JPH0623235A - 窒素酸化物吸収剤、その製造方法及びその再生方法並びに窒素酸化物回収方法 - Google Patents

窒素酸化物吸収剤、その製造方法及びその再生方法並びに窒素酸化物回収方法

Info

Publication number
JPH0623235A
JPH0623235A JP4307028A JP30702892A JPH0623235A JP H0623235 A JPH0623235 A JP H0623235A JP 4307028 A JP4307028 A JP 4307028A JP 30702892 A JP30702892 A JP 30702892A JP H0623235 A JPH0623235 A JP H0623235A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nitrogen oxide
nitrogen
absorbent
oxide
nitrogen oxides
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4307028A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3569295B2 (ja
Inventor
Yoshimi Ishihara
義巳 石原
Shunichiro Maezono
俊一郎 前園
Hidetoshi Suemoto
英敏 末元
Takahisa Yokoyama
隆壽 横山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Central Research Institute of Electric Power Industry
Dowa Holdings Co Ltd
Original Assignee
Central Research Institute of Electric Power Industry
Dowa Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Central Research Institute of Electric Power Industry, Dowa Mining Co Ltd filed Critical Central Research Institute of Electric Power Industry
Priority to JP30702892A priority Critical patent/JP3569295B2/ja
Publication of JPH0623235A publication Critical patent/JPH0623235A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3569295B2 publication Critical patent/JP3569295B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高価なアンモニアを消費することなく高温ガ
ス中の窒素酸化物を除去・回収でき、かつ、比較的簡単
に再生できる窒素酸化物吸収剤、その窒素酸化物吸収剤
製造方法及びその再生方法並びにその窒素酸化物吸収剤
を用いて高温ガス中の窒素酸化物を回収する窒素酸化物
回収方法を提供する。 【構成】 窒素酸化物吸収剤を、アルカリ土類元素の酸
化物又は水酸化物と、遷移元素の酸化物との混合物を含
む物質で構成することにより、高価なアンモニアを消費
することなく高温ガス中の窒素酸化物を効率よく除去・
回収できる窒素酸化物吸収剤、その製造方法及びその再
生方法並びに窒素酸化物回収方法を得た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃焼ガス等の高温ガス
中の窒素酸化物を吸収する窒素酸化物吸収剤、その製造
方法及びその再生方法並びに窒素酸化物回収方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】燃料を高温下で燃焼させると、たとえ窒
素化合物をほとんど含まないクリーンな燃料、例えば、
天然ガス、LPガス、灯油等であっても、燃焼に用いる
空気中の窒素と酸素が高温下で反応するので窒素酸化物
が生成する。その生成量は燃焼温度が高いほど多くなる
ことが知られている。高温の燃焼ガスから窒素酸化物を
除去することは、すでに「アンモニア添加接触還元法」
として技術的には確立しており,多くの実用プラントが
稼働している。すなわち、この方法は,酸化チタンやア
ルミナを用いて成形した触媒担体にバナジウム、ニッケ
ル、クロム、鉄、銅などの酸化物を担持させて調製した
触媒層に、窒素酸化物とほぼ同量のアンモニアを添加し
た燃焼ガスを通過させることにより、次の反応によって
窒素酸化物を無害な窒素に変えることができる。
【0003】 2NO+2NH3 +1/2 O2 →2N2 +3H2 O ここで、通常、反応温度は300 〜400 °Cであり、空間
速度は、煤や粉塵等のばいじんを含まないガスでは、1
0,000〜20,000 h-1、重油燃焼ガスでは5,000 〜6,000 h
-1、石炭燃焼ガスでは3,000 〜5,000 h -1程度であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来の方法は、高価なアンモニアを多量に消費するとと
もに、燃焼状態の変動に応じて変化する窒素酸化物生成
量の変動に対応させてアンモニア添加量を調節する必要
があるので制御が煩雑であるという問題があった。
【0005】ところで、近年、イットリウムーバリウム
ー銅系酸化物超電導体物質(YBa2 Cu3 7-δ
が、酸素及び窒素酸化物を含む高温(約300°C)ガ
ス中の窒素酸化物を吸収する性質を有する事実が明らか
にされた(雑誌「表面科学」9(7),p489,(1988)、
雑誌「触媒」33(2),p347,(1991)参照)。ところ
が、本発明者がこの事実を確認する実験を行っていたと
ころ、この超電導体物質の水和分解生成物も同様に窒素
酸化物を効率よく吸収する性質を有することがわかっ
た。そこで、窒素酸化物吸収の原因物質の追及を行った
