JPH06223641A - 超電導導体とそれを用いた超電導限流器トリガコイル - Google Patents
超電導導体とそれを用いた超電導限流器トリガコイルInfo
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- JPH06223641A JPH06223641A JP5013874A JP1387493A JPH06223641A JP H06223641 A JPH06223641 A JP H06223641A JP 5013874 A JP5013874 A JP 5013874A JP 1387493 A JP1387493 A JP 1387493A JP H06223641 A JPH06223641 A JP H06223641A
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E40/00—Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
- Y02E40/60—Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment
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- Containers, Films, And Cooling For Superconductive Devices (AREA)
- Emergency Protection Circuit Devices (AREA)
- Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、断面積が従来のものと同じレベル
で通電容量を上げることを目的とする。 【構成】 超電導素線1aの1.5〜5倍の径を持つ絶
縁体芯線1cを中心に複数本の超電導素線1aを撚り合
わせて1次撚線1bとし、この1次撚線1bの1.5〜
5倍の径を持つ絶縁体芯線1eを中心に複数本の1次撚
線1bを撚り合わせた2次撚線1dで構成したことを特
徴とする。そして、このような超電導導体が、内・外同
軸に配備された絶縁材料製のそれぞれの巻枠2a,ac
に、規定電流通電時における導体近傍の磁界値が0.5
T(テスラ)以下となるような最小ピッチdで互いに逆
向きに巻回されてなることを特徴とする。
で通電容量を上げることを目的とする。 【構成】 超電導素線1aの1.5〜5倍の径を持つ絶
縁体芯線1cを中心に複数本の超電導素線1aを撚り合
わせて1次撚線1bとし、この1次撚線1bの1.5〜
5倍の径を持つ絶縁体芯線1eを中心に複数本の1次撚
線1bを撚り合わせた2次撚線1dで構成したことを特
徴とする。そして、このような超電導導体が、内・外同
軸に配備された絶縁材料製のそれぞれの巻枠2a,ac
に、規定電流通電時における導体近傍の磁界値が0.5
T(テスラ)以下となるような最小ピッチdで互いに逆
向きに巻回されてなることを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、短絡電流抑制用の超電
導限流器トリガコイル等に用いられる超電導導体とそれ
を用いた超電導限流器トリガコイルに関する。
導限流器トリガコイル等に用いられる超電導導体とそれ
を用いた超電導限流器トリガコイルに関する。
【0002】
【従来の技術】図6は、従来の超電導限流器用トリガコ
イルの構成例を示している。同図において6aは共通磁
心であり、この上に超電導導体からなるトリガコイル6
b,6cが互いに逆方向に結線されて巻かれている。逆
方向に巻かれたトリガコイル6bと6cは、通電時に互
いの自己磁界を打ち消し合い、トリガコイルは無誘導状
態となる。
イルの構成例を示している。同図において6aは共通磁
心であり、この上に超電導導体からなるトリガコイル6
b,6cが互いに逆方向に結線されて巻かれている。逆
方向に巻かれたトリガコイル6bと6cは、通電時に互
いの自己磁界を打ち消し合い、トリガコイルは無誘導状
態となる。
【0003】図7は、上記の超電導限流器用トリガコイ
ルに用いられている超電導導体の断面を示している。超
電導導体は、補強材7aの周りに6本の超電導素線7b
が撚線されて1次撚線7dが形成され、補強材7cの周
りに6本のその1次撚線7dが撚線された2次撚線で構
成されている。補強材7aは超電導素線7bと同径、補
強材7cは1次撚線7dと同径である。この構成は交流
用超電導導体としては典型的なものである。
ルに用いられている超電導導体の断面を示している。超
電導導体は、補強材7aの周りに6本の超電導素線7b
