JPH06220977A - 発泡目地材及びコンクリ−トパネルの製法 - Google Patents
発泡目地材及びコンクリ−トパネルの製法Info
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- JPH06220977A JPH06220977A JP2850893A JP2850893A JPH06220977A JP H06220977 A JPH06220977 A JP H06220977A JP 2850893 A JP2850893 A JP 2850893A JP 2850893 A JP2850893 A JP 2850893A JP H06220977 A JPH06220977 A JP H06220977A
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- concrete
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Abstract
(57)【要約】 （修正有）
【目的】 打設したコンクリートとタイルとの接着強度
を損なうことなく、タイル表面に浸出したコンクリート
ノロの凝結を遅延させ、コンクリートが硬化し、脱型し
た後におけるタイルの平滑な表面に付着したコンクリー
トノロ凝固体を容易に洗浄排除する技術を提供する。 【構成】 基材７上に設けた粘着剤層６に、目地幅を残
し、光沢面を粘着剤側にしてタイル１が貼着され、タイ
ルとタイルとの間隙にプラスチック発泡体よりなり、タ
イルの厚さより薄く、連結した枠状の発泡目地材４が貼
着されているタイルシートを、タイル表面を上にして型
枠９内に敷設し、所定の位置に鉄筋１０を配設し、しか
る後コンクリートを打設して凝結硬化後、脱型し、粘着
剤シートを剥離するタイル埋設式コンクリートパネルの
製法において、独立気泡性の発泡目地材の表面部位に、
セメント凝結遅延剤が施され、好ましくは発泡体の表面
がスキン層である。
を損なうことなく、タイル表面に浸出したコンクリート
ノロの凝結を遅延させ、コンクリートが硬化し、脱型し
た後におけるタイルの平滑な表面に付着したコンクリー
トノロ凝固体を容易に洗浄排除する技術を提供する。 【構成】 基材７上に設けた粘着剤層６に、目地幅を残
し、光沢面を粘着剤側にしてタイル１が貼着され、タイ
ルとタイルとの間隙にプラスチック発泡体よりなり、タ
イルの厚さより薄く、連結した枠状の発泡目地材４が貼
着されているタイルシートを、タイル表面を上にして型
枠９内に敷設し、所定の位置に鉄筋１０を配設し、しか
る後コンクリートを打設して凝結硬化後、脱型し、粘着
剤シートを剥離するタイル埋設式コンクリートパネルの
製法において、独立気泡性の発泡目地材の表面部位に、
セメント凝結遅延剤が施され、好ましくは発泡体の表面
がスキン層である。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、コンクリート建造物の
外壁などの壁面に使用するタイル埋設式のコンクリート
パネルを、タイル表面に浸出したコンクリートノロを剥
離させやすい状態に保持し、コンクリートのみを硬化さ
せるための発泡目地材及びコンクリートパネルの製法に
関する。
外壁などの壁面に使用するタイル埋設式のコンクリート
パネルを、タイル表面に浸出したコンクリートノロを剥
離させやすい状態に保持し、コンクリートのみを硬化さ
せるための発泡目地材及びコンクリートパネルの製法に
関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、建造物の壁面や床面をタイル張り
とするためには、打設後のコンクリート面にタイルをセ
メント系接着剤を用いて貼着していく方法があった。こ
の方法は手間と熟練を要するため、近時、前もってタイ
ルを埋設したコンクリートパネルを製造し、このパネル
を壁面や床面に固定していく方法が採用されている。
