JPH0622727U - 廃棄物の焼却装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 廃棄物の焼却による排ガスを完全燃焼させ
て、毒性の強いダイオキシン等の有機塩素化合物の生成
を抑える。 【構成】 下部フリーボード部１と上部フリーボード部
５との間に絞り部７を形成し、絞り部７の一側に絞り部
７の中心側に向けて開口する下段空気装入口８を設ける
と共に、下段空気装入口８に対向する他側に、下段空気
装入口８より高い位置に、絞り部７の中心側に向けて開
口する上段空気装入口９を設けてあり、廃棄物の焼却に
よって発生したガスは、下部フリーボード部１から絞り
部７に入り、下段空気装入口８と上段空気装入口９から
の燃焼用空気１２の上下方向に旋回する渦流１３に巻き
込まれて均一に混合して完全燃焼し、上部フリーボード
部５において高温状態を保持してダイオキシン等の有機
塩素化合物を含まない状態となって上部フリーボード部
５のガス排出口６から外部に排出される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、廃棄物の焼却装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来から廃棄物の焼却装置として一般に使用されている流動層炉では、流動層 上部のフリーボード部が、単に一つの燃焼空間として形成されていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来から使用されている廃棄物の焼却装置は、単に一つの燃焼 空間が形成されているだけであるため、廃棄物の焼却によって発生したガスが燃 焼用空気と十分混合することができず、完全燃焼させることができなかった。

【０００４】 そのため、毒性の強いダイオキシン等の有機塩素化合物が生成され、二次公害 が社会問題となっている。

【０００５】 本考案は、上述の実情に鑑み、このような公害を防止するため、廃棄物の焼却 によって発生した排ガスを燃焼用空気と十分混合して完全燃焼させ、毒性の強い ダイオキシン等の有機塩素化合物の生成を抑えることができるようにした廃棄物 の焼却装置を提供することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、焼却物装入口及び流動層部を有する下部フリーボード部とガス排出 口を有する上部フリーボード部との間に絞り部を形成し、該絞り部の一側に該絞 り部の中心側に向けて開口する下段空気装入口を設けると共に、該下段空気装入 口に対向する他側における前記下段空気装入口より高い位置に、前記絞り部の中 心側に向けて開口する上段空気装入口を設けたことを特徴とする廃棄物の焼却装 置及び、該廃棄物の焼却装置の下段空気装入口を所要の上向き角度を有して配設 し、上段空気装入口を所要の下向き角度を有して配設したことを特徴とする廃棄 物の焼却装置及び、焼却物装入口及び流動層部を有する下部フリーボード部とガ ス排出口を有する上部フリーボード部との間に絞り部を形成し、該絞り部の一側 に該絞り部の中心側に向けて開口する下段空気装入口を設けると共に、該下段空 気装入口に対向する他側における前記下段空気装入口より高い位置に、前記絞り 部の中心側に向けて開口する上段空気装入口を設けた廃棄物の焼却装置において 、下部フリーボード部の上部所要位置に、該下部フリーボード部内に向けて開口 する空気装入口を更に設けたことを特徴とする廃棄物の焼却装置、にかかるもの である。

【０００７】

【作用】

本考案の作用は以下の通りである。

【０００８】 請求項１及び請求項２に記載の廃棄物の焼却装置では、廃棄物の焼却によって 発生したガスは、下部フリーボード部から絞り部に入り、該絞り部で下段空気装 入口と上段空気装入口から送風される燃焼用空気によって生ずる上下方向に旋回 する渦流に巻き込まれて均一に混合して完全燃焼し、上部フリーボード部におい て高温状態が保持されて毒性の強いダイオキシン等の有機塩素化合物を含まない 状態となって上部フリーボード部のガス排出口から外部に排出される。

