JPH06223318A - 複合型磁気ヘッド用コアとその製造方法 - Google Patents

複合型磁気ヘッド用コアとその製造方法

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JPH06223318A
JPH06223318A JP2600593A JP2600593A JPH06223318A JP H06223318 A JPH06223318 A JP H06223318A JP 2600593 A JP2600593 A JP 2600593A JP 2600593 A JP2600593 A JP 2600593A JP H06223318 A JPH06223318 A JP H06223318A
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JP
Japan
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ferrite
core
sliding contact
magnetic
glass
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JP2600593A
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Makoto Wakasugi
信 若杉
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Citizen Watch Co Ltd
Original Assignee
Citizen Watch Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気抵抗が揃って小さくなり、リード/ライ
ト特性が揃って良好になる複合型磁気ヘッド用コア構造
を提供することである。 【構成】 複合型磁気ヘッド用コア構造において、記録
兼再生用コア2の第1のフェライト部材Aと第2のフェ
ライト部材Bの摺接部16、18間に磁気ギャップ19
を形成し、両摺接部16、18に跨がるようにしてこれ
ら摺接部16、18の軸方向における磁路の両側部に、
その深さ寸法が一定の直線状で底面がフラットな溝であ
るトラック溝21を、両摺接部16、18の軸方向に全
長に亘って形成するによってリード/ライト側トラック
22を形成するようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複合型磁気ヘッド用コ
アとその製造方法に係わり、特に、記録兼再生用コアと
消去用コア等の二つのコアを組み合わせて構成される、
例えばフロッピーディスクドライブ用の複合型磁気ヘッ
ド用コアとその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から磁気ヘッドコアとして、コア材
料にフェライトを用いて構成したフェライトコアが知ら
れている。そして、このフェライトコアは、一般に、一
対のフェライト部材にて構成されたリング形状をなすも
のであって、それにより環状の磁路(磁気回路)が構成
される一方、それらフェライト部材の一方の対向部間に
該磁路を横切る方向に所定間隙の磁気ギャップが設けら
れており、この磁気ギャップによって、それを挟むフェ
ライト部材の外面を摺接せしめられる磁気ディスク等の
磁気記録媒体に対して、周知のごとく所定の記録や再生
が行われ得るようになっている。また、この組み合わさ
れる二つのフェライト部材の間には空間が形成され、そ
れがコイル巻線用の孔とされている。
【0003】ところで、このようなフェライトコアにあ
っては、それが単独で使用される場合の他、その二つを
組み合わせて一体化した複合型の磁気ヘッド用コアとし
て用いられる場合があり、その一例が特公平2−470
02号公報及び特公平3−11002号公報に示されて
いるが、ここで従来例として改めて図14及び図15に
示す。図14は従来の複合型磁気ヘッド用コア構造を備
えた複合型磁気ヘッドの斜視図であり、図15は従来の
複合型磁気ヘッド用コア構造の斜視図である。
【0004】すなわち、従来の複合型磁気ヘッド用コア
71は、スライダ74と2個のコイル組立体(図示せ
ず)と2本のバックコア(図示せず)と共に、複合型磁
気ヘッド75を構成している。
【0005】複合型磁気ヘッド用コア71は、記録兼再
生用コア(リード/ライト・コア)72と消去用コア
(イレーズ・コア)73とを備えている。この記録兼再
生用コア72はアウターコア部76とインナーコア部7
7とを有し、このアウターコア部76は側面L字形状の
フェライト部材より成り、磁気記録媒体が摺接する摺接
部78と、前記コイル組立体のボビンの挿入孔に挿入さ
れるコイル芯部79とから成る。インナーコア部77は
側面I字形状のフェライト部材より成り、先側に摺接部
80を有している。そして、アウターコア部76とイン
ナーコア部77とはその摺接部78、80間に磁気ギャ
ップ(リード/ライト・ギャップ)81を形成してお
り、摺接部78、80には、磁気記録媒体に対して記録
や再生を行うためのリード/ライト側トラック83が形
成してある。
【0006】このリード/ライト側トラック83は、摺
接せしめられる磁気記録媒体の種類によって所定幅:w
となるように決定されることとなるが、このトラック幅
は、磁気ギャップ81の両側の磁路部分、すなわち両摺
接部78、80に跨がるようにしてこれら摺接部78、
80の軸方向における磁路の両側部に形成されたトラッ
