JPH062169B2 - 水成泡消火薬剤 - Google Patents

水成泡消火薬剤

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JPH062169B2
JPH062169B2 JP22127184A JP22127184A JPH062169B2 JP H062169 B2 JPH062169 B2 JP H062169B2 JP 22127184 A JP22127184 A JP 22127184A JP 22127184 A JP22127184 A JP 22127184A JP H062169 B2 JPH062169 B2 JP H062169B2
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政之 亀井
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は耐液性、耐焔性、保水性等に優れた水成泡消火
薬剤、特に極性溶剤用水成泡消火薬剤に関する。
〔従来の技術〕
一般に、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、ア
ミン等の極性溶剤の火災の場合、通常の石油類火災用消
火薬剤を用いて消火に当っても、泡は燃焼液面に接触す
ると直ちに消泡してしまい、消火することができない。
その為に極性溶剤用消火剤としてこれまでに、 1)蛋白質加水分解物に金属石鹸を加えたもの、 2)合成界面活性剤に金属石鹸を加えたもの、 3)蛋白質加水分解物にフッ素系界面活性剤を添加したも
の(フッ化蛋白)、 4)フッ素系界面活性剤に水溶性高分子を加え、チキソト
ロピー性液体にしたもの等が開発されてきた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
これら従来の極性溶剤火災用消火薬剤は、実用上種々の
欠陥を有している。例えば前述1),2),3)の場合、消火
剤原液を水で希釈した後、2〜3分以内に使用しないと
水流中に沈澱を生じ、消火能力は著しく低下する。さら
に1),2)の場合、泡の耐液性が十分でなく、液面での泡
の消滅速度が速い。その為に、多量の泡を注入して燃焼
液体を希釈しなければ消火に至らしめることはできな
い。例えば、メタノール火災の場合には、消火薬液によ
りメタノールが70〜80%程度まで希釈されて始め
て、液面上での泡の展開が可能となる。また1),3)の場
合、消火剤原液の基剤として蛋白質加水分解物を使用し
ている為に変質し易く、備蓄タンク内に貯蔵し得る期間
が短いという欠点が有る。
これらの短所を克服する為に4)のフッ素系界面活性剤を
基盤とした水成膜泡消火剤に水溶性高分子物質(多糖類
等)を添加し、チキソトロピー性を付与したものが開発
されている。これは、極性溶剤に接触すると界面で脱水
され、泡の空気を含んだ水溶性高分子物質のゲル状マッ
トを形成し、泡が溶剤と直接接触するのを防いで燃焼液
面を蔽い、冷却及び窒息によって消火に至らしめると考
えられている。この為にこの消火剤は、前記1),2),3)
の型の消火剤に比べ、燃焼液面上での泡の展開性が良
く、消火効果も改善されている。しかしながら、水溶性
高分子のゲル状マットにより泡を保護する機構から推定
されるように、アルコール類(イソプロピルアルコー
ル,t−ブタノール等)や、プロピレンオキシドのよう
に燃焼後の大きい、あるいは揮発性の高い溶剤類に対し
ての消火効果は低い。さらに、室温にて蒸気圧が高く、
又沸点が比較的低いアミン類の溶剤に対しては、従来の
フッ素系消火薬剤はほとんど耐液性を持たず、このこと
は極性溶剤火災用消火薬剤として致命的な欠陥となって
いた。
また、これまでの消火剤は水溶性高分子物質を多量に含
む為、薬剤原液が非常に高粘度(1200cst以上)であ
り、しかも温度による粘度変化が大きいので、消火設備
(例えば混合器、配管等)に充分注意する必要があり、
現行設備では実用上取扱い困難である。また従来のこの
型の消火剤は、貯蔵中に液面およびタンク壁面に薄層
(スキン)を生成し、さらにタンク底に樹脂状の沈澱を
生じることがあり、長期間の保存に耐えない。さらにま
たこの消火剤は、凍結温度が0℃前後と高く、凍結、融
