JPH06230464A - カメラのフィルム保持機構 - Google Patents

カメラのフィルム保持機構

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Publication number
JPH06230464A
JPH06230464A JP1770293A JP1770293A JPH06230464A JP H06230464 A JPH06230464 A JP H06230464A JP 1770293 A JP1770293 A JP 1770293A JP 1770293 A JP1770293 A JP 1770293A JP H06230464 A JPH06230464 A JP H06230464A
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JP
Japan
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film
pressure plate
solenoid
camera
holding mechanism
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Withdrawn
Application number
JP1770293A
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English (en)
Inventor
Masaki Tokui
正樹 徳井
Yasunobu Otsuka
康信 大塚
Takashi Watanabe
貴志 渡辺
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH06230464A publication Critical patent/JPH06230464A/ja
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  • Details Of Cameras Including Film Mechanisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】フィルムを焦点面に吸着させてフィルムの平面
性を高くするためのカメラのフィルム保持機構におい
て、より確実に平面出しを行うことができ、更に、保持
機構自体も小型であり、しかも、コスト上も有利となる
保持機構を提供すること。 【構成】第1の圧板1は、ソレノイド9によって操作さ
れ、フィルムを焦点面に圧接可能とする。通常は、ソレ
ノイド9には通電されておらず、該圧板1は後退してい
る。撮影に先立って、ソレノイド9に通電し、上記圧板
1を突出させ、フィルムを焦点面に圧接する。この状態
で図示しない負圧発生機構により負圧を発生せしめ、フ
ィルムを上記圧板1に吸着させ、平面性を高める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案はカメラのフィルム保持機
構、詳しくは、カメラ本体内のフィルム圧板にフィルム
のベース面を吸着させ、フィルムの平面度をよくするカ
メラのフィルム保持機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、撮影に先立って、フィルムの平面
性をよくするフィルム保持機構に関して提案されている
ものに、実公昭54−19863号公報に開示の機構が
ある。本機構においては、通常はバネでガイド板をフィ
ルムを焦点面に圧接しており、モーターの回転により空
気室を負圧にし、フィルムを吸着させて撮影が行われ
る。そして、モーターの逆転で空気室をもとに戻して空
気を吐き出し、フィルムの吸着を解くとともにガイド板
をレバーで強制的に引き離してガイド板の圧接を解き、
フィルムの巻き上げに支障をきたさない状態にする。
【0003】また、実公昭39−4362号公報に開示
のものは、常時圧接傾向に保った圧板をソレノイドで進
退させ、フィルムを圧接および解除するものである。ま
た、実公昭33−14638号公報に開示のものは、圧
板の背面部にダイヤフラムによる空気室をつくり、内部
機構と連動させて負圧をつくりフィルムを吸引するもの
である。更に、特公昭59−41172号公報に開示の
ものは、弾性体でフィルムを圧接するものである。
【0004】上記のものは、フィルムを積極的に圧接し
たり吸引したりして理想的な焦点面にフィルムを保持す
る先行技術の例である。更に、その他のものとして、例
えば、特開平3−182735号公報や特開平3−16
3425号公報に開示のものは、圧板であるガイド板を
本体の圧板レール面に圧接し、圧板面に対して0.2m
mほど段差をつけたフィルムレール面とし、所謂、トン
ネル式のフィルム保持機構を採用したものである。この
機構は、上記0.2mm幅のトンネル部をフィルムが通
過することによって、該フィルムの平面性を高めるよう
にしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記実公昭
54−19863号公報に開示のものは、箱型の圧板を
焦点位置に圧接しているが、構造が複雑である。そし
て、支持部材の後側に空気室、密閉板、駆動機構を配置
しているので大型になる。更に、マイクロモータと、減
速機構を使用しているので、毎秒5駒以上で撮影するな
どの高速巻き上げ駆動に対応するのには大型のモーター
が必要になる。また、駆動機構に異常が発生した時、フ
ィルムを圧接したまま巻き上げることになりフィルムに
傷がついたりフィルムが切断されたりする。更に、巻戻
しもできなくなり、フィルムをとり出せない状態になり
かねない。
【0006】また、前記実公昭39−4362号公報に
開示のものは、駆動機構に異常が発生した時、フィルム
を圧接したまま巻き上げることになりフィルムに傷がつ
いたり、フィルムが切断されたりする等の事故が発生す
る可能性がある。また、前記実公昭33−14638号
公報に開示のものは、実際にカメラに内蔵する時に重要
となるカメラの連動機構についての詳細な説明がなされ
ていない。また、特公昭59−41172号公報に開示
のものは、フィルムの巻き上げ時に大きな抵抗力が生じ
る。そして、高温度や、高湿度の環境での使用時にはフ
ィルムの乳剤が柔らかくなるので、フィルムに傷がつき
