JPH0621223A - 半導体集積回路の自動配線方法 - Google Patents

半導体集積回路の自動配線方法

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JPH0621223A
JPH0621223A JP4178523A JP17852392A JPH0621223A JP H0621223 A JPH0621223 A JP H0621223A JP 4178523 A JP4178523 A JP 4178523A JP 17852392 A JP17852392 A JP 17852392A JP H0621223 A JPH0621223 A JP H0621223A
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JP
Japan
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wiring
delay time
integrated circuit
semiconductor integrated
difference
Prior art date
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Application number
JP4178523A
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English (en)
Inventor
Masayoshi Tachibana
昌良 橘
Midori Takano
みどり 高野
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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  • Design And Manufacture Of Integrated Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 詳細配線工程で生じた迂回配線による経路長
の差により、概略配線で許容したより大きな伝搬遅延時
間差を防ぐ。 【構成】 半導体集積回路の自動配線を行う際に、概略
配線工程においてその遅延時間の差が極少になるように
設計された複数の配線間に、詳細配線工程の結果決定さ
れた配線の経路長の差(区間BC)により、概略配線工
程で許容したより大きな伝搬遅延時間の差が生じる場
合、伝搬遅延時間の小さい配線(区間BD)に容量成分
として働く配線(区間BDの配線と交差する配線)を付
加する。 【効果】 詳細配線による信号伝搬遅延時間の増大を防
げる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体集積回路の自動
配線方法に関し、特にクロック配線のように、その経路
の信号伝搬遅延時間が回路装置の動作速度に大きな影響
を与える配線の自動配線方法に関する。
【0002】
【従来の技術】大規模な半導体集積回路においては、例
えば、クロック配線のように個々のF/F(フリップフ
ロップ)に入力されるクロック信号の信号伝搬遅延時間
の差(以下スキュー)が回路装置の動作速度に大きな影
響を与える配線が存在する。このため、クロック配線は
図1に示されるようなツリー状の概略経路1を集積回路
2内に分布するフリップフロップの分布状況にしたがっ
て配線し、そのH型の末端から図2のような支線により
個々のフリップフロップ3,4のクロック入力に接続す
るというような方法がとられることがある。
【0003】この方法では、クロック発生源からフリッ
プフロップ3,4までの距離の差を極小化できるためス
キューを極小化できる利点がある。このような配線方法
では、末端部分のツリー形式からのずれを見込んで、配
線抵抗や配線容量を算定しながらディレイバランスの採
れたクロック配線の概略経路を決定することになる。と
ころが、詳細配線において配線を配置できない領域等の
影響により図3に示すような配線の経路に迂回を生じ配
線経路長が増大しする(ここでは、d)ことがある。こ
れにより、伝搬遅延時間が増大し、クロックのスキュー
が概略配線時の算定値よりも増大するという欠点があっ
た。
【0004】クロック配線以外のその経路の信号伝搬遅
延時間が回路装置の動作速度に大きな影響を与える配線
についても同様のことが言える。
【0005】一方、同期式の回路システムにおいては、
