JPH06218392A - 尿石防止剤及び尿石防止方法 - Google Patents

尿石防止剤及び尿石防止方法

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JPH06218392A
JPH06218392A JP3123893A JP3123893A JPH06218392A JP H06218392 A JPH06218392 A JP H06218392A JP 3123893 A JP3123893 A JP 3123893A JP 3123893 A JP3123893 A JP 3123893A JP H06218392 A JPH06218392 A JP H06218392A
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Kazuki Takatani
和樹 高谷
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Shinto Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ホスホン酸及び/又はホスホン酸のアルキル
金属塩及び/又は、ホスホン酸のアンモニュウム塩を有
効成分として含有する尿石防止剤及びこの尿石防止剤を
便器内に添加又は設置する尿石防止方法。 【効果】 本発明の尿石防止剤は従来の尿石防止剤の約
10倍以上も効果がある。また、ホスホン酸、及びその
アルキル金属塩又はアンモニュウム塩は防錆作用がある
ため、洗浄水の排水管の腐食の心配も無くなる。従って
本発明による経済的、公衆衛生的意義は大きい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はトイレの便器や排水管の
スケール防止剤、及び防止方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水洗式トイレの普及によりトイレの環境
も改善されてきたが特に男子用トイレの場合、便器およ
び排水管内に溜った尿と洗浄水の混合排水のPHが上昇
することにより、尿中のカルシュウムイオンとリン酸イ
オンが反応して出来るリン酸カルシュウムの溶解性が低
下し、リン酸カルシュウムが有機物と共に便器内や排水
管に析出して尿石となる。一担付着した尿石は簡単に取
れないため、その量は少しずつ多くなり悪臭原因や、排
水管が詰まる原因になる。そのため従来から固体酸、昇
華性物質、界面活性剤、キレート剤からなる成形体を便
器内へ設置し、洗浄水中のPHを5.0〜8.5に抑制
する方法や前記方法に金属キレート剤であるNTA(ニ
トリロトリ酢酸)、EDTA(エチレンジアミン四酢
酸)などのアミノポリカルボン酸類、又はそれらのナト
リュウムやアンモニュウム塩等を併用し、尿中のカルシ
ュウムイオンを水可溶性の金属化合物とし、尿石の溶解
性を高める方法等が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらPHを抑
制する固体酸の錠剤を便器の中に置いて洗浄水で有効成
分を溶解することによるPHを抑制する方法の場合、例
えば水溶性の酸性物質(スルファミン酸)、昇華性物質
(パラジクロルベンゼン)、非イオン系界面活性剤から
なる男子用便器の尿石防止剤の有効濃度は400〜50
0ppmでありそれ以下になると効果は著しく低下す
る。従って1箇(80〜100g)又は、2箇(約50
g/1箇)の錠剤を設置し、1回の洗浄水全量4〜5リ
ットルを流してその液のPHを制御することによる尿石
防止機能は充分ではない。また、金属キレート剤、例え
ばEDTA等ポリアミノカルボン酸類の併用も有効であ
るが、1回の溶出量を400〜500ppmにしなけれ
ばならないため、錠剤中の含有量を極端に多くしなけれ
ば有効期間が短くなる。また、溶出量が400〜500
ppm以上になると、浄化槽の活性汚泥菌への悪影響が
ある等の問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記問題点
を解決すべく鋭意研究の結果、従来の酸によりPHを抑
制する方法および金属キレートによる溶解性を向上させ
る方法とは全く作用機構が異なるスレシュホールド効果
により尿石の付着を防止する方法を見出した。すなわ
ち、ホスホン酸、ホスホン酸のアルキル金属塩又は、ホ
スホン酸のアンモニュウム塩は加水分解に対する安定性
が良く、カルシュウムなどの過飽和溶液からの沈澱が化
学等量以下のインヒビターによって防止されるスレシュ
ホールド効果が大きいことを見出した。すなわち、カル
シュウムイオン濃度に対し化学等量的にはるかに少ない
濃度でリン酸カルシュウムを主体とする尿石の付着を防
止しようとするものであり、カルシュウムイオン濃度に
対し有効成分を化学等量的に低い濃度で用い、スレシュ
ホールド効果により一担生成する沈澱の生成速度を著し
く抑制し、さらに沈澱の結晶構造に歪を与えることによ
り、尿石付着を防止しようとするものである。本発明は
ホスホン酸及び/又はホスホン酸のアルキル金属塩及び
/又は、ホスホン酸のアンモニュウム塩を有効成分とし
て含有する尿石防止剤およびこの尿石防止剤を便器内に
添加又は設置する尿石防止方法である。本発明の有効成
分であるホスホン酸、ホスホン酸のアルキル金属塩又
は、ホスホン酸のアンモニュウム塩としては、アミノト
リ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン
−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メ
チレンホスホン酸)、ジエイレントリアミンペンタ(メ
チレンホスホン酸)などであるが、これらのみに限定さ
れるものではない。
【0005】有効成分を便器内に一定濃度になるよう流
す方法としては、有効成分を常法により固形にした尿石
防止剤を便器内に設置し洗浄水で溶解する方法と、液体
状の有効成分を水溶液とした尿石防止剤とし、これを自
動添加装置で洗浄水中の濃度が一定になるよう添加する
方法がある。固形状の尿石防止剤は有効成分を10〜9
5重量%、好ましくは70〜30重量%、パラジクロル
ベンゼン、トリアルキルトリオキ酸(炭素数3〜6のア
ルキル基)などの昇華性物質を10〜90重量%、好ま
しくは70〜30重量%、非イオン系界面活性剤(HL
B12〜20)5〜50重量%、好ましくは50〜30
