JPH06234132A - 立体回路基板の製造方法 - Google Patents
立体回路基板の製造方法Info
- Publication number
- JPH06234132A JPH06234132A JP4780691A JP4780691A JPH06234132A JP H06234132 A JPH06234132 A JP H06234132A JP 4780691 A JP4780691 A JP 4780691A JP 4780691 A JP4780691 A JP 4780691A JP H06234132 A JPH06234132 A JP H06234132A
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- JP
- Japan
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- resin
- mold
- temperature
- resin film
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- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 予め導電パターンが形成された樹脂フィルム
が優れた密着性で基体に積層された立体回路基板を、射
出成形の一工程で製造する。 【構成】 金型のキャビティに注入される溶融樹脂の温
度Tと金型の内面温度tとの間の温度差ΔTが230℃
以下になるように、金型を加熱保持する。そして、予め
導電パターンを金型の内面に密着させた状態で、基体と
なる樹脂をキャビティに注入する。注入される樹脂のガ
ラス転移点をTg とすると、T−Tg ≦180℃,Tg
−t=60〜80℃の関係を維持することが好ましい。 【効果】 温度差ΔT(=T−t)が230℃以下に保
たれるとき、図3に示すように、樹脂成形体に対する樹
脂フィルムの密着性が大幅に向上する。
が優れた密着性で基体に積層された立体回路基板を、射
出成形の一工程で製造する。 【構成】 金型のキャビティに注入される溶融樹脂の温
度Tと金型の内面温度tとの間の温度差ΔTが230℃
以下になるように、金型を加熱保持する。そして、予め
導電パターンを金型の内面に密着させた状態で、基体と
なる樹脂をキャビティに注入する。注入される樹脂のガ
ラス転移点をTg とすると、T−Tg ≦180℃,Tg
−t=60〜80℃の関係を維持することが好ましい。 【効果】 温度差ΔT(=T−t)が230℃以下に保
たれるとき、図3に示すように、樹脂成形体に対する樹
脂フィルムの密着性が大幅に向上する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種電気機器に組み込
まれる際、電気機器の内部空間に対応した形状をもった
立体回路基板を製造する方法に関する。
まれる際、電気機器の内部空間に対応した形状をもった
立体回路基板を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の立体回路基板は、射出成形等によ
って所定形状に成形された合成樹脂製成形体の表面に、
必要とする導電パターンを形成することにより製造され
ている。この方法は、射出成形工程及び導電パターン形
成工程の少なくとも2工程を必要とする。また、無電解
めっき,導電インクの塗布等によって導電パターンを成
形体表面に形成するため、各導電部の間に所定のギャッ
プをとることを余儀なくされ、高密度の導電パターンを
形成することには不向きである。
って所定形状に成形された合成樹脂製成形体の表面に、
必要とする導電パターンを形成することにより製造され
ている。この方法は、射出成形工程及び導電パターン形
成工程の少なくとも2工程を必要とする。また、無電解
めっき,導電インクの塗布等によって導電パターンを成
形体表面に形成するため、各導電部の間に所定のギャッ
プをとることを余儀なくされ、高密度の導電パターンを
形成することには不向きである。
【0003】工程の省略及び高密度パターンの形成を可
