JPH06228257A - 酸不含の変性フェノール樹脂、エポキシ樹脂含有変性フェノール樹脂成形材料と半導体封止材 - Google Patents

酸不含の変性フェノール樹脂、エポキシ樹脂含有変性フェノール樹脂成形材料と半導体封止材

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JPH06228257A
JPH06228257A JP4064693A JP4064693A JPH06228257A JP H06228257 A JPH06228257 A JP H06228257A JP 4064693 A JP4064693 A JP 4064693A JP 4064693 A JP4064693 A JP 4064693A JP H06228257 A JPH06228257 A JP H06228257A
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resin
modified phenolic
phenolic resin
epoxy resin
acid
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Masahiro Tsumura
雅洋 津村
Hiromi Miyashita
宏美 宮下
Tomoaki Fujii
智彰 藤井
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Kashima Oil Co Ltd
Original Assignee
Kashima Oil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸不含の変性フェノール樹脂、エポキシ樹脂
含有変性フェノール樹脂成形材料、半導体用封止材の提
供。 【構成】 新規な変性フェノール樹脂製造技術の改良に
係わり、重縮合後の生成物を特定の抽出溶媒により抽出
処理及び必要なら中和処理することにより、酸不含の変
性フェノール樹脂の提供、この特定の変性フェノール樹
脂をエポキシ樹脂と組合せた成形材料、半導体封止材。
特定の抽出溶媒としてベンゼン、トルエン、キシレンの
使用。 【効果】 極めて高い耐熱性、耐湿性、優れた耐腐食性
を持ち、特に電気・電子部品用材料及び半導体封止材に
適する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な変性フェノール
樹脂の製造方法、それからの酸不含の変性フェノール樹
脂及びエポキシ樹脂含有変性フェノール樹脂成形材料及
び半導体用封止材に関するものである。また、詳細に
は、本発明のエポキシ樹脂含有変性フェノール樹脂組成
物は、酸を実質的に含んでいないので金属に対する腐食
性がなく、しかも電気絶縁性、耐熱性、耐湿性に優れて
いるので、熱気や湿度を極端に嫌う電気・電子部品用材
料等や半導体封止材等に有用である。
【0002】
【従来の技術】フェノール樹脂系成形体は機械的性質が
優れており、古くから広く用いられているが、耐光性、
耐アルカリ性がやや低く、水分あるいはアルコールを吸
収して寸法および電気抵抗が変化し易く、耐熱性、特に
高温時の耐酸化性がやや低い問題がある。
【0003】このような問題を解決するために、フェノ
ール樹脂自体の種々の変性が検討されている。特に、
光、化学薬品、酸化等による変化に耐性を付与するため
に、油脂、ロジンあるいは中性の芳香族化合物を用いた
変性に興味がもたれて来た。
【0004】特開昭61−235413号公報による
と、フェノール変性芳香族炭化水素樹脂の反応成分の選
択により耐熱性に優れたフェノール系樹脂が得られるこ
とを開示しているが、成形体を得るのに硬化が遅く、高
温、長時間を要する欠点を有する。その後、本発明者ら
は、安価な原料である石油系重質油類またはピッチ類を
変性剤として用い、特殊な製造法を開発することによ
り、従来のフェノール樹脂では得られない耐熱性、耐酸
化性、機械的強度の優れた成形材料として有用な新規な
変性フェノール樹脂が提供できることを見出した(特開
平2−274714号公報)。
【0005】さらに、該変性フェノール樹脂を製造する
に当たり、重縮合生成物を中和処理、水洗処理及び/又
は抽出処理を行って反応液中に残存した酸の除去を行
い、装置等の金属の腐食の恐れがないことをも見出した
(特開平4−145116号公報)。該公報には、具体
的には、アミン類を用いた中和処理と水洗処理が開示さ
れているだけであり、実際上、この仕方では変性フェノ
ール樹脂中に中和物が残存すので、耐腐食性に優れた成
形材料及び半導体用封止材としてはまだ不十分なのが現
状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、このような酸
が残存する変性フェノール樹脂を成形材料として用いた
のでは、特に極めて高い耐熱性、耐湿性が要求されると
ともに、厳しい耐腐食性の要求される電気・電子部品用
