JPH0622450Y2 - シャワーヘッド - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本考案は入浴時等に用いられるシャワーヘッドに関し、
特に老人や身体不自由などを介護して入浴させる場合な
どに好適なものである。

《従来の技術》 これまでのシャワーヘッドは、単に導入した湯水をその
散水通孔から流出させるだけであり、この流出を止めよ
うとする場合は、シャワーヘッドに連結される給水ホー
スの基端側とか浴室壁面などに設けられた各種の開閉コ
ックを操作しなければならない。

このため、自ら入浴できる者のシャワー使用であれば、
それほどの支障とはならないが、介護者が身体不自由者
をバスタブに入れ、シャワーによる入浴を行わせるとき
には、その都度シャワーヘッドから離れた箇所の開閉コ
ックまで行き、または可成り手を伸して、これを操作し
なければならず、この結果介護者に負担をかけるだけで
なく、入浴者は湯水のシャワーを与えてもらうまでに、
その都度待たせられるなどの不都合があった。

《考案が解決しようとする課題》 本考案は、上記従来技術の問題点につき検討の結果、請
求項(1)にあっては、シャワーヘッドの散水兼握持部を
介護者が握ったまま、ワンハンドにてその親指などによ
り操作杆を下向きに押入できるようにし、これによって
即時の給湯開始を可能とすると共に、当該押入操作の解
除によって、直ちに当該シャワーヘッドからの給湯を停
止できるようにし、これにより介護者の労力を軽減する
と共に、入浴者の待ち時間をなくし、かつ、介護者が他
方の手で入浴者を洗いながら、握持側のワンハンドによ
る給湯の制御を行うことができるようにし、入浴者に対
して快適なシャワーを楽しませ得るようにしようとする
のが、第１の目的である。

さらに、当該シャワーヘッドにあっては、散水兼握持部
を握った所望の指先を、当該散水兼握持部の散水通孔側
へ伸ばすことによって、放出される温水の温度を予め介
護者が感知し得るようになし、これにより老人などの入
浴に際して熱湯や冷水などを供与してしまうといったこ
とを、完全に排除し、かつ、散水部と握持部とを一体構
成とした散水兼握持部によって全体の軽量化をも計り、
介護者の労力を軽減しようとするのが、第２の目的であ
る。

次に、請求項(2)にあっては同上請求項(1)における散水
兼握持部につき、これを円筒状に形成し、放水の供給、
遮断を行うための操作杆を、散水兼握持部の円形上面に
おける中心位置から突出するようにして、介護者の操作
性を良好となし、これにより、前記請求項(1)による所
期の目的を、より確実に達成しようとしている。

《課題を解決するための手段》 本考案は、上記の目的を達成するため請求項(1)では、
下端面に多数の散水通孔を有し、側面に給水ホースの連
結口を有する散水兼握持部には、前記散水通孔に臨設す
る給水内室と連通の給水出口と、上記連結口と連通の給
水入口との間にあって、下端側が閉成で、上端側の開口
された空洞を介設し、当該空洞には、操作杆と、これを
上方へ付勢する復帰用スプリングとを内装し、当該操作
杆には、その上端に指押部を、奥側部と手許側部とに被
嵌して前記空洞の内周壁に摺動自在なるよう当接した夫
々奥側Ｏリングと手許側Ｏリングとを設けると共に、上
記両部間を連設した細成軸部と、前記復帰用スプリング
の弾力によって空洞から所定位置まで上方へ延出した頭
出操作部とを有し、当該頭出操作部が空洞から頭出して
いる状態にて、前記の奥側Ｏリングは前記給水出口と給
水入口との間に、手許側Ｏリングは給水入口よりも頭出
操作部側に位置させ、当該頭出操作部の前記復帰用スプ
リングの弾力に抗した押入操作状態では、奥側Ｏリング
が給水出口よりも復帰用スプリング側に位置し、手許側
Ｏリングは給水入口よりも頭出操作部寄りに位置するこ
とで、給水入口と給水出口とが、前記細成軸部の周側に
形成された連通空所により連通自在となるよう形成され
てなるシャワーヘッドを提供しようとしている。

