JP3436481B2 - 高反応性変性フェノール樹脂の製造方法、及びこの高反応性変性フェノール樹脂を含有する、成形材料、電気・電子部品用材料および半導体封止材 - Google Patents

高反応性変性フェノール樹脂の製造方法、及びこの高反応性変性フェノール樹脂を含有する、成形材料、電気・電子部品用材料および半導体封止材

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JP3436481B2 JP03503298A JP3503298A JP3436481B2 JP 3436481 B2 JP3436481 B2 JP 3436481B2 JP 03503298 A JP03503298 A JP 03503298A JP 3503298 A JP3503298 A JP 3503298A JP 3436481 B2 JP3436481 B2 JP 3436481B2
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下 宏 美 宮
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井 智 彰 藤
塚 達 史 石
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、エポキシ樹脂と組み合わ
せることで、耐熱性、耐湿性,耐腐食性、接着性、及び
寸法安定性、強度等の機械的特性など、特に耐湿性およ
び耐熱性に優れた成形品となる低粘度の高反応性変性フ
ェノール樹脂を、一工程で簡単に製造することが可能で
あり、かつ安定供給が可能で、かつコスト的に有利な重
縮合原料を用いることができる高反応性変性フェノール
樹脂の製造方法に関する。
【0002】さらに、本発明は、この方法で得られる高
反応性変性フェノール樹脂とエポキシ樹脂とを含む変性
フェノール樹脂成形材料、電気・電子部品用材料および
半導体封止材に関する。
【0003】
【発明の技術的背景】フェノール樹脂系成形体は機械的
特性が優れており、古くから単独又はエポキシ樹脂等他
の樹脂と混合して広く用いられているが、耐光性、耐ア
ルカリ性がやや低く、水分あるいはアルコールを吸収し
て寸法および電気抵抗が変化し易く、耐熱性、特に高温
時の耐酸化性が低いという問題があった。
【0004】そこで、このような問題を解決する方法と
して、フェノール樹脂の様々な変性が検討されている。
例えば、油脂、ロジンあるいは中性の芳香族化合物を用
いた変性により、光、化学薬品等による劣化または酸化
などに対する耐性を向上させた変性フェノール樹脂が数
多く提案されている。
【0005】例えば、特開昭61−235413号公報
では、フェノール変性芳香族炭化水素樹脂の反応成分を
選択することによって、耐熱性の優れたフェノール系樹
脂が得られることが開示されている。しかしながら、こ
の方法で得られたフェノール系樹脂は、これを用いて成
形体を製造した場合、樹脂を高温下で長時間維持しなけ
れば硬化しないという欠点があった。
【0006】特開平2−274714号公報には、安価
な原料である石油系重質油類またはピッチ類を変性材料
として用い、特殊な反応条件を選択することにより、従
来のフェノール樹脂では得られない耐熱性、耐酸化性お
よび機械的強度を有し、成形材料として有用な変性フェ
ノール樹脂を提供し得ることが開示されている。
【0007】さらに、特開平4−145116号公報に
は、このような変性フェノール樹脂を製造する場合、原
料化合物を重縮合させて得た粗製変性フェノール樹脂
に、中和処理、水洗処理および/または抽出処理を施し
て、粗製変性フェノール樹脂に残存する酸を中和・除去
することにより、この樹脂に接触する金属製部材を腐食
させることのない変性フェノール樹脂を提供し得ること
が開示されている。
【0008】この変性フェノール樹脂の製造方法では、
粗製変性フェノール樹脂中に残存する酸は、具体的に
は、アミン類を用いた中和処理および水洗処理によって
中和・除去されている。しかし、このような中和処理お
よび水洗処理からなる精製工程で得られた変性フェノー
ル樹脂は、樹脂中に中和物が残存し易く、厳しい耐熱
性、耐腐食性を要求される製品に用いられる成形材料、
例えば電気・電子部品用成形材料および半導体封止材料
としては、未だ不十分であった。
【0009】特開平6−228257号では、粗製変性
フェノール樹脂を、特殊な抽出処理を含む精製工程にて
精製することにより、実質的に酸を含まない変性フェノ
ール樹脂を提供できることが教示されている。このよう
な精製工程で得られた実質的に酸を含まない変性フェノ
ール樹脂は、エポキシ樹脂と組み合わせることにより、
優れた耐熱性および耐湿性を有するとともに、金属に対
する腐食性を有さない成形材料を提供できる。
【0010】しかしながら、これらの変性フェノール樹
脂は、樹脂溶融粘度が高く、複雑な形状を有する成形品
を迅速かつ大量に生産するのに適さないという問題があ
る他、エポキシ樹脂と組み合わせた場合の耐熱性、およ
び寸法安定性、強度などの機械的特性の更なる向上が望
まれていた。
【0011】そこで、本発明者等は、石油系重質油また
はピッチ、フェノール類およびホルムアルデヒド重合物
を重縮合して得られた変性フェノール樹脂を、酸触媒の
存在下でフェノール類と反応させて低分子化することに
よって、樹脂溶融粘度が低くかつエポキシ樹脂との反応
性が向上した変性フェノール樹脂が製造可能な高反応性
変性フェノール樹脂の製造方法を提案した(特開平7−
252339号公報、特願平8−24173号明細書参
照)。
【0012】このようにして得られた高反応性変性フェ
ノール樹脂は、エポキシ樹脂との反応性が高く、樹脂溶
融粘度が低く成形性が良好であり、エポキシ樹脂と組合
わせることで、耐熱性および成形性が良好で、かつ寸法
安定性等の機械的特性にも優れた成形材料を提供するこ
とが可能である。
【0013】しかしながら、このような変性フェノール
樹脂の製造方法では、重縮合工程および低分子化工程の
二工程を必要とするため、製造工程が複雑になってい
た。ところで、電気製品の製造時に一般的に行なわれる
ハンダ付け作業では、電気、電子部品および半導体は、
高温に晒されることとなり、この観点から電気、電子部
品用あるいは半導体封止材用の樹脂材料として用いられ
る変性フェノール樹脂にあっても、耐熱性に関してさら
に改善が要請されている。
【0014】また、樹脂材料の吸湿性が高いと、ハンダ
付け作業時に水分が急激に蒸発し、ハンダクラックを発
生することがある他、複合化された金属材料を腐食する
可能性があるという問題が生じる。
【0015】そして、樹脂材料は、電気、電子部品ある
いは半導体封止材等の分野では、金属部材と複合化され
る場合が多く、製品の信頼性は、樹脂材料の金属部材へ
の接着性に大きく影響される。
【0016】したがって、変性フェノール樹脂にあって
も、さらなる吸湿性に関する改善および接着性の向上が
要請されていた。加えて、以上説明したような製造工程
の簡略化および得られる変性フェノール樹脂の特性改善
に加え、原料油に関しても、従来接触分解工程で得られ
たボトム油を再蒸留して得られる原料油に替え、より効
率的かつ安定的に得られ、コスト的に有利な原料油の要
請も高かった。
【0017】本発明者等は、上述のような優れた特性を
有する高反応性変性フェノール樹脂を、より簡単に製造
する方法を種々研究・検討した結果、ある特定の量比で
触媒を含む特定の原料を混合して重縮合を行なうことに
より、一工程で、エポキシ樹脂との高い反応性を有し、
かつ低粘度の高反応性変性フェノール樹脂が得られるこ
とを見出した。
【0018】また、本発明者等は、この高反応性変性フ
ェノール樹脂とエポキシ樹脂とを組み合わせた成形材料
が、成形性に優れ、かつ優れた耐熱性、耐湿性、耐腐食
性、接着性および寸法安定性、強度等の機械的特性な
ど、特に優れた耐熱性および耐湿性を有する成形品とな
ることを見出した。
【0019】本発明は、このような発明者等の発見に基
づきなされたものである。
【0020】
【発明の目的】本発明は、上述したような従来技術の問
題点を解決するために成されたものであり、溶融粘度が
低く、エポキシ樹脂との反応性が高い高反応性変性フェ
ノール樹脂を、一工程で簡単に、かつ安定して製造・供
給することが可能な高反応性変性フェノール樹脂の製造
方法を提供することを目的としている。
【0021】さらに、本発明は、上記方法で得られた高
反応性変性フェノール樹脂と、エポキシ樹脂とを含み、
成形性、耐熱性、耐湿性、耐腐食性、接着性および寸法
安定性等の機械的強度など、特に耐熱性および耐湿性に
優れた成形品を製造できる成形材料、特に電気・電子部
品用材料及び半導体封止材を提供することを目的として
いる。
【0022】
【発明の概要】本発明に係る高反応性変性フェノール樹
脂の製造方法では、特定量の重質油類またはピッチ類
と、フェノール類と、ホルムアルデヒド化合物と、酸触
媒とを混合した後、得られた混合物を加熱攪拌して、こ
れら重質油類またはピッチ類、フェノール類およびホル
ムアルデヒド化合物を重縮合させ、引き続き、特定の三
工程にて生成した高反応性変性フェノール樹脂の精製を
行なうことを特徴としている。
【0023】
【0024】本発明に係る高反応性変性フェノール樹脂
の製造方法では、重質油類またはピッチ類として、石油
系および石炭系のもの、特に石油精製過程の接触分解工
程または熱分解工程で得られる特定の留出油を用いるこ
とが可能である他、原料としてさらに芳香族炭化水素化
合物を加えることができる。
【0025】本発明に係る高反応性変性フェノール樹脂
の製造方法では、前記酸触媒として、有機酸、無機酸お
よび固体酸からなる群から選択されるブレンステッド酸
を用いることが望ましい。
【0026】本発明に係る高反応性変性フェノール樹脂
の製造方法では、前記重質油類またはピッチ類は、低反
応性成分であるパラフィン留分の除去処理を施した後に
使用してもよい。
【0027】また、本発明の製造方法では、前記重縮合
反応で得られた高反応性変性フェノール樹脂を、 (i)反応混合物から未反応成分を除去する工程、 (ii)触媒残渣を除去する工程、および (iii)残留するフェノール類を除去する工程、からなる
三工程にて精製を行なう。
【0028】
【0029】
【0030】
【発明の具体的説明】以下、本発明をさらに具体的に説
明する。本発明に係る高反応性変性フェノール樹脂の製
造方法では、特定量の重質油類またはピッチ類、ホルム
アルデヒド化合物、フェノール類および酸触媒を含む混
合物を加熱攪拌して重縮合反応を行ない高反応性変性フ
ェノール樹脂を製造している。
【0031】このような本発明の重縮合反応で原料とし
て用いられる重質油類またはピッチ類としては、石油系
および石炭系の何れの原料油を用いてもよい。石油系重
質油類またはピッチ類としては、原油の蒸留残油、水添
分解残油、接触分解残油、ナフサまたはLPGの熱分解
残油およびこれら残油の減圧蒸留物、溶剤抽出によるエ
キストラクト或いは熱処理物、石油精製過程における熱
分解及び接触分解などの分解工程で得られる特定の留出
油を例示できる。石炭系重質油類またはピッチ類として
は、石炭乾留におけるコールタールを蒸留して得られる
特定の分留成分および石炭液化における重質油等を例示
できる。
【0032】石油系重質油類またはピッチ類では、芳香
族炭化水素分率fa値および芳香環水素量Ha値の適当
なものを選んで使用することが好ましい。例えば、石油
系重質油類またはピッチ類は、0.40〜0.95、好
ましくは0.5〜0.8、さらに好ましくは0.55〜
0.75のfa値と、20〜80%好ましくは25〜6
0%、さらに好ましくは25〜50%のHa値とを有す
ることが望ましい。
【0033】なお、fa値およびHa値は、各々石油系
重質油類またはピッチ類の13C−NMR測定によるデー
タ、および 1H−NMRによるデータから、下記式に基
づいて算出される。
【0034】
【数1】
【0035】原料の石油系重質油類またはピッチ類のf
a値が0.4より小さくなると、芳香族分が少なくなる
ため、得られる変性フェノール樹脂の性能の改質効果、
特に耐熱性、耐酸化性の改質効果が小さくなる傾向があ
る。
【0036】また、fa値が0.95より大きい石油系
重質油類またはピッチ類の場合には、芳香族炭素とホル
ムアルデヒドとの反応性が低くなる傾向がある。原料の
石油系重質油類またはピッチ類のHa値が20%より小
さくなると、ホルムアルデヒドと反応する芳香環水素分
が少なくなり、反応性が低下するため、フェノール樹脂
の性能の改質効果が低下する傾向がある。
【0037】Ha値が80%より大きい石油系重質油類
またはピッチ類を原料とした場合には、変性フェノール
樹脂の強度が低くなる傾向を示す。このような石油系重
質油類またはピッチ類としては、石油精製過程における
熱分解及び接触分解などの分解工程で得られる留出油を
用いることが、原料の安定供給、前処理の削減等の観点
から、特に好ましい。
【0038】石油精製過程において、このような分解工
程に用いられる原料としては、例えばタールサンド、或
いは蒸留工程で得られる直留重質軽油、常圧蒸留残渣油
及び減圧蒸留残油等、および脱硫工程で得られる脱硫減
圧重質軽油及び脱硫重油等の残渣油、精製油または中間
精製油などを例示することができる。このような残渣
油、精製油および中間精製油の内、通常、熱分解ではタ
ールサンド、常圧蒸留残渣油および減圧蒸留残油などが
用いられており、接触分解では直留重質軽油、常圧蒸留
残渣油、脱硫減圧重質軽油および脱硫重油などが用いら
れている。
【0039】このような留出油の製造に適用される接触
分解法および熱分解法は、所望の上記物性を有する留出
油を得られれば特に限定されるものではなく、従来より
石油精製の分野で適用されている如何なる方法であって
もよい。したがって例えば、接触分解法としては、移動
床式接触分解法、エアリフト・サーモフォア接触分解
法、フードリフロー接触分解法、流動床式接触分解(FC
C) 法、UOP 接触分解法、シェル接触分解法、エッソIV
型接触分解法、オルソフロー接触分解法などを挙げるこ
とができる。また、熱分解法としては、ディレードコー
キング法、フルードコーキング法、フレキシコーキング
法、ビスブレーク法、ユリカ法、CHERY-P 法、ACTIV
法、KKI 法、コーク流動床式コーキング法およびACR 法
などを挙げることができる。
【0040】分解工程において、このような方法で得ら
れた接触分解物および熱分解物は、様々な真沸点を有す
るとともに、種々の化合物組成を有する留分に別れる
が、この内本発明で好適に用いられる留出油は、上述の
芳香族炭化水素分率fa値および芳香環水素量Ha値を
有するとともに、真沸点が180℃以上かつ500℃以
下、好ましくは180以上かつ490℃以下、更に好ま
しくは190以上かつ490℃以下である。
【0041】真沸点が、180℃未満の留出油を用いた
場合、原料油中に含まれる縮合多環芳香族成分の量が少
なく、反応性が低下する。このような留出油は、分解工
程で留出するもののうち、塔頂、塔底以外の、塔中間段
より抜き出される比較的重質な留分である。したがっ
て、重縮合原料としてこのような塔中間留出油を用いる
ことにより、石油精製過程の分解工程で従来より用いら
れている接触分解装置および熱分解装置において、反応
塔から抜き出して精留塔に供給して得られる留分、即ち
中間精製油および循環油を原料として用いることがで
き、ボトム油を再度蒸留する必要がないため、原料の安
定なかつ低コストでの供給を図ることが可能となる。
【0042】石炭系原料として上述したコールタールの
蒸留による分留成分は、200℃を越える沸点、好まし
くは200〜360℃の沸点を有する分留成分である。
石炭乾留は、石炭化学工業において必須の工程であり、
石炭からガス、コールタールおよびコークスなどを生産
するために行なわれる。
【0043】このような石炭乾留で生産されたコールタ
ールは、その乾留方式によって、コークス炉タール、水
平式レトルトタール、直立式レトルトタール、発生炉タ
ールおよび水性ガスタールなどに分類できる。
【0044】また、コールタールは、その乾留温度の高
低によって、高温タール(900〜1200℃)および
低温タール(450〜700℃)に区分され、各々その
成および性状を異にする。