材料、半導体封止材には不向きである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を種々検討した結果、上記先行技術をさらに発展させ
て、変性フェノール樹脂を製造するに当たり、重縮合後
の生成物を特定の抽出溶媒により抽出処理及び必要なら
中和処理することにより、酸不含の変性フェノール樹脂
を提供できることを見出し、さらに、この特定の変性フ
ェノール樹脂をエポキシ樹脂と組合せることにより、極
めて高い耐熱性、耐湿性と共に、優れた耐腐食性の、特
に電気・電子部品用材料及び、半導体封止材に適する樹
脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0008】すなわち、本発明は; 芳香族炭化水素分率fa値が0.40〜0.95、
芳香環水素量Ha値が20〜80%である石油系重質油
類またはピッチ類1モルに対して、ホルムアルデヒド重
合物をホルムアルデヒド換算のモル数が1〜15になる
ように混合し、酸触媒の存在下に加熱攪拌しながら、フ
ェノール類を該石油系重質油類またはピッチ類と該ホル
ムアルデヒド重合物の合計重量に対して0.05〜5重
量%/分の添加速度で添加し、その際に該石油系重質油
類またはピッチ類1モルに対して添加するフェノール類
のモル数が0.3〜5になるようにして、重縮合させた
後、炭素数10以下の脂肪族若しくは脂環式炭化水素或
いはこれらの炭化水素の混合物に可溶な成分を除去し、
しかる後に酸触媒の溶解度が0.1以下で難溶である
が、大部分の変性フェノール樹脂を溶解する抽出溶媒を
用いて抽出処理するこを特徴とする、酸不含の変性フェ
ノール樹脂の製造方法を提供する。また、
【0009】 上記抽出溶媒が、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンからなる群から選択された少なくとも1種
または2種以上の混合物である点にも特徴を有する。ま
た、 該抽出処理後に、さらに中和処理及び/水洗処理す
る点にも特徴を有する。さらに、 〜のいずれかに記載の方法により得られた、酸
不含の変性フェノール樹脂を含む組成物からなる、変性
フェノール樹脂成形材料をも提供する。さらに、
【0010】 (A) 〜のいずれかに記載の方
法により得られる、酸不含の変性フェノール樹脂、
(B)エポキシ樹脂、(C)硬化剤を含む組成物からな
る、エポキシ樹脂含有変性フェノール樹脂成形材料をも
提供する。さらに、 該組成物が、さらに(D)無機フィラーを含有する
点にも特徴を有する。また、 変性フェノール樹脂(A)/エポキシ樹脂(B)の
配合割合が10/90〜90/10(重量部)である点
にも特徴を有する。さらに、 〜のいずれかに記載のエポキシ樹脂含有変性フ
ェノール樹脂成形材料を成形して得られる、電気・電子
部品用材料をも提供する。さらに、 〜のいずれかに記載のエポキシ樹脂含有変性フ
ェノール樹脂組成物を用いる、半導体封止材をも提供す
る。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。 (I)変性フェノール樹脂:本発明の変性フェノール樹
脂は以下の方法により製造されるものである。:すなわ
ち、本発明の変性フェノール樹脂を製造するのに用いる
石油系重質油類またはピッチ類の芳香族炭化水素分率f
a値および芳香環水素量Ha値は、次の式に示すもので
ある。
【0012】
【数1】 なお、fa値は13C−NMRによって求めることが出来
る。また、Ha値は1 H−NMRによって求めることが
出来る。
【0013】本発明において、原料の石油系重質油類ま
たはピッチ類のfa値が小さくなると、芳香族分が少な
くなるため、得られる変性フェノール樹脂の性能の改質
効果、特に耐熱性、耐酸化性の改質効果が小さくなる傾
向がある。特に、fa値が0.4未満の場合には、この
改質効果が極めて小さくなるので好ましくない。また、
fa値が0.95より大きい石油系重質油類またはピッ
チ類の場合には、芳香環水素とホルムアルデヒドとの反
応性が低くなるので好ましくない。従って、本発明にお
いて、fa値は0.4〜0.95が望ましく、好ましく
は0.5〜0.8である。
【0014】本発明において、原料の石油系重質油類ま
たはピッチ類のHa値が小さくなると、ホルムアルデヒ
ドと反応する芳香環水素分が少なくなり、反応性が乏し
くなるため、フェノール樹脂の性能の改質効果が乏しく
なるので好ましくない。Ha値として実用性があるのは
20%以上と考えられる。 Ha値が80%より大きい
石油系重質油類またはピッチ類を原料とした場合には、
変性フェノール樹脂の強度が低くなる傾向を示すので好
ましくない。従って、本発明において、Ha値は20〜
80%が望ましく、好ましくは25〜60%である。
【0015】本発明に使用する石油系重質油類またはピ
ッチ類において、その縮合環数は特に限定されないが、
好ましくは主として2〜4環の縮合多環芳香族炭化水素
である。5環以上の縮合多環芳香族炭化水素の場合に