ところ、アルカリ土類元素の酸化物又は水酸化物と遷移
元素の酸化物との混合物が窒素酸化物を有効に吸収する
ことが解明された。
【0006】本発明は、上述の解明事実に基づいてなさ
れたものであり、高価なアンモニアを消費することなく
高温ガス中の窒素酸化物を除去・回収でき、かつ、比較
的簡単に再生できる窒素酸化物吸収剤、その窒素酸化物
吸収剤製造方法及びその再生方法並びにその窒素酸化物
吸収剤を用いて高温ガス中の窒素酸化物を回収する窒素
酸化物回収方法を提供することを目的としたものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、本発明にかかる窒素酸化物吸収剤は、 (1) 酸素及び窒素酸化物を含む高温ガス中の窒素酸
化物を吸収する窒素酸化物吸収剤であって、アルカリ土
類元素の酸化物又は水酸化物と、遷移元素の酸化物との
混合物を含む物質からなることを特徴とした構成とし
た。
【0008】この構成1において、アルカリ土類元素と
しては、Ba,Ca,Sr等が好適であるが、Be,M
g,Ra等も用いることができる。また、アルカリ土類
元素の酸化物としては、BaO,CaO,SrOが好適
であり、水酸化物としては、Ba(OH)2 ,Ca(O
H)2 ,Sr(OH)2 等が好適である。また、遷移元
素としてはCu,Ni,Co,Fe等が好適であり、遷
移元素の酸化物としては、CuO,NiO,Co
2 3 ,Fe2 3 等が好適である。この中で、アルカ
リ土類元素としてBa,Srを用い、遷移元素としてC
u,Feを用いた場合に特に顕著な吸収効果が認められ
た。
【0009】そこで、この構成1の態様として、 (2) 構成1の窒素酸化物吸収剤において、前記アル
カリ土類元素がバリウム(Ba)及び/又はストロンチ
ウム(Sr)であり、前記遷移元素が銅(Cu)及び/
又は鉄(Fe)であることを特徴とした構成とした。
【0010】また、構成1の窒素酸化物吸収剤は次の構
成3,4の製造方法によって製造できる。
【0011】(3) 構成1の窒素酸化物吸収剤の製造
方法であって、アルカリ土類元素の酸化物又は水酸化物
の粉体と遷移元素の酸化物の粉体との混合物に成形剤を
加えて成形後、300〜600℃の温度で焼成すること
により、アルカリ土類元素の酸化物又は水酸化物と遷移
元素の酸化物との混合物を含む物質からなる窒素酸化物
吸収剤を得ることを特徴とした構成、及び、 (4)構成1の窒素酸化物吸収剤の製造方法であって、
アルカリ土類元素の塩類と遷移元素の塩類とを含有する
水溶液を酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ケイ素な
どの担体物質に含浸後、300〜600℃の温度で焼成
することにより、アルカリ土類元素の酸化物又は水酸化
物と遷移元素の酸化物との混合物を含む物質からなる窒
素酸化物吸収剤を得ることを特徴とした構成。
【0012】さらに、構成2の窒素酸化物吸収剤は、次
の構成5の製造方法によって製造することができる。
【0013】(5) 構成2の窒素酸化物吸収剤の製造
方法であって、硝酸バリウム及び/又は硝酸ストロンチ
ウムの粉体と、酸化銅、酸化鉄、硝酸銅及び硝酸鉄のう
ちの少なくとも1つの粉体との混合物を不活性雰囲気中
で400〜600°Cの温度で硝酸塩分解してバリウム
及び/又はストロンチウムの酸化物と銅及び/又は鉄の
酸化物との混合物を含む固形状の窒素酸化物吸収剤を得
ることを特徴とした構成。
【0014】上述の構成3において、成形剤としては、
例えば、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ケイ素及
びベントナイトなどをゾル状あるいはゲル状の形態にし
たものを用いることができる。また、構成4におけるア
ルカリ土類元素の塩類としては、Ba(NO3 2 等の
硝酸塩やBaCl2 等の塩化物等を用いることができ、
遷移元素の塩類としては、Cu(NO3 2 等の硝酸
塩、CuCl2 等の塩化物もしくはCuSO4 等の硫酸
塩等を用いることができる。さらに担体物質としては、
酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ケイ素等の成形体
を用いる。ここで、構成3,4において、焼成温度を3
00〜600℃としたのは、300℃未満では焼成が十
分に行われないために、成形した形状を維持することが
できず、600℃を越えると焼成体の表面積や空隙率が
低下してしまい、、吸収剤として良好な性能が得られな
くなるからである。また、構成5における不活性ガスと
しては、例えば、窒素ガス等を用いることができる。硝
酸バリウムの粉体と酸化銅又は硝酸銅の粉体との混合物
を、400〜600℃の不活性雰囲気にさらすと硝酸バ
リウムが分解されて酸化バリウムと酸化銅からなる固形
状の窒素酸化物吸収剤が得られる。
【0015】さらに、上述の構成1の窒素酸化物吸収剤
を用いた次の構成6,7による窒素酸化物回収方法によ
れば、高温ガスから吸収した高濃度の窒素酸化物を効率
よく回収することができる。
【0016】(6) 酸素及び窒素酸化物を含む250
〜500°Cの高温ガスを構成1の窒素酸化物吸収剤に
接触させて前記高温ガス中の窒素酸化物を吸収させる第
1工程と、前記窒素酸化物を吸収した窒素酸化物吸収剤
を300〜600°Cの不活性気体に接触させて前記吸
収した窒素酸化物を脱離させて回収する第2工程とを含
む構成。
【0017】この構成6,7における不活性ガスとして
は、例えば窒素ガスを用いることができる。ここで、構
成7によれば、回収した窒素酸化物を硝酸製造の原料と
して有効に活用でき、また、窒素酸化物を脱離した窒素
酸化物吸収剤を繰り返し利用することができる。
【0018】また、構成6,7の窒素酸化物回収方法
を、酸素及び窒素酸化物の外に二酸化炭素を含む高温ガ
ス中の窒素酸化物を回収する場合に適用したときには、
これに用いた窒素酸化物吸収剤が二酸化炭素を吸収する
ことによって、窒素酸化物を吸収する能力が次第に劣化
する。しかし、次の構成8,9による窒素酸化物吸収剤
再生方法によれば、これを再生することができる。
【0019】(8) 酸素及び窒素酸化物の外に二酸化
炭素を含む高温ガス中の窒素酸化物を構成6の窒素酸化
物回収方法で回収する際に用いた窒素酸化物吸収剤を再
