JPH07196766A - エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物

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JPH07196766A
JPH07196766A JP34902293A JP34902293A JPH07196766A JP H07196766 A JPH07196766 A JP H07196766A JP 34902293 A JP34902293 A JP 34902293A JP 34902293 A JP34902293 A JP 34902293A JP H07196766 A JPH07196766 A JP H07196766A
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JP
Japan
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epoxy resin
cured product
resin composition
mol
amount
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JP34902293A
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English (en)
Inventor
Yasumasa Akatsuka
泰昌 赤塚
Kenichi Kuboki
健一 窪木
Yoshiro Shimamura
芳郎 嶋村
Hiromi Morita
博美 森田
Hiroaki Ono
博昭 大野
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Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】耐熱性、耐水性及び機械的強度に優れた硬化
物、及びそれを与えるエポキシ樹脂及びエポキシ樹脂組
成物を提供すること。 【構成】特定の芳香族含有量を有する石油系重質油類或
はピッチ類にフェノール類及び/またはナフトール類と
アルデヒド類を重縮合させることにより得られるフェノ
ール樹脂をエポキシ化して得られるエポキシ樹脂及び該
エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂組成物及びその硬化物
に関するもので電気・電子部品の封止材料、積層材料な
どに有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐熱性、耐水性、機械的
強度に優れる硬化物を与えるエポキシ樹脂およびエポキ
シ樹脂組成物およびその硬化物に関するものであり、本
発明の樹脂及び樹脂組成物は成形材料,注型材料,積層
材料,複合材料,塗料,接着剤,レジストなどの広範囲
の用途に極めて有用である。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は種々の硬化剤で硬化させ
ることにより、一般的に機械的性質、耐水性,耐薬品
性,耐熱性,電気的性質などの優れた硬化物となり、接
着剤,塗料,積層板,成形材料,注型材料などの幅広い
分野に利用されている。従来、工業的に最も使用されて
いるエポキシ樹脂としてビスフェノ−ルAにエピクロル
ヒドリンを反応させて得られる液状および固形のビスフ
ェノ−ルA型エポキシ樹脂がある。その他液状のビスフ
ェノ−ルA型エポキシ樹脂にテトラブルムビスフェノ−
ルAを反応させて得られる難燃性固形エポキシ樹脂など
が汎用エポキシ樹脂として工業的に使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
たような汎用エポキシ樹脂は分子量が大きくなるにつれ
て、それを使用して得られる硬化物の強靭性は増加する
ものの耐熱性は低下するという欠点がある。また、耐熱
性の低下を補うためにクレゾールノボラックエポキシ樹
脂などの多官能エポキシ樹脂を混合した場合に得られる
硬化物は耐熱性は高くなるものの、靭性は低下し吸水率
は高くなるという欠点がある。一方、最近の電子産業な
どの目ざましい発達に伴い、これらに使用される電気絶
縁材料などに要求される耐熱性、耐水性及び機械的強度
は益々厳しくなっており、これらの特性に優れたエポキ
シ樹脂の出現が待ち望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこうした実
状に鑑み、耐熱性、耐水性及び機械的強度に優れる硬化
物を与えるエポキシ樹脂を求めて鋭意研究した結果、特
定の分子構造を有するエポキシ樹脂が、その硬化物にお
いて優れた耐熱性、耐水性及び機械強度を付与するもの
であることを見い出して本発明を完成させるに到った。
【0005】すなわち本発明は (1)次の性質を持つ石油系重質油類またはピッチ類 (a)芳香族炭化水素分率 0.40〜0.95 (b)芳香族水素量値 20〜80% の平均分子量より計算される平均モル数1モルに対して
アルデヒド類を1〜10モルになるように混合し、加熱
撹拌下酸触媒の存在下にフェノール類及び/またはナフ
トール類を該石油重質油類または該ピッチ類の平均モル
数1モルに対して0.3〜10モルになるように添加し
て重縮合させることにより得られるフェノール樹脂をア
ルカリ金属水酸化物の存在下エピハロヒドリンと反応さ
せることにより得られるエポキシ樹脂、
【0006】(2)上記(1)記載のエポキシ樹脂およ
び硬化剤、さらに必要により硬化促進剤を含有するエポ
キシ樹脂組成物、(3)積層板用に調製された上記
(2)記載のエポキシ樹脂組成物、(4)上記(2)又
は(3)記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物に関する。
【0007】本発明によれば、耐熱性、耐水性及び機械
強度に優れた硬化物を得ることが出来る。本発明のエポ
キシ樹脂の原料である石油系重質油類またはピッチ類は
原油の蒸留残油、水添分解残油、接触分解残油、ナフサ
またはLPGの熱分解残油及びこれらの残油の減圧蒸留
物、溶剤抽出によりエキストラクトあるいは熱処理物と
して得られるものであり、これらの中から芳香族炭化水
素分率fa値及び芳香族水素量質Ha値の適当な、もの
を選んで使用する。
【0008】本発明のエポキシ樹脂の合成に用いる石油
系重質油類またはピッチ類は、fa値が0.40〜0.
