JPH06212374A - 強度及び曲げ加工性が優れた銅合金材の製造方法 - Google Patents
強度及び曲げ加工性が優れた銅合金材の製造方法Info
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Abstract
あり、小型の電気電子部品の材料として好適の銅合金材
を提供する。 【構成】 析出硬化型銅合金(例えば、Cu−Ni−S
i系合金)のコイル材を650乃至950℃の温度に5
秒乃至5分間保持して溶体化処理し、このコイル材を被
処理材として冷間圧延した後、350乃至550℃の温
度で5分間乃至5時間保持して時効処理を施す。但し、
前記溶体化処理工程において、前記コイルに加えられる
単位面積当たりの張力をその処理温度における前記コイ
ルの高温耐力の80%以下とする。
Description
路)に使用されるリードフレーム、超小型コネクタ及び
リレー用ばね等のように強度が高く且つ良好な曲げ加工
性を要求される電気電子部品の材料として好適の強度及
び曲げ加工性が優れた銅合金材の製造方法に関する。
ドフレーム、超小型コネクタ及びリレー用ばね等の電気
電子部品も小型化及び軽量化が促進されている。このた
め、これらの電気電子部品に使用される材料としては、
板厚が薄く幅が狭くても十分な強度を有することが要求
される。一般的に、金属材の強度を向上させると曲げ加
工性が低下する。しかし、IC用リードフレーム及びコ
ネクタ等の用途には、強度及び曲げ加工性がいずれも良
好であることが必要である。
ては、強度が高く、曲げ加工性が良好であり、異方性が
少ないことから、Fe−Ni系合金が使用されている。
子部品の導電部分の薄板化及び幅狭化が急速に進むにつ
れて、導電部分の断面積が減少することから、従来のF
e−Ni系合金では導電率が低く、所望の電気的特性を
得ることが困難になってきている。また、Fe−Ni系
合金には、コストが高いという欠点もある。このため、
導電性が良好である銅合金の使用が検討されている。
リリウム銅がある。しかし、この銅合金は有害物質であ
るベリリウムを含有するため、排水処理設備等を設置す
る必要があり、取り扱いが難しいという欠点がある。ま
た、ベリリウムを含有するため、価格が極めて高いとい
う問題点もある。特に、近年、コストダウンの要求が強
くなっており、電気電子部品の小型化に対応できる安価
な材料が要望されている。
のであって、強度が高く、導電性及び曲げ加工性が良好
であり、小型の電気電子部品の材料として好適の強度及
び曲げ加工性が優れた銅合金材の製造方法を提供するこ
とを目的とする。
げ加工性が優れた銅合金材の製造方法は、析出硬化型銅
合金のコイル材を650乃至950℃の温度に5秒間乃
至5分間保持して溶体化処理する工程と、前記コイル材
を冷間圧延する工程と、この圧延材を350乃至550
℃の温度に5分間乃至5時間保持して時効処理を施す工
程とを有し、前記溶体化処理時に前記コイル材に加えら
れる単位面積当たりの張力をその処理温度における前記
コイルの高温耐力の80%以下に維持することを特徴と
する。
コイル材に溶体化処理を施す。析出硬化型銅合金は、強
度が高く、後述する条件で溶体化処理及び時効処理を施
すことにより導電率を高め、曲げ加工性を向上させるこ
とができる。例えば、固溶強化型銅合金及び加工硬化型
銅合金では、後述する条件で溶体化処理及び時効処理を
実施しても満足できる導電率及び曲げ加工性を得ること
ができない。なお、析出硬化型銅合金としては、Cu−
Ni−Si系合金、Cu−Ni−Ti系合金、Cu−F
e−Ti系合金、Cu−Cr系合金及びCu−Cr−Z
r系合金等があるが、用途によってはこれらの析出型銅
合金をベースとして、固溶強化に効果がある元素を添加
したり、又は加工硬化を利用してもよい。
との組合せにより良好な強度、導電率及び曲げ加工性を
得るために必須の工程であり、本発明の基本となる工程
である。溶体化処理により銅合金は固溶状態となり、ま
た、再結晶が起こり、曲げ加工性を低下させる要因とな
る鋳塊以降の前工程で導入された内部加工組織の影響を
取り除くことができる。本発明においては、銅合金材の
板厚は限定されるものではないが、通常、電気電子部品
用に使用される板材においてはその板厚が約0.25m
m以下と薄いため、溶体化処理を行なうコイルの板厚も
必然的に薄くなる。上述したように、溶体化処理は本発
明において最も重要な工程であり、本願発明者等は良好
な導電性を維持しつつ、強度及び曲げ加工性を両立させ