とするためには、打設後のコンクリート面にタイルをセ
メント系接着剤を用いて貼着していく方法があった。こ
の方法は手間と熟練を要するため、近時、前もってタイ
ルを埋設したコンクリートパネルを製造し、このパネル
を壁面や床面に固定していく方法が採用されている。
【０００３】この方法は、図１に示すように、タイル１
の埋設間隔と一致するように目地を残してタイルの厚み
より浅い窪み２を設けた鋼製の置き枠３を用意する。こ
の置き枠３の全ての窪み２内に光沢面を上にしてタイル
１を嵌入し、例えば図３に示すような発泡目地材４をタ
イルとタイルの間隙に挿入し、この上から基材７の上に
粘着剤層を設けてなる粘着シート５を、粘着剤層６をタ
イル面に、基材７を外面にして貼着し、置き枠３から取
出す。その結果、粘着シート５上にタイル裏面を外側に
してタイル１が整然と配列し、目地部位には発泡目地材
４が、タイルがコンクリートと強固に接着するための目
地凹部８を残して嵌入しているタイルシートが得られ
る。
の埋設間隔と一致するように目地を残してタイルの厚み
より浅い窪み２を設けた鋼製の置き枠３を用意する。こ
の置き枠３の全ての窪み２内に光沢面を上にしてタイル
１を嵌入し、例えば図３に示すような発泡目地材４をタ
イルとタイルの間隙に挿入し、この上から基材７の上に
粘着剤層を設けてなる粘着シート５を、粘着剤層６をタ
イル面に、基材７を外面にして貼着し、置き枠３から取
出す。その結果、粘着シート５上にタイル裏面を外側に
してタイル１が整然と配列し、目地部位には発泡目地材
４が、タイルがコンクリートと強固に接着するための目
地凹部８を残して嵌入しているタイルシートが得られ
る。
【０００４】図２に示すように、このタイルシートを粘
着シート５を下にして型枠９の底面に敷設し、鉄筋１０
を所定の位置に配設し、しかる後、コンクリートを所定
の厚さに打設する。コンクリートが硬化した後、脱型
し、粘着シート５を剥離すると発泡目地材４も粘着シー
ト５に貼着されているため共に剥離し、一部埋設されて
整然と配列されたタイル１が光沢面を露出し、図４に示
すようなコンクリートパネルが得られる。近時、このコ
ンクリートパネルを建築用部材として使用する工法が主
として採用されている。発泡目地材４としては、一般に
タイルの大きさ、配列方法、目地の幅に合わせたプラス
チック発泡体製の連結した枠体をその都度製造してい
る。
着シート５を下にして型枠９の底面に敷設し、鉄筋１０
を所定の位置に配設し、しかる後、コンクリートを所定
の厚さに打設する。コンクリートが硬化した後、脱型
し、粘着シート５を剥離すると発泡目地材４も粘着シー
ト５に貼着されているため共に剥離し、一部埋設されて
整然と配列されたタイル１が光沢面を露出し、図４に示
すようなコンクリートパネルが得られる。近時、このコ
ンクリートパネルを建築用部材として使用する工法が主
として採用されている。発泡目地材４としては、一般に
タイルの大きさ、配列方法、目地の幅に合わせたプラス
チック発泡体製の連結した枠体をその都度製造してい
る。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記工
法においては図２に示すコンクリート打設工程において
コンクリートノロが発泡目地材とタイルとの間隙から浸
出し、タイルの光沢面に付着して硬化する。その結果、
脱型し、粘着シートを剥がした後のタイルの周辺部にコ
ンクリートノロの硬化物が点在する現象が生じる（図４
の１’として示したタイル参照）。この硬化物はすでに
硬化したコンクリートであるため、ジェット水流で洗浄
する程度ではほとんど剥離せず、最終的には鋭利な先端
を有する刃物状の器具を用いて手作業で１箇所ずつ剥離
している現状である。この作業は困難で多くの時間と労
力を要するため、コンクリートノロの浸出を防止するた
めの種々の提案がなされているが、未だ、現実に実用化
できる技術が存在しない。
