JP3123051B2 - 便器防汚・脱臭方法 - Google Patents

便器防汚・脱臭方法

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JP3123051B2
JP3123051B2 JP01341185A JP34118589A JP3123051B2 JP 3123051 B2 JP3123051 B2 JP 3123051B2 JP 01341185 A JP01341185 A JP 01341185A JP 34118589 A JP34118589 A JP 34118589A JP 3123051 B2 JP3123051 B2 JP 3123051B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、便器面および便器トラップの防汚・脱臭方
法に係わり、さらに詳しくは、便器面の金属化合物によ
る汚染防止、便器トラップのスケール発生防止および便
器から発生する悪臭の脱臭に関する。
本発明の便器防汚・脱臭方法は、水洗式の各種便器に
使用することができる。
〔従来の技術〕
便器面は、洗浄水に微量含まれる鉄、マンガン等の重
金属が徐々に付着し黒色に汚染され、使用者に不快感を
与える。
便器トラップ、特に、小便器のトラップは、尿の分解
により生成するカルシウム系化合物や有機物の混合物が
固着した尿石と称されるスケールが生成し、尿および洗
浄水の流れを悪化させ、甚だしい場合には排水管を閉塞
し、便器は使用不能の状態となる。
また、便器面および便器トラップに滞留した尿から
は、尿の分解によりアンモニアを発生する。
従来、便器の防汚・脱臭方法としては、洗浄水配管に
設置した溶解器中で薬剤を溶解し溶解液で便器面を洗浄
する方法、ロータンク手洗い水で薬剤を溶解し溶解水で
便器面を洗浄する方法などが実用化されている。
これらの方法において使用する薬剤としては、界面活
性材、殺菌剤および香料を含有するものが種々提案され
ている。
たとえば、界面活性剤、イオン封鎖剤、香料等をポリ
エチレングリコールまたはポリプロピレングリコールと
共に溶融混合し、注入成形してなる水洗式トイレの消臭
洗浄剤が、特公昭45−30706号公報に、常温で固体のポ
リエチレングリコール、灘水溶性の芳香物質、非イオン
系界面活性剤および香料等の添加剤からなる混合溶融物
を冷却個化して成形した洗浄防汚芳香剤が、特開昭57−
168668号公報に記載されている。
また、殺菌剤と洗剤を洗浄水配管に設置した溶解器中
で溶解する方法が、英国特許1069213号に、固体酸を主
成分とするスケール防止剤を、便器排水管入口、便器内
壁面および底部の洗浄水流路、手洗部付ロータンクの蛇
口下、便器トラップ部分、洗浄水貯槽部分、排水管内お
よび洗浄水配管に設置する方法が特開昭62−38299号に
記載されている。
さらに、便器面を汚染してしまった黒色の汚染は、研
磨剤を使用して物理的に剥離する方法が、便器トラップ
に付着してしまったスケールの除去方法として、塩酸等
の無機強酸を使用して溶解する方法が採用されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
従来採用されている界面活性剤、殺菌剤および香料か
らなる薬剤の使用は、便器面の有機物質による汚れ防止
および悪臭のマスキングには、有効である。しかしなが
ら、便器面の汚染で最も問題となる鉄、マンガン等重金
属付着による黒色汚染の防止には何ら有効ではなく、さ
らに、便器トラップのスケール防止効果も十分でなく、
また、殺菌剤の洗浄槽への流入は浄化槽微生物の働きを
妨げ、浄化槽の浄化能力を低下させる。
界面活性剤と香料とからなる洗浄消臭剤の使用は、便
器面の有機物質による汚れ防止および悪臭のマスキング
には有効であるが、鉄、マンガン等重金属付着による黒
色汚染の防止や便器トラップのスケール防止効果はな
い。
イオン封鎖剤を尿または洗浄水に添加する方法は、便
器面の鉄、マンガン等重金属付着による黒色汚染の防止
や便器トラップ中のスケール防止にはかなり有効であ
る。しかしながら、便器面の黒色汚染や便器トラップ中
のスケールの固着を完全に防止するには、イオン封鎖剤
を尿に対し0.3〜1重量%使用する必要があり、また、
