JPH0625909A - 高強度ポリビニルアルコール系繊維の製造法 - Google Patents
高強度ポリビニルアルコール系繊維の製造法Info
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- JPH0625909A JPH0625909A JP17683692A JP17683692A JPH0625909A JP H0625909 A JPH0625909 A JP H0625909A JP 17683692 A JP17683692 A JP 17683692A JP 17683692 A JP17683692 A JP 17683692A JP H0625909 A JPH0625909 A JP H0625909A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】高強度PVA系繊維の製造法であって、(a) 重
合度1500以上、ケン化度99mol%以上のPVAを有機溶媒
/水=5/95 〜70/30 重量%の混合比からなる混合溶媒に
溶解する工程、(b) これを水の沸点以上有機溶媒の沸点
以下に保温された雰囲気中へ吐出し、水および有機溶媒
の一部を除去して糸条を形成する工程、(c) さらに糸条
中に残存する混合溶媒を除去した後、乾燥糸を 200〜25
0 ℃の雰囲気温度中でトータル延伸倍率を10〜25倍とし
て乾熱延伸する工程からなることを特徴とする高強度P
VA系繊維の製造法。 【効果】湿式紡糸に比べ高速の紡糸が可能で、非常にコ
ンパクトな装置で、しかも低コストで、強度12 g/d以上
で、極めて高度に結晶配向の進んだPVA繊維を容易に
工業的規模で得ることができる。ゴム補強用、ロープ、
FRP、FRC用途などの産業資材用途で顕著な効果を
発揮できる。
合度1500以上、ケン化度99mol%以上のPVAを有機溶媒
/水=5/95 〜70/30 重量%の混合比からなる混合溶媒に
溶解する工程、(b) これを水の沸点以上有機溶媒の沸点
以下に保温された雰囲気中へ吐出し、水および有機溶媒
の一部を除去して糸条を形成する工程、(c) さらに糸条
中に残存する混合溶媒を除去した後、乾燥糸を 200〜25
0 ℃の雰囲気温度中でトータル延伸倍率を10〜25倍とし
て乾熱延伸する工程からなることを特徴とする高強度P
VA系繊維の製造法。 【効果】湿式紡糸に比べ高速の紡糸が可能で、非常にコ
ンパクトな装置で、しかも低コストで、強度12 g/d以上
で、極めて高度に結晶配向の進んだPVA繊維を容易に
工業的規模で得ることができる。ゴム補強用、ロープ、
FRP、FRC用途などの産業資材用途で顕著な効果を
発揮できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高強度ポリビニルアルコ
ール(以下、PVA)系繊維の製造法に関するものであ
る。
ール(以下、PVA)系繊維の製造法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】PVA系繊維は従来汎用ポリマーの中に
あっては比較的高強度、高弾性率であることから産業資
材用途や一部の特殊衣料用途に使われて来た。
あっては比較的高強度、高弾性率であることから産業資
材用途や一部の特殊衣料用途に使われて来た。
【0003】そして、PVA系繊維は水を溶媒とした湿
式紡糸および乾式紡糸によって製造されており、湿式紡
糸法を開示したものとしては、紡糸原液にホウ酸を添加
し、アルカリ性凝固浴へ湿式紡糸する特公昭34−20
61号公報、特公昭48−7887号公報および特公昭
53−1368号公報などがある。
式紡糸および乾式紡糸によって製造されており、湿式紡
糸法を開示したものとしては、紡糸原液にホウ酸を添加
し、アルカリ性凝固浴へ湿式紡糸する特公昭34−20
61号公報、特公昭48−7887号公報および特公昭
