JPH06217131A - 特殊原稿判別方法及び特殊原稿判別機能付き複写機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクシートを取り替えることなく，不定型
サイズの記録紙を使用できるようにする。 【構成】 インクシート１０６の搬送速度を記録紙１０
１の搬送速度の１／ｎ（ｎ＞１）として，インクシート
１０６と記録紙１０１とを滑らせながら，記録画面の１
／ｎに相当するインクシートを用いて転写を行うカラー
熱転写記録装置において，給紙カセット１０２内に載置
された記録紙１０１の後端を揃えるためのエンドフェイ
ス１０３と連動して移動する側板１０４と，側板１０４
の凹凸部との接触によってＯＮ／ＯＦＦする複数のプッ
シュスイッチ１１２とを用いて，記録紙１０１のサイズ
を検知，検知した記録紙サイズに基づいて，前記ｎの値
を変更するｎ値決定部（図示せず）とを備え，ｎの値を
変更することにより，記録紙１０１のサイズに応じた搬
送速度でインクシート１０６を搬送する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は，紙幣，有価証券等の複
製が禁止されている特殊原稿を判別する特殊原稿判別方
法及び特殊原稿判別機能付き複写機に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年，画像処理技術・画像形成技術の向
上によって，カラー複写機で複写したコピー紙幣と実際
の紙幣とが容易に区別できないほど精巧に複写コピーが
行えるようになっている。このため，紙幣，有価証券等
の特殊原稿を判別し，特殊原稿の場合に違法複写を禁止
するようにした特殊原稿判別機能付き複写機が開発され
ている。

【０００３】このような装置では，特殊原稿の判別を，
原稿画像のパターン認識，或いは／及び，原稿画像のス
ペクトルの判別認識によって行っている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら，上記し
た従来の技術によれば，原稿画像のパターン認識，或い
は／及び，原稿画像のスペクトルの判別認識によって特
殊原稿の判別を行っており，原稿画像の照明走査毎にこ
れらの判別処理を行うには，画面全体からの特殊原稿相
当画像の切り出し，切り出し画像の回転，画像パターン
の認識，画像色彩の認識等の判別のための処理が必要で
あるため，画像処理に長時間かかり，出力画像を得るま
での時間が長くなり，結果的に複写速度が低下するとい
う問題点があった。

【０００５】例えば，高速処理が可能な複写機でも，長
時間を必要とする特殊原稿の判別処理のために，通常の
原稿時においても長時間の判別処理時間を必要とし，結
果的に複写速度の遅い複写機と同じ複写速度となるとい
う不都合があった。

【０００６】本発明は上記に鑑みてなされたものであっ
て，特殊原稿の判別処理を行い，且つ，特殊原稿の判別
機能を持たない複写機と同等の速度で複写を行えるよう
にすることを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために，紙幣，有価証券等の複製が禁止されてい
る特殊原稿を判別する特殊原稿判別方法において，原稿
画像内に特殊原稿の形状サイズと同一の画像領域が存在
するか否かに基づいて，同一の画像領域が存在する場合
及び存在するか否かの判断が困難な場合に，特殊原稿の
疑い有りと判別し，特殊原稿の疑い有りならば，さらに
詳細な判別処理を実行し，特殊原稿の疑いがないないら
ば，通常の原稿として判別する特殊原稿判別方法を提供
するものである。

【０００８】また，本発明は上記の目的を達成するため
に，原稿画像内に特殊原稿の形状サイズと同一の画像領
域が存在するか否かに基づいて，特殊原稿を判別する特
殊原稿判別手段を備えた特殊原稿判別機能付き複写機を
提供するものである。

【０００９】尚，前述した特殊原稿判別手段は，特殊原
稿の形状サイズと同一の画像領域が存在する場合，画像
領域内のスペクトル分布と，特殊原稿のスペクトル分布
とを比較照合し，データ合致度合に基づいて，特殊原稿
の判別を行うことが望ましい。また，特殊原稿判別手段
は，スペクトル分布の比較照合後に，画像領域内のパタ
ーン認識を行って，特殊原稿の判別を行うことが望まし
い。また，特殊原稿判別手段は，同一形状サイズの有
無，スペクトル分布の比較照合，及びパターン認識の後
に，全原稿画像のスペクトル分布と特殊原稿のスペクト
ル分布との比較照合，及び全原稿画像のパターン認識を
行って，特殊原稿の判別を行うことが望ましい。

