実情で、車掌および係員にはかなりの負担となってい
た。一方、他の交通機関ではプラットホームにゲート装
置等を備えて、乗客の乗降に対する自動化、省人化が押
し進められる傾向にある。

【０００７】交走式索道設備においても、近年搬器が大
型化するのに伴い乗客数が多くなり、乗降に対する自動
化と乗客が出来るだけ快適に待機できるプラットホーム
が望まれている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前記した課題を解決する
ために、両端の滑車間に巻き掛けられた索条の移動と共
に乗客用の搬器を運行して輸送を行う索道の停留場のプ
ラットホームにおいて、前記プラットホームの全体を覆
い乗客の安全範囲の規制と防護をするためのホームカバ
ーと、前記プラットホームの乗降位置でホームカバーに
設けられたホームドア装置と、前記搬器が前記プラット
ホームの乗降位置にあることを検出する搬器検出器とよ
りなり、前記搬器検出器が前記搬器の定位置に到着した
ことを検出すると、前記ホームドア装置が開くようにな
す。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の具体的な実施例を図を用いて
説明する。図１は一端の停留場１に搬器が到着した状態
を示す平面図であり、図２，３は図１の側面図を示す。
図１には便宜上、二台の搬器２０および搬器２５が図示
されているが、交走式索道設備においては停留場１では
搬器２０または搬器２５が交互に出発到着をする。停留
場１には搬器２０または搬器２５に乗客が乗降するため
の板状をなしたプラットホーム２が設けられている。さ
らに、搬器２０および搬器２５が進入するための”コ”
の字型の空間部が形成されている。さらに、このプラッ
トホーム２をホームカバー３で全体を覆い、また該ホー
ムカバー３には視野を確保するために側壁には窓３ａ，
３ａ，…がはめ込まれている。次に、搬器２０の降車位
置３８と乗車位置４０、および搬器２５の降車位置３９
と乗車位置４０にはそれぞれホームドア装置４，１０，
１４，１５が装備されている。

【００１０】次に、搬器２０には降車側と乗車側に各々
電動扉２１，２２が装備され、同様にして搬器２５にも
各々電動扉２６，２７が装備されている。

【００１１】次に、図示するように搬器２０がプラット
ホーム２に到着すると搬器２０の電動扉２１，２２へ通
電するための給電装置２４と、同様にして搬器２５がプ
ラットホーム２に到着すると電動扉２６，２７へ通電す
るための給電装置２９が設備されている。次に、搬器２
０が降車位置３８，乗車位置４０で停止したかどうかを
検出するための搬器検出器２３をプラットホーム側へ取
り付け、搬器２０には対向する位置に反射板２３ａを貼
着する。同様にして搬器２５についても降車位置３９，
乗車位置４０で搬器２５が正確に停止したことを検出す
るための搬器検出器２８をプラットホーム２側へ備え、
また、搬器２５には対向する位置に反射板２８ａを貼着
する。

【００１２】このように構成した停留場１で搬器２０ま
たは搬器２５に乗客が乗降する場合の手順ないし動作に
ついて記す。今、乗客を乗せた搬器２０が索道線路３６
の矢印３３の方向から減速されて低速でプラットホーム
２へ進入して停止し、さらに、振れも収まると、搬器検
出器２３のビームが搬器２０に貼着した反射板２３ａに
反射して搬器２０が定位置で停止したことが検出され
る。この搬器２０の停止位置では電動扉２１が降車位置
３８および反対側にある電動扉２２が乗車位置４０に位
置している。同時に、給電装置２４で搬器２０の電動扉
２１，２２に通電可能となる。また、図４に示すように
搬器検出器２３が搬器２０を検出すると降車位置３８側
のホームドア装置４と乗車位置４０側のホームドア装置
９へ検出信号ＧＯを出力する。ホームドア装置４および
ホームドア装置９は矢印５，６および矢印１０，１１の
方向へ開き、図１の二点鎖線で示した開位置４ｂおよび
開位置９ｂとなる。