53−1368号公報などがある。
【0004】また、乾式紡糸法を開示したものとして
は、特公昭31−8314号公報、特開平3−1994
08号公報などがある。
は、特公昭31−8314号公報、特開平3−1994
08号公報などがある。
【0005】これら乾式紡糸で得られる繊維の強度はた
かだか11g/g程度であり、強度が十分とはいえなか
った。また、特公昭37−9768号公報には有機溶媒
を使った紡糸法が開示されているが、該方法は紡糸原液
中の有機溶媒の含量を40重量%以下に限定し、しかも
ポリマー溶媒に水をまったく含まない条件で、有機溶媒
を可塑剤として溶融紡糸するものであり、ポリマーの融
点と分解点が近いPVAの場合、溶融紡糸する際の熱に
より、ポリマーが酸化劣化や熱分解を起こしたり、ポリ
マー濃度が非常に高いため延伸によっても分子鎖の配向
を十分に行なえず本発明が目的とする高強度の繊維が得
られないという問題があった。
かだか11g/g程度であり、強度が十分とはいえなか
った。また、特公昭37−9768号公報には有機溶媒
を使った紡糸法が開示されているが、該方法は紡糸原液
中の有機溶媒の含量を40重量%以下に限定し、しかも
ポリマー溶媒に水をまったく含まない条件で、有機溶媒
を可塑剤として溶融紡糸するものであり、ポリマーの融
点と分解点が近いPVAの場合、溶融紡糸する際の熱に
より、ポリマーが酸化劣化や熱分解を起こしたり、ポリ
マー濃度が非常に高いため延伸によっても分子鎖の配向
を十分に行なえず本発明が目的とする高強度の繊維が得
られないという問題があった。
【0006】さらに近年、超高重合度ポリエチレンを使
ったゲル紡糸技術と超延伸技術とを組み合わせることに
より従来にない高強度、高弾性率ポリエチレン繊維が得
られるようになった。この技術をPVAへ適応したもの
は、特開昭59−130314号公報によって開示され
ている。また、ジメチルスルホキシド(以下、DMSO)と
メタノールとを組み合わせた乾湿式紡糸により強度12
g/d以上、弾性率280g/d以上という特性を持つ
PVA系高強度・高弾性率繊維の製造法が特開昭60−
126312号公報によって開示されている。
ったゲル紡糸技術と超延伸技術とを組み合わせることに
より従来にない高強度、高弾性率ポリエチレン繊維が得
られるようになった。この技術をPVAへ適応したもの
は、特開昭59−130314号公報によって開示され
ている。また、ジメチルスルホキシド(以下、DMSO)と
メタノールとを組み合わせた乾湿式紡糸により強度12
g/d以上、弾性率280g/d以上という特性を持つ
PVA系高強度・高弾性率繊維の製造法が特開昭60−
126312号公報によって開示されている。
【0007】しかし、これらの製造法においては繊維を
形成させる冷却浴、凝固浴や大量の溶媒回収装置の設置
が必須となり、装置が非常に大きなものとなる。
形成させる冷却浴、凝固浴や大量の溶媒回収装置の設置
が必須となり、装置が非常に大きなものとなる。
【0008】一方、製糸性についても、これら湿式紡糸
または乾湿式紡糸の本質的欠点である浴液抵抗のため紡
糸速度の高速化が困難となり、これらのため目的とする
繊維の製造コストが非常に高いものとなってしまう問題
があった。
または乾湿式紡糸の本質的欠点である浴液抵抗のため紡
糸速度の高速化が困難となり、これらのため目的とする
繊維の製造コストが非常に高いものとなってしまう問題
があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来技
術の問題点を解決すること、すなわち、従来の湿式紡糸
法による紡糸速度よりもはるかに大きい紡糸速度で高強
度のPVA系繊維を製造する方法を提供することを主た
る課題とする。
術の問題点を解決すること、すなわち、従来の湿式紡糸
法による紡糸速度よりもはるかに大きい紡糸速度で高強