【００１０】また，前述した特殊原稿判別手段は，特殊
原稿の形状サイズと同一の画像領域が存在しない場合，
さらに全原稿画像のスペクトル分布と特殊原稿のスペク
トル分布とを比較照合し，データ合致度合に基づいて，
特殊原稿の判別を行うことが望ましい。

【００１１】また，本発明は上記の目的を達成するため
に，原稿画像を読み取る画像読取手段と，紙幣，有価証
券等の複製が禁止されている特殊原稿を判別する特殊原
稿判別手段とを有した特殊原稿判別機能付き複写機にお
いて，画像読取手段を介して読み込んだ任意の特殊原稿
の画像データを記憶する記憶手段を備え，特殊原稿判別
手段が，原稿画像内に特殊原稿の画像データの形状サイ
ズと同一の画像領域が存在するか否かに基づいて，特殊
原稿を判別する特殊原稿判別機能付き複写機を提供する
ものである。

【００１２】

【作用】本発明の特殊原稿判別方法は，原稿画像内に特
殊原稿の形状サイズと同一の画像領域が存在するか否か
に基づいて，同一の画像領域が存在する場合及び存在す
るか否かの判断が困難な場合に，特殊原稿の疑い有りと
判別し，特殊原稿の疑い有りならば，さらに詳細な判別
処理を実行し，特殊原稿の疑いがないないらば，通常の
原稿として判別する。

【００１３】また，本発明の特殊原稿判別機能付き複写
機は，原稿画像内に特殊原稿の形状サイズと同一の画像
領域が存在するか否かに基づいて，特殊原稿を判別す
る。

【００１４】

【実施例】以下，本発明の特殊原稿判別方法及び特殊原
稿判別機能付き複写機について，〔実施例１〕，〔実施
例２〕，〔実施例３〕，〔実施例４〕の順に図面を参照
して詳細に説明する。

【００１５】〔実施例１〕図１は，実施例１の特殊原稿
判別機能付き複写機のブロック構成図を示し，原稿を読
み取るスキャナユニット１０１と，スキャナユニット１
０１で読み取った画像データをページメモリ１０２ａに
入力し，シェーデイング補正，γ補正，階調処理等の各
種画像処理を行う画像処理ユニット１０２と，画像処理
ユニット１０２で画像処理を施した画像データを出力す
るプリンタユニット１０３と，コピー枚数の設定及び各
種モードの設定を行うための操作表示部１０４と，スキ
ャナユニット１０１から画像データを入力し，原稿が紙
幣，有価証券等の特殊原稿であるか否かを判別する特殊
原稿判別ユニット１０５と，特殊原稿判別ユニット１０
５の判別処理に使用する各種特殊原稿の判別情報を記憶
したＥＰＲＯＭ１０６と，上記各部の制御を行うメイン
制御部１０７とを備えている。尚，ＥＰＲＯＭ１０６
は，スキャナユニット１０１を介して読み込んだ任意の
特殊原稿の画像データ（判別情報）を記憶することが可
能な構成であり，このＥＰＲＯＭ１０６に対する判別情
報の入力は，製造元（メーカー）において事前に行うこ
とも，ユーザー自身で行うことも可能である。

【００１６】以上の構成において，その動作を説明す
る。スキャナユニット１０１のＣＣＤ（固体撮像素子）
で読み取られた原稿画像は，Ａ／Ｄ変換（アナログ・デ
ジタル変換）された後，画像処理ユニット１０２に送ら
れて，一旦，ページメモリ１０２ａに記憶される。画像
処理ユニット１０２はページメモリ１０２ａに記憶され
ている原稿画像の画像データを順次読み出して，所定の
画像処理を施した後，プリンタユニット１０３へ送出す
る。

【００１７】一方，特殊原稿判別ユニット１０５は，図
２に示す判別処理のフローチャートに従って処理を実行
する。先ず，画像処理ユニット１０２のページメモリ１
０２ａから画像データを入力し（Ｓ２０１），原稿画像
内に特殊原稿の形状サイズと同一の画像領域が存在する
か否かに基づいて，特殊原稿の疑いがあるか否かを判別
する（Ｓ２０２：形状サイズによる特殊原稿の疑い判別
処理）。