動作タイミングを、クロックを基本にして制御してい
る。ここでの理想的なクロック分配は、半導体基板(チ
ップ)上のいずれの場所においても全く同時にクロック
信号が得られることである。
【0006】しかし、実際には、クロックの信号を引き
回す配線、接続している素子に応じた遅れ(ディレイ)
が生じるので、入力から最も近い位置で得られたクロッ
クと、入力から最も遠い位置で得られたクロックとには
到達時間差(スキュー)が生じる。このスキューが大き
すぎれば同期がとれなくなり正常な回路動作が期待でき
なくなる。従って、クロック分配は、スキュー最小で行
うことが要求される。また、複数のチップを使用してシ
ステムを構成する場合に、各チップ内のディレイが大き
いとシステムの同期が難しくなり、チップ内と同じ問題
が生じてくる。そのため、チップ内のディレイもできる
限り小さくする必要がある。
【0007】以前より、クロックの分配方法としては、
トリー方式のH−トリー方式とトランク&ブランチ方式
が知られている。
【0008】H−トリー(以下、トリー)方式は、図2
1のように、結線する2つの素子(群)31の配線径路
32が完全対称となるようH型に、クロック信号供給用
素子33から配線を行って等ディレイの配線を提供する
ものである(文献「S.Dhar,et al:Reduction of clock
delays in VLSI structures.,Proc. IEEE Int.Conf.on
Computer Design,1984」)。
【0009】この方法は、スキューを最小化する反面、
配線長を長くする傾向がある。特に、回路規模が大きく
なって供給すべき素子数が増すと、トリーの深さが増加
するため配線長が長くなり、ディレイも増加する。
【0010】トランク&ブランチ方式は、図22のよう
な、線幅の太い幹線(トランク)34を一本通し、その
幹線から支線(ブランチ)35を出して、クロック信号
供給用素子33からクロック信号を供給する方法であ
る。この方法は、H−トリーに比べてディレイは小さい
傾向にある。ただし、ブランチの本数が多いほどディレ
イが大きくなるので、ブランチ数はあまり多くすること
ができない。
【0011】しかし、クロック信号供給用素子33に最
も近いフリップフロップ(以下、F/Fとする)などの
素子と、最も遠い素子とのディレイ差(スキュー)は大
きくなる。そのため例えば、文献「T.Saigo,et al:Cloc
k Skew Reduction Approachfor Standard Cell.,IEEE I
nt.Conf.on CICC,1990 」においては、トランクからブ
ランチを出す際に、駆動力の異なるサブバッファセルを
入れてディレイを合わせるという改良がなされている。
しかしながら、この改良でも、ブランチ上のトランクに
近いF/Fと遠いF/Fとの間のスキューは改善されな
い。
【0012】このように、いづれの方式でもディレイと
スキューの両方を小さくすることは回路規模が大きくな
るほど難しくなっている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の配
線方法では、信号伝搬遅延時間が回路装置の性能に大き
な影響を与える配線について、概略配線工程においてそ
の信号伝搬遅延時間の差が極少となるように設計された
複数の配線が、配線を配置できない領域等の影響により
配線の経路に迂回を生じ配線経路長が増大し、概略配線
より算定されたものより信号伝搬遅延時間の差が増大
し、これにより予定した性能が得られないという問題が
あった。
【0014】また、大規模な回路において、従来のトラ
ンク&ブランチ方式では、ルートドライバーセルに最も
近い素子と最も遠い素子とでは、スキューが大きくなり
過ぎるという問題があった。トリー方式においてもトリ
ーの深さが深くなるために配線が長くなり、ディレイが
大きくなるという問題があった。
【0015】本発明は上記の問題を解決するため、第1
の発明の目的は、信号伝搬遅延時間の差が回路装置の性
能に大きな影響を与える複数の配線について、詳細配線
工程の結果生じた迂回などの配線の経路の差により概略
配線工程で許容したより大きな伝搬遅延時間の差が生じ
ることを防ぐことができる半導体集積回路の自動配線方
法を提供することにある。
【0016】また、第2の発明の目的は、トランク&ブ
ランチ方式とトリー方式とを組み合わせることで、クロ
ック信号のディレイとスキューをともに小さくすること
ができる半導体集積回路の自動配線方法を提供すること