度のPVA系繊維を製造する方法を提供することを主た
る課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の製造法は次の構成を有する。すなわち、高
強度ポリビニルアルコール系繊維の製造法であって、
(a)重合度1500以上、ケン化度99 mol%以上の
ポリビニルアルコールを有機溶媒/水=5/95〜70
/30の重量比からなる混合溶媒に溶解する工程、
(b)これを水の沸点以上有機溶媒の沸点以下に保温さ
れた雰囲気中へ吐出し、水および有機溶媒の一部を除去
して糸条を形成する工程、(c)さらに糸条中に残存す
る混合溶媒を除去した後、乾燥糸を200〜250℃の
雰囲気温度中でトータル延伸倍率を10〜25倍として
乾熱延伸する工程からなることを特徴とする高強度ポリ
ビニルアルコール系繊維の製造法である。
め、本発明の製造法は次の構成を有する。すなわち、高
強度ポリビニルアルコール系繊維の製造法であって、
(a)重合度1500以上、ケン化度99 mol%以上の
ポリビニルアルコールを有機溶媒/水=5/95〜70
/30の重量比からなる混合溶媒に溶解する工程、
(b)これを水の沸点以上有機溶媒の沸点以下に保温さ
れた雰囲気中へ吐出し、水および有機溶媒の一部を除去
して糸条を形成する工程、(c)さらに糸条中に残存す
る混合溶媒を除去した後、乾燥糸を200〜250℃の
雰囲気温度中でトータル延伸倍率を10〜25倍として
乾熱延伸する工程からなることを特徴とする高強度ポリ
ビニルアルコール系繊維の製造法である。
【0011】本発明に使用するPVA系ポリマーとして
は、一般にポリマーの重合度が大きくなればなるほど繊
維の引張強度が高くなるポテンシャルを有することと、
そのポリマーの製造コストの観点から、その重合度は1
500以上、好ましくは2300以上15000以下、
さらに好ましくは2600以上12000以下とするも
のである。ポリマー重合度が1500に満たない場合に
は繊維の引張強度を12g/d以上といったように高強
度化することが困難となる場合がある。
は、一般にポリマーの重合度が大きくなればなるほど繊
維の引張強度が高くなるポテンシャルを有することと、
そのポリマーの製造コストの観点から、その重合度は1
500以上、好ましくは2300以上15000以下、
さらに好ましくは2600以上12000以下とするも
のである。ポリマー重合度が1500に満たない場合に
は繊維の引張強度を12g/d以上といったように高強
度化することが困難となる場合がある。
【0012】また、PVA系ポリマーのケン化度につい
ては、99 mol%以上のいわゆる完全ケン化型PVA系
ポリマーを用いるものである。ケン化度が99 mol%に
満たない場合には繊維の引張強度を12g/d以上とい
ったように高強度化することが困難であるなどの問題が
ある。
ては、99 mol%以上のいわゆる完全ケン化型PVA系
ポリマーを用いるものである。ケン化度が99 mol%に
満たない場合には繊維の引張強度を12g/d以上とい
ったように高強度化することが困難であるなどの問題が
ある。
【0013】そして、このポリマーを溶解する溶媒に
は、有機溶媒/水の混合溶媒を用いるものである。ここ
で、ポリマー溶媒として水を単独に使用した場合や有機
溶媒の比率が5重量%に満たない場合、PVAに対して
貧溶媒であるため、溶液中におけるポリマー鎖の拡がり
が充分ではなく、ポリマーの持つ強度ポテンシャルを引
き出すことが困難である。
は、有機溶媒/水の混合溶媒を用いるものである。ここ
で、ポリマー溶媒として水を単独に使用した場合や有機
溶媒の比率が5重量%に満たない場合、PVAに対して
貧溶媒であるため、溶液中におけるポリマー鎖の拡がり
が充分ではなく、ポリマーの持つ強度ポテンシャルを引
き出すことが困難である。
【0014】一方、有機溶媒としては、PVAの良溶媒