【0045】本発明において、石炭系重質油類またはピ
ッチ類として用いられる分留成分は、上記沸点を有する
限り何れのコールタールを蒸留したものであってもよい
が、所望の蒸留成分の含有量が多いという観点から、特
にコークス炉タール等の高温タールが好適である。
【0046】このようなコールタールを蒸留すると、様
々な分留成分を得ることができ、例えばコークス製造時
に得られるコークス炉タールを蒸留した場合、タール軽
油(沸点約94〜178℃)、カルボル軽油(石炭酸
油:沸点約168〜200℃)、ナフタリン油(中油)
および吸収油(沸点約202〜223℃)、重油(沸点
約218〜314℃)、アントラセン油(沸点約296
〜360℃)およびピッチ(残渣:沸点約450℃以
上)などが分留成分として得られる。
【0047】この内、沸点が200℃を越える分留成分
は、ナフタリン油、吸収油、重油、アントラセン油およ
びピッチである。本発明で用いる石炭系重質油類または
ピッチ類としては、上述の沸点を有するこのような分留
成分を、単独で用いても二種以上を組み合わせて用いて
もよい。また、これら分留成分の混合物から特定成分を
分離・回収し、混合したものであってもよく、例えばナ
フタリン油以上の沸点を有する留分の混合物で、ナフタ
リン、アントラセン、タール酸類およびタール塩基など
を分離・回収して得られるクレオソート油を用いること
もできる。
【0048】ただし、石炭系(コールタール系)の重質
油類またはピッチ類は、石油系のものと比較すると、一
般的にfaおよびHa値が大きいにもかかわらず、ホルムア
ルデヒド化合物との反応が進行することから、石炭系原
料油は、分子構造に基づくホルムアルデヒド化合物との
反応性の根本的違いがあると推測される。
【0049】なお、沸点が、200℃以下の分留成分を
用いた場合、原料油中に含まれる縮合多環芳香族成分の
量が少なく、反応性が低下する。また、石炭液化は、石
炭からガソリンなどを製造するために行なわれ、石炭を
500℃前後の高温で高圧水素(200〜700気圧)
と作用させ、石炭構造開裂、脱酸素、脱イオウ、脱窒素
および水素添加などの諸反応によって低級炭化水素とす
る工程である。
【0050】本発明では、石炭系重質油類またはピッチ
類として、このような石炭液化にともなって生産される
重質油も用いることができ、この重質油は、単独で用い
ても、上述のコールタール分留成分の一種以上と混合し
て用いてもよい。
【0051】以上説明した石炭系重質油類またはピッチ
類は、石炭化学工業において一般的な工程で安定して生
産される製品であり、したがってこれを使用することで
原料の安定な低コストでの供給を図ることが可能とな
る。
【0052】なお、本発明では、石炭系重質油類または
ピッチ類は、これをそのまま用いてもよいが、フェノー
ル類、カルボン酸類などの酸性化合物、およびカルバゾ
ール類、ピリジン類、アニリン類、キノリン類などの塩
基性化合物が含まれている可能性があり、これらを除去
することが望ましい。
【0053】このような酸性化合物および塩基性化合物
の除去は、例えば硫酸、苛性ソーダによる抽出により行
なうことができる。以上説明した石油系および石炭系の
重質油類またはピッチ類は、これを構成する芳香族炭化
水素の縮合環数は特に限定されないが、2〜4環の縮合
多環芳香族炭化水素で主に構成されることが好ましい。
重質油類またはピッチ類が、5環以上の縮合多環芳香族
炭化水素を多く含む場合、この縮合多環芳香族炭化水素
が一般的に沸点が高く、例えば450℃を越える沸点と
なることもあるため、原料の沸点にばらつきが大きくな
り、狭い沸点範囲のものを集め難く、結果的に製品の品
質が安定し難くなる。また、重質油類またはピッチ類
が、主に単環芳香族炭化水素である場合には、ホルムア
ルデヒドとの反応性が低いため、得られたフェノール樹
脂の改質効果が小さくなる傾向がある。
【0054】また、これら重質油類またはピッチ類は、
これをそのまま重縮合反応に用いてもよいが、低反応性
のパラフィン留分、即ちノルマルパラフィン、イソパラ
フィンおよびシクロパラフィン等を含む炭素数15〜4
0の飽和炭化水素留分の除去処理を行なった後に使用し
てもよい。
【0055】このようなパラフィン留分の除去処理は、
例えば、常法に従いカラムクロマトグラフィーにより行
なうことができる。
【0056】このようなカラムクロマトグラフィーで用
いるカラムに充填する充填剤としては、例えば、活性ア
ルミナゲル、シリカゲルなどを挙げることができる。こ
れら充填剤は単独で用いても、2種以上を組み合わせて
用いてもよい。
【0057】また、このようなクロマトグラフィーにお
いて使用される展開剤としては、n-ペンタン、n-ヘキサ
ン、n-ヘプタン、n-オクタン等の炭素数5〜8の脂肪族
飽和炭化水素化合物、ジエチルエーテル等のエーテル、
クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素、お
よびメチルアルコール、エチルアルコール等のアルコー
ルなどを例示することができる。これら展開剤は、適
宜、2種以上を組み合わせて使用することが望ましい。
【0058】このようなパラフィン留分除去処理を行な
うことにより、変性フェノール樹脂の性能の改質効果を
向上させることができる他、重縮合反応後の反応混合物
に含まれる未反応成分の量を減少させ、精製処理を容易
にすることが可能である。
【0059】本発明で上記重質油類またはピッチ類とと
もに原料として用いられるフェノール類としては、ヒド
ロキシベンゼン化合物およびヒドロキシナフタレン化合
物等を例示できる。ヒドロキシベンゼン化合物として
は、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、
レゾルシン、ヒドロキノン、カテコール、フェニルフェ
ノール、ビニルフェノール、ノニルフェノール、p-tert
-ブチルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノー
ルFなどを挙げることができる。ヒドロキシナフタレン
化合物としては、例えばα−ナフトールおよびβ−ナフ
トール等のモノヒドロキシナフタレン化合物、1,2-ジヒ
ドロキシナフタレン、1,3-ジヒドロキシナフタレン、1,
4-ジヒドロキシナフタレンおよび2,3-ジヒドロキシナフ
タレン、3,6-ジヒドロキシナフタレン、1,5-ジヒドロキ
シナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、1,7-ジヒ
ドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、2,
7-ジヒドロキシナフタレン等のジヒドロキシナフタレン
化合物、及びアルキル基、芳香族基、ハロゲン原子等の
置換基を有する上記モノ又はジヒドロキシナフタレン化
合物、例えば2-メチル-1-ナフトール、4-フェニル-1-ナ
フトール、1-ブロム-2-ナフトール、6-ブロム-2-ナフト
ール等を例示することができる。これらフェノール類
は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いても
よい。
【0060】本発明に係る高反応性変性フェノール樹脂
の製造方法では、このようなフェノール類は、平均分子
量から算出した重質油類またはピッチ類1モルに対し
て、0.3モル以上、かつ10モル以下、好ましくは9
モル以下、さらに好ましくは8モル以下となる量で用い
られることが望ましい。
【0061】このフェノール類が、0.3モル未満とな
る量で用いられた場合には、重質油類またはピッチ類と
ホルムアルデヒドとの反応性が、フェノール類とホルム
アルデヒドとの反応性より劣ることから、充分な架橋密
度に至らず、硬化体の強度が一般のフェノール樹脂に比
べて低くなることがある。特に、耐衝撃性が低く脆い欠
点を示す傾向がある。一方、フェノール類の量が10モ
ルを越える場合には、フェノール樹脂の変性による改質
効果が小さくなる傾向がある。
【0062】本発明で重縮合反応に用いられる芳香族炭
化水素化合物とは、炭化水素基と芳香環のみからなる芳
香族炭化水素化合物およびそのハロゲン化物であり、樹
脂の耐吸湿性、接着性を向上させる効果がある。
【0063】本発明で使用される芳香族炭化水素化合物
において、芳香環は、単環であっても縮合環であっても
よく、また同一または異なる2個以上の芳香環が結合手
または炭化水素結合基によって結合されていてもよい。
【0064】また、芳香環の置換基となる炭化水素基と
しては、メチル基、エチル基などのアルキル基などを例
示できる。また、ハロゲン化芳香族炭化水素化合物に含
まれるハロゲン原子としては、弗素、塩素、臭素、沃素
などを例示することができる。
【0065】このような芳香族炭化水素化合物として
は、非縮合芳香環を有する化合物、具体的には、トルエ
ン、o-キシレン、m-キシレンおよびp-キシレンなどのア
ルキル基置換ベンゼン化合物、クロルベンゼン、o-クロ
ロトルエン、m-クロロトルエンおよびp-クロロトルエン
などのハロゲン化ベンゼン化合物(アルキル置換基が置
換されていてもよい)などを例示することができる。
【0066】本発明に係る第一〜第六の高反応性変性フ
ェノール樹脂の製造方法では、このような芳香族炭化水
素化合物は、平均分子量から算出した重質油類またはピ
ッチ類1モルに対して、0.1〜5モル、好ましくは
0.5〜3モル、さらに好ましくは0.5〜2モルとな
る量で用いられることが望ましい。
【0067】芳香族炭化水素化合物が、0.1モル未満
となる量で用いられた場合には、吸湿性および接着性に
おいて所望の改善効果が得られないことがある。一方、
芳香族炭化水素化合物の量が5モルを越える場合には、
耐熱性において所望の改善効果が得られない場合があ
る。
【0068】本発明の重縮合反応で用いられるホルムア
ルデヒド化合物としては、ホルムアルデヒドに加えて、
パラホルムアルデヒド、ポリオキシメチレン(特に、オ
リゴマー)などの線状重合物、トリオキサンなどの環状
重合物を例示できる。
【0069】このようなホルムアルデヒド化合物は、架
橋剤として作用し、特にパラホルムアルデヒドおよびホ
ルムアルデヒドが好ましい。ホルムアルデヒド化合物
は、水等の適当な溶媒に溶解して用いてもよい。従っ
て、ホルムアルデヒドは、適当な濃度の水溶液として用
いてもよく、特にホルマリン(濃度35%以上)として
用いることが好ましい。
【0070】本発明に係る高反応性変性フェノール樹脂
の製造方法では、このようなホルムアルデヒド化合物
は、平均分子量から算出した重質油類またはピッチ類1
モルに対して、ホルムアルデヒド換算値で、0.2モル
以上、好ましくは0.5モル以上であり、かつ9モル以
下、好ましくは7モル以下、さらに好ましくは6モル以
下となる量で用いられることが望ましい。
【0071】重質油類またはピッチ類1モルに対するホ
ルムアルデヒド化合物の量が0.2モル未満の場合に
は、樹脂の収率が低下し、得られる変性フェノール樹脂
の硬化体の強度が低いので好ましくない。一方、9モル
より大きい場合には、得られる変性フェノール樹脂が高
分子化し、所望の粘度を得られないばかりでなく、甚だ
しくは反応混合物が固化してしまうことがある。
【0072】また、本発明に係る第二〜第六のフェノー
ル樹脂の製造方法では、このようなホルムアルデヒド化
合物は、フェノール類1モルに対して、ホルムアルデヒ
ド換算値で、1モル以下、好ましくは0.9モル以下、
さらに好ましくは0.8モル以下となる量で用いられ
る。
【0073】フェノール類1モルに対するホルムアルデ
ヒド化合物の量が1モルを越える場合には、得られる変
性フェノール樹脂が高分子化し、所望の粘度を得られな
いばかりでなく、甚だしくは反応混合物が固化してしま
うことがある。
【0074】本発明における重縮合反応では、重質油類
またはピッチ類、ホルムアルデヒド化合物およびフェノ
ール類を重縮合させるために酸触媒が用いられている。
このような酸触媒としては、ブレンステッド酸もしくは
ルイス酸が使用できるが、好ましくはブレンステッド酸
が用いられる。ブレンステッド酸としては、シュウ酸、
トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸およびギ酸等
の有機酸、塩酸および硫酸等の無機酸、および酸性陽イ
オン交換樹脂等の固体酸を挙げることができる。
【0075】このようなブレンステッド酸の内、有機酸
および無機酸としては、シュウ酸および硫酸が好まし
い。また、固体酸として使用される酸性陽イオン交換樹
脂は、三次元網目構造を有する基体樹脂に、陽イオン交
換基を共有結合させた樹脂である。
【0076】基体樹脂としては、ポリスチレン、スチレ
ン/ジビニルベンゼン共重合体、ポリ(メタ)アクリル
酸およびポリアクリロニトリル等を例示することができ
る。陽イオン交換基としては、スルホン酸基などの強酸
性基およびカルボキシル基などの弱酸性基を挙げること
ができる。
【0077】酸触媒としての酸性陽イオン交換樹脂は、
通常粒度15〜50メッシュの球状体として用いること
が望ましい。このような酸性陽イオン交換樹脂として
は、具体的には、ダイヤイオン SKIB、PK21
6、SK104およびPK208(三菱化学社製:商品
名)、アンバーライト IR−120BおよびIR−1
12(オルガノ社製:商品名)、ダウエックス 50w
x 8、HCRおよびHGR(ダウケミカル社製:商品
名)、デュオライト C−20およびC−25(住友化
学社製:商品名)などの強酸性陽イオン交換樹脂、およ
びダイヤイオン WK10(三菱化学社製:商品名)、ア
ンバーライト IRc−50(オルガノ社製:商品
名)、デュオライト CS−101(住友化学社製:商
品名)などの弱酸性陽イオン交換樹脂を例示することが
できる。
【0078】このような固体酸を酸触媒として用いる
と、酸が反応混合物中に遊離状態で含有されることがな
いため、ろ過等の簡便な方法で重縮合反応生成物から固
体酸を除去することで、実質的に酸を含まない低粘度高
反応性変性フェノール樹脂を得られるという利点があ
る。
【0079】本発明に係る第一の製造方法では、このよ
うな酸触媒は、平均分子量から算出した重質油類または
ピッチ類1モルに対して、0.01モル以上、好ましく
は0.05モル以上、かつ3モル以下、好ましくは2モ
ル以下となる量で用いられる。第二〜第六の製造方法で
は、酸触媒は、平均分子量から算出した重質油類または
ピッチ類1モルに対して、0.01モル以上、かつ3モ
ル以下、好ましくは2.5モル以下、更に好ましくは2
モル以下となる量で用いられることが望ましい。なお、
酸触媒として酸性陽イオン交換樹脂を用いる場合には、
上記酸触媒の量は、陽イオン交換基換算の量である。
【0080】酸触媒の使用量が少ない場合には反応時間
が長くなる傾向があり、また、反応温度を高くしないと
反応が不充分になる傾向がある。一方、酸触媒の使用量
が多くなってもその割には反応速度が速くならず、コス
ト的に不利になることがある。
【0081】本発明に係る第一の高反応性変性フェノー
ル樹脂の製造方法では、以上説明した特定量の原料およ
び酸触媒を予め混合し、次いで得られた混合物を加熱攪
拌して重縮合反応を行なっている。
【0082】このような重質油類またはピッチ類、フェ
ノール類およびホルムアルデヒド化合物の酸触媒存在下
での重縮合反応では、原料組成および得られる樹脂の性
状等に合わせてその原料混合温度および混合時間や、重
縮合反応温度および反応時間等を制御される。なお、反
応温度および反応時間も、互いに影響しあう条件である
ことは言うまでもない。
【0083】このような重縮合反応は、例えば、以下の
方法で行なうことが可能である。即ち先ず、上記特定量
の重質油類またはピッチ類、フェノール類、ホルムアル
デヒド化合物および酸触媒を、重縮合反応が進行しない
温度、例えば50℃以下、好ましくは40〜50℃の温
度で攪拌して均一に混合する。
【0084】次いで、得られた混合物を、50〜200
℃、好ましくは80〜200℃、更に好ましくは80〜
180℃の温度まで徐々に昇温し、15分間〜8時間、
好ましくは30分間〜6時間重縮合反応を行なう。
【0085】なお、重縮合原料の混合は、重縮合反応が
進行しない内に均一な混合物を得られればよく、たとえ
ば重縮合反応温度まで除々に昇温する間に行なってもよ
