JPH06212040A - 帯電防止性塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

帯電防止性塩化ビニル系樹脂組成物

Info

Publication number
JPH06212040A
JPH06212040A JP10081293A JP10081293A JPH06212040A JP H06212040 A JPH06212040 A JP H06212040A JP 10081293 A JP10081293 A JP 10081293A JP 10081293 A JP10081293 A JP 10081293A JP H06212040 A JPH06212040 A JP H06212040A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
vinyl chloride
chloride resin
compound
carbon atoms
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10081293A
Other languages
English (en)
Inventor
Sumio Ando
純雄 安藤
Yasumitsu Miyamoto
泰充 宮本
Fumio Goto
文男 後藤
Katsuhiro Okuma
克宏 大隈
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Westlake Akishima Co Ltd
Original Assignee
Akishima Chemical Industries Co Ltd
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Akishima Chemical Industries Co Ltd, Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Akishima Chemical Industries Co Ltd
Priority to JP10081293A priority Critical patent/JPH06212040A/ja
Publication of JPH06212040A publication Critical patent/JPH06212040A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 変色及び不快臭がなく、熱安定性に優れ、加
工中のプレートアウトがない帯電防止性に優れた塩化ビ
ニル系樹脂組成物を得る。 【構成】 下記の一般式(I)で表される第四級アンモ
ニウム塩化合物と、 【化1】 (ここで、R1 ,R2 ,R3 のうちの一つは炭素数1〜
5のアルキル基であり、他の2つは炭素数5〜18のア
ルキル基であり、R4 は炭素数2〜4のアルキレン基で
あり、nは1〜5の整数であり、Xは塩酸、塩素酸、過
塩素酸のアニオンを表す。)カルボン酸金属塩化合物ま
たはアルキルフェノール金属塩化合物の少なくとも2種
類の金属塩化合物と、ジアルキル錫ジカルボン酸塩化合
物と、β−ジケトン化合物とを含有することを特徴とし
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、帯電防止性に優れた塩
化ビニル系樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系樹脂は、電気絶縁性が高
く、製品の製造工程や使用中に静電気を帯び易く、取り
扱い者や静電気を嫌う用途等で様々な障害が発生する。
このような塩化ビニル系樹脂製品の帯電を防止する方法
として、ノニオン系、アニオン系、カチオン系の帯電防
止剤を加工中に練り込んだり、出来上がった製品に塗布
する等の方法が採用されている。
【0003】練り込み法において、カチオン系帯電防止
剤、特に第三級及び第四級アミン系帯電防止剤は、帯電
防止効果の最も優れた帯電防止剤であるが、塩化ビニル
系樹脂に練り込んで加工する場合に変色が大きく、かつ
熱安定性が極めて悪いという欠点がある。第三級及び第
四級アミン系帯電防止剤のこのような欠点を解消する方
法として、塩化ビニル系樹脂を加工するとき、安定剤と
してジアルキル錫メルカプチドを配合する方法があり、
着色及び熱安定性が大幅に改善することが知られてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな安定剤としてのジアルキル錫メルカプチドは、加工