【００１３】次に、搬器２０の降車側３０ａに位置して
いる車掌３０は扉開閉用のスイッチ等を押して電動扉２
１を閉位置２１ａから二点鎖線で示した開位置２１ｂに
する。搬器２０内の乗客は開位置２１ｂとなった電動扉
２１からプラットホーム２上へ降車する。車掌３０は搬
器２０から完全に乗客が降車したことを確認して降車側
の電動扉２１を再び閉位置２１ａにする。この時、ホー
ムドア装置４も連動して矢印７，８の方向へ移動して閉
位置４ａとなり降車通路を遮断する。次に、車掌３０は
降車側３０ａから乗車側３０ｂに移動して電動扉２２を
二点鎖線で示した開位置２２ｂにする。乗車位置４０側
のホームドア装置９は前記した搬器検出器２３によって
二点鎖線で示した開位置９ｂとなっているので、プラッ
トホーム２上で待機していた乗客はホームドア装置９お
よび電動扉２２を通って搬器２０へ乗車する。

【００１４】車掌３０は乗客の乗車を確認し、また、電
動扉２２に乗客が接触していないかどうかを注意して電
動扉２２を閉位置２２ａに閉じる。この時、連動してホ
ームドア装置９は矢印１３，１４の方向に移動して閉位
置９ａになり、乗車通路を遮断する。次に、運転室等で
係員が発車ボタンを押すと乗客が乗車した搬器２０は索
道線路３６の矢印３２の方向へ向けて出発する。

【００１５】次に、もう一方の搬器２５が索道線路３７
の方向からプラットホーム２へ進入して定位置で停止す
ると、搬器検出器２８のビームが搬器２５に貼着された
反射板２８ａで反射されて搬器検出器２８が作動する。
この時、図４に示すように搬器２０の場合と同様にして
搬器検出器２８が作動すると検出信号ＧＯを降車位置３
９側のホームドア１５と乗車位置４０側のホームドア装
置１４へ出力して、ホームドア装置１４とホームドア装
置１５を二点鎖線で示した開位置１４ｂおよび閉位置１
５ｂとして、また同時に給電装置２４によって電動扉２
６，２７への通電が可能となる。

【００１６】次に、降車側３１ａの車掌３１は電動扉２
７を二点鎖線で示した開位置２７ｂとする。搬器２５内
に乗車していた乗客は開位置２７ｂとなった電動扉２０
からプラットホーム２へ降車する。車掌３１は搬器２５
内に乗客が残留していない事を確認して電動扉２７を閉
位置２７ａにする。この時、ホームドア装置１５も連動
して矢印１８，１９方向に移動して閉位置１４ａとなり
降車通路を遮断する。次に、車掌３１は乗車側３１ｂへ
移動して電動扉２６を二点鎖線で示した開位置２６ｂと
する。プラットホーム２の乗車位置４０で待機していた
次の乗客は開位置２６ｂとなった電動扉２６から搬器２
５へ乗車する。次に、車掌３１は電動扉２６を閉位置２
６ａに閉じる。この時、ホームドア装置１４も矢印１
２，１３の方向へ移動して閉位置１４ａとなり乗車通路
を遮断し、搬器２５の発車状態が整う。その後、運転室
の係員が発車ボタンを押すと、搬器２５は索道線路３７
の矢印３４の方向へ向けて出発する。

