JPH06212513A - 高強度ポリビニルアルコール系繊維の製造法 - Google Patents

高強度ポリビニルアルコール系繊維の製造法

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JPH06212513A
JPH06212513A JP516993A JP516993A JPH06212513A JP H06212513 A JPH06212513 A JP H06212513A JP 516993 A JP516993 A JP 516993A JP 516993 A JP516993 A JP 516993A JP H06212513 A JPH06212513 A JP H06212513A
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Atsushi Taniguchi
敦 谷口
Masanori Sakamoto
正典 坂本
Tadayuki Matsumoto
忠之 松本
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Abstract

(57)【要約】 【構成】高強度ポリビニルアルコール系繊維の製造法で
あって、平均重合度1500以上、ケン化度99 mol%
以上のポリビニルアルコールとポリマ比0.05〜5重
量%の親水性界面活性剤とを水に混合溶解して得られる
溶液を紡糸原液として乾式紡糸し、延伸することを特徴
とするポリビニルアルコール系高強度繊維の製造法。 【効果】湿式紡糸、ゲル紡糸、乾湿式紡糸のような非常
に大がかりな装置を必要とせず、非常にコンパクトな装
置で、しかも低コストで繊維の断面にスキン・コア構造
のない均質な構造を持った乾燥糸を造ることができ、そ
のあとの延伸によって強度12g/d以上といった高強
度PVA系繊維が容易に工業的規模で得ることができ
る。タイヤコード、ベルト、ホースなどのゴム補強用、
ロープ、FRP、FRC用途など産業資材用途で顕著な
効果を発揮できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高強度ポリビニルアルコ
ール(以下、PVA)系繊維の製造法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】PVA系繊維は、従来より汎用ポリマ繊
維の中にあっては、比較的高強度、高弾性率であること
からタイヤコード、ベルト、ホースなどのゴム補強材、
FRC、FRPなど産業資材用途や一部の特殊衣料用途
に使われて来た。
【0003】そして、PVA系繊維は、水を溶媒とした
湿式紡糸法および乾式紡糸法、有機溶媒を用いたゲル紡
糸法、乾湿式紡糸法によって製造されている。これらの
うち湿式紡糸法を開示したものとしては、紡糸原液にホ
ウ酸を含み、アルカリ凝固浴中へ湿式紡糸する特公昭3
4−2061号公報、特公昭48−7887号公報およ
び特公昭53−1368号公報、特開平4−18113
号公報などがある。
【0004】さらに近年、超高重合度ポリエチレンを使
ったゲル紡糸技術と超延伸技術とを組み合わせることに
より、従来にない高強度、高弾性率ポリエチレン繊維を
得る方法が開示された。この技術をPVAへ適応するこ
とが特開昭59−130314号公報によって開示され
ている。また、ジメチルスルホキシドとメタノールやア
セトンといった溶媒の組み合わせでの乾湿式紡糸法によ
り得られる強度12g/d以上、初期弾性率280g/
d以上といった特性を持つPVA系高強度、高弾性率繊
維が特開昭60−126312号公報によって開示され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの湿式
紡糸法および乾湿式紡糸法といった製造法では、繊維を
形成させる凝固浴、冷却浴・抽出浴や大量の溶媒回収装
置の設置が必須となり、装置が非常に大きなものとな
る。
【0006】一方、製糸性についても、これら湿式紡糸
法または乾湿式紡糸法においては、浴液中での浴液抵抗
のため紡糸速度の高速化が本質的に困難であり、このた
め目的とする繊維の製造コストが非常に高いものとなっ
てしまうといった欠点があった。
【0007】これらの欠点を有しない製造法である乾式