にある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1の発明は、半導体集積回路の自動配線を行う際
に、概略配線工程においてその遅延時間の差が極少にな
るように設計された複数の配線間に、詳細配線工程の結
果決定された配線の経路長の差により概略配線工程で許
容したより大きな伝搬遅延時間の差が生じる場合、伝搬
遅延時間の小さい配線に容量成分として働く配線を、伝
搬遅延時間の大きい配線と交差あるいいは平行に付加す
る手段を備えている。
【0018】また、第2の発明は、上流側のトランク&
ブランチ方式で配線する部分を、トランクとブランチ共
に太い配線幅で配線して抵抗を小さくし、ブランチの数
を少なくして配線長を短くし、さらにブランチの先端に
中継用バッファセルを挿入して駆動素子数を少なくす
る。
【0019】そして、中継用バッファセルを介した後の
下流側をトリー方式によって配線する。トランク&ブラ
ンチ方式のトランク&ブランチ部のディレイと、ブラン
チ数によって一意に決まるトリー部から見積もられるデ
ィレイとの総和が最小となるブランチ数を求める。
【0020】さらにトランク&ブランチ部で生じたスキ
ューに対して、トリー部のトリー深さの調節、トリーへ
のエントリポイントの調節、内部遅延の異なる中継用バ
ッファセルの使用の3つを組み合わせて、最小ディレイ
のトリー部が最大ディレイに近づくよう調節する手段を
備えている。
【0021】
【作用】上記手段により、第1の発明は、半導体集積回
路の配線層を設計する際に、信号伝搬遅延時間が回路装
置の性能に大きな影響を与える複数の配線について、伝
搬遅延時間の小さい配線に専ら容量成分として働く配線
を付加することにより遅延時間を増大させ信号の伝搬遅
延時間の差が増大することを防止している。以上の手段
により複数の配線の信号伝搬遅延時間の差が概略配線よ
り算出したものよりも増大することを防ぐことのできる
特徴を持つ自動配線処理が実現される。
【0022】また、第2の発明は、ディレイの大半を占
める上流(ルートドライバーセル)側の長い径路はトラ
ンク&ブランチ方式を採用し、太い線幅で配線してディ
レイを小さくする。下流側は通常配線幅でトリー方式に
よって配線し、各トリーにおけるトリー深さによるディ
レイ、トリーのエントリポイント(中継用バッファセル
の配置位置)によるディレイ、中継用バッファセルの内
部遅延によるディレイを変化させ、その変化量を組み合
わせることによってディレイを調整し、スキューを最小
化する。
【0023】このように、上流側をトランク&ブランチ
方式によって太い配線幅で配線することで、ディレイ、
スキューは小さくなる。さらに、下流側をトリー方式に
よって配線することで、各トリー内のF/Fへのディレ
イは等しくなり、各トリー間のスキューはなくなる。各
トリー部の領域が区切られ小さくなっているために1ト
リーのディレイも抑えることができる。
【0024】トリーの深さに対し、容量はほぼ2k に比
例する(kは深さ)。つまり、深さが1増すと容量は2
倍に増えることになる。従って、ディレイは、単位長さ
当たりの抵抗をr、単位長さ当たりの容量をc、現在の
深さ以下の全容量をCk とすると、現在の深さから深さ
が1増すごとに以下の式で表した分、ディレイが増すこ
とになる。
【0025】 dt=r*Ck+1 +r*c/2 =2*r*Ck +r*c/2 また、エントリポイントが異なると配線長が変化し、デ
ィレイの増減が可能となる。これらの方法を組み合わせ
るとディレイの調節が可能となる。
【0026】従って、トランク&ブランチの最短のエン
トリポイントのディレイと最長のエントリポイントのデ
ィレイとの差が原因で生じる全体のスキューも上記3つ
のディレイ調整方法により相殺できるので最小となる。
【0027】
【実施例】以下、図面を参照しながらこの発明の目的を
説明する。
【0028】第1の発明 まず、第1の発明による自動配線処理を半導体集積回路
の自動配線の計算機プログラムに適用した実施例を説明
する。なお、今回の実施例では、ゲートアレイ方式の集
積回路をその対象とし、概略配線と詳細配線の経路の違
いが装置の性能に大きな影響を与える配線の例としてク
ロック配線をとりあげる。
【0029】クロック配線は図1に示されるようなツリ
ー状の概略経路1を、集積回路2内に分布するフリップ
フロップの分布状況にしたがって配線し、その端末から
図2のような支線により個々のフリップフロップ3,4
のクロック入力に接続するというような方法がとられる