【００１７】

【発明の効果】前記したように、本発明のプラットホー
ムのホームドア装置は、プラットホームの全体を覆うホ
ームカバーの乗降位置に装備し、また、搬器がプラット
ホームの定位置で停止した事を検出するための搬器検出
器を備える。こうして、搬器が低速で停留場のプラット
ホームに進入して定位置で停止すると、前記した搬器検
出器が作動してホームドア装置を自動的に開き、また搬
器に乗客が乗車して搬器の電動扉を閉じると連動して自
動的に閉じるようにする。こうして、従来は搬器に乗車
してる車掌とプラットホームの係員によって、搬器の扉
の開閉およびプラットホームの乗降位置にある乗客規制
用の鎖の取り付け取り外し、あるいは引き戸型の防護扉
の摺動開閉をして乗降時の乗客の安全を確保していた
が、本発明により搬器の乗客が乗降する時の車掌および
プラットホームの係員が行っていた手動操作を自動化す
ることで、乗降客扱いの省力化および省人化ができ、ま
たホームカバーによりプラットホームで待機している乗
客を風雪から保護して、より快適なプラットホームを実
現できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のホームドア装置を交走式索道設備のプ
ラットホームに配設した停留場の平面図。

【図２】図１のプラットホームに配設した閉状態のホー
ムドア装置を示す側面図。

【図３】図１のプラットホームに配設した開状態のホー
ムドア装置を示す側面図。

【図４】搬器検出器でプラットホームの乗降定位置で搬
器が停止したことを検出してホームドア装置が作動する
状態を示したブロック図。

【図５】従来の交走式索道設備の停留場の配置を示した
平面図。

【図６】図５の従来の交走式索道設備のプラットホーム
を示した側面図。

【符号の説明】

１ 停留場 ２ プラットホーム ３ ホームカバー ３ａ，３ａ，… 窓 ４ ホームドア装置 ４ａ 閉位置 ４ｂ 開位置 ５，６，７，８ 矢印 ９ ホームドア装置 ９ａ 閉位置 ９ｂ 開位置 １０，１１，１２，１３ 矢印 １４ ホームドア装置 １４ａ 閉位置 １４ｂ 開位置 １５ ホームドア装置 １５ａ 閉位置 １５ｂ 開位置 １６，１７，１８，１９ 矢印 ２０ 搬器 ２１ 電動扉 ２１ａ 閉位置 ２１ｂ 開位置 ２２ 電動扉 ２２ａ 閉位置 ２２ｂ 開位置 ２３ 搬器検出器 ２３ａ 反射板 ２４ 給電装置 ２５ 搬器 ２６ 電動扉 ２６ａ 閉位置 ２６ｂ 開位置 ２７ 電動扉 ２７ａ 閉位置 ２７ｂ 開位置 ２８ 搬器検出器 ２８ａ 反射板 ２９ 給電装置 ３０ 車掌 ３０ａ 降車側 ３０ｂ 乗車側 ３１ 車掌 ３１ａ 降車側 ３１ｂ 乗車側 ３２，３３，３４，３５ 矢印 ３６，３７ 索道線路 ３８，３９ 降車位置 ４０ 乗車位置 ５０ 停留場 ５１ プラットホーム ５２ 防護柵 ５３，５４，５５，５６ 鎖 ５７ 搬器 ５８ 扉 ５８ａ 閉位置 ５８ｂ 開位置 ５９ 扉 ５９ａ 閉位置 ５９ｂ 開位置 ６０ 搬器 ６１ 扉 ６１ａ 閉位置 ６１ｂ 開位置 ６２ 扉 ６２ａ 閉位置 ６２ｂ 開位置 ６３ 車掌 ６４ａ，６４ｂ 係員 ６５，６６ 索道線路 ６７，６８，６９，７０ 矢印 ７１，７２ 降車位置 ７３ 乗車位置 ＧＯ 検出信号

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】両端の滑車間に巻き掛けられた索条の移動
   と共に乗客用の搬器を運行して輸送を行う索道の停留場
   のプラットホームにおいて、 前記プラットホームの全体を覆い乗客の安全範囲の規制
   と防護をするためのホームカバーと、 前記プラットホームの乗降位置でホームカバーに設けら
   れたホームドア装置と、 前記搬器が前記プラットホームの乗降位置にあることを
   検出する搬器検出器とよりなり、 前記搬器検出器が前記搬器の定位置に到着したことを検
   出すると、前記ホームドア装置が開くようになした索道
   のプラットホームのホームドア装置。