紡糸法を開示した高強度PVA系繊維の製造法として
は、特公昭38−876号公報がある。これは延伸時の
延伸領域における延伸速度および延伸温度について特定
することにより、高倍率延伸が可能となり高強度化が可
能となるというものである。しかし、得られる繊維の単
繊維強度は高々8g/dに過ぎず、十分とは言えない。
【0008】また、特公昭31−8314号公報におい
ては、口金下に温度および湿度を特定した曳糸領域を設
けることにより繊維の直径を細化させ、そのあと十分に
乾燥させることで高ドラフト(高紡速)でしかも接着の
ない繊維が得られることが開示されている。しかし、こ
の製造法においては、口金吐出原液からの溶媒(水)の
拡散・乾燥を制御する曳糸部の温度、湿度の均一制御が
非常に困難であり、繊維の長さ方向に乾燥ムラが生じて
しまい、本発明において目的とする高強度繊維を得るこ
とが困難となってしまう。
【0009】本発明の課題は、かかる従来の問題点を解
決すること、すなわち、乾式紡糸法において、高度の延
伸性を有し、スキン・コアのない均質な構造を持った乾
燥糸を容易に得ることができる高強度PVA系繊維の製
造法を提供することを主たる課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の製造法は次の構成を有する。すなわち、高
強度PVA系繊維の製造法であって、平均重合度150
0以上、ケン化度99 mol%以上のPVAとポリマ比
0.05〜5重量%の親水性界面活性剤とを水に混合溶
解して得られる溶液を紡糸原液として乾式紡糸し、延伸
することを特徴とするPVA系高強度繊維の製造法であ
る。
【0011】本発明に使用するPVA系ポリマの平均重
合度は1500以上とするものである。平均重合度が1
500に満たない場合は得られる繊維の引張強度を12
g/dといったように高強度化することが困難となる。
得られる繊維の引張強度をより一層高くしうること、ま
た、ポリマの製造コストを現実的なものとする観点か
ら、平均重合度は、2000以上15000以下、さら
には2000以上12000以下とするのが好ましい。
【0012】また、本発明に使用するPVA系ポリマの
ケン化度は99 mol%以上とするものである。このよう
なPVAは、完全ケン化型PVAといわれている。PV
Aのケン化度が99 mol%未満の場合には、ポリマの欠
陥部が多い、耐水性に劣るなどの問題があり、また極端
にケン化度が低い場合には水溶性となってしまう。
【0013】そして、このような高重合度ポリマを溶解
する溶媒としては一般にPVAの溶剤として知られてい
るグリセリン、エチレングリコール、エチレンジアミ
ン、ジメチルスルホキシドなどの有機溶媒、水、さらに
はホウ酸や塩化亜鉛、ロダンソーダ、塩化カルシウムと
いった無機塩の水溶液またはこれらの混合液などの各種
溶剤に溶解できる。製造コストや安全・防災および環境
保護の観点から、水および上記無機塩の水溶液が好まし
い。
【0014】紡糸原液のポリマ濃度は、ポリマの溶解性
および紡糸時の曳糸性を十分なものとし、さらに、紡糸
後の延伸性を優れたものとするために10〜40重量%
とすることが好ましい。
【0015】紡糸原液は高重合度ポリマを十分にしかも
完全に溶解するために5〜20℃程度の温度で、ポリマ
に溶媒を十分に吸収させて膨潤させたあと、100〜1
20℃の温度で溶解する。このとき、撹拌翼式の溶解槽
や加圧ニーダなど公知の方法でポリマを完全に溶解す
る。
【0016】そして、このあと口金から原液を吐出して
乾燥・繊維化する際にスキン・コア構造を有しない均質
な構造を持った乾燥糸を得るために、原液の内部に溶媒
である水との親和性に優れる親水性界面活性剤をポリマ
対比0.05〜10重量%、好ましくは0.05〜5重
量%、ポリマの溶解段階で添加する。添加量が0.05
重量%未満では、その溶媒(水)の拡散・乾燥を制御で
きずにスキン・コア構造が形成されてしまい、しかも表
層部の結晶性が高いために延伸性に乏しい乾燥糸となっ
てしまう。一方、10重量%を越えると逆に乾燥が遅く
なるため単繊維間の接着が生じたり、連続サンプリング
が困難となる。
【0017】この際、用いられる親水性界面活性剤とし
ては、紡糸工程でそれ自体が分解してしまうものでなけ
れば、一般に市販されているノニオン系、アニオン系、