能にするため、特開昭64−35983号公報において
は、射出成形と同時に成形体の表面に導電パターンを形
成する方法が紹介されている。この方法によるとき、所
定の導電パターンが形成された樹脂フィルムを金型の内
面に密着させ、キャビティに樹脂を注入する。注入され
た樹脂が固化したとき、金型内面に密着していた樹脂フ
ィルムが樹脂成形体に貼り付き、表面に導電パターンが
形成された立体回路基板が得られる。また、立体回路基
板の形状も、金型のキャビティ形状に応じて広範囲に変
えることができる。
能にするため、特開昭64−35983号公報において
は、射出成形と同時に成形体の表面に導電パターンを形
成する方法が紹介されている。この方法によるとき、所
定の導電パターンが形成された樹脂フィルムを金型の内
面に密着させ、キャビティに樹脂を注入する。注入され
た樹脂が固化したとき、金型内面に密着していた樹脂フ
ィルムが樹脂成形体に貼り付き、表面に導電パターンが
形成された立体回路基板が得られる。また、立体回路基
板の形状も、金型のキャビティ形状に応じて広範囲に変
えることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】得られた立体回路基板
は、樹脂フィルムと樹脂成形体との密着性によって性能
や寿命が支配される。ところが、金型内面に密着配置し
た樹脂フィルムは、キャビティに注入された溶融樹脂と
の間で良好な接合反応をせず、単に物理的な吸着力で成
形体表面に付着することがある。また、射出成形後の樹
脂成形体を金型から取り出すとき、一旦樹脂成形体の表
面に貼られた樹脂フィルムが金型側に取られ、或いは樹
脂成形体に対する密着性が低下する。
は、樹脂フィルムと樹脂成形体との密着性によって性能
や寿命が支配される。ところが、金型内面に密着配置し
た樹脂フィルムは、キャビティに注入された溶融樹脂と
の間で良好な接合反応をせず、単に物理的な吸着力で成
形体表面に付着することがある。また、射出成形後の樹
脂成形体を金型から取り出すとき、一旦樹脂成形体の表
面に貼られた樹脂フィルムが金型側に取られ、或いは樹
脂成形体に対する密着性が低下する。
【0005】本発明は、このような問題を解消するため
に案出されたものであり、射出成形される樹脂の温度と
の関連で金型温度を制御することにより、樹脂フィルム
と樹脂成形体との密着性を向上させ、耐久性に優れた立
体回路基板を提供することを目的とする。
に案出されたものであり、射出成形される樹脂の温度と
の関連で金型温度を制御することにより、樹脂フィルム
と樹脂成形体との密着性を向上させ、耐久性に優れた立
体回路基板を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の立体回路基板製
造方法は、その目的を達成するため、表面に電気回路が
予め形成された樹脂フィルムを金型の内面に配置し、溶
融樹脂の温度Tと前記金型の内面温度tとの温度差ΔT
(=T−t)が230℃以内に維持されるように前記金
型を加熱保持し、前記溶融樹脂を前記金型のキャビティ
に注入することを特徴とする。
造方法は、その目的を達成するため、表面に電気回路が
予め形成された樹脂フィルムを金型の内面に配置し、溶
融樹脂の温度Tと前記金型の内面温度tとの温度差ΔT
(=T−t)が230℃以内に維持されるように前記金
型を加熱保持し、前記溶融樹脂を前記金型のキャビティ
に注入することを特徴とする。
【0007】ここで、溶融樹脂の温度Tは、樹脂のガラ
ス転移点Tg を超える温度差が180℃以下となるよう
に設定することが好ましい。また、金型の内面温度t
は、樹脂のガラス転移点Tg に対しては60〜80℃の
範囲内の温度差に維持することが好ましい。
ス転移点Tg を超える温度差が180℃以下となるよう
に設定することが好ましい。また、金型の内面温度t
は、樹脂のガラス転移点Tg に対しては60〜80℃の
範囲内の温度差に維持することが好ましい。
【0008】
【作用】本発明者等は、樹脂成形体に対する樹脂フィル
ムの密着性が変動する原因を次のように推察した。