ク溝84によって規定されている。これらのトラック溝
84は、傾斜溝であって、両摺接部78、80に跨がっ
て形成されている。
【0007】前記消去用コア73はアウターコア部85
とインナーコア部86とを有しており、このアウターコ
ア部85は側面L字形状のフェライト部材より成り、摺
接部87とコイル芯部88とから成る。インナーコア部
86は側面I字形状のフェライト部材より成り、先側に
摺接部89を有している。そして、アウターコア部85
とインナーコア部86とはその摺接部87、89間に磁
気ギャップ(イレーズ・ギャップ)90を形成してお
り、摺接部87、89の磁路の中央部と両側部とに、両
摺接部87、89に跨がるようにしてこれら摺接部8
7、89の軸方向に斜めにトラック溝91、92が形成
されていて、トラック溝91の左右の磁路がイレーズ側
トラック93とされている。
【0008】そして、記録兼再生用コア72と消去用コ
ア73とは、互いのインナーコア部77、86を所定の
間隙をもって背中合わせに配置されてインナーコア部7
7、86間の間隙、トラック溝84、91、92および
磁気ギャップ81、90内にガラス94が充填せしめら
れて、前記リード/ライト側、イレーズ側トラック8
3、93部分を保護している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】3.5インチFDD
は、そのアンフォ−マット記録容量が2Mバイトが目安
である。2Mバイトではトンネルイレーズであり、イレ
ーズ特性は規格に対し製品実力は十分余裕がある。例え
ば、スイープ・トラック・イレーズ(SweepTra
ck Erase)(STE)は規格−28dB以下に
対し実力は−40dB以下であるように。
【0010】ところが、リード/ライト(W/R)特性
は規格に対し製品実力は十分な余裕がない。特にSid
e1、例えば、2Fアウトプットでは規格1.3mVp
p以上に対し実力は名目上1.5mVpp程度、オーバ
ー・ライト(Over・Write)(OW)規格−2
8dB以下に対し実力は−30dB程度、レゾリューシ
ョン(Resolution)(Res)規格70%以
上に対し実力は75%程度である。
【0011】さらに、OW規格、Res規格に関して
は、種々のメーカー製ディスクに対して規格を満たすこ
とが必要であり、磁気ヘッドのリード/ライト特性は限
りなく揃っていることが要求される。
【0012】リード/ライト特性は記録兼再生用コア
(リード/ライト・コア)内の損失の大小およびこのコ
アとディスクの間で生じる損失の大小によって、バラつ
く性質がある。前者の損失の大きさを揃えるには記録兼
再生用コアの磁気抵抗を揃えることが大切である。
【0013】図16はフェライトコアの磁気抵抗を説明
するためのフェライトコア構造体の説明図であり、
(1)はフェライトコア構造体の正面図、(2)はフェ
ライトコア構造体の側面図である。図16において、コ
アの起磁力(インダクタンス)Lはコアの磁気抵抗Rに
反比例しコイル巻数Nの2乗に比例する。
【0014】
【数1】
【0015】
【数2】
【0016】
【数3】
【0017】この磁気抵抗Rcはトラック溝深さの変化
に応じて変化する。特にインナーコア部77はそれ自体
の磁気抵抗が大きいので、トラック溝深さはなるべく浅
く且つバラツキを小さくしたい。
【0018】図17はBH高さおよび溝入れ高さを計算
するための寸法表示を行ったフェライトコア構造体の正
面図であるが、前記複合型磁気ヘッド用コア71におい
ては、図17に示すようにBH高さは数4のようにな
る。
【0019】
【数4】
【0020】また、溝入れ高さは数5で表わされる。
【0021】
【数5】
【0022】この場合、基準面である治具のワ−ク当た
り面が傾斜しているために、治具の高さ精度が悪く、従
ってC寸法の精度が悪くなるので、このC寸法は大きく
設定せざるを得ない。このため、磁気抵抗Rは大きくな
っていた。
【0023】また、傾斜したトラック溝84の方が、水
平なトラック溝に比べてインナ−コア部に深く切り込ま
れるので磁気抵抗Rがより大になるが、インナーコア部
77のフェライト部材はもともと薄くて磁気抵抗Rが大
であり、なお大きくするのは好ましくない。
【0024】また、図18はフェライトコア構造体にお
けるギャップ切り離し部を見るための説明図であるが、
図18のように傾斜したトラック溝84では反射光イが
目にはいらないので、ギャップ切り離し部寸法Qが見え
ないという問題点があった。
【0025】また、従来の記録兼再生用コア72では、
そのトラック溝84の部分にのみガラス94が充填して
あり、摺接部78の他の部分はフェライト部材そのまま
であるために、このフェライト部分が欠けて信号を読み
ノイズとなることがあるために、このフェライト部分に
欠けを生じないように加工する必要があり、そのため
に、加工スピードを上げることができないという問題点
があった。
【0026】また、図19、図20、図21は、図14
のそれぞれX線、Y線、Z線に沿った摺接面の状態を示
す断面図である。従来の複合型磁気ヘッド用コア71に
おいては、記録兼再生用コア72部分のX線断面では、
製造工程で水溶液でラップするために、図19に示すよ
うに記録兼再生用コア72のインナーコア部77のリー
ド/ライト側トラック83の左右方の高融点ガラス部a
は0.02μm程度引っ込むし、低融点ガラス部bでは
0.05μm程度引っ込む。また、消去用コア73のY
線断面部分では、図20に示すようにインナーコア部8