ことがある。
【0030】この方式では、クロック発生源からフリッ
プフロップ3,4までの距離の差を極小化できるためス
キューを極小化できる利点がある。このような配線方式
では、末端部分のツリー形式からのずれを見込んで、配
線抵抗や配線容量を算定しながらクロック配線の概略経
路1を決定することになる。
【0031】第1の発明では、クロック配線等の配線に
よる遅延時間がシステムの性能に大きな影響を与える配
線について、概略配線の段階において等しい遅延時間を
持つ様に調整された二つの負荷への配線が、詳細配線に
よって片方に長さdの迂回を生じた場合に、この迂回に
より生じる遅延時間の差を最小化する方法を提案する。
【0032】図2において、概略配線の段階で、駆動セ
ル5から負荷セル3および4への遅延時間が等しいかも
しくは極めて少ない差となるように調整されていたもの
が、詳細配線により図3に示すような長さdの迂回を生
じたと仮定し、図3の回路の等価回路を図6に示す。た
だし、L1 は区間BDの長さであるとする。
【0033】このとき、区間BDに図4に示すような、
詳細配線と交差する複数本の配線を加え、この付加され
た配線の容量により区間BDの配線の容量を増加させる
ことができれば、区間BCの迂回により生じた遅延を補
正することができる。
【0034】この付加される配線は、図12に示すよう
に区間BDの配線6から、矩形で表されたセル列に対し
て平行、つまり配線6に対して垂直に配置する、図13
に示すように配線6の上部の配線層に配線6に平行して
配置すると効果的である。
【0035】すなわち、図12のようにセル列に対して
平行に配置する場合、配線7〜11をセルに接続される
電源線12の上層に配置すると、この配置された配線7
〜11にながれる信号により近傍の信号線が影響を受け
ることを少なくすることができる。また、同様にして図
13のように配線6の上部の層に配線6に平行に配置し
た場合にも、この配置された配線7にながれる信号によ
り近傍の信号線が影響を受けることを少なくすることが
できる。
【0036】このような配線は分布定数線路として扱う
べきであるが、その長さが十分に短ければ単なる集中定
数の容量として近似することができる。以下では区間を
分割しながら遅延時間の補正を行なう方法について説明
する。
【0037】いま区間BDがn個の区間に分割され、そ
れぞれの区間に既に容量が付加されているとすると、そ
の等価回路は図7に示すようになる。ここで、
【数1】 であり、CS0 ・・・CSn-1 は付加された容量である
とする。
【0038】図5のような分布定数と集中定数の回路素
子からなる回路の遅延時間を式1の様に近似するものと
する。
【0039】ここで、T50% は50%遅延時間(LとH
の中間の遅延時間)を表し、Klump ed(〜0.7)及び
distributed (〜0.4)はそれぞれ集中定数、分布
定数についての比例係数、Rint ,Cint は分布定数回
路の抵抗成分と容量成分、Rtrはトランジスタの出力抵
抗、Cl は負荷容量である。また、l0 は区間ABの配
線抵抗、Ctrは出力容量、C0 は配線容量である。
【0040】 T50% =Klumped・Rint ・Cint +Kdistributed {Rtr・Cint +Rtr・Cl +Rint ・Cl } (1) ここでは遅延時間の相対比率が問題となるのでK=K
distributed /Klumpedとおくと、式1は式2の様に変
形できる。
【0041】 T´50% =Rint ・Cint +K・{Rtr・Cint +Rtr・Cl +Rint ・Cl } (2) 以下では式2の形で遅延時間を扱うものとする。
【0042】図7において分岐点Bから終点C及びDま
での遅延時間は式2にしたがうとTBC,TBDは式3及び
式4のようにおくことができる。
【0043】 TBC=R(L1 +d)・{K・C(L1 +d)+Cl } (3)
【数2】 ただし、 d:詳細配線のよって生じた迂回の長さ R(l) :長さlの分布定数線路の抵抗成分 C(l) :長さlの分布定数線路の容量成分 LSi:区間iの配線長 R(LSi):区間iの抵抗成分 C(LSi):区間iの容量成分 CSi :区間iに付けられた補正のための容量 Cl :終端のトランジスタの入力容量 K:分布定数回路と集中定数回路の50%遅延時間の比
(〜0.4/0.7) とする。
【0044】ここで、新たに容量成分の配線を1本追加
したときの遅延時間を一般化するため、BD間のn番目
