JPH0622702A - 海産廃棄物の飼料化保存方法 - Google Patents

海産廃棄物の飼料化保存方法

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JPH0622702A
JPH0622702A JP4204249A JP20424992A JPH0622702A JP H0622702 A JPH0622702 A JP H0622702A JP 4204249 A JP4204249 A JP 4204249A JP 20424992 A JP20424992 A JP 20424992A JP H0622702 A JPH0622702 A JP H0622702A
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JP
Japan
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marine waste
feed
red yeast
yeast rice
waste
Prior art date
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Withdrawn
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JP4204249A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Kumabe
潔 熊部
Hiroyuki Yanaka
博之 谷中
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KITEII KK
Original Assignee
KITEII KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 海産廃棄物の有効利用方法であって、処理工
程において加工エネルギーを極力抑え、廃棄物に含まれ
る有用物質の移行を抑制し、かつ低コストで加工するこ
とができる、海産廃棄物の飼料化保存方法を提供するこ
と。 【構成】 海産廃棄物に紅麹を混合接触させる工程と、
前工程を経た海産廃棄物にゲル化剤を添加・混合して加
熱する工程と、この混合加熱物を冷却して固化成形し、
冷凍する工程からなる海産廃棄物の飼料化保存方法であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、海産廃棄物を原料とす
る飼料化保存方法に関するものであり、詳しくは、魚介
類の内蔵やウロなど高蛋白の海産廃棄物を資源化し、魚
介類の飼料として用いることができるように保存する方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近時は、鰯の漁獲量が年々減少傾向にあ
り、飼料用としての鰯も高価となる傾向がある。そこ
で、その代替物として魚介類の内蔵やウロなどの海産廃
棄物が注目されている。この海産廃棄物は、高蛋白の廃
棄物であるから、これを資源化し有効に利用することが
望まれている。従来から、魚介類の内蔵やウロなどは、
その魚介類の加工の過程において廃棄物として乾燥や焼
却により処分されるほか、一部は肥料として用いられる
ものもあるが、飼料として利用されるものはわずかであ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように海産廃棄
物は、その大部分が捨てられているものであるが、廃棄
物の種類や発生量によっては、その処分が大きな問題と
なっている。そして海産廃棄物は、高蛋白ではあるが内
蔵やウロなどであるため、腐敗の防止、物質の移行の抑
制、乾燥などの加工エネルギーをできるだけ少なくする
等の課題を解決して、これを資源化し有効に利用するこ
とができる技術が望まれているところである。
【0004】本発明は上記の問題点に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、処理工程において加工エネルギ
ーを極力抑え、廃棄物に含まれる有用物質の移行を抑制
し、かつ低コストで加工することができる、廃棄物資源
の飼料化による有効利用の方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段および作用】本発明者は、
上記の課題の解決について種々検討したところ、本発明
者が先に提案した紅麹により腐敗や変質を防止する技術
に着目し、内蔵やウロなどからなる水分を多く含む海産
廃棄物をそのまま利用する飼料化保存方法を開発した。