ムの密着性が変動する原因を次のように推察した。
【0009】金型のキャビティに注入された溶融樹脂
は、金型の器壁を介した抜熱によって冷却・凝固する。
このとき、急激な抜熱が行われると、注入された溶融樹
脂の流動性が低下すると共に、溶融樹脂の表面に生成し
た凝固シェルが厚くなる。そのため、注入圧を十分に大
きくとっても、キャビティを溶融樹脂で完全に埋めるこ
とができず、金型内面と注入樹脂との間にギャップが形
成され易くなる。このギャップは、特にゲートから遠い
箇所や湯廻りの悪い部分に発生する。このようなギャッ
プがあると、冷却・凝固した樹脂成形体に対する樹脂フ
ィルムの密着性が低下することが避けられない。
は、金型の器壁を介した抜熱によって冷却・凝固する。
このとき、急激な抜熱が行われると、注入された溶融樹
脂の流動性が低下すると共に、溶融樹脂の表面に生成し
た凝固シェルが厚くなる。そのため、注入圧を十分に大
きくとっても、キャビティを溶融樹脂で完全に埋めるこ
とができず、金型内面と注入樹脂との間にギャップが形
成され易くなる。このギャップは、特にゲートから遠い
箇所や湯廻りの悪い部分に発生する。このようなギャッ
プがあると、冷却・凝固した樹脂成形体に対する樹脂フ
ィルムの密着性が低下することが避けられない。
【0010】そこで、金型内面に配置した樹脂フィルム
に注入された樹脂を溶融状態で十分に接触させること
が、密着性を改善する上で有効であると考えた。そのた
め、注入された樹脂が必要な流動性を所定期間維持し、
注入圧によって溶融樹脂が全域にわたり金型内面に押し
付けられるように、溶融樹脂の温度Tと金型の内面温度
tとの間に温度差ΔT(T−t)≦230℃の関係が成
立する条件下で金型を加熱保持する。この温度差ΔTが
230℃を超えるとき、後述する実施例に示したよう
に、樹脂成形体に対する樹脂フィルムの密着性が急激に
低下する。
に注入された樹脂を溶融状態で十分に接触させること
が、密着性を改善する上で有効であると考えた。そのた
め、注入された樹脂が必要な流動性を所定期間維持し、
注入圧によって溶融樹脂が全域にわたり金型内面に押し
付けられるように、溶融樹脂の温度Tと金型の内面温度
tとの間に温度差ΔT(T−t)≦230℃の関係が成
立する条件下で金型を加熱保持する。この温度差ΔTが
230℃を超えるとき、後述する実施例に示したよう
に、樹脂成形体に対する樹脂フィルムの密着性が急激に
低下する。
【0011】また、ガラス転移点Tg を超える温度差が
180℃以下となるように溶融樹脂の温度Tを設定する
ことが、熱量の節減及び樹脂の変質防止を図ると共に、
凝固までの時間を短縮する上から好ましい。また、樹脂
のガラス転移点Tg と金型の内面温度tとの温度差は、
注入された樹脂の抜熱を急激にすることなく、しかも凝
固までの時間を短縮する上から60〜80℃の範囲内の
温度差に維持することが好ましい。
180℃以下となるように溶融樹脂の温度Tを設定する
ことが、熱量の節減及び樹脂の変質防止を図ると共に、
凝固までの時間を短縮する上から好ましい。また、樹脂
のガラス転移点Tg と金型の内面温度tとの温度差は、
注入された樹脂の抜熱を急激にすることなく、しかも凝
固までの時間を短縮する上から60〜80℃の範囲内の
温度差に維持することが好ましい。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照しながら、本発明を具体的
に説明する。本実施例においては、図1に示した構造の
金型を使用した。この金型は、上型10及び下型20の
二分割になっている。上型10及び下型20の何れか一
方或いは両者が上下動されて合わせられ、上型10と下
型20との間にキャビティ30が形成される。
に説明する。本実施例においては、図1に示した構造の
金型を使用した。この金型は、上型10及び下型20の
二分割になっている。上型10及び下型20の何れか一
方或いは両者が上下動されて合わせられ、上型10と下
型20との間にキャビティ30が形成される。
【0013】上型10の中央部にノズル装着孔11が穿
設されており、このノズル装着孔11に注入ノズル12