悪臭の脱臭効果は全くない。一般に、イオン封鎖剤は高
価であり、この方法は広く普及しにくい。
固体酸を主成分とするスケール防止剤を、便器排水管
入口、便器内壁面および底部の洗浄水流路、手洗部付ロ
ータンクの蛇口下、便器トラップ部分、洗浄水貯槽部
分、排水管内および洗浄水配管に設置する方法は、便器
面の防汚、トラップのスケール防止およびアンモニアの
脱臭にかなり有効である。しかしながら、この方法は、
1回の使用で溶出する薬剤を洗浄水全量で希釈するた
め、常に洗浄水中の薬剤濃度を有効濃度以上に維持する
ためには多量の薬剤を必要とする。
また、研磨剤による便器面黒色汚染の剥離は、不快か
つ困難な作業であるとともに便器表面を損傷する。ま
た、強酸によるスケール除去においては、酸による排水
管の腐食や浄化槽に流入した酸による浄化能力の低下が
問題となる。
本発明は、便器面の黒色汚染、便器トラップのスケー
ル固着防止、さらに、便器から発生するアンモニヤ脱臭
に適した方法を提供することを、その目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者等は、前記目的を達成すべく鋭意研究した結
果、固体酸を、昇華性物質を含有する基剤を用いて成形
した成形体を、便器の洗浄水中に徐々に溶解することに
より、長期にわたり便器汚れを防止でき、同時に悪臭の
発生も防止されることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、固体酸を有効成分とし、昇華性物質を含有
する基剤からなる成形体を便器洗浄水配管の途中に設置
した溶解器内で溶解し、溶解水で便器面および便器トラ
ップ中に流下することを特徴とする便器防汚・脱臭方法
である。
本発明において、固体酸とは、常温で固体の酸性物質
であり、1重量%以下の濃度で水に溶解したときの溶解
水のpHが5以下であれば、特に、制限はない。たとえ
ば、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウム、硫酸アン
モニウム等の強酸と弱塩基の水溶性塩およびスルファミ
ン酸等を挙げることができる。また、クエン酸、マレイ
ン酸、イソフタル酸、酒石酸、リンゴ酸、安息香酸、修
酸、サリチル酸などの有機酸類も使用できる。
これら固体酸は、1種単独または2種以上の混合物と
して使用できる。
成形体中の固体酸配合量は、成形体重量、溶解器の大
きさ、便器使用頻度などにより異なるが、成形体中30〜
70重量%、好ましくは、40〜65重量%が配合できる。
基剤は、使用に際し、固体酸を適当な速度で、かつ、
形崩れを起こさずに溶解すること、成形体の成長に際
し、固体酸の成形を良好なものとする目的で使用され
る。基剤として、昇華性物質を単独で使用するか、また
は、昇華性物質と溶融成形または加圧成形が可能であ
り、該成形体を水に接触させた場合に崩壊することなく
溶解する水溶高分子および/又は界面活性剤との混合系
が使用される。基剤中の昇華性物質としては、パラジク
ロルベンゼンが使用される。基剤中の水溶性高分子とし
て、常温で固体の水溶性高分子、たとえば、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコールなどが、界面
活性剤として、非イオン系、陽イオン系および陰イオン
系の各種界面活性剤が例示できる。基剤中に水溶性高分
子および/または界面活性剤を配合する場合は、各々単
独に、または、各々の1種または2種以上を混合して使
用することができる。
該成形体において、基剤としてパラジクロルベンゼン
の含有量は、基剤中の40重量%以上であり、かつ、成形
体中の15〜70重量%、好ましくは20〜50重量%である。
また、パラジクロルベンゼンと水溶性高分子および/ま
たは界面活性剤の混合物を基剤とする場合は、水溶性高
分子および/または界面活性剤の混合物の総含有量が基
剤中の60重量%以下、成形体中の30重量%以下である。
また、成形体中の基剤含有量は、30〜70重量%、好まし
くは40〜60重量%である。成形体中の基剤含有量が30重
量%未満であると、固体酸の溶解調整が困難となり、使
用できる固体酸の種類がその固体酸の飽和溶解度により
限定される。一方、成形体中の基剤含有量が70重量%を
超えると有効成分である固体酸の含有量が少なくなり、
