JPH06228790A - 薄目付電気錫めっき鋼帯のリフロー処理方法 - Google Patents

薄目付電気錫めっき鋼帯のリフロー処理方法

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JPH06228790A
JPH06228790A JP1631393A JP1631393A JPH06228790A JP H06228790 A JPH06228790 A JP H06228790A JP 1631393 A JP1631393 A JP 1631393A JP 1631393 A JP1631393 A JP 1631393A JP H06228790 A JPH06228790 A JP H06228790A
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JP
Japan
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steel strip
tin
line speed
quenched
melted
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Application number
JP1631393A
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English (en)
Inventor
Makoto Himeno
誠 姫野
Fumio Aoki
文男 青木
Harutoshi Yamashita
陽俊 山下
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 錫付着量 5.6g/m2 未満の薄目付電気錫め
っき鋼帯のリフロー処理時のラインスピード変動に伴う
光沢、色調の変化を防止するリフロー処理方法の提案。 【構成】 少なくとも鋼帯温度が錫の融点以上の範囲で
は、誘導加熱方式により、錫めっき層が溶融したのち水
中にクエンチされるまでの時間と鋼帯の最高到達温度を
一定に制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は薄目付電気錫めっき鋼帯
のリフロー処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気錫めっき鋼帯は食缶等の素材として
広く用いられており、その製造工程の中で電着錫めっき
層を加熱溶融して光沢を付与するとともにFe−Sn合金層
を生成させる、いわゆるリフロー処理を行うのが一般的
である。このリフロー処理工程では直接通電加熱方式、
あるいは直接通電加熱と誘導加熱を組み合わせたコンビ
ネーション加熱方式等があり、加熱溶融時に生成するFe
−Sn合金の量が所定の値となるよう、投入エネルギーの
制御が行われる。
【0003】例えば、直接通電加熱方式の場合、V=K
√Sとなるように制御することにより、ラインスピード
Sが変化しても一定の合金量を得ることができる。ここ
で、 V:投入電圧 S:ラインスピード K:定数 である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】錫付着量 5.6g/m2
以上の厚目付錫めっき鋼帯においては、前述のようにFe
−Sn合金量を一定に制御することにより、耐食性、外観
ともに均一な製品が容易に得られる。しかし、 5.6g/
2 未満の薄目付錫めっき鋼帯に、従来のリフロー制御
方式を適用した場合、ラインスピードが変化した場合に
表面光沢、色調の変化が生じるという問題がある。これ
は、薄目付錫めっき鋼帯の場合、リフロー処理工程にお
いて溶融錫のはじき現象が起こり易く、ラインスピード
の変化によって、このはじきの程度に差異が生じ、これ
が光沢、色調の変化をもたらすものである。また、錫の
はじき現象が不均一に生じることにより「木目(ウドグ
レイン)」と呼ばれる欠陥となることもある。
【0005】本発明は、上述のような薄目付電気錫めっ
き鋼帯における光沢、色調の変化の生じないリフロー処
理方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、錫
付着量 5.6g/m2 未満の薄目付電気錫めっき鋼帯のリ
フロー処理において、少なくとも鋼帯温度が錫の融点以
上の温度範囲については誘導加熱方式により、ラインス
ピードに追随して、錫めっき層が溶融したのち水中にク
エンチされるまでの時間と鋼帯の最高到達温度のそれぞ