であるDMSO、PVAのゲル化溶媒であるエチレングリコ
ール、グリセリンからなる群から選ばれた1種以上と水
との混合溶媒が適しており、その重量比は有機溶媒/水
=5/95〜70/30、好ましくは有機溶媒/水=5
/95〜50/50の範囲とするものである。
であるDMSO、PVAのゲル化溶媒であるエチレングリコ
ール、グリセリンからなる群から選ばれた1種以上と水
との混合溶媒が適しており、その重量比は有機溶媒/水
=5/95〜70/30、好ましくは有機溶媒/水=5
/95〜50/50の範囲とするものである。
【0015】また、有機溶媒の混合比率を高くして有機
溶媒/水の重量比が70/30を越える場合には、原液
を口金から吐出したあとの紡糸筒内での溶媒の蒸発重量
が少なくなるため糸条がその自重を支え切れなくなるた
め連続糸が得られなくなってしまう。一方、有機溶媒/
水の重量比が5/95に満たない場合には、前記した問
題がある。
溶媒/水の重量比が70/30を越える場合には、原液
を口金から吐出したあとの紡糸筒内での溶媒の蒸発重量
が少なくなるため糸条がその自重を支え切れなくなるた
め連続糸が得られなくなってしまう。一方、有機溶媒/
水の重量比が5/95に満たない場合には、前記した問
題がある。
【0016】紡糸原液のポリマー濃度は、ポリマーの溶
解性および紡糸時の曳糸性を十分なものとし、さらに、
紡糸後の延伸性を優れたものとする観点から、10〜4
0重量%の範囲にあることが好ましい。
解性および紡糸時の曳糸性を十分なものとし、さらに、
紡糸後の延伸性を優れたものとする観点から、10〜4
0重量%の範囲にあることが好ましい。
【0017】紡糸原液は室温付近で充分に溶媒をポリマ
ーに吸収・膨潤させたあと、ポリマーを完全に溶解する
に十分な温度で、ポリマーの熱分解を抑制するため窒素
加圧下で3〜6時間かけて撹拌・溶解するのが好まし
い。
ーに吸収・膨潤させたあと、ポリマーを完全に溶解する
に十分な温度で、ポリマーの熱分解を抑制するため窒素
加圧下で3〜6時間かけて撹拌・溶解するのが好まし
い。
【0018】こうして調製された原液を好ましくは10
0〜130℃の温度に保たれた口金より水の沸点以上有
機溶媒の沸点以下の雰囲気中へ吐出するものである。
0〜130℃の温度に保たれた口金より水の沸点以上有
機溶媒の沸点以下の雰囲気中へ吐出するものである。
【0019】このとき口金単孔当たりの吐出線速度V1
と第1引取りローラ速度V2 との比(Df=V2 /
V1 )はできるだけ小さい方が好ましく、具体的にはD
fの値は0.2〜2.0の範囲にあることが好ましい。
と第1引取りローラ速度V2 との比(Df=V2 /
V1 )はできるだけ小さい方が好ましく、具体的にはD
fの値は0.2〜2.0の範囲にあることが好ましい。
【0020】このようにしてポリマー溶媒の一部を紡糸
筒中で熱によって除去して糸条を形成したあと、好まし
くは2〜8倍、さらに好ましくは2〜5倍の延伸を施
し、さらに糸中に残存する溶媒をメタノールまたは高濃
度の芒硝や硫酸亜鉛などの無機塩を含有する水溶液で抽
出・洗浄して除去したあと乾燥を行なう。
筒中で熱によって除去して糸条を形成したあと、好まし
くは2〜8倍、さらに好ましくは2〜5倍の延伸を施
し、さらに糸中に残存する溶媒をメタノールまたは高濃
度の芒硝や硫酸亜鉛などの無機塩を含有する水溶液で抽
出・洗浄して除去したあと乾燥を行なう。
【0021】このとき、無機塩水溶液で洗浄した場合に
は、必要に応じて無機塩を高濃度に含有する80〜95
℃の高温水溶液浴で湿熱延伸を行い、さらに水で洗浄し
て無機塩を取り除いてから乾燥を行っても良い。
は、必要に応じて無機塩を高濃度に含有する80〜95
℃の高温水溶液浴で湿熱延伸を行い、さらに水で洗浄し
て無機塩を取り除いてから乾燥を行っても良い。
【0022】このようにして得られた乾燥糸を200〜
250℃の雰囲気温度中、トータル延伸倍率を10〜2