さらに請求項(2)にあっては上記請求項(1)における散水
兼握持部が円筒状に形成され、空洞から頭出操作部を上
方へ突出させた操作杆が、散水兼握持部の円形上面中心
位置に配設されていることを、その内容としている。

《作用》 請求項(1)のシャワーヘッドによるときは、散水兼握持
部を持つことにより、頭出操作部を親指などにより押し
下げることができ、これにより、操作杆は、復帰用スプ
リングの弾力に抗して空洞内へ押し込まれ、この結果手
許側Ｏリングが給水入口に近ずくと共に、奥側Ｏリング
は給水出口の手前側から、これを通過して復帰用スプリ
ング側まで移行することとなるから、給水入口と給水出
口とが、操作杆の細成軸部にあって、その周側に形成さ
れる連通空所により連通状態となり、供給された来た湯
水が、散水兼握持部の散水通孔から散水されることとな
るのであり、この際、握持した手の指先にて、当該散水
の温度状態を感知することもでき、この操作杆押入状態
を保持している限り給湯の散水は続行する。

また、上記の操作に際し、奥側Ｏリングが給水出口を通
過する適宜の位置にて操作杆を停止させるようにすれば
供給湯水の量をも加減することができる。

次に、上記の押入を解除するため、親指を頭出操作部か
ら離せば、復帰用スプリングの復原力により、操作杆は
上動して原位置に復帰し、これによって奥側Ｏリングは
給水出口を通過して、頭出操作部側へ移行するから、給
水入口は、連通空所に開口しているものの、給水出口は
当該連通空所に開口しない状態となって、湯や水の流れ
はここで遮断される。

次に、請求項(2)のシャワーヘッドによるときは、請求
項(1)にあって、散水兼握持部が円筒状であるため、非
常に介護者等が握り易く、かつ操作杆の頭出操作部が散
水兼握持部の円形上面中心位置であるため、上記した握
り手の親指による押下動が行い易いこととなり、しか
も、小指とか薬指を散水通孔の下位に回すことも容易と
なるから、散水の湯温を感知するにも操作性が良好とな
る。

《実施例》 本考案を図示の実施例によって詳記すれば、第１図と第
２図とにより示された実施例にあっては、既知の如く多
数の図示されていない散水通孔1aが穿設されている散水
部１を下端にもち、かつこれと連通の給水内室２をもっ
ている円筒状の散水兼握持部３を有し、当該散水兼握持
部３の側面３′には給水ホース４の連結口５が開口され
ている。

上記の散水兼握持部３は、前記の如き円筒状などの握持
し易い形状となっていて、前記給水内室２に連通する給
水出口6aと、連結口５に連通の給水入口6bとの間には、
下端側が底部6cにより閉成され、上端には開口6dの設け
られている空洞6eが、散水兼握持部３の上下方向への軸
心線上に形成されており、上記の給水入口6bと給水出口
6aとは、その軸線が互いに、シャワーヘッドの上下方向
へ変位した配置となっており、図中6fは前記散水通孔1a
の形成された散水板1bを、散水兼握持部３に取着するた
めの皿螺子で、この皿螺子6fが、空洞6e内の空気抜きと
しての役割を果すようにしてある。

次に、上記空洞6eには、前記底部6C側より、順次復帰用
スプリング6g、そして操作杆6hが重積状態にて内装して
あり、当該操作杆6hには、図示例にあって大径とした奥
側部6iと手許側部6jとにあって、その外周に被嵌した奥
側Ｏリング6kと手許側Ｏリング6lとが設けられていると
共に、当該両部6i,6jとの間は、細成軸部6mにより連設
され、従って上記両Ｏリング6k,6l間には、当該細成軸
部6mと空洞6eの内周面間に、連通空所Ｅが形成されるこ
ととなる。

ここで、上記の操作杆6hが復帰用スプリング6gの弾力に
より押圧され、その頭出操作部6nが、空洞6eから上方へ
延出するが、操作杆6hの抜出を阻止するため、当該第１
図、第２図の実施例では、散水兼握持部３の円形上面6
p,6qにビス6qにて取着した抜止板6rが、前記開口6dから
上方へ延出されており、当該抜止板6rに、前記手許側部
6jが衝当することで抜止状態となっており、図中6sは、
頭出操作部6nの上端に形成された指押部を示している。