【００１８】ここで，特殊原稿の疑い有りと判別される
のは，特殊原稿の形状サイズと同一の画像領域が存在す
る場合，及び特殊原稿の形状サイズと一致する２つ乃至
３つの角（端部）を有した画像領域がある場合（すなわ
ち，判別が困難な場合）である。また，特殊原稿の疑い
なし（即ち，通常の原稿）として判別されるのは，疑わ
しい画像領域が存在しない場合である。尚，このＳ２０
２の処理によれば，例えば，紙幣等の特殊原稿の向き
（載置方向）および枚数がバラバラに配置されていて
も，スキャナユニット１０１の読取速度に追随して高速
に判別することができる。

【００１９】次に，Ｓ２０２の判別結果に基づいて，特
殊原稿の疑い有りの場合にはＳ２０４へ進み，特殊原稿
の疑いなしの場合にはＳ２０７へ進む（Ｓ２０３）。

【００２０】Ｓ２０７では，特殊原稿の疑いなしの場合
であるので，通常の原稿であると判別し，画像処理ユニ
ット１０２で画像処理を施した画像データをプリンタユ
ニット１０３に転送し，複写動作を実行する。従って，
特殊原稿でない通常の原稿を複写する際には，判別処理
のための時間が殆どかからないので，特殊原稿の判別機
能を持たない複写機と同等の速度で複写を行うことがで
きる。

【００２１】一方，Ｓ２０４では，特殊原稿の疑いあり
の場合であるので，前記画像領域内のスペクトル分布
と，特殊原稿のスペクトル分布とを比較照合し，データ
合致度合に基づいて，さらに特殊原稿の判別（サイズ内
スペクトル分布にる特殊原稿の判別処理）を行う。この
ときには，多数種の特殊原稿のスペクトル分布との比較
処理を行うため，特殊原稿判別ユニット１０５には大き
な負荷がかかり，判別結果がでるまでに時間がかかる
が，特殊原稿の可能性が高い原稿に対する判別処理であ
るので利用者の迷惑にはならない。

【００２２】従って，この場合の判別処理には多少時間
をかけることも可能である。但し，実際には前記画像領
域内のスペクトル分布が特殊原稿のスペクトル分布と少
しでも異なる場合には，判別処理の途中でも特殊原稿で
ないと判別することができるので，通常の原稿中に特殊
原稿と同一形状サイズの画像領域が存在しても，判別処
理のために複写機の利用者を待たせることは少ない。

【００２３】Ｓ２０５では，Ｓ２０４の判別結果に基づ
いて，特殊原稿でないと判別された場合にはＳ２０７へ
進み，特殊原稿と判別された場合にはＳ２０６へ進む。

【００２４】Ｓ２０６では，最終的に特殊原稿であると
判別して複写を禁止し，プリンタユニット１０３による
出力動作を停止させる。

【００２５】前述したように実施例１では，原稿画像内
に特殊原稿の形状サイズと同一の画像領域が存在するか
否かに基づいて，特殊原稿を判別するので，スキャナユ
ニット１０１の読取速度に追随して高速に判別すること
ができる。従って，紙幣や有価証券等の特殊原稿以外の
通常の原稿の複写に対しては，高速の判別処理を行うこ
とが可能であり，特殊原稿の判別処理を行いながらも，
通常の複写機と同等の複写速度を実現することができ
る。

【００２６】また，特殊原稿の形状サイズと同一の画像
領域が存在する場合，さらに，前記画像領域内のスペク
トル分布と，特殊原稿のスペクトル分布とを比較照合し
て，特殊原稿の判別処理を実行するので，充分な判別精
度を保ちながら，通常の複写機と同等の複写速度を維持
することができる。

【００２７】〔実施例２〕実施例２の特殊原稿判別機能
付き複写機は，スペクトル分布の比較照合後に，さら
に，形状サイズの一致した画像領域内のパターン認識を
行って，特殊原稿の判別を行うものである。尚，実施例
２の構成は，実施例１と同様につき図示及び説明を省略
する。

【００２８】図３は，実施例２の判別処理のフローチャ
ートを示し，図２のフローチャートのＳ２０４をＳ３０
１で置き換えたものである。このように実施例２では，
形状サイズによる判別処理及びスペクトル分布による判
別処理に加えて，形状サイズの一致した画像領域内のパ
ターン認識による判別処理を行うことにより，判別処理
の精度を向上させ，誤認識（誤判別）の少ない判別処理
を行うことができる。

【００２９】〔実施例３〕実施例３の特殊原稿判別機能
付き複写機は，同一形状サイズの有無，スペクトル分布
の比較照合，及びパターン認識の後に，さらに，全原稿
画像のスペクトル分布と特殊原稿のスペクトル分布との
比較照合，及び全原稿画像のパターン認識を行って，特
殊原稿の判別を行うものである。尚，実施例３の構成
は，実施例１と同様につき図示及び説明を省略する。