法においては図２に示すコンクリート打設工程において
コンクリートノロが発泡目地材とタイルとの間隙から浸
出し、タイルの光沢面に付着して硬化する。その結果、
脱型し、粘着シートを剥がした後のタイルの周辺部にコ
ンクリートノロの硬化物が点在する現象が生じる（図４
の１’として示したタイル参照）。この硬化物はすでに
硬化したコンクリートであるため、ジェット水流で洗浄
する程度ではほとんど剥離せず、最終的には鋭利な先端
を有する刃物状の器具を用いて手作業で１箇所ずつ剥離
している現状である。この作業は困難で多くの時間と労
力を要するため、コンクリートノロの浸出を防止するた
めの種々の提案がなされているが、未だ、現実に実用化
できる技術が存在しない。
【０００６】
【課題解決の手段】本発明は上記課題を解決することを
目的とし、その構成は、基材上に設けた粘着剤層に、目
地幅を残し、光沢面を粘着剤側にしてタイルが貼着さ
れ、タイルとタイルとの間隙にプラスチック発泡体より
なり、タイルの厚さより薄く、連結した枠状の発泡目地
材が貼着されているタイルシートに用いられる発泡目地
材において、この発泡目地材の表面部位に、セメント凝
結遅延剤が浸漬或いは塗布され、好ましくは独立気泡性
の発泡体であり、好ましくは発泡体の表面がスキン層で
あることを特徴とする。更に、このタイルシートを用
い、タイルシートを、タイル裏面を上にして型枠内に敷
設し、所定の位置に鉄筋を配設し、しかる後コンクリー
トを打設して凝結硬化後、脱型し、粘着シートを剥離す
るタイル埋設式コンクリートパネルの製法において、発
泡目地材として、その表面部位にセメント凝結遅延剤が
含浸或いは塗布されていることを特徴とする。
目的とし、その構成は、基材上に設けた粘着剤層に、目
地幅を残し、光沢面を粘着剤側にしてタイルが貼着さ
れ、タイルとタイルとの間隙にプラスチック発泡体より
なり、タイルの厚さより薄く、連結した枠状の発泡目地
材が貼着されているタイルシートに用いられる発泡目地
材において、この発泡目地材の表面部位に、セメント凝
結遅延剤が浸漬或いは塗布され、好ましくは独立気泡性
の発泡体であり、好ましくは発泡体の表面がスキン層で
あることを特徴とする。更に、このタイルシートを用
い、タイルシートを、タイル裏面を上にして型枠内に敷
設し、所定の位置に鉄筋を配設し、しかる後コンクリー
トを打設して凝結硬化後、脱型し、粘着シートを剥離す
るタイル埋設式コンクリートパネルの製法において、発
泡目地材として、その表面部位にセメント凝結遅延剤が
含浸或いは塗布されていることを特徴とする。
【０００７】本発明に使用するセメント用凝結遅延剤と
しては、公知のすべての遅延剤が使用できる。例えば、
グルコン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩のようなオキシカ
ルボン酸塩系遅延剤、アミノトリメチレンホスホン酸塩
のようなアミノホスホン酸塩系遅延剤、リグニンスルホ
ン酸塩系の減水剤で促進作用を有しないもの、ケイフッ
化物等が挙げられる。
しては、公知のすべての遅延剤が使用できる。例えば、
グルコン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩のようなオキシカ
ルボン酸塩系遅延剤、アミノトリメチレンホスホン酸塩
のようなアミノホスホン酸塩系遅延剤、リグニンスルホ
ン酸塩系の減水剤で促進作用を有しないもの、ケイフッ
化物等が挙げられる。
【０００８】これらセメント用凝結遅延剤は後述する発
泡目地材の表面部位に施す。発泡目地材の表面部位にセ
メント用凝結遅延剤を施すにあたっては、これら凝結遅
延剤を水溶液とし、独立気泡性の発泡目地材に浸漬させ
た後、乾燥して使用するか、或いは表面に塗布した後、
乾燥させて使用する。塗布は両面でも一方の面でもよい
が、後述する粘着シートの粘着剤層に接触する側の表面
のみに塗布すると、凝結遅延剤が打設したコンクリート
本体に接触せず、タイル脇面とコンクリートとの接着性