が挿入される。注入ノズル12の内部には、スクリュー
フィーダ等の適宜の手段によって溶融樹脂40が所定の
注入圧で送り込まれる。注入ノズル12の先端部にある
吐出口13は、上型10の上部材14に形成した流入口
15を経由して、上部材14と下部材16との間に設け
たランナー17に連通している。そして、ランナー17
からは、キャビティ30の形状及び大きさに応じて適当
な箇所に設けられた複数のゲート18がキャビティ30
に向かって延びている。
設されており、このノズル装着孔11に注入ノズル12
が挿入される。注入ノズル12の内部には、スクリュー
フィーダ等の適宜の手段によって溶融樹脂40が所定の
注入圧で送り込まれる。注入ノズル12の先端部にある
吐出口13は、上型10の上部材14に形成した流入口
15を経由して、上部材14と下部材16との間に設け
たランナー17に連通している。そして、ランナー17
からは、キャビティ30の形状及び大きさに応じて適当
な箇所に設けられた複数のゲート18がキャビティ30
に向かって延びている。
【0014】下型20は、キャビティ30の底面を形成
する中子21をバックアップ22で支持している。中子
21及びバックアップ22には、キャビティ30に至る
複数の貫通孔23が穿設されている。貫通孔23の外方
端部は真空源(図示せず)につながっており、キャビテ
ィ30に配置された樹脂フィルム41を真空吸引するこ
とにより、樹脂フィルム41を中子21の内壁面に密着
させている。
する中子21をバックアップ22で支持している。中子
21及びバックアップ22には、キャビティ30に至る
複数の貫通孔23が穿設されている。貫通孔23の外方
端部は真空源(図示せず)につながっており、キャビテ
ィ30に配置された樹脂フィルム41を真空吸引するこ
とにより、樹脂フィルム41を中子21の内壁面に密着
させている。
【0015】本実施例では、図2に示すように、途中に
段部42を備えた立体回路基板43を目標製品としてい
る。そのため、段部31,32を上型10及び下型20
にそれぞれ形成することにより、キャビティ30の形状
を立体回路基板43の輪郭に対応させている。したがっ
て、キャビティ30に注入された溶融樹脂40は、その
形状を倣って凝固し樹脂成形体44となり、導電パター
ン45が予め形成された樹脂フィルム41が樹脂成形体
44に一体化される。なお、樹脂成形体44の射出成形
に際し、所定箇所に電池を容易に装着することができる
ように、取付け用爪部46を一体的に形成しても良い。
段部42を備えた立体回路基板43を目標製品としてい
る。そのため、段部31,32を上型10及び下型20
にそれぞれ形成することにより、キャビティ30の形状
を立体回路基板43の輪郭に対応させている。したがっ
て、キャビティ30に注入された溶融樹脂40は、その
形状を倣って凝固し樹脂成形体44となり、導電パター
ン45が予め形成された樹脂フィルム41が樹脂成形体
44に一体化される。なお、樹脂成形体44の射出成形
に際し、所定箇所に電池を容易に装着することができる
ように、取付け用爪部46を一体的に形成しても良い。
【0016】また、上型10及び下型20にはヒータ5
0を内蔵させ、内面温度tを所定範囲に維持している。
このヒータ50は、樹脂の冷却による流動性の低下や凝
固シェルの急激な成長等が特に問題となるような箇所、
たとえば流入口15,段部31,32,薄肉部やキャビ
ティ端部等の近傍に優先的に設けられる。
0を内蔵させ、内面温度tを所定範囲に維持している。
このヒータ50は、樹脂の冷却による流動性の低下や凝
固シェルの急激な成長等が特に問題となるような箇所、
たとえば流入口15,段部31,32,薄肉部やキャビ
ティ端部等の近傍に優先的に設けられる。
【0017】以上に説明した金型を使用して、次のよう
に射出成形を行った。樹脂フィルム41としては、予め
所定の導電パターン45が印刷されたポリエーテルイミ
ド樹脂製のフィルム(膜厚50μm)を使用した。この
樹脂フィルム41を下型20の内面に配置し、160m
mHgの減圧雰囲気に貫通孔23を介して真空吸引する