るべく薄板での溶体化処理の条件及び方法を鋭意研究
し、その結果、溶体化処理工程において、加熱炉を通板
するときに被処理材に加えられる単位面積当たりの張力
を被処理材の高温耐力の80%以下とする必要があると
の知見を得た。
ムで行なう方法としては、連続的に熱処理する方法が適
している。バッチ処理でコイルを溶体化処理しようとす
ると、冷却に難点があり、数トンのコイルを均一に、し
かも急冷することは困難であり、焼き入れ遅れ等によ
り、不均一な固溶状態となる。
理材であるコイルは巻き解かれ、加熱炉及び冷却帯を通
る間に溶体化処理が行なわれ、再び巻き取られる。この
溶体化処理工程において被処理材に加えられる張力がそ
の処理温度における被処理材の高温耐力の80%を超え
ると、図1に示すように、溶体化処理後の銅合金板1に
断面形状の形状不良が発生する。そして、圧延時に、図
2に示すようなしわ2が形成され、外観不良及び曲げ加
工性の劣化等の不都合を招来する。張力が更に大きくな
り高温耐力を超えると、外観不良及び機械的特性の劣化
に加えて、板厚の減少も著しくなり、特性のバラツキを
招来する。従って、溶体化処理時に被処理材に加えられ
る単位面積当たりの張力は、その処理温度における被処
理材の高温耐力の80%以下とすることが必要である。
溶体化処理後の結晶粒の大きさを30μm以下とする必
要がある。このため、溶体化処理前に、減面率が30%
以上の条件で冷間加工を施し、結晶粒を整粒とすること
が好ましい。また、生産性の点から、前記コイルは、鋳
塊を熱間加工して形成することが好ましい。しかし、こ
の熱間圧延工程は必ずしも必要ではなく、溶体化処理を
実施できる板厚のコイルを製造できるのならば、薄板鋳
造板を使用してもよい。
あることが必要である。溶体化処理時の温度が650℃
未満の場合は、時効後に高強度が得られず、また、温度
が低く結晶粒が再結晶しないため、曲げ加工性を向上さ
せる効果を得ることができない。溶体化処理温度は、高
いほど固溶化が完全となり時効後に高い強度が得ること
ができるが、950℃を超えると二次再結晶により結晶
粒が粗大化するため、曲げ加工性が劣化する。従って、
溶体化処理時の温度は650℃乃至950℃であること
が必要である。
溶化が不十分である。一方、溶体化処理時間が5分間を
超えると、固溶化が飽和してそれ以上の強度向上効果を
得ることができず、無駄である。従って、溶体化処理時
間は5秒間乃至5分間とする。
度は冷却過程での析出を防止するために、10℃/秒以
上の冷却速度で急冷することが重要である。なお、溶体
化処理後の材料に形状不良が発生することを回避するた
めに、冷却帯における冷却方法も、冷却の不均一により
生じる熱歪に起因する形状不良を回避するように考慮す
る必要がある。
50乃至550℃の温度で時効処理を行なう。この時効
処理により、金属間化合物あるいは単体金属の第2相を
析出させて材料を硬化し、高強度且つ良好な導電率を得
ることができて曲げ加工性とのバランスを保つことがで
きる。但し、時効処理温度が350℃未満の場合は、析
出物の量が少なく、十分な硬さを得ることができない。
また、時効処理温度が550℃を超えると、析出物の凝
集粗大化及び再固溶が発生し、強度が低下する。従っ
て、時効処理温度は350乃至550℃とすることが必
要である。
分間未満の場合は、析出物の量が少なく、上述の効果を
十分に得ることができない。一方、時効処理における温
度保持時間が5時間を超えても、上述の効果は飽和する
ため無駄である。従って、時効処理における温度保持時
間は5分間乃至5時間とする。
より、時効処理後の強度及び導電率が向上する。この冷
間圧延工程における冷間圧延率が50%を超えると、銅
合金材の強度は向上するものの、曲げ加工性が低下す
る。従って、時効処理前の冷間圧延における加工率は5
0%以下であることが好ましい。しかし、リレー用ばね
材料等においては強度及び導電率が重視され、曲げ加工
性は重要でない場合もある。従って、この種の用途に使
用する場合は、50%を超える加工率で冷間圧延を行な
ってもよい。
系合金の組成を限定した理由について説明する。
物(Ni2 Si)を形成し、銅合金の強度及び耐熱性の
向上に寄与する。しかし、Ni含有量が2重量%未満で
は、上述の効果を十分に得ることができない。一方、N
i含有量が4重量%を超えると、強度及び耐熱性は向上
するものの導電率が低下する。従って、Ni含有量は2
乃至4重量%とする。
性を向上させる元素である。しかし、Si含有量が0.