【0006】即ち本発明は上記の着想に基づくものであ
り、その要旨は、海産廃棄物に紅麹を混合接触させる工
程と、前工程を経た海産廃棄物にゲル化剤を添加・混合
して加熱する工程と、この混合加熱物を冷却して固化成
形し、冷凍する工程からなることを特徴とする海産廃棄
物の飼料化保存方法である。
【0007】本発明において処理対象となる海産廃棄物
は、帆立貝のウロや鮭の内蔵等であり、生鮮魚介類の可
食部の加工製品化の際に多量にまとまって発生するもの
が好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではな
い。また、本発明に用いる紅麹の菌の種類は、先に提案
した特願昭60-280978号と同様に、Monascus albihdas、
Monascua major、Monascua anka が好ましい。そして
本発明においては、この紅麹自体も有効な栄養成分とな
【0008】つぎに本発明において海産廃棄物に紅麹を
混合接触させる方法としては、紅麹と水分を多く含む海
産廃棄物を混合する方法、そして紅麹を澱粉質培地で培
養して得た発酵液に海産廃棄物を浸漬する方法があり、
さらに紅麹を澱粉質培地で培養して得た発酵液を濾過し
た後、この濾液に有機酸、アルコール等の保存料を添加
した液に浸漬する方法がある。そして生鮮魚介類の解体
時に、できるだけ早めに内蔵やウロなどの廃棄物を紅麹
に混合接触せしめることにより、有害菌の増殖を抑え、
蛋白質やビタミンなどの有効成分の変性を防ぐことがで
きる。
【0009】本発明における次の工程は、紅麹に接触せ
しめた廃棄物にゲル化剤を添加して混合し、これを加熱
することによりゲル化剤を溶解し、さらに全体をゲル化
した後に、これを冷却して固化成形して冷凍保存する工
程である。さらに本発明においては、飼料としての用途
如何によって、上記の海産廃棄物に紅麹を混合接触せし
めた後または海産廃棄物とゲル化剤の混合加熱物に、魚
粉等の蛋白源またはミネラル、ビタミン成分のいずれか
1種以上を添加することによって、飼料の栄養価を高め
ることもできる。
【0010】本発明によれば、ゲル化剤を添加して加
熱、冷却するだけで自由に成形することができ、例えば
羊羹状に固めることができるので、乾燥や粉末化をする
場合のような膨大な処理装置やエネルギーを必要としな
いのである。即ち本発明によれば、処理工程において内
蔵等の原料の乾燥を行わず、水分もそのまま利用し、紅
麹の発酵液の濾過分離、濃縮等の一切の操作を必要とし
ないで、原材料の全てを固化成形品に封入するものであ
る。
【0011】そしてゲル化後に固化成形することによ
り、冷凍による長期の保存が可能である。また架橋ゲル
化剤の効果として、解凍しても形態がくずれたりドリッ
プが流出したりすることがない。即ち、本発明において
は、ゲル化によって蛋白質源を固化したものであり、内
容物を水中に溶出させることがなく、有効成分の損出が
なく、水質を汚染することもない。さらに必要な時に、
この冷凍品を薄切りまたは角切り等として「ウニ」や
「あわび」その他の魚介類の飼料として用いることがで
きるが、飼料として海中で用いても水槽飼育用に供して
も、環境の水質を汚染することがなく、稚魚貝類の死亡
率も大幅に減少する。
【0012】ここで、本発明の上記の工程において用い
るゲル化剤は、特に限定されるものではないが、2種類
以上のゲル化剤を混合して架橋せしめて粉末化したもの
が適している。その代表的なものとしては、グルコマン
ナンとカラギーナンをそれぞれ溶解してゲル化させたも
のを、重量比1:9〜9:1の割合で混合して架橋せし
めた後粉末化したものが好ましい。そしてこのゲル化剤
の添加割合は、このグルコマンナンとカラギーナンから
なる架橋物粉末を、海産廃棄物と紅麹の混合接触物に対
して0.1〜2.0重量%の割合で添加する。
【0013】このゲル化剤によれば、少量の使用でゲル
強度の強い成形体を得ることができるし、自由な成形や
カットが容易なので使い易い。また冷凍耐性が高く、解
凍してもドリップの流出がなく、冷凍中に互いに結着す
ることもない。また、投与時に内容物が水中で溶出する
ことがなく、さらに処理物の長期生保存が可能である。
そして、ゲル化剤の成分はウニ、あわびに嗜好性が高い
ので、容易に消化される。一方魚類には消化されず、栄
養価値は少ないが、内容物は消化器内で分解され、充分
飼料効果を発揮する。そして、2%以下であれば、ゲル
化剤の障害は殆どない。
【0014】ここで本発明において用いる紅麹発酵液中
に、帆立貝ウロおよび鮭の内蔵を50%浸漬し、30℃に保
存した時の生菌数の経日変化を表1に示す。なお比較の