は、沸点が殆どの場合に450℃を超えるため、狭い沸
点範囲のものを集め難く、品質が安定しない問題があ
る。また、主に単環芳香族炭化水素である場合には、ホ
ルムアルデヒドとの反応性が低いため、フェノール樹脂
の性能の改質効果が小さい問題がある。
【0016】本発明の変性フェノール樹脂の原料である
石油系重質油類またはピッチ類は、原油の蒸留残油、水
添分解残油、接触分解残油、ナフサまたはLPGの熱分
解残油およびこれら残油の減圧蒸留物、溶剤抽出による
エキストラクト或いは熱処理物として得られるものであ
り、これらの中からfa値およびHa値の適当なものを
選んで使用する。
【0017】本発明の変性フェノール樹脂の製造原料の
一つであるホルムアルデヒド重合物とは、パラホルムア
ルデヒド、ポリオキシメチレン(特に、オリゴマー)の
ような線状重合物およびトリオキサンのような環状重合
物である。石油系重質油類またはピッチ類とホルムアル
デヒド重合物の混合比は、石油系重質油類またはピッチ
類の平均分子量より計算される平均モル数1モルに対す
るホルムアルデヒド換算のホルムアルデヒド重合物のモ
ル数として、1〜15である。
【0018】この混合比が1未満の場合には、得られる
変性フェノール樹脂の硬化体の強度が低いので好ましく
ない。一方、15より大きい場合には、得られる硬化体
の性能、収量ともに殆ど変わらなくなるので、ホルムア
ルデヒド重合物をこれ以上多く使用することは無駄と考
えられる。
【0019】本発明の変性フェノール樹脂の原料である
石油系重質油類またはピッチ類に対するホルムアルデヒ
ド重合物の混合モル比は、好ましくは2〜12である。
本発明の変性フェノール樹脂を製造するのに用いる酸触
媒として、ブレンステッド酸もしくはルイス酸が使用で
きるが、好ましくはブレンステッド酸が用いられる。ブ
レンステッド酸としては、トルエンスルホン酸、キシレ
ンスルホン酸、塩酸、硫酸、ギ酸等が使用出来るが、p
−トルエンスルホン酸、塩酸が特に優れている。
【0020】酸触媒の使用量は、製造原料である石油系
重質油類またはピッチ類とホルムアルデヒド重合物及び
フェノール類の合計量に対して0.1〜30重量%、好
ましくは1〜20重量%である。酸触媒の使用量が少な
い場合には反応時間が長くなる傾向があり、また、反応
温度を高くしないと反応が不充分になる傾向がある。一
方、酸触媒の使用量が多くなってもその割には反応速度
が速くならず、コスト的に不利になることがある。ま
た、酸触媒の回収や中和除去が余計に要することにな
り、余分なコストがかかる。
【0021】本発明の変性フェノール樹脂の原料である
フェノール類は、好ましくはフェノール、クレゾール、
キシレノール、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフ
ェノールFの群から選ばれた1種もしくは2種以上のフ
ェノール系化合物である。フェノール類の添加は滴下等
の方法により少量ずつ添加し混合する。添加する速度
は、反応混合物の全重量に対して0.05〜5重量%/
分であり、好ましくは0.1〜2重量%/分である。
【0022】添加する速度が0.05重量%/分未満の
場合には、添加に要する時間が長すぎ、コストが上昇す
るので好ましくない。一方、添加する速度が5重量%/
分を越える場合には、添加したフェノール類が遊離ホル
ムアルデヒドと急速に反応するため、均一な混合物ない
しは共縮合物を生成し難くなるので好ましくない。この
ような不均一性が生じる原因は、ホルムアルデヒドに対
する反応性が石油系重質油類またはピッチ類に比べフェ
ノール類の方が著しく大きいためであり、初期のフェノ
ール類の濃度を低く保たないと、ホルムアルデヒドがフ
ェノール類もしくは反応により生成したフェノール類と
ホルムアルデヒドとの縮合物と選択的に反応し、系に難
溶化するためではないかと推定される。
【0023】或いは、ホルムアルデヒドがフェノール類
もしくは反応により生成したフェノール類とホルムアル
デヒドの縮合物との反応に先に消費されてしまい、石油
系重質油類またはピッチ類もしくは反応により生成した
石油系重質油類またはピッチ類とホルムアルデヒドとの
縮合物が、さらにホルムアルデヒドと反応することが出
来ず、反応系から分離するためではないかと推定され
る。
【0024】本発明の変性フェノール樹脂の製造に当た
り、フェノール類を添加開始する時期は特に限定されな
いが、残存する遊離ホルムアルデヒド量から推定したホ
ルムアルデヒドの反応率が70%以下、好ましくは50
%以下である時点でフェノール類を添加する。
【0025】添加開始時期は、石油系重質油類またはピ
ッチ類とホルムアルデヒドとの反応が実質的に進行して
いない時点であっても良い。ホルムアルデヒドの反応率
が70%を越えると、フェノール類と反応するホルムア
ルデヒドの量が少なくなるため、生成した樹脂の性能が
著しく低下する。フェノール類の添加量は、石油系重質
油類またはピッチ類の平均分子量より計算される平均モ
ル数1モルに対するフェノール類のモル数として、0.