い。本発明に係る第二〜第六の高反応性変性フェノール
樹脂の製造方法では、以上説明した原料および酸触媒を
用いた重縮合反応において、重質油類またはピッチ類、
酸触媒およびホルムアルデヒド化合物の少なくとも何れ
かを逐次添加している。
【0086】即ち、本発明に係る第二の高反応性変性フ
ェノール樹脂の製造方法では、先ず、重質油類またはピ
ッチ類と、フェノール類とを混合して加熱攪拌し、次い
でこの加熱攪拌中の混合物にホルムアルデヒド化合物と
酸触媒とを逐次添加している。なお、この製造方法で
は、酸触媒と、ホルムアルデヒド化合物の全量とを逐次
添加してもよい。また、加熱攪拌中の混合物にホルムア
ルデヒド化合物の一部を混合する場合には、酸触媒とと
もに残余のホルムアルデヒド化合物が逐次添加される。
【0087】本発明に係る第三の高反応性変性フェノー
ル樹脂の製造方法では、先ず、重質油類またはピッチ類
と、フェノール類と、ホルムアルデヒド化合物とを混合
して加熱攪拌し、次いでこの加熱攪拌中の混合物に酸触
媒のみを逐次添加している。
【0088】本発明に係る第四の高反応性変性フェノー
ル樹脂の製造方法では、先ず、石油系重質油類またはピ
ッチ類と、フェノール類と、酸触媒とを混合して加熱攪
拌し、次いでこの加熱攪拌中の混合物にホルムアルデヒ
ド化合物のみを逐次添加している。
【0089】本発明に係る第五の高反応性変性フェノー
ル樹脂の製造方法は、先ず、重質油類またはピッチ類
と、酸触媒とを混合して加熱撹拌し、次いでこの加熱撹
拌中の混合物に、フェノール類とホルムアルデヒド化合
物とを逐次添加している。
【0090】そして、本発明に係る第六の高反応性変性
フェノール樹脂の製造方法は、先ず、ホルムアルデヒド
化合物と酸触媒とを混合して加熱撹拌し、次いでこの加
熱撹拌中の混合物に、重質油類またはピッチ類とフェノ
ール類とを逐次添加している。
【0091】本発明に係る第二〜第六の高反応性変性フ
ェノール樹脂の製造方法において、重質油類またはピッ
チ類、酸触媒および/またはホルムアルデヒド化合物の
逐次添加は、滴下等の方法によって、10〜120分
間、好ましくは20〜80分間で行なうことが望まし
い。
【0092】添加時間が10分間未満の場合には、反応
が急激に進行して発熱が激しくなり、温度制御が困難と
なるため好ましくない。一方、添加する速度が120分
間を越える場合には、添加に長時間を要し、反応時間が
長くなる傾向がある。
【0093】なお、本発明における重縮合反応では、加
熱攪拌中の混合物への逐次添加は、その開始時期を特に
限定されず、加熱攪拌中の混合物が均一に混合されかつ
温度が安定した状態で開始すればよい。
【0094】また、本発明に係る第二の変性フェノール
樹脂の製造方法では、ホルムアルデヒド化合物を酸触媒
とともに逐次添加しているが、このホルムアルデヒド化
合物の逐次添加は、酸触媒の逐次添加と同期して開始お
よび終了してもよく、この際、両者を混合することが望
ましい。また、ホルムアルデヒド化合物の逐次添加は、
酸触媒と別途行なってもよく、この場合には、酸触媒の
逐次添加と同期させても、例えば酸触媒より先にずらせ
て開始してもよい。
【0095】このような順序で原料および酸触媒を添加
して行なう重質油類またはピッチ類、フェノール類およ
びホルムアルデヒド化合物の酸触媒の存在下での重縮合
反応は、原料組成、酸触媒の添加速度、得られる樹脂の
性状等に合わせてその反応温度および反応時間を制御さ
れる。なお、反応温度および反応時間も、互いに影響し
あう条件であることは言うまでもない。
【0096】本発明に係る第二〜第四の高反応性変性フ
ェノール樹脂の製造方法において、このような重縮合反
応は、例えば、以下の方法で行なうことが可能である。
即ち先ず、重質油類またはピッチ類およびフェノール類
と、所望によりホルムアルデヒド化合物の少なくとも一
部または酸触媒とを含む原料を、ホルムアルデヒド化合
物および/または酸触媒の添加前に30〜120℃、好
ましくは40〜80℃の温度で加熱攪拌して均一に混合
する。
【0097】次いで、ホルムアルデヒド化合物および/
または酸触媒を、反応混合物の急激な温度上昇に注意し
ながら逐次添加する。そして、ホルムアルデヒド化合物
および/または酸触媒の添加終了後、反応混合物を50
〜200℃、好ましくは80〜200℃、更に好ましく
は80〜180℃の温度に昇温し、15分間〜8時間、
好ましくは30分間〜6時間反応を行なう。本発明に係
る高反応性変性フェノール樹脂の第五の製造方法におい
て、このような重縮合反応は、例えば、次の方法で行な
うことが可能である。即ち、先ず、重質油類またはピッ
チ類と酸触媒とを含む原料を、フェノール類およびホル
ムアルデヒド化合物の添加前に30〜120℃、好まし
くは40〜80℃の温度で加熱攪拌して均一に混合す
る。 次いで、フェノール類とホルムアルデヒド化合物と
を、上記加熱攪拌中の混合物の急激な温度上昇に注意し
ながら、逐次添加する。そして、フェノール類およびホ
ルムアルデヒド化合物の添加終了後、反応混合物を50
〜200℃、好ましくは80〜200℃、更に好ましく
は80〜180℃の温度に昇温し、15分間〜8時間、
好ましくは30分間〜6時間反応を行なう。 また、本発
明に係る高反応性変性フェノール樹脂の第六の製造方法
において、このような重縮合反応は、例えば、次の方法
で行なうことが可能である。即ち、先ず、ホルムアルデ
ヒド化合物と酸触媒とを含む原料を、重質油類またはピ
ッチ類およびフェノール類の添加前に30〜120℃、
好ましくは40〜80℃の温度で加熱攪拌して均一に混
合する。 次いで、重質油類またはピッチ類とフェノール
類とを、上記加熱攪拌中の混合物の急激な温度上昇に注
意しながら、逐次添加する。そして、重質油類またはピ
ッチ類およびフェノール類の添加終了後、反応混合物を
50〜200℃、好ましくは80〜200℃、更に好ま
しくは80〜180℃の温度に昇温し、15分間〜8時
間、好ましくは30分間〜6時間反応を行なう。
【0098】本発明第一〜第六の製造方法では、このよ
うな重質油類またはピッチ類、ホルムアルデヒド化合
物、およびフェノール類の重縮合反応は、溶媒を用いな
くても行なうことができるが、適当な溶媒を用いて反応
混合物(反応系)の粘度を低下させ、均一な反応が起こ
るようにしてもよい。
【0099】このような溶媒としては、例えば、ニトロ
ベンゼンのようなニトロ化芳香族炭化水素;ニトロエタ
ン、ニトロプロパンのようなニトロ化脂肪族炭化水素;
パークレン、トリクレン、四塩化炭素のようなハロゲン
化脂肪族炭化水素を挙げることができる。
【0100】以上説明した本発明に係る高反応性変性フ
ェノール樹脂の製造方法は、特開平7−252339号
公報等で開示される高反応性変性フェノール樹脂の製造
方法と比較して、低分子化工程を必要とせず、著しく工
程が削減されている。
【0101】本発明に係る高反応性変性フェノール樹脂
は、樹脂溶融粘度が低いために成形性に優れ、エポキシ
樹脂との反応性が高い他、特開平7−252339号公
報等で開示される高反応性変性フェノール樹脂と比較し
て更に優れた耐熱性を有している。また本発明の高反応
性変性フェノール樹脂は、芳香族炭化水素化合物を原料
に含んでいる場合は優れた接着性および低吸湿性を有し
ており、これらの特性によって、エポキシ樹脂を組み合
わせて、寸法安定性、強度などの機械的特性、耐湿性お
よび耐熱性に優れるとともに、優れた接着性および低吸
湿性を示す変性フェノール樹脂成形材料を提供すること
ができる。
【0102】なお、このようにして製造された高反応性
変性フェノール樹脂は種々の用途に供することができる
が、該樹脂中に未反応成分や酸触媒などが残存する可能
性があるので、適宜精製処理して、未反応成分、低分子
成分、酸触媒および反応溶媒等を除去することが望まし
い。
【0103】反応混合物、即ち酸触媒、未反応物、低分
子成分および反応溶媒を含む粗製の高反応性変性フェノ
ール樹脂の精製方法としては、例えば、(i)反応混合
物から未反応成分を除去する精製処理、(ii)前記反応
混合物から触媒残渣を除去する精製処理、および(ii
i)水蒸気蒸留、窒素ガスの吹込みおよび減圧蒸留のい
ずれかで残留するフェノール類を除去する精製処理とを
挙げることができる。
【0104】上記の精製処理(i)では、原料として用
いられる重質油類またはピッチ類に含まれる成分の内、
反応性が低く、反応生成物中に未反応の状態、あるいは
反応が不充分な状態で残存する成分および反応時に適宜
用いられた反応溶媒とが除去される。
【0105】反応混合物から未反応成分を除去する第一
の処理では、第一〜第六の重縮合方法などで得られる重
縮合反応物と特定の抽出溶媒とを、この反応混合物が流
動状態となる温度で接触させて、反応混合物に含まれる
未反応物、例えば重質油類またはピッチ類に含まれる低
反応性物、あるいはこれに加えて反応が不充分な状態で
残存する低分子成分などを除去する。
【0106】ここで、反応混合物が流動状態となる温度
とは、反応混合物が抽出溶媒と液−液二相を形成して液
状状態を維持し得る温度または反応混合物が抽出溶媒に
溶解して液状状態を維持し得る温度である。反応混合物
を、流動状態を維持し得る温度に加熱して抽出溶媒と接
触させることにより、反応混合物に含まれる未反応物の
抽出溶媒への溶出速度および溶出効率を増加させること
ができる。
【0107】この第一の処理で用いられる抽出溶媒は、
上述の温度において変性フェノール樹脂を主成分とする
反応混合物と液−液二相系、または溶液を形成し、かつ
より低い温度において、液−液二相系または液−固二相
系を形成する溶媒であり、具体的には炭素数6〜20の
脂肪族炭化水素、炭素数6〜20の脂環式炭化水素、炭
素数6〜20の芳香族炭化水素および脂肪族系石油留分
から選択される。
【0108】脂肪族炭化水素としては、例えば、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカ
ン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカ
ン、ヘキサデカン等を例示できる。
【0109】脂環式炭化水素としては、例えば、シクロ
ヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等を例示で
きる。芳香族炭化水素としては、例えば、ベンゼン、ト
ルエンおよびキシレン等を例示できる。
【0110】また、脂肪族系石油留分としては、例え
ば、灯油、ナフサ等を例示できる。これら化合物は、抽
出溶媒として、単独で用いても、二種以上を組み合わせ
て用いてもよい。この内、特にn-ヘプタン、n-オクタ
ン、ナフサが好ましい。
【0111】本発明では、このような抽出溶媒と反応混
合物の接触は、両者を同一容器に導入した後、反応混合
物が流動状態となる温度に加熱して行なうことができ
る。なお、抽出溶媒と反応混合物の接触は、所望の温度
に加熱後の反応混合物に、同温度の抽出溶媒を注込むこ
とから開始してもよく、さらには前者を後者に投入して
開始してもよい。
【0112】また、反応混合物と抽出溶媒との接触時
に、両者を攪拌・混合することにより、未反応物の抽出
効率を向上させることができる。特に反応混合物および
抽出溶媒が液−液二層を形成する場合には、攪拌による
両者の接触面積の増大が、迅速かつ効率的な未反応物の
抽出を促進する。
【0113】このような第一の処理は、蒸発による抽出
溶媒量の低減を防止するため、還流しながら行なっても
よく、或いは還流を行なわず密閉系で行なってもよい。
第一の処理において、反応混合物と抽出溶媒との接触
は、例えば50〜200℃、好ましくは70〜130
℃、更に好ましくは80〜120℃で行なわれることが
望ましい。
【0114】第一の処理で用いられる抽出溶媒は、反応
混合物に含まれる未反応物の量、一回の精製処理により
除去しようとする未反応物の量等によってその量を適宜
選択できるが、例えば反応混合物の重量1gに対して、
0.5〜4ml、好ましくは1〜2mlの量で用いるこ
とが望ましい。
【0115】また、第一の処理において、接触時間は特
に限定されないが、通常10〜60分、特に20〜30
分で迅速に行なうことができる。以上説明した接触操作
の終了後、反応混合物および抽出溶媒を、放冷または冷
却しながら静置することにより、液−液二相系または液
−固二相系が形成される。そして、抽出溶媒をデカンテ
ーション等によって分離することにより、この溶媒に溶
解した未反応物が反応混合物から容易に除去できる。
【0116】第一の処理では、このような接触操作およ
び分離操作をこの順序で行なう作業にて実施するが、こ
の作業の回数は特に限定されず、一回でもよく、抽出溶
媒を改新しながら複数回繰り返して行なってもよい。
【0117】このような第一の処理によれば、反応混合
物を流動状態として抽出操作を行なっているため、少な
い溶媒量で未反応物を効率よく除去することができ、か
つ接触操作時に液−固二相系を維持する必要がないため
接触温度の設定が容易となる。
【0118】また、精製工程(i)で適用し得る他の処
理(第二の処理)では、先ず、重縮合反応で得られた反
応混合物または粗製高反応性変性フェノール樹脂を、反
応混合物可溶性の溶媒に溶解する。
【0119】このような可溶性溶媒としては、例えば、
トルエン;トルエンとエチルアルコール等のアルコール
類との混合溶媒;およびトルエンと、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類と
の混合溶媒、トルエンとテトラヒドロフラン、ジエチル
エーテル、メチルターシャリーブチルエーテル等のエー
テル類との混合溶媒等を挙げることができる。
【0120】これら可溶性溶媒に粗製高反応性変性フェ
ノール樹脂を溶解して得られた溶液は、粘度が低く操作
性が良好であるため、精製作業が容易となる。次に、こ
のようにして得られた溶液は、炭素数10以下の脂肪族
炭化水素、炭素数10以下の脂環式炭化水素および脂肪
族系石油留分からなる群から選択される少なくとも一種
の化合物を含む溶媒に投入される。その結果、樹脂主成
分が析出し、該溶媒に可溶な成分、即ち未反応および低
反応で残存する成分、および重縮合反応時の反応溶媒な
どが除去されることとなる。
【0121】このような炭化水素溶媒としては、例え
ば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンな
どの脂肪族又は脂環式炭化水素、およびナフサ等の脂肪
族系石油留分が挙げられ、特にn-ヘキサンおよびナフサ
が好ましい。この精製工程(i)の第二の処理で得られ
る高反応性変性フェノール樹脂は、粉末状である。
【0122】精製工程(i)のさらに他の処理(第三の
処理)では、先ず、重縮合反応で得られた反応混合物ま
たは粗製高反応性変性フェノール樹脂を、反応混合物可
溶性の溶媒に溶解する。
【0123】このような反応混合物可溶性溶媒として
は、例えばアセトニトリル、メタノールおよびジメチル
スルホキシドなどを例示することができる。次いで、得
られた溶液を、前記高反応性変性フェノール樹脂を含む
この溶液と分離して液−液2層溶媒系を形成し、かつ未
反応成分を溶解する抽出溶媒と接触させ、この抽出溶媒
に可溶な成分、即ち未反応成分や、低反応で残存する成
分および重縮合反応時の反応溶媒などを抽出させて除去
する。
【0124】このような抽出溶媒は、可溶性溶媒に合わ
せて適宜選択することができ、例えば可溶性溶媒として
アセトニトリル、メタノールまたはジメチルスルホキシ
ドを用いた場合には、炭素数10以下の脂肪族炭化水
素、炭素数10以下の脂環式炭化水素および脂肪族系石
油留分からなる群から選択される少なくとも一種の化合
物を含む溶媒:n-ヘキサン、ヘビーナフサ(沸点80〜
150℃)等を用いることができる。
【0125】抽出溶媒と、粗製高反応性変性フェノール
樹脂溶液との体積比(抽出溶媒/溶液)は、特に限定さ
れないが、通常10/90〜90/10、好ましくは2
0/80〜80/20である。
【0126】このような第三の処理によれば、未反応成
分等の除去効率が高くなり、かつ抽出後に抽出溶媒を容
易に分離・除去することができる。精製工程(i)の別
の処理(第四の処理)では、先ず、重縮合反応で得られ
た反応混合物または粗製高反応性変性フェノール樹脂
を、加熱溶融した状態で静置する。
【0127】粗製高反応性変性フェノール樹脂を加熱状