生する窒素酸化物吸収剤再生方法であって、前記窒素酸
化物及び二酸化炭素を吸収した窒素酸化物吸収剤に硝酸
を反応させて二酸化炭素を脱離させた後、300〜60
0°Cの不活性気体に接触させて窒素酸化物吸収剤を再
生することを特徴とした構成、及び、 (9) 酸素及び窒素酸化物の外に二酸化炭素を含む高
温ガス中の窒素酸化物を構成6の窒素酸化物回収方法で
回収する際に用いた窒素酸化物吸収剤を再生する窒素酸
化物吸収剤再生方法であって、前記窒素酸化物及び二酸
化炭素を吸収した窒素酸化物吸収剤に、300〜500
°Cの高濃度窒素酸化物と空気との混合気体を接触させ
た後、300〜600°Cの不活性気体に接触させ、二
酸化炭素を脱離させて窒素酸化物吸収剤を再生すること
を特徴とした構成。
【0020】上述の構成8,9における不活性気体とし
ては、窒素ガス等を用いることができる。
【0021】
【作用】上述の構成1の窒素酸化物吸収剤を、酸素及び
窒素酸化物を含む高温ガスに接触させることにより、該
高温ガス中の窒素酸化物を有効に吸収させることができ
る。これは、遷移元素の酸化物が触媒作用をし、窒素酸
化物がアルカリ土類元素の酸化物又は水酸化物もしくは
遷移元素の酸化物と反応してその生成物の中に取り込ま
れるからであると考えられる。この場合、構成2のよう
に、アルカリ土類元素としてバリウム(Ba)及び/又
はストロンチウム(Sr)を用い、遷移元素として銅
(Cu)及び/又は鉄(Fe)を用いれば、特に窒素酸
化物の吸収能力にすぐれたものを得ることができる。な
お、アルカリ土類元素の吸収能はBa=Sr>Caであ
り、遷移元素酸化物の触媒作用はCuO=Fe2 3
Co23 >NiOであることが確認されている。ま
た、アルカリ土類元素の酸化物又は水酸化物単独でも一
定の吸収能はあるが、吸収速度が著しく遅いために実用
性に乏しいことが確認されている。さらに、アルカリ土
類元素の酸化物又は水酸化物と遷移元素の酸化物が何等
かのかたちで含まれている物質、例えば、上述の酸化物
超電導体のような物質及びその水和分解物にも一定の吸
収能があるが、アルカリ土類元素の酸化物又は水酸化物
と遷移元素の酸化物との混合物を主成分とするものに比
較すると、その吸収能が小さいことが確認されている。
これは、これら酸化物超電導体等に含まれるアルカリ土
類元素の酸化物又は水酸化物と遷移元素の酸化物との混
合量の量が全体の量に比較して少ないためであると考え
られる。
【0022】また、構成3〜5の製造方法によれば、固
形状の窒素酸化物吸収剤を得ることができる。
【0023】さらに、構成6,7によれば、構成1の窒
素酸化物吸収剤で吸収した窒素酸化物を高濃度の状態で
回収することができる。これは、窒素酸化物を吸収した
窒素酸化物吸収剤を、吸収の際の高温ガスの温度より高
い温度の不活性気体に接触させることにより、アルカリ
土類元素の酸化物等と窒素酸化物との反応生成物が分解
されて、この生成物中に取り込まれた窒素酸化物が脱離
するためであると考えられる。また、この回収方法にお
ける反応温度や空間速度は従来の「アンモニヤ添加接触
還元法」の場合とほぼ一致するので、この従来の方法を
実施する装置の一部を改造するだけで本発明の方法を実
施することができる。しかも、構成7によれば、回収し
た窒素酸化物を硝酸製造の原料として有効に活用でき、
また、窒素酸化物を脱離した窒素酸化物吸収剤を繰り返
し利用に供することもできる。
【0024】また、構成8,9によれば、高温ガス中の
二酸化炭素を吸収して窒素酸化物を吸収する能力が劣化
した窒素酸化物吸収剤を再生することができる。ここ
で、窒素酸化物吸収剤が二酸化炭素を吸収することによ
り、窒素酸化物の吸収能力が劣化するのは、アルカリ土
類元素の酸化物等が二酸化炭素と反応して生じた反応生
成物(例えば、CaCO3 )が増えることにより、窒素
酸化物と反応することができるアルカリ土類金属の酸化
物等が相対的に減ることになるからであると考えられ
る。したがって、このアルカリ土類元素の酸化物等と二
酸化炭素との反応生成物を分解して元のアルカリ土類元
素の酸化物等に戻してやれば、吸収能力を回復させ、再
生することができる。構成8では、アルカリ土類元素の
酸化物等と二酸化炭素との反応生成物に硝酸を反応させ
て硝酸塩と二酸化炭素を生じさせることにより二酸化炭
素を脱離させ、しかる後、この硝酸塩を高温の不活性気
体に接触させることにより分解して元のアルカリ土類元
素の酸化物等に戻して再生している。また、構成9で
は、アルカリ土類元素の酸化物等と二酸化炭素との反応
生成物に300〜500℃の高濃度窒素酸化物と空気と
の混合気体を接触させて上記反応生成物を分解し、これ
により二酸化炭素を脱離させて再生しているものであ
る。
【0025】
【実施例】
1.窒素酸化物吸収剤及びその製造方法の実施例並びに
比較例実施例1ー1 この実施例は、Ba(OH)2 粉とCuO粉との混合粉
で粉体状の窒素酸化物吸収剤を構成した例である。
【0026】粒径5〜20μm程度のBa(OH)2
粉体と、粒径5〜20μm程度のCuOの粉体とを重量
比で約4:1の割合で均一に攪拌混合して混合粉を作製
し、粉体状の窒素酸化物吸収剤を得た。
【0027】こうして得た窒素酸化物吸収剤を、O2
度が4%、NO濃度が2000ppmで温度が350°
Cの高温ガスに300分以上接触させてそのNO吸収量
及び初期吸収速度を熱天秤装置で測定したところ、NO
吸収量は8.2m mol/g であり、初期吸収速度は0.
040m mol/g ・min という極めて高い値を示した。
【0028】なお、この場合における接触時間とNO吸
収量との関係を図1のグラフに○印のプロット点で示し
た。図1において、横軸が接触時間(単位;分)であ
り、縦軸が吸収量(単位;m mol/g )である。
【0029】実施例1ー2 この実施例は、Ba(OH)2 粉とCuO粉との混合割
合を1:1にした外は上述の第1実施例と同じ構成とし
た粉体状の窒素酸化物吸収剤である。
【0030】この窒素酸化物吸収剤を実施例1ー1と同
様の高温ガスであってNO濃度が1000ppmの高温
ガスに同様に接触させてそのNO吸収量及び初期吸収速
度を測定したところ、NO吸収量は5.8m mol/g で
あり、初期吸収速度は0.028m mol/g ・min とい
