JPH06220572A - 鉄基耐熱合金の製造方法 - Google Patents
鉄基耐熱合金の製造方法Info
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- JPH06220572A JPH06220572A JP5024974A JP2497493A JPH06220572A JP H06220572 A JPH06220572 A JP H06220572A JP 5024974 A JP5024974 A JP 5024974A JP 2497493 A JP2497493 A JP 2497493A JP H06220572 A JPH06220572 A JP H06220572A
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Abstract
偏析の生成を有効に防止し、かつ鋳塊肌を良好にする。 【構成】 SUH660鉄基耐熱合金鋳塊を、電極芯
部に丸孔が形成された中空電極を用いてエレクトロスラ
グ再溶解により製造する。 【効果】 ESRの際に溶融金属プールが浅くなって
平坦化され、マクロ偏析の生成を防止し、良好な鋳塊肌
が得られる。
Description
超電導発電機部材などに用いられる鉄基耐熱合金の製造
方法に関するものである。
SUH660で示される鉄基耐熱合金は、高温強度や耐
食性に優れていることからガスタービンやジェットエン
ジン部材に使用される他、極低温においても高い強度と
優れた靱性を有し、さらに安定した非磁性を示すことか
ら超電導発電機部材などにも使用されている。これら用
途では、材料に要求される性質も厳しく、耐久性にも優
れていることが必要であるが、上記鉄基合金では、これ
らの機械的性質は、脆化析出相や非金属介在物の存在に
よって著しく影響されるため、適切な合金設計の他に不
純物をできるだけ少なくする溶解精錬法が必要であり、
そのためにエレクトロスラグ再溶解法(以下、ESR法
という)と称される特殊溶解法が採用されている。
通電により発生するジュール熱で電極を溶融させてスラ
グ下に滴下させ、この鋳型内溶融金属プールを指向性凝
固させることにより良好な肌と内部性状を有する鋳塊を
得る方法である。このような良質な鋳塊を得るために
は、適切なスラグ温度を維持しながら溶融金属プールを
制御する必要があり、電極送入速度、電圧、電流、スラ
グ浴の深さ、スラグ組成、フィルレイショ(電極径/鋳
型径)などの因子によって適切なESR条件が決定され
る。
0鉄基合金の品質の健全性を損なう最大の要因は、スト
リーク状のマクロ偏析の生成であり、鋳塊の径大化とと
もに偏析生成の割合も高くなる。しかし、この鉄基合金
は多量の合金元素を含有するため、偏析に対する感受性
が非常に高く、その鋳塊の製造に際して、ESRを適用
し、かつ前記ESR操業時の因子を制御してもマクロ偏
析を十分に回避することは困難である。本発明は、上記
事情を背景としてなされたものであり、大型の鉄基合金
鋳塊を製造する際にも、偏析が少なく、しかも表面肌の
良好な鋳塊を得ることができる製造方法を提供するもの
である。
め、本願発明の鉄基耐熱合金の製造方法は、重量%で、
Ni :24〜27%、Cr :13.5〜16%、Mo :
1.0〜1.5%、Ti:1.9〜2.35%、C:
0.08%以下、Si :1%以下、Mn :2%以下、
V:0.1〜0.5%、Al :0.35%以下を含有
し、残部がFe および不可避不純物からなる鉄基耐熱合
金の製造方法において、電極芯部に軸方向に沿って孔が
形成された中空電極を用いてエレクトロスラグ再溶解を
行うことを特徴とする。第2の発明は、電極の中空部の
断面積が、中空部を含む電極全断面積に対し、0.04
〜0.9の比率からなる中空電極を用いてエレクトロス
ラグ再溶解を行うことを特徴とする。第3の発明は、中
空電極が円筒形状の場合に電極内径が外径に対し、0.