5倍、好ましくは12〜20倍として乾熱延伸を行うも
のである。
250℃の雰囲気温度中、トータル延伸倍率を10〜2
5倍、好ましくは12〜20倍として乾熱延伸を行うも
のである。
【0023】この際、チューブ延伸、雰囲気は酸化劣化
を抑制するために不活性ガスとするのが好ましい。この
とき、より高倍率に延伸を行うために、温度を違えた2
段階以上での多段延伸を行うことも好ましい。
を抑制するために不活性ガスとするのが好ましい。この
とき、より高倍率に延伸を行うために、温度を違えた2
段階以上での多段延伸を行うことも好ましい。
【0024】以上の製造方法により、引張強度が12g
/d以上であり、また、X線小角散乱による長周期像が
観察されない、換言すれば、極めて高度に結晶配向の進
んだPVA繊維を容易に工業的規模で得ることができる
ものである。
/d以上であり、また、X線小角散乱による長周期像が
観察されない、換言すれば、極めて高度に結晶配向の進
んだPVA繊維を容易に工業的規模で得ることができる
ものである。
【0025】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。なお、本発明における繊維の引張強度は次のよう
にして求めた値をいう。
する。なお、本発明における繊維の引張強度は次のよう
にして求めた値をいう。
【0026】<引張強度>JIS−L−1017にて規
定されている測定法に準じて行なった。すなわち、繊維
サンプルを20℃、65%RHに温湿度調整された部屋
で24時間放置後、10cmあたり10ターンの撚りを掛
けたものを“テンシロン”DTM-4L型引張試験機(東洋ボ
ールドウィン(株)製)を使用して、試長25cm、引張
速度30cm/分で測定した。チャックにはコード用エア
ージョーを使用した。
定されている測定法に準じて行なった。すなわち、繊維
サンプルを20℃、65%RHに温湿度調整された部屋
で24時間放置後、10cmあたり10ターンの撚りを掛
けたものを“テンシロン”DTM-4L型引張試験機(東洋ボ
ールドウィン(株)製)を使用して、試長25cm、引張
速度30cm/分で測定した。チャックにはコード用エア
ージョーを使用した。
【0027】<X線小角散乱測定法>公知のKiessig カ
メラを使用する方法に準じて測定した。理学電機(株)
製RU−200型X線発生装置を使用し、測定は次の条件
で行った。CuKα(Niフィルター使用)、出力:5
0KV−150mA、0.3mmφコリメーター使用、浸透
法、カメラ半径:400mm、露出時間:90分、フィル
ム:コダック・ノー・スクリーンタイプ。
メラを使用する方法に準じて測定した。理学電機(株)
製RU−200型X線発生装置を使用し、測定は次の条件
で行った。CuKα(Niフィルター使用)、出力:5
0KV−150mA、0.3mmφコリメーター使用、浸透
法、カメラ半径:400mm、露出時間:90分、フィル
ム:コダック・ノー・スクリーンタイプ。
【0028】(実施例1)重合度4200、ケン化度9
9.9mol %のPVAを、DMSO/水=40/60の重量
比からなる溶媒にポリマー濃度が18重量%となるよう
95℃で窒素加圧しながら4時間撹拌溶解を行った。
9.9mol %のPVAを、DMSO/水=40/60の重量
比からなる溶媒にポリマー濃度が18重量%となるよう
95℃で窒素加圧しながら4時間撹拌溶解を行った。
【0029】この原液を孔径0.08mm、孔数50の口金か
ら雰囲気温度140℃に保たれた紡糸筒中へ吐出した。
このときの口金保温温度は105℃、Df値は0.52
であった。
ら雰囲気温度140℃に保たれた紡糸筒中へ吐出した。
このときの口金保温温度は105℃、Df値は0.52
であった。
【0030】次に室温(20℃)で3.0倍の延伸を行
ったあとメタノール中で糸中に残るDMSOを抽出・洗