態で静置することにより、未反応成分や、低反応で残存
する成分および重縮合反応時の反応溶媒などが上澄み液
として変性フェノール樹脂と分離することとなる。
【0128】第四の処理では、粗製高反応性変性フェノ
ール樹脂は、通常70〜200℃、好ましくは80〜1
80℃、さらに好ましくは80〜150℃の温度で加熱
溶融状態に維持され、通常15分〜4時間、好ましくは
20分〜4時間静置される。
【0129】このような第四の処理によれば、未反応成
分等を含む上澄み液がデカンテーションにより高反応性
変性フェノール樹脂と容易に分離・除去できるため、未
反応成分の除去において、溶媒等を用いる必要がなくな
るという利点がある。
【0130】精製工程(i)のさらに別の処理(第五の
処理)では、重縮合反応で得られた反応混合物または粗
製高反応性変性フェノール樹脂を、そのまま10-7〜1
-4mmHgの高真空下で分子蒸留して、未反応成分
や、低反応で残存する成分および重縮合反応時の反応溶
媒などを除去する。
【0131】このような第五の処理は、未反応成分等を
含まない乾燥状態の高反応性変性フェノール樹脂を直接
得ることができるため、未反応成分等を含む溶媒等の分
離作業を必要としないという利点を有している。
【0132】精製工程(i)で適用できる最後の例(第
六の処理)では、先ず、粗製高反応性変性フェノール樹
脂を可溶性の溶媒に溶解して反応混合物溶液を調製す
る。このような可溶性溶媒としては、上記第一の処理で
例示した有機溶媒を例示でき、トルエンとケトン類との
混合溶媒、特にトルエンとメチルイソブチルケトンの混
合溶媒が好適に用いられる。
【0133】次に、得られた溶液を水と混合し、静置す
ることによって、下から順に高反応性変性フェノール樹
脂溶液層、水層および未反応油層からなる3層溶媒系を
形成させ、未反応油層と水層とを除去する。
【0134】このような第六の処理によれば、未反応油
層は、水を介して完全に高反応性変性フェノール樹脂層
を分離されることとなるため、確実かつ容易に除去でき
る他、酸触媒が水層に抽出されるため、後の精製工程
(ii)が容易になるという利点がある。
【0135】なお、第六の処理では、可溶性溶媒量は高
反応性変性フェノール樹脂溶液層の比重が水よりも重く
なるように調製される。可溶性溶媒量が多過ぎると、高
反応性変性フェノール樹脂層の比重が軽くなりすぎて1
未満となり、水が最下層となってしまうため好ましくな
い。
【0136】このような精製工程(i)の第一〜第六の
処理は、各々単独で行なっても、2つ以上を組み合わせ
て行なってもよい。このようにして高度に未反応物を除
去した変性フェノール樹脂は、加熱した際の重量減少が
見られず、エポキシ樹脂との反応性が向上するという利
点を有する。
【0137】なお、第二の処理を行なわない場合には、
第一および第三〜第六の処理は、粗製高反応性変性フェ
ノール樹脂をそのまま炭素数10以下の脂肪族炭化水
素、炭素数10以下の脂環式炭化水素および脂肪族系石
油留分からなる群から選択される少なくとも一種の化合
物を含む溶媒に投入する処理と組み合わせてもよい。
【0138】また、精製工程(i)に適用される第一〜
第六の処理の内、第一の処理によれば、重縮合反応混合
物と、特定の抽出溶媒とを、この重縮合反応混合物が流
動状態となる温度で接触させて、前記重縮合反応におけ
る未反応物を抽出溶媒で抽出して除去しているため、例
えば、重縮合反応物を抽出溶媒に投入して固体として析
出させる第二の処理と比較して、未反応物抽出条件の設
定が容易である他、未反応物の除去効率が高く、かつ溶
媒を使用しないため、未反応物抽出操作の簡略化および
変性フェノール樹脂の精製コスト低減を図ることができ
る。
【0139】前述の精製処理(ii)では、反応混合物中
に残存する酸触媒が除去され、実質的に酸を含まない高
反応性変性フェノール樹脂が得られる。このような精製
処理(ii)は、酸触媒として有機酸および無機酸を用い
た場合、反応混合物を、そのまま、あるいは特定の溶媒
に溶解し、水洗処理してまたはアルカリ水溶液で洗浄し
て触媒残渣を除去することにより行なわれる。なお、ア
ルカリ水溶液を用いた洗浄によれば、酸触媒とともに、
未反応のフェノール類を除去できるという利点がある。
【0140】反応混合物を溶解するための溶媒は、特に
限定されないが、例えばメチルアルコール、エチルアル
コール等のアルコール類、;アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;テトラヒ
ドロフラン、ジエチルエーテル、メチルターシャリーブ
チルエーテル等のエーテル類;トルエン、キシレン等の
芳香族化合物;およびこれらの混合溶媒などを挙げるこ
とができる。
【0141】アルカリ水溶液の調整に用いるアルカリと
しては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マ
グネシウム、水酸化カルシウム、炭酸水素ナトリウムな
どを例示できる。
【0142】精製処理(ii)は、酸触媒として固体酸を
用いた場合には、反応混合物をろ過することで、触媒残
渣を容易に除去することができる。この精製処理(ii)
においても、ろ過等の作業操作性を向上させるために、
上記溶媒に反応混合物を溶解してもよい。
【0143】また、精製処理(ii)は、酸触媒としてシ
ュウ酸を用いた場合には、反応混合物を180℃以上の
温度に加熱することで、シュウ酸を分解除去することが
できる。
【0144】上述した精製処理(i)および(ii)は、
任意の順序で行なうことができる。さらに精製処理(ii
i)では、反応混合物をそのまま、または精製処理
(i)および/または精製処理(ii)で未反応成分や酸
触媒等を除去した後、水蒸気蒸留、窒素の吹き込み、ま
たは減圧蒸留等を行なうことによって、残留する未反応
のフェノール類を除去する。未反応のフェノール類の除
去は、これら方法のいずれか1つで、またはこれらの方
法を組み合わせて行なってもよい。
【0145】このような精製処理を施して、樹脂中に残
存し得る酸触媒、未反応物および反応溶媒等を除去する
ことにより、実質的に酸を含まないため金属に対する腐
食性を有さず、かつエポキシ樹脂との反応性が向上して
いるため耐熱性、および寸法安定性が向上した高反応性
変性フェノール樹脂とすることができる。なお、本明細
書において「実質的に酸を含まない」とは、酸等が全く
残存しないか、あるいは極少量が残存したとしても金属
に対する腐食性を有意に示さないことを意味する。
【0146】本発明に係る変性フェノール樹脂成形材料
は、本発明に係る高反応性変性フェノール樹脂の製造方
法により得られた高反応性変性フェノール樹脂ととも
に、エポキシ樹脂とを含んでいる。エポキシ樹脂は、成
形収縮が小さく、耐熱性、耐磨耗性、耐薬品性、電気絶
縁性に優れており、必要に応じて硬化剤および/または
硬化促進剤と組み合わせて用いられる。
【0147】このようなエポキシ樹脂としては、例え
ば、グリシジルエーテル型、グリシジルエステル型、グ
リシジルアミン型、混合型および脂環式型等のエポキシ
樹脂を挙げることができる。
【0148】さらに具体的には、グリシジルエーテル型
(フェノール系)としては、ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールF
型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポ
キシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、
フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o-クレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂などが;グリシジルエーテル型
(アルコール系)としては、ポリプロピレングリコール
型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂
などが;グリシジルエステル型としては、ヘキサヒドロ
無水フタル酸型エポキシ樹脂、ダイマー酸型エポキシ樹
脂などが;グリシジルアミン型としては、ジアミノジフ
ェニルメタン型エポキシ樹脂、イソシアヌル酸型エポキ
シ樹脂、ヒダントイン酸型エポキシ樹脂などが;混合型
としては、p-アミノフェノール型エポキシ樹脂、p-オキ
シ安息香酸型エポキシ樹脂などが挙げられる。上記エポ
キシ樹脂のうち、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビ
フェニル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ
樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂が好まし
い。上記エポキシ樹脂を2種以上組み合わせたものも用
いることができる。
【0149】本発明において、高反応性変性フェノール
樹脂とエポキシ樹脂との混合割合は特に制限されない
が、高反応性変性フェノール樹脂とエポキシ樹脂の合計
を100重量部として、10/90〜90/10(重量
部)であることが好ましく、より好ましくは20/80
〜80/20(重量部)である。
【0150】変性フェノール樹脂の重量割合が10重量
部未満では、得られる成形体の耐熱性、耐湿性の向上効
果が十分でなく、90重量部を超えると、成形温度が高
くなる傾向がある。
【0151】また、本発明の変性フェノール樹脂成形材
料で用いられる硬化剤および/または硬化促進剤として
は、エポキシ樹脂の硬化に用いられる種々の硬化剤およ
び硬化促進剤を用いることができる。また、硬化剤とし
ては、例えば、環状アミン類、脂肪族アミン類、ポリア
ミド類、芳香族ポリアミン類および酸無水物などを挙げ
ることができる。
【0152】具体的には、例えば、環状アミン類として
は、ヘキサメチレンテトラミンなど;脂肪族アミン類と
しては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミ
ン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピ
ルアミン、N-アミノエチルピペラミン、イソホロンジア
ミン、ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタ
ン、メンタンジアミン等を挙げることができる。
【0153】ポリアミド類としては、植物油脂肪酸(ダ
イマー又はトリマー酸)、脂肪族ポリアミン縮合物等;
芳香族ポリアミン類としては、m-フェニレンジアミン、
4,4'- ジアミノジフェニルメタン、4,4'- ジアミノジフ
ェニルスルホン、m-キシリレンジアミン等を挙げること
ができる。
【0154】また、酸無水物類としては、無水フタル
酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタ
ル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベン
ゾフェノン無水テトラカルボン酸、無水クロレンド酸、
ドデシニル無水コハク酸、メチルテトラヒドロ無水フタ
ル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸
等を挙げることができる。
【0155】硬化促進剤としては、1,8-ジアザビシクロ
(5,4,0)ウンデセン-7などのジアザビシクロアルケンお
よびその誘導体、トリエチレンジアミン、ベンジルジメ
チルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエ
タノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール
等の三級アミン類、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4
-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フ
ェニル-4-メチルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダ
ゾールなどのイミダゾール類、トリブチルホスフィン、
メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン
などの有機ホスフィン類、テトラフェニルホスホニウム
・テトラフェニルボレートなどのテトラ置換ホスホニウ
ム・テトラ置換ボレート、2-エチル-4-メチルイミダゾ
ール・テトラフェニルボレート、N-メチルモルホリン・
テトラフェニルボレートなどのテトラフェニルボロン
塩、三フッ化ホウ素−アミン錯体等のルイス酸、ジシア
ンジアミド、アジピン酸ジヒドラジドなどのルイス塩
基、その他ポリメルカプタン、ポリサルファイドなどを
挙げることができる。これら硬化剤および硬化促進剤
は、単独で用いても、2種以上を組合せて用いてもよ
い。
【0156】上記の変性フェノール樹脂成形材料は、上
記高反応性変性フェノール樹脂、エポキシ樹脂、および
必要に応じて用いる硬化剤および/または硬化促進剤に
加えて、さらに無機フィラーを含んでいてもよい。
【0157】樹脂成形材料に無機フィラーを加えること
により、得られた成形体の強度、寸法安定性等をさらに
向上させることができる。このような無機フィラーとし
ては、プラスチック材料に無機充填材あるいは補強材と
して使用し得る種々の無機フィラーを用いることがで
き、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、ホスファー繊維、
ホウ素繊維などの補強性繊維;水酸化アルミニウム、水
酸化マグネシウム等の水和金属酸化物;炭酸マグネシウ
ム、炭酸カルシウム等の金属炭酸塩;硼酸マグネシウム
等の金属硼酸塩;シリカ、雲母、熔融シリカなどの無機
充填材などを挙げることができる。
【0158】このような無機フィラーの配合量は、特に
限定されないが、例えば、高反応性変性フェノール樹脂
にエポキシ樹脂を加えた樹脂成分100重量部に対し
て、通常20〜2000重量部、好ましくは20〜80
0重量部、さらに好ましくは50〜600重量部の量で
用いられる。
【0159】また、上記の変性フェノール樹脂成形材料
は、必要に応じて、さらに添加剤を含んでいてもよく、
このような添加剤としては、例えば、シリコーン、ワッ
クス類などの内部離型剤、カップリング剤、難燃剤、光
安定剤、酸化防止剤、顔料、増量剤などを挙げることが
できる。
【0160】以上説明した本発明に係る変性フェノール
樹脂成形材料は、高反応性変性フェノール樹脂およびエ
ポキシ樹脂と、必要に応じて硬化剤および/または硬化
促進剤、無機フィラーおよび各種添加剤とを混合して調
製され、成形体の製造に適用される。
【0161】本発明では、高反応性変性フェノール樹脂
およびエポキシ樹脂と、硬化剤等の任意成分との混合順
序は、特に制限されないが、例えば、高反応性変性フェ
ノール樹脂と、エポキシ樹脂とを混練し、硬化剤(硬化
促進剤)を加えてさらに良く混合した後、必要に応じて
無機フィラーおよび他の添加剤等を加えて混合し、微粉
状の成形粉(コンパウンド)とすることができる。
【0162】具体的には、このようなコンパウンドは、
以下の手順にて調製することができる。 高反応性変性フェノール樹脂とエポキシ樹脂を自動
乳鉢を用いて室温で混合攪拌する。
【0163】 攪拌混合物に硬化剤およびまたは硬化
促進剤、ワックス等の他の添加剤を添加混合する。 無機充填材を添加混合する。
【0164】 さらに、80℃〜90℃に調整された
熱ロール機で3〜10分混合した後、室温に戻して粉砕
し、コンパウンドとする。 なお、この場合、無機フィラーおよび他の添加剤等の添
加は、別途高反応性変性フェノール樹脂とエポキシ樹脂
との混合後に行なわれているが、任意の時期に行なうこ
ともできる。
【0165】このような本発明に係る変性フェノール樹
脂成形材料は、従来公知の様々な樹脂成形手段によって
成形体とすることができ、このような成形手段として
は、例えば、圧縮成形、射出成形、押出成形、トランス
ファー成形および注型成形などを挙げることができる。
【0166】さらに具体的には、本発明に係る変性フェ
ノール樹脂成形材料を用い、トランスファー成形によっ