3〜5である。
【0026】この添加量が0.3未満の場合には、石油
系重質油類またはピッチ類とホルムアルデヒドとの反応
性が、フェノール類とホルムアルデヒドとの反応性より
劣ることから、充分な架橋密度に至らず、硬化体の強度
が一般のフェノール樹脂に比べて低くなる問題がある。
特に、耐衝撃性が低く脆い欠点を示す。一方、フェノー
ル類の添加量が5を越える場合には、フェノール樹脂の
変性による改質効果が小さくて、好ましくない。本発明
におけるフェノール類の添加量は、好ましくは0.5〜
3である。
【0027】反応温度は50〜160℃、好ましくは6
0〜120℃である。反応温度は、原料組成、反応時
間、生成する樹脂の性状等を考慮して決定する。反応時
間は0.5〜10時間、好ましくは1〜5時間である。
反応時間は、原料組成、反応温度、フェノール類の添加
速度、生成する樹脂の性状等を考慮して決定する。
【0028】本発明の変性フェノール樹脂の製造に当た
り、反応を回分式で行う場合に一段階で行うことが可能
であり、一段階の実施が好ましい。また連続式で行う場
合には、従来の変性フェノール樹脂に用いられている、
2種以上の反応生成物を一定量ずつ連続混合するような
制御の難しい装置を使用する必要がなく、中間部に完全
混合型の反応容器を置き、その中に添加するフェノール
類を一定量ずつ送り込むようにすればよい。このような
装置は比較的安価であり、操作性は良好である。
【0029】本発明の変性フェノール樹脂の製造に当た
り、反応の際に溶媒を使用することが出来る。反応は無
溶媒でも行うことが出来るが、その場合には反応の均一
性に留意する必要がある。溶媒の使用により反応系の粘
度が下がり、反応の均一性が改良される。
【0030】溶媒としては特に限定されないが、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素;クロ
ルベンゼンのようなハロゲン化芳香族炭化水素;ニトロ
ベンゼンのようなニトロ化芳香族炭化水素;ニトロエタ
ン、ニトロプロパンのようなニトロ化脂肪族炭化水素;
パークレン、トリクレン、四塩化炭素のようなハロゲン
化脂肪族炭化水素等が使用出来る。
【0031】さらに、下記抽出処理を行う前に、原料の
石油系重質油またはピッチ類に含まれている反応性が低
く、未反応又は不十分にしか反応していない成分、及び
反応時に用いた溶媒を除去しておく必要がある。具体的
には、加熱反応終了後、反応混合物を炭素数10以下の
脂肪族或いは脂環式炭化水素或いはこれらの炭化水素の
混合物中に投入し、可溶な成分を除去することにより、
変性フェノール樹脂を製造する。
【0032】このような炭化水素の具体例としては、ペ
ンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどが挙
げられ、特にn−ヘキサンが好ましい。上記のような製
造方法により合成された変性フェノール樹脂は、そのま
ま成形材料に使用すると、変性フェノール樹脂中に酸な
どの触媒残渣が残留するため、金属腐食性が大きく、耐
熱性、耐湿性に劣るので、以下に述べる特殊な操作によ
り、変性フェノール樹脂中から酸などの触媒残渣を除去
することが必要である。
【0033】すなわち、酸などの触媒残渣を除去するに
は、酸触媒の溶解度が0.1以下で難溶であるが、大部
分の変性フェノール樹脂を溶解する抽出溶媒を用いて抽
出処理を行うことが必須である。該特定の抽出溶媒とし
ては、酸触媒の溶解度が0.1以下で難溶であるが、大
部分の変性フェノール樹脂を溶解する溶媒なら特に制限
されないが、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなど
の芳香族炭化水素類が好ましく、より好ましくはトルエ
ンである。
【0034】勿論、上記抽出処理だけでも酸などの実質
的な除去が可能であるが、もし必要なら、抽出処理に続
いて通常の中和処理や水洗処理を行っても良い。ここ
で、中和処理としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等
のアルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物;アンモ
ニア、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミ
ン、アニリン、フェニレンジアミンなどの種々の塩基性
物質を挙げることができる。
【0035】上記抽出処理の際の温度などの条件につい
ては特に制限されないが、常法に従って行えば良く、ま
た、具体的には抽出溶媒に変性フェノール樹脂を投入す
るか、或いは逆に変性フェノール樹脂に抽出溶媒を投入
して行えば良く、操作的に簡便である。
【0036】抽出処理後に、抽出溶液に微量の酸触媒な
どが残存し、特に耐腐食性が重要視されるような用途に
使用される場合には、上記中和処理を行うことが好まし
い。このような操作により得られた変性フェノール樹脂
は、通常には溶媒に溶解したワニス状態であるので、変
性フェノール樹脂が不溶の溶媒、例えばn−ヘキサン中
に投入し、再析出させて粉末状の変性フェノール樹脂を
採取する。
【0037】本発明の特殊な精製処理した変性フェノー
ル樹脂は、酸不含であるので、耐熱性、耐湿性、耐金属
腐食性に非常に富むので、これ単独でも種々の成形材料
として適するのみならず、特にエポキシ樹脂との組成物
とすることにより、電気絶縁性、耐熱性、機械的特性が
特に向上し、かつ熱気や湿度を極端に嫌う電気・電子部
品材料等や半導体封止材等に有用となる。
【0038】(II)エポキシ樹脂含有変性フェノール