6のイレーズ側トラック93の左、右方の高融点ガラス
部cでは0.02μm程度引っ込むし、低融点ガラス部
dでは0.05μm程度引っ込む。更に、Z線断面で
は、図21に示すように高融点ガラス部eが引っ込み、
記録兼再生用コア72のインナーコア部77がセンター
シールド部fに向かってやや左下がりになる傾向があ
る。
【0027】このように、磁気ギャップ(リード/ライ
ト・ギャップ)81、磁気ギャップ(イレーズ・ギャッ
プ)90付近にガラスが集中するのでガラス94に段差
が生じ、磁気ギャップ(リード/ライト・ギャップ)8
1がその周辺より0.005〜0.01μm引っ込み、
これがスペーシング・ロス(Spacing・Los
s)となり、リード/ライト特性が10〜20%低下す
るという問題点があった。 また、記録兼再生用コア7
2および消去用コア73のトラック溝84、91、92
は共に傾斜溝であるために、記録兼再生用コア72と消
去用コア73の向きが目で分かりにくく、組立性を悪く
するという問題点があった。
【0028】本発明は、上記の問題点を解消するもので
あり、その第1の目的とするところは、磁気抵抗が小さ
くなって、リード/ライト特性が良好になるし、トラッ
ク溝の溝深さ精度および治具高さ精度が良くなるばかり
か、ギャップ切り離し部寸法Qが良く見えるようになる
し、また、加工スピードを上げることができるし、さら
には、記録兼再生用コアと消去用コアとの向きが分かり
易くなって組立性が向上する複合型磁気ヘッド用コアを
提供することにある。
【0029】また、本発明の第2の目的とするところ
は、上記した目的を達成する複合型磁気ヘッド用コアを
容易に且つ能率良く製造することができる複合型磁気ヘ
ッド用コアの製造方法を提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】上記の第1の目的を達成
するために、本発明は、第1のフェライト部材と第2の
フェライト部材とを、該両フェライト部材の間にコイル
巻線用孔が形成されるように組み合わせて、前記両フェ
ライト部材の両摺接部間に磁気ギャップを形成するよう
に接合した2組のフェライトコア構造体を有し、一方の
前記フェライトコア構造体の前記両摺接部の軸方向の磁
路に、該両摺接部に跨がるようにして直線状のトラック
溝を、その深さ寸法が前記コイル巻線用孔に達し、且つ
前記軸方向で略一定であり、前記両摺接部の該軸方向に
形成することによって、一方のトラックを形成し、他方
の前記フェライトコア構造体の前記両摺接部の軸方向の
磁路に、該両摺接部に跨がるようにして、該両摺接部の
軸方向に斜めにトラック溝を、その深さ寸法が前記コイ
ル巻線用孔に達するように形成することによって、他方
のトラックを形成し、前記両フェライトコア構造体を、
互いの第2のフェライト部材を所定の間隙をもって背中
合わせに配置し、該第2のフェライト部材間の間隙、前
記トラック溝及び前記磁気ギャップ内にガラスを充填せ
しめたことを特徴とする。
【0031】また、上記の第2の目的を達成するため
に、第1のフェライト部材と第2のフェライト部材と
を、これら両フェライト部材の間にコイル巻線用孔が形
成されるように組み合わせて接合し、前記両フェライト
部材の対向する一方の端部間に、前記磁路を横切る方向
に所定の磁気ギャップを形成したフェライトコア構造体
を2組形成する工程と、一方の該フェライトコア構造体
の、前記両フェライト部材の両摺接部の軸方向の磁路
に、該両摺接部に跨がるようにして、該両摺接部の軸方
向に斜めにトラック溝を形成することによってトラック
を形成する工程と、他方の前記フェライトコア構造体
の、前記両フェライト部材の両摺接部の軸方向の磁路
に、該両摺接部に跨がるようにして、その深さ寸法が該
軸方向で略一定の直線状のトラック溝を形成することに
よってトラックを形成する工程と、前記両フェライトコ
ア構造体を、各々の第2のフェライト部材部分を背中合
わせにして所定の間隙をもって組み合わせ、前記両フェ
ライトコア構造体に設けられた前記トラックが、所定の
位置関係になるように組み合わされる工程と、組み合わ
された前記2組のフェライトコア構造体の上にガラスを
載置して、該ガラスを加熱溶融せしめることによって、
前記両フェライトコア構造体の間の間隙内に前記ガラス
を浸透せしめて、前記2組のフェライトコア構造体を一
体的に接着せしめる工程とを備えたことを特徴とする。
【0032】
【作用】本発明の複合型磁気ヘッド用コアによれば、第
1のフェライト部材と第2のフェライト部材の摺接部間
に磁気ギャップを形成し、両摺接部に跨がるようにして
これら摺接部の軸方向における磁路の両側部に、その深
さ寸法がこの軸方向で略一定の直線状のトラック溝を形
成することによってトラックを形成したので、B寸法
(BH−溝高さ)は小さく、またバラツキも小さくなっ
て、磁気抵抗Rが小さくなり、リード/ライト特性が揃
い良好になるし、また、トラック溝が深さ寸法が摺接部
の軸方向で略一定の直線状であるために、溝深さ精度が
良くなるし、治具のワ−ク当たり面高さ精度が良くな
り、また、フェライトコア構造体が単純な面の当接で落
ち着きが良くなるばかりか、ガラス内部が良く見えて、
ギャップ切り離し部寸法Qが良く見えるようになるし、
また、フェライト部材のエッジが欠けると信号を読むの
でノイズになるが、直線状のトラック溝にはガラスが充
填されており、このガラスに加工チッピングがあっても
ノイズを読むことがないために、加工スピードを上げる
ことができる。
【0033】また、磁気ギャップ付近だけでなく、記録