ことにより、樹脂フィルム41を中子21の内壁面に密
着させた。キャビティ30に臨む上型10及び下型20
の内壁面は、ヒータ50に通電することによって、所定
温度tに加熱保持した。
に射出成形を行った。樹脂フィルム41としては、予め
所定の導電パターン45が印刷されたポリエーテルイミ
ド樹脂製のフィルム(膜厚50μm)を使用した。この
樹脂フィルム41を下型20の内面に配置し、160m
mHgの減圧雰囲気に貫通孔23を介して真空吸引する
ことにより、樹脂フィルム41を中子21の内壁面に密
着させた。キャビティ30に臨む上型10及び下型20
の内壁面は、ヒータ50に通電することによって、所定
温度tに加熱保持した。
【0018】この条件下で、温度T=380℃に加熱溶
融したポリエーテルイミド樹脂(ガラス転移点Tg =2
20℃)を注入圧1800kgf/cm2 でキャビティ
30に注入した。注入された樹脂が凝固するまで注入圧
を加え続けた。凝固した樹脂の表面温度が160℃以下
に低下したとき、上型10及び下型20を分離し、樹脂
成形体44を金型から取り出した。
融したポリエーテルイミド樹脂(ガラス転移点Tg =2
20℃)を注入圧1800kgf/cm2 でキャビティ
30に注入した。注入された樹脂が凝固するまで注入圧
を加え続けた。凝固した樹脂の表面温度が160℃以下
に低下したとき、上型10及び下型20を分離し、樹脂
成形体44を金型から取り出した。
【0019】得られた立体回路基板43には、樹脂成形
体44に樹脂フィルム41が積層されていた。樹脂成形
体44に対する樹脂フィルム41の剥離強度を調査し
た。その結果、剥離強度Fは、図3に示すように、溶融
樹脂40の温度Tと金型の内面温度tとの温度差ΔT
(=T−t)に応じて大きく変動していることが判っ
た。すなわち、温度差ΔTが230℃を超えて大きくな
るとき、剥離強度Fが著しく低下している。これに対
し、温度差ΔTを230℃以下に維持して射出成形を行
った場合には、剥離強度1.0kgf以上の優れた密着
性で樹脂フィルム41が樹脂成形体44に一体化されて
いる立体回路基板43が得られている。なお、剥離強度
Fは、フィルム部分に10mm幅の切れ目を入れ、引張
り試験機でフィルムを樹脂成形体から引き剥し、剥離が
開始したときの力で表している。この温度差ΔTと剥離
強度Fとの関係は、[作用]の欄で説明した考察を裏付
けるものである。
体44に樹脂フィルム41が積層されていた。樹脂成形
体44に対する樹脂フィルム41の剥離強度を調査し
た。その結果、剥離強度Fは、図3に示すように、溶融
樹脂40の温度Tと金型の内面温度tとの温度差ΔT
(=T−t)に応じて大きく変動していることが判っ
た。すなわち、温度差ΔTが230℃を超えて大きくな
るとき、剥離強度Fが著しく低下している。これに対
し、温度差ΔTを230℃以下に維持して射出成形を行
った場合には、剥離強度1.0kgf以上の優れた密着
性で樹脂フィルム41が樹脂成形体44に一体化されて
いる立体回路基板43が得られている。なお、剥離強度
Fは、フィルム部分に10mm幅の切れ目を入れ、引張
り試験機でフィルムを樹脂成形体から引き剥し、剥離が
開始したときの力で表している。この温度差ΔTと剥離
強度Fとの関係は、[作用]の欄で説明した考察を裏付
けるものである。
【0020】また、注入される樹脂の種類を変えて実験
を行った場合にも、温度差ΔTを230℃以下に維持す
る限り、優れた密着性で樹脂フィルム41が樹脂成形体
44に積層されている立体回路基板43が得られた。
を行った場合にも、温度差ΔTを230℃以下に維持す
る限り、優れた密着性で樹脂フィルム41が樹脂成形体
44に積層されている立体回路基板43が得られた。
【0021】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、金型の内面温度を溶融樹脂の温度との関連して制御
することにより、優れた密着性で樹脂フィルムが積層さ
れた立体回路基板を製造することができる。そして、射
出成形の単一工程で目標とする製品が得られるため、生
産性に優れたものとなる。しかも、樹脂フィルムの密着
