JPH06228404A - 耐熱耐衝撃性メタクリル系樹脂組成物 - Google Patents

耐熱耐衝撃性メタクリル系樹脂組成物

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JPH06228404A
JPH06228404A JP4222193A JP4222193A JPH06228404A JP H06228404 A JPH06228404 A JP H06228404A JP 4222193 A JP4222193 A JP 4222193A JP 4222193 A JP4222193 A JP 4222193A JP H06228404 A JPH06228404 A JP H06228404A
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methacrylic resin
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Application number
JP4222193A
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Inventor
Mitsuo Otani
三夫 大谷
Takao Hoshiba
孝男 干場
Hideaki Haino
英明 拝野
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 メタクリル酸メチル50〜95重量%、N−
シクロヘキシルマレイミドおよび、またはアルキル基の
炭素数が2〜4であるN−アルキルマレイミド5〜40
重量%、これらと共重合可能な不飽和単量体0〜30重
量%からなる単量体混合物を重合して得られる共重合体
[I]10〜99重量部と、軟質重合体層と硬質重合体
層よりなる多層構造重合体である弾性共重合体[II]1
〜90重量部からなることを特徴とする耐熱耐衝撃性メ
タクリル系樹脂組成物である。 【効果】 本発明の耐熱耐衝撃性メタクリル系樹脂組成
物は、高い耐熱性と初期の耐衝撃性に優れるとともに耐
候性試験後においても衝撃強度および色相の双方を満足
する優れた耐侯性を有し、射出成形品、シート・フィル
ムおよびこれらの加工品に最適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐熱耐衝撃性メタクリル
系樹脂組成物に関し、更に詳しくは高い耐熱性と良好な
耐衝撃性を有し、耐候性試験後においても優れた光学的
性質および衝撃強度を保持することを特徴とする耐熱耐
衝撃性メタクリル系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】メタクリル樹脂は無色透明で美しい外観
と耐候性を有し、成形が容易なことから、ルーバー、テ
ールランプ、レンズ、テーブルウェアー等電気部品、車
両部品、光学用途、装飾、雑貨、看板に幅広く用いられ
ているが衝撃に対する強度は必ずしも充分ではなく、ま
た耐熱性の要求もあり、これら双方の改良、改質が数多
く検討されている段階である。すなわち、現在の汎用の
耐衝撃性メタクリル樹脂は汎用のメタクリル樹脂に衝撃
性を付与するゴム系の微粒子を均一に分散させており、
透明性および耐候性の面からゴム系微粒子としてアクリ
ル酸ブチル重合体あるいはブタジエン−アクリル酸ブチ
ル共重合体が広く用いられている。これらゴム系の微粒
子は当然のことながら熱変形温度が低く、より高い衝撃
強度を得ようとすればするほど得られる耐衝撃性樹脂の
耐熱性は低下する。それ故、基体樹脂として汎用のメタ
クリル樹脂に替えて、耐熱性のメタクリル樹脂とゴム系
の微粒子の混合により耐熱性を有する耐衝撃性樹脂が検
討されている。
【0003】しかるに、一般的に耐熱性のメタクリル樹
脂は、汎用のメタクリル樹脂に比べ屈折率が高く透明性
を保持しようとするとゴム系の微粒子自体の屈折率も上
げる必要があり、アクリル酸ブチル重合体系ではスチレ
ン等の添加割合が多くなり逆に衝撃強度が上がらないと
いう問題が生じたり、またゴム系の微粒子としてブタジ
エン−アクリル酸ブチル共重合体を用いた場合には衝撃
強度は満足されるが耐候性試験においてアクリル酸ブチ