が損なわれることがなく、好ましい方法である。発泡体
が連続気泡性であっても、発泡目地材の表面に凝結遅延
剤を塗布する方法の場合には本発明の目的が達成され
る。
泡目地材の表面部位に施す。発泡目地材の表面部位にセ
メント用凝結遅延剤を施すにあたっては、これら凝結遅
延剤を水溶液とし、独立気泡性の発泡目地材に浸漬させ
た後、乾燥して使用するか、或いは表面に塗布した後、
乾燥させて使用する。塗布は両面でも一方の面でもよい
が、後述する粘着シートの粘着剤層に接触する側の表面
のみに塗布すると、凝結遅延剤が打設したコンクリート
本体に接触せず、タイル脇面とコンクリートとの接着性
が損なわれることがなく、好ましい方法である。発泡体
が連続気泡性であっても、発泡目地材の表面に凝結遅延
剤を塗布する方法の場合には本発明の目的が達成され
る。
【０００９】本発明における発泡目地材の表面部位とは
表面から気泡数にして数層以内、好ましくは１〜２層の
範囲である。表面部位にのみ凝結遅延剤が存在すると、
発泡目地材に付着している凝結遅延剤の量が少ないた
め、上部の目地凹部８に存在する凝結遅延剤が目地凹部
に存在するコンクリートと混合し、コンクリートの凝結
までも遅延させ、タイル脇部の接着強度を阻害するおそ
れがない。
表面から気泡数にして数層以内、好ましくは１〜２層の
範囲である。表面部位にのみ凝結遅延剤が存在すると、
発泡目地材に付着している凝結遅延剤の量が少ないた
め、上部の目地凹部８に存在する凝結遅延剤が目地凹部
に存在するコンクリートと混合し、コンクリートの凝結
までも遅延させ、タイル脇部の接着強度を阻害するおそ
れがない。
【００１０】水溶液の濃度は凝結遅延剤の種類、発泡体
の発泡倍率、気泡径、スキン層の有無、タイル厚みなど
により異なるが、１〜２０重量％、好ましくは５〜１５
重量％である。一般に、１重量％未満では脱型後のコン
クリートパネルに浸出したコンクリートノロの排除が困
難であり、２０重量％を越えるとコンクリートとタイル
との接着強度に悪影響を及ぼす。
の発泡倍率、気泡径、スキン層の有無、タイル厚みなど
により異なるが、１〜２０重量％、好ましくは５〜１５
重量％である。一般に、１重量％未満では脱型後のコン
クリートパネルに浸出したコンクリートノロの排除が困
難であり、２０重量％を越えるとコンクリートとタイル
との接着強度に悪影響を及ぼす。
【００１１】本発明は、タイルシートを、タイル表面を
上にして型枠内に敷設し、所定の位置に鉄筋を配設し、
しかる後コンクリートを打設して常温養生、蒸気養生或
いは高圧高温養生により凝結硬化させた後、型枠から外
し、粘着シートを剥離してタイルの光沢面を露出させる
タイル埋設式コンクリートパネルの製法において使用さ
れる。また、タイルシートとは基材と粘着剤層よりなる
粘着シートの、粘着剤層に目地幅を残し、光沢面を粘着
剤層側にしてタイルを貼着し、タイルとタイルとの間隙
に発泡目地材を貼着したものである。基材の材質は特に
限定はなく、複数枚のタイルを貼着した重量に耐え、コ
ンクリート打設後の湿気に耐える強度を有する強化紙、
強化布、フィルム等が使用される。
上にして型枠内に敷設し、所定の位置に鉄筋を配設し、
しかる後コンクリートを打設して常温養生、蒸気養生或
いは高圧高温養生により凝結硬化させた後、型枠から外
し、粘着シートを剥離してタイルの光沢面を露出させる
タイル埋設式コンクリートパネルの製法において使用さ
れる。また、タイルシートとは基材と粘着剤層よりなる
粘着シートの、粘着剤層に目地幅を残し、光沢面を粘着
剤層側にしてタイルを貼着し、タイルとタイルとの間隙
に発泡目地材を貼着したものである。基材の材質は特に
限定はなく、複数枚のタイルを貼着した重量に耐え、コ
ンクリート打設後の湿気に耐える強度を有する強化紙、
強化布、フィルム等が使用される。
【００１２】発泡目地材は、ポリエチレン、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレンなどのプラスチッ
ク素材を発泡成型したものを用いる。これらプラスチッ
ク発泡体は独立気泡性であることが好ましい。独立気泡
性であれば発泡目地材を凝結遅延剤の溶液に浸漬して
も、薬剤は内部気泡まで到達せずに表層の気泡にとどま
るため、コンクリート、特に目地凹部８に存在するコン
クリートに凝結を遅延させる程度に浸透せず、タイルの
脇部とコンクリートとの接着性に悪影響を与えない。ま
た、連続気泡性であっても少なくとも粘着剤層と接触す
る面が、熱により気泡がつぶれて光沢面となっているス
キン層であれば、このスキン層に凝結遅延剤を塗布すれ
ば、発泡目地材の表面部にのみ凝結遅延剤が存在して、
タイルとコンクリートとの接着性に悪影響を与えるおそ
れがない。
酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレンなどのプラスチッ
ク素材を発泡成型したものを用いる。これらプラスチッ
ク発泡体は独立気泡性であることが好ましい。独立気泡
性であれば発泡目地材を凝結遅延剤の溶液に浸漬して
も、薬剤は内部気泡まで到達せずに表層の気泡にとどま
るため、コンクリート、特に目地凹部８に存在するコン
クリートに凝結を遅延させる程度に浸透せず、タイルの
脇部とコンクリートとの接着性に悪影響を与えない。ま
た、連続気泡性であっても少なくとも粘着剤層と接触す
る面が、熱により気泡がつぶれて光沢面となっているス
キン層であれば、このスキン層に凝結遅延剤を塗布すれ
ば、発泡目地材の表面部にのみ凝結遅延剤が存在して、
タイルとコンクリートとの接着性に悪影響を与えるおそ
れがない。
【００１３】発泡目地材はプラスチック発泡体よりな
り、タイルの厚さより薄く、連結した枠状である。この
枠はタイルを隙間なく嵌入させることができる大きさで
あることが好ましい。タイルを横に用い各列を垂直に重
ねる横格子、タイルを縦に用い各列を垂直に重ねる縦格
子、下段のタイルの中央部をタイルとタイルの連結部と
する一の字繋ぎなど適度の目地間隔を保てる任意の配列
を選ぶことができる。発泡目地材はこのタイルと同一大
きさの枠をタイルの配列と一致させて配列したときの、
目地部位を連結させた表面形状の発泡プラスチックシー
トであり、その厚みはタイル厚みより薄いものである。
り、タイルの厚さより薄く、連結した枠状である。この
枠はタイルを隙間なく嵌入させることができる大きさで
あることが好ましい。タイルを横に用い各列を垂直に重
ねる横格子、タイルを縦に用い各列を垂直に重ねる縦格
子、下段のタイルの中央部をタイルとタイルの連結部と
する一の字繋ぎなど適度の目地間隔を保てる任意の配列
を選ぶことができる。発泡目地材はこのタイルと同一大
きさの枠をタイルの配列と一致させて配列したときの、
目地部位を連結させた表面形状の発泡プラスチックシー
トであり、その厚みはタイル厚みより薄いものである。
【００１４】
【作用】本発明は、粘着シートの粘着剤層に目地幅を残
し、光沢面を粘着剤層側にしてタイルを貼着し、タイル
とタイルとの間隙に発泡目地材を貼着したタイルシート
を、タイル表面を上にして型枠内に敷設し、所定の位置
に鉄筋を配設し、しかる後コンクリートを打設して凝結
硬化させた後、型枠から外し、粘着シートを剥離してタ
イルの光沢面を露出させるタイル埋設式コンクリートパ
ネルの製法及びこれに用いるタイルシートにおいて、発
泡目地材にセメント凝結遅延剤を施したものである。
し、光沢面を粘着剤層側にしてタイルを貼着し、タイル
とタイルとの間隙に発泡目地材を貼着したタイルシート
を、タイル表面を上にして型枠内に敷設し、所定の位置
に鉄筋を配設し、しかる後コンクリートを打設して凝結
硬化させた後、型枠から外し、粘着シートを剥離してタ
イルの光沢面を露出させるタイル埋設式コンクリートパ
ネルの製法及びこれに用いるタイルシートにおいて、発
泡目地材にセメント凝結遅延剤を施したものである。
【００１５】発泡目地材にセメント凝結遅延剤を施すこ