の区間を2分割すると式4の一番目の項である。
【0045】
【数3】 が変化する。しかし、1番目からn−1番目の項は変化
しないので、この部分を
【数4】 とおくことができる。
【0046】今n番目の区間が分割され、n´番目とn
+1番目の区間に変化するとTsect ionnは以下のように
変化する。
【0047】
【数5】 ただし、CSn は分割された区間に新たに付け加えられ
た容量であるとする。
【0048】ここで、 LSn=LSn' +LSn+1 (8)
【数6】
【数7】 とおくと、n+1番目の区間ができた時のBD間の遅延
時間は
【数8】 であるので、式7は式12のように書き換えることがで
きる。
【0049】 Tsectionn' = R(LSn+1)・{K・C(LSn+1)+CLsum +CSsum +C(LSn' ) +CSn +CS0 +Cl } +R(LSn' )・{K・C(LSn' )+CLsum +CSsum +CS0 +Cl } (12) また、 TBD=Tn-1sections +Tsectionn (13) TBD' =Tn-1sections +Tsectionn' (14) であるから、n+1番目の区間を増やした結果により増
える遅延は式15のようにおくことができ、これは式1
6,17のように変形できる。
【0050】さらに、R(LSn)=R(LSn+1)+R
(LSn' )であり、C(LSn)=C(LSn+1)+C(L
Sn' )であることから、式18,式19と変形でき式2
0が得られる。
【0051】 TDB' −TBD=Tsectionn' −Tsectionn (15) =R(LSn+1)・{K・C(LSn+1)+CLsum +CSsum +C(LSn' ) +CSn +CS0 +Cl } +R(LSn' )・{K・C(LSn' )+CLsum +CSsum +CS0 +Cl } −R(LSn)・{K・C(LSn)+CLsum +CSsum +CS0 +Cl } (16) ={R(LSn+1)+R(LSn' )−R(LSn)}・{CLsum +CSsum +CS0 +Cl } +K・{R(LSn+1)・C(LSn+1) +R(LSn' )・C(LSn' )−R(LSn)・C(LSn)} +R(LSn+1)・{C(LSn' )+CSn } (17) =K・{R(LSn+1)・C(LSn+1)+R(LSn' )・C(LSn' ) −R(LSn)・C(LSn)} +R(LSn+1)・{C(LSn' )+CSn } (18) =R(LSn+1)・{C(LSn' )+CSn} −K・{R(LSn+1)・C(LSn' )+R(LSn' )・C(LSn+1)} (19) =(1−K)・R(LSn+1)・C(LSn' ) −K・R(LSn' )・C(LSn+1)+R(LSn+1)・CSn (20) 式20より、Kは定数であるので、LSn' ,LSn+1,C
n の値がわかれば、新たに追加された容量によって増
加する区間BD全体の遅延時間が計算できることがわか
る。
【0052】図7において、BD間がn個に分割されて
いない時は終端のCS0 のみが増分となるので、その値
BD0 は式21によって表される。BD間が分割されて
いくと、その遅延時間は式22、式23に示されるよう
に増加し、i番目の分割では式24のようになる。
【0053】
【数9】
【数10】 つまり、区間iまで分割された時の遅延時間は、
【数11】 BDi-1 、およびCSi の値から求めることができる。
【0054】また、i番目の区間で補正を完了するため
には、CSi の値が式25の様になれば良いことがわか
る。
【0055】
【数12】 次に式24と式25に基づいて遅延時間の補正を行なう
アルゴリズムについて説明する。
【0056】まず、対象とするLSIの構成としてはス
タンダードセルまたはゲートアレイを想定し、各セルに
は図10に示すように第1層目金属配線12により電源
が供給されているものとし、補正を行なう必要のある配
線はそれらに垂直に第2層目の金属配線6により位置さ
れているものとする。
【0057】なお、補正を行なう必要のある配線が配置
された段階では他の補正を必要としない、つまりシステ
ムの性能に極端な影響を与えない配線はまだ配置されて
いないものとする。
【0058】また、抵抗成分を無視できる配線の長さを
limit 、各区間で他の配線を妨害すること無しに配置
できる付加配線の長さをLSiplacableとし、各CS