95、Ha値が20〜80%であるものである。尚、こ
のfa値及びHa値は、次の式で計算することができ
る。 fa値=油またはピッチ中の芳香族炭素数/油またはピ
ッチ中の全炭素数 Ha値(%) =油またはピッチ中の芳香族水素数/油また
はピッチ中の全水素数×100 このfa値は13C−NMRによって求めることが出来
る。また、Ha値は 1H−NMRによって求めることが
出来る。
【0009】本発明に用いられる、石油系重質油類また
はピッチ類のfa値が小さくなると、芳香族分が少なく
なるため得られるエポキシ樹脂の性能の改善効果が小さ
くなる。特にfa値が0.4未満の場合にはこの改善効
果がきわめて小さくなるので好ましくない。
【0010】またfa値が0.95より大きい石油系重
質油類またはピッチ類の場合には、芳香環水素とアルデ
ヒド類との反応性が低くなるので好ましくない。従っ
て、fa値は0.4〜0.95が好ましく、特に好まし
くは0.5〜0.8である。
【0011】また、原料の石油系重質油類またはピッチ
類のHa値が小さくなると、アルデヒド類と反応する芳
香環水素分が少なくなり、反応性が低くなるため、得ら
れるエポキシ樹脂の性能の改善効果が低下し好ましくな
い。
【0012】Ha値については実用性があるのは20%
以上である。一方Ha値が大きくなると芳香環水素分の
反応性が次第に小さくなる傾向を示す。Ha値が80%
より大きい石油系重質油類またはピッチ類を原料とした
場合には得られるエポキシ樹脂の強度が弱くなる傾向を
示すため好ましくない。本発明に於てHa値は20〜8
0%が好ましく特に好ましくは25〜60%である。
【0013】ここで使用する石油系重質油類またはピッ
チ類において、その縮合環数は特に限定されないが好ま
しくは主として2〜4環の縮合多環芳香族炭化水素であ
る。5環以上の縮合多環芳香族炭化水素の場合には、沸
点がほとんどの場合450℃を超えるため狭い沸点範囲
のものを集め難く、品質が安定しないという問題があ
る。またおもに単環芳香族炭化水素である場合にはアル
デヒド類との反応性が低い為得られるエポキシ樹脂の性
能の改善効果が小さく好ましくない。
【0014】本発明において使用されうるアルデヒド類
の具体例としてはホルムアルデヒド、アセトアルデヒ
ド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒドなどが挙
げられる。これらは1種類のみ用いてもよく、また多種
類を混合して用いてもよい。またホルムアルデヒドを用
いる場合には、それが水溶液でも、パラホルムアルデヒ
ドあるいはポリオキシメチレンのような重合物の状態で
あってもよい。
【0015】アルデヒド類の使用量は、石油系重質油類
またはピッチ類の平均分子量より計算される平均モル数
1モルに対して1〜10モルが好ましくより好ましくは
2〜7である。アルデヒドの使用量が1モル未満の場合
には得られるエポキシ樹脂の硬化物の強度が低くなり好
ましくない。一方、10を超える場合には得られる硬化
物の性能は殆ど変わらなくなるため、これ以上多く使用
することは無駄になる。
【0016】本発明に用いられるフェノール樹脂を製造
する際に用いられうる酸触媒の具体例としては、ブレン
ステッド酸もしくはルイス酸が挙げられるがブレンステ
ッド酸が好ましい。ブレンステッド酸としてはトルエン
スルホン酸、キシレンスルホン酸、塩酸、硫酸、ギ酸な
どが使用できるがp−トルエンスルホン酸、塩酸が特に
好ましい。
【0017】酸触媒の使用量は、石油系重質油類または
ピッチ類とアルデヒド類との合計量に対して通常0.1
〜30重量%、好ましくは1〜10重量%である。酸触
媒の使用量が少ない場合は反応時間が長くなる傾向があ
り、また多過ぎてもその割には反応速度が速くならずコ
スト的に不利になる。
【0018】本発明に用いうるフェノール類の具体例と
しては、フェノール、クレゾール、キシレノール、トリ
メチルフェノール、プロピルフェノール、ブチルフェノ
ールメチルブチルフェノール、ブロモフェノール等が挙
げられ、ナフトール類の具体例としてはα−ナフトー
ル、β−ナフトールなどが挙げられるがこれらに限定さ
れるものではない。またフェノール類、ナフトール類は
それぞれ上記で例示した群から選ばれる化合物のうち1
種類を用いても、多種類を組み合わせて用いてもよい。