とにより、発泡目地材とタイルとの間隙を通過してタイ
ル表面に浸出したセメントノロには、発泡目地材表面に
存在する凝結遅延剤が混合してその凝結が遅延され、本
体コンクリートが凝結硬化して脱型した後も未だ充分に
凝固せず、ジェット水流程度の軽い刺激により容易に剥
離する程度の硬度にとどまっている。しかも、打設した
コンクリートとタイル、特にタイル側面との接着性を阻
害しないように、凝結遅延剤の濃度を調整し、また発泡
目地材を独立気泡性とし、スキン層を設け、或いは粘着
剤層の側のみに塗布するなどの方法を採用するものであ
る。
とにより、発泡目地材とタイルとの間隙を通過してタイ
ル表面に浸出したセメントノロには、発泡目地材表面に
存在する凝結遅延剤が混合してその凝結が遅延され、本
体コンクリートが凝結硬化して脱型した後も未だ充分に
凝固せず、ジェット水流程度の軽い刺激により容易に剥
離する程度の硬度にとどまっている。しかも、打設した
コンクリートとタイル、特にタイル側面との接着性を阻
害しないように、凝結遅延剤の濃度を調整し、また発泡
目地材を独立気泡性とし、スキン層を設け、或いは粘着
剤層の側のみに塗布するなどの方法を採用するものであ
る。
【００１６】
【実施例】図１はタイルシートの製造法の１例を示す断
面図、図２はコンクリートパネルの製法の１例を示す断
面図、図３は発泡目地材の１例を示す斜視図、図４はタ
イル埋設式コンクリートパネルの１例を示す斜視図であ
る。
面図、図２はコンクリートパネルの製法の１例を示す断
面図、図３は発泡目地材の１例を示す斜視図、図４はタ
イル埋設式コンクリートパネルの１例を示す斜視図であ
る。
【００１７】実施例１ 図１に示すように、横９．５cm、縦４．５cm、厚さ７．
５mmの裏面に縞状の凹凸を有し、裏面が粗面で表面がガ
ラス状の光沢面である通常のタイル１を５mmの目地幅を
とって横格子状に配列する鋼鉄製の置き枠３に配列し
た。この置き枠の窪み２と窪み２との間隔に設けた目地
凹部８上に図３に示した発泡目地材４を載置し、その上
に粘着シート５を粘着剤層６をタイル面に向けて貼着
し、置き枠３から外し、タイルシートを製造した。発泡
目地材は、厚さ３．５mmの両面にスキン層を有する独立
気泡性のポリエチレン発泡体を使用した。発泡押出し後
のシートを横９．５cm、縦４．５cmの空間が５mmの枠を
介して格子状に配列するように打ち抜いた連結した枠体
を製造した。この枠状の発泡目地材を７％グルコン酸溶
液に浸漬後直ちに取出し、乾燥させ、本発明の発泡目地
材とした。
５mmの裏面に縞状の凹凸を有し、裏面が粗面で表面がガ
ラス状の光沢面である通常のタイル１を５mmの目地幅を
とって横格子状に配列する鋼鉄製の置き枠３に配列し
た。この置き枠の窪み２と窪み２との間隔に設けた目地
凹部８上に図３に示した発泡目地材４を載置し、その上
に粘着シート５を粘着剤層６をタイル面に向けて貼着
し、置き枠３から外し、タイルシートを製造した。発泡
目地材は、厚さ３．５mmの両面にスキン層を有する独立
気泡性のポリエチレン発泡体を使用した。発泡押出し後
のシートを横９．５cm、縦４．５cmの空間が５mmの枠を
介して格子状に配列するように打ち抜いた連結した枠体
を製造した。この枠状の発泡目地材を７％グルコン酸溶
液に浸漬後直ちに取出し、乾燥させ、本発明の発泡目地
材とした。
【００１８】図２に示すように、型枠９の底面に上記タ
イルシートを、粘着シート５を底に、タイル１を上方に
して敷設した。次いで鉄筋１０を縦横に配設し生コンク
リートを打設した。７０℃、４時間蒸気養生し、脱型可
能に凝固させた。この硬化体を脱型してコンクリートパ
ネルを製造した。このコンクリートパネルはタイル１の
光沢面の周辺部に図４のタイル１’に示すようなコンク
リートノロの硬化物１１が付着していた。この硬化物１
１はジェット水流で洗浄したところ容易に洗浄剥離する
ことができた。また、１４日後のコンクリートとタイル