やすくなる不具合を有している。
【0007】一方、前記特開平3−182735号公報
や特開平3−163425号公報に開示のものでは、フ
ィルム給送の異常時にもフィルムにキズをつけたり、フ
ィルムの給送の負荷になったりすることはない。しか
し、フィルムが圧板側に沿って保持されることと、フィ
ルムの厚さが一定であることを前提にして、トンネル状
の段差が設けられているので、フィルムの厚さのバラツ
キ、特に、フィルムベース薄い場合には吸引保持しても
理想的な焦点面に保持できないという不具合がある。
【0008】また、仮に画面中心部が吸引動作によって
理想的な位置に保持されたとしても、前記トンネル式の
構造では、フィルム給送のために微小なすきまが必要で
あるが、この隙間とフィルムが持っているカーリングの
性質のためにガイドレール付近の平面性は確保できない
欠点がある。なお、上記平面性が確保できていない状態
とは、例えば、後述する図6のカメラのフィルム圧板回
りの断面図において、圧板1の中央部にフィルム100
の中央部のみがならい、膨らんだ状態をいう。
【0009】本発明は、上述の不具合を解決するために
なされたものであって、フィルムを焦点面に吸着させて
フィルムの平面性をよくするカメラのフィルム保持機構
において、上記吸着動作を効率よくフィルムの吸着を行
うことによって、より確実に平面出しを行うことがで
き、更に、保持機構自体も小型であり、しかも、コスト
上も有利となるカメラのフィルム保持機構を提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のカメラのフィル
ム保持機構は、カメラ本体内のフィルム圧板にフィルム
のベース面を吸着させるとともに、該フィルムの感光面
を撮影光学系の焦点面に押し付けるカメラのフィルム保
持機構において、上記フィルムのベース面をフィルム圧
板に吸着する動作を、上記フィルムの感光面を焦点面に
押し付ける動作の後に行うことを特徴とする。
【0011】
【作用】撮影に先立って、まず、フィルム圧板によりフ
ィルムの感光面を焦点面に圧接せしめ、その後、フィル
ムのベース面をフィルム圧板に吸着する。
【0012】
【実施例】以下、図を用いて本発明の実施例を説明す
る。本発明の実施例の詳細な説明に先だって、該実施例
のカメラのフィルム保持機構の概要について説明する。
該実施例のものは、従来の圧板を2つに分け、圧板レー
ルに圧接する第2の圧板と、フィルムを撮影光学系の焦
点面であるフィルムレール面に圧接するための第1の圧
板を具備するものとする。そして、第2の圧板には、該
圧板付勢用の圧板バネが装着されており、圧板レールに
第2の圧板が圧接している。
【0013】一方、第1の圧板の表面は、通常、第2の
圧板と同一面を形成している。また、第1の圧板は、第
2の圧板側に付勢するバネが掛けられた圧板駆動用ソレ
ノイドの可動鉄心を構成するプランジャに連設され、一
体化している。上記ソレノイドに通電されると、第1の
圧板はフィルムをフィルムレール面に圧接する。該通電
が止められると、第1の圧板は上記バネの付勢力により
通常の位置に復帰する。この状態では、フィルムとフィ
ルムレール面間には僅かな隙間が生じ、巻き上げ時のフ
ィルム通過抵抗が少ない。
【0014】更に、上記第1の圧板に連設固着したソレ
ノイドのプランジャには、第1の圧板の表面まで貫通す
る連通孔が配設されている。該プランジャの連通孔の他
端は、密閉した空気室に連通している。また、上記ソレ
ノイドとは別のフィルム吸着用ソレノイドが設けられて
おり、上記ソレノイドのプランジャは、上記空気室に連
通した部分に配設されている。従って、フィルム吸着用
ソレノイドに通電すると、空気室が拡大することにな
り、負圧が発生する。この負圧を上記連通孔を介して第
1の圧板に導き、フィルムを第1の圧板に吸着させる。
【0015】以上のように構成されたフィルム保持機構
において、撮影に際して、フィルムを平面性のよい状態
にするため、フィルムを第1の圧板に吸着させるが、そ
の動作に先だって、まず、圧板駆動ソレノイドに通電し
て、フィルムをフィルムレールに圧接し、フィルムと圧
板の隙間を小さくする。その後、フィルム吸着用ソレノ
イドに通電して、フィルムを第1の圧板の面に吸着さ
せ、平面性を上げる。このように、本フィルム保持機構
においては、フィルムと圧板の隙間を小さくした状態で
フィルムの吸引を実行するので、少ない吸引力で効率の
よいフィルム保持が可能となる。
【0016】即ち、先にフィルムを圧着すると、レール
面付近にカーリングによりできていた隙間をなくなっ
て、画面の短辺方向においては、フィルムと圧板が密閉
される。この時点では画面中央部には、まだ平面性が十
分とれていないところが存在する。しかる後、吸引動作
を行うと、フィルムの画面中央部を吸着するので圧板の
吸引口に流れ込む空気の流路は、殆どが本来吸引すべき
フィルム中央部付近の空間と、画面横方向の空間であ
る。しかし、画面横方向から流れ込む空気は、経路が長
く、しかも、フィルムと圧板との隙間が小さいので、極
めて少量である。従って、上述のように先にフィルムを
圧着し、その後にフィルムを吸引すると極めて効果がよ
いことになる。
【0017】次に、本発明の第1実施例のカメラのフィ
ルム保持機構について詳細に説明する。図1,2は、本
発明の第1実施例のカメラのフィルム保持機構の分解斜
視図であって、図1は該機構の圧板側の構成を示す分解
斜視図、図2は該機構の後蓋側の構成を示す分解斜視図
である。
【0018】上記フィルム保持機構は、撮影に先立って
フィルムの圧接と吸着を行い、撮影時のフィルムの平面
性を高くするための機構である。その機構のうち圧板側
に配設される機構部は、主に、図1に示されるようにフ
ィルムを本体に圧接させるための第1の圧板1と、該第
1の圧板1を保持する保持板3と、第2の圧板5と、第
2の圧板5を付勢するための圧板バネ7と、第1の圧板
1を駆動する部材であって、磁性体で構成される可動鉄
心10および該鉄心10が固着され、非磁性体の中空軸
8により形成されるプランジャ40と、上記中空軸8を
保持板3に固着するためのナット2と、上記中空軸8と
可動鉄心10で形成されるプランジャ40を駆動する吸
引型の圧板駆動用のソレノイド9と、該ソレノイド9等
を支持する地板であって、後述する後蓋28のネジ穴2
8dにビスにより固着される固定地板11と、上記プラ
ンジャ40を第1の圧板1側と反対の方向に付勢するも