ル重合体系耐衝撃性樹脂に比べると色相が低下しやすい
等の問題があり、双方とも満足されるものがないのが現
状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐熱性が高
く良好な耐衝撃性を有し、耐候性試験後においても優れ
た光学的性質および衝撃強度を保持する耐熱耐衝撃性メ
タクリル系樹脂組成物を見い出すことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、耐熱性が
高く良好な耐衝撃性を有し、耐候性試験後においても優
れた光学的性質および衝撃強度を保持する耐熱耐衝撃性
メタクリル系樹脂組成物に関し鋭意研究した結果、メタ
クリル酸メチル、N−シクロヘキシルマレイミドおよ
び、またはアルキル基の炭素数が2〜4であるN−アル
キルマレイミドを主成分とする共重合体と、軟質重合体
層がイソプレン−アクリル酸アルキルエステル共重合体
からなる特定の多層構造重合体である弾性共重合体から
なる耐熱耐衝撃性メタクリル系樹脂組成物を見い出だし
本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、メタクリル酸メチル50
〜95重量%、N−シクロヘキシルマレイミドおよび、
またはアルキル基の炭素数が2〜4であるN−アルキル
マレイミド5〜40重量%、これらと共重合可能な不飽
和単量体0〜30重量%からなる単量体混合物を重合し
て得られる共重合体[I]10〜99重量部と、弾性共
重合体[II]1〜90重量部とからなり、該弾性共重合
体[II]は、イソプレン10〜90重量%とアルキル基
の炭素数が1〜12である少なくとも1種のアクリル酸
アルキルエステル10〜90重量%、これらと共重合可
能な不飽和単量体0〜30重量%からなる単量体混合物
を重合してなる少なくとも1層の軟質重合体層10〜9
0重量部と、アルキル基の炭素数が1〜4である少なく
とも1種のメタクリル酸アルキルエステル50〜100
重量%、これらと共重合可能な不飽和単量体0〜50重
量%、多官能架橋性単量体および、または多官能グラフ
ト単量体0〜5重量%からなる単量体混合物を重合して
なる少なくとも1層の硬質重合体層10〜90重量部と
の組み合わせからなり、かつ最外層は多官能架橋性単量
体および多官能グラフト単量体を含有せず重合してなる
該硬質重合体層よりなる多層構造重合体であることを特
徴とする耐熱耐衝撃性メタクリル系樹脂組成物に関す
る。
【0007】本発明で用いる共重合体[I]は、メタク
リル酸メチル50〜95重量%、N−シクロヘキシルマ
レイミドおよび、またはアルキル基の炭素数が2〜4で
あるN−アルキルマレイミド5〜40重量%、これらと
共重合可能な不飽和単量体0〜30重量%からなる単量
体混合物を重合して得られる共重合体であって、本発明
の樹脂組成物に耐熱性を付与する作用を有する。
【0008】共重合体[I]中の各構成単位の割合は、
共重合体[I]の耐熱性、耐候性、透明性、および弾性
共重合体[II]との相溶性などから、いずれの単量体成
分も上記の範囲が最適であり、この範囲外では耐熱性、
耐候性、透明性等に問題が生じる。
【0009】さらに詳しくは、メタクリル酸メチルが5
0重量%未満では機械的強度および耐候性が低下し、9
5重量%を超えると耐熱性の向上が小さい。N−シクロ
ヘキシルマレイミドおよび、またはアルキル基の炭素数
が2〜4であるN−アルキルマレイミドは耐熱性の向上
に寄与し、他のマレイミドに比べ良好な色相、耐候性が
得られる。
【0010】また、これらと共重合可能な不飽和単量体
としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のア
クリル酸エステル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベ
ンジル等のメタクリル酸エステル、スチレン、α−メチ
ルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等、およびN−
フェニルマレイミド、N−オルソクロロフェニルマレイ
ミド、N−メチルマレイミドが挙げられ、それらは単独