浄して除去したあと約80℃の温度で乾燥して巻き上げ
た。そしてこれを240℃の雰囲気中で5.0倍の乾熱
延伸を行った。得られた繊維の物性は、繊度60デニー
ル、強度15.2g/d であった。X線小角散乱測定の結
果、長周期像は観察されなかった。
ったあとメタノール中で糸中に残るDMSOを抽出・洗
浄して除去したあと約80℃の温度で乾燥して巻き上げ
た。そしてこれを240℃の雰囲気中で5.0倍の乾熱
延伸を行った。得られた繊維の物性は、繊度60デニー
ル、強度15.2g/d であった。X線小角散乱測定の結
果、長周期像は観察されなかった。
【0031】(実施例2)室温で3.0倍の延伸を行う
までの工程を実施例1と同一の方法で行った繊維を、今
度はメタノールで洗浄する代わりに芒硝を10重量%の
比で含有する20℃の水溶液中で糸中に残るDMSOを抽出
・洗浄したあと約100℃の温度で乾燥して巻き上げ
た。
までの工程を実施例1と同一の方法で行った繊維を、今
度はメタノールで洗浄する代わりに芒硝を10重量%の
比で含有する20℃の水溶液中で糸中に残るDMSOを抽出
・洗浄したあと約100℃の温度で乾燥して巻き上げ
た。
【0032】これを240℃の雰囲気中で5.0倍の乾
熱延伸を行い、さらに水洗して糸に付着している芒硝を
洗い落とし得られた繊維の物性は、繊度65デニール、
強度14.8g/d であった。X線小角散乱測定の結果長
周期像は観察されなかった。 (実施例3)重合度2700、ケン化度99.9mol %
のPVAをDMSO/水=10/90の重量比の溶媒にポリ
マー濃度が24重量%となるよう溶解した以外は実施例
1と同一条件で製糸した。
熱延伸を行い、さらに水洗して糸に付着している芒硝を
洗い落とし得られた繊維の物性は、繊度65デニール、
強度14.8g/d であった。X線小角散乱測定の結果長
周期像は観察されなかった。 (実施例3)重合度2700、ケン化度99.9mol %
のPVAをDMSO/水=10/90の重量比の溶媒にポリ
マー濃度が24重量%となるよう溶解した以外は実施例
1と同一条件で製糸した。
【0033】得られた繊維の物性は、繊度57デニー
ル、強度13.1g/d であった。X線小角散乱測定の結
果長周期像は観察されなかった。
ル、強度13.1g/d であった。X線小角散乱測定の結
果長周期像は観察されなかった。
【0034】(実施例4)重合度7000、ケン化度9
9.9mol %のPVAをDMSO/水=70/30の重量比
からなる溶媒にポリマー濃度が15重量%となるよう溶
解して実施例1と同一条件で紡糸し、243℃の雰囲気
中で5.6倍の乾熱延伸を行った。
9.9mol %のPVAをDMSO/水=70/30の重量比
からなる溶媒にポリマー濃度が15重量%となるよう溶
解して実施例1と同一条件で紡糸し、243℃の雰囲気
中で5.6倍の乾熱延伸を行った。
【0035】得られた繊維の物性は、繊度48デニー
ル、強度18.6g/d であった。X線小角散乱測定の結
果長周期像は観察されなかった。
ル、強度18.6g/d であった。X線小角散乱測定の結
果長周期像は観察されなかった。
【0036】(実施例5)重合度2700、ケン化度9
9.9mol %のPVAをエチレングリコール/水=40
/60の重量比からなる溶媒に、ポリマー濃度が18重
量%となるように140℃で窒素加圧しながら6時間撹
拌溶解を行った。
9.9mol %のPVAをエチレングリコール/水=40
/60の重量比からなる溶媒に、ポリマー濃度が18重
量%となるように140℃で窒素加圧しながら6時間撹
拌溶解を行った。
【0037】この原液を孔径0.10mm、孔数50の口金か
ら雰囲気温度が135℃に保たれた紡糸筒中へ吐出し
た。このときの口金保温温度は120℃、Df値は0.
72であった。
ら雰囲気温度が135℃に保たれた紡糸筒中へ吐出し
た。このときの口金保温温度は120℃、Df値は0.