う高い値を示した。実施例1−1と1ー2の結果から、
触媒としてのCuO粉に比較してBa(OH)2 粉の割
合をある程度大きくしたほうが吸収能力に勝れることが
わかる。
【0031】実施例1ー3 この実施例は、Ba(OH)2 粉及びCuO粉にさらに
2 3 粉を加え、これらの混合割合をY2 3 粉:B
a(OH)2 粉:CuO粉=1:2:3にした粉体状の
窒素酸化物吸収剤である。
【0032】この窒素酸化物吸収剤を実施例1ー1と同
様の高温ガスであってNO濃度が1000ppmの高温
ガスに同様に接触させてそのNO吸収量及び初期吸収速
度を測定したところ、NO吸収量は3.8m mol/g で
あり、初期吸収速度は0.035m mol/g ・min とい
う比較的高い値を示した。ただし、Y2 3 粉を加えな
い上述の実施例1ー1,1ー2の場合に比較すると吸収
能力がやや劣る。この結果から、Y2 3 粉は加えない
ほうがよいことがわかる。
【0033】実施例1ー4 この実施例は、Ba(OH)2 粉とFe2 3 粉との混
合粉で粉体状の窒素酸化物吸収剤を構成した例であり、
CuO粉の代わりにFe2 3 粉を用いた点を除くほか
の構成は上記実施例1ー1と同じ構成とした。
【0034】この窒素酸化物吸収剤を実施例1ー1と同
様の高温ガスであってNO濃度が2000ppmの高温
ガスに同様に接触させてそのNO吸収量及び初期吸収速
度を測定したところ、NO吸収量は5.8m mol/g で
あり、初期吸収速度は0.038m mol/g ・min とい
う高い値を示したが、実施例1ー1に比較するとやや劣
る。この結果から、触媒としての作用はCuO粉のほう
がFe2 3 粉よりも勝れていることがわかる。なお、
この場合における接触時間(横軸:単位;分)とNO吸
収量(縦軸:単位;m mol/g )との関係を図1のグラ
フに●印のプロット点で示した。
【0035】実施例1ー5 この実施例は、Ba(OH)2 粉とCo2 3 粉との混
合粉で粉体状の窒素酸化物吸収剤を構成した例であり、
CuO粉の代わりにCo2 3 粉を用いた点を除くほか
の構成は上記実施例1ー1と同じ構成とした。
【0036】この窒素酸化物吸収剤を実施例1ー1と同
様の高温ガスに同様に接触させてそのNO吸収量及び初
期吸収速度を測定したところ、NO吸収量は5.3m
mol/g であり、初期吸収速度は0.039m mol/g ・
min という高い値を示したが、実施例1ー4に比較して
やや劣る。この結果から、触媒としての作用はFe2
3 粉のほうがCo2 3 粉よりもやや勝れていることが
わかる。
【0037】実施例1ー6 この実施例は、Ba(OH)2 粉とNiO粉との混合粉
で粉体状の窒素酸化物吸収剤を構成した例であり、Cu
O粉の代わりにNiO粉を用いた点を除くほかの構成は
上記実施例1ー1と同じ構成とした。
【0038】この窒素酸化物吸収剤を実施例1ー1と同
様の高温ガスに同様に接触させてそのNO吸収量及び初
期吸収速度を測定したところ、NO吸収量は2.5m
mol/g であり、初期吸収速度は0.015m mol/g ・
min であって、実施例1ー1〜1ー5に比較すると低い
値であるが、材料自体が安価であるため、工業用として
十分実用に耐える値であることがわかった。この結果か
ら、NiOの触媒としての作用はCo2 3 粉よりも劣
ることがわかる。
【0039】実施例1ー7 この実施例は、Ca(OH)2 粉とCuO粉との混合粉
で粉体状の窒素酸化物吸収剤を構成した例であり、Ba
(OH)2 粉の代わりにCa(OH)2 粉を用いた点を
除くほかの構成は上記実施例1ー1と同じ構成とした。
【0040】この窒素酸化物吸収剤を実施例1ー1と同
様の高温ガスであってNO濃度が2000ppmの高温
ガスに同様に接触させてそのNO吸収量及び初期吸収速
度を測定したところ、NO吸収量は1.3m mol/g で
あり、初期吸収速度は0.034m mol/g ・min であ
って、上記実施例1ー1〜実施例1ー4に比較すると低
い値であるが、材料自体が安価であるため、工業用とし
て十分実用に耐える値であることがわかった。また、こ
の結果からCa(OH)2 を用いた場合よりもBa(O
H)2 を用いたほうが吸収能力に勝れることがわかる。
なお、この場合における接触時間(横軸:単位;分)と
NO吸収量(縦軸:単位;m mol/g )との関係を図1
のグラフに△印のプロット点で示した。
【0041】実施例1ー8 この実施例は、BaO粉とCuO粉との混合粉で粉体状
の窒素酸化物吸収剤を構成した例であり、Ba(OH)
2 粉の代わりにBaO粉を用い、かつ、BaO粉とCu
O粉との混合割合を3.5:1とした点を除くほかの構
成は上記実施例1ー1と同じ構成とした。
【0042】この窒素酸化物吸収剤を実施例1ー1と同
様の高温ガスであってNO濃度が2000ppmの高温
ガスに同様に接触させてそのNO吸収量及び初期吸収速
度を測定したところ、NO吸収量は3.8m mol/g で
あり、初期吸収速度は0.031m mol/g ・min であ
り、十分実用に耐える値であることがわかった。なお、
この場合における接触時間(横軸:単位;分)とNO吸
収量(縦軸:単位;mmol/g )との関係を図1のグラフ
に▲印のプロット点で示した。
【0043】実施例1ー9 この実施例は、Ba(OH)2 粉の代わりにSrO粉を
粉を用いた点を除くほかの構成は上記実施例1ー1と同
じ構成とした。
【0044】この窒素酸化物吸収剤を実施例1ー1と同
様の高温ガスに同様に接触させてそのNO吸収量及び初
期吸収速度を測定したところ、NO吸収量は8.4m
mol/g であり、初期吸収速度は0.035m mol/g ・
min という実施例1ー1とほぼ同等の極めて高い値を示
した。この結果から、Ba(OH)2 粉とSrO粉とは
ほぼ同等の吸収能力を有していることがわかる。
【0045】実施例1ー10 この実施例は、Ba(OH)2 とCuOとの混合物で固
形状の窒素酸化物吸収剤を構成した例である。
【0046】粒径5〜20μm程度のBa(OH)2
粉体と、粒径5〜20μm程度のCuOの粉体とを重量
比で約4:1の割合で均一に攪拌混合して混合粉を作製
した。
【0047】次に、上記混合粉に、媒質中に酸化アルミ
ニウムを約10%分散させた酸化アルミニウムゾルを加
