JP3647710B2 - 泡沫消火剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、石油類などの非水溶性可燃性液体物質と水溶性可燃性液体物質との両方に対して使用できる泡沫消火剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、化学工業の発展に伴い、ガソリン、ナフサなどの非水溶性可燃性液体だけでなく、アルコール、エーテル、エステルなどの水溶性可燃性液体の製造量、使用量は莫大になり、保管、備蓄も大規模化している。それに伴い、火災などによる災害の危険性も拡大しているし、また、災害時の対処も困難になっている。
石油タンク等大規模火災に対しては、従来泡沫消火剤が使用されている。
従来の泡沫消火剤として、特公昭57−43265号公報には、アルギン酸又はその誘導体、2位にヘプタデシル基を有するイミダヅリン型界面活性剤、および起泡性界面活性剤を配合してなる泡沫消火剤が記載されているが、この消火剤はアルコールなどの水溶性可燃性液体の消火に用いられるものであり、ガソリンなどの非水溶性可燃性液体の消火を目指すものではない。また、消火に時間がかかるという欠点も有している。
また、油とアルコールとの両方に対して使用できる従来の泡沫消火剤としては、加水分解タンパク質にフッ素系界面活性剤を添加したものがあるが、この消火剤は、pHの変化により沈殿物が生じ貯蔵性が悪く、また酢酸などの酸性の水溶性可燃性物質の消火に対しては効果がないという問題点を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、これらの問題点を解決しようとするもので、ガソリンなどの非水溶性の可燃性物質にもアルコールなどの水溶性の可燃性物質にも適用できて、且つ、消火時間が短い泡沫消火剤を提供することを課題とする。また、燃焼液面に長時間とどまることができるという長い泡沫耐液性を有し、且つ、燃焼液面を短時間で被覆できる良好な流動性も有する泡沫消火剤を提供することも課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決したものである。
すなわちこの発明は、
(1)a)アルギン酸あるいはその誘導体、及び天然又は合成の水溶性高分子化合物から選ばれる少なくとも一種、
b)起泡性アニオン界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる少なくとも一種の界面活性剤、及び
c)フッ素系界面活性剤から選ばれる少なくとも一種の界面活性剤
を配合してなることを特徴とする泡沫消火剤、及び
(2)a)アルギン酸あるいはその誘導体、及び/又はキサンタンガム、
b)起泡性両性界面活性剤、及び
c)フッ素系界面活性剤
を配合してなることを特徴とする泡沫消火剤、
に関するものである。
【0005】
本発明では、製造過程が複雑で高価である加水分解タンパク質の代わりに粘性のあるアルギン酸又はその誘導体、及び天然又は合成の水溶性高分子化合物から選ばれる少なくとも一種を用いて、泡沫消火剤に粘性と泡沫耐液性とを付与している。
起泡性アニオン界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる少なくとも一種の界面活性剤は、泡沫消火剤に起泡性および流動性を与える。
また、フッ素系界面活性剤から選ばれた少なくとも一種の界面活性剤を用いることによって、急速消火が可能となり、流動性が改善され、またガソリンなどの非水溶性可燃性物質への適用も可能となる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の泡沫消火剤について詳細に説明する。
本発明の泡沫消火剤のa)成分としては、アルギン酸又はアルギン酸塩等のアルギン酸誘導体、又はキサンタンガム、ウェランガム、ジェランガム、ランザンガム、市販のアラビヤゴム糊等の水溶性天然高分子類、又はポリアクリル酸又はその誘導体、ポリメタアクリル酸又はその誘導体、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ塩化ビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース(CMC) 、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)などの水溶性合成高分子類があげられる。これらの成分は単独で用いても、2種以上組合せて用いても良い。特にアルギン酸ナトリウム及び/またはキサンタンガムが好ましい。
これらのa)成分は、粘度調整作用を有するので、泡沫消火剤に粘性を付与し、また泡が燃焼液面に長時間とどまることができるという泡沫耐液性を付与することができる。
【0007】