カチオン系および両性の親水性界面活性剤のいずれでも
良い。例えば、ノニオン系であれば、ポリエチレングリ
コール型や多価アルコール型などグリフィンのHLB値
が10以上のものが好ましく、アニオン系では硫酸エス
テル型やリン酸エステル型、カチオン系では4級アンモ
ニウム塩型、両性ではベタイン型のものが好ましい。
【0018】こうして調製された原液を、好ましくは1
00〜130℃に加温された口金より、水の沸点以上、
好ましくは140℃以下の雰囲気中へ吐出するものであ
る。このとき、原液中に存在する親水性界面活性剤の働
きにより、水の急激な拡散・乾燥が起こらずスキン・コ
ア構造のない均質な構造を持った乾燥糸が得られるので
ある。
【0019】なお、前記の特開平4−18113号公報
においては、湿式紡糸において原液中にホウ酸ととも
に、過剰のホウ酸を除去するのを助ける助剤、延伸倍率
向上といった可塑剤効果、ゲル形成時の構造制御の効果
を狙って5重量%以下の界面活性剤を添加することが開
示されている。しかし、本発明において原液中に親水性
界面活性剤を添加する目的は、湿式紡糸とは基本的に繊
維化手法の異なる乾式紡糸において、口金下での乾燥工
程における溶媒(水)の拡散・乾燥をコントロールし、
内外層差(スキン・コア構造)のない均質な乾燥糸を得
ようとするものであり、特開平4−18113号公報に
記載の発明とは、その目的、効果が明確に異なるのであ
る。
【0020】このようにしてポリマ溶媒を紡糸筒中の熱
によって除去して乾燥糸条を形成したあと、好ましくは
2〜8倍、さらに好ましくは2.5〜5倍の延伸を施す
ものである。このときの延伸温度は室温程度〜80℃未
満でもよく、場合によってはこのあとの乾熱延伸工程で
の耐熱性を付与する目的で80〜150℃の雰囲気中で
行うことも好ましい。
【0021】このようにして得られた乾燥糸を200〜
250℃の雰囲気温度中、乾熱延伸を行う。この際、延
伸雰囲気はポリマの酸化劣化を抑制するために窒素など
の不活性ガスとすることも好ましい。また、より高倍率
に延伸を施すために延伸温度の異なる条件で2段以上の
乾熱多段延伸を施すのも有効な手段であり好ましい。本
発明において、より容易に高強度を得るためには、上記
の延伸工程による全延伸倍率を12倍以上とするのが好
ましい。なお、一般に全延伸倍率を25倍以上とするの
は困難である。
【0022】以上の製造法により、口金下の紡糸筒内の
温度・湿度を制御する必要がなく、スキン・コア構造の
ない均質な構造を持った乾燥糸を得ることができ、その
結果引張強度が12g/d以上といった非常に高強度の
PVA系繊維を容易にしかも工業的規模で安価に得るこ
とができるのである。
【0023】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。なお、本発明における繊維の引張強度、伸度は次
のようにして求めた値を言う。
【0024】〈引張強度、伸度〉JIS−L−1017
にて規定されている測定法に準じて行った。すなわち、
繊維サンプルを20℃、65%RHに温湿度コントロー
ルされた部屋で24時間放置後、8ターン/10cmの撚
りを掛けたものを”テンシロン”DTM−4L型引張試
験機(東洋ボールドウイン(株)製)を使用して、試長
25cm、引張速度30cm/分で測定した。チャックには
コード用エアージョーを使用した。
【0025】(実施例1)重合度2600、ケン化度9
9.9 mol%のPVAをポリマ濃度が27重量%となる
よう水に加え、さらにポリマ対比0.2重量%の親水性
界面活性剤ポリ・エチレングリコール・アルキル・フェ
ノールエーテル“ノイゲンSS”(登録商標、第一工業
製薬(株)製)を添加して室温で撹拌・膨潤させたあ
と、約105℃の温度でポリマが完全に溶解するまで撹
拌・溶解させた。
【0026】この原液を孔径0.08mm、孔数50の口
金から雰囲気温度130℃に保たれた紡糸筒中へ吐出し
た。このときの口金保温温度は120℃、押し出し圧3
kg/cm2 であった。得られた乾燥糸はその断面構造にス
キン・コア構造が観察されず、形が真円で均質な構造を
有していた。
【0027】次に室温(18℃)で3.2倍の延伸を行
って一旦巻き上げたあと、40℃の雰囲気温度で3時間
の真空乾燥を行った。これを235℃の雰囲気中で5.