時にプレートアウトを起こしやすく、また臭気が強いた
め、商品としての価値が低くなるという問題があった。
【0005】また、塩化ビニル系樹脂に可塑剤を配合し
た場合、幾分帯電防止性は改善されるが、未だ不十分で
あった。特に、分子中にエーテル結合を含有する可塑剤
は、他の可塑剤に比較して優れた帯電防止効果を示す
が、それでも未だ不十分であり、特に熱安定性及び加工
中のプレートアウトの改善が望まれている。
【0006】本発明の目的は、このような従来の問題点
を解消し、変色及び不快臭がなく、熱安定性に優れ、か
つ加工中のプレートアウトのない、帯電防止性に優れた
塩化ビニル系樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の帯電防止性塩化
ビニル系樹脂組成物は、塩化ビニル系樹脂に対して、下
記の一般式(I)で表される第四級アンモニウム塩化合
物(a)と、
【0008】
【化2】
【0009】(ここで、R1 ,R2 ,R3 のうちの1つ
は炭素数1〜5のアルキル基であり、他の2つは炭素数
5〜18のアルキル基であり、R4 は炭素数2〜4のア
ルキレン基であり、nは1〜5の整数であり、Xは塩
酸、塩素酸または過塩素酸のアニオンを示す。)カルボ
ン酸の金属塩化合物及びアルキルフェノールの金属塩化
合物のうちの少なくとも2種類の金属塩化合物(b)
と、ジアルキル錫ジカルボン酸塩化合物と(c)と、β
−ジケトン化合物(d)とを含有してなることを特徴と
している。
【0010】以下、本発明において用いられる、第四級
アンモニウム塩化合物(a)、金属塩化合物(b)、ジ
アルキル錫ジカルボン酸塩化合物(c)、β−ジケトン
化合物(d)について説明する。
【0011】・第四級アンモニウム塩化合物(a)につ
いて 上記の一般式(I)で示すN−ポリオキシアルキレン−
N,N,N−トリアルキルアンモニウム塩において、R
1 ,R2 ,R3 は炭素数1〜18のアルキル基を示して
おり、これらのうちいずれか1つは炭素数1〜5のアル
キル基であり、他の2つは炭素数5〜18のアルキル基
であり、これら2つは同一のアルキル基でもよいし異な
るアルキル基でもよい。
【0012】これらの第四級アンモニウム塩化合物の具
体的な例としては、N−ポリオキシエチレン−N,N,
N−メチル,ジラウリルアンモニウム、及びN−ポリオ
キシプロピレン−N,N,N−メチル,オクチル,デシ
ルアンモニウム等の塩酸塩、過塩素酸塩、及び塩素酸塩
等を挙げることができる。塩化ビニル系樹脂との相溶
性、帯電防止効果、熱安定性、製品着色等の面からは、
N−ポリオキシエチレン−N,N,N−トリアルキルア
ンモニウム過塩素酸塩が最も好ましい。
【0013】第四級アンモニウム塩化合物の配合量は、
塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、1〜20重量
部が好ましい。添加量が20重量部を超えると、可塑剤
配合量の少ない硬質塩化ビニル系樹脂では透明性、熱安
定性が低下し、可塑剤配合量の比較的多い軟質塩化ビニ
ル系樹脂では、透明性、相溶性、熱安定性等が低下す
る。また、添加量が1重量部未満であると、十分な帯電
防止効果が得られない場合がある。
【0014】・金属塩化合物(b)について 本発明において用いられる金属塩化合物(b)は、カル
ボン酸の金属塩化合物またはアルキルフェノールの金属
塩化合物である。金属塩化合物における金属としては、
ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムまた
は亜鉛で、通常2種以上組み合わせて用いられる。例え
ば、バリウム−亜鉛の組み合わせが用いられる。これら
の金属と結合する有機基は、上述のようにカルボン酸ま
たはアルキルフェノールであり、これらの有機基につい
て以下に説明する。
【0015】カルボン酸としては、炭素数2〜22の飽
和または不飽和脂肪族のカルボン酸、炭素数7〜16の
環式または複素環式カルボン酸、炭素数2〜10のヒド
ロキシ酸、アルコキシ酸もしくはオキソ酸であり、例え
ばオクタン酸、2−エチルヘキソイン酸、デカン酸、イ
ソデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキ
システアリン酸、ベヘン酸、炭素数15〜16のトリア
ルキル酢酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、リノー
ル酸、リシノール酸、アジピン酸、セバシン酸、安息香
酸、トルイル酸、キシリル酸、p−t−ブチル安息香