i (但し、i=0,…,n)の大きさは CSi =min(C(Llimit ),C(LSiplacable)) (26) を満たすものであるとする。(図8および9参照) アルゴリズムは以下の通りである。
【0059】1:TBCを求める 2:CS0 を決定する 3:TBD0 を求める 4:i←0;LSsum ←0;TBDi ←TBD0 5:if TBC−TBDi 許容範囲then終了(補正
が成功した) 6: TBDold ←TBDi 7: i←i+1 8: 次の区間長LSiを決定する 9: if新たな区間を作れないthen終了
(補正は失敗した) 10: LSsum ←LSsum +LSi 11: CSi を決定する 12: TBDi を計算する(TBDold ,CSi ,L
sum を使用する) 13: goto5 まず、step1では補正の目標となるTBCの値を式3
を用いて求め、次にstep2で図4で示した負荷セル
3に追加される付加容量を式26で決定し、step3
でTBD0 を式21により計算する。これにより、補正に
必要な係数が決定される。次にstep4においてiと
LSsum の値を0に、TBDi の値をTBD 0 に初期化す
る。ここで、iはステップカウンタ、LSsum の値は
【数13】 である。
【0060】step5から13はループになってお
り、このループの中で新しいTBDi の値が計算される。
step5では終了条件の判定を行なっている。ここ
で、TBC−TBDi 許容範囲が成立した場合には補正は
成功である。この条件が成立しなかった場合には、新し
い区間を作る必要がありstep6から13が実行され
る。
【0061】step6ではTBDi をTBDold に保存
し、step7でステップカウンタを更新する。つぎに
step8で新たな区間長を決定する。新たな区間を作
れない場合は補正は失敗である。(step9) 新たな区間が作れた場合はその長さをstep10でL
sum に加算し、step11でその区間に付加する容
量を決定する。次にstep12で新たなTBD i の値を
式24を用いて計算する。最後に終了条件の判定のため
step13でstep5へ戻る。
【0062】このアルゴリズムにしたがって図10に示
す配線6の部分に容量成分としての配線が付加される様
子を図10から12に示す。まず、図10において付加
となるセルに配線6が接続されているものとする。次に
このセルに容量がCS0 となる配線7を配線6と交差さ
せて付加する(図11)。
【0063】この後は、前述のアルゴリズムにしたがっ
て、それぞれ容量がCS1 ,CS2,CS3 ,CS4
なる配線8、9、10、11を付加してゆく(図1
2)。また、このときのこれらの配線間の距離は、それ
ぞれLS1 ,LS2 ,LS3 ,LS4 となる。
【0064】なお、配線の向きは、図13のように配線
6と平行に配置することも勿論可能なものである。
【0065】本実施例では、クロック配線を例として示
したが、その配線の信号伝搬時間が、概略配線時の算定
値からずれることが、回路装置の動作速度に大きな影響
を与える配線についても、本配線方式が効果的に適用で
きることは明らかである。
【0066】第2の発明 次に、第2の発明による半導体集積回路の自動配線方法
の実施例を説明する。図14は、第2の発明による自動
配線方法を説明するための全体フローチャートである。
最初にディレイを最小化する概略径路を決定する(P
1)。これにより、ブランチ数、トリー部の数、径路形
状が決定される。なお、トリー部の数は、(ブランチ数
×2)2 によって一意に決定される。
【0067】次に、スキューを最小化するためのトリー
部における詳細径路を決定し、ディレイ・スキュー最小
の径路を得て終了する(P2)。
【0068】図15は、図14におけるディレイを最小
化する概略径路の決定方法(P1)の詳細を示すフロー
チャートである。
【0069】スタート後、ブランチ数を1にし(D
1)、トランク&ブランチにおけるディレイ,ブランチ
数によって定まるトリー部から見積もられるディレイを
算出して(D2)各トリー部に対するディレイの総和を
求める。ブランチ数が指定された本数nになるまでディ
レイ計算をしたかを判定し(D3)、計算していない場
合は、ブランチ数を1本増やして(D4)、D2に戻り
D2〜D4を繰り返す。計算した場合は、各ブランチ数
の中でディレイの総和が最も小さいブランチ数を採用し
て(D5)終了する。
【0070】図16は、図14におけるスキューを最小
化する詳細径路決定方法(P2)の詳細を示すフローチ
ャートである。
【0071】スタート後、トランク&ブランチからトリ