ために、海水中に同一条件で保存した例も示す。
【表1】 紅麹液に浸漬したものは、3日間は×104ケ台に抑制す
ることができる。従って、この間に処理して冷凍すれ
ば、腐敗を防止することができる。
【0015】つぎに本発明に用いるゲル化剤の性能につ
いて、各種の試験をした。まず、グルコマンナン50%と
カラギーナン50%を混合して、架橋せしめた後粉末とし
たものと、他の単独のゲル化剤とを比較して、そのゲル
強度(g/cm2)を表2に示す。
【表2】 なおゼラチンについては、添加量が1.0%、3.0%、6.0
%、12.0%でそれぞれのゲル強度(g/cm2)が、80、140、2
10、290であった。
【0016】そして紅麹発酵液に生重量で50%の帆立貝
ウロを浸漬したものに、各種のゲル化剤を加え、加熱し
た後冷却して固化させたものについて、海水中への蛋白
質溶出量(mg/ml)を比較して表3に、冷凍耐性テストの
結果を比較して表4に示す。
【表3】
【0017】
【表4】
【0018】
【実施例】以下実施例に基いて本発明を説明する。図1
は、本発明に係る海産廃棄物の飼料化保存方法の、1例
を示す工程図である。紅麹を澱粉質培地で培養して得た
発酵液に、海産物の加工処理によって発生する海産廃棄
物を浸漬する。そしてこれにゲル化剤を添加・混合し
て、加熱・溶解し、全体がゲル化したところでこの混合
加熱物を冷却して固化成形し、冷凍して保存する。
【0019】実施例1.帆立貝の内蔵1kgを等量の紅
麹発酵液に6時間浸漬する。その後全体をミキサーで破
砕処理してスラリー状とし、これにグルコマンナンとカ
ラギーナン5:5の割合でなる架橋物粉末40gを加え
る。そしてこれを十分に混合した後、90℃に加温する。
全体がゲル化したところで角型の容器に流し込み、冷却
してブロック状に固化せしめる。これを冷凍して保存
し、用時に取り出し、1mm程度の厚さにスライスして
「あわび」、「ウニ」の飼料として供する。
【0020】実施例2.帆立貝の内蔵を破砕し、一方澱
粉粕を培地として40℃で紅麹菌を培養し、40時間目の発
酵液1リットルに、上記の内蔵破砕物1kgを加え、さ
らに1時間発酵を継続する。そして、グルコマンナンと
カラギーナンを6:4の割合で製造した架橋物粉末30g
を加えて混合し、カ性ソーダにてpH7付近まで中和し
てから、100℃に加熱してゲル化する。さらにこの加熱
物に、エビの成長に必要なビタミン、ミネラル成分を添
加して強化してから、このゲルを長方形の容器に流し込
み、冷却して固化し、-20℃に冷凍して保存する。そし
て用時にこれを取り出し、解凍してゲルに戻ってから、
トコロ天状に押しだし、適当な長さに切断して、車エビ
の飼料として用いる。
【0021】実施例3.鰺の内蔵1kgを取り出し、こ
れを2リットルの紅麹発酵液に浸漬し、さらに魚粉500
gを加えて24時間浸漬を継続する。そしてこれにキサン
タンガム、カラギーナン、ゼラチンの架橋物粉末20gを
加え、80℃に加熱しながらミキサーで破砕し、十分空気
を抱き込ませながら、冷却して角型に固化する。さらに
これを、1〜5cm立方の任意のサイズに切断し、ばら
ばらにして冷凍保存する。そして用時にこれを解凍し
て、ハマチの飼料として供する。
【0022】上記の実施例で得られた飼料をアワビの飼
育等に使用した場合の飼料効果について説明する。 試験例1.アワビ飼料の試験 下記の条件でアワビの飼料としての性能試験を行った。
表5に示した試験結果から明かなように、実施例1の飼
料は、市販品に比較して飼料係数は劣るが、成長速度が
速い。また、実施例1の飼料は、低水温時期(冬場)の成
長には何ら問題はない。 ・対象種 :クロアワビ 殻長1cm ・試験場所 :鹿児島県漁業センター ・飼育期間 :1月22日〜2月26日 ・飼育条件 :水温17〜18℃ 流水方式 各試験区100固体を30×20×7cmの網籠で飼育 ・飼料の種類:実施例1の飼料、市販品、コンブ
【0023】
【表5】
【0024】試験例2.車えびの養殖試験 下記の条件で車えびの養殖試験を行った。表6に示した
試験結果から明かなように、試験区は栄養源として海産
廃棄物のみであるにもかかわらず、対照区に匹敵する成
長を示した。 ・期 間:8月7日〜11月30日 ・車えび :1区100匹、初期体重 平均2.8kg ・体重測定:1カ月1回、全数を測り、平均値をとる。 ・対照区 :市販(日配)飼料を3kg/日(水分10%)投
与 ・試験区 :上記実施例2の飼料を20kg/日(水分8
4%)投与
【0025】
【表6】
【0026】試験例3.ハマチに対する投与試験 下記の条件でハマチに対して飼料の投与試験を行った。
表7に示した試験結果から明かなように、試験区は魚粉