兼再生用(または記録用)コアの全長に亘りガラスが配
置してあるので、磁気ギャップ付近のみが凹むことがな
く、スペーシング・ロスが小さくなって、リード/ライ
ト(またはリ−ド)特性の低下を無くすことができる。
また、記録兼再生用コアと消去用コアとのトラック溝の
形状が異なるために、複合磁気コアの向きが判別し易く
なって組立性が向上する。
【0034】また、本発明の複合型磁気ヘッド用コアの
製造方法によれば、上記した目的を達成する複合型磁気
ヘッド用コアを容易に且つ能率良く製造することができ
る。
【0035】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は本発明に係わる複合型磁気ヘッド用コア
を備えた複合型磁気ヘッドの斜視図、図2は同複合型磁
気ヘッドの裏側方向からの分解斜視図、図3は本発明に
係わる複合型磁気ヘッド用コアの斜視図である。
【0036】複合型磁気ヘッド用コア1は、スライダ4
と2個のコイル組立体5と2本のバックコア6と共に、
複合型磁気ヘッド7を構成している。スライダ4は非磁
性体であって、その表面部にはコア挿入用孔部8が形成
してあって、このコア挿入用孔部8に複合型磁気ヘッド
用コア1が挿入される。また、コイル組立体5はボビン
9にコイル10を装着したものであり、ボビン9の中心
には挿入孔11が形成してあり、ボビン9の端部には端
子12が設けてあって、挿入孔11には前記複合型磁気
ヘッド用コア1の後述する記録兼再生用コアと消去用コ
アの夫々のアウターコア部が挿入されている。
【0037】前記複合型磁気ヘッド7はジンバルバネ
(図示せず)に保持されており、端子12にはFPC
(図示せず)が接続される。
【0038】複合型磁気ヘッド用コア1は、トンネルイ
レーズ・ヘッドのバルク・タイプであり、記録兼再生用
コア(リード/ライト・コア)2と消去用コア(イレー
ズ・コア)3とを備えていて、この記録兼再生用コア2
及び消去用コア3はMnZnフェライト材を主として製
作されている。
【0039】前記録兼再生用コア2はアウターコア部1
3とインナーコア部15とを有し、このアウターコア部
13は側面L字形状のフェライト部材(第1のフェライ
ト部材)から成り、磁気記録媒体が摺接する摺接部16
と、前記コイル組立体5のボビン9の挿入孔11に挿入
されるコイル芯部17とから成る。インナーコア部15
は側面I字形状のフェライト部材(第2のフェライト部
材)より成り、先側に摺接部18を有している。そし
て、アウターコア部13とインナーコア部15とはその
摺接部16、18間に磁気ギャップ(リード/ライト・
ギャップ)19を形成しており、摺接部16、18に
は、磁気記録媒体に対して記録や再生を行うためのリー
ド/ライト側トラック22が形成してある。このリード
/ライト側トラック22は、摺接せしめられる磁気記録
媒体の種類によって所定幅:wとなるように決定される
こととなるが、このトラック幅は、磁気ギャップ19の
両側の磁路部分、すなわち両摺接部16、18に跨がる
ようにしてこれら摺接部16、18の軸方向における磁
路の両側部に形成されたトラック溝21によって規定さ
れている。これらのトラック溝21は、その深さ寸法が
前記軸方向で一定の直線状の溝であって、両摺接部1
6、18の全長に亘って形成されている。
【0040】前記消去用コア3はアウターコア部14と
インナーコア部24とを有しており、このアウターコア
部14は側面L字形状のフェライト部材(第1のフェラ
イト部材)から成り、摺接部25とコイル芯部26とか
ら成る。インナーコア部24は側面I字形状のフェライ
ト部材(第2のフェライト部材)から成り、先側に摺接
部27を有している。そして、アウターコア部14とイ
ンナーコア部24とはその摺接部25、27間に磁気ギ
ャップ(イレーズ・ギャップ)28を形成しており、摺
接部25、27の磁路の中央部と両側部とに、両摺接部
25、27に跨がるようにしてこれら摺接部25、27
の軸方向に斜めにトラック溝30、31が形成されてい
て、トラック溝30の左右の磁路がイレーズ側トラック
32にされている。
【0041】そして、記録兼再生用コア2と消去用コア
3とは、互いのインナーコア部15、24を所定の間隙
を存して背中合わせに配置されてインナーコア部15、
24間の間隙、トラック溝21、30、31および磁気
ギャップ19、28内にガラス20が充填せしめられ
て、リード/ライト側トラック22、イレーズ側トラッ
ク32部分を保護し、これらリード/ライト側トラック
22、イレーズ側トラック32を形成するトラック溝2
1、30、31の角部が欠落する等の問題を惹起しない
ように配慮されている。
【0042】次に上記のように構成された複合型磁気ヘ
ッド用コアの製造方法を説明する。この複合型磁気ヘッ
ド用コアを含めた磁気ヘッドのコアの製造工程を図4に
示し、複合型磁気ヘッド用コアのフェライトコア構造体
の形成工程を図5に示し、フェライトコア構造体を二つ
用いて複合型磁気ヘッド用コアを製造する工程を図6に
示す。
【0043】「第1のフェライト部材(Uバーブラン
ク)の表溝加工及び第2のフェライト部材(Iバーブラ
ンク)の蒸着加工工程」
【0044】まず、図5に示すようにアウターコア部1
3、14を構成する第1のフェライト部材Aとインナー
コア部15、24を構成する第2のフェライト部材Bと
が用意され、この第1のフェライト部材Aには表溝加工
が施される。この表溝加工工程は第1のフェライト部材
Aを研削プレートに接着し、これをスライシングマシン
にセットした後マルチ砥石で研削してまず表溝加工を行
