JPH0622598U - ファン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】小型化を図る上で有効であるだけでなく、翼車
をバランスよくしかもスムーズに回転させることができ
る遠心型ファンを提供する。 【構成】羽根支持用リム３と円形状側板４との間に軸方
向の多数の羽根板５を設け、一側に気体吸入口６を形成
しかつ他側を閉じてなる円筒形翼車２を回転軸１１に固
定してなるファンにおいて、前記側板４の一部を凹陥し
た隔壁７により、円筒形翼車２の内側に位置した空隙部
９と、気体吸入口６に通じる気体流通部１０をそれぞれ
形成してある。そして空隙部９に付属部材８を配置し、
隔壁７により形成された軸受面部１３に回転軸１１を固
定したものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、各種冷暖房機器、複写機、燃焼器などに使用される円筒形翼車を有 するファン（シロッコファン）にかんする。

【０００２】

【従来の技術】

羽根支持用リム３と側板４との間に多数の羽根板５を設けなる円筒形翼車２を有 するファン（シロッコ型ファン）においては、図８に示すように、回転数を感知 するためのＩＣユニット１２などの付属部材をモータ１５の外側に取り付けてい るため、全体としてこの付属部材の横幅分だけファン自体が大型化せざるをえな い。たとえば、湯沸器を小型化するにはそれに使用するファンもできるだけ小型 化する必要があるが、従来のファンでは小型化を図るにも限界があった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は小型化を図る上で有効であるだけでなく、円筒形翼車をバランスよく、 しかもスムーズに回転させることができる遠心型ファンを提供しようとするもの である。

【０００４】

【課題を解決しようとする手段】

この課題を解決するため、本考案においては、羽根支持用リム３と円形状側板４ との間に軸方向の多数の羽根板５を設け、一側に気体吸入口６を形成しかつ他側 を閉じてなる円筒形翼車２を回転軸１１に固定してなるファンにおいて、前記側 板４の一部を凹陥した隔壁７により、円筒形翼車２の内側に位置した空隙部９と 、気体吸入口６に通じる気体流通部１０をそれぞれ形成し、前記空隙部９にファ ンの付属部材８を配置するとともに、隔壁７により形成された軸受面部１３に前 記回転軸１１を固定したものである。

【０００５】

【作用】 この課題を解決するため、本考案においては、羽根支持用リム３と円形状側板４ との間に軸方向の多数の羽根板５を設け、一側に気体吸入口６を形成しかつ他側 を閉じてなる円筒形翼車２を回転軸１１に固定してなる遠心型ファンにおいて、 側板４の一部を凹陥した隔壁７により、円筒形翼車２の内側に位置した空隙部９ と、気体吸入口６に通じる気体流通部１０がそれぞれ形成してある。

【０００６】 そして、円筒形翼車２の回転数を感知するためのＩＣユニット１２、ファンカラ ーなどのファンの付属部材８が空隙部９内に配置してあるから、従来のファンに 比べて軸方向の長さが付属部材８の横幅分だけ短くなり、全体としてファンを小 型化できる。

【０００７】 またＩＣユニット１２などの付属部材がモータ１５の外側に取り付けられ、モー タ１５から突出している従来例では、ファンの移動中、あるいは湯沸器などへの 取付け作業中などに付属部材８を破損するおそれもあった。 本考案の構成においては、これらＩＣユニット１２、ファンカラーなどのファン の付属部材８を空隙部９内に配置することにより、付属部材８の破損を確実に防 止できる。

【０００８】 従来の円筒形翼車２は１側を側板４で閉じる一方、他側を開放して気体吸入口６ を形成しているから、円筒形翼車２の軸心上の重心Ｇは側板４より左方にくる。 本考案の構成によれば、側板４の一部を凹陥させて隔壁７を形成し、円筒形翼車 ２の内側に位置するよう軸受面部１３を配設してあるから、円筒形翼車２の軸心 上の重心Ｇが右方向に移動する（図３および図４参照）。

【０００９】 一方、軸受面部１３は円筒形翼車２の重心Ｇに近くに配設してあるから、円筒形 翼車２は重心Ｇに近い位置で回転軸１１に固定されることになり、これにより円 筒形翼車２はバランスよく回転する。 円筒形翼車２が高速回転しても、重心Ｇに近い位置で固定されている円筒形翼車 ２は理想に近いかたちで、スムーズにバランスよく回転する。

【００１０】 なお側板４の凹陥の度合いを調整して軸受面部１３の配設位置を円筒形翼車２の 重心Ｇと一致させることも可能である。

【００１１】 円筒形翼車２の回転により気体吸入口６から円筒形翼車２内へと吸入された気体 の一部は流通部１０を通り、羽根板５の間隙から円筒形翼車２の外側へと流出す る。