が撚線されて1次撚線7dが形成され、補強材7cの周
りに6本のその1次撚線7dが撚線された2次撚線で構
成されている。補強材7aは超電導素線7bと同径、補
強材7cは1次撚線7dと同径である。この構成は交流
用超電導導体としては典型的なものである。
【0004】トリガコイルの動作原理は、定常時にゼロ
抵抗でかつ無誘導状態で運転しているが、ここに短絡電
流のような数十kAの過電流が流れようとすると超電導導
体がクエンチし、瞬時に高抵抗体となり過電流を抑制す
る仕組みである。従来のトリガコイルでは、例えば定常
運転電流が約1500Ar.m.s、クエンチ時の抵抗が10
Ω程度のものが得られている。定常運転電流値とクエン
チ抵抗値はトリガコイルの性能を決定する主な因子であ
るが、これに加えて定常運転時の超電導導体の交流損失
も重要である。交流損失は超電導導体の体積に比例して
大きくなり、上述のトリガコイルでは2W以下に抑えら
れている。これは液体ヘリウムを冷却するための冷凍機
の現在の性能を考えると極力小さくすることが望まし
い。
抵抗でかつ無誘導状態で運転しているが、ここに短絡電
流のような数十kAの過電流が流れようとすると超電導導
体がクエンチし、瞬時に高抵抗体となり過電流を抑制す
る仕組みである。従来のトリガコイルでは、例えば定常
運転電流が約1500Ar.m.s、クエンチ時の抵抗が10
Ω程度のものが得られている。定常運転電流値とクエン
チ抵抗値はトリガコイルの性能を決定する主な因子であ
るが、これに加えて定常運転時の超電導導体の交流損失
も重要である。交流損失は超電導導体の体積に比例して
大きくなり、上述のトリガコイルでは2W以下に抑えら
れている。これは液体ヘリウムを冷却するための冷凍機
の現在の性能を考えると極力小さくすることが望まし
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで上述のような
超電導導体を用いたトリガコイルの定常運転電流をさら
に上げようとする場合、超電導導体の径を増やすという
形で解決するのが通常考えられる手段である。しかし、
ただ導体径を増やしただけではクエンチ抵抗が小さくな
り、有効な限流特性が得られない。トリガコイルを構成
する超電導導体の長さを延ばしてクエンチ抵抗を稼ぐこ
ともできるが、超電導導体の体積に比例して交流損失が
大きくなる。従来のトリガコイルではクエンチ抵抗、交
流損失とも限流器として機能する上で限界値にあるの
で、この値を変えずに定常運転電流を上げなくてはなら
ない。この問題を解決するためには超電導導体の体積を
変えずに通常能力を上げる必要がある。即ち超電導導体
の許容電流密度を上げなければならない。
超電導導体を用いたトリガコイルの定常運転電流をさら
に上げようとする場合、超電導導体の径を増やすという
形で解決するのが通常考えられる手段である。しかし、
ただ導体径を増やしただけではクエンチ抵抗が小さくな
り、有効な限流特性が得られない。トリガコイルを構成
する超電導導体の長さを延ばしてクエンチ抵抗を稼ぐこ
ともできるが、超電導導体の体積に比例して交流損失が
大きくなる。従来のトリガコイルではクエンチ抵抗、交
流損失とも限流器として機能する上で限界値にあるの
で、この値を変えずに定常運転電流を上げなくてはなら
ない。この問題を解決するためには超電導導体の体積を
変えずに通常能力を上げる必要がある。即ち超電導導体
の許容電流密度を上げなければならない。
【0006】そこで、本発明は、断面積が従来のものと
同じレベルで通電容量を上げることができる超電導導体
とそれを用いた超電導限流器トリガコイルを提供するこ
とを目的とする。
同じレベルで通電容量を上げることができる超電導導体
とそれを用いた超電導限流器トリガコイルを提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の超電導導体は上
記課題を解決するために、超電導素線の1.5〜5倍の
径を持つ絶縁体芯線を中心に複数本の前記超電導素線を
撚り合わせて1次撚線とし、該1次撚線の1.5〜5倍
の径を持つ絶縁体芯線を中心に複数本の前記1次撚線を
撚り合わせた2次撚線で構成してなることを要旨とす
る。
記課題を解決するために、超電導素線の1.5〜5倍の
径を持つ絶縁体芯線を中心に複数本の前記超電導素線を
撚り合わせて1次撚線とし、該1次撚線の1.5〜5倍
の径を持つ絶縁体芯線を中心に複数本の前記1次撚線を
撚り合わせた2次撚線で構成してなることを要旨とす
る。
【0008】また、本発明の超電導限流器トリガコイル
は、上記超電導導体が、内・外同軸に配備された絶縁材