のであって、上記ソレノイド9の外径より大きなコイル
径を有する圧縮コイルバネ13と、上記圧縮コイルバネ
の付勢力を受け、上記可動鉄心10の端面にスポット溶
接により固着されるワッシャ14等により構成されてい
る。
【0019】なお、上記第1の圧板1には図3の斜視図
に示すように、フィルムを吸引するための溝1a、11
個の貫通孔1b〜1d、4隅に保持板3を固定するため
の穴1f、裏側には貫通孔1bを空気流路として連通さ
せるための凹部1e(後述の図5参照))が配置されて
いる。また、該圧板1のフィルム給送方向の端面は角部
1gは滑らかな面になっている。また、上記保持板3に
は、前記ナット2の厚さより深い凹部3aと、4隅に第
1の圧板1を固定するためのビス4用の穴3bが配設さ
れている。
【0020】上記第2の圧板5には、その中央部に第1
の圧板と保持板3の厚さに相当する角形の凹部5aと、
前記軸8が隙間をもって貫通できる大きさの穴5bが形
成され、リベット6を受けるための平ザグリ部を持った
2つの穴5cがそれぞれ形成されている。
【0021】上記圧板バネ7は、4方向に延びた足の先
端にフォーク状の凸部7a,7b,7c,7dと切り欠
き7e,7f,7g,7hを有し、該足部が台形状に折
り曲げてある。また、中央部には円弧状の逃げ部7iと
2つの穴7jが配設されている。また、該圧板バネ7
は、第2の圧板5をカメラ本体に形成された圧板レール
面に圧接するようにリベット6により穴5cを介して第
2の圧板5にかしめられ、固着されている。そして、固
定地板11に固着された4本のリベット12a,12
b,12c,12d(リベット12c,12dは、図2
に図示する)にそのフォーク状の凸部7a,7b,7
c,7dを挟み込み、外れないように位置決めされる。
【0022】上記中空軸8には、その両端にネジ8a,
8bが切ってあり、上方側のネジ8aには保持板3を挟
んで上記ナット2がその雌ネジ2aにより螺着され、該
保持板3を保持する。なお、該ナット2にはその周囲に
締め付け用の凹部2bが2箇所に形成されている。そし
て、また、上記中空軸8の軸部下方には磁性体のカラー
状の可動鉄心10が挿入されて接着剤などにより、所定
の位置に固着されている。中空軸8の下方のネジ8bに
は、ナット15が螺着されるが、該ナット15と固定地
板11間には、上記圧縮コイルバネ13を挿入し、該バ
ネ13を受ける縁付きのワッシャ14と後述するゴムシ
ート24を挟持した状態で螺着される。従って、中空軸
8は、下方に、即ち、第1の圧板1と反対の方向に付勢
された状態で支持される。また、中空軸8の貫通孔は、
後述するゴムシート24で形成される空気室に連通した
状態となる。
【0023】上記圧板駆動用ソレノイド9は、ネジ穴9
b,9cで固定地板11の裏側にビス11aで固定され
ている。また、ソレノイド9のコイルボビン9e(図5
参照)に設けられている貫通孔9aに上記可動鉄心10
が出没自在に挿入されている。従って、ソレノイド9の
コイルに通電すると可動鉄心10が吸引され、中空軸8
が上方に突出する。
【0024】一方、上記フィルム保持機構の後蓋側に配
設される機構部は、図2に示されるように、主に上記固
定地板11の下側に2本のネジで各々固定され、可動鉄
心であるプランジャ18,19が挿入されているフィル
ム吸着用のソレノイド16,17と、該プランジャ1
8,19付勢用の圧縮コイルバネ20,21と、周囲に
鍔部を形成し上記バネが外れないように形成したワッシ
ャ22,23と、シリコンゴム等で形成される気密保持
用の可撓性のゴムシート24と、後蓋28との隙間を確
保するためのスペ−サ25とで構成されている。
【0025】上記可動鉄心であるプランジャ18,19
は、その一端はテーパー状に加工されて磁気効率の良い
状態で動作するようになっている。他端にはネジが加工
してあり、ワッシャ22,23とゴムシート24を挟ん
た状態でナット26,27が螺着される。
【0026】上記ゴムシート24は、その断面が半円型
に膨らんでいる2つのリング状突起24a,24bを有
している。該リング状突起24a,24bの中心に穴が
形成され、その周囲に平面部が形成されている。該平面
部は上記ワッシャ22,23が対向して位置し、密着可
能とする。従って、組立状態では、前記プランジャ1
8,19が貫通した状態で、圧縮コイルバネ20,21
を介在してワッシャ22,23と、ゴムシート24とを
ナット26,27で挟持し、固定地板11に保持され
る。
【0027】更に、前記ゴムシート24は、スペーサ2
5に空気が漏れないように接着されている。このスペー
サ25はさらに後蓋28の底面に固着されるが、これも
空気が漏れないように接着により固定される。
【0028】上記後蓋28は、カメラの開閉式の後蓋で
あって、ヒンジ部29が配設されている。このヒンジで
図示しないカメラに取り付けられる。この後蓋28に
は、図2に示すようにカメラ本体と電気的な通信を行う
ための接点30と、後蓋28を閉めたときフィルムを、
図示しないスプールに巻き付けるためのローラであっ
て、両端に軸部が2箇所形成されている案内ローラー3
1が配設されている。
【0029】このローラ31の軸を軸支する支持板32
は、一端側に2箇所の曲げ部と前記軸が嵌合するための
穴が配設されている。また、他の一端側には、円筒状に
丸めた軸受け部が2箇所配設され、前記支持板32を支
持する回動軸33が挿入されている。この回動軸33に
は反時計方向に付勢するバネ35が装着されている。そ
して、上記回動軸33が2箇所で後蓋28に固定されて
いる取付板34に軸支される。上記後蓋28は、周囲に
遮光用のひれと、中央に長方形の凹部を有し、更に、底
部には2つの円形の凹部28aと紡錘形の凹部28bが
形成されている。また、ヒンジ部29の反対側端部には
カメラ本体に係止してロックするための鍵部36が設け
られている。
【0030】次に、上記第1,2の圧板1、5で構成さ
れる圧板部の構造について詳細に説明すると、図3は、
前記第1の圧板1の斜視図であり、図4は、上記圧板部
の構造を示す断面図である。図3,4に示すように上記
第1の圧板1には、フィルムと接する側の面には上下に
櫛歯状の溝部1aが形成され、この溝部1aの一部には
裏面に貫通する微小な穴1b、1c、1dが開けられて
いる。また、該第1の圧板1の裏面側には凹部1eが設
けられ、空気が連通するようになっている。