ーに変わる地点(以下、TEPとする)のスキューを各
トリー部について求める(S1)。各TEPの中から任
意に1点を選び(S2)、各トリー部間のスキューを最
小にするように調整し(S3)、まだスキュー最小にし
ていないTEPがあるかを判断し(S4)、ある場合に
はS2に戻ってS2〜S4を繰り返し、ない場合には終
了する。
【0072】図17は、図16の処理ステップS3のス
キュー最小化のための径路調整処理の詳細を示したフロ
ーチャートである。
【0073】スタート後、ステップS3で選択された1
つのTEPについて、許容範囲内のスキューか否かを判
断し(M1)、範囲内であれば終了する。範囲外の場合
には、トリーの深さを増した場合の深さによるディレイ
変動量よりスキューが大きいかを判断する(M2)。
【0074】大きい場合にはトリーの深さを変更してデ
ィレイを再計算し(M3)、許容範囲内のスキューか否
かを判断して(M4)、範囲内であれば終了、範囲外で
あればM5にいく。
【0075】スキューが深さ変更を行った場合よりも小
さい場合には、内部遅延の大きい別のバッファセルに置
換した場合のディレイ変動量よりも大きいかを判断し
(M5)、大きい場合にはバッファセルを置換し(M
6)、許容範囲内のスキューか否かを判断して(M
7)、範囲内であれば終了し、範囲外であればM8に進
む。
【0076】内部遅延の大きいバッファセルに置換した
場合よりもスキューが小さければ、TEPの位置を調節
してディレイを計算し、遅延最大となるTEPを選択し
た場合のディレイ変動量よりも大きいかを判断し(M
8)、大きい場合にはバッファセルの配置位置を遅延最
大のTEPに配置して(M9)終了する。小さい場合に
は、スキューが最小となるTEPをトリー部とトランク
&ブランチ部の分岐点との間に探し求め(M10)、終
了する。
【0077】図18は、本方式によって得られたトラン
ク&ブランチ部の配線例を示した図である。ルートドラ
イバーセル21から線幅の太いトランク22と2本のブ
ランチが配線されている。この場合、トリー部24の数
は(2×2)2 =16個となり、トリー以下を駆動する
バッファセル25の種類、バッファセル25のエントリ
ポイントが異なるトリーがそれぞれ作られている。
【0078】ここで、ブランチ数に対する全体ディレイ
の変化を、図19に示す。図中のA,B,Cの各曲線
は、図20(A),(B),(C)にそれぞれ対応す
る。
【0079】図20(A)は、ブランチ23をトリー部
24の境界上までしか配線しなかった場合、(B)はブ
ランチ23をトリー部24の中心まで配線させた場合で
あり、共にブランチ数は2である。図19におけるA,
Bは、このような配線を行った場合の、ブランチ数に対
する全体ディレイの変化を示している。
【0080】トリー部24のディレイによって全体のデ
ィレイは変化するため、図20(A)の配線が最小ディ
レイ、(B)の配線が最大ディレイとなる。すなわち、
本方式のディレイは曲線AとBにはさまれた領域に収ま
る。
【0081】また、図20(C)は、トリー部24を図
20(A),(B)と同じ個数作る条件でトランク&ブ
ランチ部もトリー状に配線した場合を表している。この
場合のディレイ曲線CとA,Bとを比べると本方式によ
る最小ディレイ値はかなり小さくなっている。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように、第1の発明によれ
ば、半導体集積回路の配線層を設計する際に、信号伝搬
遅延時間が回路装置の性能に大きな影響を与える配線に
ついて、配線の信号伝搬遅延時間が、概略配線工程によ
って決定された概略配線から算出したものよりも増大す
ることを防ぐことができる。
【0083】また、第2の発明によれば、幹線の配線に
トランク&ブランチ方式を使用したので、その配線の配
線抵抗を小さくでき、それ以下の配線にトリー方式を使
用したので、クロック信号のディレイを小さくでき、か
つスキューを最小にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】半導体集積回路上に配置されたツリー状構成の
クロック配線である。
【図2】図1のクロック配線の末端部分である。
【図3】詳細配線の結果迂回の生じたクロック配線の末
端部分である。
【図4】迂回により生じた遅延時間の差を負荷配線によ
り補正した概略図である。
【図5】集中定数回路と分布定数回路を組合せた等価回
路である。
【図6】図3に対応する等価回路である。