の接着強度は油圧式引張り試験器（建研式）を使用して
測定したところ２０ kgf／cm2 であった。
イルシートを、粘着シート５を底に、タイル１を上方に
して敷設した。次いで鉄筋１０を縦横に配設し生コンク
リートを打設した。７０℃、４時間蒸気養生し、脱型可
能に凝固させた。この硬化体を脱型してコンクリートパ
ネルを製造した。このコンクリートパネルはタイル１の
光沢面の周辺部に図４のタイル１’に示すようなコンク
リートノロの硬化物１１が付着していた。この硬化物１
１はジェット水流で洗浄したところ容易に洗浄剥離する
ことができた。また、１４日後のコンクリートとタイル
の接着強度は油圧式引張り試験器（建研式）を使用して
測定したところ２０ kgf／cm2 であった。
【００１９】比較例１ 発泡目地材４に、７％グルコン酸ソーダを含浸しなかっ
た以外は実施例１と同様にしてコンクリートパネルを製
造した。このコンクリートパネルも実施例１と同様にタ
イルの光沢面の周辺部にコンクリートノロの硬化物が付
着していた。このコンクリートノロ硬化物はジェット水
流では剥離されず、鋭利な先端を有する刃物状の器具を
用いて１箇所ずつ剥離しなければならなかった。
た以外は実施例１と同様にしてコンクリートパネルを製
造した。このコンクリートパネルも実施例１と同様にタ
イルの光沢面の周辺部にコンクリートノロの硬化物が付
着していた。このコンクリートノロ硬化物はジェット水
流では剥離されず、鋭利な先端を有する刃物状の器具を
用いて１箇所ずつ剥離しなければならなかった。
【００２０】比較例２ 両面にスキン層を有しない連続気泡性発泡目地材４を３
０％グルコン酸ソーダ溶液に浸漬後直ちに取出し、乾燥
させて得られた発泡目地材を用いた以外は実施例１と同
様にしてコンクリートパネルを製造した。この発泡目地
材には内部深く凝結遅延剤が浸透していた。このコンク
リートパネルのタイル表面の光沢面に付着したコンクリ
ートノロ硬化物１１はジェット水流で容易に洗浄剥離さ
れた。しかしながら、１４日後のタイルとコンクリート
との接着強度は実施例１の方法で測定して１５ kgf／cm
2 であり、タイル１のコンクリートとの接着強度に不安
があった。
０％グルコン酸ソーダ溶液に浸漬後直ちに取出し、乾燥
させて得られた発泡目地材を用いた以外は実施例１と同
様にしてコンクリートパネルを製造した。この発泡目地
材には内部深く凝結遅延剤が浸透していた。このコンク
リートパネルのタイル表面の光沢面に付着したコンクリ
ートノロ硬化物１１はジェット水流で容易に洗浄剥離さ
れた。しかしながら、１４日後のタイルとコンクリート
との接着強度は実施例１の方法で測定して１５ kgf／cm
2 であり、タイル１のコンクリートとの接着強度に不安
があった。
【００２１】
【発明の効果】本発明によれば、打設したコンクリート
とタイル、特に、タイル側面との接着強度を損なうこと
なく、タイル表面に浸出したコンクリートノロのみの凝
結を遅延させ、コンクリートが硬化し、脱型した後にお
けるタイルの平滑な表面に付着したコンクリートノロ凝
固体を容易に洗浄排除することが可能になった。
とタイル、特に、タイル側面との接着強度を損なうこと
なく、タイル表面に浸出したコンクリートノロのみの凝
結を遅延させ、コンクリートが硬化し、脱型した後にお
けるタイルの平滑な表面に付着したコンクリートノロ凝
固体を容易に洗浄排除することが可能になった。
【図１】図１はタイルシートの製造法の１例を示す断面
図である。
図である。
【図２】図２はコンクリートパネルの製法の１例を示す
断面図である。
断面図である。
【図３】図３は発泡目地材の１例を示す斜視図である。
【図４】図４はタイル埋設式コンクリートパネルの１例
を示す斜視図である。
を示す斜視図である。
１ タイル ２ 窪み ３ 置き枠 ４ 発泡目地材 ５ 粘着シート ６ 粘着剤層 ７ 基材 ８ 目地凹部 ９ 型枠 １０ 鉄筋 １１ コンクリートノロの硬化物