【0031】そして、図4に示すように保持板3は、前
記第1の圧板1とほぼ同一の外形を有し、その中央には
凹部3aと中空軸8の太い径部を通す穴3bが開口して
いる。上記第1の圧板1は、上記保持板3の上部に図示
しないビスで密着固定されている。接着剤などを併用す
れば密着性は容易に得ることができる。このように構成
すれば、中空軸8の中空部と第1の圧板に設けられた小
穴と連通でき、また、空気がそれ以外の経路から出入り
することのない構造にすることができる。
【0032】また、第2の圧板5は、その中央の凹部に
上記第1の圧板1と保持板3が出没可能に保持されてお
り、該凹部の周囲に一段高い平面部を有している。該平
面部は、後述するカメラ本体の圧板レール51c(図6
参照)に圧接してフィルム通過用のトンネル間隔を確保
するようになっている。なお、保持板3は、中空軸8の
ネジ部8aを保持板3の穴に挿通してナット2で挟むよ
うにして固着されている。
【0033】図5は、本実施例のフィルム保持機構の組
立状態での縦断面図であるが、本図により、適用される
ソレノイドの構造、および、該保持機構の組付け状態に
ついて詳しく説明する。図5に示すように、第2の圧板
5の下面側には第2の圧板5を本体方向に付勢するため
の圧板バネ7が固着されている。一方、固定地板11に
は前述のしたように圧板バネ7を支持するための2本の
リベット6でかしめられている。該圧板バネ7は、第2
の圧板5がカメラ本体に圧接されたとき、前記リベット
12a,12b,12c,12dがスライドしてその変
位分を逃すようになっている。
【0034】固定地板11には前述のした3つのソレノ
イド9,16,17が各々2本のビスで固着されてい
る。図5の左側に配設されるフィルム吸着用ソレノイド
17から順に説明すると、ソレノイドケース17aはソ
レノイド17のケースを兼ね、磁気回路を形成するもの
であり、一部にタップが配設されている。磁極部17b
は、一方の磁極であって、上記ケース17aにかしめら
れている。そして、可動鉄心であるプランジャ19の対
向する面はテーパ状に形成してある。これは、磁気回路
効率を上げるための公知の方法である。上記ケース17
aに内蔵されるコイルボビン17cにはコイル17eが
挿入されている。また、ケース蓋17dは、ケース17
aと同じく磁気回路の一部を形成するようにかしめによ
り固定されている。なお、上記ケース17a、磁極部1
7bとケース蓋17d、および、プランジャ19は、磁
気回路を構成するため強磁性体で形成される。
【0035】また、圧縮コイルバネ21は、前述したよ
うにワッシャ23とゴムシート24を挟持した状態で、
プランジャ19にナット27で固着されており、通常は
前記ワッシャ23を下方に押してプランジャ19をソレ
ノイド17から離間する方向に付勢している。
【0036】図5の右側に配設されるフィルム吸着用ソ
レノイド16についても、上記ソレノイド17と同様の
構造を有している。即ち、ケース16aと、磁極部16
bと、コイルボビン16c、ケース蓋16d、コイル1
6e等同様の構成となっている。また、同様に圧縮コイ
ルバネ20は、前述したようにワッシャ22とゴムシー
ト24を挟持した状態で、プランジャ18にナット26
で固着される。そして、同様にプランジャ18をソレノ
イド16から離間する方向に付勢している。
【0037】次に、図5の中央部に配設される圧板駆動
用ソレノイド9について説明する。ソレノイド9のプラ
ンジャ40を構成する可動鉄心10は、ケース9aに固
着されている磁極部11に対向している配設される。そ
して、該鉄心10には、前述したように中空軸8が固着
され、更に、ワッシャ14がスポット溶接などにより固
着されている。
【0038】上記ソレノイド9を構成するソレノイドケ
ース9aとケース蓋9b、コイルボビン9eは他と同じ
く強磁性体で形成されている。なお、ソレノイドケース
9aとケース蓋9b、コイル9c、コイルボビン9e等
の構造は、前記ソレノイド16の構造と同じになってい
る。上記中空軸8は、真鍮などの非磁性体により形成さ
れていて軸方向の貫通孔が配設されている。更に、一端
のネジ部8bには前記ワッシャ14とゴムシート24を
挟持した状態でナット15が固着されている。
【0039】また、上記後蓋28には前記ナット26,
27,15の作動範囲に干渉しないように凹部28a,
28b,28cが形成されている。また、後蓋28の長
方形の凹部の周囲には固定地板11を固着するためのネ
ジ穴28dが4箇所配置されている(図2参照)。
【0040】上記後蓋28は、前記長方形の凹部の底部
の周に沿って、窓枠型のスペーサ25を接着固定してあ
る。更に、スペーサ25の上面にはゴムシート24が接
着固定される。この構造によりゴムシート24、スペー
サ25、後蓋28によって形成される薄い空間は密閉さ
れた空気室が形成される。その状態が保たれるように前
記固定地板11がネジ穴28d上の4箇所でビスにより
後蓋28に固定される。
【0041】図6,7,8は、以上のように構成された
本実施例のフィルム保持機構が組み込まれたカメラの各
動作状態でのアパーチャ回りの断面図であって、図6は
撮影前であって、ソレノイドに通電しない状態の断面
図、図7は、撮影直前の状態であって、ソレノイド通電
状態での断面図である。更に、図8は、その後ソレノイ
ドの通電が停止された状態での断面図である。
【0042】本図に示すように、カメラ本体51のアパ
ーチャー51dの周辺には、反射防止のための斜面51
aが形成されている。上記パーチャー51dのフィルム
面側には撮影光学系の焦点面となる凸状のフィルムレー
ル面51bが配設され、その外側にフィルム圧着の位置
を規制するための突起である圧板レール51cが配設さ
れている。また、この圧板レール51cは、前記フィル
ムレール面51bよりも高く形成されている。なお、図
8において、100はフィルムを示し、54は撮影レン
ズ、52は本体51のレンズ側に配置されたシャッタユ
ニットを示している。なお、第2の圧板5は、常時、圧
接バネ7(図1,5参照)の付勢力により前記本体51
の圧板レール面51cに圧接している。
【0043】上記図6は、撮影を行わない通常の状態で
あって、圧板駆動用ソレノイド9、および、フィルム吸
着用ソレノイド16,17に通電をしていないときの断
面図である。第1の圧板1は、保持板3、および、中空
軸8とともに図1で示す圧縮コイルバネ13の付勢力に