5重量%未満の場合は、上述の効果を十分に得ることが
できない。一方、Si含有量が1.0重量%を超える
と、銅合金の強度及び耐熱性は向上するものの、導電率
が低下し、熱間加工性及び半田の耐剥離性も劣化する。
従って、Si含有量は0.5乃至1.0重量%とする。
は、上述の説明から明らかなようにNi2 Siの構成比
率に近いことが好ましい。即ち、NiとSiとの比率
(Ni/Si)は、重量比で4乃至5とすることが好ま
しい。
し、Zn含有量が0.1重量%未満では上述の効果を十
分に得ることができない。一方、Znを1.0重量%を
超えて含有させても、上述の効果が飽和してそれ以上の
耐剥離性の向上が見込めないだけでなく、導電率が低下
してしまう。従って、Zn含有量は0.1乃至1.0重
量%とする。
金中から除去する作用を有する。即ち、AlはSと反応
して安定した化合物Al2 S3 を生成する。このAl2
S3 は比重が軽いため、溶解時に溶湯上部に浮上する。
従って、析出型銅合金中に予めAlを含有させておくこ
とにより、不可避的不純物であるSをAl2 S3 化合物
として除去し、鋳塊中のS含有量を20ppm以下に低
減できて、銅合金の熱間加工性を高めることができる。
また、この鋳塊はAl2 S3 を含有しないため、Ag突
起を生じない健全なAgめっきを施すことができる。こ
のような効果を得るためには、Alを含有量を0.00
1重量%以上とすることが必要である。しかし、Al含
有量が0.15重量%を超えると、半田の濡れ性及び半
田の耐剥離性が低下する。従って、Alの含有量は0.
001乃至0.15重量%とする。
Mn含有量が0.01重量%未満ではその効果は少な
く、また、0.1重量%を超えてMnが含有されると、
造塊時の湯流れ性が悪化して造塊歩留りが低下する。従
って、Mn含有量は0.01乃至0.1重量%とする。
である。Crの含有量が0.01重量%未満ではその効
果は少なく、また、0.1重量%を超えてCrが含有さ
れると溶湯が酸化し、鋳造性が劣化する。従って、Cr
の含有量は0.001乃至0.1重量%とする。
有量が0.1重量%未満では、強度向上効果が少なく、
また、1.0重量%を超えて含有されると、熱間加工性
を劣化させ、更に、導電率も低下させる。Snは、本発
明においては必ずしも必要ではなく、用途に応じて銅合
金中に添加すればよい。しかし、Snを添加する場合
は、その含有量を0.1乃至1.0重量%とすることが
好ましい。
と共に化合物を形成して、Agめっき時にAg突起を発
生する原因となる元素である。このSは合金溶製時に不
可避的に混入してくるものであるが、S含有量が20p
pm以下であれば、上述の問題点は生じない。このた
め、Sの含有は20ppmまでは許容される。換言すれ
ば、S含有量は20ppm以下とする。
外に、Co、Fe、Ti、Zr、P、Be、V、Nb、
Mo、Ag、Wの一種又は2種以上を総量で0.1重量
%まで含有していても、本発明に係る曲げ加工性が優れ
た高張力銅合金材の所望の特性はなんら損なわれること
はない。従って、上述の範囲内でのこれらの成分の含有
は許容されるものである。
Na、Mg、S、Ca、As、Se、Cd、In、S
b、Pb、Bi、MM(ミッシュメタル)等があげられ
る。特に、Mgは、前述の如く、Sと化合物を形成して
そのAgめっき時のAg突起発生の原因となる。このた
め、Mgは特に微量であることが望ましい。
求の範囲から外れる比較例と比較して説明する。
おいて大気中で木炭被覆下で溶解し、溶製した溶湯を鋳
鉄製ブックモールドで鋳造して、厚さが50mm、幅が
75mm、長さが180mmの鋳塊を得た。その後、こ
の鋳塊の表面を面削し、950℃の温度で厚さが15m
mまで熱間圧延を行い、750℃以上の温度から水中に
浸漬して急冷した。
Alを実質的に含まず、S量が多いため、熱間圧延時に
割れが発生した。以後、この合金は試料調整から除外し
た。
後、冷間圧延を行ない、厚さが0.2mmの板を得た。
その後、これらの板を850℃の温度に調整した塩浴炉
に30秒間浸漬して溶体化処理を行なった後、水中に浸
漬して急冷した。
5mmの板材を得た。次いで、これらの板材を450℃
の温度で2時間加熱し、時効処理を行なった。
て、以下に示す試験を実施した。 引張試験は、圧延方向に平行に切り出して、JIS