防汚・脱臭効果が十分でなくなる。
該成形体のパラジクロルベンゼン含有量が15重量%未
満であると、成形体が溶解水と接触した際に形状がくず
れ易くなり、溶解速度のコントロールも困難となる。一
方パラジクロルベンゼンの含有量が70重量%を超えると
有効成分である固体酸の含有量が少なくなり、防汚・脱
臭効果が十分でなくなる。また、パラジクロルベンゼン
と水溶性高分子および/または界面活性剤の混合物を基
剤とする場合は、基剤中のパラジクロルベンゼン含有量
が40重量%未満ではパラジクロルベンゼンの連続体の形
成が困難となり膨潤や形崩れが起こりやすくなる。
本発明の便器防汚・脱臭剤は、溶解器中に収納可能な
任意の形状、たとえば、球状、円柱状、円板状、立方体
状、直方体状等を有する成形体であり、固体酸と基剤お
よび所望により添加される添加剤からなる混合物の成形
体である。所望により添加される添加剤として、溶解速
度調製剤、香料、着色料、腐食防止剤、殺菌剤、イオン
封鎖剤等が挙げられる。
成形体の水への溶解速度を調製する目的で、成形体に
溶解速度調製剤を添加することができる。溶解速度調製
剤としては、基剤又は固体酸との混合物を加熱して均一
な溶解混合物の得られる難水溶性物質、たとえば、脂肪
酸、高級アルコール類等、または、撥水性物質の粉末、
たとえば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグ
ネシウム、タルク等が使用できる。
腐食防止剤は、便器排水管の腐食防止を目的として添
加される。腐食防止材として、酸用腐食防止剤たとえば
アルキルチオ尿素等が好ましく使用される。
悪臭をマスクし芳香を漂わせることを目的として、各
種調製香料を、また、成形体の残量の検知、洗浄水の着
色等を目的として、着色料を成形体に添加することがで
きる。
また、浄化槽へ影響を与えない種類の、またはその影
響が無視し得る量の殺菌剤、および、経済的に負担とな
らない程度のイオン封鎖剤の添加も可能である。
本発明の便器防汚・脱臭剤は、各成分を混合、打錠す
る方法、各成分の混合物を加熱、溶解した溶融スラリー
を成形型に注入して冷却、個化する方法等の公知の成形
方法により製造することができる。
本発明の成形体は、便器洗浄水配管途中に設置した溶
解器内に入れて使用される。
本発明の成形体の溶解に使用できる溶解器は、水洗式
便器洗浄水配管の途中に設置して使用される。すなわち
ハイタンク式の場合は、ハイタンクと便器の間の配管
に、プッシュボタン式の場合、プッシュボタンと便器の
間の配管に、または、ロータンク式の場合、ロータンク
と便器の間の配管に設置して使用される。溶解器の構造
は、フロートバルブ、逆止弁を有するものであり、洗浄
水配管から洗浄水の流れ始めの一部を溶解器に導入する
ための、配管取り付け部分、導入配管、溶解器内に洗浄
水が所定量以上流入することを防止するとともに洗浄水
配管を洗浄水が流れている時溶解器から溶解水の流出を
防止し、洗浄水が流れ終わった時に溶解水を流出するた
めの、フロート部に直結している逆止弁、および、固体
酸を有効成分とする成形体を内部に設置し、導入した溶
解水で成形体の一部を溶解するための溶解室より構成さ
れるものであればよい。さらに、具体的に溶解器の構成
を説明する。
洗浄水配管に配管取り付け部分を設け、該部分に導入
配管をつなぎ一端を溶解器内に通水するように連結す
る。洗浄水配管を洗浄水が流れると一部が導入配管内に
導かれ溶解器内に溜まる。溶解器内にはフロートが設け
られており、溶解器内に導入され溜まった洗浄水が所定
量に近づくと共に該フロートも上昇し、フロートに直結
する逆支弁が働いて洗浄水の流入を防止する。溶解器内
で洗浄水は、成形体と接触し、有効成分を溶解して、溶
解水となる。洗浄水配管を洗浄水が流れている間は逆止
弁で溶解器内への洗浄水の流入が防止されているが、洗
浄水配管の洗浄水の流れが止まると逆止弁が下がって溶
解器内の溶解水が流出し、洗浄水配管に戻り、便器面に
流れる。さらに、溶解室の形状は、内部に成形体を設置
することができ、上部に空気流通口を有するものであれ
ば、形状には、特に、制限はなく、また、溶解室の大き
さは、溶解水の量が100〜1000ml入るものが使用され
る。溶解器の機構は、洗浄水配管を洗浄水が流れない時
は水の滞留がなく、洗浄水使用時に流れ始めの水が溶解