【０００９】 請求項３に記載の廃棄物の焼却装置では、廃棄物の焼却によって発生したガス は、下部フリーボード部内で空気装入口からの燃焼用空気と混合して燃焼し、更 に絞り部に入り、該絞り部で下段空気装入口と上段空気装入口から送風される燃 焼用空気によって生ずる上下方向に旋回する渦流に巻き込まれて均一に混合して 完全燃焼し、上部フリーボード部において高温状態が保持されて毒性の強いダイ オキシン等の有機塩素化合物を含まない状態となって上部フリーボード部のガス 排出口から外部に排出される。このとき、空気装入口からの燃焼用空気の量を調 節してガスのカロリーに応じた燃焼を行う。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基いて説明する。

【００１１】 図１は、請求項１に記載の考案の一実施例であって、図中１は下部フリーボー ド部であり、該下部フリーボード部１の下方は流動層部２になっており、砂等の 流動媒体が装入されていて、流動用空気を吹き出す散気装置３が配設されている 。又、下部フリーボード部１の側面には廃棄物装入口４が配設されている。

【００１２】 図中５は下部フリーボード部１の上方に配設された上部フリーボード部であり 、該上部フリーボード部５の上端にはガス排出口６が配設されている。又、該ガ ス排出口６の上端側は図示しない排風機で吸引されるようになっている。

【００１３】 図中７は下部フリーボード部１と上部フリーボード部５との間に断面積を絞る ように形成された絞り部であり、該絞り部７には燃焼用空気１２を絞り部７内に 装入して上下方向に旋回する渦流１３を発生させるための下段空気装入口８と上 段空気装入口９が設けられている。このとき、前記下段空気装入口８は絞り部７ の一側１０に絞り部７の中心側に向けて水平に開口して配設され、上段空気装入 口９は下段空気装入口８に対向する他側１１の下段空気装入口８より高い位置に 、絞り部７の中心側に向けて水平に開口して配設されている。

【００１４】 次に、作用を説明する。

【００１５】 下部フリーボード部１の図示しないガスバーナを点火し、散気装置３からの流 動用空気で流動している流動層部２に、廃棄物装入口４から廃棄物を装入する。

【００１６】 流動層部２はガスバーナによって予め熱せられているため、廃棄物装入口４か ら流動層部２に装入された廃棄物は加熱されて短時間に乾燥してガス化し、燃焼 しながら上昇して下部フリーボード部１から絞り部７に流入する。

【００１７】 絞り部７では下段空気装入口８と上段空気装入口９から装入される燃焼用空気 １２によって上下方向に旋回する渦流１３が形成されており、下部フリーボード 部１から絞り部７に流入したガスは燃焼用空気１２の渦流１３に巻き込まれて燃 焼用空気１２と均一に混合し、完全燃焼する。

【００１８】 完全燃焼したガスは、上昇して上部フリーボード部５に流入し、該上部フリー ボード部５において所要時間高温状態を保持されて毒性の強いダイオキシン等の 有機塩素化合物を含まない状態となって上部フリーボード部５のガス排出口６か ら図示しない排風機で吸引されて外部に排出される。

【００１９】 図２は、請求項２に記載の考案の下段空気装入口１４と上段空気装入口１５の 構成を示す縦断面図である。

【００２０】 図２の廃棄物の焼却装置は、図１で説明した下段空気装入口８と上段空気装入 口９にかえて、下段空気装入口１４を所要の上向き角度０〜２０゜（図示の場合 は２０゜）を有して配設すると共に、上段空気装入口１５を所要の下向き角度（ 図示の場合は２０゜）を有して配設したことを除いては図１において説明した廃 棄物の焼却装置と同様の構成を有している。

【００２１】 図１において説明したと同様にして、ガスは下部フリーボード部１から絞り部 ７に流入する。絞り部７では、下段空気装入口１４と上段空気装入口１５とが絞 り部７に対して所要角度０〜２０゜（図示の場合は２０゜）を有して配設されて いるので、装入される燃焼用空気１２によって形成される上下方向に旋回する渦 流１３は図１の場合より、より強いものとなっている。従って、より高カロリー 、高速なガスであっても、下部フリーボード部１から絞り部７に流入したガスは 燃焼用空気１２の渦流１３に確実に巻き込まれて燃焼用空気１２と均一に混合し 、完全燃焼する。