または併用して用いられる。
【0011】共重合体[I]は、上記単量体混合物をラ
ジカル重合開始剤の存在化、懸濁重合、塊状重合、溶液
重合等公知の重合方法により製造することができる。
【0012】本発明の弾性共重合体[II]は、多層構造
重合体であって、公知の乳化重合法が用いられる。乳化
重合に使用される乳化剤の種類と量は、重合系の安定
性、目的とする粒子径等によって選択されるが、アニオ
ン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性
剤等公知の乳化剤を単独または併用して用いることがで
き、特にアニオン界面活性剤が好ましい。乳化重合に使
用される重合開始剤としても特に限定されず、パースル
フェート系あるいはレドックス系の開始剤が用いられ
る。また、必要に応じてアルキルメルカプタン等の連鎖
移動剤が用いられる。
【0013】乳化重合において、単量体、乳化剤、重合
開始剤、連鎖移動剤等は、一括添加法、分割添加法、連
続添加法等の任意の方法により添加される。
【0014】乳化重合により得られたそれぞれの重合体
ラテックスを均一混合した後、析出凝固させる方法は特
に限定されず、塩析法、酸析法、噴霧法および凍結法等
が可能である。
【0015】本発明の多層構造重合体は、少なくとも1
層以上の軟質重合体層10〜90重量部と少なくとも1
層以上の硬質重合体層10〜90重量部からなり、かつ
最外層が硬質重合体層であることを特徴とし、軟質重合
体層が10重量部未満では衝撃強度が低くて好ましくな
く、また逆に硬質重合体層が10重量部未満では汎用の
メタクリル樹脂等との混練性が低下し好ましくない。
【0016】多層構造重合体での軟質重合体層はイソプ
レンとアルキル基の炭素数が1〜12である少なくとも
1種のアクリル酸アルキルエステルにより構成される。
軟質重合体層を構成するイソプレンの組成割合は10〜
90重量%、より好ましくは35〜80重量%であり、
10重量%未満では耐候性試験において衝撃強度が低下
する場合が生じ、また90重量%を超えると耐候性試験
で黄色味の着色が見られ色相が変化して好ましくない。
もう一方のアクリル酸アルキルエステルの組成割合は軟
質重合体層を構成するイソプレンとのバランスにより成
り立ち、樹脂の透明性の保持においては硬質重合体層の
屈折率により決定される。
【0017】それ故、アクリル酸アルキルエステルの組
成割合は10〜90重量%であり、より好ましくは20
〜65重量%である。イソプレンとは逆に10重量%未
満では耐候性試験において色相が変化して好ましくな
く、90重量%を超えると衝撃強度が低下する場合が生
じて好ましくない。ここで用いられるアクリル酸アルキ
ルエステルとしては、アルキル基の炭素数が1〜12で
ある少なくとも1種であり、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチ
ルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベ
ンジル等が挙げられ、好ましくはアクリル酸ブチル、ア
クリル酸−2−エチルヘキシルである。
【0018】これらと共重合可能な不飽和単量体として
は、1,3-ブタジエン、2,3-ブタジエン、スチレン、α−
メチルスチレン、ビニルトルエン、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタク
リル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル等、およびN−シクロ
ヘキシルマレイミド、N−t−ブチルマレイミドなどの
アルキル基の炭素数が2〜4であるN−アルキルマレイ
ミド、N−フェニルマレイミド、N−オルソクロロフェ
ニルマレイミド、N−メチルマレイミドが挙げられ、そ
れらは単独または併用して用いられる。
【0019】多層構造重合体での硬質重合体層には、透
明性および耐候性の面からアルキル基の炭素数が1〜4
の少なくとも1種のメタクリル酸アルキルエステル50
〜100重量%が用いられ、特に好ましくはメタクリル
酸メチルである。これらと共重合可能な単量体としては
不飽和単量体0〜50重量%であり、また多官能架橋性
