JP2506709Y2 - 可動鉄片圧接機構 - Google Patents

可動鉄片圧接機構

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JP2506709Y2 JP8286089U JP8286089U JP2506709Y2 JP 2506709 Y2 JP2506709 Y2 JP 2506709Y2 JP 8286089 U JP8286089 U JP 8286089U JP 8286089 U JP8286089 U JP 8286089U JP 2506709 Y2 JP2506709 Y2 JP 2506709Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、励磁される鉄心に可動鉄片を圧接させる可
動鉄片圧接機構に関する。
〔従来の技術〕 カメラに設けられたシャッタはシャッタ羽根を高速で
開放作動または閉鎖作動させるためにバネ力を利用した
機構を有している。このような機構として第3図に示す
ようなものがあり、符号101はコイル102が巻回された鉄
心である。鉄心101には可動鉄片103が離接可能に配設さ
れており、可動鉄片103は鉄片真104を介して鉄片レバー
105に取付られている。鉄片レバー105には引張りスプリ
ング106が取付られており、このため可動鉄片105は鉄心
101から離隔する方向へ常時付勢力を受けている。鉄片
レバー105の側方には圧接レバー107が配設されている。
圧接レバー107を回動させて鉄片レバー105を押圧し、
可動鉄片103を鉄心101に圧接させると、鉄心101が励磁
されて可動鉄片103を吸着する。ここで、レリーズ操作
と連動して圧接レバー107が退避し、さらに所定時間後
鉄心101が消磁されると、可動鉄片103は引張りスプリン
グ106の付勢力によって回動し、この回動によってシャ
ッタ羽根は開放作動または閉鎖作動する。
〔考案が解決しようとする課題〕
しかしながら、このような従来の可動鉄片圧接機構に
あっては、可動鉄片103を鉄心101に圧接するのに、圧接
レバー107の押圧部107aによって可動鉄片103の離接方向
中心線より一方側(第3図中下方側)に位置し、被押圧
部としての鉄片レバー105の上端部105aを押圧してい
た。このように、可動鉄片103が一方側から鉄心101に向
けて押圧されると、可動鉄片103は鉄心101に対して傾斜
してしまい、この圧接面103aは鉄心101の圧接面101aに
全面に亘って、圧接されないことがある。可動鉄片103
の圧接面103aが鉄心101の圧接面101aに全面に亘って圧
接されていないと、可動鉄片103は鉄心101に吸着される
力は小さくなり、鉄心101が消磁されたときに全面に亘
って圧接されている場合に比べて、可動鉄片103は鉄心1
01から速く離れて回動することになる。
ところが、可動鉄片103はこの圧接面103aが鉄心101の
圧接面101aに全面に亘って圧接・吸着されている状態か
ら離れ、回動してシャッタ羽根を開放作動または閉鎖作
動させるように設定されている。したがって、可動鉄片
103が鉄心101に完全に吸着されていない状態から離れて
回動すると、シャッタ羽根は適正に開放作動または閉鎖
作動しなくなり、正確な露出が行われなくなるという問
題点があった。
また、可動鉄片103が押圧されたときに鉄心101に正し
く圧接されないと、繰返し作動により各ハメアイ部の僅
かな摩耗により正確な圧接が維持されず、この機構の耐
久性が低下するという問題点もある。
さらに、可動鉄片103の圧接面103aが鉄心101の圧接面
101aに全面に亘って圧接されないと、可動鉄片103を吸
着する力が低下する。このため、吸着する力を向上させ
るためにコイル102に大きな電流を流さなければならな
くなり、消費電流が大きくなるという問題点もある。
〔課題を解決するための手段〕
このような課題を解決するために、本考案にあって
は、コイルが巻回され通電されると励磁される鉄心と、
該鉄心に離接可能に配設されるとともに前記鉄心から離
隔する方向に常時付勢力を受け、且つ前記鉄心に吸着ま
たは離隔される可動鉄片と、該可動鉄片を前記付勢力に
抗して押圧して前記鉄心に圧接させる圧接レバーとを備
えた可動鉄片圧接機構において、前記可動鉄片の前記離
接方向中心線の両側に、前記圧接レバーによって同時に
押圧される被押圧部を設けた構成とするものである。
〔作用〕
圧接レバーを付勢力に抗して回動させると、この押圧
面は被押圧部を同時に押圧する。すなわち、可動鉄片は
鉄心に対する離接方向の中心線の両側から同時に押圧さ
れる。このため、可動鉄片の圧接面は鉄心の圧接面に全
面に亘って圧接され、励磁された鉄心は可動鉄片を吸着
する。このときの吸着力は、設定した吸着力となってい
る。
〔実施例〕
以下、本考案を図面に基づいて説明する。第1図は本
考案に係る可動鉄片圧接機構の一実施例を示す図であ
る。
まず、構成を説明する。
同図において、符号1はコイル2が巻回された鉄心で
あり、この鉄心1に対向するとともに離接可能に可動鉄
片3が配設されている。鉄心1および可動鉄片3は対向
する圧接面1a,3aをそれぞれ有している。可動鉄片3は
鉄片真4を介して鉄片レバー6に取り付けられている。
すなわち、板状の可動鉄片3の中央には嵌合孔5が形成
され、この嵌合孔5に鉄片真4が嵌入され、さらに鉄片