料製のそれぞれの巻枠に、規定電流通電時における導体
近傍の磁界値が0.5T(テスラ)以下となるような最
小ピッチで互いに逆向きに巻回されてなることを要旨と
する。
は、上記超電導導体が、内・外同軸に配備された絶縁材
料製のそれぞれの巻枠に、規定電流通電時における導体
近傍の磁界値が0.5T(テスラ)以下となるような最
小ピッチで互いに逆向きに巻回されてなることを要旨と
する。
【0009】
【作用】超電導導体の通電能力は、導体外周部近傍の磁
界値に依存する。上記構成とすることにより、超電導導
体の断面に占める良導体の断面積を従来と同じとしたと
き、導体径の値は従来よりも大になる。したがって、導
体外周部近傍の自己磁界値が低く抑えられ、導体の断面
積が従来のものと同じレベルで通電容量を上げることが
可能となる。
界値に依存する。上記構成とすることにより、超電導導
体の断面に占める良導体の断面積を従来と同じとしたと
き、導体径の値は従来よりも大になる。したがって、導
体外周部近傍の自己磁界値が低く抑えられ、導体の断面
積が従来のものと同じレベルで通電容量を上げることが
可能となる。
【0010】そして、このような超電導導体を用いるこ
とにより、定常運転電流を向上した超電導限流器トリガ
コイルを得ることができる。
とにより、定常運転電流を向上した超電導限流器トリガ
コイルを得ることができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は、本発明の第1実施例である超電導導体の
断面を示している。超電導素線1aは従来使用されてい
るものと同様のものが用いられている。この超電導素線
1aの3倍の径を持つ例えば炭素繊維(炭素は通常導電
性が高いと考えられるが、共有結合であるから液体ヘリ
ウム温度では絶縁体に近い)からなる絶縁体芯線1cを
中心に12本の超電導素線1aが撚り合わされて1次撚
線1bが形成されている。2次撚線1dは、1次撚線1
bの3倍の径を持つ例えば炭素繊維からなる絶縁体芯線
1eを中心に12本の1次撚線1bが撚り合わされて形
成され、この2次撚線1dにより超電導導体が構成され
ている。以下、超電導導体というときも2次撚線と同符
号1dを用いる。
する。図1は、本発明の第1実施例である超電導導体の
断面を示している。超電導素線1aは従来使用されてい
るものと同様のものが用いられている。この超電導素線
1aの3倍の径を持つ例えば炭素繊維(炭素は通常導電
性が高いと考えられるが、共有結合であるから液体ヘリ
ウム温度では絶縁体に近い)からなる絶縁体芯線1cを
中心に12本の超電導素線1aが撚り合わされて1次撚
線1bが形成されている。2次撚線1dは、1次撚線1
bの3倍の径を持つ例えば炭素繊維からなる絶縁体芯線
1eを中心に12本の1次撚線1bが撚り合わされて形
成され、この2次撚線1dにより超電導導体が構成され
ている。以下、超電導導体というときも2次撚線と同符
号1dを用いる。
【0012】図2は、上述の超電導導体1dを用いて形
成された超電導限流器用トリガコイルを示している。巻
枠2aに超電導導体1dが、規定電流通電時に導体近傍
の磁界値が0.5T(テスラ)以下となるような巻ピッ
チdで各巻線間に絶縁空隙を有するように巻回されて内
側コイル2dが形成されている。また内側コイル2dと
同軸的に外側に設置された巻枠2cに内側コイル2dと
同様な巻ピッチdで内側コイル2dと逆向きに超電導導
体1dが巻回されて外側コイル2eが形成されている。
内側コイル2dと外側コイル2eとは両端が短絡され、
両コイル2d,2eに電流を流したとき、互いの発生す
る磁界を打ち消し合うような構成になっている。
成された超電導限流器用トリガコイルを示している。巻
枠2aに超電導導体1dが、規定電流通電時に導体近傍
の磁界値が0.5T(テスラ)以下となるような巻ピッ
チdで各巻線間に絶縁空隙を有するように巻回されて内
側コイル2dが形成されている。また内側コイル2dと
同軸的に外側に設置された巻枠2cに内側コイル2dと
同様な巻ピッチdで内側コイル2dと逆向きに超電導導
体1dが巻回されて外側コイル2eが形成されている。
内側コイル2dと外側コイル2eとは両端が短絡され、
両コイル2d,2eに電流を流したとき、互いの発生す
る磁界を打ち消し合うような構成になっている。
【0013】次に、本実施例の作用を説明する。本実施
例の超電導導体1dは、従来の6×6本撚線構成の超電
導導体と2次撚線径を比較すると、超電導素線の径が等
しいとき、2.8倍となる。導体外周部近傍の自己磁界
値はアンペアの周回路の法則 B=μ0 ・I/2πr (T) I:電流値 r:導体中心からの距離 で求められる。導体外周部近傍の磁界値は、上式中のr