重量%含有するのが望ましい。その他必要に応じ香料、
着色剤、成形付与剤などを添加する事が出来る。またホ
スホン酸の水溶性を良くする目的で少量のアルカリ性物
質を添加する事もできる。また、非イオン系界面活性剤
のかわりにポリエチレングリコールを用いてもよい。本
発明においては、1回の洗浄水中の有効成分濃度が1〜
100ppmになるよう昇華性物質、水溶性物質、その
他添加剤の量を調整すればよいため、固形化のための割
合は記述内容のみに限定されるものではない。水溶液の
尿石防止剤は、ホスホン酸、及びそのアルキル金属塩又
はアンモニウム塩の一定高濃度水溶液にするのみで使用
することができるが、その濃度はトイレに設置した添加
装置の添加量調整機能、洗浄水量などをもとに、洗浄水
中の有効成分濃度が1〜100ppmになるように変え
ることが出来る。また、清涼感、清潔感を与える目的で
必要に応じ香料、着色剤を添加することが望ましい。
【0006】
【実施例】
(実施例1〜6、比較例1〜8)新鮮な尿を、尿約20
0ミリリットル(1人1回分の量)に対し、水道水約2
リットル(1回の洗浄水量)の割合で希釈したものを、
140ミリリットルのガラスビンに100ミリリットル
入れ表1のとおりそれぞれの有効成分を各濃度になるよ
う添加し、24時間ごとに液を入れ換える操作を1ケ月
繰り返し、試験前後のビンの重量変化を調べた。その結
果は表1のとおりホスホン酸、及びそれらのナトリュウ
ム塩及びアンモニウム塩は低濃度でも優れた効果を示し
た。
【0007】
【表1】
【0008】(注1)いずれの成分も200ppm以下
の濃度では添加前後でPH変化はなかった。また、貯蔵
前後のPH変化は各試料共同じ傾向であった。 (注2)ビンに付着した成分と、実際の尿石を赤外分光
分析、及びケイ光X線分析を行い比較したところ、殆ど
同じであった。 (注3)評価基準(尿石付着重量/mmg) ◎:5以下 ○:6〜10 △:11〜20
×:21以上
【0009】実施例7 エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)50重
量部、ポリエチレングリコール(分子量6000)10
重量部、パラジクロルベンゼン40重量部を粉砕混合し
たもの80gを加圧成形し、直径50mmの半円柱状の
成形体を作成した。 実施例8 エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)50重
量部、非イオン系界面活性剤(HLB18.5)10重
量部、パラジクロルベンゼン40重量部を粉砕混合した
もの80gを加圧成形し、直径50mmの半円柱状の成
形体を作成した。 実施例9 エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)50重
量部、非イオン系界面活性剤7重量部、ステアリルアル
コール3重量部、パラジクロルベンゼン40重量部を粉
砕混合したもの80gを加圧成形し直径50mmの半円
柱状の成形体を作成した。 実施例10 エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)50重
量部、トリアルキルトリオキ酸(アルキル基の炭素数
3)38重量部、ステアリン酸カルシュウム2重量部を
粉砕混合したもの80gを加圧成形し、直径50mmの
半円柱状の成形体を作成した。 比較例9 スルファミン酸を有効成分として含有する市販品成形
体。
【0010】実施例7〜10の各サンプル1箇(80
g)に対し水道水4リットルを20秒流し、その水を均
一に攪拌後リン酸イオン濃度を測定して溶解性を調べ
た。その結果表2のとおり、有効成分目標濃度10pp
m以上溶解していた。
【0011】
【表2】
【0012】各実施例および比較例の尿石防止剤で1日
当たり約50人が使用する男子用トイレで約3ケ月間尿
石付着量をテストした。その結果は表3に示すとおりで
実施例のものは極めて少ない付着量であった。なお、固
形成形体のものは2週間ごとに新しいものと取り替え
た。液状のものについては、それぞれ有効成分の1重量
%水溶液を作り、自動添加装置で洗浄水の有効成分濃度
が10ppmになるよう設定した。尿石付着量は、30
メッシュステンレス製円筒状金網(7×10cm)をト
イレ洗浄水の溜水部に設置し、約3ケ月後に取り出し、
流水で簡単に洗浄し乾燥後の重量増加量を尿石付着量と
した。
【0013】
【表3】
【0014】
【発明の効果】本発明の尿石防止剤は従来の尿石防止剤
の約10倍以上も効果がある。また、ホスホン酸、及び
そのアルキル金属塩又はアンモニウム塩は防錆作用があ
るため、洗浄水の排水管の腐食の心配も無くなる。従っ
て本発明による経済的、公衆衛生的意義は大きい。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホスホン酸及び/又はホスホン酸のアル
    キル金属塩及び/又は、ホスホン酸のアンモニュウム塩
    を有効成分として含有する尿石防止剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の尿石防止剤を便器内に添
    加又は設置する尿石防止方法。
JP03123893A 1993-01-26 1993-01-26 尿石防止剤及び尿石防止方法 Expired - Fee Related JP3252000B2 (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6319390B1 (en) 1994-08-19 2001-11-20 Toto Ltd. Method of and system for cleansing a toilet or urinal
WO2013057805A1 (ja) * 2011-10-19 2013-04-25 日本曹達株式会社 尿石防止剤

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6319390B1 (en) 1994-08-19 2001-11-20 Toto Ltd. Method of and system for cleansing a toilet or urinal
WO2013057805A1 (ja) * 2011-10-19 2013-04-25 日本曹達株式会社 尿石防止剤

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