【0019】フェノール樹脂の製造にあたってフェノー
ル類の添加は、滴下或は分割仕込み等の方法により少量
ずつ添加し混合する。添加する速度は反応混合物の全重
量に対して0.05〜5重量%/分であり、好ましくは
0.1〜2重量%/分である。添加する速度が0.05
重量%/分未満の場合には添加に要する時間が長すぎ好
ましくない。一方添加する速度が5重量%/分を超える
場合には、添加したフェノール類が遊離アルデヒド類と
急速に反応するため、均一な混合物ないし共縮合物を生
成し難くなるので好ましくない。
【0020】フェノール類及び/またはナフトール類の
添加量は石油系重質油類またはピッチ類の平均分子量よ
り計算される平均モル数1モルに対して好ましくは0.
3〜10モルより好ましくは0.5〜5モルである。添
加量が0.3モル以下の場合には最終的に得られる硬化
物の機械的強度が低くなる傾向があり好ましくない。一
方フェノール類及び/またはナフトール類の添加量が5
モル以上の場合には得られるフェノール樹脂の改質効果
が小さくて好ましくない。
【0021】上記の反応を行う場合、反応温度は通常5
0〜160℃、好ましくは60〜120℃である。反応
時間は通常0.5〜10時間、好ましくは1〜5時間で
ある。
【0022】上記の反応は無溶剤でも溶剤を使用しても
行うことが出来る。溶剤を使用する場合の溶剤の具体例
としてはトルエン、キシレンのような芳香族炭化水素、
メチルイソブチルケトンのようなケトン類、クロルベン
ゼンのようなハロゲン化芳香族炭化水素、ニトロベンゼ
ンのようなニトロ化芳香族炭化水素、ニトロエタン、ニ
トロプロパンのようなニトロ化脂肪族炭化水素、パーク
レン、トリクレン、四塩化炭素のようなハロゲン化脂肪
族炭化水素等が挙げられる。反応の進行にともない水が
生成するが、共沸により生成水と溶剤を留去し分液して
溶剤は系内に戻し系中の水は除去することもできる。溶
剤の使用量は仕込んだ石油系重質油類またはピッチ類と
フェノール類及び/またはナフトール類とを合わせた総
重量の20〜300重量%が好ましく特に40〜250
%が好ましい。
【0023】反応終了後中和処理或は水洗処理を行って
そのpH値を3〜7好ましくは5〜7に調節しておく。
水洗処理を行う場合は水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ムなどのアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウム、水
酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物、ア
ンモニアさらにはジエチレントリアミン、トリエチレン
テトラミン、アニリン、フェニレンジアミンなどの有機
アミンなど様々な塩基性物質等を中和剤として用いて処
理してもよい。また水洗処理の場合は常法にしたがって
行えばよい。例えば反応生成系中に上記中和剤を溶解し
た水を加え分液抽出操作をくり返す。
【0024】中和処理を行った後、溶剤を使用した場合
は減圧加熱下で溶剤を留去し生成物の濃縮を行い、目的
とするフェノール樹脂を得ることが出来る。
【0025】得られたフェノール樹脂から本発明のエポ
キシ樹脂を得る方法としては公知の方法が採用できる。
例えば得られたフェノール樹脂と過剰のエピクロルヒド
リン、エピブムヒドリン等のエピハロヒドリンの溶解混
合物に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ
金属水酸化物を添加し、または添加しながら20〜12
0℃の温度で反応させることにより本発明のエポキシ樹
脂を得ることが出来る。
【0026】本発明のエポキシ樹脂を得る反応におい
て、アルカリ金属水酸化物はその水溶液を使用してもよ
く、その場合は該アルカリ金属水酸化物の水溶液を連続
的に反応系内に添加すると共に減圧下、または常圧下連
続的に水及びエピハロヒドリンを流出させ、更に分液し
水は除去しエピハロヒドリンは反応系内に連続的に戻す
方法でもよい。
【0027】また、フェノール樹脂とエピハロヒドリン
の溶解混合物にテトラメチルアンモニウムクロライド、
テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベン
ジルアンモニウムクロライド、等の4級アンモニウム塩
を触媒として添加し50〜150℃で反応させて得られ
るハロヒドリンエーテル化物にアルカリ金属水酸化物の
固体または水溶液を加え、再び20〜120℃の温度で
反応させ脱ハロゲン化水素(閉環)させる方法でもよ
い。
【0028】通常これらの反応において使用されるエピ
ハロヒドリンの量はフェノール樹脂の水酸基1当量に対
し通常1〜20モル、好ましくは2〜10モルである。
アルカリ金属水酸化物の使用量はフェノール樹脂の水酸
基1当量に対し0.8〜15モル、好ましくは0.9〜
11モルである。更に、反応を円滑に進行させるために
メタノール、エタノールなどのアルコール類の他、ジメ
チルスルホン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性
極性溶媒などを添加して反応を行うことが好ましい。
【0029】アルコール類を使用する場合、その使用量
はエピハロヒドリンの量に対し2〜20重量%、より好
ましくは4〜15重量%である。また非プロトン性極性
溶媒を用いる場合はエピハロヒドリンの量に対し5〜1
00重量%、より好ましくは10〜90重量%である。
【0030】これらのエポキシ化反応の反応物を水洗
後、または水洗無しに加熱減圧下、150〜250℃、
圧力10mmHg以下でエピハロヒドリンや他の添加溶
媒などを除去する。また更に加水分解性ハロゲンの少な
いエポキシ樹脂とするために、回収したエポキシ樹脂を
再びトルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤に溶
解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカ
リ金属水酸化物の水溶液を加えて更に反応を行い閉環を
確実なものにすることもできる。この場合アルカリ金属
水酸化物の使用量はエポキシ化に使用したフェノール樹
脂の水酸基1当量に対して好ましくは0.01〜0.2
モル、特に好ましくは0.05〜0.1モルである。反
応温度は50〜120℃、反応時間は通常0.5〜2時
間である。
【0031】反応終了後、生成した塩を濾過、水洗など
により除去し、更に、加熱減圧下トルエン、メチルイソ
ブチルケトンなどの溶剤を留去することにより加水分解
性ハロゲンの少ない本発明のエポキシ樹脂が得られる。
【0032】本発明のエポキシ樹脂組成物は本発明エポ
キシ樹脂、硬化剤、さらに必要により硬化促進剤等を添
加するすることにより得ることができる。本発明のエポ
キシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂として本発明の
エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂を併用することも可能
である。本発明のエポキシ樹脂組成物において、硬化剤
としてはアミン系化合物,酸無水物系化合物,アミド系
化合物,フェノ−ル系化合物などが使用できる。具体例
としては、ジアミノジフェニルメタン,ジエチレントリ
アミン,トリエチレンテトラミン,ジアミノジフェニル
スルホン,イソホロンジアミン,ジシアンジアミド,リ
ノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成される
ポリアミド樹脂,無水フタル酸,無水トリメリット酸,
無水ピロメリット酸,無水マレイン酸,テトラヒドロ無
水フタル酸,メチルテトラヒドロ無水フタル酸,無水メ
チルナジック酸,ヘキサヒドロ無水フタル酸,メチルヘ
キサヒドロ無水フタル酸,フェノ−ルノボラック,及び
これらの変性物,イミダゾ−ル,BF3 −アミン錯体,
グアニジン誘導体などが挙げられる。また本発明のエポ
キシ樹脂の原料として用いた変性フェノール樹脂も硬化
剤として用いることが出来る。これらの硬化剤はそれぞ
れ単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いて
もよい。
【0033】これらの硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂
のエポキシ基1当量に対して0.7〜1.2当量が好ま
しい。エポキシ基1当量に対して、0.7当量に満たな
い場合、あるいは1.2当量を超える場合、いずれも硬