上記の実施例によるシャワーヘッドを使用するには、連
結口５に水や湯を供給する給水ホース４を連結し、散水
兼握持部３を給水ホース４の基端部と共に握りしめるよ
うにして、親指などで操作杆6hの頭出操作部6nにおける
指押部6sを押入し、次にその解除を行うようにすればよ
く、この操作により散水兼握持部３の散水通孔からの散
水を、随時流出または遮断することができ、この際握っ
た手の小指、中指などを散水部１の下方へ回動させれ
ば、散水通孔1aからの散水につき、その温度が適温か否
かを、片手だけでも身を以って感知することが可能とな
る。

《考案の効果》 本願請求項(1)によるときは、シャワーヘッドが散水部
と握持部とを一体として、散水兼握持部としたから、こ
れを握りしめている片方の手のみでも、その指先を用い
ての押下操作と、その解除だけにより、シャワーヘッド
からの散水を、随時流出させたり停止させたりすること
ができるから、特に身体不自由者などを入浴させている
介護者にとって、その労力を大幅に軽減できるのはもち
ろん、入浴者は待たされることなく、速やかに湯水の供
与を受けることができると共に、介護者が握った手の指
先等で、容易に散水温の適否を知ることがきるので、老
人の入浴などに際し、危険な低温や高温の不本意な散水
を、完全に阻止することができる。

請求項(2)によるときは、散水兼握持部が円筒状にて持
ち易く、かつ操作杆が軸心で上方に突出していることか
ら、その押下操作が行い易く、しかも散水温の感知操作
も楽に、散水兼握持部を落してしまうといったことなく
行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図と第２図は本考案に係るシャワーヘッドの一実施
例による夫々散水停止状態と散水状態を示した一部切欠
の各側面図、第３図は同上シャワーヘッドの上面図であ
る。 1a……散水通孔 ２……給水内室 ３……散水兼握持部 ３′……散水兼握持部の側面 ４……給水ホース ５……連結口 6a……給水出口 6b……給水入口 6d……開口 6e……空洞 6g……復帰用スプリング 6k……奥側Ｏリング 6l……手許側Ｏリング 6m……細成軸部 6n……頭出操作部 6p……円形上面 6s……指押部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】下端面に多数の散水通孔を有し、側面に給
   水ホースの連結口を有する散水兼握持部には、前記散水
   通孔に臨設する給水内室と連通の給水出口と、上記連結
   口と連通の給水入口との間にあって、下端側が閉成で、
   上端側の開口された空洞を介設し、当該空洞には、操作
   杆と、これを上方へ付勢する復帰用スプリングとを内装
   し、当該操作杆には、その上端に指押部を、奥側部と手
   許側部とに被嵌して前記空洞の内周壁に摺動自在なるよ
   う当接した夫々奥側Ｏリングと手許側Ｏリングとを設け
   ると共に、上記両部間を連設した細成軸部と、前記復帰
   用スプリングの弾力によって空洞から所定位置まで上方
   へ延出した頭出操作部とを有し、当該頭出操作部が空洞
   から頭出している状態にて、前記の奥側Ｏリングは前記
   給水出口と給水入口との間に、手許側Ｏリングは給水入
   口よりも頭出操作部側に位置させ、当該頭出操作部の前
   記復帰用スプリングの弾力に抗した押入操作状態では、
   奥側Ｏリングが給水出口よりも復帰用スプリング側に位
   置し、手許側Ｏリングは給水入口よりも頭出操作部寄り
   に位置することで、給水入口と給水出口とが、前記細成
   軸部の周側に形成された連通空所により連通自在となる
   よう形成されてなるシャワーヘッド。
2. 【請求項２】散水兼握持部が円筒状に形成され、空洞か
   ら頭出操作部を上方へ突出させた操作杆が、散水兼握持
   部の円形上面中心位置に配設されている請求項(1)記載
   のシャワーヘッド。