2〜0.95の比率からなり、該電極の外径が、鋳型内
径に対し、0.4〜0.95の比率からなることを特徴
とする。
SR法では、偏析のない健全なESR鋳塊を得ることは
ことは困難であり、本願発明では、従来用いられている
中実電極に代えて中空電極を用いることでマクロ偏析が
低減されることを見出した。偏析のない良好な内部性状
のESR鋳塊を製造するためには溶融金属プールを浅く
皿状にすることが不可欠であり、これが深くなると、凝
固組織の緻密化が妨げられて組織が粗大化しやすく、マ
クロ偏析が発生しやすい。しかし、鋳塊が限界の大きさ
以上になると良好な肌を確保しつつマクロ偏析が生成し
ない程度の浅いプールにすることは困難である。
ると、フィルレイショが小さい場合は溶融スラグ中央部
での発熱量が多く、電流が凝固した鋳塊中に多く流れて
ジュール発熱も多くなり、プールは深くなる傾向にあ
る。一方、フィルレイショが大きいと溶融スラグ全体で
発熱し、電流は鋳型へ流れる割合が増えるのでプールは
浅くなる傾向にある。しかし、フィルレイショを大きく
する後者の方法でも、偏析が生成しない程に十分に浅い
プールにすることは容易ではない。このような知見に基
づき本願発明では、SUH660合金のESR鋳塊の製
造に当たり、中空電極を採用することによって、電極中
心部直下から鋳塊内を流れる電流が少なくなり、中心部
の溶融プールの深さが浅くなって全体としてプール形状
が平坦化され、マクロ偏析の少ない内部性状の良好なE
SR鋳塊が得られる。また、鋳型近傍で、通電量が増え
てスラグの温度が高くなって良好な鋳塊肌となる。
れないが、例えば大気中あるいは真空中で溶解、精錬、
造塊した中空鋳塊や、中実鋳塊を孔明けしたもの、鋳塊
を板状に加工して板曲げし溶接したもの、中空電極の分
割材を組み立て溶接したものなどを用いて目的の中空電
極を得ることができる。このようにして製造される電極
の外形は、円柱形状の他に、角柱形状やその他の異形形
状とすることができる。そして、電極に形成される孔
は、通常は電極の中心部に位置するが、完全に中心に位
置するものに限定されるものではなく、ほぼ中心である
芯部に形成されるものであればよい。
常は電極外壁と相似形の断面形状に形成される。例え
ば、円柱形状の電極に丸孔を形成し、角柱形状の電極
に、角孔を形成する。この孔は通常は、電極の両端に貫
通させるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、
ESR操業初期または終期では、中実部を溶融させるよ
うに、電極の一端または両端で孔が閉塞しているもので
あってもよい。また、孔は軸心方向に沿って同一断面形
状を有する直孔状に形成するのが通常であるが、軸方向
位置によっては異形断面としてもよく、例えば、孔の内
面形状を軸心方向に沿ってテーパー状とすることも考え
られる。また、孔は通常は電極の芯部に一つを形成する
が、複数形成することもできる。
等の関係を限定した理由について述べる。中空部断面積/中空部を含む電極全断面積 (孔径/電極外径比)上記の比が下限未満であると、溶
融金属プールの形状変化に及ぼす影響が小さく、十分な
溶融プール平坦化の効果が認められない。また、上限を
越えると、必要鋳塊重量を得るための電極長さが増大
し、実操業への適用が困難になるため、断面積比で0.
04〜0.9、径の比で0.2〜0.95の範囲を望ま
しいものとした。電極外径/鋳型内径の比 上記比が0.4未満であると必要鋳塊重量を得るための
電極長さが増大し、実操業への適用が困難になる。また
比が0.95を越えると、鋳型と電極との間隔が狭くな
り、鋳型または電極の昇降において鋳型と電極が接触す
る可能性があり、実操業への適用が困難になるおそれが
あるため、上記範囲を望ましいものとした。なお、本発
明の電極は1本で使用する他に、例えば中空ESR鋳塊
の製造などに際して中空電極を円周上に複数配置してE
SRすることも可能であり、その場合にも中空電極固有
の効果が得られる。
示す組成の供試合金を通常法により溶製し、さらに中子
を用いて中心に丸孔を有する円柱状電極を鋳造した。な
お、電極の鋳造に際しては表2に示すように電極の内径
/外径の比を変えて3種の発明電極A〜Cを用意した。
また、従来法により中子を用いることなく鋳造した中実
電極を比較電極Dとして用意した。これらの電極はほぼ
同じ電極断面積(孔部は除く)とし、同一の溶解速度が
得られるようにESR条件を設定した。
mm径の鋳型内で、50%CaF2−15%CaO−25
%Al203−10%TiO2(重量%)のスラグを使用し
て600kg/hrの溶解速度でESRを行った。得ら
れたESR鋳塊の横断面をマクロ腐食し、マクロ偏析の
発生程度を観察するとともに鋳塊肌の評価を行った。そ
の結果は表3に示すとおりであり、従来の中実電極を用
いた場合には、鋳塊肌は不良で内部性状もストリーク状
のマクロ偏析が多数生成していた。これに対し、中空電
極を用いたものでは電極Aで極軽微なマクロ偏析の生成
が認められたが、電極BおよびCではマクロ偏析の生成
は全く認められず、鋳塊肌も改善されており、良質なE
SR鋳塊が得られた。なお、上記実施例では、円柱状電
極に丸孔を形成したものについて説明したが、電極およ
び孔の形状がこれに限定されるものではなく、例えば図
1に示すように角柱電極1、2やセグメント化した電極
3、4などを例示することができる。
鉄基耐熱合金をESRで製造する際に、中空電極を用い
たことにより、溶融プール形状が浅くなって平坦化さ
れ、ESR鋳塊に生成するストリーク状のマクロ偏析を
防止でき、さらに鋳塊肌の改善にも効果がある。
極横断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 重量%で、Ni :24〜27%、Cr :
13.5〜16%、Mo :1.0〜1.5%、Ti :