酸、ナフトエ酸、フタル酸、ニコチン酸、酒石酸、くえ
ん酸、サリチル酸、またはこれらの混合カルボン酸であ
る。
【0016】また、アルキルフェノールとしては、例え
ばp−t−ブチルフェノール、p−t−オクチルフェノ
ール、ノニルフェノール、ジノニルフェノール、デシル
フェノール、ドデシルフェノールである。
【0017】これらのカルボン酸の金属塩化合物及びア
ルキルフェノールの金属塩化合物は、中性塩であっても
よく、さらに金属が当量以上に結合した塩基性塩または
過塩基性塩であってもよい。この塩基性塩、過塩基性
塩、すなわちアルカリ土類金属のカルボキシレートカー
ボネート錯体またはアルキルフェノレートカーボネート
錯体は、米国特許第4,159,973号及び同第4,
665,117号等に開示されている。金属塩化合物
(b)の金属としては、バリウム−亜鉛の組み合わせが
好ましく、バリウムの過塩基性カルボキシレートカーボ
ネート錯体、及び過塩基性アルキルフェノレートカーボ
ネート錯体のいずれかと、亜鉛カルボキシレートとの組
み合わせが特に好ましい。また、この金属塩化合物の添
加量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、0.0
1〜5重量部、好ましくは0.1〜2重量部である。
【0018】・ジアルキル錫ジカルボン酸塩化合物
(c)について 本発明において用いられるジアルキル錫ジカルボン酸塩
化合物としては、例えば、ジメチル錫ジオレイン酸塩、
ジメチル錫ジリシノレイン酸塩、ジメチル錫ジラウリン
酸塩、ジメチル錫ジイソデカン酸塩、ジブチル錫ジオレ
イン酸塩、ジブチル錫ジリシノレイン酸塩、ジブチル錫
ジ−12−ヒドロキシステアリン酸塩、ジブチル錫ジラ
ウリン酸塩、ジブチル錫ジイソデカン酸塩、ジブチル錫
ジ−2−エチルヘキソイン酸塩、ジブチル錫ジ安息香酸
塩、ジブチル錫ジ−p−t−ブチル安息香酸塩、ジブチ
ル錫ジ−m−トルイル酸塩、ジ−n−オクチル錫ジオレ
イン酸塩、ジ−n−オクチル錫ジ安息香酸塩、ジ−n−
オクチル錫ジ−p−t−ブチル安息香酸塩等である。特
に好ましくは、ジブチル錫ジオレイン酸塩、及びジブチ
ル錫ジ−p−t−ブチル安息香酸塩である。これらのジ
アルキル錫ジカルボン酸塩化合物は、塩化ビニル系樹脂
100重量部に対し、0.01〜3重量部、好ましくは
0.05〜1重量部である。
【0019】・β−ジケトン化合物(d)について 本発明において用いられるβ−ジケトン化合物は、例え
ば、デヒドロ酢酸、シクロヘキサン−1,3−ジオン、
2−アセチルシクロペンタノン、2−ベンゾイルシクロ
ペンタノン、2−アセチルシクロヘキサノン、2−ベン
ゾイルシクロヘキサノン、アセチルステアロイルメタ
ン、ベンゾイルアセトン、パルミトイルベンゾイルメタ
ン、ステアロイルベンゾイルメタン、ジベンゾイルメタ
ン、トリベンゾイルメタン、4−メトキシベンゾイル−
ベンゾイルメタン、ビス(4−メトキシベンゾイルメタ
ン)、4−クロロベンゾイル−ベンゾイルメタン、ベン
ゾイルトリフルオロアセトン、パルミトイルテトラロ
ン、ステアロイルテトラロン、ベンゾイルテトラロン等
である。特に好ましくは、ジベンゾイルメタン及びデヒ
ドロ酢酸である。
【0020】これらのβ−ジケトン化合物は、特定の金
属と結合した錯塩であってもよく、この錯塩を形成する
金属としては、ナトリウム、バリウムまたは亜鉛が好ま
しい。これらのβ−ジケトン化合物及びこの錯塩の添加
量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、0.00
05〜3重量部、好ましくは0.001〜1重量部であ
る。
【0021】さらに、本発明の帯電防止性塩化ビニル系
樹脂組成物では、可塑剤としての、下記の一般式(ll)
で表される分子中にエーテル結合を含有するエステル
(e)と、 Xm1 {CO(OR5 )m3 OR6 }m2 (ll) (ここで、Xは芳香族環又はメチレン基(CH2 )であ
り、R5 は炭素数2〜4のアルキレン基であり、R6
炭素数1〜13のアルキル基であり、m1 は1〜10の
整数、m2 は1〜4の整数、m3 は1〜4の整数を示
す。)エポキシ樹脂系プレポリマー(f)とを含有して
もよい。
【0022】以下、分子中にエーテル結合を含有するエ
ステル(e)、及びエポキシ樹脂系プレポリマー(f)
について説明する。 ・分子中にエーテル結合を含有するエステルに(e)に
ついて これらの化合物の具体例としては、芳香族化合物とし
て、ベンゼンモノカルボン酸(安息香酸)、ベンゼンジ
カルボン酸(フタル酸)、ベンゼントリカルボン酸(ト