樹脂成形材料 本発明においては、上記変性フェノール樹脂(A)とと
もに、エポキシ樹脂(B)を配合することが必要であ
る。エポキシ樹脂(B)としては、一般に成形収縮が小
さく、耐熱性、耐摩粍性、耐薬品性、電気絶縁性に優れ
たもので、硬化剤と組合せて用いられることが多い。
【0039】エポキシ樹脂(B)は、例えばグリシジル
エーテル型、グリシジルエステル型、グリシジルアミン
型、混合型、脂環式型のエポキシ樹脂等を挙げることが
できる。さらに具体的には、グリシジルエーテル型(フ
ェノール系)としては、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラブロモビ
スフェノールA型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエ
タン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ
樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂など
が;
【0040】グリシジルエーテル型(アルコール系)と
しては、ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂、水
添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂など;グリシジル
エステル型としては、ヘキサヒドロ無水フタル酸型エポ
キシ樹脂、ダイマー酸型エポキシ樹脂等が;
【0041】グリシジルアミン型としては、ジアミノジ
フェニルメタン型エポキシ樹脂、イソシアヌル酸型エポ
キシ樹脂、ヒダントイン酸型エポキシ樹脂等が;混合型
としては、p−アミノフェノール型エポキシ樹脂、p−
オキシ安息香酸型エポキシ樹脂などが挙げられる。上記
エポキシ樹脂のうち、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、フェノールノボ
ラック型エポキシ樹脂が好ましい。上記エポキシ樹脂を
2種以上組み合わせたものも用いることができる。
【0042】本発明の成形材料又は封止材を構成する変
性フェノール樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)との配合
割合は特に制限されないが、本発明の目的に合致させる
ためには、変性フェノール樹脂(A)とエポキシ樹脂
(B)の合計を100重量部として、10/90〜90
/10(重量部)であることが好ましく、より好ましく
は20/80〜80/20(重量部)である。
【0043】ここで、変性フェノール樹脂(A)の重量
割合が10重量部未満では、得られる成形体の耐熱性、
耐湿性の向上効果が十分でなく、90重量部を超える
と、成形温度が高くなり好ましくない。上記樹脂ベース
に硬化剤(C)を添加することが望ましい。硬化剤
(C)としては種々のものを挙げることができ、目的に
応じて適宜選定することができる。例えば、環状アミン
類としてヘキサメチレンテトラミンなど;
【0044】脂肪族アミン類としてジエチレントリアミ
ン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミ
ン、ジエチルアミノプロピルアミン、N−アミノエチル
ピペラミン、イソホロンジアミン、ビス(4−アミノ−
3−メチルシクロヘキシル)メタン、メンタンジアミン
等;ポリアミド類としては植物油脂肪酸(ダイマー又は
トリマー酸)、脂肪族ポリアミン縮合物等;
【0045】芳香族ポリアミン類としては、m−フェニ
レンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、
4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、m−キシリレ
ンジアミン等;酸無水物類としては、無水フタル酸、テ
トラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、
無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェ
ノン無水テトラカルボン酸、無水クロレンド酸、ドデシ
ニル無水コハク酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、
メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸等を挙
げることができる。
【0046】触媒性硬化剤としては、三フッ化ホウ素−
アミン錯体等のルイス酸及びトリス(ジメチルアミノメ
チル)フェノール、ベンジルジメチルアミン、2−エチ
ル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチ
ルイミダゾール、ジシアンジアミド、アジピン酸ジヒド
ラジド等のルイス塩基、その他ポリメルカプタン、ポリ
サルファイド等がある。また、これらを2種以上組合せ
て用いることもできる。
【0047】本発明では、得られた成形材料の強度など
の諸物性を高めるために、無機フィラー(D)を配合す
ることが望ましい。本発明に用いることができる無機フ
ィラー(D)としては、従来無機系充填剤や補強性繊維
など任意の無機フィラーを用いることができるが、例え
ばガラス繊維、炭素繊維、ホスファー繊維、ホウ素繊維
などの補強性繊維;水酸化アルミニウム、水酸化マグネ
シウム等の水和金属酸化物;炭酸マグネシウム、炭酸カ
ルシウム等の金属炭酸塩;硼酸マグネシウム等の金属硼