72であった。
【0038】次に室温(20℃)で2.5倍の延伸を行
ったあとメタノール中で糸中に残るエチレングリコール
を抽出・洗浄したあと約80℃の温度で乾燥して巻き上
げた。そして、これを243℃の雰囲気中で5.3倍の
乾熱延伸を行った。
ったあとメタノール中で糸中に残るエチレングリコール
を抽出・洗浄したあと約80℃の温度で乾燥して巻き上
げた。そして、これを243℃の雰囲気中で5.3倍の
乾熱延伸を行った。
【0039】得られた繊維の物性は、繊度72デニー
ル、強度17.8g/d であった。X線小角散乱測定の結
果、長周期像は観察されなかった。
ル、強度17.8g/d であった。X線小角散乱測定の結
果、長周期像は観察されなかった。
【0040】(実施例6)重合度2700、ケン化度9
9.9mol %のPVAをグリセリン/水=50/50の
重量比からなる溶媒にポリマー濃度が16重量%となる
よう140℃で窒素加圧しながら5時間撹拌溶解を行っ
た。
9.9mol %のPVAをグリセリン/水=50/50の
重量比からなる溶媒にポリマー濃度が16重量%となる
よう140℃で窒素加圧しながら5時間撹拌溶解を行っ
た。
【0041】この原液を孔径0.12mm、孔数50の口金か
ら雰囲気温度135℃に保たれた紡糸筒中へ吐出した。
このときの口金保温温度は125℃、Df値は0.68
であった。
ら雰囲気温度135℃に保たれた紡糸筒中へ吐出した。
このときの口金保温温度は125℃、Df値は0.68
であった。
【0042】次に室温(20℃)で3.5倍の延伸を行
ったあとメタノール中で糸中に残るグリセリンを抽出・
洗浄したあと約80℃の温度で乾燥して巻き上げた。そ
してこれを245℃の雰囲気中で5.8倍の乾熱延伸を
行った。得られた繊維の物性は、繊度57デニール、強
度16.7g/d であった。X線小角散乱測定の結果、長
周期像は観察されなかった。
ったあとメタノール中で糸中に残るグリセリンを抽出・
洗浄したあと約80℃の温度で乾燥して巻き上げた。そ
してこれを245℃の雰囲気中で5.8倍の乾熱延伸を
行った。得られた繊維の物性は、繊度57デニール、強
度16.7g/d であった。X線小角散乱測定の結果、長
周期像は観察されなかった。
【0043】(比較例1)重合度1800、ケン化度9
8.0mol %のPVAを水のみを溶媒として、ポリマー
濃度が27重量%となるよう95℃で窒素加圧しながら
4時間撹拌溶解を行った。
8.0mol %のPVAを水のみを溶媒として、ポリマー
濃度が27重量%となるよう95℃で窒素加圧しながら
4時間撹拌溶解を行った。
【0044】この原液を孔径0.08mm、孔数50の口金か
ら雰囲気温度130℃に保たれた紡糸筒中へ吐出した。
このときの口金保温温度は102℃、Df値は0.72
であった。
ら雰囲気温度130℃に保たれた紡糸筒中へ吐出した。
このときの口金保温温度は102℃、Df値は0.72
であった。
【0045】次に室温で2.5倍の延伸を行ったあと約
80℃の温度で乾燥して巻き上げた。そしてこれを22
5℃の雰囲気中で4.5倍の乾熱延伸を行った。得られ
た繊維の物性は繊度230デニール、強度9.3g/d で
あった。X線小角散乱測定の結果、長周期像が観察さ
れ、164オングストロームであった。
80℃の温度で乾燥して巻き上げた。そしてこれを22
5℃の雰囲気中で4.5倍の乾熱延伸を行った。得られ
た繊維の物性は繊度230デニール、強度9.3g/d で
あった。X線小角散乱測定の結果、長周期像が観察さ
れ、164オングストロームであった。
【0046】(比較例2)重合度2700、ケン化度9
9.9mol %のPVAを、DMSO/水=90/10の
重量比からなる溶媒にポリマー濃度が24重量%となる
よう95℃で窒素加圧しながら4時間撹拌溶解を行っ
た。
9.9mol %のPVAを、DMSO/水=90/10の
重量比からなる溶媒にポリマー濃度が24重量%となる
よう95℃で窒素加圧しながら4時間撹拌溶解を行っ
た。
【0047】この原液を孔径0.10mm、孔数50の口金か
ら雰囲気温度140℃に保たれた紡糸筒中へ吐出したが
溶媒の減少量が少なく自重により切断してしまい連続糸
が得られなかった。
ら雰囲気温度140℃に保たれた紡糸筒中へ吐出したが
溶媒の減少量が少なく自重により切断してしまい連続糸
が得られなかった。
【0048】
【発明の効果】本発明の高強度PVA系繊維の製造法に
よれば、湿式紡糸に比べ高速の紡糸が可能で、従来のよ
うにゲル紡糸や乾湿式紡糸のように非常に大がかりな装
置を必要とせず、非常にコンパクトな装置で、しかも低