1.9〜2.35%、C:0.08%以下、Si :1%
以下、Mn :2%以下、V:0.1〜0.5%、Al :
0.35%以下を含有し、残部がFe および不可避不純
物からなる鉄基耐熱合金の製造方法において、電極芯部
に軸方向に沿って孔が形成された中空電極を用いてエレ
クトロスラグ再溶解を行うことを特徴とする鉄基耐熱合
金の製造方法 - 【請求項2】 電極の中空部の断面積が、中空部を含む
電極全断面積に対し、0.04〜0.9の比率からなる
中空電極を用いてエレクトロスラグ再溶解を行うことを
特徴とする請求項1記載の鉄基耐熱合金の製造方法 - 【請求項3】 電極内径が外径に対し、0.2〜0.9
5の比率からなり、該電極の外径が、鋳型内径に対し、
0.4〜0.95の比率からなる円筒状の中空電極を用
いてエレクトロスラグ再溶解を行うことを特徴とする請
求項1記載の鉄基耐熱合金の製造方法
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5024974A JP2745369B2 (ja) | 1993-01-21 | 1993-01-21 | 鉄基耐熱合金の製造方法 |
US08/073,465 US5524019A (en) | 1992-06-11 | 1993-06-09 | Electrode for electroslag remelting and process of producing alloy using the same |
EP93109401A EP0577997A1 (en) | 1992-06-11 | 1993-06-11 | Electrode for electroslag remelting and process of producing alloy using the same |
US08/243,736 US5487082A (en) | 1992-06-11 | 1994-05-17 | Electrode for electroslag remelting and process of producing alloy using the same |
US08/243,741 US5444732A (en) | 1992-06-11 | 1994-05-17 | Electrode for electroslag remelting and process of producing alloy using the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP5024974A JP2745369B2 (ja) | 1993-01-21 | 1993-01-21 | 鉄基耐熱合金の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH06220572A true JPH06220572A (ja) | 1994-08-09 |
JP2745369B2 JP2745369B2 (ja) | 1998-04-28 |
Family
ID=12152950
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP5024974A Expired - Lifetime JP2745369B2 (ja) | 1992-06-11 | 1993-01-21 | 鉄基耐熱合金の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2745369B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09241767A (ja) * | 1996-03-08 | 1997-09-16 | Hitachi Metals Ltd | 超耐熱合金の消耗電極式再溶解法 |
CN112501448A (zh) * | 2020-11-11 | 2021-03-16 | 湖南金天钛业科技有限公司 | 真空自耗熔炼合金的方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS5857266A (ja) * | 1981-09-30 | 1983-04-05 | Pentel Kk | 空気極の製造方法 |
JPH01127625A (ja) * | 1987-11-13 | 1989-05-19 | Kawasaki Steel Corp | エレクトロスラグ再溶解における合金添加方法 |
-
1993
- 1993-01-21 JP JP5024974A patent/JP2745369B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (2)
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JPH01127625A (ja) * | 1987-11-13 | 1989-05-19 | Kawasaki Steel Corp | エレクトロスラグ再溶解における合金添加方法 |
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CN112501448A (zh) * | 2020-11-11 | 2021-03-16 | 湖南金天钛业科技有限公司 | 真空自耗熔炼合金的方法 |
CN112501448B (zh) * | 2020-11-11 | 2022-05-03 | 湖南金天钛业科技有限公司 | 真空自耗熔炼合金的方法 |
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JP2745369B2 (ja) | 1998-04-28 |
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