よりE方向に付勢され、第1の圧板1と前記フィルムレ
ール面51bとは一定の隙間ができるようになってい
る。そして、フィルム100は、フィルムカーリングの
ために中央がやや膨らんだ形状になっている。
【0044】次に、ソレノイドを作動させて、圧板を圧
接し、更に、フィルムを吸着させると図7の断面図の状
態になる。即ち、まず、図1,5の圧板駆動用ソレノイ
ド9に通電されると内部のコイルが磁化され、プランジ
ャ40を構成する可動鉄心10を吸引する。該鉄芯10
に一体的に固着している中空軸8が圧縮コイルバネ13
に抗してF方向に移動し、第1の圧板1がフィルム10
0をフィルムレール面51bに押し当てる。
【0045】続いて、フィルム吸着用ソレノイド16,
17に通電がされると、今度は可動鉄心であるプランジ
ャ18,19がそれぞれ吸引される。そして、圧縮コイ
ルバネ20,21に抗して前記ワッシャ22,23とゴ
ムシート24を、後蓋28とゴムシート24で形成され
る空気室が広がる方向に移動する。その結果、前記空気
室に負圧が発生し、前記中空軸8の貫通孔を通し、更
に、第1の圧板1の微小な穴1b,1c,1dを通して
フィルム100を吸着する。この作用によりフィルム1
00は、第1の圧板1に密着し、極めて高い平面性を確
保することができる。この状態で撮影が実行される。
【0046】その後、前記ソレノイド9,16,17の
通電を断った時の状態が図8の断面図に示される。上記
3つのソレノイドのプランジャ40,18,19は、各
々バネにより吸引位置から離れるように付勢されている
ので、中空軸8はE方向に後退する。更に、中空軸8の
中空部を通して空気がH方向に流入し、前記負圧が解消
される。そして、フィルム100は、吸着状態から解放
され、フィルムカーリングによって元の形状にもどる。
第1の圧板1も元の位置にもどり、通常のカメラに設定
されたトンネル間隔を形成する。この状態でフィルム1
00の巻き上げ、または、巻き戻しが実行される。
【0047】次に、上述のフィルム保持機構の制御動作
のための制御回路と該制御動作の説明を図9のブロック
構成図と図11のタイムチャ−トを用いて行う。
【0048】本実施例のフィルム保持機構の制御回路
は、図9に示すように、主にミラーアップ信号を取り込
み、ソレノイドの動作開始時間を制御する遅延回路6
1、および、第1タイマ回路62と、ソレノイドのプラ
ンジャを吸着するのに必要な時間を計測して出力するソ
レノイド吸引時間出力回路63と、ソレノイド吸引信号
を出力し、保持動作に入るとプランジャを保持する信号
を出力する保持制御回路64と、吸引開始時間を制御す
る第2タイマ回路65、および、第3タイマ回路66
と、長秒時は吸引動作を中止させるため、一定時間後に
は吸引を停止させる時間制限回路69と、圧板駆動ソレ
ノイド9の駆動用の圧板ドライブ回路67と、該ソレノ
イド9と、フィルム吸着用ソレノイド16,17の駆動
用の吸引ドライブ回路68と、該ソレノイド16,17
とで構成される。なお、上記遅延回路61と第1タイマ
回路62とは、シングルモード(単写)のとき、もしく
は、連写の1回目の撮影時に、ミラーアップ信号、また
は、その他の撮影開始を指示する信号等から露光までの
ソレノイドの駆動の不必要な時間だけ回路動作開始を遅
らせる制御信号を出力するものである。但し、連写の2
回目以後は、カメラシーケンスを速めるためにこの遅延
処理を不動作とするか、または、遅延時間を極短くす
る。なお、この遅延時間は上記第2タイマ・第3タイマ
の分も考慮して時間を決定する。
【0049】上記第2タイマ回路65と第3タイマ回路
66とにより吸引開始時間を圧板駆動とフィルム吸着駆
動で変えるように作用する。そして、上記第1の圧板1
が駆動され、該圧板1とフィルム100の隙間が少なく
なった後にフィルム吸着が行われるようにする。また、
上記ドライブ回路67,68は、一般的には図10に示
すように2つのトランジスタTr1 ,Tr2 で構成され
る回路が適用される。この回路は必要により省略して用
いることも可能である。
【0050】上記保持制御回路64は、ソレノイドが吸
引動作時は吸引するための信号を出力し続け、保持動作
に入るとデューティー比を与える信号やソレノイドの磁
束検出等に基づいた各ソレノイドのプランジャ保持信号
を出力する。
【0051】次に、上述のように構成された本実施例の
フィルム保持機構の制御回路の制御動作について図11
のタイムチャ−トに沿って説明する。
【0052】まず、ミラーアップ信号が入ると(ST
1)、ここで、STは動作ステップを示す)、遅延回路
61及び第1タイマ回路62がリセットされる。遅延時
間T4後に遅延回路61から出力信号が出力されると
(ST2)、ソレノイド吸引時間出力回路の出力がH
(High)レベルになり、第2タイマ回路65,第3
タイマ回路66がリセットされる。第3タイマ設定時間
T3 後、第3タイマ回路66がセットされ、保持制御回
路64の出力が圧板ドライブ回路67へ伝達され(ST
3)、圧板駆動ソレノイド9が吸引状態となる。そし
て、第2タイマ設定時間T2 後、第2タイマ回路65が
セットされ、保持制御回路64の出力が時間制限回路6
9へ伝達され(ST4)、吸引ドライブ回路68が作用
し、フィルム吸着用ソレノイド16,17が吸引状態と
なる。
【0053】その後、ソレノイド吸引完了の時間を計る
ソレノイド吸引時間出力回路63の出力が吸引完了であ
るL(Low)レベルに変化すると(ST5)、保持制
御回路64は、各ソレノイドのデューティー駆動等によ
る保持動作を行わせる。時間制限回路69により一定時
間T5 経過後(ST6)、長秒時と判断し吸引駆動ソレ
ノイドの給電を止める。なお、上記ソレノイド16,1
7の吸引駆動は短時間であるのでデューティー駆動で保
持制御を行わなくても良い。圧板駆動はフランジバック
長を正確にする必要から駆動を続行する。
【0054】そして、撮影シーケンスが終了すると(S
T7)、フィルム給送遅延要求信号ラインがGND(グ
ランド)に接続され、要求状態になるので一定の遅延時
間T6 だけ遅れてフィルムの給送が始まる。これは前記
第1の圧板1が押圧されている状態でフィルム100を
給送するとフィルムにキズが入る可能性があるためであ
り、圧板1の動作遅れ分の遅延を与えるものである。な
お、上記要求ラインは、他の後蓋28では通信ライン等
他の用途に使われているものを利用してもかまわない。