を大きくすることによって抑制できる。したがって上記
条件のとき、本実施例の超電導導体1dは従来のものと
比較して自己磁界値が1/2.8となる。この効果は図
4に示すように電流値が大きくなるほど有効である。同
図中、4aは本実施例の超電導導体の自己磁界−電流依
存性、4bは従来の超電導導体の自己磁界−電流依存性
である。
例の超電導導体1dは、従来の6×6本撚線構成の超電
導導体と2次撚線径を比較すると、超電導素線の径が等
しいとき、2.8倍となる。導体外周部近傍の自己磁界
値はアンペアの周回路の法則 B=μ0 ・I/2πr (T) I:電流値 r:導体中心からの距離 で求められる。導体外周部近傍の磁界値は、上式中のr
を大きくすることによって抑制できる。したがって上記
条件のとき、本実施例の超電導導体1dは従来のものと
比較して自己磁界値が1/2.8となる。この効果は図
4に示すように電流値が大きくなるほど有効である。同
図中、4aは本実施例の超電導導体の自己磁界−電流依
存性、4bは従来の超電導導体の自己磁界−電流依存性
である。
【0014】次いで、本実施例の超電導導体と従来の超
電導導体で導体断面を占める良導体の量が同じ場合、即
ちクエンチ抵抗を同じにした場合の2次撚線径の差を述
べる。従来の超電導導体は超電導素線の6×6本撚線で
あるが撚線中心のCu−30%Niも導電体であるので
7×7本撚線として撚線径の差を求める。本実施例の超
電導導体における超電導素線径をαとすると、従来の超
電導導体は超電導素線径を1.71αとしたとき良導体
の断面積が等しくなる。これを双方撚線した場合、本実
施例の超電導導体の2次撚線径は25α、従来の超電導
導体の2次撚線径は15.4αとなる。従って、自己磁
界値の差は本実施例の超電導導体は従来のものと比較し
て1/1.6となる。また同超電導導体で構成されるト
リガコイルを隣接する超電導導体の発生する磁界の影響
の少ない適切な巻ピッチとし、導体外周部は自己磁界に
近い状態とすることによって通電容量を増大させること
が可能となる。このように超電導導体外周部近傍の磁界
値を低く抑えるのは、この磁界値により超電導導体の通
電能力が決まっているためである。図3にトリガコイル
のクエンチ電流値と超電導導体外周部の磁界値との関係
を示す。同図は5種類のトリガコイルについてクエンチ
電流値を測定した結果であるが、どれも一定磁界値に達
したところでクエンチしている。このトリガコイルを構
成している超電導導体は6×6本撚線構成で、超電導素
線の通電能力の36倍のクエンチ電流値を期待できる
が、実測結果は期待値の1/2程度である。この結果か
らトリガコイルの通電能力が導体外周部近傍の磁界値に
依存していることは明らかである。従って、本実施例の
超電導導体で形成したトリガコイルは、その通電容量を
上げることが可能である。
電導導体で導体断面を占める良導体の量が同じ場合、即
ちクエンチ抵抗を同じにした場合の2次撚線径の差を述
べる。従来の超電導導体は超電導素線の6×6本撚線で
あるが撚線中心のCu−30%Niも導電体であるので
7×7本撚線として撚線径の差を求める。本実施例の超
電導導体における超電導素線径をαとすると、従来の超
電導導体は超電導素線径を1.71αとしたとき良導体
の断面積が等しくなる。これを双方撚線した場合、本実
施例の超電導導体の2次撚線径は25α、従来の超電導
導体の2次撚線径は15.4αとなる。従って、自己磁
界値の差は本実施例の超電導導体は従来のものと比較し
て1/1.6となる。また同超電導導体で構成されるト
リガコイルを隣接する超電導導体の発生する磁界の影響
の少ない適切な巻ピッチとし、導体外周部は自己磁界に
近い状態とすることによって通電容量を増大させること
が可能となる。このように超電導導体外周部近傍の磁界
値を低く抑えるのは、この磁界値により超電導導体の通
電能力が決まっているためである。図3にトリガコイル
のクエンチ電流値と超電導導体外周部の磁界値との関係
を示す。同図は5種類のトリガコイルについてクエンチ
電流値を測定した結果であるが、どれも一定磁界値に達
したところでクエンチしている。このトリガコイルを構
成している超電導導体は6×6本撚線構成で、超電導素
線の通電能力の36倍のクエンチ電流値を期待できる
が、実測結果は期待値の1/2程度である。この結果か
らトリガコイルの通電能力が導体外周部近傍の磁界値に
依存していることは明らかである。従って、本実施例の
超電導導体で形成したトリガコイルは、その通電容量を
上げることが可能である。
【0015】図5には、本発明の第2実施例を示す。本
実施例では、超電導素線5aの2倍の径を持つ例えば炭