酸塩;シリカ、雲母などの無機充填剤などを挙げること
ができる。
【0048】無機フィラー(D)の配合割合は特に制限
されないが、一般に20〜400重量部が望ましい。ま
た、本発明の成形材料には、必要に応じて種々の添加
剤、例えばシリコーン、ワックス類などの内部離型剤、
カップリング剤、難燃剤、光安定剤、酸化防止剤、顔
料、増量剤などを添加することができる。
【0049】また、本発明の成形材料を得るには特に制
限されないが、一般には変性フェノール樹脂(A)、エ
ポキシ樹脂(B)とを予め混練した上、硬化剤(C)を
加え良く混合した後、無機フィラー(D)やその他の添
加剤を添加混合して、微粉状の成形粉(コンパウンド)
とすることが好ましいが、無機フィラー(D)やその他
の添加剤の添加時期は任意の時期に行いうる。
【0050】本発明の成形材料を成形するには、それ自
体公知の成形手段、例えば圧縮成形、射出成形、押出成
形、トランスファー成形、注型成形などを適用できる。
例えば、トランスファー成形で成形体を得る場合、成形
温度120〜180℃、射出圧20〜300kgf/c
2 、型締圧50〜250kgf/cm2 、成形時間1
〜10分である。
【0051】本発明の場合、常法に従って成形した後、
得られた成形体を150〜300℃で0.5〜24時間
程度の加熱処理によるポストキュアを行うことが望まし
い。この処理により本発明の成形体はその耐熱性が一層
向上させることができる。
【0052】(III)成形体の特性 本発明の成形材料を常法に従って成形して得られた成形
体は、以下のように優れた物性を有するものである。 曲げ強度 室温 8〜22kgf/mm2 150℃ 3〜14kgf/mm2 曲げ弾性率 室温 400〜1800kgf/m
2 150℃ 200〜1500kgf/mm2 Tg(℃) 130〜260℃ 熱変形温度 190〜300℃以上 吸水率 常態 0.08〜0.13重量% 煮沸 0.12〜0.17重量% 絶縁抵抗 常態 1.8×1014〜5.0 ×1014Ω 煮沸 3.0×1013〜2.0 ×1014Ω
【0053】(IV)その他の用途 本発明に係わるエポキシ樹脂含有変性フェノール樹脂組
成物は、優れた耐熱性、耐湿性、耐金属腐食性、電気絶
縁特性を有するので、特に電気・電子部品用材料や半導
体封止材として有用である。特に、本発明に係わるエポ
キシ樹脂含有変性フェノール樹脂組成物を半導体封止材
として用いる場合、溶融粘度が低く半導体封止材の成形
法として主流になっている低圧トランスファー成形に適
しているのみならず、従来の材料に比較して耐熱性、耐
湿性、成形性に優れた半導体封止材を与えることができ
る。
【0054】
【作用】本発明においては、石油系重質油類またはピッ
チ類のような縮合多環芳香族炭化水素により変性したフ
ェノール樹脂の耐熱性、耐湿性、耐金属腐食性を一層向
上させるのに、特定の抽出溶媒により、変性フェノール
樹脂中に残存する酸等を不含とする方法を開発すること
ができた。
【0055】従って、該酸不含の変性フェノール樹脂を
含む成形材料、該変性フェノール樹脂(A)にさらにエ
ポキシ樹脂(B)を含む組成物からなる成形材料を得る
ことができて、該成形材料の耐熱性、耐湿性、耐金属腐
食性を一層優れたものにできた。
【0056】また、本発明では、更に無機フィラー
(D)を配合させることにより、機械的物性、電気絶縁
性にも優れた成形材料を提供する。さらに、本発明で
は、該変性フェノール樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)
とを含む組成物は、耐熱性、耐湿性、耐金属腐食性など
に優れ、且つ電気絶縁性が優れているので、半導体用封
止材としても従来の材料に代わる優れた特性を示すこと
が分かった。
【0057】
【実施例】以下に、本発明は実施例によりさらに詳細か
つ具体的に説明されるが、これらは本発明の範囲を制限
するものでない。以下において、部は特に断りのない限
り全て重量基準であるものとする。なお、反応原料とし
て使用する原料油の性状を表1に示す。これらの原料油
は、減圧軽油の流動接触分解(FCC)で得た塔底油を
蒸留して得たものである。
【0058】
【表1】 注) 平均分子量: 蒸気圧浸透法による値 沸 点 : ASTM D-1160による常圧換算℃値
【0059】 (実施例1):変性フェノール樹脂の製造例 表1に示す原料油334g、パラホルムアルデヒド37
0g、p−トルエンスルホン酸(1水和物)137g及
びp−キシレン678.5gをガラス製反応器に仕込
み、攪拌しながら95℃まで昇温した。95℃で1時
間、前反応を行った後、フェノール209gを1.3g
/分の滴下速度で滴下し、フェノールの滴下終了後、さ
らに15分間攪拌して反応させた。反応終了後、反応混
合物を50Lのn−ヘキサンに注ぎ込み、反応生成物を
析出させた。析出物を濾過して、未反応成分及び反応溶
媒を除去し、2.5Lのn−ヘキサンで析出物を洗浄
後、乾燥して変性フェノール樹脂を得た。
【0060】この変性フェノール樹脂を10倍重量のト
ルエン〔トルエンに対するp−トルエンスルホン酸(1
水和物)の溶解度は0.01以下〕に溶解し、p−トル
エンスルホン酸を主成分とする不溶分を濾過した後、濃
度が50重量%になるまで濃縮してワニス状態にし、さ
らに微量のトリエチレンテトラミンを加えて中和した。
このトルエンワニスを5倍重量のn−ヘキサンに投入し
て、樹脂を再析出させることにより、変性フェノール樹
脂580gを得た。以下の実施例では、エポキシ樹脂含
有変性フェノール樹脂成形材料について説明する。
【0061】(実施例2)実施例1のようにして得られ