れを一定となるように制御することを特徴とする薄目付
電気錫めっき鋼帯のリフロー処理方法であり、例えば、
ラインスピードに追随して、誘導加熱装置の位置を移動
させたり、あるいは誘導加熱装置のコイルを分割した構
成とし、ラインスピードに追随して、各コイルへの投入
電力を変化させ、錫めっき層が溶融したのち水中にクエ
ンチされるまでの時間と鋼帯の最高到達温度のそれぞれ
を一定となるように制御することができる。
【0007】
【作用】まず、本発明の対象を錫付着量 5.6g/m2
満の薄目付電気錫めっき鋼帯に限定したのは、 5.6g/
2 以上の厚目付材の場合、溶融錫のはじき現象による
光沢、色調の変化が生じ難く、本発明の方法を適用する
必要性がないためである。
【0008】5.6 g/m2 未満の薄目付錫めっきの場
合、リフロー時に溶融錫がはじき現象を起こし易く、特
に2g/m2 程度未満の極薄目付材では程度の差はあれ
多少のはじき状態は避けることが困難である。また、こ
の溶融錫のはじき現象を積極的に利用して、錫を島状に
分布させることにより、塗装焼付後の金属Sn残存量を増
大させる溶接缶用極薄目付錫めっき鋼板も商品化されて
いる。
【0009】このような薄目付錫めっき鋼帯の製造に当
たり、ラインスピードの変化により錫のはじき状態が変
化し、これが光沢、色調の変化をもたらすことは前述の
とおりである。ラインスピードの変化により錫のはじき
状態が変化するのは次のような理由と考えられる。図
5、図6は従来一般的に実施されている直接通電加熱方
式および直接通電と誘導加熱を組み合わせたコンビネー
ション加熱方式を用いたリフロー処理装置を模式的に図
示したものである。ここで、1は電気錫めっき鋼帯、
2、2’は通電ロール、3はクエンチタンク、4は誘導
加熱装置である。これらの方式を用いてFe−Sn合金生成
量を一定に制御する場合のヒートパターンを図7、図8
に示す。
【0010】リフロー処理時に生成するFe−Sn合金量
は、鋼帯の最高到達温度でほぼ決定されるため、Fe−Sn
合金量を一定値に制御するにはライン速度がV1 あるい
はその半分の1/2V1 では図7(a)、図8(a)に示す
ように錫が溶融してから水中にクエンチされるまでの距
離を一定にするように投入電力を制御することが必要と
なる。しかしながら、このような制御を行っている場
合、ラインスピードがV1から1/2V1 に変化した時、図
7(b)、図8(b)に示すように錫が溶融してからク
エンチされるまでの時間T1 が変化することになる。す
なわちラインスピードが半分に減速した場合には、錫が
溶融してからクエンチされるまでの時間は2倍となる。
このように錫が溶解してから凝固するまでの時間が変化
すると、この間に生じる溶融錫のはじきの程度に変化を
生じ、光沢、色調の変化をもたらすことになる。
【0011】これを防止するには、ラインスピードが変
化しても錫めっき層が溶融してから水中にクエンチされ
るまでの時間が一定になるように制御してやることが必
要となる。ただしこのような制御を従来の直接通電加熱
方式あるいはコンビネーション加熱方式で実施しようと
した場合、図9、図10に示すように、鋼帯の最高到達温
度が△θあるいは△θ’だけ変化して、Fe−Sn合金生成
量が変化してしまうという問題を生ずる。
【0012】ラインスピードが変化した場合に錫のはじ
き状態(すなわち光沢、色調)とFe−Sn合金量の両者を
一定にコントロールするためには、錫が溶解してからク
エンチされるまでの時間と鋼帯の最高到達温度の両者を
一定となるように制御する必要があり、このためには少
なくとも鋼帯温度が錫の融点以上の温度範囲については
直接通電方式を用いない誘導加熱単独方式を適用するこ
とが必要となる。
【0013】本発明方法を適用するための装置構成例お
よび適用時のヒートパターンを図1〜図4に示す。図
1、図2は全ての温度範囲について誘導加熱方式を適用
した装置構成例とヒートパターンを示し、図3、図4は
錫の融点未満の温度まで直接通電方式により加熱し、そ
れ以降を誘導加熱方式とした装置構成例とヒートパター
ンである。
【0014】図2、図4に示すように少なくとも錫の融
点以上の温度範囲について誘導加熱方式を適用すること
により、錫が溶解してからクエンチされるまでの時間
(図2(b)、図4(b))と鋼帯の最高到達温度(図
2(a)、図4(a))の両者をともに一定にコントロ
ールすることが可能となる。なお、図1、図3に示す例
ではラインスピードの変化に応じて誘導加熱装置4を機
械的に移動させることにより、錫が溶融してからクエン
チされるまでの時間を一定に制御する方式を示している