【００１２】

【実施例】

以下、本考案の実施例を添付の図面により説明する。 ケーシング１内に配置された円筒形翼車２は、羽根支持用リム３と円形状側板４ との間に軸方向の多数の羽根板５を設け、一側に気体吸入口６を形成する一方、 他側は側板４で閉じてある。

【００１３】 円形側板４の１部、のぞましくは回転軸１１を中心とした中心部分を内側に凹陥 させて隔壁７が形成してあり、円筒形翼車２の内側に位置する隔壁７は、円筒形 翼車２の内周に沿う内周壁２０と、軸心に垂直方向の縦壁２１とからなる。 内周壁２０と縦壁２１は、円筒形翼車２の中心部であって円筒形翼車２の内側に 位置する空隙部９と、吸入口６に通じる軸方向に沿う気体流通部１０を形成して いる。

【００１４】 空隙部９内にはファンに使用される各種の付属部材８が配置してある。 すなわち１図示の場合、円筒形翼車２の回転数を感知するためのＩＣユニット１ ２、ファンカラー８が空隙部９内に配置してある。 空隙部９内に配置されるファンの付属部材８の内容に限定はなく、およそ広い意 味でファンに使用される部材であれば何でもよい。

【００１５】 ファンカラーのような付属部材８はケーシング１など回転軸１１以外のファンケ ーシング１やモータ１７のケーシングなどに鍔部２３とボルト１８を介して固定 するのが望ましいが、回転軸１１に固定してもよい。 また付属部材８は必ずしも全体を空隙部９内に配置する必要はなく、少なくとも その１部を空隙部９内に配置してあればよい。

【００１６】 縦壁２１は軸受面部１３を形成しており、中心孔２２に挿通された回転軸１１に ナット１９を螺着し、回転軸１１が軸受面部１３に固定してある。 軸受面部１３の両側には一対の円形の押板１５と円形のクッション部材１６が配 置してあり、この補助部材を介して回転軸１１が軸受面部１３に固定してあるか ら、回転軸１１と円筒形翼車２との取り付けは強固になり、軸受面部１３の強度 を補強し、回転軸１１の高速回転によっても、円筒形翼車２の回転はスムーズに 行なわれる。

【００１７】 なお周壁２０と縦壁２１との間に湾曲面１４が形成してあるから、気体吸入口６ より吸入された気体は気体流通部１０へと容易に流れる。

【００１８】 また図５に示されるものは隔壁７の構成を異にする他の実施例を示し、縦壁２１ により頂部を切裁した円錐状の周壁２０が形成してあり、気体吸入口６から吸入 され気体はよりスムーズに気体流通部１０へと流れる。

【００１９】

【効果】

以上に説明したように、本考案によれば、ファンの小型化に有効であり、かつ翼 車をバランスよく回転させて回転効率のよいファンとなる。

【００２０】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかるファンの一部切り欠き正面図で
ある。

【図２】本考案にかかるファンの円筒形翼車及び付属部
材の断面図である。

【図３】本考案にかかるファンの円筒形翼車の重心を表
す説明図である。

【図４】従来のファンの円筒形翼車の重心を表す説明図
である。

【図５】本考案にかかるファンの他の構造を示す円筒形
翼車及び付属部材の断面図である。

【図６】付属部材の拡大斜視図である。

【図７】本考案にかかる軸受面部の拡大断面図である。

【図８】従来のファンの正面図である。

【符号の説明】 １ ケーシング ２ 円筒形翼車 ３ 羽根支持用リム ４ 側板 ５ 羽根板 ６ 気体吸入口 ７ 隔壁 ８ 付属部材 ９ 空隙部 １０ 気体流通部 １１ 回転軸 １２ ＩＣユニット １３ 軸受面部 １４ 湾曲面 １５ 押え板 １６ クッション部材 １７ モータ １８ ボルト １９ ナット ２０ 周壁 ２１ 縦壁 ２２ 中心孔 ２３ 鍔部 ２４ ワッシャー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】羽根支持用リムと円形状側板との間に軸方
   向の多数の羽根板を設け、一側に気体吸入口を形成しか
   つ他側を閉じてなる円筒形翼車を回転軸に固定してなる
   ファンにおいて、 前記側板の一部を凹陥した隔壁により、円筒形翼車の内
   側に位置した空隙部と、気体吸入口に通じる気体流通部
   をそれぞれ形成し、前記空隙部にファンの付属部材を配
   置するとともに、隔壁により形成された軸受面部に前記
   回転軸を固定したことを特徴とするファン。