て成形体を製造する場合には、成形温度120〜200
℃、射出圧5〜300Kgf/cm2 、好ましくは20
〜300Kgf/cm2 、型締圧50〜250Kgf/
cm2 および成形時間1〜10分の成形条件が望まし
い。
【0167】また、成形された成形体は、150〜30
0℃の温度で、0.5〜24時間加熱することにより、
ポストキュアを行なうことが望ましい。ポストキュアを
成形体に施すことにより、成形体の耐熱性をさらに向上
させることができる。
【0168】本発明に係る変性フェノール樹脂成形材料
では、溶融粘度が低く、エポキシ樹脂との反応性が高
く、かつ特に、耐熱性、接着性および低吸湿性において
改善された高反応性変性フェノール樹脂を用いているた
め、成形性が良好であり、得られる成形体の寸法安定性
等の機械的特性、耐湿性、耐熱性、接着性および吸湿性
が改善される。また、本発明に係る変性フェノール樹脂
成形材料では、実質的に酸を含まない変性フェノール樹
脂を用いれば金属部材に対する腐食性を低減できる他、
無機フィラーを加えることにより、成形体の機械的強
度、電気絶縁性等をさらに向上させることもできる。
【0169】したがって、この変性フェノール樹脂成形
体は、寸法安定性、耐熱性、成形性等に極めて厳しい規
格を要求されるプリント基板、絶縁材、シール材等の電
気・電子部品用材料として有用であり、また耐熱性、高
集積化による応力損傷対策としての寸法安定性及び吸湿
性等の向上が要求される半導体封止材としても有用であ
る。
【0170】
【発明の効果】本発明に係る第一〜第六の高反応性変性
フェノール樹脂の製造方法によれば、従来法では不可欠
であった低分子化工程を削減でき、さらには、樹脂溶融
粘度が低く、エポキシ樹脂との反応性が高い他、芳香族
炭化水素化合物を原料に加えた場合は特に優れた接着性
および低吸湿性を示す高反応性変性フェノール樹脂を、
一工程で製造することができる。
【0171】本発明に係る第一〜第六の高反応性変性フ
ェノール樹脂の製造方法では、効率的に安定して供給可
能でかつコスト的にも有利な重縮合原料油、即ち石油精
製過程の接触分解工程または熱分解工程で得られた特定
物性の留出油を、特に減圧蒸留等の処理をすることなく
用いることにより、上述の優れた特性を有する高反応性
変性フェノール樹脂を安定してかつ経済的に供給するこ
とができる。
【0172】また、本発明に係る高反応性変性フェノー
ル樹脂の製造方法によれば、重縮合反応で得られた高反
応性変性フェノール樹脂を、さらに精製処理して未反応
成分や酸触媒などを除去することにより、樹脂溶融粘度
が低く、エポキシ樹脂との反応性が高く、かつ優れた耐
熱性、接着性および低吸湿性を示すとともに、実質的に
酸を含まないために腐食性を有さない高反応性変性フェ
ノール樹脂を製造することが可能である。
【0173】本発明に係る変性フェノール樹脂成形材料
は、本発明の方法で得られた高反応性変性フェノール樹
脂と、エポキシ樹脂とを含み、成形性が良好で、かつ寸
法安定性等の機械的特性に優れるとともに、耐湿性およ
び耐熱性にも優れた成形品を製造できる成形材料、特に
電気・電子部品用材料及び半導体封止材を提供すること
ができる。
【0174】
【実施例】以下、実施例により、本発明を更に具体的に
説明するが、これら実施例は本発明の範囲を制限するも
のでない。
【0175】また、以下の実施例において、部は特に断
りのない限り全て重量基準であるものとする。なお、反
応原料として使用する原料油の性状を以下の表1〜表3
に示す。
【0176】
【表1】
【0177】
【表2】
【0178】
【表3】
【0179】また、以下の実施例において測定された数
平均分子量、エポキシ樹脂との反応性(ゲル化時間で判
断;短いほど反応性が高い)、樹脂溶融粘度および水酸
基当量等は、以下の装置または測定方法で測定した。
【0180】<数平均分子量> 測定装置:東ソー(株)製GPC装置 HLC-8020(カラ
ム:TSK ゲル3000HXL+TSK ゲル2500HXL ×3、標準物
質: ポリスチレン) 得られたデータから、ポリスチレンを標準物質として分
子量を換算した。 <ガラス転移温度> 測定方式:動的粘弾性法 測定装置:(株)レオロジー、DVE RHEOSPECTOLER DVE-
4V型 荷重方式:引張法 測定周波数:10Hz 昇温速度:5℃/分 動的測定変位:±5×10-4cm 試験片:幅4mm×厚さ1mm×スパン30mm <水酸基当量>塩化アセチル化法により測定した。
【0181】<ICI粘度>ICI社製,ICIコーン
プレート粘度計を用いて測定した。 <ゲル化時間>JIS K 6910に準拠し170℃
で測定した。
【0182】<加熱重量減少率>秤量した試料10gを
所定温度に維持した恒温槽に入れて2時間保持し、高温
処理前後の重量比を求めて加熱重量減少率とした。
【0183】<成形直後のショアー硬度>ショアー硬度
計を用いて測定した。 <曲げ強度および弾性率>JIS K 6911に準拠
して測定した。
【0184】<ピール強度>JIS K 6481に準
拠して測定した。 <吸湿率>JIS K 7209に準拠して成形体を作
製し、所定条件で処理する前と後の成形体の重量差を測
定し求めた。
【0185】
【実施例1】原料油X100gとフェノール150gを
1リットルガラス製反応容器に仕込み、250〜350
rpmの速度で撹拌させながら40℃に保持した。攪拌中
の混合物の温度が安定した後、ホルマリン(37%水溶
液)116.2gと硫酸(97%)53.1gとの混合物
を温度上昇に注意しながら20分かけて滴下し、滴下終
了後95℃にて100分間温度を保持して反応を続け、
反応生成物を得た。
【0186】上記反応生成物を450mlのトルエン/メ
チルイソブチルケトン(混合比2/1)混合溶媒に投入
して溶解し、得られた樹脂混合溶液を蒸留水で水洗して
酸を除去した後、エバポレーターで混合溶媒を除去し
た。その後、水蒸気蒸留により未反応のフェノールを除
去し、更に窒素を吹き込むことで水分を除去して242
gの粗高反応性変性フェノール樹脂を得た。
【0187】次に、加熱溶融状態の粗高反応性変性フェ
ノール樹脂を4800mlのn-ヘキサンに注ぎ込み、未反
応の原料油を除去すると共に樹脂を析出させ、濾過・乾
燥し203gの高反応性変性フェノール樹脂を得た。
【0188】得られた高反応性変性フェノール樹脂の数
平均分子量、150℃での溶融粘度及び水酸基当量を測
定し、その結果を反応条件とともに表4に示した。
【0189】
【実施例2〜5】反応条件を表4に示すように変更した
以外は実施例1と同様の操作を行い、表4に示す収率で
各高反応性変性フェノール樹脂を得た。
【0190】得られた高反応性変性フェノール樹脂の数
平均分子量、150℃での溶融粘度及び水酸基当量を測
定し、その結果を反応条件とともに表4に示した。
【0191】
【実施例6】原料油X100gとフェノール150g及
びホルマリン(37重量%水溶液)80gを1リットル
ガラス製反応容器に仕込み、250〜350rpmの速度
で撹拌させながら40℃に保持した。温度が安定したら
硫酸(97重量%)37gを温度上昇に注意しながら1
4分間かけて滴下し、滴下終了後、95℃にて106分
間温度を保持して反応を続け、反応生成物を得た。
【0192】上記反応生成物を450mlのトルエン/メ
チルイソブチルケトン(混合比2/1)混合溶媒に投入
して溶解し、得られた樹脂混合溶液を蒸留水で水洗して
酸を除去した後、エバポレーターで混合溶媒及び未反応
のフェノールを除去して197gの粗高反応性変性フェ
ノール樹脂を得た。
【0193】次に、加熱溶融状態の粗高反応性変性フェ
ノール樹脂を5200mlのn-ヘキサンに注ぎ込み、未反
応の原料油を除去すると共に樹脂を析出させ、濾過・乾
燥し173gの高反応性変性フェノール樹脂を得た。
【0194】得られた高反応性変性フェノール樹脂の物
性を、反応条件とともに表4に示した。
【0195】
【実施例7】反応条件を表4に示すように変更した以外
は実施例1と同様の操作を行い、表4に示す収率で各高
反応性変性フェノール樹脂を得た。
【0196】得られた高反応性変性フェノール樹脂の物
性を、反応条件とともに表4に示した。
【0197】
【実施例8】実施例1で得られた高反応性変性フェノー
ル樹脂9.58重量部とビフェニル型エポキシ樹脂(油
化シェルエポキシ(株)製、商品名YX−4000H)
14.48重量部を自動乳鉢を用いて室温で混合撹拌し
た後、撹拌混合物に硬化触媒としてトリフェニルホスフ
ィン(TPP)0.49重量部を混合して、硬化促進剤
含有樹脂混合物を得た。
【0198】この硬化促進剤含有樹脂混合物のゲル化時
間を測定し、表5に示した。また、得られたコンパウン
ドに、更にカルナバワックス0.25重量部を添加混合
した後、無機フィラーとしてカーボンブラック0.20
重量部及び熔融シリカ((株)龍森製、CRS1102
−GT200T)75重量部を添加混合した。得られた
混合物を80〜90℃に調製された熱ロール機で3〜1
0分更に混合した後、室温まで冷却し、粉砕してコンパ
ウンド(成形材料)を得た。このコンパウンドの配合組
成を表5に示す。
【0199】得られたコンパウンドを、175℃、90
秒の条件でトランスファー成形し、更に175℃、6時
間ポストキュアすることにより成形体を得た。得られた
成形体の成形直後のショアー硬度、ガラス転移点、曲げ
特性及び吸湿率を測定し、その結果を表5に示した。
【0200】
【実施例9〜14】実施例1で得られた高反応性変性フ
ェノール樹脂に換えて、実施例2〜7で得られた高反応
性変性フェノール樹脂を各々用い、かつ高反応性変性フ
ェノール樹脂及びエポキシ樹脂の配合比を表5に示す値
とした以外は、実施例8と同様にして、硬化促進剤含有
樹脂混合物、コンパウンド及び成形体を製造した。
【0201】得られた硬化促進剤含有樹脂混合物のゲル
化時間、成形体の物性等を表5に示した。
【0202】
【表4】
【0203】
【表5】
【0204】
【実施例15】原料油X100g、フェノール263
g、ホルマリン(37重量%水溶液)164g及び硫酸
(97重量%)11gを1リットルガラス製反応器に仕
込み、250〜350rpmの速度で撹拌させながら20
分かけて95℃まで昇温し、95℃で100分間保持反
応して反応生成物を得た。
【0205】反応精製物を、実施例1と同様の操作で精
製した。ただし、160℃での窒素吹き込みで未反応の
フェノールを除去することで、290gの粗フェノール
樹脂が得られ、かつ加熱溶融状態の粗フェノール樹脂は
6000mlのn-ヘキサンに注ぎ込まれた。
【0206】得られた高反応性変性フェノール樹脂の物
性を、反応条件とともに表6に示した。
【0207】
【実施例16】原料油X100g、フェノール206
g、ホルマリン(37重量%水溶液)116g及び酸性
イオン交換樹脂であるダイヤイオンSK1B(三菱化学
(株)製)70gを1リットルガラス製反応器に仕込
み、250〜350rpmの速度で撹拌させながら20分
かけて120℃まで昇温し、120℃で280分間保持
反応して反応生成物を得た。
【0208】上記反応生成物を60メッシュの金網で濾
過し、ダイアイオンSK1Bを除去した。得られた該樹
脂を160℃で水蒸気蒸留を行うことにより未反応フェ
ノールを除去した後、窒素を吹き込むことで水分を除去
して234gの粗高反応性変性フェノール樹脂を得た。
【0209】次に、加熱溶融状態の粗高反応性変性フェ
ノール樹脂を4800mlのn-ヘキサンに注ぎ込み、未反
応の原料油を除去すると共に樹脂を析出させ、濾過・乾
燥し、215gの高反応性変性フェノール樹脂を得た。
【0210】得られた高反応性変性フェノール樹脂の物
性を、反応条件とともに表6に示した。
【0211】
【実施例17】表1に示す原料油X120gからAST
M−D−2549に準拠して、パラフィン分及び反応性
の低い成分を除去した。尚、カラムは活性アルミナゲル
(和光純薬工業(株))及びシリカゲル(富士デウィソ
ン(株))、展開剤は、n-ペンタン、ジエチルエーテ
ル、クロロホルム、エチルアルコールを用いた。
【0212】上記で得られた原料油100g、フェノー
ル263g、ホルマリン(37重量%水溶液)181g
及び硫酸(97重量%)11gを1リットルガラス製反
応器に仕込み、250〜350rpmの速度で撹拌させな
がら20分かけて95℃まで昇温し、95℃で100分
間保持反応して反応生成物を得た。
【0213】上記反応生成物を450mlのトルエン/メ
チルイソブチルケトン(混合比2/1)混合溶媒に溶解
し、得られた樹脂混合溶液を蒸留水で水洗処理して酸を
除去した後、エバポレーターを用いて混合溶媒を除去し
た。更に、160℃で窒素を吹き込むことにより、未反
応のフェノールを除去し、267gの高反応性変性フェ
ノール樹脂を得た。
【0214】得られた高反応性変性フェノール樹脂の物
性を、反応条件とともに表6に示した。
【0215】
【実施例18〜20】実施例15〜17で得られた高反
応性変性フェノール樹脂を使用した以外は、実施例8と
同様の操作で、硬化促進剤含有樹脂混合物、コンパウン
ド及び成形体を製造した。
【0216】配合比、物性等を表7に示した。
【0217】
【表6】
【0218】
【表7】
【0219】
【実施例21】原料油X100g、フェノール263g
及びm-キシレン100gを1リットルガラス製反応器に
仕込み、250〜350rpmの速度で撹拌させながら4
0℃に保持した。温度が安定したらホルマリン(37重
量%水溶液)164gと硫酸(97重量%)74gの混
合物を温度上昇に注意しながら20分かけて滴下し、滴
下終了後95℃にて100分間保持反応して反応生成物
を得た。
【0220】上記反応生成物を実施例15と同様の操作
で精製した。ただし、窒素吹き込み後に、342gの粗
フェノール樹脂が得られ、この粗フェノール樹脂は70
00mlのn-ヘキサンに注ぎ込まれた。
【0221】得られた高反応性変性フェノール樹脂の物
性を、反応条件とともに表8に示した。
【0222】
【実施例22】原料油X100g、フェノール206
g、m-キシレン100g及びダイヤイオンSK1B(三
菱化学(株)製)70gを1リットルガラス製反応器に
仕込み、250〜350rpmの速度で撹拌させながら4
0℃に保持した。温度が安定したらホルマリン(37重
量%水溶液)136gを温度上昇に注意しながら20分
かけて滴下し、滴下終了後120℃にて280分間保持
反応して反応生成物を得た。
【0223】上記反応生成物を60メッシュの金網で濾
過し、ダイヤイオンSK1Bを除去した。得られた樹脂
を160℃で窒素を吹き込むことにより、未反応フェノ
ールを除去して282gの粗高反応性変性フェノール樹
脂を得た。
【0224】次に、加熱溶融状態の粗高反応性変性フェ
ノール樹脂を7000mlのn-ヘキサンに注ぎ込み、未反
応油を除去すると共に樹脂を析出させ、濾過・乾燥し、
256gの高反応性変性フェノール樹脂を得た。
【0225】得られた高反応性変性フェノール樹脂の物
性を、反応条件とともに表8に示した。
【0226】
【実施例23】実施例17と同様にしてパラフィン分及
び反応性の低い成分を除去した原料油X100g、フェ
ノール263g及びm-キシレン100gを1リットルガ
ラス製反応器に仕込み、250〜350rpmの速度で撹
拌させながら40℃に保持した。温度が安定したらホル
マリン(37重量%水溶液)181gと硫酸(97重量
%)85gの混合物を温度上昇に注意しながら20分か
けて滴下し、滴下終了後95℃にて100分間保持反応
して反応生成物を得た。
【0227】上記反応生成物を実施例17と同様にして
精製し、314gの高反応性変性フェノール樹脂を得
た。得られた高反応性変性フェノール樹脂の物性を、反
応条件とともに表8に示した。
【0228】
【実施例24〜26】実施例21〜23で得られた高反
応性変性フェノール樹脂を用いた以外は、実施例24と
同様にして、硬化促進剤含有樹脂混合物、コンパウンド
及び成形体を製造した。
【0229】配合比、物性等を表9に示した。
【0230】
【表8】
【0231】
【表9】
【0232】
【実施例27】原料油X100gとフェノール206g
を1リットルガラス製反応容器に仕込み、250〜35
0rpmの速度で撹拌させながら40℃に保持した。温度
が安定したらホルマリン(37重量%水溶液)136.