13号の試験片を作成し、この試験片を使用して行なっ
た。 硬さは、マイクロビッカース硬度計で荷重500g
fにて測定した。 導電率は、幅が10mm、長さが300mmの試験
片を用い、ダブルブリッジにより電気抵抗を測定して平
均断面積法により算出した。 曲げ加工性は、実プレスにおいて、曲げ半径(R)
を0.15mmとし、曲げ線を圧延方向に平行(BW)
及び直角(GW)に設定して、90°曲げを行なった。
そして、曲げ部を20倍のルーペで観察し、クラックの
発生の有無により曲げ加工性を評価した。 ばね限界値は、圧延方向に平行に切り出した幅が1
0mm、長さが60mmの試験片を用いて、モーメント
式ばね限界値測定器により測定した。 半田密着性は、温度が230℃の半田浴(Sn:P
b=60:40)で半田付けした後、150℃の温度で
1000時間加熱し、曲げ半径(R)が1mmで180
°曲げ戻しを行い、半田の剥離の有無により評価した。 Agめっき性は、幅が20mm、長さが50mmの
試験片を用い、アルカリ脱脂浴中で電解脱脂した後、A
gめっきを行い、めっき面を光学顕微鏡を用いて100
倍で観察し、大きさが10μm以上の突起状の異常析出
の有無で評価した。但し、Agめっきは、温度が60℃
のシアン浴を用いて、電流密度が50A/dm2 、めっ
きエリアが直径が7mm、めっき厚さが5±1μmの条
件で実施した。
す。
至4は、いずれも引張強さが74kgf/mm2 以上と
高く、硬さが235Hv以上であり、導電率も34%I
ACS以上と良好であった。また、これらの実施例1乃
至4は、曲げ加工性も良好であり、特にSnを含有する
実施例3は、ばね限界値が極めて良好であった。更に、
これらの実施例1乃至4はいずれもZnを含有するた
め、半田の密着性が良好であると共に、Alを添加して
S量を低減しているため、Agめっき時に突起状の異常
析出は発生せず、Agめっき性も良好であった。
しない比較例1は、不純物であるSの含有量が多く、熱
間圧延時に割れが発生した。また、Ni及びSi含有量
が少ない比較例2は、実施例1乃至4に比して引張強さ
及び硬さが劣っている。更に、Zn含有量が少ない比較
例3は、半田の密着性が劣り剥離が発生した。また、A
lを実質的に含有していない比較例4は、不純物である
Sの含有量が多いため、Agめっき時に突起状の異常析
出が発生した。
し、幅が400mm、長さが4000mm、厚さが15
0mmの鋳塊を得た。これらの鋳塊を950℃の温度で
厚さが15mmまで熱間圧延した後、750℃以上の温
度からシャワー水にて急冷した。そして、これらの圧延
材の表裏面を0.5mmだけ面削した後、冷間圧延を行
い、板厚が0.2mmのコイルを得た。次に、これらの
コイルを脱脂後、連続熱処理炉を用いて下記表4に示す
温度及び張力で溶体化処理を行なった。このときの保持
時間は2分間であり、加熱後の冷却速度は100℃/秒
である。次いで、これらのコイルを酸洗した後、0.1
5mmの厚さまで冷間圧延した。そして、表4に併せて
示す時効処理温度で2時間の時効処理を行なった。
以下に示す試験を実施した。 引張試験は、圧延方向に平行に切り出してJIS1
3号の試験片を作製し、この試験片を使用して行なっ
た。 硬さは、マイクロビッカース硬度計で荷重500g
fにて測定した。 導電率は、幅が10mm、長さが300mmの試験
片を用い、ダブルブリッジにより電気抵抗を測定して平
均断面積法により算出した。 曲げ加工性は、実プレスにおいて、曲げ半径(R)
が0.15mmで、曲げ線を圧延方向に平行(BW)及
び直角(GW)に設定し、90°曲げを行なった。そし
て、曲げ部を20倍のルーペで観察し、クラックの発生
の有無より曲げ加工性を評価した。 表面状態は、しわ発生の有無により評価した。
至9はいずれも引張強さが76kgf/mm2 以上と高
く、硬さが223Hv以上であり、導電率も37%IA
CS以上と良好であると共に、曲げ加工性も良好であっ
た。また、これらの実施例5乃至9においては、薄板で
の固溶化が適正に行なわれているため、溶体化処理に伴
う形状不良によるしわの発生もなく、良好な表面状態を
有していた。
0℃と低いため、引張強さ及び硬さが低いものであり、
比較例6は、時効温度が300℃と低いため、引張強