【００３０】図４は，実施例３の判別処理のフローチャ
ートを示し，図２のフローチャートのＳ２０４をＳ４０
１〜Ｓ４０３で置き換えたものである。このように実施
例３では，形状サイズによる判別処理，形状サイズの一
致した画像領域内のスペクトル分布による判別処理，及
び形状サイズの一致した画像領域内のパターン認識によ
る判別処理に加えて，さらに，全原稿画像のスペクトル
分布と特殊原稿のスペクトル分布との比較照合による判
別処理，及び全原稿画像のパターン認識による判別処理
を行うことにより，判別処理の精度を向上させ，誤認識
（誤判別）の少ない判別処理を行うことができる。

【００３１】また，特殊原稿どうしが密着して配置され
た原稿や，特殊原稿と原稿押さえとの境界が不明確なた
め判別が不可能な場合でも，全原稿画像のスペクトル分
布と特殊原稿のスペクトル分布との比較照合，及び全原
稿画像のパターン認識によって，確実に判別を行うこと
ができ，特殊原稿の偽造複写を確実に防止することがで
きる。

【００３２】〔実施例４〕実施例４の特殊原稿判別機能
付き複写機は，特殊原稿の形状サイズと同一の画像領域
が存在しない場合，さらに全原稿画像のスペクトル分布
と特殊原稿のスペクトル分布とを比較照合し，データ合
致度合に基づいて，特殊原稿の判別を行うものである。
尚，実施例４の構成は，実施例１と同様につき図示及び
説明を省略する。

【００３３】図５は，実施例４の判別処理のフローチャ
ートを示し，先ず，画像処理ユニット１０２のページメ
モリ１０２ａから画像データを入力し（Ｓ５０１），原
稿画像内に特殊原稿の形状サイズと同一の画像領域が存
在するか否かに基づいて，特殊原稿の疑いがあるか否か
を判別する（Ｓ５０２：形状サイズによる特殊原稿の疑
い判別処理）。

【００３４】ここで，特殊原稿の疑い有りと判別される
のは，特殊原稿の形状サイズと同一の画像領域が存在す
る場合，及び特殊原稿の形状サイズと一致する２つ乃至
３つの角（端部）を有した画像領域がある場合（すなわ
ち，判別が困難な場合）である。また，特殊原稿の疑い
なし（即ち，通常の原稿）として判別されるのは，疑わ
しい画像領域が存在しない場合である。尚，このＳ５０
２の処理によれば，例えば，紙幣等の特殊原稿の向き
（載置方向）および枚数がバラバラに配置されていて
も，スキャナユニット１０１の読取速度に追随して高速
に判別することができる。

【００３５】次に，Ｓ５０２の判別結果に基づいて，特
殊原稿の疑い有りの場合にはＳ５０７へ進み，特殊原稿
の疑いなしの場合にはＳ５０４へ進む（Ｓ５０３）。

【００３６】Ｓ５０４では，特殊原稿の疑いなしと判別
された原稿画像に対して，さらに全原稿画像のスペクト
ル分布と特殊原稿のスペクトル分布との比較照合による
判別処理を実行する。続いて，Ｓ５０４の判別結果に基
づいて，特殊原稿の疑い有りの場合にはＳ５０７へ進
み，特殊原稿の疑いなしの場合にはＳ５０６へ進む（Ｓ
５０５）。

【００３７】Ｓ５０６では，特殊原稿の疑いなしである
ので，通常の原稿であると判別し，画像処理ユニット１
０２で画像処理を施した画像データをプリンタユニット
１０３に転送し，複写動作を実行する。

【００３８】一方，Ｓ５０７では，特殊原稿の疑いあり
の場合であるので，後述する網点線数による特殊原稿判
別処理を実行する。このときには，判別結果がでるまで
に多少時間がかかるが，特殊原稿の可能性が高い原稿に
対する判別処理であるので利用者の迷惑にはならない。

【００３９】続いて，Ｓ５０７の判別結果に基づいて，
特殊原稿であると判別された場合にはＳ５０９へ進み，
特殊原稿でないと判別された場合にはＳ５０６へ進む
（Ｓ５０８）。