い、カップ砥石による斜鏡面加工及びBH面の加工が行
われる。すなわち、長手形状の矩形のフェライトブロッ
クである第1のフェライト部材Aには、その長手方向に
コイル巻線用孔34を形成するための溝35の加工が施
される。
【0045】このように加工された第1のフェライト部
材Aには磁気ギャップ19,28の構成面36を有する
第1の凸状部37と、この第1の凸状部37と共に前記
溝35を形成する第2の凸状部38とが形成される。ま
た、前記第2のフェライト部材Bは片側面のみ蒸着加工
が行われる。
【0046】 「第1ガラスボンディング(第1GB)工程」
【0047】上記のように表溝加工が施された第1のフ
ェライト部材Aの第1、第2の凸状部37、38に、蒸
着加工が施された第2のフェライト部材Bを合わせて治
具にセットされる。すなわち、第1のフェライト部材A
と第2のフェライト部材Bの間にコイル巻線用孔34が
形成されるように組み合わせ、そして、その第1の凸状
部37及び第2の凸状部38を第2のフェライト部材B
に突き合わせることによって、環状の磁路が形成される
一方、それらフェライト部材A、Bの対向する一方の端
部間には、かかる磁路を横切る方向に所定間隙:βの磁
気ギャップ19、28が形成せしめられたフェライトコ
ア構造体40が形成される。
【0048】このようにして得られるフェライトコア構
造体40は、それらフェライト部材A、Bを従来の如く
ガラスで接合する。すなわち、フェライトコア構造体4
0には、その磁気ギャップ19、28内に所定のガラス
を埋め込むため及び両フェライト部材A、Bを接合する
ために、棒状のガラス41、42が溝34及び第2の凸
状部38と第2のフェライト部材Bとが成す溝43内に
挿入され、ガラス41は内側より磁気ギャップ19、2
8に近接配置された後、加熱せしめられることにより、
かかる磁気ギャップ19、28内にガラス41が充填せ
しめられると共に、第2の凸状部38と第2のフェライ
ト部材Bとが成す間隙にガラス42が充填せしめられ
る。このガラス41、42の溶融、充填は、後から施さ
れる加工や使用時における磁気ギャップ19、28の保
護などを目的としたものである。
【0049】「第1GB仕上げ加工工程」
【0050】フェライトコア構造体40は治具にセット
された後、その第2のフェライト部材Bの仕上げ加工が
施され、2組のフェライトコア構造体40が、その第2
のフェライト部材Bの仕上げ加工面を接着剤で互いに接
着された後上面研削が施される。
【0051】「消去用コア(イレーズコア)側トラック
溝(傾斜溝)加工工程」
【0052】フェライトコア構造体40には、トラック
幅:wを規定する傾斜したトラック溝30、31が、第
2のフェライト部材B側から該フェライトコア構造体4
0の上部角部に斜行した切り込みを入れることから成る
溝入れ加工によって、互いに平行にかつ所定の間隔(ト
ラック幅:w)をおいて設けられる。すなわち、前記摺
接部25、27の磁路の中央部と両側部とに、両摺接部
25、27に跨がるようにしてこれら摺接部25、27
の軸方向に斜めにトラック溝30、31が形成されて、
トラック溝30の左右の磁路がイレーズ側トラック32
とされる。この溝入れ加工は、フェライトコア構造体4
0が治具に斜めにセットされた後、回転するブレードを
移動して行われる。
【0053】換言すれば、この傾斜したトラック溝3
0、31は、フェライトコア構造体40の磁気ギャップ
28が位置する磁気記録媒体の摺接部25、27に対し
て、該磁気ギャップ28を挟む一方の第2のフェライト
部材B側から他方の第1のフェライト部材A側に伸び、
且つ第1のフェライト部材Aに向かって漸次深さが浅く
なるように傾斜して形成されており、その一端は第2の
フェライト部材Bの側面に開口せしめられている一方、
その他端は第1のフェライト部材Aの上面の摺接面25
上に開口せしめられる。
【0054】図7は溝入れ加工の施されたフェライトコ
ア構造体を示し、(1)は消去用コアのフェライトコア
構造体の正面図、(2)は記録兼再生用コアのフェライ
トコア構造体の正面図である。上記のフェライトコア構
造体40における傾斜したトラック溝30、31は、図
7(1)に示すように磁気ギャップ28部分において、
その深さ:gより深い溝深さ:D1 を有することが必要
である。けだし、D1がgより小さい場合には、傾斜し
たトラック溝30、31の形成によってイレーズ側トラ
ック32の幅を狭めたことにならないからである。ま
た、トラック溝30、31の傾斜角度としては、磁気ギ
ャップ28の深さ:gや第1、第2のフェライト部材
A、Bの厚さ(磁路の厚さ)等によって適宜決定される
こととなる。
【0055】「記録兼再生用コア(リード/ライト・コ
ア)側トラック溝加工工程」
【0056】第1のフェライト部材Aと第1のフェライ
ト部材Bとはその摺接部16、18間に磁気ギャップ
(リード/ライト・ギャップ)19を形成しており、摺
接部16、18に、磁気記録媒体に対して記録や再生を
行うためのリード/ライト側トラック22が形成され
る。
【0057】このリード/ライト側トラック22は、摺
接せしめられる磁気記録媒体の種類によって所定幅:w
となるように決定されることとなるが、このトラック幅
は、磁気ギャップ19の両側の磁路部分、すなわち両摺
接部16、18に跨がるようにしてこれら摺接部16、
18の軸方向における磁路の両側部に形成されたトラッ
ク溝21によって規定されている。これらのトラック溝
21は、その深さ寸法Dが前記軸方向で一定の直線状の