解の可逆性がない為、低温での使用あるいは貯蔵に際し
ては特別な配慮が必要となる。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者等は、上記の問題点に留意して研究を重ねてき
た結果、カチオン性水溶性高分子(A)、多塩基酸(B)、及
びアニオン性親水基含有界面活性剤(D)から成る消火薬
剤が無極性溶剤のみならず極性溶剤に対しても有効な消
火性能を有する組成物であることを見い出し、すでに出
願済である。(特願昭58-95064号)。その後さらに消火
薬剤の性能に関して鋭意研究した結果、上記(A)+(B)+
(D)の組成の他に、更に第四成分としてイオン価が2価
以上の金属塩(C)を配合することによって耐液性、耐焔
性が向上し、消火性能が著しく改善されることを見い出
し本発明を完成するに至った。
即ち本発明の目的は、消火薬剤原液の粘度が100cst
(20℃)以下と低く、貯蔵中にスキンを形成したり変
質することが無く長期間の保存が可能な、カチオン性水
溶性高分子(A)、多塩基酸(B)、そしてイオン価が2以上
の金属塩(C)とアニオン性親水基含有活性剤(D)を主成分
として成る、無極性溶剤はもとより、極性溶剤に対して
も極めて安定な泡沫を形成することができる、耐液性、
耐焔性に優れた消火薬剤を提供することにある。
本発明において、イオン価が2以上の金属塩(C)を一成
分として添加することによって新たに発現する消火性能
上の具体的効果としては、 耐液性の向上、即ち極性溶剤に接触した泡沫の、消泡
するまでの寿命が伸びること。この効果は、これまでに
ほとんど耐液性を示さなかった沸点が比較的低い(15
0℃以下)アミン系の溶剤に対して著しい。
耐焔性の向上、即ち泡沫が焔に接触しても破壊されに
くく、寿命が伸びること。
消火時間が短縮されること。
等が挙げられる。
本発明において使用されるカチオン性水溶性高分子物質
(A)は、主鎖あるいは側鎖に一級、二級、三級のアミノ
基、アンモニウム基、ピリジニウム基、又は四級アンモ
ニウム基の如きカチオン性基を含み、水への溶解度が0.
1重量%以上のポリアミン系高分子物質である。該ポリ
アミン系水溶性高分子物質の重合度は水への溶解性によ
り規制されるが、重合度がオリゴマー領域から重合度が
数万以上、即ち分子量1000〜100000程度好ましくは4000
〜100000のものまで使用することができる。カチオン性
水溶性高分子物質(A)として本発明において特に有用な
具体例として、次の如きものが挙げられる。
A−Iポリエチレンイミン A−IIN−置換体ポリエチレンイミン N−置換基として例えば-CnH2n+1、 -CONHCnH2n+1、-COCnH2n+1または を表わす。)である。
本発明に係る多塩基酸化合物(B)は、非界面活性の化合
物であり、芳香族基、脂肪族基、複素環等を含有する二
塩基酸、三塩基酸、四塩基酸、五塩基酸、六塩基酸等お
よびそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩等を包含
する。低分子化合物から側鎖にカルボキシル基等を有す
る高分子化合物まで、広汎な範囲にわたる化合物を使用
することができるが、高分子化合物を使用する場合に
は、粘度の増大やカチオン性水溶性高分子化合物との反
応によりしばしば水不溶性のゲル状の沈澱を生じること
があるため、比較的低分子量の多塩基酸化合物、特に炭
素数3〜24、より好ましくは炭素数4〜18の二塩基
酸化合物を用いることが望ましい。また多塩基酸化合物
の酸基としては、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸
基等が包含される。斯かる多塩基酸化合物(B)の具体的
なものとして、以下のものが例示される。
B−14HOOC-CH2-O-CH2-COOH B−15HOOC-CH2-O-CH2CH2-O-CH2-COOH 及びこれらのアルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩で
ある。
本発明に係るイオン価が2以上の金属塩(C)としては、U
O2 2の如き錯イオンも含むものである。又、種々の金
属塩の中で好ましいものは、周期律表の第II族(Be,M