コストで、強度12 g/d以上で、X線小角散乱による長
周期像が観察されない、換言すれば、極めて高度に結晶
配向の進んだPVA繊維を容易に工業的規模で得ること
ができる。
よれば、湿式紡糸に比べ高速の紡糸が可能で、従来のよ
うにゲル紡糸や乾湿式紡糸のように非常に大がかりな装
置を必要とせず、非常にコンパクトな装置で、しかも低
コストで、強度12 g/d以上で、X線小角散乱による長
周期像が観察されない、換言すれば、極めて高度に結晶
配向の進んだPVA繊維を容易に工業的規模で得ること
ができる。
【0049】そして、タイヤコードやベルトなどのゴム
補強用、ロープ、FRP、FRC用途などの産業資材用
途で顕著な効果を発揮できる。
補強用、ロープ、FRP、FRC用途などの産業資材用
途で顕著な効果を発揮できる。
Claims (2)
- 【請求項1】高強度ポリビニルアルコール系繊維の製造
法であって、(a)重合度1500以上、ケン化度99
mol%以上のポリビニルアルコールを有機溶媒/水=5
/95〜70/30の重量比からなる混合溶媒に溶解す
る工程、(b)これを水の沸点以上有機溶媒の沸点以下
に保温された雰囲気中へ吐出し、水および有機溶媒の一
部を除去して糸条を形成する工程、(c)さらに糸条中
に残存する混合溶媒を除去した後、乾燥糸を200〜2
50℃の雰囲気温度中でトータル延伸倍率を10〜25
倍として乾熱延伸する工程からなることを特徴とする高
強度ポリビニルアルコール系繊維の製造法。 - 【請求項2】有機溶媒がジメチルスルホキシド、エチレ
ングリコール、グリセリンからなる群より選ばれた1種
以上であることを特徴とする請求項1に記載の高強度ポ
リビニルアルコール系繊維の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17683692A JPH0625909A (ja) | 1992-07-03 | 1992-07-03 | 高強度ポリビニルアルコール系繊維の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17683692A JPH0625909A (ja) | 1992-07-03 | 1992-07-03 | 高強度ポリビニルアルコール系繊維の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0625909A true JPH0625909A (ja) | 1994-02-01 |
Family
ID=16020687
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17683692A Pending JPH0625909A (ja) | 1992-07-03 | 1992-07-03 | 高強度ポリビニルアルコール系繊維の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0625909A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5893898A (en) * | 1996-07-30 | 1999-04-13 | Alpine Electronics, Inc. | Navigation system having intersection routing using a road segment based database |
JP2021008686A (ja) * | 2019-06-28 | 2021-01-28 | 株式会社クラレ | ポリビニルアルコール系繊維及びその製造方法 |
-
1992
- 1992-07-03 JP JP17683692A patent/JPH0625909A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5893898A (en) * | 1996-07-30 | 1999-04-13 | Alpine Electronics, Inc. | Navigation system having intersection routing using a road segment based database |
JP2021008686A (ja) * | 2019-06-28 | 2021-01-28 | 株式会社クラレ | ポリビニルアルコール系繊維及びその製造方法 |
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