b)成分の起泡性アニオン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤としては、ラウリル(ドデシル)硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、トリエタノールアミンラウリルサルフェート等のアニオン型界面活性剤、ラウリルジメチルアミノ酢酸等の両性界面活性剤が挙げられる。これらは、単独で用いても良いし、2種類以上組合せて用いることもできる。トリエタノールアミンラウリルサルフェートまたはラウリルジメチルアミノ酢酸が好ましく、特にラウリルジメチルアミノ酢酸が好ましい。
これらの成分は、泡沫消火剤に起泡性を与え、且つ、泡沫消火剤に適度の流動性を与えることができので、b)成分によって、本発明は、良好な泡沫を形成することができ、また、泡沫消火剤が燃焼液面に良好に展開することができる。
【0008】
c)成分のフッ素系界面活性剤としては、例えばN,N,N−トリメチルN−3−(パーフルオロオクチルスルホニルアミノ)プロピルアンモニウムアイオダイド[C8F17SO2NH(CH2)3N+(CH3)3I-]、フルオロアルキルアミノカルボン酸型両性界面活性剤が挙げられるが、フルオロアルキルアミノカルボン酸型両性界面活性剤が石油類及びアルコール類に対する消火作用を著しく向上させる作用があり好ましい。
フッ素系界面活性剤は、消火剤の流動性を改善でき、迅速な消火に役立ることができる。
【0009】
a)、b)及びc)成分の配合割合は、a)が10〜45重量%、b)が15〜65重量%、c)が15〜40重量%である。a)が10重量%未満であると、粘度が劣り泡沫耐液性が悪くなり、45重量%を超えると、粘度が高くなりすぎ、かつ消火時間が長くなる。b)が15重量%未満であると、起泡性が悪くなり、65重量%を超えると、起泡性は良好であるが消火時間が長くなる。c)が15重量%未満であると、消火時間が長くなり流動性に劣り、40重量%を超えると、耐液性が悪くなる。
【0010】
以下にこの発明の実施例を示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
【実施例1】
(配合成分)
キサンタンガム 7g
ラウリルジメチルアミノ酢酸ナトリウム 30g
フルオロアルキルアミノカルボン酸ナトリウム 10g
エチレングリコール 20g
水 60g
【0011】
上記の成分を配合し、80〜95℃に約4時間、加温しつつ攪拌する。得られた均質溶液を6重量%水溶液となるように水を加える。なお、この水溶液の濃度は、上記配合成分の溶質合計の水溶液全体に対する濃度である。
【0012】
(消火試験)
直径1m×1mの全方形の鉄製消火容器に試験燃料を25L入れ、点火して、2分後に火面に上記の水溶液をノズル圧力4.5kgf、ノズル吐出量2.5L/minで放出して、消火試験を行った。
試験結果を表1に示す。
ここで、発泡倍率は、放出した泡を容器に入れて容量を測り、放出前の容量で割って求める。消火時間は、ノズル放出から消火までに要した時間である。耐液性は、消火後、泡面を15cm×15cm切り、油面を出し着火し、着火した液面を泡が何時間覆うかをみることにより求める。
【表1】
【0013】
【実施例2】
実施例1のキサンタンガムの代わりにアルギン酸ナトリウムを15g使用した以外は実施例1と同様にして泡沫消火剤を製造した。
なお、アルギン酸ナトリウムを用いるとき、溶質濃度は10重量%にした。
【0014】
実施例1と同様に、消火試験を行った結果を表2に示す。
【表2】
【0015】
【比較例1】
比較例として、加水分解タンパク質を6重量%含有する泡沫消火剤を調製し、実施例1と同様にして消火試験を行った。結果を表3に示す。
【表3】
【0016】
上記の実施例と比較例の対比から、比較例の泡沫消火剤では、消火時間も長く、泡沫耐液性も劣り、再着火するのに対して、アルギン酸又はその誘導体などのa)成分と、気泡性アニオン界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれるb)成分と、フッ素系界面活性剤とを組み合わせる本発明の泡沫消火剤では、消火時間、泡沫耐液性、再着火性のいずれも優れた泡沫消火剤が得られている。
【0017】
【発明の効果】
本発明の泡沫消火剤は、消火時間、泡沫耐液性、再着火性のいずれの点から見ても、従来品より顕著に優れている。また、貯蔵性、使用量の点から見ても、十分満足のいくものが得られた。
Claims (1)
- a)アルギン酸ナトリウム 10〜45重量%、
b)ラウリルジメチルアミノ酢酸 15〜65重量%、及び
c)フルオロアルキルアミノカルボン酸型両性界面活性剤 15〜40重量%
の配合割合で配合してなることを特徴とする泡沫消火剤。
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