4gと硫酸(97重量%)62.3gの混合物を温度上
昇に注意しながら20分かけて滴下し、滴下終了後95
℃にて100分間保持反応して反応生成物を得た。
【0233】上記反応生成物を450mlのトルエン/メ
チルイソブチルケトン(混合比2/1)混合溶媒に投入
して溶解し、得られた樹脂混合溶液を蒸留水で水洗して
酸を除去した後、エバポレーターで溶剤濃度が10重量
%となるまで濃縮し、樹脂ワニスを得た。
【0234】該樹脂ワニスを5800mlのn-ヘキサンに
注ぎ込み、未反応の原料油を除去すると共に樹脂を析出
させ濾過し、273gの粗高反応性変性フェノール樹脂
を得た。
【0235】更に、得られた粗高反応性変性フェノール
樹脂を160℃で水蒸気蒸留することにより、未反応の
フェノールを除去した後、窒素を吹き込むことで水分を
除去して236gの高反応性変性フェノール樹脂を得
た。
【0236】得られた高反応性変性フェノール樹脂の物
性を、反応条件とともに表10に示した。
【0237】
【実施例28】原料油X100g、フェノール263g
及び酸性イオン交換樹脂ダイヤイオンSK1B(三菱化
学(株)製)73gを1リットルガラス製反応容器に仕
込み、250〜350rpmの速度で撹拌させながら40
℃に保持した。
【0238】温度が安定したらホルマリン(37重量%
水溶液)164.8gを温度上昇に注意しながら20分
かけて滴下し、滴下終了後120℃にて280分間保持
反応して反応生成物を得た。
【0239】上記反応生成物を450mlのジメチルスル
ホキシドに投入して溶解し、樹脂混合溶液を60メッシ
ュの金網で濾過して使用したイオン交換樹脂を除去し
た。該樹脂混合液を350mlのヘビーナフサ(沸点80
〜150℃)で分液ロートを用いて液−液抽出し、未反
応の原料油を除去して粗高反応性変性フェノール樹脂を
得た。
【0240】得られた粗高反応性変性フェノール樹脂を
160℃で水蒸気蒸留することにより、ジメチルスルホ
キシド及び未反応のフェノールを除去した後、窒素を吹
き込むことで水分を除去して203gの高反応性変性フ
ェノール樹脂を得た。
【0241】得られた高反応性変性フェノール樹脂の物
性を、反応条件とともに表10に示した。
【0242】
【実施例29】実施例6と同様にして得られた粗高反応
性変性フェノール樹脂を160℃で水蒸気蒸留すること
により未反応のフェノールを除去し、更に同温度で窒素
を吹き込み水分を除去して197gの粗高反応性変性フ
ェノール樹脂を得た。
【0243】次に、加熱溶融状態の粗高反応性変性フェ
ノール樹脂を120℃まで降温し、該温度で静置して上
層に分離した未反応の原料油を除去して178gの高反
応性変性フェノール樹脂を得た。
【0244】得られた高反応性変性フェノール樹脂の物
性を、反応条件とともに表10に示した。
【0245】
【実施例30】実施例17と同様にして得られる、パラ
フイン分及び反応性の低い成分を除去した原料油X10
0gとフェノール263gを1リットルガラス製反応容
器に仕込み、250〜350rpmの速度で撹拌させなが
ら40℃に保持した。温度が安定したらホルマリン(3
7重量%水溶液)165gと硫酸(97重量%)73.
7gの混合物を温度上昇に注意しながら20分かけて滴
下し、滴下終了後95℃にて100分間保持反応して反
応生成物を得た。
【0246】上記反応生成物を450mlのトルエン/メ
チルイソブチルケトン(混合比2/1)混合溶媒に投入
して溶解し、得られた樹脂混合溶液を蒸留水で水洗して
酸を除去した後、エバポレーターで混合溶媒及び未反応
のフェノールを除去して242gの粗高反応性変性フェ
ノール樹脂を得た。
【0247】次に、得られた粗高反応性変性フェノール
樹脂を、分子蒸留法により未反応の原料油を除去し、2
12gの高反応性変性フェノール樹脂を得た。得られた
高反応性変性フェノール樹脂の物性を、反応条件ととも
に表10に示した。
【0248】
【実施例31】原料油X100gとフェノール263g
を1リットルガラス製反応容器に仕込み、250〜35
0rpmの速度で撹拌させながら40℃に保持した。温度
が安定したらホルマリン(37重量%水溶液)164.
8gと硫酸(97重量%)73.74gの混合物を温度
上昇に注意しながら20分かけて滴下し、滴下終了後9
5℃にて100分間保持反応して反応生成物を得た。
【0249】上記反応生成物を450mlのトルエン/メ
チルイソブチルケトン(混合比2/1)混合溶媒に投入
して溶解し、得られた樹脂混合溶液を0.3重量%水酸
化ナトリウム水溶液で水洗して酸及び未反応のフェノー
ルを除去した後、エバポレーターで樹脂濃度が10重量
%となるまで濃縮し樹脂ワニスを得た。
【0250】該樹脂ワニスを5800mlのn-ヘキサンに
注ぎ込み、未反応の原料油を除去すると共に樹脂を析出
させ、濾過し乾燥させて190gの高反応性変性フェノ
ール樹脂を得た。
【0251】得られた高反応性変性フェノール樹脂の物
性を、反応条件とともに表10に示した。
【0252】
【実施例32】原料油X100g及びフェノール263
gを1リットルガラス製反応器に仕込み、250〜35
0rpmの速度で撹拌させながら40℃に保持した。温
度が安定したらホルマリン(37重量%水溶液)164
gと硫酸(97重量%)74gの混合物を温度上昇に注
意しながら20分かけて滴下し、滴下終了後95℃にて
100分間保持反応して反応生成物を得た。
【0253】上記反応生成物を300mlのトルエン/メ
チルイソブチルケトン(混合比2/1)混合溶媒に溶解
した後硫酸水を除去した。得られた樹脂混合溶液を分液
ロートに移した後、蒸留水333mlを添加後振とうし、
未反応油を含む有機層、樹脂溶液層及び水層に分離さ
せ、未反応油を含む有機層、及び水層を除去した。
【0254】得られた樹脂溶液層を蒸留水で水洗して酸
を除去した後、エバポレーターで混合溶媒及び未反応の
フェノールを除去して335gの高反応性変性フェノー
ル樹脂を得た。
【0255】得られた高反応性変性フェノール樹脂の物
性を、反応条件とともに表10に示した。
【0256】
【実施例33〜38】実施例27〜32で得られた高反
応性変性フェノール樹脂およびフェノールノボラック型
エポキシ樹脂(商品名EOCN-1020 、日本化薬製)を用い
た以外は、実施例8と同様にして、硬化促進剤含有樹脂
混合物、コンパウンド及び成形体を製造した。
【0257】配合比、物性等を表11に示した。
【0258】
【表10】
【0259】
【表11】
【0260】
【実施例39】実施例17と同様にして得られる、パラ
フィン分及び反応性の低い成分を除去した原料油A10
0g、フェノール114.4g、及びパラホルムアルデ
ヒド26.4gを1リットルガラス製反応容器に仕込
み、250〜350rpmの速度で攪拌させながら40℃
に保持した。温度が安定したらシュウ酸10gを加え、
30分で140℃まで昇温した。140℃まで昇温後、
同温度で90分間攪拌させながら反応して反応生成物を
得た。
【0261】上記反応生成物にトルエンとアセトンを7
対3の割合で混合した混合溶媒190mlを投入して溶解
し、得られた樹脂混合溶液に蒸留水140mlを加えて水
洗を行い、樹脂混合液中に残存する酸を除去した。得ら
れた酸除去樹脂混合溶液からエバポレーターを用いて混
合溶媒を除去し、粗高反応性変性フェノール樹脂を得
た。
【0262】更に、上記樹脂に155℃で30分間窒素
を吹き込み、樹脂中に残存する未反応フェノールを除去
し、158.3gの高反応性変性フェノール樹脂を得
た。得られた高反応性変性フェノール樹脂の物性を、反
応条件とともに表12に示した。
【0263】
【実施例40】原料油A100g、フェノール16.3
g、パラホルムアルデヒド2.6g、及びシュウ酸1.4
gを1リットルガラス製反応容器に仕込み、250〜3
50rpmの速度で撹拌させながら、30分で140℃ま
で昇温した。140℃まで昇温後、同温度で90分間撹
拌させながら反応して反応生成物を得た。
【0264】次に、上記反応生成物を静置して室温まで
冷却し、上層に分離した未反応原料油をデカンテーショ
ンにより除去し、粗高反応性変性フェノール樹脂を得
た。上記粗高反応性変性フェノール樹脂に155℃で3
0分間窒素を吹き込み、樹脂中に残存する未反応フェノ
ールを除去した。その後、更に窒素雰囲気下で温度を1
80℃まで昇温し、1時間保持後、室温まで降温し26
gの高反応性変性フェノール樹脂を得た。
【0265】得られた高反応性変性フェノール樹脂の物
性を、反応条件とともに表12に示した。
【0266】
【実施例41】原料油A100g、フェノール114.
4g、及びパラホルムアルデヒド18.5gを1リット
ルガラス製反応容器に仕込み、250〜350rpmの速
度で撹拌させながら40℃に保持した。温度が安定した
らシュウ酸1.4gを加え、15分で100℃まで昇温
した。100℃まで昇温後、シュウ酸を更に1.4g加
え、15分かけて140℃まで昇温し、90分間反応し
て反応生成物を得た。
【0267】上記反応生成物をヘビーナフサに投入し、
未反応原料油を除去した。このようにして得られた粗高
反応性変性フェノール樹脂を、155℃で水蒸気蒸留す
ることにより、樹脂に残存する未反応フェノールを除去
した。その後、更に窒素雰囲気下で温度を180℃まで
昇温し、1時間保持後室温まで降温し、72gの高反応
性変性フェノール樹脂を得た。
【0268】得られた高反応性変性フェノール樹脂の物
性を、反応条件とともに表12に示した。
【0269】
【実施例42】原料油A100g、フェノール62.4
g、及びパラホルムアルデヒド12gを1リットルガラ
ス製反応容器に仕込み、250〜350rpmの速度で撹
拌させながら40℃に保持した。温度が安定したらシュ
ウ酸1.4gを加え、30分で140℃まで昇温した。
140℃まで昇温後、同温度で90分間撹拌させながら
反応して反応生成物を得た。
【0270】上記反応生成物を、実施例40と同様に精
製して、35gの高反応性変性フェノール樹脂を得た。
得られた高反応性変性フェノール樹脂の物性を、反応条
件とともに表12に示した。
【0271】
【実施例43】原料油B100g、フェノール100
g、パラホルムアルデヒド19.7g、及びシュウ酸1.
3gを1リットルガラス製反応容器に仕込み、250〜
350rpmの速度で撹拌させながら、30分で140℃
まで昇温する。140℃まで昇温後、同温度で90分間
撹拌させながら反応して反応生成物を得た。
【0272】上記反応生成物を静置して、50℃まで降
温し、上層に分離した未反応原料油をデカンテーション
により除去し、粗高反応性変性フェノール樹脂を得た。
上記粗高反応性変性フェノール樹脂を、フェノールの留
出がなくなるまで減圧蒸留を行った後、更に155℃で
窒素を吹き込むことにより未反応フェノールを除去し
た。
【0273】このようにして得られた樹脂にヘビーナフ
サ100mlを加え、100℃で30分間還流撹拌を行
い、樹脂中に残存する未反応原料油を抽出し、デカンテ
ーションにより未反応原料油を含むヘビーナフサを除去
し、樹脂中に残存する未反応原料油を除去した後、窒素
雰囲気下で更に温度を180℃まで昇温し、1時間保持
後、室温まで降温し71gの高反応性変性フェノール樹
脂を得た。
【0274】得られた高反応性変性フェノール樹脂の物
性を、反応条件とともに表12に示した。
【0275】
【実施例44】原料油B100g、フェノール100g
及びシュウ酸1.4gを1リットルガラス製反応容器に
仕込み、250〜350rpmの速度で撹拌させながら、
40℃に保持する。温度が安定したらパラホルムアルデ
ヒド7gを加え、昇温を開始する。温度が70℃になっ
た時点でパラホルムアルデヒドを更に7gを加え、90
℃まで昇温する。温度が90℃になったらパラホルムア
ルデヒド5.7g、シュウ酸1.3gを加え、100℃ま
で昇温し、同温度で100分間攪拌させながら反応して
反応生成物を得た。
【0276】上記反応生成物をフェノールの留出がほと
んど無くなるまで40mmHgで減圧蒸留を行った後、更
に155℃で窒素を吹き込むことにより未反応フェノー
ルを除去した。
【0277】このようにして得られた樹脂をヘビーナフ
サで処理し、樹脂中に残存する未反応原料油を除去した
後、窒素雰囲気下で更に温度を180℃まで昇温し、1
時間保持後、室温まで降温し76gの高反応性変性フェ
ノール樹脂を得た。
【0278】得られた高反応性変性フェノール樹脂の物
性を、反応条件とともに表12に示した。
【0279】
【実施例45】原料油C100g、フェノール121.