g,Ca,Zn,Sr,Cd,Ba,U)もしくは第III族(B,A
l,Sc,Ga,Y,In)の金属塩であり、それらの中でも
マグネシウム塩が特に好ましい。
金属塩を構成する対アニオンとしては、無機、有機の中
から選ばれ、例えばSO4 2,NO3 ,CO4 ,HP
O4 2,PO4 3,HO ,Si3 4,C ,Br ,I ,CO3
2,C2O4 ,HCOO ,CH3COO ,C2H5COO ,C3H7COO
等が挙げられる。
上記のカチオン性水溶性高分子(A)と多塩基酸化合物(B)
との混合重量割合は10:1〜1:3、好ましくは5:
1〜1:3であり、且つ(A)+(B)とイオン価が2以上の
金属塩(C)の混合重合割合は100:1〜3:7、より好ま
しくは80:1〜3:5である。
本発明において使用されるアニオン性親水基含有界面活
性剤(D)は、カチオン性水溶性高分子物質と静電的互作
用をなし得るものであって、この意味で該界面活性剤は
アニオン性親水基を少くとも一つ有することを必須とす
る。アニオン性親水基として、-COOH,-SO3H,-OSO3H,
-OPO(OH)2等の基が好ましく、-SO3H基が特に好ましい。
またアニオン性基の対イオンとしてはアルカリ金属イオ
ンのような、無機もしくはアンモニウムイオンのような
有機カチオンをもつものでもよい。
該界面活性剤は親水基として同種または異種のアニオン
性基を一つ以上含有するものでもよく、またアニオン性
親水基に加えてカチオン性親水基および非イオン性基の
一方または両方を含有する両性イオン型界面活性剤等で
もよいが、後者が特に好ましい。
該界面活性剤の疎水基は、炭素数6以上の脂肪族炭化水
素基、ジハイドロカルビルポリシロキサン鎖、炭素数3
〜20、より好ましくは6〜16のフッ素化脂肪族基等
である。また該界面活性剤は、これらの異なる疎水基を
持つ多種類の化合物の混合したものでもよい。
本発明で特に有用なアニオン性親水基含有界面活性剤
(D)は具体的には次の如きものが挙げられる。(D−
1)含フッ素アミノ酸型両性界面活性剤 〔但し、Rfは、炭素原子数3〜20のフッ素化脂肪族基
であり、Yは、-SO2-または-CO-であり、Q1,Q2は、有機
の2価の連結基で、脂肪像炭化水素基、ヒドロキシ基に
より置換された脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、
置換芳香族炭化水素基、またはこれらを組合せたもので
あり、好ましくは (Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であ
る。)であり、R1,R2は、水素原子または炭素原子数1
〜12の脂肪族炭化水素基もしくは親水性基により置換
された脂肪族炭化水素基、またはR1とR2が互に連結して
隣接する窒素原子と共に環を形成するものであり、A
は、陰イオン性の親水基であり、例えば-COO ,-S
O3 ,-OSO3 -OPO(OH)であり、Mは、水素原子、アル
カリ金アルカリ土類金属、アンモニウム基、または有機
陽イオン性基である。〕 によって表わされる含フッ素アミノ酸型両性界面活性
剤。
これらの具体的化合物としては以下のものが挙げられ
る。
(D−2)含フッ素アミノスルホネート型界面活性剤 一般式 Rf−Z−Q−N(R)−Q−SO3M………(D−2) 〔式中、Rfは、炭素数3〜20のフッ素化脂肪族基を含
む基、Zは、2価の連結基で、-SO2N(R1)-、-CON(R1)
-、-(CH2CH2)iSO2N(R1)-、 (但し、R1は水素原子または炭素数1〜12のアルキル
基を、iは1〜10の整数を表わす)、 Q1は、-(CH2)j-(但し、jは1〜6の整数を表わ 炭素数2〜3のアルキル基を表わす)、 Rは、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒ
ドロキシアルキル基、-Q2SO3M、または-(CH2)kCOOM(但
し、kは1〜4の整数を表わす)、 Q2は、-(CH2)l-(但し、lは1〜4の整数を表わす)、 Mは、陽イオン性の原子もしくは原子団で、水素原子、
アルカリ金属、アルカリ土類金属もしくは-N(H)m(R4)n
(但し、R4は炭素数1〜3のアルキル基またはヒドロキ
シアルキル基を、m,nは0〜4の整数でm+n=4を
満すものを表わす)、をそれぞれ意味する〕 にて表わされる含フッ素アミノスルホネート型界面活性
剤。
これらの具体的化合物として以下のものが挙げられる。
D−2−aC8F17SO2NH(CH2)3N(CH3)(CH2)3SO3Na D−2−bC8F17SO2NH(CH2)3N(CH2CH2OH)(CH2)3SO3Na D−2−cC6F13SO2N(CH3)(CH2)3N(C2H5)CH2CH(OH)CH2S
O3K D−2−dC7F15CONH(CH2)2N(CH3)(CH2)3SO3Na D−2−fC8F17CH2CH2SO2NH(CH2)3N(CH3)(CH2)3SO3Na D−2−jC9F18(OCH2CH2)2N(CH3)(CH2)3SO3・N(C2H5)4 D−2−kC7F15CH2CH2SCH2COO(CH2)2N(CH3)(CH2)2SO3N
a D−2−lC3F7OCF(CF2)CF2OCF(CF3)CF2CONH(CH2)3N(CH
3)(CH2)3SO3Na D−2−mCF3CF2CF2〔OCF(CF3)CF24OCF(CF3)CF2CONH
(CH2)3N(CH3)(CH2)2SO3K (D−3)含フッ素アミノカルボキシレート型界面活性
剤 一般式 〔但し、式中のRfは酸素原子を含んでいてもよい炭素数
が3〜20なるポリフロロアルキル基、ポリフロロアル
ケニル基、ポリフロロシクロヘキシル基、ポリフロロシ
クロヘキシル・アルキル基またはポリフロロシクロヘキ
シル・アルケニル基を、 で示される含フッ素アミノカルボキシレート型界面活性
剤。
これら具体的化合物として以下のものが挙げられる。
(D−4)含フッ素トリアニオン型両性界面活性剤 一般式 で表わされる含フッ素トリアニオン型両性界面活性剤。
これらの具体的化合物として以下のものが挙げられる。
(D−5)含フッ素トリカルボン酸型両性界面活性剤 一般式 で示される含フッ素トリカルボン酸型両性界面活性剤。
これらの具体的化合物として以下のものが挙げられる。
(D−6)含フッ素スルホベタイン型両性界面活性剤 一般式 〔式中Rfは、炭素数3〜20のフッ素化脂肪族基を含む
基であり、Zは、スルホアミド基またはカルボアミド基
を含む2価の連結基であり、Q1,Q2およびQ3は、炭素数
1〜12の2価の脂肪族基、ヒドロキシ基により置換さ
れた脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基またはこれら
を組合わせたものであり、 Rは、水素原子、炭素数1〜12のハイドロカルビル
基、または-(CH2CH2O)iH、-(CH2CH(CH3O)iH (但し、iは1〜20の整数を表わす。)であり、 Aは、陰イオン性原子団で-SO3 -、-COO-M1およびM2は、水素原子または無機もしくは有機のカチ
オンであり、 Xは、無機または有機のアニオンである。〕 で表わされる含フッ素スルホベタイン型両性界面活性
剤。
(D−7)含フッ素アミノサルフェート型界面活性剤 一般式 にて表わされる含フッ素アミノサルフェート型界面活性
剤。
これらの具体的化合物として以下のものが挙げられる。
A-7-cC7F15CON(CH3)(CH2)3N(CH3)CH2CH2OSO3NH4 A-7-dC7F15CONH(CH2)6N(CH2CH2OSO3Na)2 A-7-iC8F17CH2CH2SO2NH(CH2)3N(CH3)(CH2)4OSO3Na (D−8)含フッ素サルファトベタイン型界面活性剤 一般式 にて表わされる含フッ素サルファトベタイン型界面活性
剤。
これらの具体的化合物として以下にものが挙げられる。
(D−9)含フッ素スルホベタイン型界面活性剤 一般式 で示される含フッ素スルホベタイン型界面活性剤。
これらの具体的化合物として以下のものが挙げられる。
前述D−1〜D−9のM.M1,M2,M3はそれぞれ水素原
子又は無機もしくは有機のカチオンを表わし、例えばLi
,Na ,K ,Ca ,Mg ,〔N(H)s(R)t (但し、
Rは炭素数1〜4のアルキル基またはヒドロキシエチル
基、sおよびtは0〜4の整数でs+t=4を満たすも
のを表わす。)、 のアニオンであり、例えばOH ,C ,Br ,I
,CO ,1/2SO,CH ,NO
CHCOO またはリン酸基等が好ましい。
(D−10)その他の界面活性剤 D-10-bC11H23CONHCH2CH2N(CH2COONa)2 D-10-eC8F17SO2N(C3H7)CH2COOK D-10-fC8F17SO2N(C3H7)CH2CH2OSO3Na D-10-gC7F15CON(C3H7)(CH2)3SO3Na 本発明において、アニオン性親水基含有界面活性剤D
と、カチオン性水溶性高分子物質(A)、多塩基酸(B)、そ
してイオン価が2価以上の金属塩(C)から成る配合用組
成物との配合比の好ましい領域は、両成分の組み合わせ
により変化するが、一般に重量比で(D):(A)+(B)+(C)
=3:1〜1:100であり、より好ましくは2:1〜
1:50である。アニオン性親水基含有界面活性剤に対
する該配合用組成物の配合割合が低すぎると、アニオン
性親水基含有界面活性剤との間に形成される錯体が水不
溶性となり起泡性が著しく損われる。配合比が上記好適
領域以上であっても、起泡性、耐焔性、耐熱性、耐液性
等の発現には著しい妨げとはならないが、消火剤原液あ
るいは希釈液の粘度が著しく増大し、商品価値を失うこ
とになる。
本発明に係る消火薬剤は、原液、希釈液いずれの状態に
おいても溶解安定性に優れ、長期保存性に卓越してい
る。組成物の優れた溶解性および低粘性から希釈倍率の
高い濃厚原液が容易に製造できる。原液の動粘度は、2
0℃において100cst以下におさめることができ、実
用上の取扱い性に優れている。また、カチオン性水溶性
高分子物質の添加が少量で済むことから性能を損うこと
なく消火剤原液の凝固点を−5℃以下にすることが可能
である特徴を有している。
本発明の消火剤において前記界面活性剤成分および水溶
性高分子に加えて必要により各種添加剤を加えることが
できる。添加剤として付加的泡安定剤、凝固点降下剤、
防錆剤、pH調整剤等が挙げられる。付加的泡安定剤は、
主に発泡倍率を調節するために添加され、非イオン界面
活性剤、カチオン界面活性剤、ポリエチレングリコー
ル、ポリビニルアルコール等がある。凝固点降下剤とし
ては、エチレングリコール、プロピレングリコール、セ
ロソルブ類、カルビトール類、低級アルコールあるいは
尿素などがある。防錆剤、pH調整剤は当該業界周知の種
々のものを使用し得る。
本発明の消火剤は公知の方法で、即ち空気、炭酸ガス、
窒素、ジフロロジクロロメタンのような低沸点フロロカ
ーボン類または他の適当な不燃気体を吹き込むか混ぜる
ことによって適用できる。
また本発明の消火薬剤原液の粘度が比較的低いので、濃
厚原液を備蓄タンクに貯蔵し、使用時に通常の方法、例
えば消火装置または泡ノズルに至る途中から水流中に吸
い込ませることにより希釈度を調整し、空気等の不燃気
体を吹き込むか混合することによって発泡させ、火面の
上方または表面下より泡を放射または送り込む方法によ
り適用することもできる。
またさらに、本発明の消火薬剤は起泡性、耐焔性、耐熱
性に優れていることから、濃厚原液もしくは低希釈度水
溶液を、燃焼油面に直接注入することによる、天ぷら油
またはサラダ油等の火災の窒息もしくは冷却消火に適し
ている。また本発明の消火薬剤は希釈溶解安定性にも優
れていることから、希釈液をスプレー缶に充填して、簡
易型家庭用初期消火剤としても使用することができる。
次に実施例により本発明をさらに詳しく説明する。以下
の実施例及び比較例中、%は全て重量%を表わす。
実施例1〜40 界面活性剤(D)、カチオン性水溶性高分子(A)、多塩基酸
(B)、金属塩(C)について、上記の割合で混合攪拌し、微
量の5N塩酸を加えpHを7.5に調節した。得られた消火
剤(3%型原液)の性状を表−1に示す。
但し使用したカチオン性水溶性高分子の分子量は次の通
りである。
A−I 40000〜100000 A−III 9000〜 10000 A−IV 10000〜 12000 A−V 11000〜 17000 A−VI 5000〜 8000 A−VII 7000〜 9000 A−VIII7500〜 9500 表−1より、本発明の消火薬剤は凝固点は−10℃以下
と低く、動粘度も20℃で50cSt以下であり、流動性
に富んでいることが分かる。
実施例41〜64 前記実施例の消火薬剤について、下記の方法に基づいて
耐液性試験を行った。
比較例として、前記実施例の各消火薬剤組成物から、本
発明を特徴づける物質である、イオン価が2以上の金属
塩を除去し、その分水を補充した組成のもの(組成番号
にMFと付記した)、及びチキソトロピー性水溶性高分子
物質配合型消火剤(フッ素系界面活性剤含有、市販品)
についても同様の試験を行った。結果を表−2に示す。
(耐液性試験方法) 消火薬剤原液を淡水又は海水にて希釈し、窒素圧7.0kg/
cm2にて水成膜泡消火剤試験用標準発泡ノズルを通して
泡立てた。発泡後即座に泡を5cc採取し、極性溶剤50
cc(20℃、100ccのビーカー使用)にそっと積載
し、積載直後から泡が完全に消滅するまでの時間を測定
した。
実施例65 燃焼面積1m2のB−5模型を使用し、消火実験を行っ
た。燃焼溶剤量は50であり、予燃時間は5分とし
た。消火剤原液を消火用水にて希釈したのち耐圧容器に
充填し、窒素圧7.0kg/cm2にて水成膜泡消火剤試験用標
準発泡ノズルを通して泡立て燃焼液面に泡を供給した。
吐出速度10/min、全吐出時間1分15秒とした。
結果を表−3に示す。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カチオン性水溶性高分子(A)、多塩基酸
    (B)、イオン価が2以上の金属塩(C)、アニオン性
    親水基含有界面活性剤(D)とを含有して成る水成泡消
    火薬剤。
  2. 【請求項2】アニオン性親水基含有界面活性剤(D)
    が、アニオン性親水基として、-COO ,-SO3 ,-OSO3
    ,-OPO(OH)O またはこれらを組み合わせた基を含有
    した界面活性剤で、該界面活性剤にカチオン性親水基を
    同時に含有する両性界面活性剤である特許請求の範囲第
    1項記載の水成泡消火薬剤。
  3. 【請求項3】アニオン性親水基含有界面活性剤(D)
    が、疎水基として炭素数3〜20のフッ素化脂肪族基を
    有する含フッ素界面活性剤であることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項記載の水成泡消火薬剤。
  4. 【請求項4】カチオン性水溶性高分子(A)が、ポリエ
    チレンイミンまたはその誘導体であることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項、第2項、または第3項記載の水
    成泡消火薬剤。
  5. 【請求項5】多塩基酸(B)が、二塩基酸、三塩基酸、
    四塩基酸であることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項、第2項、第3項または第4項記載の水成泡消火薬
    剤。
  6. 【請求項6】イオン価が2以上の金属塩(C)が、周期
    律表の第II族もしくは第III族の金属塩であることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項、第2項、第3項、第4
    項または第5項記載の水成泡消火薬剤。
  7. 【請求項7】イオン価が2以上の金属塩(C)が、マグ
    ネシウム塩であることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項、第2項、第3項、第4項または第5項記載の水成泡
    消火薬剤。
  8. 【請求項8】(A)、(B)各成分の重量割合が、1
    0:1〜1:3であり、且つ(A)+(B)と(C)の
    重量割合が、100:1〜3:7であることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項、第2項、第3項、第4項、第
    5項、第6項または第7項記載の水成泡消火薬剤。
  9. 【請求項9】(D)と(A)+(B)+(C)の重量割
    合が、3:1〜1:100であることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項、第2項、第3項、第4項、第5項、
    第6項、第7項または第8項記載の水成泡消火薬剤。
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