化が不完全となり良好な硬化物性は得られない恐れがあ
る。
【0034】また上記硬化剤を用いる際に硬化促進剤を
併用しても差し支えない。硬化促進剤としては例えばイ
ミダゾ−ル類,第3級アミン類,フェノ−ル類,金属化
合物等が挙げられる。さらに、本発明のエポキシ樹脂組
成物には、必要に応じてシリカ、アルミナ、タルク等の
充填材やシランカップリング剤、離型剤、顔料等の種々
の配合剤を添加することができる。硬化促進剤の使用量
はエポキシ樹脂100重量部に対して0.1〜5.0重
量部が好ましい。
【0035】本発明のエポキシ樹脂組成物は、各成分を
均一に混合することにより得られる。本発明のエポキシ
樹脂、硬化剤更に必要により硬化促進剤の配合された本
発明のエポキシ樹脂組成物は従来知られている方法と同
様の方法で容易に硬化物とすることができる。例えば本
発明のエポキシ樹脂と硬化剤,充填剤及びその他の添加
剤とを必要に応じて押出機,ニ−ダ,ロ−ル等を用いて
均一になるまで充分に混合してエポキシ樹脂組成物を
得、そのエポキシ樹脂組成物を溶融後注型あるいはトラ
ンスファ−成形機などを用いて成形し、さらに80〜2
00℃で2〜10時間に加熱することにより硬化物を得
ることができる。
【0036】また本発明の樹脂組成物をトルエン、キシ
レン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン等の溶剤に溶解させ、ガラス繊維,カ−ボン繊
維,ポリエステル繊維,ポリアミド繊維,アルミナ繊
維,紙などの基材に含浸させ加熱乾燥して得たプリプレ
グを熱プレス成形して硬化物を得ることなどもできる。
本発明によれば、耐熱性、耐水性及び機械的強度に優れ
た硬化物が得られ、従って、本発明のエポキシ樹脂組成
物は、積層板用、封止材用、接着剤、複合材、塗料等種
々の用途に使用できる。
【0037】
【実施例】次に本発明を実施例、比較例により具体的に
説明するが、以下において部は特に断わりのない限りす
べて重量部であるものとする。
【0038】実施例1 温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌器を取り付けたフラ
スコに、下記に示す性状の原料油70部、パラホルムア
ルデヒド124部、p−トルエンスルホン酸(1水和
物)18.4部及びo−ジクロロベンゼン280部を仕
込み、撹拌下で98℃まで昇温した。98℃になった時
点でフェノール94部を1cc/分の滴下速度で滴下し
た。滴下終了後、更に3時間撹拌して反応させた後、ト
リエチレンテトラミン(TETA)部を加え、更に30
分撹拌した。反応終了後、反応混合物をn−ヘキサン1
400部に注ぎ込み、反応生成物を沈澱させた。沈澱物
を濾過洗浄後25℃で減圧乾燥してフェノール樹脂22
1部を得た。 原料油の性状 平均分子量 280 沸点(常圧換算℃) 243.1〜470.3 芳香族炭化水素分率(fa値) 0.67 芳香環水素量(Ha値)(%) 30
【0039】ついで、温度計、冷却管、撹拌器を取り付
けたフラスコに窒素ガスパージを施しながら上記反応で
得られたフェノール樹脂178部、エピクロルヒドリン
302部、ジメチルスルホキシド76部を仕込み溶解さ
せた。更に50℃に加熱しフレーク状水酸化ナトリウム
(純分99%)33.9部を90分かけて分割添加し、
その後更に60℃で2時間、70℃で1時間反応させ
た。反応終了後、水洗を繰り返し水層は分離除去し、油
層から加熱減圧下過剰のエピクロルヒドリンを留去し、
残留物に450部のメチルイソブチルケトンを加え溶解
した。
【0040】更にこのメチルイソブチルケトンの溶液を
70℃に加熱し30重量%の水酸化ナトリウム水溶液1
0.8部を添加し1時間反応させた後、水洗を2回繰り
返しpHを中性とした。更に水層は分離除去し、ロータ
リエバポレーターを使用して油層から加熱減圧下メチル
イソブチルケトンを留去し、本発明のエポキシ樹脂
(1)219部を得た。得られたエポキシ樹脂の軟化点
は69.2℃、エポキシ当量は288g/eqであっ
た。
【0041】実施例2 フェノールの代わりにα−ナフトール144部を150
分かけて分割添加した以外は実施例1と同様に反応を行
いフェノール樹脂270部を得た。更に得られたフェノ
ール樹脂217部を用いた以外は実施例1と同様にエポ