えていき、ペースト状物を形成した。次いで、このペー
スト状物を厚さ5mmのアルミニウム板に形成した直径
5mmφの多数の貫通孔内に充填し、数時間ないし十数
時間放置して乾燥させた。しかる後、こうして得た5m
mφ×5mmの多数の円柱状の成形体を空気雰囲気で5
00°Cで約3時間焼成し、多数の固形状の窒素酸化物
吸収剤を得た。
【0048】この窒素酸化物吸収剤を実施例1ー1と同
様の高温ガスであってNO濃度が2000ppmの高温
ガスに同様に接触させてそのNO吸収量及び初期吸収速
度を測定したところ、NO吸収量は6.2m mol/g で
あり、初期吸収速度は0.035m mol/g ・min とい
う高い値を示した。
【0049】実施例1−11 この実施例は、含浸法によって得たBaOとCuOとの
混合成形体で固形状の窒素酸化物吸収剤を構成した例で
ある。予め5mmφ×5mmの円柱状に調整した酸化ア
ルミニウム成形体にBa(NO3 2 とCu(NO3
2 との混合水溶液を含浸後、同様に焼成して同様の固形
状の窒素酸化物吸収剤を得た。
【0050】この窒素酸化物吸収剤を実施例1ー1と同
様の高温ガスであってNO濃度が2000ppmの高温
ガスに同様に接触させてそのNO吸収量及び初期吸収速
度を測定したところ、NO吸収量は6.5m mol/g で
あり、初期吸収速度は0.036m mol/g ・min であ
り、高い値を示した。
【0051】実施例1ー12 この実施例では、Ba(NO3 2 の粉体とCu(NO
3 2 の粉体との均一な混合物を窒素ガス雰囲気中で4
00〜600°Cの温度で硝酸塩分解し、BaOとCu
Oとからなる固形状の窒素酸化物吸収剤を得た。
【0052】この窒素酸化物吸収剤を実施例1ー1と同
様の高温ガスであってNO濃度が2000ppmの高温
ガスに同様に接触させてそのNO吸収量及び初期吸収速
度を測定したところ、NO吸収量は4.2m mol/g で
あり、初期吸収速度は0.044m mol/g ・min とい
う高い値を示した。
【0053】比較例1 この比較例は、イットリウムーバリウムー銅系酸化物超
電導体物質(YBa2Cu3 7-δ)の粉体である。こ
の酸化物超電導体物質の粉体を、O2 濃度が2%、NO
濃度が2000ppmで温度が330°Cの高温ガスに
300分以上接触させてそのNO吸収量及び初期吸収速
度を測定したところ、NO吸収量は1.4m mol/g で
あり、初期吸収速度は0.05m mol/g ・min であ
り、一応の吸収能力を示した。ただし、材料自体が高価
であり、工業用として実用的なものとはいえない。な
お、NOを吸収したものを後述する再生方法によって再
生した後に415°Cの高温ガス(組成は上記と同じ)
に接触させて再び吸収測定を行ったところ、NO吸収量
は1.2m mol/g であり、初期吸収速度は0.05m
mol/g ・min であった。さらにもう一度再生処理を行っ
たものを、NO濃度が4000ppmである外は上記と
同じ高温ガスに接触させてその吸収を測定したところ、
NO吸収量は0.84m mol/g であり、初期吸収速度
は0.12mmol/g ・min であり、再生のたびに吸収能
力が次第に低下する傾向が認められた。
【0054】比較例2 この比較例は、イットリウムーバリウムー銅系酸化物超
電導体物質(YBa2Cu3 7-δ)に水を添加し、常
温で30分間放置した後、110°Cで乾燥させて得た
YBa2 Cu3 7-δの水和分解生成物である。なお、
この水和分解生成物には、複数種類の組成物が含まれ、
そのなかにはBaの水酸化物も含まれているものと推定
されるが、全ての組成物の正確な分析は未だ行われてい
ない。この水和分解生成物を、O2 濃度が2%、NO濃
度が2000ppmで温度が325°Cの高温ガスに3
00分以上接触させてそのNO吸収量及び初期吸収速度
を測定したところ、NO吸収量は4.6m mol/g であ
り、初期吸収速度は0.045m mol/g ・min であっ
て、かなり高い吸収能力を示した。ただし、材料自体が
高価であり、工業用として実用的なものとはいえない。
なお、NOを吸収したものを後述する再生方法によって
再生した後に温度のみ390°Cにかえた上記と同じ高
温ガスに接触させて再び吸収測定を行ったところ、NO
吸収量は3.6m mol/g であり、初期吸収速度は0.
045m mol/g ・min であった。
【0055】比較例3 この比較例は、市販のBa(OH)2 粉単独である。
【0056】このBa(OH)2 粉を、O2 濃度が4
%、NO濃度が1000ppmで温度が350°Cの高
温ガスに300分以上接触させてそのNO吸収量及び初
期吸収速度を測定したところ、NO吸収量は2.8m
mol/g 以下であり、初期吸収速度は0.013m mol/
g ・min であった。この比較例は一定の吸収能力は備え
ているものの吸収速度が著しく遅いために実用性に乏し
いことがわかった。
【0057】比較例4 この比較例は、YBa2 Cu3 7-δの水和生成物の1
つであって、その組成が解明されたY2 BaCuO5
ある。上記比較例3と同様の吸収能測定を行ったとこ
ろ、全く吸収能力を有しないことがわかった。
【0058】比較例5 この比較例は、Y2 3 の粉と、Ba(OH)2 の粉と
を重量比で1:4に均一に混合した混合粉である。上記
比較例3,4と同様の吸収能測定を行ったところ、NO
吸収量は0.37m mol/g 以下であり、初期吸収速度
は0.005mmol/g ・min といずれも著しく小さく、
実用性に乏しいものであることがわかった。
【0059】比較例6 この比較例は、イットリウムーバリウムー銅系酸化物超
電導体物質(YBa2Cu3 7-δ)の水和分解物にA
2 3 のゾルを加えて成形・乾燥・焼成(400°
C)したペレットである。
【0060】この比較例を、O2 濃度が2%、NO濃度
が2000ppmで温度が350°Cの高温ガスに30
0分以上接触させてそのNO吸収量及び初期吸収速度を
測定したところ、NO吸収量は0.35m mol/g であ
り、初期吸収速度は0.02m mol/g ・min であっ
た。この比較例は吸収能力が著しく低いために実用性に
乏しいことがわかった。
【0061】比較例7 この比較例は、Ba(OH)2 粉4に触媒としてCr2