性が良好なため、取扱い性及び耐久性にも優れた製品と
なる。
は、金型の内面温度を溶融樹脂の温度との関連して制御
することにより、優れた密着性で樹脂フィルムが積層さ
れた立体回路基板を製造することができる。そして、射
出成形の単一工程で目標とする製品が得られるため、生
産性に優れたものとなる。しかも、樹脂フィルムの密着
性が良好なため、取扱い性及び耐久性にも優れた製品と
なる。
【図1】 本発明実施例で採用した金型の概略を示す。
【図2】 本発明実施例で製造される立体回路基板を示
す。
す。
【図3】 金型の内面温度と溶融樹脂の温度が樹脂フィ
ルムの密着性に与える影響を示したグラフである。
ルムの密着性に与える影響を示したグラフである。
10 上型, 12 注入ノズル, 17 ランナ
ー, 18 ゲート 20 下型, 21 中子, 23 貫通孔 30 キャビティ,31,32 段部 40 溶融樹脂, 41 樹脂フィルム, 42 段
部,43 立体回路基板 44 樹脂成形体,45 導電パターン, 50 ヒー
タ
ー, 18 ゲート 20 下型, 21 中子, 23 貫通孔 30 キャビティ,31,32 段部 40 溶融樹脂, 41 樹脂フィルム, 42 段
部,43 立体回路基板 44 樹脂成形体,45 導電パターン, 50 ヒー
タ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 雅夫 長野県岡谷市神明町4−1−21 信州ナガ セ電材株式会社内 (72)発明者 依田 晶一 長野県上田市大字常磐城2381−32 サンタ 軽金属工業株式会社内 (72)発明者 東城 英夫 長野県佐久市小田井1077 ウインテック株 式会社内 (72)発明者 篠遠 正幸 長野県岡谷市神明町4−1−21 イデア株 式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 表面に電気回路が予め形成された樹脂フ
ィルムを金型の内面に配置し、溶融樹脂の温度Tと前記
金型の内面温度tとの温度差ΔT(=T−t)が230
℃以内に維持されるように前記金型を加熱保持し、前記
溶融樹脂を前記金型のキャビティに注入することを特徴
とする立体回路基板の製造方法。 - 【請求項2】請求項1記載の温度Tは、樹脂のガラス転
移点Tg を超える温度差が180℃以下となるように設
定されていることを特徴とする立体回路基板の製造方
法。 - 【請求項3】請求項1記載の金型の内面温度tは、樹脂
のガラス転移点Tg よりも70℃低く設定されているこ
とを特徴とする立体回路基板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4780691A JPH06234132A (ja) | 1991-02-20 | 1991-02-20 | 立体回路基板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4780691A JPH06234132A (ja) | 1991-02-20 | 1991-02-20 | 立体回路基板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06234132A true JPH06234132A (ja) | 1994-08-23 |
Family
ID=12785612
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4780691A Pending JPH06234132A (ja) | 1991-02-20 | 1991-02-20 | 立体回路基板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06234132A (ja) |
-
1991
- 1991-02-20 JP JP4780691A patent/JPH06234132A/ja active Pending
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