6g、パラホルムアルデヒド29.3g、及びシュウ酸
1.3gを1リットルガラス製反応容器に仕込み、25
0〜350rpmの速度で撹拌させながら、20分で10
0℃まで昇温する。100℃まで昇温後、同温度で10
0分間撹拌させながら反応して反応生成物を得た。
【0280】上記反応生成物に190mlのアセトニトリ
ルを投入して溶解し、得られた樹脂混合溶液にヘビーナ
フサ190mlを加えて、樹脂混合液中に残存する未反応
油を抽出除去した。
【0281】得られた酸除去樹脂混合溶液をエバポレー
ターを用いてアセトニトリルを除去し、粗高反応性変性
フェノール樹脂を得た。上記粗高反応性変性フェノール
樹脂を185℃で減圧蒸留して未反応フェノールを除去
した後、同温度で窒素を吹き込みながら1時間保持し、
次いで室温まで降温することにより、98gの高反応性
変性フェノール樹脂を得た。
【0282】得られた高反応性変性フェノール樹脂の物
性を、反応条件とともに表12に示した。
【0283】
【実施例46】原料油C100g、o-クレゾール12
1.6g、パラホルムアルデヒド29.7g及びパラトル
エンスルホン酸1.33gを1リットルガラス製反応容
器に仕込み、250〜350rpmの速度で撹拌させなが
ら、20分で100℃まで昇温した。100℃まで昇温
後、同温度で100分間撹拌させながら反応して反応生
成物を得た。
【0284】上記反応生成物に190mlのメチルイソブ
チルケトンを投入して溶解し、得られた樹脂混合溶液に
蒸留水140mlを加えて水洗を行い、樹脂混合液中に残
存する酸を除去した。
【0285】得られた酸除去樹脂混合溶液をエバポレー
ターを用いて樹脂濃度60wt%になるまで濃縮し、得
られた樹脂溶液をヘビーナフサに投入して、樹脂中に残
存する未反応原料油を除去した。
【0286】上記粗高反応性変性フェノール樹脂に15
5℃で30分間窒素を吹き込み、樹脂中に残存する未反
応o-クレゾールを除去し、123gの高反応性変性フェ
ノール樹脂を得た。
【0287】得られた高反応性変性フェノール樹脂の物
性を、反応条件とともに表12に示した。
【0288】
【実施例47】原料油D100g、フェノール126.
4g、パラホルムアルデヒド20.4g、及びシュウ酸
11.2gを1リットルガラス製反応容器に仕込み、2
50〜350rpmの速度で撹拌させながら、30分で1
60℃まで昇温した。160℃まで昇温後、同温度で9
0分間撹拌させながら反応して反応生成物を得た。
【0289】上記反応生成物を実施例46と同様に処置
して、88gの高反応性変性フェノール樹脂を得た。得
られた高反応性変性フェノール樹脂の物性を、反応条件
とともに表12に示した。
【0290】
【実施例48】原料油E100g、α−ナフトール28
3.0g、パラホルムアルデヒド79.0g、及び酸性
イオン交換樹脂ダイヤイオンSK1B(三菱化学(株)
製)15.3gを1リットルガラス製反応容器に仕込
み、250〜350rpmの速度で撹拌させながら、20
分間で100℃まで昇温した。100℃まで昇温後、同
温度で100分間撹拌させながら反応して反応生成物を
得た。
【0291】上記反応生成物を60メッシュの金網を用
いて濾過し、使用したイオン交換樹脂を除去した後、静
置して室温まで冷却し、上層に分離した未反応原料油を
デカンテーションにより除去し、粗高反応性変性フェノ
ール樹脂を得た。
【0292】上記粗高反応性変性フェノール樹脂を15
5℃で30分間水蒸気蒸留した後、更に同温度で10分
間窒素を吹き込み、樹脂中に残存する未反応α−ナフト
ールを除去することで、224gの高反応性変性フェノ
ール樹脂を得た。
【0293】得られた高反応性変性フェノール樹脂の物
性を、反応条件とともに表12に示した。
【0294】
【実施例49〜58】実施例38〜48で得られた高反
応性変性フェノール樹脂を用い、かつオルトクレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂(商品名 EOCN1020 、日本化
薬製)またはビフェニル型エポキシ樹脂(YX-4000H)を
用いた以外は、実施例8と同様にして、硬化促進剤含有
樹脂混合物、コンパウンド及び成形体を製造した。
【0295】配合比、物性等を表13に示した。
【0296】
【表12】
【0297】
【表13】
【0298】
【実施例59】原料油B100g、フェノール94g、
パラホルムアルデヒド18.5g及びシュウ酸2.5gを
1リットルガラス製反応容器に仕込み、250〜350
rpmの速度で撹拌させながら40℃に保持後、30分か
けて140℃まで昇温させ、90分間保持反応させて反
応生成物を得た。
【0299】上記反応生成物を161mlのメチルイソブ
チルケトンに投入して溶解し、得られた樹脂混合溶液を
蒸留水で水洗して酸を除去した後、エバポレーターで混
合溶媒を除去して粗高反応性変性フェノール樹脂160
gを得た。
【0300】得られた粗高反応性変性フェノール樹脂に
ヘビーナフサ160mlを加え、約98℃まで昇温させた
後30分間撹拌を行った。その後、室温まで冷却し、上
層に分離した未反応油を含むヘビーナフサ層をデカンテ
ーションにより除去した。上記のヘビーナフサを用いた
一連の未反応油抽出除去操作を同条件でさらに1回行っ
た。
【0301】次に下層の樹脂層を150℃で溶解させ
た後、窒素を吹き込むことにより未反応のフェノールを
除去し、高反応性変性フェノール樹脂65gを得た。得
られた高反応性変性フェノール樹脂の物性を、反応条件
とともに表14に示した。
【0302】
【実施例60】実施例59と同様にして、高反応性変性
フェノール樹脂を得た。ただし、反応条件は表14に示
すように変更し、反応生成物は182mlのメチルイソ
ブチルケトンに溶解して、167gの粗高反応性変性フ
ェノール樹脂が得られた。
【0303】得られた高反応性変性フェノール樹脂の物
性を、反応条件とともに表14に示した。
【0304】
【実施例61】原料油B100g、フェノール114
g、パラホルムアルデヒド18.5g及びシュウ酸2.8
gを1リットルガラス製反応容器に仕込み、250〜3
50rpmの速度で撹拌させながら40℃に保持後、30
分かけて140℃まで昇温させ、90分間保持反応させ
て反応生成物を得た。
【0305】上記反応生成物を182mlのメチルイソブ
チルケトンとトルエンの混合溶媒(7:1)に投入して
溶解し、得られた樹脂混合溶液を蒸留水で水洗して酸を
除去した後、エバポレーターで混合溶媒を除去して粗高
反応性変性フェノール樹脂175gを得た。
【0306】得られた粗高反応性変性フェノール樹脂に
n-ヘプタン350mlを加え、約85℃まで昇温させた後
30分間撹拌を行った。その後、室温まで冷却して、上
層に分離した未反応油を含むn-ヘプタン層をデカンテー
ションにより除去した。
【0307】次に下層の樹脂層を約150℃で溶解させ
た後、水蒸気蒸留することで未反応のフェノールを除去
し、高反応性変性フェノール樹脂を77gを得た。得ら
れた高反応性変性フェノール樹脂の物性を、反応条件と
ともに表14に示した。
【0308】
【実施例62】実施例59と同様にして、高反応性変性
フェノール樹脂を得た。ただし、反応条件は表14に示
すように変更し、得られた粗フェノール樹脂160gと
ヘビーナフサの加熱混合物は80℃まで冷却し、かつ未
反応のフェノールは水蒸気蒸留で除去した。
【0309】得られた高反応性変性フェノール樹脂の物
性を、反応条件とともに表14に示した。
【0310】
【実施例63】石油系原料油X100g、フェノール1
22g、パラホルムアルデヒド25.4g及びシュウ酸
1.3gを1リットルガラス製反応容器に仕込み、25
0〜350rpmの速度で撹拌させながら40℃に保持
後、30分かけて100℃まで昇温させ、90分間保持
反応させて反応生成物を得た。
【0311】上記反応生成物を180mlのメチルイソブ
チルケトンとトルエンの混合溶媒(7:3)に投入して
溶解し、得られた樹脂混合溶液を蒸留水で水洗して酸を
除去した後、エバポレーターで混合溶媒を除去して粗高
反応性変性フェノール樹脂200gを得た。
【0312】得られた粗高反応性変性フェノール樹脂に
n-オクタン400mlを加え、約90℃まで昇温させた後
30分間撹拌を行った。その後、80℃まで冷却し、該
温度で静置分離して上層に分離した未反応油を含むn-オ
クタン層をデカンテーションにより除去した。
【0313】次に下層の樹脂層を約150℃で溶解させ
た後、窒素を吹き込むことにより未反応のフェノールを
除去することにより、高反応性変性フェノール樹脂を9
2gを得た。
【0314】得られた高反応性変性フェノール樹脂の物
性を、反応条件とともに表14に示した。
【0315】
【実施例64】石炭系原料油S100g、フェノール1
00g、パラホルムアルデヒド19.7g及びシュウ酸
1.3gを1リットルガラス製反応容器に仕込み、25
0〜350rpmの速度で撹拌させながら40℃に保持
後、30分かけて140℃まで昇温させ、90分間保持
反応させて反応生成物を得た。
【0316】上記反応生成物を161mlのメチルイソブ
チルケトンに投入して溶解し、得られた樹脂混合溶液を
蒸留水で水洗して酸を除去した後、エバポレーターで混
合溶媒を除去して粗高反応性変性フェノール樹脂160
gを得た。
【0317】得られた粗高反応性変性フェノール樹脂に
ヘビーナフサ320mlを加え、約98℃まで昇温させた
後30分間撹拌を行った。その後、80℃まで冷却し、
該温度で静置分離して上層に分離した未反応油を含むヘ
ビーナフサ層をデカンテーションにより除去した。
【0318】次に下層の樹脂層を約150℃で溶解させ
た後、水蒸気蒸留を行うことにより未反応のフェノール
を除去し、高反応性変性フェノール樹脂を51gを得
た。得られた高反応性変性フェノール樹脂の物性を、反
応条件とともに表14に示した。
【0319】
【実施例65】実施例59と同様にして、高反応性変性
フェノール樹脂を得た。ただし、反応条件は表14に示
すように変更し、反応混合物は170mlのメチルイソ
ブチルケトンに溶解して、169gの粗フェノール樹脂
を得、この粗フェノール樹脂と灯油の加熱混合物は、8
0℃まで冷却した。
【0320】得られた高反応性変性フェノール樹脂の物
性を、反応条件とともに表14に示した。
【0321】
【実施例66】石油系重質油B100g、o-クレゾール
114g、パラホルムアルデヒド18.5g及びシュウ
酸2.8gを1リットルガラス製反応容器に仕込み、2
50〜350rpmの速度で撹拌させながら40℃に保持
後、30分かけて140℃まで昇温させ、90分間保持
反応させて反応生成物を得た。
【0322】上記反応生成物を190mlのトルエンとア
セトンの混合溶媒(7:3)に投入して溶解し、得られ
た樹脂混合溶液を蒸留水で水洗して酸を除去した後、エ
バポレーターで混合溶媒を除去して粗高反応性変性フェ
ノール樹脂174gを得た。
【0323】得られた粗高反応性変性フェノール樹脂に
ヘビーナフサ350mlを加え、約98℃まで昇温させた
後30分間撹拌を行った。その後、80℃まで冷却し、
該温度で静置分離して上層に分離した未反応油を含むヘ
ビーナフサ層をデカンテーションにより除去した。
【0324】次に下層の樹脂層を約150℃で溶解させ
た後、水蒸気蒸留を行なうことにより未反応のo-クレゾ
ールを除去し、高反応性変性フェノール樹脂を79gを
得た。
【0325】得られた高反応性変性フェノール樹脂の物
性を、反応条件とともに表14に示した。
【0326】
【実施例67】実施例66と同様にして、高反応性変性
フェノール樹脂を得た。ただし、反応条件は表14に示
すように変更し、反応混合物は200mlの混合溶媒に
溶解して、197gの粗フェノール樹脂を得た。
【0327】得られた高反応性変性フェノール樹脂の物
性を、反応条件とともに表14に示した。
【0328】
【比較例1】原料油B100g、フェノール94g、パ
ラホルムアルデヒド18.5g及びシュウ酸2.5gを1
リットルガラス製反応容器に仕込み、250〜350rp
mの速度で撹拌させながら40℃に保持後、30分かけ
て140℃まで昇温させ、90分間保持反応させて反応
生成物を得た。
【0329】上記反応生成物を161mlのメチルイソブ
チルケトンに投入して溶解し、得られた樹脂混合溶液を
蒸留水で水洗して酸を除去した後、エバポレーターで混
合溶媒を除去した。その後、水蒸気蒸留により未反応の
フェノールを除去し、さらに窒素を吹き込むことで水分
を除去して粗高反応性変性フェノール樹脂148gを得
た。
【0330】次に、加熱溶融状態の粗高反応性変性フェ
ノール樹脂を、温度約10℃のヘビーナフサ3200ml
に注ぎ込み、未反応油等をヘビーナフサに溶解させると
ともに樹脂を析出させ、得られた樹脂を濾過・乾燥し
て、変性フェノール樹脂78gを得た。
【0331】得られた高反応性変性フェノール樹脂の物
性を、反応条件とともに表14に示した。
【0332】
【表14】
【0333】
【実施例68】原料油P100g(0.72モル)、フ
ェノール38.2g(0.41モル)、及びパラホルム
アルデヒド9.1g(0.30モル)を1リットルガラ
ス製反応容器に仕込み、250〜350rpmの速度で撹
拌しながら40℃に保持した。温度が安定した後、シュ
ウ酸1.5g(0.012モル)を加え、30分間かけ
て140℃まで昇温し、同温度で90分間撹拌しながら
反応を継続させて重縮合反応混合物を得た。
【0334】この反応混合物に、120mlのメチルイソ
ブチルケトンを加えて樹脂混合溶液とした。得られた樹
脂混合溶液を82mlの蒸留水で水洗し、樹脂混合溶液中
に残存する酸を除去した。
【0335】得られた酸除去樹脂混合溶液をエバポレー
ターにて樹脂濃度60重量%になるまで濃縮した後、ヘ
ビーナフサに投入して、樹脂溶液中に残存する未反応原
料油を除去した。
【0336】得られた粗高反応性変性フェノール樹脂か
らフェノールの留出がなくなるまで減圧蒸留を行い、次
いで、フェノール除去後の粗高反応性変性フェノール樹
脂に、155℃で窒素を吹き込むことにより55.3g
の高反応性変性フェノール樹脂を得た。
【0337】得られた高反応性変性フェノール樹脂の物
性を、反応条件とともに表15に示した。
【0338】
【実施例69】原料油P100g(0.72モル)、フ
ェノール115.1g(1.22モル)、パラホルムア
ルデヒド18.9g(0.63モル)及びシュウ酸1.5
g(0.012モル)を1リットルガラス製反応容器に
仕込み、250〜350rpmの速度で撹拌しながら温度
40℃に保持した。温度が安定した後、さらにシュウ酸
1.5g(0.012モル)を加え、20分間かけて1
00℃まで昇温し、同温度で220分間撹拌しながら反
応を継続させて重縮合反応混合物を得た。
【0339】次に、上記反応混合物をヘビーナフサに投
入し、未反応原料を除去し、粗高反応性変性フェノール
樹脂を得た。この粗高反応性変性フェノール樹脂に、1
55℃で30分間窒素を吹き込んで樹脂中に残存する未
反応フェノールを除去した。
【0340】次いで、フェノール除去後の粗高反応性変
性フェノール樹脂を、窒素雰囲気下で温度を180℃ま
で昇温し、1時間保持後、室温まで降温して83gの高
反応性変性フェノール樹脂を得た。
【0341】得られた高反応性変性フェノール樹脂の物
性を、反応条件とともに表15に示した。
【0342】
【実施例70】原料油P100g(0.72モル)、フ
ェノール62.4g(0.66モル)、パラホルムアル
デヒド12.0g(0.63モル)を1リットルガラス
製反応容器に仕込み、250〜350rpmの速度で撹拌
しながら40℃に保持した。温度が安定した後、シュウ
酸0.75g(0.006モル)を加え、20分間かけ
て90℃まで昇温した。次いで、シュウ酸0.75g
(0.006モル)加え、10分間かけて100℃まで
昇温し、同温度で90分間撹拌しながら反応を継続させ
て重縮合反応混合物を得た。
【0343】この反応混合物をヘビーナフサに投入し、
加熱撹拌することにより未反応原料を除去して、粗高反
応性変性フェノール樹脂を得た。得られた粗高反応性変
性フェノール樹脂を、155℃で水蒸気蒸留することに
より、樹脂中に残存する未反応フェノールを除去した。
【0344】次いで、フェノール除去後の粗高反応性変
性フェノール樹脂を、窒素雰囲気下180℃まで昇温
し、同温度で1時間保持した後、室温まで降温して8
1.2gの高反応性変性フェノール樹脂を得た。
【0345】得られた高反応性変性フェノール樹脂の物
性を、反応条件とともに表15に示した。
【0346】
【実施例71】原料油Q100g(0.68モル)、フ
ェノール102.2g(1.09モル)及びパラホルム
アルデヒド19.6g(0.65モル)を1リットルガ
ラス製反応容器に仕込み、250〜350rpmの速度で
撹拌しながら、40℃に保持した。温度が安定した後、
シュウ酸1.6g(0.013モル)を加え、20分間
かけて100℃まで昇温し、同温度で100分間撹拌し
ながら反応を継続させて重縮合反応混合物を得た。
【0347】この反応混合物に、170mlのメタノール
を加えて樹脂混合溶液とした。得られた樹脂混合溶液に
ヘビーナフサ170mlを加えて、樹脂混合溶液中に残存
する未反応原料を除去した。
【0348】次いで、樹脂混合溶液からエバポレーター
を用いてメタノールを留去して、粗高反応性変性フェノ
ール樹脂を得た。得られた粗高反応性変性フェノール樹
脂に155℃で30分間窒素を吹き込んで樹脂中に残存
する未反応フェノールを除去した。
【0349】次いで、フェノール除去後の粗高反応性変
性フェノール樹脂を、窒素雰囲気下180℃まで昇温し
て同温度で1時間保持した後、室温まで降温して12
5.6gの高反応性変性フェノール樹脂を得た。
【0350】得られた高反応性変性フェノール樹脂の物
性を、反応条件とともに表15に示した。
【0351】
【実施例72】原料油Q100g(0.68モル)、フ
ェノール102.2g(1.09モル)、パラホルムア
ルデヒド19.6g(0.65モル)及びシュウ酸3.2
g(0.025モル)を1リットルガラス製反応容器に
仕込み、250〜350rpmの速度で撹拌しながら、2
0分かけて100℃まで昇温し、同温度で100分間撹
拌しならが反応を継続させて重縮合反応混合物を得た。
【0352】この反応混合物に120mlのメチルイソブ
チルケトンを加えて樹脂混合溶液とした。得られた樹脂
混合溶液を82mlの蒸留水で水洗して、樹脂混合溶液中
に残存する酸を除去した。
【0353】得られた酸除去樹脂混合溶液からエバポレ
ーターを用いてメチルイソブチルケトンを留去し、次い
で170mlのアセトニトリルを加えて再度樹脂混合溶液
とした。得られた樹脂混合溶液にヘビーナフサ170ml
を加えて、樹脂混合溶液中に残存する未反応原料を除去
した。
【0354】この樹脂混合溶液からエバポレーターを用
いてアセトニトリルを除去した後、さらにフェノールの
留出がなくなるまで減圧蒸留を行うことにより、粗高反
応性変性フェノール樹脂を得た。
【0355】得られた粗高反応性変性フェノール樹脂に
55℃で窒素の吹き込むことにより、残存するフェノー
ルを除去して、131.0gの高反応性変性フェノール
樹脂を得た。
【0356】得られた高反応性変性フェノール樹脂の物
性を、反応条件とともに表15に示した。
【0357】
【実施例73】原料油Q100g(0.68モル)、フ
ェノール110.5g(1.18モル)及びシュウ酸0.