6倍の乾熱延伸を行い、得られた繊維の物性は、繊度1
45デニール、強度15.4g/d、伸度5.1%であ
った。
【0028】(実施例2)重合度4200、ケン化度9
9.9 mol%のPVAをポリマ濃度が23重量%となる
よう水に加え、さらにポリマ対比0.5重量%の親水性
界面活性剤ポリ・エチレングリコール・アルキル・フェ
ノールエーテルを添加して室温で撹拌・膨潤させたあ
と、約110℃の温度でポリマが完全に溶解するまで撹
拌・溶解させた。
【0029】この原液を孔径0.08mm、孔数50の口
金から雰囲気温度135℃に保たれた紡糸筒中へ吐出し
た。このときの口金保温温度は120℃、押し出し圧3
kg/cm2 であった。得られた乾燥糸はその断面構造にス
キン・コア構造が観察されず、形が真円で均質な構造を
有していた。
【0030】次に120℃の雰囲気中で4.2倍の延伸
を行い、これを243℃の雰囲気中で5.1倍の乾熱延
伸を行い、得られた繊維の物性は、繊度121デニー
ル、強度17.3g/d、伸度5.2%であった。
【0031】(比較例1)親水性界面活性剤を添加しな
い以外は実施例1と同一条件で紡糸を行った場合、得ら
れた乾燥糸はその断面構造にスキン・コア構造が観察さ
れ、形がドッグボーン型で不均質な構造を有していた。
【0032】次に室温(18℃)では単繊維切断のため
2.1倍の延伸しか行えず、これを一旦巻き上げたあ
と、40℃の雰囲気温度で3時間の真空乾燥を行った。
これを235℃の雰囲気中で4.6倍の乾熱延伸を行
い、得られた繊維の物性は、繊度265デニール、強度
9.1g/d、伸度4.3%と非常に低いものであっ
た。 (実施例3)重合度8000、ケン化度99.9 mol%
のPVAをポリマ濃度が15重量%となるよう水に加
え、さらにポリマ対比0.1重量%の親水性界面活性剤
ポリ・エチレングリコール・アルキル・フェノールエー
テルを添加して室温で撹拌・膨潤させたあと、約110
℃の温度でポリマが完全に溶解させた。
【0033】この原液を孔径0.08mm、孔数50の口
金から雰囲気温度135℃に保たれた紡糸筒中へ吐出し
た。このときの口金保温温度は120℃、押し出し圧3
kg/cm2 であった。得られた乾燥糸はその断面構造にス
キン・コア構造が観察されず、形が真円で均質な構造を
有していた。
【0034】次に140℃の雰囲気中で4.1倍の延伸
を行い、これを245℃の雰囲気中で5.3倍の乾熱延
伸を行い、得られた繊維の物性は、繊度125デニー
ル、強度17.1g/d、伸度5.1%であった。
【0035】(実施例4)重合度1800、ケン化度9
9.9 mol%のPVAをポリマ濃度が33重量%となる
よう水に加え、さらにポリマ対比4.5重量%の親水性
界面活性剤ポリ・エチレングリコール・アルキル・フェ
ノールエーテルを添加して室温で撹拌・膨潤させたあ
と、約110℃の温度でポリマが完全に溶解するまで撹
拌・溶解させた。
【0036】この原液を孔径0.08mm、孔数50の口
金から雰囲気温度130℃に保たれた紡糸筒中へ吐出し
た。このときの口金保温温度は120℃、押し出し圧3
kg/cm2 であった。得られた乾燥糸はその断面構造にス
キン・コア構造が観察されず、形が真円で均質な構造を
有していた。
【0037】次に室温(18℃)で3.4倍の延伸を行
って一旦巻き上げたあと、40℃の雰囲気温度で3時間
の真空乾燥を行った。これを240℃の雰囲気中で5.