器に導入され、溶解器内で水量が所定量に達した時洗浄
水の導入が停止し、洗浄水配管を洗浄水が流れ終わった
時、溶解器内より成形体の一部を溶解した溶解水が洗浄
水配管を通って、便器面を洗った後、便器トラップに滞
留するものが使用される。
該成形体を既存の便器洗浄水配管系に設置した場合
は、たとえば、便器目皿上に設置すると、トイレ使用時
の流れ始めの洗浄水に対する酸濃度は高くなるが、後半
の洗浄水に対する濃度が低くなるため、便器トラップ中
では、最初の酸濃度の高い洗浄水が後の酸濃度の低い洗
浄水で希釈されるため、トラップ中での防汚・脱臭効果
が十分でなくなる。さらに、便器目皿上に薬剤を設置す
る方法は、便器面の黒色汚染の防止効果は全くない。ま
た、該成形体をハイタンク、ロータンク等の洗浄水滞留
槽内に設置した場合は、成形体が多量の水と接触するた
め、溶解度の大きい固体酸の場合は、水に溶出する成形
体量が多くなり、成形体の消耗速度が早くなり、頻繁な
成形体の交換が必要である、また、固体酸の溶解度が少
ない場合は、水に溶出する成形体量が少なく、溶解水量
が多いため、酸濃度が低くなり、防汚・脱臭効果が悪く
なる。
本発明の防汚・脱臭方法は、該成形体を洗浄水配管の
途中に設置した溶解器内で使用することにより、溶解器
内に導入された少量で、水位の上下動のみの緩慢な流れ
の溶解水で成形体を溶解するため、成形体が過剰に溶解
したり、崩れることなく、成形体が消耗するため、成形
体を既存の便器洗浄水配管系に設置した場合に比べ、成
形体の有効期間を延長することが可能となり、さらに、
洗浄水が流れ終わった後、溶解水を便器に流すことによ
り、洗浄水による希釈が少ないため、少量の溶解水で効
果的な便器の防汚・脱臭方法である。
〔作用〕
便器面の黒色汚染は、便器洗浄水が便器面で乾燥する
際に、洗浄水中に極微量含まれる鉄、マンガンなどの重
金属が酸化し、不溶性の酸化物となり便器面に固着する
ことにより生成すること、これ等の重金属がpH7以下の
酸性では、不溶性の化合物を生成しない。
また、便器トラップのスケールは、カルシウムアバタ
イト[Ca5(PO4)OH]40〜60重量%、炭酸カルシウム
[CaCO3]20〜40重量%、および水に不溶の有機物10〜3
0重量%の混合物であり、カルシウム系のスケールはpH
7.5以下の水では析出せず、pH7以下では固着したスケー
ルが溶解するする。
さらに、便器から発生する悪臭は、尿または尿と洗浄
水との混合排水が、便器トラップ中において尿の分解酵
素や細菌の作用により、アンモニアを生成するためであ
り、便器トラップ中滞留水のpHを7.5以下にすればアン
モニアの発生を防止する。
洗浄水中には、通常0.1〜0.01ppm程度の水溶性の鉄、
マンガン等の重金属が大部分水酸化物として含まれてい
る。洗浄水が便器面で蒸発し乾燥状態に近くなると、
鉄、マンガン等の重金属は濃縮され、鉄、マンガン等の
重金水酸化物が飽和濃度以上となり析出し、さらに空気
中の酸素との反応により強固な酸化物となり便器面に固
く付着し、これが堆積して一般的に水垢と呼ばれる濃茶
〜黒色汚染となる。通常、黒色染色は、便器の洗浄水流
出孔から下方向にすじ状に発生することが多く、これは
洗浄水の大部分が流出した後、洗浄水配管から垂れてき
た洗浄水によるものである。
したがって、洗浄水中に含まれる鉄、マンガン等の重
金属水酸化物の便器面での濃縮による析出は、洗浄水の
pHを酸性に保持することにより確実に防止できる。洗浄
水pHは、低い程重金属析出防止には有効であるが、排水
管の腐食を考慮すれば、洗浄水pHは、4〜7、好ましく
は、5〜7が適当である。さらに、洗浄水からの重金属
の析出が大部分の洗浄水が流出した後の垂れ水より生成
するため、洗浄水の大部分が流出した後に、pHの低い洗
浄水を流す方法がより効果的であり好ましく採用され
る。
尿中には、通常水溶性のカルシウムイオンが200〜300
ppm、リン酸イオンが2,000〜2,500ppm含まれている。ま
た、炭酸イオンは洗浄水に含まれ、さらに、空気中の炭
酸ガスが溶解して補給される。体内から排出された尿の
pHは5.5〜6.5程度であるが、空気中に放置するとpHは徐
々に上昇し、最終的には9〜9.5に達する。pHが7.5以上
になると濁りを生じ、pHの上昇に伴い濁度が挙がり、pH