素繊維からなる絶縁体芯線5cを中心に9本の超電導素
線5aが撚り合わされて1次撚線5bが形成され、この
1次撚線5bの2倍の径を持つ例えば炭素繊維からなる
絶縁体芯線5eを中心に9本の1次撚線5bが撚り合わ
されて2次撚線5dが形成されている。この2次撚線5
dにより、9×9本撚線構成の超電導導体が形成されて
いる。本実施例の超電導導体5dは、従来の6×6本撚
線構成の超電導導体と2次撚線径を比較すると、超電導
素線の径が等しいとき、約1.8倍となる。これにより
導体外周部近傍の自己磁界値は約25%程度小さくな
り、これに応じて通電容量を増大させることが可能とな
る。
実施例では、超電導素線5aの2倍の径を持つ例えば炭
素繊維からなる絶縁体芯線5cを中心に9本の超電導素
線5aが撚り合わされて1次撚線5bが形成され、この
1次撚線5bの2倍の径を持つ例えば炭素繊維からなる
絶縁体芯線5eを中心に9本の1次撚線5bが撚り合わ
されて2次撚線5dが形成されている。この2次撚線5
dにより、9×9本撚線構成の超電導導体が形成されて
いる。本実施例の超電導導体5dは、従来の6×6本撚
線構成の超電導導体と2次撚線径を比較すると、超電導
素線の径が等しいとき、約1.8倍となる。これにより
導体外周部近傍の自己磁界値は約25%程度小さくな
り、これに応じて通電容量を増大させることが可能とな
る。
【0016】上述のように、本実施例の超電導導体は、
製造方法上問題がない限り絶縁体芯線径を超電導素線径
よりも大にしてn×n本撚線という形で導体径を大きく
していくことができる。超電導素線径に対する絶縁体芯
線径の倍数は、1.5倍で超電導導体径は約1.4倍と
なり通電容量を有効に増大させることができる。したが
って最小倍数は1.5倍程度とされる。一方、最大倍数
は実用上5倍程度に抑えられる。
製造方法上問題がない限り絶縁体芯線径を超電導素線径
よりも大にしてn×n本撚線という形で導体径を大きく
していくことができる。超電導素線径に対する絶縁体芯
線径の倍数は、1.5倍で超電導導体径は約1.4倍と
なり通電容量を有効に増大させることができる。したが
って最小倍数は1.5倍程度とされる。一方、最大倍数
は実用上5倍程度に抑えられる。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
超電導素線の1.5〜5倍の径を持つ絶縁体芯線を中心
に複数本の超電導素線を撚り合わせて1次撚線とし、こ
の1次撚線の1.5〜5倍の径を持つ絶縁体芯線を中心
に複数本の前記1次撚線を撚り合わせた2次撚線で構成
したため、超電導導体の断面に占める良導体の断面積を
従来と同じとしたとき導体径の値が従来より大になり、
導体外周部近傍の磁界値を低く抑えることができるの
で、断面積が従来のものと同じレベルで通電容量を上げ
ることができる。即ち導体素線当たりの通電効率を改善
することができる。そして、このような超電導導体を超
電導限流器トリガコイルに用いることにとより、定常運
転電流を向上することができる。
超電導素線の1.5〜5倍の径を持つ絶縁体芯線を中心
に複数本の超電導素線を撚り合わせて1次撚線とし、こ
の1次撚線の1.5〜5倍の径を持つ絶縁体芯線を中心
に複数本の前記1次撚線を撚り合わせた2次撚線で構成
したため、超電導導体の断面に占める良導体の断面積を
従来と同じとしたとき導体径の値が従来より大になり、
導体外周部近傍の磁界値を低く抑えることができるの
で、断面積が従来のものと同じレベルで通電容量を上げ
ることができる。即ち導体素線当たりの通電効率を改善
することができる。そして、このような超電導導体を超
電導限流器トリガコイルに用いることにとより、定常運
転電流を向上することができる。
【図1】本発明に係る超電導導体の第1実施例を示す断
面図である。
面図である。
【図2】上記第1実施例の超電導導体を用いて形成した
超電導限流器トリガコイルを一部側断面で示す構成図で
ある。
超電導限流器トリガコイルを一部側断面で示す構成図で
ある。
【図3】クエンチ電流値の磁界依存性を示す特性図であ
る。
る。
【図4】上記第1実施例の超電導導体における導体外周
部に発生する自己磁界の電流値依存性を比較例とともに
示す特性図である。
部に発生する自己磁界の電流値依存性を比較例とともに
示す特性図である。
【図5】本発明の第2実施例を示す断面図である。
【図6】従来の超電導限流器トリガコイルの構成図であ
る。
る。
【図7】従来の超電導導体の断面図である。