【0055】続いて、2回目の露光が時間T0 後に連続
して行われると(ST8)、第1タイマ回路62のセッ
トまでの時間より短い時は、遅延回路61は不動作、又
は、極短いとし、すぐに前記1回目と同じ吸引動作を行
う。この時もフィルム給送遅延要求によりシャッター開
までの時間を一定時間T7 だけ遅らせる。
【0056】以上説明したように本実施例のフィルム保
持機構においては、画面中央部から周辺部に至るまで高
い平面性を得ることができ、従って、極めて高い画質を
得ることができる。また、フィルムと圧板の隙間を小さ
くした状態でフィルムの吸着を実行するので、少ない吸
引力で効率のよいフィルム保持が可能となる。更に、予
め、圧板が通常退避している位置を従来のカメラのトン
ネル間隔と同じ寸法にしておけば、万一、動作に異常が
発生したときも、フィルムを傷つけたり、フィルムの給
送負荷が増加してカメラの動作に異常を来すこともな
く、信頼性の高いフィルム保持機構となる。
【0057】また、本機構においては、ソレノイドの給
電をを断つと、自動的にフィルムの圧着と吸引を解除す
ることができるので、応答が早くカメラの高速動作にも
対応できるものである。また、プランジャを構成する軸
を中空軸とし、該中空部を空気室と圧板との連通とした
ので機構部を小型化することが可能となる。更に、駆動
手段としてマイクロモータではなくソレノイドとプラン
ジャを用いたので更に小型化ができ、消費電力も抑える
ことができる。
【0058】なお、本実施例のものでは、カメラ本体に
はフィルムの幅よりも僅かに広い幅に圧板レール面が形
成されている。また、この圧板レール面よりも0.2m
m程度の段差をつけ、低い高さで、アパーチャーの外側
に形成したフィルムレール面が形成されている。そし
て、従来、一般的に使用されている、所謂、トンネル式
のフィルム保持機構を用いて説明しているが、この実施
例の機構を自動給送方式のカメラに適用する場合、従来
の開閉式の後蓋にする必要はなく、前記トンネル間隔を
決める部材を後蓋と一緒に開閉可能な構成とはせず、常
に固定された構造としてもよい。更には、上記実施例の
ように後蓋側に圧板と駆動機構を配置し、本体側にフィ
ルムレールと圧板レールを配置した構造ではなく、第1
の圧板の退避時のストッパーを設けて第2の圧板の作用
をさせるようにして、第2の圧板を別の部材で代用して
もよい。
【0059】次に、本発明の第2実施例のカメラのフィ
ルム保持機構に付いて説明する。◎この第2実施例のフ
ィルム保持機構は、フィルムパトローネが自動給送式に
なっているカメラに適用したものである。このような形
式のカメラにおいては、従来の後蓋のようにカメラの背
面の一側をヒンジとしてパトローネ室からフィルム巻き
取り室までのフィルムの先端を手動でセットするための
後蓋の開閉は必要でなく、フィルムパトローネのみを出
し入れできる開閉蓋があればよい。
【0060】従って、アパーチャー付近はフィルムを巻
き取り室まで自動給送できる隙間があって、パトローネ
の軸をフィルムの送り出し方向に回転することでフィル
ムの先端を送り出す。そして、フィルムが前記隙間を通
ってフィルム巻き取り室まで達すると、巻き取りスプー
ルに巻き付けられてオートロードが完了するような構造
を採用すればよい。本実施例のフィルム保持機構は、上
記カメラに適用した実施例である。
【0061】図12は、本実施例のフィルム保持機構の
断面図であって、フィルムを圧接するとともに吸着して
いる状態でのカメラ本体のアパーチャ部の圧板回りの断
面を示している。
【0062】本フィルム保持機構は、主に、フィルム1
00をフィルムレール面に圧接する圧板85と、圧板8
5に密着して取り付けられる保持板88と、この保持板
88の凹部88aにて後述する非磁性体の中空軸98を
螺着されるナット89と、上記中空軸98、および、該
中空軸98に接着により固着される可動鉄心97とで構
成されるプランジャ80と、上記可動鉄心97にスポッ
ト溶接等で固着されるワッシャ91と、空気室を形成す
るためのゴムシート102と、上記中空軸98に螺着さ
れ、ワッシャ91とゴムシート102とを該中空軸98
に挟持させるナット96と、後述するソレノイド本体9
3のコイル部外周より大きなコイル径のバネであって、
該ソレノイド本体93のフランジ部と上記ワッシャ91
間に挿入される圧縮コイルバネ92と、カメラ本体のア
パーチャ部81にビス87により固定されるガイド部材
86と、ソレノイド蓋94を挟んで上記ガイド部材86
にビスにより固着されるものであって、上記プランジャ
80の可動鉄心97を吸引する圧板駆動ソレノイド10
1とにより構成されている。
【0063】なお、上記カメラ本体のアパーチャ部81
は、内面反射防止のための斜面81aを有しており、更
に、撮影レンズ84の焦点面に位置する突起状のフィル
ムレール面81bと、フィルムの幅より僅かに広く前記
焦点面より僅かに高い位置にあって、フィルムの給送時
に幅方向の位置を規制するための突起状の圧板レール8
1cがアパーチャ部81の上部に設けられている。
【0064】また、上記圧板85には、フィルム面側か
ら微小な貫通孔85aが配設されている。また、その裏
面側には凹部85bが配設されている。そして、圧板8
5には保持板88が密着して取り付けられているが、こ
の保持板88には凹部88aがあって、その凹部中央で
中空軸98がナット89により固着されている。上記ワ
ッシャ91は、円盤の周囲に縁部を有する形状とする。
これは圧縮コイルバネ92が外れないようにするために
必要となる形状である。
【0065】上記圧板駆動ソレノイド101を保持する
ソレノイド本体93,ソレノイド蓋94は強磁性体で形
成されている。そして、上記ソレノイド本体93にはガ
イド部材86に取り付けるための取り付け穴が2箇所設
けられ、また、上記ソレノイド蓋94にも、上記ガイド
部材86に取り付けるための取り付け穴が2箇所設けら
れている。そして、それらの部材は、該取り付け穴2箇
所で前記ガイド部材86にビスで取り付けられている。
【0066】上記ソレノイド101においては、ソレノ
イド蓋94に磁極99がスポット溶接などにより固着さ
れており、ソレノイド101の磁気回路の一部を形成し
ている。そのため磁極99も強磁性体で形成されてい
る。そして、該ソレノイド101には、通電すると磁力
を発生するコイル95と、コイル95を巻き付けるため
のボビン95aが配置されている。上記ゴムシート10