8.5以上になるとカルシウムアバタイトの白色沈澱が析
出し、かつ、空気との接触面に炭酸カルシウムの結晶が
膜状に生成する。このカルシウムアバタイトと炭酸カル
シウムの結晶が、細菌や酵素の作用で生成した水不溶性
のタンパク質等の有機物とともに便器トラップに固着
し、成長して一般に尿石と呼ばれるスケールとなる。
したがって、便器トラップ中の尿と洗浄水との混合水
のpHを7.5以下に保持することにより、スケールの固着
を防止することができ、さらに、pHが7以下なると既に
固着したスケールの溶解除去作用もある。便器トラップ
中のpHが低い程スケール固着防止効果は良好であるが、
排水管の腐食を考慮すれば、pHは、4〜7.5、好ましく
は、5〜7が採用される。
尿中には、多量の尿素がふくまれており、成人では1
日約30gの尿素を排出する。便器トラップ中に滞留した
尿または尿と洗浄水の混合液は、酵素、細菌の作用によ
り、尿素が分解されてアンモニアが生成するとともに、
尿または尿と洗浄水混合液のpHが上昇する。pHが7.5以
下の中性から酸性液の中にアンモニアが存在する場合
は、アンモニアが液中で固定され、空気中に発散するこ
とがないため、悪臭の原因とならないが、液のpHが8以
上になると空気中に発散するアンモニア量が多くなり、
便所の悪臭源となる。尿の分解は、便器トラップ中にス
ケールの付着があると、スケール中では細菌が増殖し易
いため、スケール付着のない便器に比べて尿分解が加速
され、アンモニア発生も多くなる。さらに、便器目皿、
便器面でも、一旦スケールが付着すると、スケール部分
に付着した尿の分解によりアンモニアが発生する。
したがって、便器トラップの滞留水のpHを7.5以下の
中性から酸性に保持することにより、便器トラップから
のアンモニアの発散を防止することができる。便器トラ
ップ中のpHが低い程アンモニア発散防止効果は良好であ
るが、排水管の腐食を考慮すれば、pHは、4〜7.5、好
ましくは、5〜7が採用される。また、便器面をpH7.5
以下の中性から酸性の水で濡らしておくことにより便器
中で発生したアンモニアを固定し、空気中への発散を防
止する効果がある。さらに、便器面をpH7以下の酸性の
洗浄液を流すことにより、便器面、便器目皿部でのスケ
ール生成が防止できるため、アンモニア発生源を減らす
ことができる。
固体酸を主成分とする成形体を溶解器内に設置し、洗
浄水で成形体の一部を溶解した溶解水を洗浄水が流れ終
わった後、洗浄水配管より便器に流入した場合は、溶解
器内の溶解水を希釈することなく便器面を濡らすため、
鉄、マンガン等の重金属の析出、および、便器面、便器
目皿部でのスケール生成を効果的に防止し、さらに、便
器から発生したアンモニアの脱臭効果も効率良くでき
る。また、成形体溶解水が便器トラップ中に流入する場
合は、トラップ中に既に洗浄水が滞留しているため、溶
解水は一部希釈されるが、溶解水が便器トラップ中に流
入後の洗浄水の流入がないため、溶解水の希釈が少な
く、便器トラップでのスケール生成、アンモニアの発生
を効果的に防止できる。
発明の便器防汚・脱臭方法は、固体酸を主成分とし、
昇華性物質を含む基材との混合成形体を、洗浄水配管途
中に設置した溶解器内で溶解し、溶解水を洗浄水流出後
に流出し、固体酸溶解水により効率的に便器面の汚染防
止、便器トラップ中のスケール生成防止、および、便器
で発生したアンモニアの脱臭方法である。
〔実 施 例〕
本発明を、実施例によりさらに詳細に説明する。
ただし、本発明の範囲は、下記実施例により何等限定
されるものではない。
(1) 成形体の製造 成形体1(試験試料1) 粉末スルファミン酸:49重量% 粉砕パラジクロルベンゼン:49重量% ステアリン酸カルシウム:2重量% を混合し、加圧成形し直径40mmの円柱状成形体を製造し
た。
成形体2(試験試料2) 粉末スルファミン酸:60重量% パラジクロルベンゼン:20重量% ポリエチレングリコール#1000:10重量% エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体(非
イオン系界面活性剤):10重量% を90℃で加熱溶融し、溶融スラリーを50×50×20mmの直
方体容器中で冷却固化して、直方体状成形体を製造し
た。