溝であって、両摺接部16、18の軸方向の全長に亘っ
て形成される。すなわち、記録兼再生用コア1側のフェ
ライトコア構造体40は治具に水平にセットされた後、
回転するブレードを移動してトラック溝21が切削加工
される。かかるフェライトコア構造体40におけるトラ
ック溝21は、図7(2)に示すように磁気ギャップ1
9部分において、その深さ:gより深い溝深さ:Dを有
することが必要である。
【0058】 「第2ガラスボンディング(第2GB)工程」
【0059】そして、かかる溝入れ加工の施されたリー
ド/ライト側、イレーズ側のフェライトコア構造体4
0、40を用いて複合コアが形成される。すなわち、こ
れらのフェライトコア構造体40、40がそれらの第2
のフェライト部材Bの部分が背中合わせ(対向して)と
なるようにして、所定の間隙をもって組み合わされる。
この2組のフェライトコア構造体40、40間の間隙
は、それらを接着せしめるガラスを浸透せしめセンター
シールド部を形成するための間隙である。また、2組の
フェライトコア構造体40、40の組合わせによって、
それら構造体40、40に設けられた傾斜したトラック
溝30、31と水平な溝であるトラック溝21とが、所
定の位置関係をもって対向して配置せしめられる。この
場合、消去用コア3を構成するフェライトコア構造体4
0のイレーズ側トラック32は、記録兼再生用コア2の
リード/ライト側トラック22に対して千鳥状に位置す
るように組み合わされる。
【0060】そして、このように組み合わされた2組の
フェライトコア構造体40、40にはその第2のフェラ
イト部材Bの端面に例えばアロンセラミックス等のよう
な耐熱性無機接着剤が塗布され、傾斜したトラック溝3
0、31及び水平なトラック溝21の形成部分の上にガ
ラス20が載置され、そして、このガラス20を加熱、
溶融せしめることによって、それら構造体40、40に
形成されたトラック溝30、31、21内にガラス20
を埋め込み、充填するようにすると共に、それら構造体
40、40の間の間隙内にガラス20を浸透せしめて、
構造体40、40を一体的に接着せしめる。これによっ
て、2組のフェライトコア構造体40、40の接着操作
とトラック溝30、31、21内へのガラス20の充填
操作が、同時に、一挙に実施されることとなる。
【0061】「第2GB上面加工工程」
【0062】そして、かくして得られた2組のフェライ
トコア構造体40、40が接着、一体化されたフェライ
トコア接合体46の上面が研削される。
【0063】「コイル溝加工工程」
【0064】上面が研削されたフェライトコア接合体4
6には、マルチ砥石により第2の凸状部38が切削され
てコイル巻線用孔34が形成される。
【0065】「コア切断、コアチップ作成工程」
【0066】コイル巻線用孔34が形成されたフェライ
トコア接合体46は、その長手方向に所定の長さで、す
なわち1組のリード/ライト側、イレーズ側トラック2
2、32を含むようにブレード(ダイヤモンドカッタ
ー)等で切断せしめられ、目的とする複合コア(コアチ
ップ)47が切り出される。この切り出された複合コア
47はその左右の端面がラップ加工される。
【0067】「磁気ヘッドのコア完成」
【0068】上記のように形成された複合コア(コアチ
ップ)47は前記スライダ4のコア挿入用孔部8に挿入
された後、ガラスモールドされる。そして、この複合コ
ア47は、それらの磁気ギャップ19、28の位置する
磁気記録媒体の摺接部16、18、25、27は、磁気
記録媒体の摺接が効果的に行われ得る形状に仕上げられ
る。
【0069】図8は第2ガラスボンディングの状態を示
すフェライトコア構造体の正面図であり、(1)はボン
ディングの初期状態を、(2)はガラスが溶けて垂れる
状態を示す。上記した製造方法における記録兼再生用コ
ア2側のトラック溝加工工程で形成されたトラック溝2
1が水平な場合、図8(1)、(2)に示すようにガラ
ス20が溶けると記録兼再生用コア2の側面2aにガラ
ス20が垂れるので端面2aを位置決めの基準として使
えなくなる。また、使うには追加工が必要となるという
危惧がある。
【0070】しかし、記録兼再生用コア2の稜線が長手
方向の全範囲に亘ってエッジが立っていれば、ガラス2
0と記録兼再生用コア2との界面張力により端面2aに
ガラス20が垂れることはないが、エッジが欠けたりし
て角度が鈍角になれば端面2aにガラス20が垂れる危
険性はある。
【0071】このガラス20の垂れを防止する方法を以
下に述べる。
【0072】フェライトとガラスの表面張力をγとすれ
ば、この表面張力γはガラス20が端面2aに垂れない
方向に作用する力である。一方、ガラス20が端面2a
に垂れる力はガラス20の重量mgであるから重量mg
が大きくなるほど垂れやすい。また、表面張力γはエト
ベシュの法則(液体の表面張力と温度との関係を示す法
則)より温度に比例し、
【0073】
【数6】
【0074】であるから、温度が高いほど垂れやすい。
【0075】実験条件
【0076】図9はガラス垂れ防止のための実験条件を
示す説明図、図10はガラスの粘性曲線を示す線図、図
11はガラスの辺比とガラスの溶融温度の関係を示す線
図である。図9に示すようにガラス辺比(E×t×F)
は3×0.5×Fmm、3×1×Fmm、3×1.5×
Fmm、3×2×Fmmを用いた。
【0077】更に、温度では、SiO:38.4、A1
2 3 :13.8、Fe2 3 :4.6、B2 3 :2
5.8、Na2 O:7.1、K2 O:8.3、CaO:
2.0wt(重量)%の成分で、