2は、前記第1実施例の場合と同様にカメラの外装体9
0の凹部との間で密閉された空気室を形成している。
【0067】一方、カメラ本体側の構造は、本体のアパ
ーチャ部81の前面に位置するシャッタユニット82
と、撮影レンズ84と、上記ゴムシート102に対向
し、前記プランジャ80の作動範囲に干渉しないような
凹部が形成されている外装体90等が配設されている。
【0068】以上のように構成された本実施例のフィル
ム保持機構において、撮影開始に先立って、圧板駆動ソ
レノイド101のコイル95が通電される。それによっ
て該ソレノイド101には磁気が発生し、磁極99はプ
ランジャ80を構成する可動鉄心97を吸引し、図12
の左側に移動させる。そして、プランジャ80と一体で
ある圧板85を介してフィルム100を本体の基準面で
あるフィルムレール面81bに当て付ける。そのとき確
実に前記当て付けができるように前記磁極99と可動鉄
心97の間には隙間Kができるように設定してある。更
に、この通電が行われた後、図示しない別のソレノイド
であるフィルム吸着用ソレノイドに通電がなされ、ゴム
シート102と外装体90の間に形成されている空気室
が拡張され負圧が発生して圧板85の表面にフィルム1
00を吸引する。このフィルム吸着用ソレノイド、およ
び、空気室の構造は前記実施例1のものと同様にとす
る。
【0069】なお、前記ガイド部材86の一部は、前記
保持板88の背面側に延びていて図12では隙間Lがで
きている。これは、図12ではソレノイド101が通電
され、フィルム100を圧接するとともに吸引している
状態を示しており、上記のような隙間Lが生じることを
示している。
【0070】さて、シャッタ82の開閉による露出動作
が終了すると、前記ソレノイドへの通電が絶たれ、前記
磁極99と可動鉄心97の吸引力が失われる。そして、
圧縮コイルバネ92の付勢力により前記ワッシャ91を
図12の右側に向かって押すので、圧板85も右方向に
前記隙間Kがなくなるまで移動する。これによりフィル
ム100の圧接が解かれるとともに、焦点面に保持する
ための突起状のフィルムレール面81bと圧板85の間
にフィルムの給送に支障とならない、フィルムの厚さに
所定の僅かな寸法を加えた隙間が確保される。
【0071】この段差寸法は、従来のカメラのトンネル
間隔と言われる寸法と同様のもので、通常フィルムの厚
さに0.05±0.02mm程度を加えた寸法に設定さ
れている。
【0072】このようにフィルム保持機構を構成すれ
ば、撮影時には高い平面性が得られると同時に、フィル
ムの給送時には従来のカメラと同じようにフィルム巻き
上げができ、フィルムに傷がついたり巻き上げ負荷が増
大するなどの不具合を回避することができる。
【0073】なお、本実施例の機構では通常時の段差を
従来のトンネル間隔に略等しく設定した例で説明した
が、フィルムパトローネが自動給送式になっているカメ
ラにおいては必ずしもこの寸法にする必要はない。そし
て、フィルムの自動給送によりアパーチャ部を通過し
て、フィルム巻き取り室まで送るのにもっとも適した隙
間に設定してよいことは言うまでもない。
【0074】次に、上記実施例のフィルム保持機構に用
いる圧板の変形例について説明する。図13は、上記圧
板の変形例を示すものの斜視図である。該圧板111
は、エポキシ系熱硬化性樹脂で射出成形により製作され
る。そして、圧板111の形状は、前記第1,2実施例
の第1の圧板1,85と同一形状のものであってもよ
く、あるいは、図13に示すように成形加工により圧板
111の略中央に貫通孔の配設した突起を設け、可動鉄
心を直接固着可能の構造とすることもできる。この構造
であれば、中空軸8等が省略できるので、部品点数を減
らしてコストを押さえることもできる。この変形例にお
いて上記以外の構成は、前記第1、第2の実施例のもの
と同様とする。
【0075】なお、上記樹脂材料は、例えば、ベースレ
ジンのエポキシ樹脂と、反応基を持つ層状無機化合物で
あるモンモリロナイトと、炭素繊維と、カーボン微粒子
の複合材料で有機と無機の骨格ができている金属とセラ
ミックの中間的な性質を持っているような材料である。
そして、本変形例に用いる樹脂は、炭素繊維や炭素の微
粒子が含有されていて導電性を有している。特に炭素の
微粒子を充填したものでは摺動性にすぐれ、フィルム巻
き上げ時に傷がつきにくく、巻き上げや巻き戻し時の抵
抗を軽減するのに適している。従って、巻き上げや巻き
戻しの高速化が可能である。更にはフィルムを高速で巻
き上げ、巻き戻しするときにフィルムが圧板表面をすべ
ることで発生する静電気やフィルムパトローネの出口で
発生する静電気を後蓋やカメラ本体に逃すことができる
ので、フィルム表面での放電により発生する静電マーク
(スタティックマーク)を防止するのに効果がある。
【0076】次に、上記フィルム保持機構の圧板の別の
変形例について説明する。この変形例の圧板は、図14
の斜視図に示すように、前記変形例の圧板111と同様
に導電性の成形加工した圧板211には、フィルム吸着
のための凹部211aと空気室に連通するための穴21
1bが突起部に配設されている。該突起部の先端部には
第1実施例のものでも適用した可動鉄心10が固着され
る。なお、その他の構成は、前記第1、第2の実施例の
ものと同様とする。
【0077】圧板211のフィルムの吸着面は、寸法M
だけ凹面に成形してある。これは撮影レンズの収差補正
に合わせて最も高い撮影性能が得られるように凹面に形
成するものである。一般には、上記寸法Mは、0.00
5から0.03mm程度の滑らかな凹面に成形されるの
が好ましい。そして、この値はレンズ交換式のカメラに
おいては、レンズシステムにより一定とするが、レンズ
交換しないコンパクトカメラにおいては、それぞれの撮
影レンズの特性に合わせて定められる。
【0078】
【発明の効果】上述のように本発明のカメラのフィルム
保持機構は、フィルムの感光面をフィルム圧板に吸着す
る動作を、上記フィルムの感光面を焦点面に押し付ける
動作の後に行うことを特徴としたので、焦点面近くでフ
ィルムのカーリングによって生じているフィルムと圧板
間の隙間が圧接により無くなり、画面短辺方向は、略密
閉された状態になってから吸引動作が行われる。従っ
て、空気の流入量が減り、負圧が小さくてもフィルムを
確実に吸引保持ができる。更に、負圧を大きくしなくて
もよいことからプランジャのストロ−クを小さくするこ