を除き、海産廃棄物を原料としたにもかかわらず、対照
区に匹敵する成長を示した。 ・魚体重が平均784gのハマチ100匹を1区とする。 ・海中イケスを小割りとし対照区と試験区各100匹を2カ
月にわたり飼育し、毎日1回4kgずつ投与した。 ・この期間中の水温は、16〜22℃であった。 ・隔週1回全魚体の体重をはかり平均体重を算出した。 ・試験区は上記実施例3の飼料を使用した。 ・対照区は市販のモイストペレット(組成(%)は、魚粉
45、大豆20、小麦粉16、 米糖13、ビタミン類6)の
配合粉末と生餌を3:7に混合して使用した。
【0027】
【表7】
【0028】
【発明の効果】本発明は、海産廃棄物の飼料化による有
効利用の方法である。そして、処理工程において加工エ
ネルギーを極力抑え、廃棄物に含まれる有用物質の移行
を抑制し、かつ低コストで加工することができる処理方
法である。即ち、有害菌の増殖を抑え、蛋白質やビタミ
ンなどの有効成分の変性を防ぐことができ、処理工程に
おいて内蔵等の原料の乾燥を行わず、水分もそのまま利
用し、紅麹の発酵液の濾過分離、濃縮等の一切の操作を
必要としないで、原材料の全てを固化成形品に封入する
ものである。
【0029】そしてゲル化後に固化成形することによ
り、冷凍による長期の保存が可能であり、また解凍して
も形態がくずれたりドリップが流出したりすることがな
い。即ち本発明に係る技術は、ゲル化によって蛋白質源
を固化するものであり、内容物を水中に溶出させること
がなく、有効成分の損出がなく、水質を汚染することも
ない。さらに必要な時に、この冷凍品を薄切りまたは角
切り等として「ウニ」や「あわび」その他の魚介類の飼
料として用いることができるが、飼料として海中で用い
ても水槽飼育用に供しても、環境の水質を汚染すること
がないので、稚魚貝類の死亡率も大幅に減少する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る海産廃棄物の飼料化保存方法の、
1例を示す工程図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 海産廃棄物に紅麹を混合接触させる工程
    と、前工程を経た海産廃棄物にゲル化剤を添加・混合し
    て加熱する工程と、この混合加熱物を冷却して固化成形
    し、冷凍する工程からなることを特徴とする海産廃棄物
    の飼料化保存方法。
  2. 【請求項2】 海産廃棄物に紅麹を混合接触させる方法
    が、紅麹と水分を多く含む海産廃棄物を混合する方法、
    紅麹を澱粉質培地で培養して得た発酵液に海産廃棄物を
    浸漬する方法、紅麹を澱粉質培地で培養して得た発酵液
    を濾過した後、これに保存料を添加した液に浸漬する方
    法から選択された方法である請求項1に記載の海産廃棄
    物の飼料化保存方法。
  3. 【請求項3】 ゲル化剤が、グルコマンナンとカラギー
    ナンをそれぞれ溶解してゲル化させたものを、重量比
    1:9〜9:1の割合で混合して架橋せしめた後粉末化
    したものである請求項1、2に記載の海産廃棄物の飼料
    化保存方法。
  4. 【請求項4】 ゲル化剤の添加割合が、グルコマンナン
    とカラギーナンからなる架橋物粉末を、海産廃棄物と紅
    麹の混合接触物に対して0.1〜2.0重量%の割合で
    添加するものである請求項1、2、3に記載の海産廃棄
    物の飼料化保存方法。
  5. 【請求項5】 海産廃棄物に紅麹を混合接触せしめた後
    または海産廃棄物とゲル化剤の混合加熱物に、蛋白質
    原、ミネラル、ビタミン成分のいずれか1種以上を添加
    する請求項1、2、3、4に記載の海産廃棄物の飼料化
    保存方法。
JP4204249A 1992-07-09 1992-07-09 海産廃棄物の飼料化保存方法 Withdrawn JPH0622702A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102037626B1 (ko) * 2019-03-01 2019-10-31 (주)다오넥스 성게 육상수조 양식용 사료 및 제조방법

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102037626B1 (ko) * 2019-03-01 2019-10-31 (주)다오넥스 성게 육상수조 양식용 사료 및 제조방법

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