【0078】Tg 500℃ ガラス転移点 1014.5
poise Tc 550℃ 屈伏点 1013 pois
e Ts 620℃ 軟化点 107.6 pois
e α 熱膨脹係数 93×10-7/℃ のような性質のガラス20を使用して750℃、770
℃、790℃、810℃、830℃、850℃、870
℃、890℃の各温度で実験を行った。この実験結果、
各温度でのガラスの粘性曲線は図10の通りになる。ま
た、図11にガラス辺比とガラスの溶融温度の関係を示
す。この図において、Gゾーンではトラック溝21、磁
気ギャップ19等へのガラス20充填不足が生じ、Kゾ
ーンではガラス20の端面2aへの垂れが発生する。そ
して、Jゾーン(斜線部分)ではガラス20の端面2a
への垂れも無く、ガラス充填が十分行われる。
【0079】したがって、ガラス20の辺比とガラス2
0の溶融温度を、Jゾーン(ガラス20の辺比1/6〜
2/6、ガラスの溶融温度750℃〜810℃)を選択
することによりガラス20の端面2aへの垂れは発生し
ないことが判明した。
【0080】図12は作用効果の説明のための複合型磁
気ヘッド用コアの平面図であり、図13は同じく記録兼
再生用コアの側面図である。上記の実施例にあっては、
記録兼再生用コア2の第1のフェライト部材Aと第2の
フェライト部材Bの摺接部16、18間に磁気ギャップ
19を形成し、両摺接部16、18に跨がるようにして
これら摺接部16、18の軸方向における磁路の両側部
に、その深さ寸法Dが該軸方向で一定の直線状の溝であ
るトラック溝21を、両摺接部16、18の軸方向に全
長に亘って形成するによってリード/ライト側トラック
22が形成されているので、図13に示すようにB寸法
(BH−溝高さ)は小さく、バラツキも小さくなって、
磁気抵抗Rのバラツキも小さくなり、リード/ライト特
性が揃って良好になる。なお、消去用コアの磁気ギャッ
プ深さ寸法の精度は、記録兼再生用コアの磁気ギャップ
深さ寸法の精度に比べて2倍以上ラフで良いので消去用
コアは傾斜したトラック溝で十分である。
【0081】また、図13に示すようにトラック溝21
が深さ寸法Dが一定の直線状の水平な溝であるために、
溝深さ精度が良くなるし、治具のワ−ク当たり面精度が
良くなり、また、フェライト構造体40が単純な面の当
接で落ち着きが良くなるばかりか、トラック溝21の下
面が水平なので、図12に示すようにガラス20内部が
良く見えてギャップ切り離し部寸法Qが良く見えるよう
になる。
【0082】また、フェライト部材のエッジが欠けると
信号を読むのでノイズになるが、両摺接部16、18の
軸方向に全長に亘って形成された直線状のトラック溝2
1にガラス20が充填されており、このガラス20に加
工チッピングがあってもノイズを読むことがなく、この
ために加工スピードを上げることができる。
【0083】また、記録兼再生用コア2の磁気ギャップ
19、消去用コア3の磁気ギャップ28付近だけでな
く、記録兼再生用コア2の全長に亘りガラス20が配置
してあるので、磁気ギャップ19、28付近のみが凹む
ことがなく、スペーシング・ロスが小さくなって、リー
ド/ライト特性の低下を無くすことができる。
【0084】また、記録兼再生用コア2と消去用コア3
のトラック溝21、30、31の形状が異なるために、
記録兼再生用コア2と消去用コア3との向きが分かり易
くなって組み立て性が向上する。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の複合型磁
気ヘッド用コアによれば、記録兼再生用コアの第1のフ
ェライト部材と第2のフェライト部材の摺接部間に磁気
ギャップを形成し、両摺接部に跨がるようにしてこれら
摺接部の軸方向における磁路の両側部に、その深さ寸法
が該軸方向で一定の直線状のトラック溝を、両摺接部の
軸方向に全長に亘って形成することによってリード/ラ
イト側トラックを形成したので、B寸法(BH−溝高
さ)は小さくバラツキが小さくなって、磁気抵抗のバラ
ツキも小さくなり、リード/ライト特性が揃って良好に
なるし、また、トラック溝が深さ寸法が一定の直線状で
あるために、溝深さ精度が良くなるし、治具の当たり面
精度が良くなり、また、フェライト構造体が単純な面の
当接で落ち着きが良くなるばかりか、ガラス内部が良く
見えて、ギャップ切り離し部寸法Qが良く見えるように
なるし、また、フェライト部材のエッジが欠けると信号
を読むのでノイズになるが、両摺接部の軸方向に全長に
亘って形成された直線状のトラック溝にはガラスが充填
されており、このガラスに加工チッピングがあってもノ
イズを読むことはなく、このために加工スピードを上げ
ることができる。
【0086】また、記録兼再生用コアの磁気ギャップ、
消去用コアの磁気ギャップ付近だけでなく、記録兼再生
用コアの全長に亘りガラスが配置してあるので、磁気ギ
ャップ付近のみが凹むことがなく、スペーシング・ロス
が小さくなって、リード/ライト特性の低下を無くすこ
とができる。
【0087】また、記録兼再生用コアと消去用コアとの
トラック溝の形状がそれぞれ異なるために、複合型磁気
ヘッド用コアの向きが分かり易くなって組立性が向上す
る。
【0088】また、本発明の複合型磁気ヘッド用コアの
製造方法によれば、上記した目的を達成する複合型磁気
ヘッド用コアの製造を容易に且つ能率良く製造すること
ができる。
【0089】また、上記実施例では、記録兼再生用コア
と消去用コアとの組み合わせからなる複合型磁気ヘッド
用コアについて専ら説明してきたが、本発明の技術思想
は、その他の組み合わせである記録用コアと再生用コア