4倍の乾熱延伸を行い、得られた繊維の物性は、繊度1
72デニール、強度14.8g/d、伸度4.5%であ
った。
【0038】(比較例2)重合度1800、ケン化度9
9.9 mol%のPVAをポリマ濃度が30重量%となる
よう水に加え、親水性界面活性剤を添加せずに室温で撹
拌・膨潤させたあと、約110℃の温度でポリマが完全
に溶解するまで撹拌・溶解させた。
【0039】この原液を孔径0.08mm、孔数50の口
金から雰囲気温度130℃、スチームを少量吹き込んで
加湿した紡糸筒中へ吐出した。このときの口金保温温度
は120℃、押し出し圧3kg/cm2 であった。得られた
乾燥糸はその断面構造にスキン・コア構造が観察され
ず、形が真円であったが単繊維間の接着が観察された。
次に室温(18℃)で2.5倍の延伸を行い、これを一
旦巻き上げたあと40℃の雰囲気温度で3時間の真空乾
燥を行った。これを235℃の雰囲気中で5.3倍の乾
熱延伸を行い、得られた繊維の物性は、繊度210デニ
ール、強度11.7g/d、伸度4.5%と低いもので
あった。
【0040】(比較例3)親水性界面活性剤の添加量を
ポリマ対比15重量%とした以外は、実施例1と同一条
件で溶解、紡糸を行った。溶媒の拡散・乾燥が遅く糸条
が形成されなかった。
【0041】(比較例4)親水性界面活性剤の添加量を
ポリマ対比0.03重量%とした以外は、実施例2と同
一条件で溶解、紡糸を行った。
【0042】得られた乾燥糸はその断面構造にスキン・
コア構造が観察され、形がドッグボーン型で不均質な構
造を有していた。
【0043】次に60℃の雰囲気中で延伸を行なった
が、単繊維切断のため2.2倍の延伸しか行えず、これ
を一旦巻き上げたあと、40℃の雰囲気温度で3時間の
真空乾燥を行った。これを243℃の雰囲気中で4.3
倍の乾熱延伸を行い得られた繊維の物性は、繊度271
デニール、強度9.3g/d、伸度4.4%であった。
【0044】
【発明の効果】本発明の高強度PVA系繊維の製造法に
よれば、湿式紡糸、ゲル紡糸、乾湿式紡糸のような非常
に大がかりな装置を必要とせず、非常にコンパクトな装
置で、しかも低コストで繊維の断面にスキン・コア構造
のない均質な構造を持った乾燥糸を造ることができ、そ
のあとの延伸によって強度12g/d以上といった高強
度PVA系繊維が容易に工業的規模で得ることができ
る。
【0045】そして、タイヤコード、ベルト、ホースな
どのゴム補強用、ロープ、FRP、FRC用途など産業
資材用途で顕著な効果を発揮できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高強度ポリビニルアルコール系繊維の製造
    法であって、平均重合度1500以上、ケン化度99 m
    ol%以上のポリビニルアルコールとポリマ比0.05〜
    10重量%の親水性界面活性剤とを水に混合溶解して得
    られる溶液を紡糸原液として乾式紡糸し、延伸すること
    を特徴とするポリビニルアルコール系高強度繊維の製造
    法。
  2. 【請求項2】紡糸原液を水の沸点以上に保たれた雰囲気
    中へ吐出して乾燥糸を形成し、あらかじめ室温〜150
    ℃で2〜8倍の延伸を施した後、さらに200〜250
    ℃の雰囲気中で乾熱延伸を施して、全延伸倍率を12倍
    以上とすることを特徴とするポリビニルアルコール系高
    強度繊維の製造法。
JP516993A 1993-01-14 1993-01-14 高強度ポリビニルアルコール系繊維の製造法 Pending JPH06212513A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0745708A3 (en) * 1995-05-22 1997-06-04 Kuraray Co Fiber based on polyvinyl alcohol and process for its production
CN106978633A (zh) * 2016-01-15 2017-07-25 南京林业大学 电纺超细粒径的聚合物纳米纤维

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EP0745708A3 (en) * 1995-05-22 1997-06-04 Kuraray Co Fiber based on polyvinyl alcohol and process for its production
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