た変性フェノール樹脂60部、エピコート828(ビス
フェノールA型エポキシ樹脂、油化シェル社製)40部
を150℃、20分混練し、冷却・粉砕し、触媒性硬化
剤として2−エチル−4−メチルイミダゾール(以下、
2E4MZと略称する)2部を添加して自動乳鉢で20
分間混合し、更に無機フィラーとしてショートファイバ
ー(ES−30T、ユニチカユーエムグラス製)150
部を加え自動乳鉢で90分間混合して、コンパウンド
(成形材料)を得た。このようにして得られた成形材料
を130℃、10分の条件でトランスファー成形した
後、220℃、24時間ポストキュアすることにより変
性フェノール樹脂成形体を得た。その物性を表2に示
す。
【0062】(実施例3)実施例1のようにして得られ
た変性フェノール樹脂30部、エピコート1001(ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂、油化シェル社製)70
部を150℃、20分混練し、冷却・粉砕し、触媒性硬
化剤として2E4MZ2部を添加して自動乳鉢で20分
間混合し、更に無機フィラーとしてショートファイバー
(ES−30T、ユニチカユーエムグラス製)150部
を加え自動乳鉢で90分間混合して、コンパウンド(成
形材料)を得た。このようにして得られた成形材料を1
50℃、5分の条件で成形した後、220℃、12時間
ポストキュアすることにより変性フェノール樹脂成形体
を得た。その物性を表2に示す。
【0063】(実施例4)実施例1のようにして得られ
た変性フェノール樹脂60部、エピコート152(フェ
ノールノボラック型エポキシ樹脂、油化シェル社製)4
0部を150℃、20分混練し、冷却・粉砕し、触媒性
硬化剤として2−フェニル−4−メチルイミダゾール2
部を添加して自動乳鉢で20分間混合し、更に無機フィ
ラーとしてショートファイバー(ES−30T、ユニチ
カユーエムグラス製)150部を加え自動乳鉢で90分
間混合して、コンパウンド(成形材料)を得た。このよ
うにして得られた成形材料を130℃、10分の条件で
成形した後、220℃、24時間ポストキュアすること
により変性フェノール樹脂成形体を得た。その物性を表
2に示す。
【0064】(実施例5)実施例1のようにして得られ
た変性フェノール樹脂60部、アラルダイトMY−95
12(グリシジルアミン型4官能性エポキシ樹脂、日本
チバガイギー社製)40部を150℃、20分混練し、
冷却・粉砕し、触媒性硬化剤として2E4MZ2部、ジ
アミノジフェニルメタン(以下、DDMと略称する)1
0重量部を添加して自動乳鉢で20分間混合し、更に無
機フィラーとしてショートファイバー(ES−30T、
ユニチカユーエムグラス製)150部を加え自動乳鉢で
90分間混合して、コンパウンド(成形材料)を得た。
このようにして得られた成形材料を150℃、2分の条
件で成形した後、220℃、12時間ポストキュアする
ことにより変性フェノール樹脂成形体を得た。その物性
を表2に示す。
【0065】(実施例6)実施例1のようにして得られ
た変性フェノール樹脂60部、アラルダイトMY−95
12(グリシジルアミン型4官能性エポキシ樹脂、日本
チバガイギー社製)40部を150℃、20分混練し、
冷却・粉砕し、触媒性硬化剤として2E4MZ2部、D
DM10重量部を添加して自動乳鉢で20分間混合し
て、コンパウンド(成形材料)を得た。このようにして
得られた成形材料を130℃、10分の条件で成形した
後、220℃、24時間ポストキュアすることにより変
性フェノール樹脂成形体を得た。その物性を表2に示
す。
【0066】
【表2】 *注:TgはTMA法により測定した。他の物性値は、
JISK6911に準拠して測定した。
【0067】以下の実施例は半導体用封止材について説
明する。 (実施例7)実施例1のようにして得られた変性フェノ
ール樹脂60部、エピコート828(ビスフェノールA
型エポキシ樹脂、油化シェル社製)40部、を150
℃、20分混練し、冷却・粉砕し、触媒性硬化剤として
2E4MZ2部、カップリング剤としてA−1100
(ユニチカ社製)1部を添加して自動乳鉢で20分間混
合し、更に無機フィラーとしてシリカ150部を加え自
動乳鉢で90分間混合して、コンパウンド(成形材料)
を得た。このようにして得られた成形材料を170℃、
2分の条件で成形した後、200℃、12時間ポストキ
ュアして得られた成形品を上記表2に示した。
【0068】
【発明の効果】以上述べたとおり、本発明のエポキシ樹
脂含有変性フェノール樹脂半導体封止材は: 酸を含んでいないので、金属等に対する腐食の恐れ
がない。 耐熱性、耐湿性に優れるので、例えば既存の半導体
封止材よりも、耐熱性、耐湿性に優れている。
【0069】また、本発明の変性フェノール樹脂成形材
料及びエポキシ樹脂含有変性フェノール樹脂成形材料
は: 無機フィラーをも配合したものは、特に機械的強度
に優れる。 耐熱性に優れる。 吸水率が低く、耐湿性に優れる。 良好な電気絶縁性を有する。 成形性に優れている。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族炭化水素分率fa値が0.40〜
    0.95、芳香環水素量Ha値が20〜80%である石
    油系重質油類またはピッチ類1モルに対して、ホルムア
    ルデヒド重合物をホルムアルデヒド換算のモル数が1〜
    15になるように混合し、酸触媒の存在下に加熱攪拌し
    ながら、フェノール類を該石油系重質油類またはピッチ
    類と該ホルムアルデヒド重合物の合計重量に対して0.