との組み合わせからなる複合型磁気ヘッド用コアにおい
ても同様の効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる複合型磁気ヘッド用コアを備え
た複合型磁気ヘッドの斜視図である。
【図2】同複合型磁気ヘッドの裏側方向からの分解斜視
図である。
【図3】本発明に係わる複合型磁気ヘッド用コアの斜視
図である。
【図4】本発明に係わる複合型磁気ヘッド用コアの製造
方法を含めた磁気ヘッドのコアの製造工程のブロック図
である。
【図5】複合型磁気ヘッド用コアのフェライトコア構造
体の形成工程を示す説明図である。
【図6】フェライトコア構造体を二つ用いて複合型磁気
ヘッド用コアを製造する工程を示す説明図である。
【図7】溝入れ加工の施されたフェライトコア構造体の
正面図である。
【図8】第2ガラスボンディングの状態を示すフェライ
トコア構造体の正面図である。
【図9】ガラス垂れ防止のための実験条件を示す説明図
である。
【図10】ガラスの粘性曲線を示す線図である。
【図11】ガラスの辺比とガラスの溶融温度の関係を示
す線図である。
【図12】作用効果の説明のための複合型磁気ヘッド用
コアの平面図である。
【図13】作用効果の説明のための複合型磁気ヘッド用
コアの記録兼再生用コアの側面図である。
【図14】従来の複合型磁気ヘッド用コアを備えた複合
型磁気ヘッドの斜視図である。
【図15】従来の複合型磁気ヘッド用コアの斜視図であ
る。
【図16】フェライトコアの磁気抵抗を説明するための
フェライトコア構造体の説明図である。
【図17】BH高さおよび溝入れ高さを計算するための
寸法表示を行ったフェライトコア構造体の正面図であ
る。
【図18】フェライトコア構造体におけるギャップ切り
離し部を見るための説明図である。
【図19】図14のX線に沿う断面図である。
【図20】図14のY線に沿う断面図である。
【図21】図14のZ線に沿う断面図である。
【符号の説明】
19、28 磁気ギャップ 20 ガラス 21、30、31 トラック溝 22 リード/ライト側トラック 16、18、25、27 摺接部 32 イレ−ズ側トラック 40 フェライトコア構造体 A 第1のフェライト部材 B 第2のフェライト部材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のフェライト部材と第2のフェライ
    ト部材とを、該両フェライト部材の間にコイル巻線用孔
    が形成されるように組み合わせて、前記両フェライト部
    材の両摺接部間に磁気ギャップを形成するように接合し
    た2組のフェライトコア構造体を有し、一方の前記フェ
    ライトコア構造体の前記両摺接部の軸方向の磁路に、該
    両摺接部に跨がるようにして直線状のトラック溝を、そ
    の深さ寸法が前記コイル巻線用孔に達し、且つ前記軸方
    向で略一定であり、前記両摺接部の該軸方向に形成する
    ことによって、一方のトラックを形成し、他方の前記フ
    ェライトコア構造体の前記両摺接部の軸方向の磁路に、
    該両摺接部に跨がるようにして、該両摺接部の軸方向に
    斜めにトラック溝を、その深さ寸法が前記コイル巻線用
    孔に達するように形成することによって、他方のトラッ
    クを形成し、前記両フェライトコア構造体を、互いの第
    2のフェライト部材を所定の間隙をもって背中合わせに
    配置し、該第2のフェライト部材間の間隙、前記トラッ
    ク溝及び前記磁気ギャップ内にガラスを充填せしめたこ
    とを特徴とする複合型磁気ヘッド用コア。
  2. 【請求項2】 第1のフェライト部材と第2のフェライ
    ト部材とを、これら両フェライト部材の間にコイル巻線
    用孔が形成されるように組み合わせて接合し、前記両フ
    ェライト部材の対向する一方の端部間に、前記磁路を横
    切る方向に磁気ギャップを形成したフェライトコア構造
    体を2組形成する工程と、一方の該フェライトコア構造
    体の、前記両フェライト部材の両摺接部の軸方向の磁路
    に、該両摺接部に跨がるようにして、該両摺接部の軸方
    向に斜めにトラック溝を形成することによってトラック
    を形成する工程と、他方の前記フェライトコア構造体
    の、前記両フェライト部材の両摺接部の軸方向の磁路
    に、該両摺接部に跨がるようにして、その深さ寸法が該
    軸方向で略一定の直線状のトラック溝を形成することに
    よってトラックを形成する工程と、前記両フェライトコ
    ア構造体を、各々の第2のフェライト部材部分を背中合
    わせにして所定の間隙をもって組み合わせ、前記両フェ
    ライトコア構造体に設けられた前記トラックが、所定の
    位置関係になるように組み合わされる工程と、組み合わ
    された前記2組のフェライトコア構造体の上にガラスを
    載置して、該ガラスを加熱溶融せしめることによって、
    前記両フェライトコア構造体の間の間隙内に前記ガラス
    を浸透せしめて、前記2組のフェライトコア構造体を一
    体的に接着せしめる工程とを備えたことを特徴とする複
    合型磁気ヘッド用コアの製造方法。
JP2600593A 1992-09-01 1993-01-22 複合型磁気ヘッド用コアとその製造方法 Pending JPH06223318A (ja)

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