成形体3(試験試料3) 粉末クエン酸:40重量% パラジクロルベンゼン:40重量% ポリエチレングリコール#6000:20重量% を90℃で加熱溶融し、溶融スラリーを50×50×20mmの直
方体容器中で冷却固化して、直方体状成形体を製造し
た。
成形体4(比較試料1) ポリエチレングリコール#1000:40重量% エチルオキシド−プロピレンオキシド共重合体(非イ
オン系界面活性剤):60重量% を90℃で加熱溶融し、溶融物を50×50×20mmの直方体容
器中で冷却固化して、直方体状成形体を製造した。
成形体5(比較試料2) 市販の殺菌剤および非イオン系界面活性剤を有効成分
とする、消臭、スケール防止剤。
(2) 試験溶解器 試験溶解器は、便器洗浄水の流れ始めの水が溶解器内
に導入され、所定量の水が導入されると導入が停止し容
器内に設置した成形体の一部を溶解し、配管内の洗浄水
が流れ終わると、溶解器より溶解水が洗浄水配管を通っ
て便器面に流れだす構造を有する。
試験に使用した溶解器の、成形体溶解のために溶解器
に導入される溶解水の量は、次の通りである。
溶解器1 溶解水量300ml 溶解器2 溶解水量700ml (3) 成形体の設置方法 成形体1〜5をハイタンク式男子用小便器の以下に説
明する箇所に設置した。
設置位置1 ハイタンクから便器までの間の洗浄水配管
の一部に溶解器を取り付け、その中に成形体を設置し
た。
設置位置2 便器目皿上に直接成形体を設置した。
設置位置3 ハイタンク内に、洗浄水に浸漬する状態で
成形体を設置した。
(4) 性能評価 性能評価試験は、5ケ月間実施し、その間1週間毎に
成形体の観察を行い、成形体が目視で70%以上消耗して
いた場合、新成形体と交換した。なお、性能評価項目お
よび評価方法は、以下の通りである。
評価項目1 便器トラップ中滞留水のpH:新成形体を設
置し、1週間後の洗浄水使用直後の便器トラップ中滞留
水のpHを測定した。また、同時に成形体と接触前の洗浄
水pHを測定した。
評価項目2 便器面付着水のpH:新成形体を設置し、1
週間後の洗浄水使用直後の便器面に付着している洗浄水
のpHを測定した。
評価項目3 便器面汚染:便器面の汚染状態を肉眼観察
により測定した。
評価項目4 便器トラップ中スケール付着量:便器トラ
ップ中に25mmφ×70mmのステンレス製金網を入れてお
き、5ケ月後の重量増加を測定した。
評価項目5 臭気:便器より発生する臭気を感応検査に
より測定した。
評価項目6 成形体有効期間:1週間毎の観察において、
成形体の投入から交換までの期間を、成形体有効期間と
した。
評価試験結果を第1表に示す。
〔発明の効果〕 本発明において、有効成分固体酸と成形基材との混合
物の成形体を、便器洗浄水配管途中に設置した溶解器内
に設置する、便器防汚・脱臭方法は、前記評価試験結果
の第1表に示す如く、便器トラップ中滞留水のpHを酸性
に維持できるため、便器トラップ中でのスケール生成防
止および便器からの悪臭発生が防止されると同時に、pH
が酸性の洗浄水が便器面を流れることにより、便器面の
汚染も防止される。
本発明は、便器面の汚染防止、便器トラップ中のスケ
ール生成防止および便器からの悪臭発生を防止する方法
を提供するものであり、その公衆衛生的、また、産業的
意義は極めて大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C11D 17/00 C11D 17/00 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E03D 9/02 C09K 3/00 A61L 9/01 C11D 17/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固体酸を有効成分とし、固体酸と昇華性物
    質を含む成形基剤からなる成形体を、便器洗浄水配管の
    途中に設置した、洗浄水の一部を溶解器に導入するため
    の配管取り付け部分と導入配管を持つ溶解器中で溶解
    し、洗浄水が流れ終わった後に、成形体を溶解した溶解
    水が洗浄水配管を通って溶解水を便器面および便器トラ
    ップ中に流下することを特徴とする便器防汚・脱臭方法
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