キシ化反応を行いエポキシ樹脂(2)257部を得た。
得られたエポキシ樹脂の軟化点は75.0℃,エポキシ
当量は339g/eqであった。
【0042】実施例3〜4,比較例1 得られたエポキシ樹脂(1)〜(2)、比較としてo−
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(EOCN102
0、日本化薬(株)製軟化点65.1℃、エポキシ当量
200g/eq)、硬化剤としてフェノールノボラッ
ク、(水酸基当量106g/eq軟化点80.2℃)硬
化促進剤としてトリフェニルホスフィン(TPP)を用
い、表1に示す組成で配合して、70℃で15分ロール
で混練し、150℃、成形圧力50kg/cm2 で18
0秒間トランスファー成形して、その後160℃で2時
間、更に180℃で8時間硬化せしめて試験片を作成
し、ガラス転移点、吸水率及び機械強度を測定した。結
果を表1に示す。尚、ガラス転移点、吸水率及び曲げ強
度の測定条件は次の通りである。また、表中、配合物の
欄の数値は重量部を示す。
【0043】ガラス転移点 熱機械測定装置(TMA):真空理工(株)製 TM−
7000 昇温速度:2℃/min 吸水率 試験片(硬化物):直径50mm 厚さ3mm 円盤 100℃の水中で24時間煮沸した後の重量増加量(重
量%) 曲げ強度 JIS K−6911に準拠した値
【0044】
【表1】 表1 実施例1 実施例2 比較例1 エポキシ樹脂(1) 100 エポキシ樹脂(2) 100 EOCN1020 100 エポキシ当量(g/eq) 288 339 200 軟化点(℃) 69.2 75.0 65.1 フェノールノボラック 36.8 31.3 53.0 TPP 1 1 1 ガラス転移点(℃) 164 166 155 吸水率(%) 0.88 0.79 1.26 曲げ強度(Kg/mm2) 11.6 12.0 9.3
【0045】以上、表1より本発明のエポキシ樹脂の硬
化物は、公知のエポキシ樹脂組成物に較べ低い吸水率で
かつ高い強度を示した。
【0046】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂は、従来一般的に
使用されてきたエポキシ樹脂と比較して、耐熱性、耐水
性及び機械的強度に優れた硬化物を与える。すなわち本
発明のエポキシ樹脂は耐熱性、耐水性及び機械的強度に
優れた特性を兼ね備えた硬化物を与えることができ、成
形材料,注型材料,積層材料,塗料,接着剤,

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の性質を持つ石油系重質油類またはピッ
    チ類 (a)芳香族炭化水素分率 0.40〜0.95 (b)芳香族水素量値 20〜80% の平均分子量より計算される平均モル数1モルに対して
    アルデヒド類を1〜10モルになるように混合し、加熱
    撹拌下酸触媒の存在下にフェノール類及び/またはナフ
    トール類を該石油重質油類または該ピッチ類の平均モル
    数1モルに対して0.3〜10モルになるように添加し
    て重縮合させることにより得られるフェノール樹脂をア
    ルカリ金属水酸化物の存在下エピハロヒドリンと反応さ
    せることにより得られるエポキシ樹脂。
  2. 【請求項2】請求項1記載のエポキシ樹脂および硬化
    剤、さらに必要により硬化促進剤を含有するエポキシ樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】積層板用に調製された請求項2記載のエポ
    キシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】請求項2又は3記載のエポキシ樹脂組成物
    の硬化物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009108147A (ja) * 2007-10-29 2009-05-21 Nippon Kayaku Co Ltd フェノール樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物およびその硬化物

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