3 粉1を加えて混合した混合粉である。
【0062】この混合粉について窒素酸化物の吸収能測
定を行ったところ、全く吸収能力を有しないことがわか
った。この結果から、Cr2 3 粉は触媒としての作用
を全く有しないことがわかる。
【0063】2.窒素酸化物回収方法の実施例 この実施例は、上述の各実施例の窒素酸化物吸収剤を用
いて高温ガス中の窒素酸化物を吸収した後、この吸収し
た窒素酸化物を脱離させて高濃度の窒素酸化物として回
収する窒素酸化物回収方法である。この方法は、以下の
手順で行った。
【0064】窒素酸化物吸収剤を、O2 濃度が4%、N
O濃度が1000ppmで温度が350°Cの高温ガス
に300分以上接触させて上記高温ガス中の窒素酸化物
を吸収させた。次に、窒素酸化物を吸収した上記窒素酸
化物吸収剤を400°Cの高温窒素ガスに接触させた。
その結果、測定に用いたNO分析計の測定上限値(20
00ppm)以上の高濃度の窒素酸化物を含む気体を回
収することができた。この場合、窒素ガスの流量を低減
させるかまたは温度を上昇させれば、さらに高濃度の窒
素酸化物が得られることも確認された。
【0065】なお、このようにして回収した高濃度の窒
素酸化物(NO等)を含む気体を、硝酸製造システム等
に移送すれば、硝酸製造等の原料として有効に利用でき
る。すなわち、例えば、この実施例にかかる窒素酸化物
回収方法を実施するシステムを火力発電等の燃焼ガス中
のNOx 除去システムとして設置し、このシステムに硝
酸製造システムを結合させると、除去したNOx をただ
ちに硝酸製造の原料として有効に活用することができ
る。また、窒素酸化物を脱離した後の窒素酸化物吸収剤
を、再度窒素酸化物吸収工程に移送すれば、窒素酸化物
吸収剤を繰り返し利用に供することもできる。
【0066】3.窒素酸化物吸収剤再生方法の実施例 この実施例は、実施例2の窒素酸化物回収方法を、酸素
及び窒素酸化物の外に二酸化炭素を含む高温ガス中の窒
素酸化物を回収する場合に適用したことによって、これ
に用いた窒素酸化物吸収剤が二酸化炭素を吸収して窒素
酸化物を吸収する能力が劣化した場合にこれを再生する
窒素酸化物吸収剤再生方法の実施例である。以下、硝酸
水添加による湿式法(実施例3ー1)、高濃度窒素酸化
物と空気との混合ガスへの接触による乾式法(実施例3
ー2)について説明する。
【0067】実施例3−1 この実施例で再生する窒素酸化物吸収剤としては、実施
例2の方法によって、二酸化炭素を2%含む高温ガス中
の窒素酸化物の回収を5回繰り返した窒素酸化物吸収剤
であって、窒素酸化物吸収能力が、初期の能力に比較し
て約30%に低下したものを用いた。
【0068】上記窒素酸化物吸収剤に硝酸水を加えた。
加える量は、おおよそ上記窒素酸化物中に生成されてい
る炭酸塩の当量より0〜20%過剰とした。次に、硝酸
水添加による反応の終了を待って、これを450°Cの
窒素ガス中で100分焼成した。その結果、上記窒素酸
化物吸収剤に生成物として含まれていた二酸化炭素が完
全に除去され、窒素酸化物吸収能力がほぼ完全に初期の
状態に回復し、再生された。
【0069】実施例3ー2 実施例3ー1における場合と同様の劣化した窒素酸化物
吸収剤を、実施例2で回収した高濃度窒素酸化物に空気
を加えて窒素酸化物を5%、酸素を5%含む400°C
の高温気体に120分間接触させた。これにより、窒素
酸化物吸収剤中の炭酸塩が硝酸塩に変化した。次に、こ
れを450°Cの窒素ガスに100分間接触させた。そ
の結果、上記窒素酸化物吸収剤に生成物として含まれて
いた二酸化炭素が完全に除去され、窒素酸化物吸収能力
がほぼ完全に初期の状態に回復し、再生された。
【0070】以上、詳述した実施例によれば、以下の利
点がある。
【0071】a.現在実用化が普及している「アンモニ
ア添加選択接触還元法」の適用温度域において、高価な
アンモニアを消費せずに窒素酸化物を吸収除去すること
ができる。
【0072】b.この実施例の窒素酸化物吸収剤の吸収
能(吸収量と吸収速度)が大きいので吸収剤の所要量は
「アンモニア添加選択接触還元法」における触媒量とほ
ぼ同量である。
【0073】c.窒素酸化物吸収後の吸収剤は吸収温度
と同温度乃至50℃昇温下で窒素酸化物と酸素を含まない
不活性ガスを流通させることにより、容易に高濃度窒素
酸化物を脱離して吸収剤を再生することができる。
【0074】d.再生した窒素酸化物吸収剤は吸収工程
に再利用できる。
【0075】e.回収した高濃度窒素酸化物(主成分は
酸化窒素)は硝酸製造等の化学工業原料として利用でき
る。
【0076】f.燃焼ガス中の炭酸ガスあるいは空気中
の炭酸ガスを吸収して吸収能が低下した吸収剤は、硝酸
水添加による湿式処理法あるいは脱離工程で回収される
高濃度窒素酸化物と空気の混合ガスによって容易に再生
できる。
【0077】g.この実施例の窒素酸化物吸収剤は、例
えば、水酸化バリウムあるいは酸化バリウムの微粉末と
酸化銅微粉末の物理的操作による混合粉末でよいので、
調製が極めて容易である。
【0078】h.工業的に用いるため、ペレット状の吸
収剤が必要な場合は、触媒調製に通常用いられる酸化ア
ルミニウム、酸化チタン、酸化ケイ素あるいはベントナ
イト等の粘土類をゾル状あるいはゲル状にして上記吸収
剤に加えて成形することにより、容易に調製することが
できる。
【0079】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明にかかる窒
素酸化物吸収剤、その製造方法及びその再生方法並びに
窒素酸化物回収方法は、窒素酸化物吸収剤を、アルカリ
土類元素の酸化物又は水酸化物と、遷移元素の酸化物と
の混合物を含む物質で構成することにより、高価なアン
モニアを消費することなく高温ガス中の窒素酸化物を効
率よく除去・回収できる窒素酸化物吸収剤、その製造方
法及びその再生方法並びに窒素酸化物回収方法を得てい
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の窒素酸化物吸収能力を示す
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B01D 53/36 102 C 9042−4D (72)発明者 横山 隆壽 東京都港区南麻布3ー9ー12