【００４０】Ｓ５０９では，最終的に特殊原稿であると
判別して複写を禁止し，プリンタユニット１０３による
出力動作を停止させる。

【００４１】次に，図６のフローチャートを参照して，
図５のＳ５０７における網点線数による特殊原稿判別処
理について説明する。先ず，原稿画像をｎ×ｍの画素単
位で領域化し，それぞれの領域が網点画像領域であるか
否かを判定する（Ｓ６０１）。次に，網点領域と判定さ
れた領域の網点線数を求め（Ｓ６０２），求めた網点線
数に基づいて，網点線数が一定でない場合に原稿画像を
特殊原稿と判別する（Ｓ６０３）。なお，網点線数を用
いて特殊原稿を判定するのは以下の理由による。通常の
印刷物は，網点線数が固定の網点により構成されてい
る。一方，紙幣や，有価証券等の特殊原稿の多くは，通
常の網点印刷物のように網点線数が一定でない。従っ
て，網点線数が一定であるか否かによって特殊原稿を判
定することができる。

【００４２】このように実施例４では，特殊原稿の形状
サイズと同一の画像領域が存在しない場合，さらに全原
稿画像のスペクトル分布と特殊原稿のスペクトル分布と
の比較照合を行うことにより，判別処理の精度を向上さ
せ，誤認識（誤判別）の少ない判別処理を行うことがで
きる。

【００４３】また，特殊原稿どうしが密着して配置され
た原稿や，特殊原稿と原稿押さえとの境界が不明確なた
め判別が不可能な場合でも，全原稿画像のスペクトル分
布と特殊原稿のスペクトル分布との比較照合によって，
特殊原稿の判別を精度良く行うことができる。

【００４４】

【発明の効果】以上説明したように本発明の特殊原稿判
別方法は，原稿画像内に特殊原稿の形状サイズと同一の
画像領域が存在するか否かに基づいて，同一の画像領域
が存在する場合及び存在するか否かの判断が困難な場合
に，特殊原稿の疑い有りと判別し，特殊原稿の疑い有り
ならば，さらに詳細な判別処理を実行し，特殊原稿の疑
いがないないらば，通常の原稿として判別するため，特
殊原稿の判別処理を行い，且つ，特殊原稿の判別機能を
持たない複写機と同等の速度で複写を行うことができ
る。

【００４５】また，本発明の特殊原稿判別機能付き複写
機は，原稿画像内に特殊原稿の形状サイズと同一の画像
領域が存在するか否かに基づいて，特殊原稿を判別する
特殊原稿判別手段を備えたため，特殊原稿の判別処理を
行い，且つ，特殊原稿の判別機能を持たない複写機と同
等の速度で複写を行うことができる。

【００４６】また，前述した特殊原稿判別手段は，特殊
原稿の形状サイズと同一の画像領域が存在する場合，画
像領域内のスペクトル分布と，特殊原稿のスペクトル分
布とを比較照合し，データ合致度合に基づいて，特殊原
稿の判別を行うため，原稿画像の全ての画像データを認
識する必要がなく，形状サイズの一致した画像領域内の
画像データの認識だけで済み，処理速度の速い判別処理
を行うことができる。

【００４７】また，前述した特殊原稿判別手段は，スペ
クトル分布の比較照合後に，画像領域内のパターン認識
を行って，特殊原稿の判別を行うため，判別処理の精度
を向上させ，誤認識（誤判別）の少ない判別処理を行う
ことができる。

【００４８】また，前述した特殊原稿判別手段は，同一
形状サイズの有無，スペクトル分布の比較照合，及びパ
ターン認識の後に，全原稿画像のスペクトル分布と特殊
原稿のスペクトル分布との比較照合，及び全原稿画像の
パターン認識を行って，特殊原稿の判別を行うため，特
殊原稿どうしが密着して配置された原稿や，特殊原稿と
原稿押さえとの境界が不明確なため判別が不可能な場合
でも，確実に判別を行うことができ，特殊原稿の偽造複
写を確実に防止することができる。

【００４９】また，前述した特殊原稿判別手段は，特殊
原稿の形状サイズと同一の画像領域が存在しない場合，
さらに全原稿画像のスペクトル分布と特殊原稿のスペク
トル分布とを比較照合し，データ合致度合に基づいて，
特殊原稿の判別を行うため，特殊原稿どうしが密着して
配置された原稿や，特殊原稿と原稿押さえとの境界が不
明確なため形状サイズによる判別が不可能な場合でも，
特殊原稿の判別を確実に行うことができる。