【図7】図4に対応する等価回路である。
【図8】配置可能な配線長が配線長の上限より短い例で
ある。
【図9】配線可能な配線長が配線長の上限より長い例で
ある。
【図10】遅延時間を補正する配線の例である。
【図11】負荷に一番近い負荷配線を配置した例であ
る。
【図12】5本の負荷配線を配置した例である。
【図13】遅延時間を増加させる配線の上層に負荷配線
を配置した例である。
【図14】第2の発明を説明するための全体フローチャ
ートである。
【図15】図14におけるディレイを最小化する概略径
路の決定方法の詳細を示すフローチャートである。
【図16】図14におけるスキューを最小化する詳細径
路の決定方法の詳細を示すフローチャートである。
【図17】図16におけるスキューを最小にする処理の
詳細を示すフローチャートである。
【図18】第2の発明によって得られたトランク&ブラ
ンチ部の配線例である。
【図19】ブランチ数に対するディレイの変化を示した
グラフである。
【図20】トランク&ブランチ部の配線の違いを表す配
線図である。
【図21】従来のHトリー方式による分配配線を示す図
である。
【図22】従来のトランク&ブランチ方式による分配配
線を示す図である。
【符号の説明】
1 ツリー状構成のクロック配線 2 集積回路 3,4 負荷セル 5 駆動セル 6 遅延時間を増加させる配線 7 負荷に一番近い負荷配線 8〜11 負荷配線 12 電源線 21 ルートドライバーセル 25 中継用バッファセル 22 トランク 23 ブランチ 24 トリー部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体集積回路の自動配線を行う際に、
    概略配線工程においてその遅延時間の差が極少になるよ
    うに設計された複数の配線間に、詳細配線工程の結果決
    定された配線の経路長の差により概略配線工程で許容し
    たより大きな伝搬遅延時間の差が生じる場合、伝搬遅延
    時間の小さい配線に容量成分として働く配線を付加する
    ことにより遅延時間を増大させ、伝搬遅延時間の大きい
    配線との差を最小化することを特徴とする半導体集積回
    路の自動配線方法。
  2. 【請求項2】 前記容量成分として働く配線を、遅延時
    間を増大させる配線と交差する電源配線の上部の配線層
    に配置したことを特徴とする請求項1記載の半導体集積
    回路の自動配線方法。
  3. 【請求項3】 前記容量成分として働く配線を、遅延時
    間を増大させる配線と平行する上部の配線層に配置した
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体集積回路の自動
    配線方法。
  4. 【請求項4】 クロック信号供給用素子から供給される
    クロック信号によって駆動する、多段配置された複数の
    素子あるいは素子に前記クロック信号を分配配線する際
    に、太い線幅でトランク&ブランチ方式によって中継用
    バッファセルまで配線し、中継用バッファセルを介した
    後の配線は通常配線幅でトリー方式で配線を行うことを
    特徴とする半導体集積回路の自動配線方法。
  5. 【請求項5】 前記トランク&ブランチ部分におけるス
    キューを、内部遅延の異なる中継用バッファセルの使
    用、中継用バッファセルの配置位置の調節、トリーの深
    さの調節を組み合わせることによって最小化することを
    特徴とする請求項4記載の半導体集積回路の自動配線方
    法。
  6. 【請求項6】 前記トリー部の個数・大きさを、前記ト
    ランク&ブランチ方式のブランチ数で決定することを特
    徴とする請求項4記載の半導体集積回路の自動配線方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009282976A (ja) * 2008-05-19 2009-12-03 Arm Ltd 相互接続回路内のデータ経路のルーティングを求める方法、システム、およびコンピュータプログラム製品
WO2021205895A1 (ja) * 2020-04-09 2021-10-14 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 信号処理装置、センシングモジュール

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