単量体および多官能グラフト単量体は0〜5重量%であ
りアクリル酸アルキルエステルを含む軟質重合体層で用
いられた全ての単量体が単独または併用して使用でき
る。
【0020】一方、多層構造重合体の最外層は汎用のメ
タクリル樹脂との相溶性の点から硬質重合体層からな
り、全量に対する最外層の割合が10重量部以上が好ま
しい。最外層を構成する単量体は、上記硬質重合体と同
様、透明性および耐候性の面からアルキル基の炭素数が
1〜4の少なくとも1種のメタクリル酸アルキルエステ
ル50〜100重量%が用いられ、特に好ましくはメタ
クリル酸メチルである。また、これらと共重合可能な単
量体としては、不飽和単量体0〜50重量%であり、多
官能架橋性単量体および多官能グラフト単量体を除く上
記硬質重合体層で用いられた全ての単量体が使用でき
る。更に、汎用のメタクリル樹脂との相溶性の面からn
−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等
の連鎖移動剤が好ましく用いられる。
【0021】本発明の多層構造重合体である弾性共重合
体[II]は、これら各層ごとの単量体混合物を逐次乳化
重合することにより、重合体ラテックスとして得られ
る。
【0022】本発明の耐熱耐衝撃性メタクリル系樹脂組
成物を構成する共重合体[I]と弾性共重合体[II]の
配合割合は、共重合体[I]10〜99重量部に対し弾
性共重合体[II]1〜90重量部、より好ましくは共重
合体[I]30〜90重量部に対し、弾性共重合体[I
I]70〜10重量部であり、共重合体[I]が10重
量部未満では、耐熱性、流動性に劣り、共重合体[I]
が99重量部を超えると耐衝撃性が劣る。
【0023】本発明の耐熱耐衝撃性メタクリル樹脂組成
物により得られる射出成形品、シート・フィルムおよび
これらの加工品は、高い耐熱性と良好な耐衝撃性を有
し、色相等の光学的性質、衝撃強度双方の耐候性に優れ
たものである。
【0024】メタクリル系樹脂に通常用いられる紫外線
吸収剤、酸化防止剤、滑剤、染顔料等を必要に応じて添
加することができる。
【0025】
【実施例】次に本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれらによって限定されるものではない。
実施例における「%」および「部」は全て「重量%」お
よび「重量部」であり、使用する単量体、重合開始剤、
連鎖移動剤等の略称は下記のものが使用される。メタク
リル酸メチル(MMA)、N−シクロヘキシルマレイミ
ド(CHMI),アクリル酸メチル(MA)、アクリル
酸エチル(EA)、アクリル酸ブチル(BA)、イソプ
レン(IP)、1,3−ブタジエン(BD)、スチレン
(St)、メタクリル酸アリル(ALMA)、n−オク
チルメルカプタン(nOM)。
【0026】横線(−)は同一層を形成するために用い
られる単量体等を分けるのに使用され、斜線(/)は層
がことなることを意味する。
【0027】実施例に示した諸物性の測定は下記の方法
に従って実施した。 (1)HDT ;ASTM−D648(264psi) (2)アイゾット衝撃強度(ノッチ付き);ASTM−D256 (3)全光線透過率、ヘイズ ;ASTM−D1003(3mm厚) (4)測色値b ;ハンター測色色差計(3mm厚) (5)粒子径 ;電子顕微鏡で測定。 (6)耐侯性テスト ;促進暴露試験、暴露時間1000hrs (サンシャインウェザーメーター) 上記(2)〜(4)を評価。 実施例1 共重合体[I−1] 還流冷却器付き耐圧重合槽に、懸濁分散剤を含む純水1
00部を仕込み、次いでメタクリル酸メチル78部、ア
クリル酸メチル2部、N−シクロヘキシルマレイミド2
0部、ラウロイルパーオキサイド0.4部、n−オクチ
ルメルカプタン0.15部、滑剤としてステアリルアル
コール0.1部の混合溶液を仕込み、攪拌しながら窒素
で雰囲気を置換した後、80℃に昇温し2時間、次いで
95℃で1時間重合して、水洗、乾燥しビーズ状重合物
を得た。 弾性共重合体[II−1] 還流冷却器付き耐圧反応容器に、蒸留水140部、ステ
アリン酸ナトリウム0.4部、N−ラウロイルザルコシ
ン酸ナトリウム0.4部、ピロリン酸ナトリウム0.5