とが可能となり、省電力が実現される。また、ソレノイ
ドも小型化でき、カメラのコンパクト化、低コスト化が
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すカメラのフィルム保
持機構の圧板側に配設される機構部の分解斜視図。
【図2】上記図1のカメラのフィルム保持機構の後蓋側
に配設される機構部の分解斜視図。
【図3】上記図1のフィルム保持機構に適用される第1
の圧板の斜視図。
【図4】上記図1のフィルム保持機構に適用される第
1,2の圧板回りの断面図。
【図5】上記図1のフィルム保持機構の組立状態での断
面図。
【図6】上記図1のフィルム保持機構をカメラに装着し
た状態でのアパーチャ回りの断面図であって、ソレノイ
ドが吸引されていないときの作用状態を示す図。
【図7】上記図1のフィルム保持機構をカメラに装着し
た状態でのアパーチャ回りの断面図であって、ソレノイ
ドが吸引されたときの作用状態を示す図。
【図8】上記図1のフィルム保持機構をカメラに装着し
た状態でのアパーチャ回りの断面図であって、ソレノイ
ドが吸引が解除されたときの作用状態を示す図 。
【図9】上記図1のフィルム保持機構用の制御回路のブ
ロック構成図。
【図10】上記図1のフィルム保持機構用の制御回路を
構成するソレノイド用ドライバ回路図。
【図11】上記図1のフィルム保持機構用の制御回路の
タイムチャ−ト。
【図12】本発明の第2実施例を示すカメラのフィルム
保持機構の断面図。
【図13】上記第1,2実施例のフィルム保持機構の圧
板に対する変形例の圧板の斜視図。
【図14】上記第1,2実施例のフィルム保持機構の圧
板に対する別の変形例の圧板の断面図。
【符号の説明】
1,85 …………………圧板(フィルム圧板) 100 …………………フィルム 54,84 …………………撮影レンズ(撮影光学
系) 51b,81b…………………フィルムレール面(撮影
光学系の焦点面)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年11月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】即ち、先にフィルムを圧着すると、レール
面付近にカーリングによりできていた隙間なくなっ
て、画面の短辺方向においては、フィルムと圧板が密閉
される。この時点では画面中央部には、まだ平面性が十
分とれていないところが存在する。しかる後、吸引動作
を行うと、フィルムの画面中央部を吸着するので圧板の
吸引口に流れ込む空気の流路は、殆どが本来吸引すべき
フィルム中央部付近の空間と、画面横方向の空間であ
る。しかし、画面横方向から流れ込む空気は、経路が長
く、しかも、フィルムと圧板との隙間が小さいので、極
めて少量である。従って、上述のように先にフィルムを
圧着し、その後にフィルムを吸引すると極めて効果がよ
いことになる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】上記フィルム保持機構は、撮影に先立って
フィルムの圧接と吸着を行い、撮影時のフィルムの平面
性を高くするための機構である。その機構のうち圧板側
に配設される機構部は、主に、図1に示されるようにフ
ィルムを本体に圧接させるための第1の圧板1と、該第
1の圧板1を保持する保持板3と、第2の圧板5と、第
2の圧板5を付勢するための圧板バネ7と、第1の圧板
1を駆動する部材であって、磁性体で構成される可動鉄
心10および該鉄心10固着され、非磁性体の中空軸
8により形成されるプランジャ40と、上記中空軸8を
保持板3に固着するためのナット2と、上記中空軸8と
可動鉄心10で形成されるプランジャ40を駆動する吸
引型の圧板駆動用のソレノイド9と、該ソレノイド9等
を支持する地板であって、後述する後蓋28のネジ穴2
8dにビスにより固着される固定地板11と、上記プラ
ンジャ40を第1の圧板1側と反対の方向に付勢するも
のであって、上記ソレノイド9の外径より大きなコイル
径を有する圧縮コイルバネ13と、上記圧縮コイルバネ
の付勢力を受け、上記可動鉄心10の端面にスポット溶
接により固着されるワッシャ14等により構成されてい
る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】上記ソレノイド9を構成するソレノイドケ
ース9aとケース蓋9b、磁極9dは強磁性体で形成さ
れている。なお、ソレノイドケース9aとケース蓋9
b、コイル9c、コイルボビン9e等の構造は、公知の
方法で構成されている。上記中空軸8は、真鍮などの非
磁性体により形成されていて軸方向の貫通孔が配設され
ている。更に、一端のネジ部8bには前記ワッシャ14
とゴムシート24を挟持した状態でナット15が固着さ
れている。コイルに通電される前は、前記磁極9dと可
動鉄心10の隙間(A)と、可動鉄心10とケース蓋9
bとの隙間(B)が確保されている。この隙間は、コイ
ルへの通電が行われ、フィルム圧板がフィルムを焦点面
に押し付ける時の動作を確実にするためのものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】また、上記後蓋28には前記ナット26,
27,15の作動範囲に干渉しないように凹部28a,
28bが形成されている。また、後蓋28の長方形の凹
部の周囲には固定地板11を固着するためのネジ穴28
dが4箇所配置されている(図2参照)。
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図12
【補正方法】変更
【補正内容】
【図12】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年3月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カメラ本体内のフィルム圧板にフィルムの
    ベース面を吸着させるとともに、該フィルムの感光面を
    撮影光学系の焦点面に押し付けるカメラのフィルム保持
    機構において、 上記フィルムのベース面をフィルム圧板に吸着する動作
    を、上記フィルムの感光面を焦点面に押し付ける動作の
    後に行うことを特徴とするカメラのフィルム保持機構。
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