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素及び窒素酸化物を含む高温ガス中の
    窒素酸化物を吸収する窒素酸化物吸収剤であって、 アルカリ土類元素の酸化物又は水酸化物と、遷移元素の
    酸化物との混合物を含む物質からなることを特徴とした
    窒素酸化物吸収剤。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の窒素酸化物吸収剤にお
    いて、 前記アルカリ土類元素がバリウム(Ba)及び/又はス
    トロンチウム(Sr)であり、前記遷移元素が銅(C
    u)及び/又は鉄(Fe)であることを特徴とした窒素
    酸化物吸収剤。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の窒素酸化物吸収剤の製
    造方法であって、 アルカリ土類元素の酸化物又は水酸化物の粉体と遷移元
    素の酸化物の粉体との混合物に成形剤を加えて成形後、
    300〜600°Cの温度で焼成することにより、固形
    状の窒素酸化物吸収剤を得ることを特徴とした窒素酸化
    物吸収剤製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の窒素酸化物吸収剤の製
    造方法であって、 アルカリ土類元素の塩類と遷移元素の塩類とを含有する
    水溶液を酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ケイ素な
    どの担体物質に含浸後、300〜600℃の温度で焼成
    することにより、固形状の窒素酸化物吸収剤を得ること
    を特徴とした窒素酸化物吸収剤製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の窒素酸化物吸収剤の製
    造方法であって、 硝酸バリウム及び/又は硝酸ストロンチウムの粉体と、
    酸化銅、酸化鉄、硝酸銅及び硝酸鉄のうちの少なくとも
    1つの粉体との混合物を不活性雰囲気中で400〜60
    0°Cの温度で硝酸塩分解してバリウム及び/又はスト
    ロンチウムの酸化物と銅及び/又は鉄の酸化物との混合
    物を含む固形状の窒素酸化物吸収剤を得ることを特徴と
    した窒素酸化物吸収剤製造方法。
  6. 【請求項6】 酸素及び窒素酸化物を含む250〜50
    0°Cの高温ガスを請求項1に記載の窒素酸化物吸収剤
    に接触させて前記高温ガス中の窒素酸化物を吸収させる
    第1工程と、 前記窒素酸化物を吸収した窒素酸化物吸収剤を300〜
    600°Cの不活性気体に接触させて前記吸収した窒素
    酸化物を脱離させて回収する第2工程とを含む窒素酸化
    物回収方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の窒素酸化物回収方法に
    おいて、 前記第2工程で回収した窒素酸化物を硝酸製造システム
    に移送して硝酸製造の原料として用いるとともに、前記
    窒素酸化物を脱離した窒素酸化物吸収剤を前記第1工程
    に移送して第1工程の窒素酸化物吸収剤として用いるこ
    とを特徴とした窒素酸化物回収方法。
  8. 【請求項8】 酸素及び窒素酸化物の外に二酸化炭素を
    含む高温ガス中の窒素酸化物を請求項6に記載の窒素酸
    化物回収方法で回収する際に用いた窒素酸化物吸収剤を
    再生する窒素酸化物吸収剤再生方法であって、 前記窒素酸化物及び二酸化炭素を吸収した窒素酸化物吸
    収剤に硝酸を反応させて二酸化炭素を脱離させた後、3
    00〜600°Cの不活性気体に接触させて窒素酸化物
    吸収剤を再生することを特徴とした窒素酸化物吸収剤再
    生方法。
  9. 【請求項9】 酸素及び窒素酸化物の外に二酸化炭素を
    含む高温ガス中の窒素酸化物を請求項6に記載の窒素酸
    化物回収方法で回収する際に用いた窒素酸化物吸収剤を
    再生する窒素酸化物吸収剤再生方法であって、 前記窒素酸化物及び二酸化炭素を吸収した窒素酸化物吸
    収剤に、300〜500°Cの高濃度窒素酸化物と空気
    との混合気体を接触させた後、300〜600°Cの不
    活性気体に接触させ、二酸化炭素を脱離させて窒素酸化
    物吸収剤を再生することを特徴とした窒素酸化物吸収剤
    再生方法。
JP30702892A 1992-05-15 1992-11-17 窒素酸化物吸収剤の製造方法 Expired - Fee Related JP3569295B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30702892A JP3569295B2 (ja) 1992-05-15 1992-11-17 窒素酸化物吸収剤の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4-123788 1992-05-15
JP12378892 1992-05-15
JP30702892A JP3569295B2 (ja) 1992-05-15 1992-11-17 窒素酸化物吸収剤の製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002305991A Division JP3607694B2 (ja) 1992-05-15 2002-10-21 窒素酸化物吸収剤及びその再生方法並びに窒素酸化物回収方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0623235A true JPH0623235A (ja) 1994-02-01
JP3569295B2 JP3569295B2 (ja) 2004-09-22