部、硫酸第一鉄0.005部、デキストロース0.2部
を仕込み、次いでアクリル酸ブチル27部、ジイソプロ
ピルベンゼンハイドロパーオキシド0.15部を加え、
耐圧反応容器内を窒素置換した後イソプレン43部を加
え、60℃に昇温し2時間重合した。
【0028】次いで、得られたラテックスにロンガリッ
ト0.12部、蒸留水60部を加え、50℃に降温した
後、メタクリル酸メチル22部、アクリル酸エチル1
部、N−シクロヘキシルマレイミド7部、キュメンハイ
ドロパーオキシド0.10部、およびn−OM0.06
部からなる単量体混合物を120分かけて連続的に添加
し、添加終了後120分間保持して2層構造の弾性共重
合体[II−1]を得た。得られたラテックスの粒子径は
0.12μmであった。
【0029】得られたラテックスをステンレス製容器に
入れ、冷凍庫中、−20℃温度条件下で凍結させた。凍
結したラテックスを50℃で融解させた後、瀘別して弾
性共重合体[II−1]を分離した。さらに蒸留水で水洗
脱水を3回繰り返した後、60℃−10時間乾燥した。
【0030】共重合体[I−1]70部と弾性共重合体
[II−1]30部を混合し、50φのシート押出機を用
いてシリンダー温度250℃で熔融混練し、3mm板厚
の押出板を得た。得られた押出板から試験片を切りだし
評価した結果を表1に示す。この試験片をサンシャイン
ウエザーメーター(スガ試験機、WEL−SUN−H
C)で2000時間の加速曝露テストを行ったところ、
アイゾット衝撃強度の低下および色相の変化は非常に少
なかった。
【0031】得られた結果から、本発明による樹脂組成
物は初期の耐衝撃性に優れるとともに、耐候性試験後に
おいても良好な衝撃強度および色相の保持性示し、耐侯
性が明らかに改良されていることが判る。 実施例2〜8 共重合体[I−2]〜[I−4] 実施例1と同様の方法により、組成、耐熱性、流動性等
のそれぞれ異なる共重合体[I−2]〜[I−4]を得
た。これら共重合体の組成は表1に示す。 共重合体[I−5] 共重合体[I−5]は多層構造の弾性共重合体と同様の
乳化重合で製造し、弾性共重合体とラテックス状態で混
合した後、凝固させて取り出し使用した。 弾性共重合体[II−2]〜[II−5] 実施例1と同様の方法により、層数、組成、粒子径のそ
れぞれ異なる多層構造の弾性共重合体[II−2]〜[II
−5]を得た。これら弾性重合体の層数、組成、粒子径
は表2に示す。得られた各共重合体と各弾性共重合体の
混合割合を変えて、実施例1と同様の方法により50φ
のシート押出機を用いて得られた3mm板厚の押出板の
評価結果を表3に示す。これら実施例で得られた押出板
のアイゾット衝撃強度および色相は本発明を満足するも
のであるとともに、双方の耐候性も良好であった。ま
た、これらの押出板と同一組成のペレットからの射出成
形品も押出板と同様の結果を示した。
【0032】得られた結果から、本発明による樹脂組成
物は初期の耐衝撃性に優れるとともに、耐候性試験後に
おいても良好な衝撃強度および色相の保持性示し、耐侯
性が明らかに改良されていることが判る。 比較例1〜6 共重合体[I−6] 実施例1と同様の方法により、組成の異なる共重合体
[I−6]を得た。この共重合体の組成は表1に示す。 弾性共重合体[II−6]〜[II−7] 実施例1と同様の方法により、層数、組成、粒子径のそ
れぞれ異なる多層構造の弾性共重合体[II−6]〜[II
−7]を得た。これら重合体の層数、組成、粒子径は表
2に示す。
【0033】得られた各共重合体と各弾性共重合体の混
合割合を変えて3mm板厚の押出板を試作評価した結果
を表4に示す。これら比較例で得られた押出板の加速暴
露での耐候性試験で、アイゾット衝撃強度および色相の
双方を満足する結果は得られなかった。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
【発明の効果】本発明の耐熱耐衝撃性メタクリル系樹脂
組成物は、高い耐熱性と初期の耐衝撃性に優れるととも
に耐候性試験後においても衝撃強度および色相の双方を
満足する優れた耐侯性を有し、射出成形品、シート・フ
ィルムおよびこれらの加工品に最適である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタクリル酸メチル50〜95重量%、