レバー6の上端部6aにカシメられている。鉄片真4の可
動鉄片3より図中上方側には略板状のつば部4aが一体形
成されている。被押圧部としてのつば部4aおよび上端部
6aの図中右側端面は同一平面上にあるとともに、可動鉄
片3の鉄心1に対する離接方向中心線Mの両側(上方側
および下方側)に位置している。
また、回動自在に支持される鉄片レバー6には引張り
スプリング8が取り付けられ、この鉄片レバー6を図中
常時時計方向へ付勢しており、このため可動鉄片3は鉄
心1から離隔する方向へ常時付勢されていることにな
る。鉄片レバー6の図中右側方には圧接レバー9が回動
自在に配設され、圧接レバー9の可動鉄片3と対向する
部分には押圧面9aを有している。また、圧接レバー9に
は引張りスプリング10が取り付けられ、この圧接レバー
9を常時時計方向へ付勢している。
次に、作用を説明する。圧接レバー9をフィルム巻上
機構等のチャージ部材によって、引張スプリング10の付
勢力に抗して反時計方向へ回動させると、押圧面9aはつ
ば部4aおよび上端部6aを同時に押圧する。すなわち、可
動鉄片3は鉄心1に対する離接方向の中心線Mの両側
(上方側および下方側)から同時に押圧される。このた
め、可動鉄片3は鉄心1に対して傾斜することなく、こ
の圧接面3aは鉄心1の圧接面1aに全面に亘って圧接され
る。可動鉄片3が鉄心1に圧接されると、コイル2は通
電されて励磁された鉄心1は可動鉄片3を吸着する。こ
のときの吸着力は可動鉄片3の圧接面3aと鉄心1の圧接
面1aとが全面に亘って圧接されているので、当初から設
定した吸着力となっている。
ここでレリーズ操作が行われると、圧接レバー9はス
プリング10により右旋し、所定時間後にコイル2の通電
が断たれ鉄心1は消磁される。可動鉄片3は鉄心1に設
定した吸着力で保持されている状態から解放される。解
放されると鉄片レバー6は引張りスプリング8の付勢力
によって時計方向に回動され、シャッタ羽根を開放作動
または閉鎖作動させる。このとき、可動鉄片3は常に設
定した吸着力で保持されている状態から解放されるの
で、シャッタ羽根の開放作動または閉鎖作動は適正に行
われ、正確な露出が得られる。
また、可動鉄片3は離接方向の中心線Mの両側から同
時に押圧されるので、鉄心1に対して傾斜して押圧され
ることがない。このため、可動鉄片3の圧接面3aが鉄心
1の圧接面1aに常に平行に圧接し、この機構の耐久性は
向上する。
さらに、可動鉄片3の圧接面3aは鉄心1の圧接面1aの
全面に亘って吸着されるので、鉄心1の可動鉄片3を吸
着する力が向上する。このためコイル2には小さな電流
を流せばよく、消費電流を小さくすることができる。
次に、本考案に係る可動鉄片圧接機構の他の実施例を
第2図に示す。同図において、可動鉄片3に取り付けら
れた鉄片真4につば部を一体形成する代りに、別体のつ
ば部材11を取り付けたものである。鉄片真4のピン部4b
にE型止輪12を取り付けて、つば部材11が脱け出るのを
防止している。
なお、本実施例は、コイルに通電することによって励
磁する形式の電磁石について説明したが、永久磁石によ
って常時励磁され、コイルに通電することによって消磁
される形式の電磁石にも実施可能である。
また、前記シャッタ羽根はフォーカルプレーンシャッ
タ用またはレンズシャッタ用のいずれでもよい。また、
前記実施例にあっては、カメラのシャッタに可動鉄片圧
接機構を適用した例を示したが、これに限らず精密機器
に適用してもよい。
〔考案の効果〕
以上説明したように本考案によれば、可動鉄片の離接
方向中心線の両側に、圧接レバーによって同時に押圧さ
れる被押圧部を設けたので、可動鉄片の圧接面は鉄心の
圧接面に全面に亘って圧接され、可動鉄片を励磁された
鉄心に設定した吸着力で吸着させることができる。した
がって、この機構をカメラのシャッタに適用した場合に
は、可動鉄片が常に設定した吸着力で保持されている状
態から解放されるので、シャッタ羽根の開放作動または
閉鎖作動は適正に行われ、正確な露出が得られる。
また、可動鉄片の圧接面は鉄心の圧接面に常に平行に
圧接するので、この機構の耐久性が向上する。
さらに、鉄心の可動鉄片を吸着する力が向上するの
で、コイルには小さな電流を流せばよく、消費電流を小
さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係る可動鉄片圧接機構の一実施例を示
す断面図、第2図はこの機構の他の実施例を示す断面
図、第3図は従来の可動鉄片圧接機構を示す断面図であ
る。 1……鉄心、2……コイル 3……可動鉄心 4a……つば部(被押圧部) 6a……上端部、9……圧接レバー

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】コイルが巻回され通電されると励磁される
    鉄心と、該鉄心に離接可能に配設されるとともに前記鉄
    心から離隔する方向に常時付勢力を受け、且つ前記鉄心
    に吸着または離隔される可動鉄片と、該可動鉄片を前記
    付勢力に抗して押圧して前記鉄心に圧接させる圧接レバ
    ーとを備えた可動鉄片圧接機構において、前記可動鉄片
    の前記離接方向中心線の両側に、前記圧接レバーによっ
    て同時に押圧される被押圧部を設けたことを特徴とする
    可動鉄片圧接機構。
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