8g(0.06モル)を1リットルガラス製反応容器に
仕込み、250〜350rpmの速度で撹拌しながら、4
0℃に保持した。温度が安定した後、パラホルムアルデ
ヒド8.5g(0.28モル)を加えて昇温を開始し、
70℃になった時点で更にパラホルムアルデヒド8.0
g(0.27モル)を加えた。次いで、更に昇温を続
け、90℃になった時点でパラホルムアルデヒド8.0
g及びシュウ酸0.8g(0.06モル)を追加して1
00℃まで昇温し、同温度で100分間撹拌しながら反
応を継続させて反応混合物を得た。
【0358】上記反応混合物をフェノールの留出がほぼ
なくなるまで減圧蒸留した後、更に155℃で窒素を吹
き込むことによって、未反応フェノールを除去して粗高
反応性変性フェノール樹脂を得た。
【0359】得られた粗高反応性変性フェノール樹脂を
ヘビーナフサに投入し、樹脂中に残存する未反応原料を
除去した。次いで、未反応原料除去後の粗高反応性変性
フェノール樹脂を、窒素雰囲気下180℃まで昇温し、
同温度で1時間保持した後、室温まで降温して121g
の高反応性変性フェノール樹脂を得た。
【0360】得られた高反応性変性フェノール樹脂の物
性を、反応条件とともに表15に示した。
【0361】
【実施例74】原料油R100g(0.61モル)、フ
ェノール108.6g(1.16モル)、パラホルムア
ルデヒド15.6g(0.52モル)及びシュウ酸1.6
g(0.013モル)を1リットルガラス製反応容器に
仕込み、250〜350rpmの速度で撹拌しながら、2
0分間かけて100℃まで昇温し、同温度で100分間
撹拌しながら反応を継続させて重縮合反応混合物を得
た。
【0362】上記反応混合物に170mlのアセトニトリ
ルを投入して樹脂混合溶液とし、得られた樹脂混合溶液
にヘビーナフサ170mlを加えて、樹脂混合溶液中に残
存する未反応原料を除去した。
【0363】得られた樹脂混合溶液からエバポレーター
を用いてアセトニトリルを留去し、粗高反応性変性フェ
ノール樹脂を得た。粗高反応性変性フェノール樹脂に1
55℃で30分間窒素を吹き込み、樹脂中に残存する未
反応フェノールを除去した。
【0364】次いで、フェノール除去後の粗高反応性変
性フェノール樹脂を、窒素雰囲気下180℃まで昇温
し、同温度で1時間保持した後、室温まで降温して12
1gの高反応性変性フェノール樹脂を得た。
【0365】得られた高反応性変性フェノール樹脂の物
性を、反応条件とともに表15に示した。
【0366】
【実施例75】原料油R100g(0.61モル)、フ
ェノール125.4g(1.33モル)、パラホルムア
ルデヒド24g(0.80モル)、m-キシレン70.7
g及びパラトルエンスルホン酸1.6g(0.008モ
ル)を1リットルガラス製反応容器に仕込み、250〜
350rpmの速度で撹拌しながら、20分間かけて10
0℃まで昇温し、同温度で100分間撹拌しながら反応
を継続させて重縮合反応混合物を得た。
【0367】この反応混合物に、180mlのメチルイソ
ブチルケトンを加えて樹脂混合溶液とし、得られた樹脂
混合溶液を蒸留水120mlで水洗して、樹脂中の残存す
る酸を除去した。
【0368】得られた酸除去樹脂混合溶液をメチルイソ
ブチルケトン及び樹脂中の残存する未反応フェノールの
留出がほぼなくなるまで減圧蒸留した後、更に155℃
で窒素を吹き込むことにより粗高反応性変性フェノール
樹脂を得た。
【0369】フェノール除去後の高反応性変性フェノー
ル樹脂をヘビーナフサに投入し、加熱撹拌することによ
り、樹脂中に残存する未反応原料を除去して108gの
高反応性変性フェノール樹脂を得た。
【0370】得られた高反応性変性フェノール樹脂の物
性を、反応条件とともに表15に示した。
【0371】
【実施例76】原料油R100g(0.61モル)、フ
ェノール45g(0.48モル)、パラホルムアルデヒ
ド10g(0.33モル)、及びシュウ酸10g(0.
063モル)を1リットルガラス製反応容器に仕込み、
250〜350rpmの速度で撹拌しながら20分間かけ
て100℃まで昇温し、同温度で100分間撹拌しなが
ら反応を継続させて重縮合反応混合物を得た。
【0372】上記反応混合物に、155℃で30分間窒
素を吹き込み、樹脂中に残存する未反応フェノールを除
去し、粗高反応性変性フェノール樹脂を得た。フェノー
ル除去後の粗高反応性変性フェノール樹脂に、170ml
のジメチルスルホキシドを加えて樹脂混合溶液とした。
得られた樹脂混合溶液にヘビーナフサ170mlを加え
て、樹脂混合溶液中に残存する未反応原料を除去した。
【0373】次いで、樹脂混合溶液を、ジメチルスルホ
キシドの留出がほぼなくなるまで減圧蒸留した後、更に
窒素雰囲気下180℃まで昇温し、同温度で1時間保持
後、室温まで降温して55gの高反応性変性フェノール
樹脂を得た。
【0374】得られた高反応性変性フェノール樹脂の物
性を、反応条件とともに表15に示した。
【0375】
【実施例77】原料油R100g(0.61モル)、フ
ェノール263g(2.80モル)、パラホルムアルデ
ヒド63g(2.10モル)、及び酸性イオン交換樹脂
ダイヤイオンSK1B(三菱化学(株)製)18.8g
を1リットルガラス製反応容器に仕込み、250〜35
0rpmの速度で撹拌しながら20分間かけて100℃ま
で昇温し、同温度で100分間撹拌しながら反応を継続
させて重縮合反応混合物を得た。
【0376】上記反応混合物に340mlのメチルイソブ
チルケトンを加えて樹脂混合溶液とした。得られた樹脂
混合溶液を60メッシュの金網を用いて濾過し、使用し
たイオン交換樹脂を除去した。
【0377】得られた酸除去樹脂混合溶液をエバポレー
ターを用いて樹脂濃度60重量%になるまで濃縮した
後、ヘビーナフサに投入して、樹脂中に残存する未反応
原料を除去した。
【0378】得られた粗高反応性変性フェノール樹脂を
残存する未反応フェノールの留出がほぼなくなるまで減
圧蒸留した後、更に155℃で窒素を吹き込むことによ
り、143gの高反応性変性フェノール樹脂を得た。
【0379】得られた高反応性変性フェノール樹脂の物
性を、反応条件とともに表15に示した。
【0380】
【実施例78〜87】実施例68〜77で得られた高反
応性変性フェノール樹脂を用い、かつエポキシ樹脂(YX
-4000H)を用いた以外は、実施例8と同様にして、硬化
促進剤含有樹脂混合物、コンパウンド及び成形体を製造
した。
【0381】配合比、物性等を表16に示した。
【0382】
【表15】
【0383】
【表16】
フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平9−264142 (32)優先日 平成9年9月29日(1997.9.29) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平9−328199 (32)優先日 平成9年11月28日(1997.11.28) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 藤 井 智 彰 茨城県鹿島郡神栖町東和田4番地 鹿島 石油株式会社 鹿島製油所内 (72)発明者 石 塚 達 史 茨城県鹿島郡神栖町東和田4番地 鹿島 石油株式会社 鹿島製油所内 (72)発明者 長谷川 慎 茨城県鹿島郡神栖町東和田4番地 鹿島 石油株式会社 鹿島製油所内 (56)参考文献 特開 昭60−183146(JP,A) 特開 平2−274714(JP,A) 特開 平4−145116(JP,A) 特開 平6−228257(JP,A) 特開 平7−48427(JP,A) 特開 平7−2966(JP,A) 特開 平9−3163(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 8/00 - 8/36 C08L 61/00 - 61/32

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重質油類またはピッチ類、フェノール類
    およびホルムアルデヒド化合物を重縮合させる高反応性
    変性フェノール樹脂の製造方法であって、以下の方法: 質油類またはピッチ類と、平均分子量から算出した前
    記重質油類またはピッチ類1モルに対して、0.3〜1
    0モルのフェノール類、ホルムアルデヒド換算で0.2
    〜9モルのホルムアルデヒド化合物、および0.01〜
    3.0モルの酸触媒とを混合した後、得られた混合物を
    加熱攪拌して重縮合させ、 引き続き、 (i) 高反応性変性フェノール樹脂を含む反応混合液と、
    脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素および脂肪族系石油留
    分からなる群から選択される少なくとも一種の化合物を
    含む抽出溶媒とを、前記重縮合反応混合物が流動状態と
    なる温度で接触させる処理;前記高反応性変性フェノー
    ル樹脂を含む反応混合物を可溶性溶媒で希釈して溶液を
    調製し、さらに炭素数10以下の脂肪族炭化水素、炭素
    数10以下の脂環式炭化水素および脂肪族系石油留分か
    らなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含む
    溶媒に投入する処理;前記反応混合物を可溶性溶媒で希
    釈して溶液を調製し、得られた溶液を、前記高反応性変
    性フェノール樹脂を含むこの溶液と分離して液−液2層
    溶媒系を形成しかつ未反応成分を溶解する抽出溶媒と接
    触させる処理;前記反応混合物を加熱溶融状態で静置し
    た後、デカンテーションで上澄みを除去する処理;前記
    反応混合物を10-7〜10-4mmHgの高真空下で分子
    蒸留する処理;および前記反応混合物を可溶性溶媒で希
    釈して溶液を調製し、得られた溶液と水とを混合し静置
    して下から順に高反応性変性フェノール樹脂溶液層、水
    層および未反応油層からなる3層溶媒系を形成させた
    後、水層および未反応油層を除去する処理、からなる群
    から選択される少なくともいずれか一つの処理によっ
    て、反応混合物から未反応成分を除去する工程、 (ii)触媒残渣を除去する工程、および (iii)水蒸気蒸留、窒素ガスの吹込みおよび減圧蒸留の
    いずれかで残留するフェノール類を除去する工程、 からなる三工程にて精製されることを特徴とする高反応
    性変性フェノール樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記重質油類またはピッチ類が、石油系
    重質油類またはピッチ類であることを特徴とする請求項
    1に記載の高反応性変性フェノール樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記重質油類またはピッチ類が、石油精
    製過程の接触分解工程または熱分解工程で得られ、真沸
    点が180℃以上かつ500℃以下であり、芳香族炭化
    水素分率fa値が0.40〜0.95であり、かつ芳香
    環水素量Ha値が20〜80%である留出油であること
    を特徴とする請求項1または2に記載の高反応性変性フ
    ェノール樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記重質油類またはピッチ類に加えて芳
    香族炭化水素化合物も原料とすることを特徴とする請求
    項1ないし3のいずれか1項に記載の高反応性変性フェ
    ノール樹脂の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記酸触媒が、有機酸、無機酸および固
    体酸からなる群から選択されるブレンステッド酸である
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記
    載の高反応性変性フェノール樹脂の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記酸触媒が、酸性陽イオン交換樹脂で
    あることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項
    に記載の高反応性変性フェノール樹脂の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記重質油類またはピッチ類が、パラフ
    ィン留分除去処理を施した後に使用されることを特徴と
    する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の高反応性
    変性フェノール樹脂の製造方法。
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