    N−シクロヘキシルマレイミドおよび、またはアルキル
    基の炭素数が2〜4であるN−アルキルマレイミド5〜
    40重量%、これらと共重合可能な不飽和単量体0〜3
    0重量%からなる単量体混合物を重合して得られる共重
    合体[I]10〜99重量部と、弾性共重合体[II]1
    〜90重量部とからなり、該弾性共重合体[II]は、イ
    ソプレン10〜90重量%とアルキル基の炭素数が1〜
    12である少なくとも1種のアクリル酸アルキルエステ
    ル10〜90重量%、これらと共重合可能な不飽和単量
    体0〜30重量%からなる単量体混合物を重合してなる
    少なくとも1層の軟質重合体層10〜90重量部と、ア
    ルキル基の炭素数が1〜4である少なくとも1種のメタ
    クリル酸アルキルエステル50〜100重量%、これら
    と共重合可能な不飽和単量体0〜50重量%、多官能架
    橋性単量体および、または多官能グラフト単量体0〜5
    重量%からなる単量体混合物を重合してなる少なくとも
    1層の硬質重合体層10〜90重量部との組み合わせか
    らなり、かつ最外層は多官能架橋性単量体および多官能
    グラフト単量体を含有せず重合してなる該硬質重合体層
    よりなる多層構造重合体であることを特徴とする耐熱耐
    衝撃性メタクリル系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 軟質重合体層がイソプレン35〜80重
    量%とアルキル基の炭素数が1〜12である少なくとも
    1種のアクリル酸アルキルエステル20〜65重量%、
    これらと共重合可能な不飽和単量体0〜30重量%、多
    官能架橋性単量体および、または多官能グラフト単量体
    0.1〜10重量%からなる単量体混合物を重合してな
    ることを特徴とする請求項1記載の耐熱性耐衝撃性メタ
    クリル系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 弾性共重合体[II]において、全量に対
    する最外層の割合が10重量部以上である請求項1〜2
    記載の耐熱耐衝撃性メタクリル系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 多層構造重合体の粒子径が0.01〜
    0.5μmである請求項1〜3記載の耐熱耐衝撃性メタ
    クリル系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 アクリル酸アルキルエステルがアクリル
    酸ブチルである請求項1〜4記載の耐熱耐衝撃性メタク
    リル系樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 弾性共重合体[II]において、内層が軟
    質重合体層、外層が硬質重合体層よりなる二層構造重合
    体である請求項1〜5記載の耐熱耐衝撃性メタクリル系
    樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 弾性共重合体[II]において、内層が硬
    質重合体層、中間層が軟質重合体層、および外層が硬質
    重合体層よりなる三層構造重合体である請求項1〜5記
    載の耐熱耐衝撃性メタクリル系樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 弾性共重合体[II]において、内層が軟
    質重合体層、第二層が硬質重合体層、第三層が軟質重合
    体層、外層が硬質重合体層よりなる四層構造重合体であ
    る請求項1〜5記載の耐熱耐衝撃性メタクリル系樹脂組
    成物。
  9. 【請求項9】 弾性共重合体[II]において、各層間に
    任意の重合体層が存在し得る請求項6〜8記載の耐熱耐
    衝撃性メタクリル系樹脂組成物。
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