が、この他の方法として誘導加熱用の電磁コイルをスト
リップ走行方向に分割した構成としておき、各コイルへ
の投入電力を電気的に変化させて溶融位置のコントロー
ルを行う方法を採用することもできる。
【0015】リフロー工程の全範囲に誘導加熱方式を適
用している例は従来よりあり、またリフロー工程の前半
を直接通電加熱方式とし、後半を誘導加熱方式とする公
知例としては本発明者らが先に出願した特開平3−1048
96号公報があるが、これらの公知例には、錫が溶解して
からクエンチされるまでの時間を一定に制御するという
思想は無く、本発明技術とは全く異なるものである。
【0016】なお、本発明の対象となる薄目付電気錫め
っき鋼帯としては、通常の鋼帯に錫めっきを施したもの
の他、錫めっきの下地あるいは後処理としてNi、Cr等他
の金属による表面処理を施したもの、錫めっき中にNi等
他の金属を含有するSn合金めっき鋼帯も含まれる。
【0017】
【実施例】冷間圧延、焼鈍、スキンパスを施しためっき
原板に通常の条件により脱脂、酸洗および電気錫めっき
を施したのち、図3に示すリフロー装置を用い、本発明
方法に従ってリフロー処理を実施した。比較例として図
6に示す従来方式によるリフロー処理も実施した。
【0018】その結果を表1に示す。本発明方法を適用
した場合、ラインスピードが変化してもFe−Sn合金量、
光沢ともにほぼ一定となっているが、比較例ではFe−Sn
合金量あるいは光沢のいずれかに不適合が生じている。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】本発明方法の適用により、薄目付電気錫
めっき鋼帯の製造においてラインスピードが変動しても
一定のFe−Sn合金量と光沢、色調が得られ、品質の安定
化に著しい効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリフロー制御方式を実施するための設
備の概要図。
【図2】本発明方法のリフロー時のヒートパターンを示
したもの。
【図3】本発明方法のリフロー時のヒートパターンの設
備の概要図。
【図4】本発明方法のリフロー時のヒートパターンを示
したもの。
【図5】従来のリフロー制御方式に用いられる設備の概
要図。
【図6】従来のリフロー制御方式に用いられる設備の概
要図。
【図7】従来のリフロー時のヒートパターンを示したも
の。
【図8】従来のリフロー時のヒートパターンを示したも
の。
【図9】従来のリフロー時のヒートパターンを示したも
の。
【図10】従来のリフロー時のヒートパターンを示したも
の。
【符号の説明】
1 電気錫めっき鋼帯 2 通電ロール 2′通電ロール 3 クエンチタンク 4 誘導加熱装置 4′誘導加熱装置 T1 錫の溶融状態にある時間 △θ 鋼帯到達最高温度の差 △θ’鋼帯到達最高温度の差

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 錫付着量 5.6g/m2 未満の薄目付電気
    錫めっき鋼帯のリフロー処理において、少なくとも鋼帯
    温度が錫の融点以上の温度範囲については誘導加熱方式
    により、ラインスピードに追随して、錫めっき層が溶融
    したのち水中にクエンチされるまでの時間と鋼帯の最高
    到達温度のそれぞれを一定となるように制御することを
    特徴とする薄目付電気錫めっき鋼帯のリフロー処理方
    法。
  2. 【請求項2】 ラインスピードに追随して、誘導加熱装
    置の位置を移動させ、錫めっき層が溶融したのち水中に
    クエンチされるまでの時間と鋼帯の最高到達温度のそれ
    ぞれを一定となるように制御することを特徴とする請求
    項1記載の薄目付電気錫めっき鋼帯のリフロー処理方
    法。
  3. 【請求項3】 誘導加熱装置のコイルを分割した構成と
    し、ラインスピードに追随して、各コイルへの投入電力
    を変化させ、錫めっき層が溶融したのち水中にクエンチ
    されるまでの時間と鋼帯の最高到達温度のそれぞれを一
    定となるように制御することを特徴とする請求項1記載
    の薄目付電気錫めっき鋼帯のリフロー処理方法。
JP1631393A 1993-02-03 1993-02-03 薄目付電気錫めっき鋼帯のリフロー処理方法 Pending JPH06228790A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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