さ、硬さ及び導電率が低く、曲げ加工性も劣るものであ
った。また、比較例7は、時効温度が600℃と高すぎ
るため、引張強さ及び硬さが低く、比較例8は溶体化処
理温度が1000℃と高すぎるため、溶体化処理時に結
晶粒が粗大化し、その結果曲げ加工性が劣化した。更
に、比較例9は、溶体化処理時の張力が高すぎるため
に、溶体化処理時に形状不良が発生し、その結果、冷間
圧延時に板幅中央部付近にしわが発生した。このしわ発
生部は不均一な加工歪を受けているため、曲げ加工性も
劣っている。
u−Ni−Si系合金の場合について説明したが、他の
析出硬化型銅合金(例えば、Cu−Ni−Ti系合金、
Cu−Fe−Ti系合金、Cu−Cr系合金及びCu−
Cr−Zr系合金等)についてもCu−Ni−Si系合
金の場合と同様の効果を得ることができる。また、これ
らの合金系をベースに他の元素を添加した場合でも、同
様の効果を得ることができる。
出硬化型銅合金に対して所定の条件で溶体化処理及び時
効処理を行なうため、強度が高く、導電率及び曲げ加工
性が良好であり、小型の電気電子部品の材料として好適
の銅合金材を低コストで製造することができる。
に示す斜視図である。
したときに発生するしわを模式的に示す斜視図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 析出硬化型銅合金のコイル材を650乃
至950℃の温度に5秒間乃至5分間保持して溶体化処
理する工程と、前記コイル材を冷間圧延する工程と、こ
の圧延材を350乃至550℃の温度に5分間乃至5時
間保持して時効処理を施す工程とを有し、前記溶体化処
理時に前記コイル材に加えられる単位面積当たりの張力
をその処理温度における前記コイルの高温耐力の80%
以下に維持することを特徴とする強度及び曲げ加工性が
優れた銅合金材の製造方法。 - 【請求項2】 前記析出硬化型銅合金は、2乃至4重量
%のNi、0.5乃至1.0重量%のSi、0.1乃至
1.0重量%のZn、0.001乃至0.15重量%の
Al、0.01乃至0.1重量%のMn及び0.001
乃至0.1重量%のCrを含有し、不純物のSの含有量
を20ppm以下に規制し、残部が銅及び不可避的不純
物からなることを特徴とする請求項1に記載の強度及び
曲げ加工性が優れた銅合金材の製造方法。 - 【請求項3】 前記析出硬化型銅合金は、2乃至4重量
%のNi、0.5乃至1.0重量%のSi、0.1乃至
1.0重量%のZn、0.001乃至0.15重量%の
Al、0.01乃至0.1重量%のMn、0.001乃
至0.1重量%のCr及び0.1乃至1.0重量%のS
nを含有し、不純物のSの含有量を20ppm以下に規
制し、残部が銅及び不可避的不純物からなることを特徴
とする請求項1に記載の強度及び曲げ加工性が優れた銅
合金材の製造方法。 - 【請求項4】 前記溶体化処理温度に加熱した後に、1
0℃/秒以上の冷却速度で急冷することを特徴とする請
求項1乃至3のいずれか1項に記載の強度及び曲げ加工
性が優れた銅合金材の製造方法。 - 【請求項5】 前記冷間圧延工程における加工率を50
%以下とすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれ
か1項に記載の強度及び曲げ加工性が優れた銅合金材の
製造方法。
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---|---|---|---|
JP685093A JP2672241B2 (ja) | 1993-01-19 | 1993-01-19 | 強度及び曲げ加工性が優れた銅合金材の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH06212374A true JPH06212374A (ja) | 1994-08-02 |
JP2672241B2 JP2672241B2 (ja) | 1997-11-05 |
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JP2672241B2 (ja) | 1997-11-05 |
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