【００５０】また，本発明の特殊原稿判別機能付き複写
機は，原稿画像を読み取る画像読取手段と，紙幣，有価
証券等の複製が禁止されている特殊原稿を判別する特殊
原稿判別手段とを有した特殊原稿判別機能付き複写機に
おいて，画像読取手段を介して読み込んだ任意の特殊原
稿の画像データを記憶する記憶手段を備え，特殊原稿判
別手段が，原稿画像内に特殊原稿の画像データの形状サ
イズと同一の画像領域が存在するか否かに基づいて，特
殊原稿を判別するため，特殊原稿の判別処理を行い，且
つ，特殊原稿の判別機能を持たない複写機と同等の速度
で複写を行うことができるとともに，複写機の設置環境
や，社会環境の変化に対応して常に必要とする任意の特
殊原稿の判別情報を追加記憶させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例１の特殊原稿判別機能付き複写機のブロ
ック構成図である。

【図２】実施例１の判別処理のフローチャートである。

【図３】実施例２の判別処理のフローチャートである。

【図４】実施例３の判別処理のフローチャートである。

【図５】実施例４の判別処理のフローチャートである。

【図６】図５のＳ５０７における網点線数による特殊原
稿判別処理を示すフローチャートである。

【符号の説明】

１０１ スキャナユニット １０２ 画像処理ユニット １０３ プリンタユニット １０４ 操作表示部 １０５ 特殊原稿判別ユニット １０６ ＥＰＲＯＭ １０７ メイン制御部

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 紙幣，有価証券等の複製が禁止されてい
   る特殊原稿を判別する特殊原稿判別方法において，原稿
   画像内に特殊原稿の形状サイズと同一の画像領域が存在
   するか否かに基づいて，同一の画像領域が存在する場合
   及び存在するか否かの判断が困難な場合に，特殊原稿の
   疑い有りと判別し，特殊原稿の疑い有りならば，さらに
   詳細な判別処理を実行し，特殊原稿の疑いがないないら
   ば，通常の原稿として判別することを特徴とする特殊原
   稿判別方法。
2. 【請求項２】 紙幣，有価証券等の複製が禁止されてい
   る特殊原稿を判別する特殊原稿判別手段を有した特殊原
   稿判別機能付き複写機において，前記特殊原稿判別手段
   は，原稿画像内に特殊原稿の形状サイズと同一の画像領
   域が存在するか否かに基づいて，特殊原稿を判別するこ
   とを特徴とする特殊原稿判別機能付き複写機。
3. 【請求項３】 前記特殊原稿判別手段は，特殊原稿の形
   状サイズと同一の画像領域が存在する場合，前記画像領
   域内のスペクトル分布と，特殊原稿のスペクトル分布と
   を比較照合し，データ合致度合に基づいて，特殊原稿の
   判別を行うことを特徴とする請求項２記載の特殊原稿判
   別機能付き複写機。
4. 【請求項４】 前記特殊原稿判別手段は，スペクトル分
   布の比較照合後に，前記画像領域内のパターン認識を行
   って，特殊原稿の判別を行うことを特徴とする請求項３
   記載の特殊原稿判別機能付き複写機。
5. 【請求項５】 前記特殊原稿判別手段は，前記同一形状
   サイズの有無，スペクトル分布の比較照合，及びパター
   ン認識の後に，全原稿画像のスペクトル分布と特殊原稿
   のスペクトル分布との比較照合，及び全原稿画像のパタ
   ーン認識を行って，特殊原稿の判別を行うことを特徴と
   する請求項４記載の特殊原稿判別機能付き複写機。
6. 【請求項６】 前記特殊原稿判別手段は，特殊原稿の形
   状サイズと同一の画像領域が存在しない場合，さらに全
   原稿画像のスペクトル分布と特殊原稿のスペクトル分布
   とを比較照合し，データ合致度合に基づいて，特殊原稿
   の判別を行うことを特徴とする請求項２記載の特殊原稿
   判別機能付き複写機。
7. 【請求項７】 原稿画像を読み取る画像読取手段と，紙
   幣，有価証券等の複製が禁止されている特殊原稿を判別
   する特殊原稿判別手段とを有した特殊原稿判別機能付き
   複写機において，前記画像読取手段を介して読み込んだ
   任意の特殊原稿の画像データを記憶する記憶手段を備
   え，前記特殊原稿判別手段は，原稿画像内に前記特殊原
   稿の画像データの形状サイズと同一の画像領域が存在す
   るか否かに基づいて，特殊原稿を判別することを特徴と
   する特殊原稿判別機能付き複写機。