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｃ０４Ｂ 41/65 Ｃ０９Ｋ 3/10 Ｚ
Claims (4)
- 【請求項１】 基材上に設けた粘着剤層に、目地幅を残
し、光沢面を粘着剤側にしてタイルが貼着され、タイル
とタイルとの間隙にプラスチック発泡体よりなり、タイ
ルの厚さより薄く、連結した枠状の発泡目地材が貼着さ
れているタイルシートに用いられる発泡目地材におい
て、 該発泡目地材の表面部位に、セメント凝結遅延剤が施さ
れていることを特徴とするタイルシート用発泡目地材。 - 【請求項２】 発泡目地材が、少なくとも一方の面にス
キン層を有し、少なくとも一方の面にセメント凝結遅延
剤が施されている請求項第１項記載のタイルシート用発
泡目地材。 - 【請求項３】 発泡目地材が独立気泡性のプラスチック
発泡体からなることを特徴とする請求項第１項または第
２項記載の発泡目地材。 - 【請求項４】 粘着シートの粘着剤層に、目地幅を残
し、光沢面を粘着剤側にしてタイルが貼着され、タイル
とタイルとの間隙にプラスチック発泡体よりなり、タイ
ルの厚さより薄く、連結した枠状の発泡目地材が貼着さ
れている、タイルシートを用い、上記タイルシートを、
タイル表面を上にして型枠内に敷設し、所定の位置に鉄
筋を配設し、しかる後コンクリートを打設して凝結硬化
後、脱型し、粘着剤シートを剥離するタイル埋設式コン
クリートパネルの製法において、発泡目地材として、そ
の表面部位にセメント凝結遅延剤が施されているタイル
シート用発泡目地材を使用するタイル埋設式コンクリー
トパネルの製法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2850893A JPH06220977A (ja) | 1993-01-26 | 1993-01-26 | 発泡目地材及びコンクリ−トパネルの製法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2850893A JPH06220977A (ja) | 1993-01-26 | 1993-01-26 | 発泡目地材及びコンクリ−トパネルの製法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06220977A true JPH06220977A (ja) | 1994-08-09 |
Family
ID=12250629
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2850893A Pending JPH06220977A (ja) | 1993-01-26 | 1993-01-26 | 発泡目地材及びコンクリ−トパネルの製法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06220977A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009150113A (ja) * | 2007-12-20 | 2009-07-09 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 先付工法用タイル目地材およびその製造方法 |
-
1993
- 1993-01-26 JP JP2850893A patent/JPH06220977A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009150113A (ja) * | 2007-12-20 | 2009-07-09 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 先付工法用タイル目地材およびその製造方法 |
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