    05〜5重量%/分の添加速度で添加し、その際に該石
    油系重質油類またはピッチ類1モルに対して添加するフ
    ェノール類のモル数が0.3〜5になるようにして、重
    縮合させた後、炭素数10以下の脂肪族若しくは脂環式
    炭化水素或いはこれらの炭化水素の混合物に可溶な成分
    を除去し、しかる後に酸触媒の溶解度が0.1以下で難
    溶であるが、大部分の変性フェノール樹脂を溶解する抽
    出溶媒を用いて抽出処理することを特徴とする、酸不含
    の変性フェノール樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 該抽出溶媒が、ベンゼン、トルエン、キ
    シレンからなる群から選択された少なくとも1種または
    2種以上の混合物であることを特徴とする、請求項1記
    載の酸不含の変性フェノール樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】 該抽出処理後に、さらに中和処理及び/
    水洗処理することを特徴とする、請求項1又は2に記載
    の酸不含の変性フェノール樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の方法に
    より得られた、酸不含の変性フェノール樹脂を含む組成
    物からなることを特徴とする、変性フェノール樹脂成形
    材料。
  5. 【請求項5】 (A) 請求項1〜3のいずれかに記載
    の方法により得られる、酸不含の変性フェノール樹脂、
    (B)エポキシ樹脂、(C)硬化剤を含む組成物からな
    ることを特徴とする、エポキシ樹脂含有変性フェノール
    樹脂成形材料。
  6. 【請求項6】 該組成物が、さらに(D)無機フィラー
    を含有することを特徴とする、請求項5記載のエポキシ
    樹脂含有変性フェノール樹脂成形材料。
  7. 【請求項7】 変性フェノール樹脂(A)/エポキシ樹
    脂(B)の配合割合が10/90〜90/10(重量
    部)であることを特徴とする、請求項5又は6に記載の
    エポキシ樹脂含有変性フェノール樹脂成形材料。
  8. 【請求項8】 請求項5〜7のいずれかに記載のエポキ
    シ樹脂含有変性フェノール樹脂成形材料を成形して得ら
    れることを特徴とする、電気・電子部品用材料。
  9. 【請求項9】 請求項5〜7のいずれかに記載のエポキ
    シ樹脂含有変性フェノール樹脂組成物を用いることを特
    徴とする、半導体用封止材。
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US08/190,899 US5432240A (en) 1993-02-05 1994-02-03 Modified phenolic resin from formaldehyde polymer, phenol and oil or pitch
DE1994606696 DE69406696T2 (de) 1993-02-05 1994-02-04 Verfahren zur Herstellung von modifizierten Phenolharzen, Formmasse basierend auf diesen Harzen und daraus hergestellte elektrische und elektronische Teile sowie Dichtmassen für Halbleiter
EP94300852A EP0612776B1 (en) 1993-02-05 1994-02-04 Process for producing modified phenolic resin, molding material based on modified phenolic resin, and material for electrical or electronic parts and semiconductor sealant compounds each produced utilizing the molding material
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5614600A (en) * 1994-06-03 1997-03-25 Kashima Oil Co., Ltd. Fiber-reinforced resin plate and process for producing the same
US6320013B1 (en) 1998-12-10 2001-11-20 Kashima Oil Co., Ltd. Process for producing modified phenolic resin
JP2013138611A (ja) * 2010-09-02 2013-07-11 Sumitomo Bakelite Co Ltd ロータに用いる固定用樹脂組成物
WO2014010559A1 (ja) * 2012-07-09 2014-01-16 新日鉄住金化学株式会社 エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、その硬化方法及び硬化物

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