1a,5a 超電導素線 1b,5b 1次撚線 1c,5c 1次撚線の絶縁体芯線 1d,5d 2次撚線 1e,5e 2次撚線の絶縁体芯線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松崎 順 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 ▼つる▲永 和行 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 伊藤 大佐 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内
Claims (2)
- 【請求項1】 超電導素線の1.5〜5倍の径を持つ絶
縁体芯線を中心に複数本の前記超電導素線を撚り合わせ
て1次撚線とし、該1次撚線の1.5〜5倍の径を持つ
絶縁体芯線を中心に複数本の前記1次撚線を撚り合わせ
た2次撚線で構成してなることを特徴とする超電導導
体。 - 【請求項2】 請求項1記載の超電導導体が、内・外同
軸に配備された絶縁材料製のそれぞれの巻枠に、規定電
流通電時における導体近傍の磁界値が0.5T(テス
ラ)以下となるような最小ピッチで互いに逆向きに巻回
されてなることを特徴とする超電導限流器トリガコイ
ル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5013874A JPH06223641A (ja) | 1993-01-29 | 1993-01-29 | 超電導導体とそれを用いた超電導限流器トリガコイル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5013874A JPH06223641A (ja) | 1993-01-29 | 1993-01-29 | 超電導導体とそれを用いた超電導限流器トリガコイル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06223641A true JPH06223641A (ja) | 1994-08-12 |
Family
ID=11845378
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5013874A Pending JPH06223641A (ja) | 1993-01-29 | 1993-01-29 | 超電導導体とそれを用いた超電導限流器トリガコイル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06223641A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0772209A2 (en) * | 1995-11-01 | 1997-05-07 | Kabushiki Kaisha Y.Y.L. | Superconducting coil system |
KR101028817B1 (ko) * | 2005-05-25 | 2011-04-12 | 현대중공업 주식회사 | 무유도 권선형의 고온 초전도 전류 제한기 |
CN113507099A (zh) * | 2021-08-24 | 2021-10-15 | 北京智诺嘉能源科技有限公司 | 一种采用绞合导体的超导限流单元 |
-
1993
- 1993-01-29 JP JP5013874A patent/JPH06223641A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0772209A2 (en) * | 1995-11-01 | 1997-05-07 | Kabushiki Kaisha Y.Y.L. | Superconducting coil system |
EP0772209A3 (en) * | 1995-11-01 | 1997-08-27 | Y Y L Kk | Superconducting coil |
US6417751B1 (en) | 1995-11-01 | 2002-07-09 | Kabushiki Kaisha Y.Y.L. | Superconducting conductor system |
KR101028817B1 (ko) * | 2005-05-25 | 2011-04-12 | 현대중공업 주식회사 | 무유도 권선형의 고온 초전도 전류 제한기 |
CN113507099A (zh) * | 2021-08-24 | 2021-10-15 | 北京智诺嘉能源科技有限公司 | 一种采用绞合导体的超导限流单元 |
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