Family

ID=26460617

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30702892A Expired - Fee Related JP3569295B2 (ja) 1992-05-15 1992-11-17 窒素酸化物吸収剤の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3569295B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0673669A2 (en) * 1994-03-24 1995-09-27 Japan Pionics Co., Ltd. Cleaning agent of harmful gas and cleaning method
JP2003536012A (ja) * 2000-06-06 2003-12-02 ジョンソン、マッセイ、パブリック、リミテッド、カンパニー NOxトラップを包含するディーゼル排気機構

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102073307B1 (ko) * 2018-01-08 2020-02-04 고려대학교 산학협력단 구리산화물과 바륨산화물을 공함침시킨 질소산화물 흡착제 및 이를 이용한 질소산화물의 제거방법

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0673669A2 (en) * 1994-03-24 1995-09-27 Japan Pionics Co., Ltd. Cleaning agent of harmful gas and cleaning method
EP0673669A3 (en) * 1994-03-24 1995-12-13 Japan Pionics Purifying agent for harmful gases and purification process.
KR100318352B1 (ko) * 1994-03-24 2002-04-22 야마자키료이치 유해가스세정제및세정법
JP2003536012A (ja) * 2000-06-06 2003-12-02 ジョンソン、マッセイ、パブリック、リミテッド、カンパニー NOxトラップを包含するディーゼル排気機構

Also Published As

Publication number Publication date
JP3569295B2 (ja) 2004-09-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4210628A (en) Removal of nitrogen oxides
CA1327346C (en) Catalyst support material containing lanthanides
JP2002520136A (ja) イオウ化合物を含有する排ガスを処理する方法と触媒/吸着材
EP1718396A1 (en) Sulfur oxide adsorbents and emissions control
JPH02502444A (ja) 触媒及びその製造法
CN105107310A (zh) 一种催化陶瓷滤管及制备方法
CN110479303A (zh) 一种干法固体脱硫脱硝用催化剂及其脱硫脱硝剂
JPH02303539A (ja) Coを酸化するための担持触媒の製造法、担持触媒および接触法によるco酸化法
CN111939896A (zh) 常温催化臭氧分解的液体催化剂及其制备方法与应用
JPH02502445A (ja) 触媒及びその製造法
JPS6219243A (ja) 燃焼排気ガスの窒素酸化物含有量を減少させる触媒
RU2221642C2 (ru) Керамический катализатор для селективного разложения n2o и способ его получения
JPH10272336A (ja) 二酸化炭素吸収材および排ガス中の二酸化炭素の分離回収方法
WO2002022239A1 (en) Removal of sulfur oxides from exhaust gases of combustion processes
JP3569295B2 (ja) 窒素酸化物吸収剤の製造方法
Akyurtlu et al. Behavior of ceria-copper oxide sorbents under sulfation conditions
JP3607694B2 (ja) 窒素酸化物吸収剤及びその再生方法並びに窒素酸化物回収方法
JP3244520B2 (ja) 窒素酸化物の吸着剤及びこの吸着剤を用いた窒素酸化物の除去方法
JP2005111436A (ja) 窒素酸化物を接触的に除去するための方法とそのための装置
JP3339204B2 (ja) 窒素酸化物酸化吸着剤及び窒素酸化物除去法
JP3027219B2 (ja) 窒素酸化物の除去方法
JP2001079346A (ja) ガス処理方法とガス処理装置、およびハニカム状活性炭の再生方法
JPH11104491A (ja) COおよびNOxの酸化触媒
JP3705933B2 (ja) 窒素酸化物および/または硫黄酸化物の吸着剤、並びに該吸着剤を用いた窒素酸化物および/または硫黄酸化物の除去方法
JP3582141B2 (ja) 窒素酸化物除去法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040302

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040428

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040615

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040618

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080625

Year of fee payment: 4

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080625

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080625

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090625

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100625

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100625

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110625

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees