JP2000126327A - 水成膜泡消火薬剤 - Google Patents

水成膜泡消火薬剤

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JP2000126327A
JP2000126327A JP10306560A JP30656098A JP2000126327A JP 2000126327 A JP2000126327 A JP 2000126327A JP 10306560 A JP10306560 A JP 10306560A JP 30656098 A JP30656098 A JP 30656098A JP 2000126327 A JP2000126327 A JP 2000126327A
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foam
fire
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JP10306560A
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Yukiko Takaku
由紀子 高久
Minoru Nakada
稔 中田
Chiaki Endo
千秋 遠藤
Yasuyuki Hiratsuka
保幸 平塚
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Daiichi Kasei Sangyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】チクソトロピー性を有することなく、可燃性油
類に対し水成膜及び泡を形成し、可燃性油類はもとよ
り、水溶性可燃性液体類の火災にも有効な消火能力を有
する水成膜泡消火薬剤を提供する。 【解決手段】ポリアリルアミン(A)、ジメチルジアリ
ルアンモニウム塩とマレイン酸との共重合体(B)及び
パーフルオロアルキル基含有非イオン性界面活性剤
(C)を必須成分として含有し、さらにパーフルオロア
ルキル基含有両性界面活性剤、炭化水素系非イオン性界
面活性剤及び炭化水素系両性界面活性剤を含有してな
る。好ましくは、上記(A)+(B)の配合割合が、消
火薬剤全量に対して0.3〜6.0重量%であり、
(A)と(B)の配合比は、重量で15:1〜1:30
であり、(A)+(B)と(C)の配合比は、重量で
1:5〜30:1である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チクソトロピー性
を有することなく可燃性油類に対し、水成膜及び泡を形
成し、可燃性油類はもとより、水溶性可燃性液体類の火
災にも優れた消火能力を有する新規な水成膜泡消火薬剤
に関する。
【0002】
【従来の技術】水成膜泡消火薬剤は、ガソリン、軽油、
ヘプタン等の可燃性油類の火災に対し、迅速な消火と水
成膜形成性による再着火防止の機能を同時に発現するも
のである。
【0003】水成膜泡消火薬剤に関する基礎技術につい
ては、既に広く知られており、例えば、特公昭40−2
0080号、特開昭47−25796号、特公昭52−
39599号、特公昭59−18389号等多くの技術
がある。いずれもある種のフッ素系界面活性剤を必須成
分とし、炭化水素系界面活性剤あるいはシリコン系界面
活性剤を水成膜形成性向上の相乗剤として使用してい
る。しかしながら、これらの水成膜泡消火薬剤は、可燃
性油類の火災に対しては有効な消火能力を有している
が、水溶性可燃性液体の火災に対しては泡が燃焼液面に
接触すると直ちに消泡してしまい、ほとんど消火能力を
発揮することができない。
【0004】一方、アルコール、ケトン、エーテル、ア
ミン等の水溶性可燃性液体類の火災に対しては、蛋白泡
消火薬剤、合成界面活性剤泡消火薬剤あるいは、水成膜
泡消火薬剤に金属石鹸や水溶性高分子化合物等を添加し
たものが開発され、使用されている。ところが、これら
の水溶性可燃性液体類用の消火薬剤は、取り扱いに不便
であったり、消火性能が不充分であったり、また、消火
薬剤原液の粘度が高いため、自治省令第26号に定めら
れた規格を満足せず、油火災用の消火薬剤として使用不
可能となってしまうといった欠点を有していた。最近、
これらの欠点を克服したものとして、パーフルオロアル
キル基含有アニオン性界面活性剤と水溶性高分子物質
(ポリエチレンイミン)の反応物を油火災用の消火薬剤
に添加したもの(特公平3−79030号)、或いは、
カチオン性水溶性高分子(ポリエチレンイミン)、多塩
基酸、イオン価が2以上の金属塩、含フッ素アニオン性
両性界面活性剤を含有させたもの(特公平6−2169
号)等が提案されているが、いずれも水成膜形成性は有
していないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年は化学工業の著し
い発展に伴い、可燃性油類と同様にアルコール、ケト
ン、エーテル、アミン等の水溶性可燃性液体類も多量に
製造、貯蔵、消費されており、これら水溶性可燃性液体
類の火災に対しての消火薬剤は必須のものとなつてい
る。ところで、これら水溶性可燃性液体類の火災にも有
効であり、かつ、可燃性油類に対して水成膜及び泡を形
成する消火薬剤は、水成膜泡消火薬剤に水溶性高分子物
質(多糖類)を添加し、チクソトロピー性を付与したも
のが開発されている。しかしながら、このものは、消火
薬剤原液が非常に高粘度 (1200cSt以上) であ
り、現行の消火設備では実用上取り扱いが困難である。
しかも、自治省令第26号に定められた規格を満足しな
いため、可燃性油類用の消火薬剤としては使用できな
い。
【0006】一方、多糖類を使用せずに、従来の水成膜
泡消火薬剤に公知の技術を用いて水溶性可燃性液体類の
火災にも有効な消火能力を付与しようとすると、水成膜
形成性が損なわれてしまい水成膜泡消火薬剤としての機
能が失われてしまう。
【0007】そこで本発明は、チクソトロピー性を有す
ることなく、可燃性油類に対し水成膜及び泡を形成し、
可燃性油類はもとより、水溶性可燃性液体類の火災にも
有効な消火能力を有する新規な水成膜泡消火薬剤を提供
することを目的としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明者による
水成膜泡消火薬剤は、ポリアリルアミン(A)、ジメチ
ルジアリルアンモニウム塩とマレイン酸との共重合体
(B)及びパーフルオロアルキル基含有非イオン性界面
活性剤(C)を必須成分として含有し、さらにパーフル
オロアルキル基含有両性界面活性剤、炭化水素系非イオ
ン性界面活性剤及び炭化水素系両性界面活性剤を含有し
てなることを特徴とするものである。上記の本発明の水
成膜泡消火薬剤は、チクソトロピー性を有することな
く、しかも、水成膜形成性を損なわずに可燃性油類はも
とより、水溶性可燃性液体類の火災に対しても有効な消
火能力を有している。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるポリアリルア
ミン(A)は、下記式(1) で表される水溶性高分子化合物であり、分子量1万〜1
0万程度のものが使用できる。市販品として、日東紡績
(株) から「ポリアリルアミン」の名称で、通常10〜
30%の水溶液が入手できる。
【0010】ジメチルジアリルアンモニウム塩とマレイ
ン酸との共重合体(B)は、下記式(2) で表される水溶性両性高分子化合物である。「DM−2
1」(日東紡績(株)製:通常20%水溶液)の商品名
で市販品として入手できる。
【0011】パーフルオロアルキル基含有非イオン性界
面活性剤(C)は、フッ化蛋白泡消火薬剤等用として市
販されているものが使用でき、一例として、下記一般式
(3) で表される化合物があげられる。
【0012】式(3)において、Rfはアルキル基の水
素原子の一部又は全部をF原子で置き換えたフッ化炭素
基で、炭素数は6〜20程度のもの;BはO、CO、C
2又はSO2 ;R’はH又は低級アルキル基を表す。
【0013】本発明の消火薬剤においては、上記
(A)、(C)各成分のどちらか一つが欠けても水溶性
可燃性液体類に対する耐液性の能力は発現されず、
(B)成分が欠けた場合は、耐液性は示すもののその能
力は非常に弱いことから、作用の詳細は不明であるが、
(A)、(B)、(C)の3成分が水溶性可燃性液体類
に対し、安定な複合体のようなものを形成していること
によると推察される。
【0014】(A)+(B)の好ましい配合割合は、消
火薬剤全量に対して一般に0.3〜6.0重量%であ
り、(A)と(B)の配合比の好ましい領域は、一般に
重量で15:1〜1:30であり、より好ましくは、
4:5〜1:6である。また、(A)+(B)と(C)
の配合比の好ましい領域は、一般に重量で1:5〜3
0:1であり、より好ましくは、1:1〜9:1であ
る。(A)に対する(B)の配合比が低すぎると消火薬
剤原液あるいは、希釈液に濁りや沈殿が発生する傾向が
ある。一方、この配合比が上記好適領域以上であって
も、起泡性や密封性等の発現には著しい妨げとはならな
いが、消火薬剤原液の粘度が増加する傾向となり、好ま
しくない。また、(A)+(B)と(C)の配合比が低
い場合には、特に、水溶性可燃性液体類に対する耐液性
の能力が損なわれる傾向がある。反対に、この配合比が
高い場合には、起泡性や耐液性等の発現には著しい妨げ
とはならないが、消火薬剤原液の濁りの発生や粘度の増
加等の現象が認められる傾向がある。
【0015】本発明の消火薬剤は、上記(A)、
(B)、(C)の3成分に、さらに先行技術により明ら
かとなっている水成膜泡消火薬剤の構成成分、即ち、パ
ーフルオロアルキル基含有両性界面活性剤、炭化水素系
非イオン性界面活性剤及び炭化水素系両性界面活性剤の
各成分を配合し、いずれの成分も均一になるように撹拌
混合し、必要に応じて、pH調整剤によりpHを6.5
から7.5の中性域とすることによつて得られる。この
場合、60〜90℃で15〜30時間加熱操作を加えて
も良く、加熱に際して、一部の成分のみを加熱したり、
pHを調整しても良い。加熱することによって、配合成
分のうちの高分子化合物(A)及び(B)の使用量を減
ずることができ、更に、水溶性可燃性液体類に対する耐
液性の能力や消火薬剤の性状を向上させることができ
る。
【0016】パーフルオロアルキル基含有両性界面活性
剤は、消火薬剤に慣用されているものを使用すればよ
く、例えば、特公昭40−20080号公報に記載の下
記式(4)−1で示される化合物
【0017】特公昭59−18389号公報に記載の下
記式(4)−2で示される化合物
【0018】特開平9−38235号公報に記載の下記
式(4)−3で示される化合物 などがあげられる。式(4)−2と(4)−3におい
て、Rfは炭素数6〜10のパーフルオロアルキル基を
表す。
【0019】炭化水素系非イオン性界面活性剤は、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル型或はポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル型の活性剤であり、下記
式(5)−1、(5)−2で示される化合物があげられ
る。
【0020】
【0021】式(5)−1、(5)−2において、Rは
炭素数4〜10程度の直鎖または分岐のアルキル基を表
す。
【0022】炭化水素系両性界面活性剤は、主に消火薬
剤原液成分を安定化させる機能を有し、アルキルベタイ
ン型、アルキルアミドベタイン型、イミダゾリンベタイ
ン型の活性剤があり、これらの1種または2種以上を併
用することができる。具体的には、下記式(6)−1、
(6)−2、(6)−3で示される化合物があげられ
る。
【0023】
【0024】式(6)−1〜(6)−3において、Rは
ラウリル又はヤシ油、R’は炭素数2〜4のアルキレン
基を表す。
【0025】本発明の消火薬剤においては、前記成分に
加えて必要により、各種添加剤を加えることができる。
添加剤としては、溶剤、凝固点降下剤、防錆剤、pH調
整剤等が挙げられる。溶剤および凝固点降下剤として
は、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、グリセリン、カルビトール類、セ
ロソルブ類、尿素等がある。これらのうち、1種又は2
種以上を添加すると消火薬剤成分の溶解性を向上させ、
消火薬剤の安定性を増すことができると共に凝固点を降
下させることができ、低温下においても充分な効果を発
揮できる消火薬剤とすることができる。また、防錆剤、
pH調整剤は、業界公知の種々のものを使用することが
できる。
【0026】本発明の消火薬剤は、20℃における原液
の動粘度が100cSt以下であり、かつ、チクソトロ
ピー性を示すこともないので、実用上の取り扱いに優れ
ている。更に、可燃性油類に対して水成膜を形成し、か
つ、水溶性可燃性液体類に対しても安定な泡沫を形成で
きる特徴を有している。
【0027】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。なお、以下の実施例で、成分割合の%は全て
重量%で表す。
【0028】 [実施例1] ポリアリルアミン (分子量約1万) 15 % ジメチルジアリルアンモニウム塩と マレイン酸との共重合体(「DM−21」) 10 % パーフルオロアルキル基含有 非イオン性界面活性剤 (固形分濃度20%) 5.5% パーフルオロアルキル基含有 両性界面活性剤 (固形分濃度33%) 6 % ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル 4 % アルキル (ラウリル又はヤシ油) ベタイン 8 % アルキル (ラウリル又はヤシ油) イミダゾリンベタイン 8 % グリセリン 15 % プロピレングリコール 10 % 水 18.5%
【0029】これらの成分を室温で混合撹拌し、pH調
整剤によりpHを中性とし、消火薬剤原液を得た。得ら
れた原液は、チクソトロピー性は有していなかった。
【0030】 [実施例2] ポリアリルアミン (分子量約1万) 15 % 「DM−21」 10 % パーフルオロアルキル基含有 非イオン性界面活性剤 (固形分濃度35%) 4.5% パーフルオロアルキル基含有 両性界而活性剤 (固形分濃度40%) 5 % ポリオキシエチレンノニルエーテル 3 % アルキル (ラウリル又はヤシ油) ベタイン 6 % アルキル (ラウリル又はヤシ油) イミダゾリンベタイン 10 % エチレングリコール 20 % 水 26.5%
【0031】これらの成分を室温で混合撹拌し、pH調
整剤によりpHを中性とし、消火薬剤原液を得た。得ら
れた原液は、チクソトロピー性は有していなかった。
【0032】 [実施例3] ポリアリルアミン (分子量約1万) 5 % 「DM−21」 8 % パーフルオロアルキル基含有 非イオン性界面活性剤 (固形分濃度30%) 4 % パーフルオロアルキル基含有 両性界面活性剤 (固形分濃度20%) 7 % ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 3.6% アルキル (ラウリル又はヤシ油) ベタイン 6.5% アルキル (ラウリル又はヤシ油) イミダゾリンベタイン 5 % エチレングリコール 15 % ブチルセルソルブ 10 水 35.9%
【0033】これらの成分を室温で混合撹拌し、pH調
整剤によりpHを中性とした後、90℃で、15時間加
熱処理して消火薬剤原液を得た。得られた原液は、チク
ソトロピー性は有していなかった。
【0034】 [実施例4] ポリアリルアミン (分子量約1万) 2 % 「DM−21」 4 % パーフルオロアルキル基含有 非イオン性界面活性剤 (固形分濃度20%) 2.4% パーフルオロアルキル基含有 両性界面活性剤 (固形分濃度40%) 5 % ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 5 % アルキル (ラウリル又はヤシ油) ベタイン 8 % アルキル (ラウリル又はヤシ油) イミダゾリンベタイン 7.5% グリセリン 25 % 水 41.1%
【0035】これらの成分を混合し消火薬剤原液を調製
するに当り、ポリアリルアミン、DM−21、パーフル
オロアルキル基含有非イオン性界面活性剤、アルキルベ
タインの混合物を90℃で15時間加熱した後、ポリオ
キシエチレンノニルフェニルエーテルを添加し、pHを
pH調整剤により中性とし、再び90℃で15時間加熱
した。その後、パーフルオロアルキル基含有両性界面活
性剤、アルキルイミダゾリンベタイン、グリセリンおよ
び水を加え、混合撹拌し消火薬剤原液を得た。得られた
原液は、チクソトロピー性は有していなかった。
【0036】[比較例1]実施例1と配合割合は全く同
一で、ポリアリルアミンを用いずに、代わりに同等量の
水を使用し、消火薬剤原液を調製した。
【0037】[比較例2]実施例2と配合割合は全く同
一で、「DM−21」を用いずに、代わりに同等量の水
を使用し、消火薬剤原液を調製した。
【0038】[比較例3]実施例4と配合割合は全く同
一で、非イオン性フッ素系界面活性剤を用いずに、代わ
りに同等量の水を使用し、消火薬剤原液を調製した。
【0039】実施例1〜4及び比較例1〜3について、
以下に示す試験方法により、その性状及び性能の評価を
行なった結果を表−1に示す。また、実施例4の消火薬
剤を用いて、水溶性可燃性液体の種類を変えて性能の評
価を行なった結果を表−2に示す。
【0040】[試験方法] 1.性状評価試験 (1)変質試験 泡消火薬剤を温度65℃に216時間保った後に室温に
もどし、かつ、温度零下18℃に24時間保った後に室
温にもどす試験。
【0041】(2)変質試験後の泡消火薬剤の沈殿量 温度20℃で、JIS K 2504に定める潤滑油沈
殿価試験方法により沈殿用ナフサを添加せずに測定した
場合において、0.2容量%以下でなければならない。
【0042】(3)希釈液(泡水溶液) 泡消火薬剤に水(淡水及び海水)を加え、3または6容
量%の濃度にした水溶液をいう。
【0043】2.性能試験 (1)泡の膨張率(発泡性能) 温度20℃の泡水溶液を水圧力7Kg/cm2 、放水量
1OL(リットル)/minで水成膜泡消火薬剤試験用
標準発泡ノズルを用いて発泡させた場合において、泡の
膨張率(泡水溶液の容量と発生する泡の容量との比をい
う)は5倍以上でなければならない。
【0044】(2)水成膜試験 試験試料を淡水及び合成海水で6容量%に希釈した泡水
溶液について、泡消火薬剤の技術上の規格を定める省令
(自治省令第26号) の方法に基づき、拡散係数の測定
を行なったとき、拡散係数は3.5以上でなければなら
ない。
【0045】(3)消火性能及び耐液性試験 本発明者らは、可燃性油類に対する消火性能は勿論のこ
とであるが、特に、水溶性可燃性液体類に対する消火性
能、とりわけ、消火後の泡の密封性・耐液性がより重要
であると考え、次のような方法で試験を行なった(可燃
性油類に対する消火性能は、(2)の試験結果及び水溶性
可燃性液体類に対する消火性能から判断できる)。
【0046】直径90mm、深さ90mmのステンレス
製容器に水溶性可燃性液体200mLを入れて点火し、
1分間予燃焼した後、水成膜泡消火薬剤試験用標準発泡
ノズルから発泡させた直後の泡を0.5L/minの流
量で燃焼面上に供給し、消火状況(消火性能)を観察し
た。消火後、泡厚が5.5cmとなるまで泡の供給を行
った。
【0047】泡供給終了から15分間経過した後、点火
器を用いて泡面に接する程度に炎を近付け泡面に沿い全
面にわたつて移動させ、着火するか否かを観察した(密
封性試験)。密封性試験で着火・継続燃焼をしなかった
ものについて、以下のように耐液性試験(再燃)を行っ
た。容器中央の泡を直径3cmの空洞ができるように取
り除いて水溶性可燃性液体の表面を露出させ、液体表面
に点火してから容器内の泡が完全に消滅するまでの時間
を測定した。泡が完全消滅する前に消火した場合には、
5分間までは繰り返し点火を行い時間を測定したが、5
分間以上この操作を行っても消火した場合は、自然消火
とみなした。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】以上の説明からわかるように、本発明の
水成膜泡消火薬剤は、チクソトロピー性を有することな
く可燃性油類に対し、水成膜及び泡を形成し、可燃性油
類はもとより、水溶性可燃性液体類の火災にも優れた消
火能力を有するため、従来、コンビナート等にあっては
泡消火薬剤の使用に当たって、それぞれの消火対象物に
対して泡消火薬剤を選択使用しなければならなかったと
いう、使い分けの煩雑さ、不便さ等が解消され、迅速な
消火活動が行えることが期待される。
【0051】更に、本発明の水成膜泡消火薬剤を使用す
ることにより、複数種の消火薬剤を保有する必要が無く
なるため、備蓄量の削減、メンテナンスの簡素化等管理
上においても非常に有利となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遠藤 千秋 埼玉県川越市南台1−6−4 第一化成産 業株式会社川越工場内 (72)発明者 平塚 保幸 埼玉県川越市南台1−6−4 第一化成産 業株式会社川越工場内 Fターム(参考) 2E191 AA03 AB12 AB13 AB14

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアリルアミン(A)、ジメチルジア
    リルアンモニウム塩とマレイン酸との共重合体(B)及
    びパーフルオロアルキル基含有非イオン性界面活性剤
    (C)を必須成分として含有し、さらにパーフルオロア
    ルキル基含有両性界面活性剤、炭化水素系非イオン性界
    面活性剤及び炭化水素系両性界面活性剤を含有してなる
    ことを特徴とする水成膜泡消火薬剤。
  2. 【請求項2】 上記(A)+(B)の配合割合が、消火
    薬剤全量に対して0.3〜6.0重量%であり、(A)
    と(B)の配合比は、重量で15:1〜1:30であ
    り、(A)+(B)と(C)の配合比は、重量で1:5
    〜30:1であることを特徴とする請求項1記載の水成
    膜泡消火薬剤。
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