【００２２】 完全燃焼したガスは、図１において説明したと同様にして外部に排出される。

【００２３】 図３は、請求項３に記載の考案の一実施例であって、図１で説明した廃棄物の 焼却装置の下部フリーボード部１の上部所要位置に、所要角度を有して該下部フ リーボード部１内に向けて開口する空気装入口１６を更に設けた構成となってい る。

【００２４】 図１において説明したと同様にして廃棄物は加熱されて短時間に乾燥してガス 化し、燃焼しながら上昇する。上昇するガスのうちある程度の量は、下部フリー ボード部１内において空気装入口１６からの燃焼用空気と混合して燃焼する。燃 焼しなかったガスは絞り部７において図１において説明したと同様にして、完全 燃焼して外部に排出される。

【００２５】 上述した廃棄物の焼却装置によると、図１の場合と同様、高カロリー、高速な ガスであっても完全燃焼することができる。又、空気装入口からの燃焼用空気の 供給量を調節することにより、ガスのカロリーに対応した燃焼用空気の供給を行 って安定した燃焼を行うことができる。

【００２６】 尚、本考案は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく本考案の要旨を逸 脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。

【００２７】

【考案の効果】

以上説明したように、請求項１、請求項２、請求項３に記載の廃棄物の焼却装 置によれば、以下の様な優れた効果を奏し得る。

【００２８】 （Ｉ）廃棄物の燃焼によって生じたガスが燃焼用空気と十分に混合されると共 に、十分な燃焼時間が確保されるので、ガスを完全燃焼させて毒性の強いダイオ キシン等の有機塩素化合物の生成を抑えることができる。

【００２９】 （ＩＩ）請求項２に記載の考案では、下段空気装入口と上段空気装入口とが絞 り部に対して所要角度（図示の場合は２０゜）を有して配設されているので装入 される燃焼用空気によって形成される上下方向に旋回する渦流は、より強いもの となっているので、より高カロリー、高速なガスであっても、燃焼用空気の渦流 に確実に巻き込まれて燃焼用空気と均一に混合し、完全燃焼する。

【００３０】 （ＩＩＩ）請求項３に記載の考案では、空気装入口からの燃焼用空気の供給量 を調節することにより、ガスのカロリーに対応した燃焼用空気の供給を行って安 定した燃焼を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】請求項１に記載の考案の一実施例の縦断面図で
ある。

【図２】請求項２に記載の考案の一実施例の絞り部の部
分縦断面図である。

【図３】請求項３に記載の考案の一実施例の縦断面図で
ある。

【符号の説明】

１ 下部フリーボード部 ２ 流動層部 ４ 廃棄物装入口 ５ 上部フリーボード部 ６ ガス排出口 ７ 絞り部 ８ 下段空気装入口 ９ 上段空気装入口 １０ 一側 １１ 他側 １４ 下段空気装入口 １５ 上段空気装入口 １６ 空気装入口

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 安藤 安則 神奈川県横浜市磯子区新中原町１番地 石 川島播磨重工業株式会社技術研究所内 (72)考案者 武内 良雄 東京都江東区豊洲二丁目１番１号 石川島 播磨重工業株式会社東京第一工場内

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 焼却物装入口及び流動層部を有する下部
   フリーボード部とガス排出口を有する上部フリーボード
   部との間に絞り部を形成し、該絞り部の一側に該絞り部
   の中心側に向けて開口する下段空気装入口を設けると共
   に、該下段空気装入口に対向する他側における前記下段
   空気装入口より高い位置に、前記絞り部の中心側に向け
   て開口する上段空気装入口を設けたことを特徴とする廃
   棄物の焼却装置。
2. 【請求項２】 下段空気装入口を所要の上向き角度を有
   して配設し、上段空気装入口を所要の下向き角度を有し
   て配設したことを特徴とする請求項１に記載の廃棄物の
   焼却装置。
3. 【請求項３】 請求項１に記載の廃棄物の焼却装置にお
   いて、下部フリーボード部の上部所要位置に、該下部フ
   リーボード部内に向けて開口する空気装入口を更に設け
   たことを特徴とする前記請求項１に記載の廃棄物の焼却
   装置。