リメリット酸)、ベンゼンテトラカルボン酸(ピロメリ
ット酸)とエチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジプロピレングリコール等のモノアルキルエーテルとの
合成で得られる安息香酸エステル、フタル酸ジエステ
ル、トリメリット酸トリエステル、ピロメリット酸テト
ラエステル等があり、メチレン基のm1 が1〜10の整
数の化合物としては、天然、及び合成で得られる、アジ
ピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ドデカンジカルボ
ン酸等と上記モノアルキルエーテルのエステル等があ
る。
【0023】可塑剤としての性能(相溶性、透明性等)
及び帯電防止性等から配慮すると、エチレングリコール
モノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシル
エーテル、のフタル酸ジエステル、及びアジピン酸ジエ
ステルが好ましく、これらのエステルは塩化ビニル系樹
脂100重量部に対して1〜130重量部、好ましくは
30〜80重量部配合される。
【0024】・エポキシ樹脂系プレポリマー(f)につ
いて エポキシ樹脂系プレポリマーとしては、ビスフェノール
Aジグリシジルエーテルが好ましく、このようなプレポ
リマーを塩化ビニル樹脂に配合すると、金属塩化合物
(b)、ジアルキル錫ジカルボン酸塩化合物(c)、及
びβ−ジケトン化合物(d)との相乗効果により優れた
熱安定性及び加工性が発揮される。これらのプレポリマ
ーは、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し1〜10重
量部、好ましくは2〜5重量部配合される。
【0025】本発明の帯電防止性塩化ビニル系樹脂組成
物においては、上記の成分を含む以外に、通常塩化ビニ
ル系樹脂に添加される可塑剤、酸化防止剤、エポキシ化
油脂等の安定化助剤、充填剤、顔料等を目的に応じて添
加することができる。
【0026】可塑剤としては、フタル酸エステル、アジ
ピン酸エステル、トリメリット酸エステル、セバシン酸
エステル、ポリエステル、安息香酸エステル、脂肪酸エ
ステル、2価〜多価アルコールの脂肪酸エステル等を用
いることができる。
【0027】酸化防止剤としては、例えば、有機亜リン
酸エステル、ヒンダードフェノール系または含イオウア
ルカン酸アルキルエステル等の酸化防止剤を用いること
ができる。
【0028】有機亜リン酸エステルは、トリアルキルホ
スファイト、トリアリールホスファイト、アルキルアリ
ールホスファイト、ビスフェノール−A−ホスファイ
ト、多価アルコールホスファイト、エステル残基の有機
基の一つ以上が水素原子によって置換されたアシッドホ
スファイト等によって代表され、このホスファイト化合
物は、例えば、トリフェニルホスファイト、トリイソオ
クチルホスファイト、トリイソデシルホスファイト、ト
リイソトリデシルホスファイト、トリベンジルホスファ
イト、トリノニルフェニルホスファイト、ジフェニルイ
ソオクチルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスフ
ァイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファ
イト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスフ
ァイト、ポリ(ジプロピレングリコール)フェニルホス
ファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスフ
ァイト、トリ−2,4−ジ−t−ブチルフェニルホスフ
ァイト、2,4−ジ−t−ブチルフェニルジイソデシル
ホスファイト、トリブトキシエチルホスファイト、4,
4´−イソプロピリデンジフェニルアルキル(C12〜C
15)ジホスファイト、ヘプタキス(ジプロピレングリコ
ール)トリホスファイト等である。
【0029】また、上記の亜リン酸エステル中の有機残
基の一つ以上が水素原子によって置換されたアシッドホ
スファイトも有用であり、例えばジフェニルアシッドホ
スファイト、モノフェニルアシッドホスファイト、モノ
イソオクチルアシッドホスファイト、ジベンジルアシッ
ドホスファイト、ジノニルフェニルアシッドホスファイ
ト等である。
【0030】ヒンダードフェノール系酸化防止剤として
は、例えばアルキル化フェノール、アルキル化フェノー
ルエステル、アルキレンまたはアルキリデンビスフェノ
ール、ポリアルキル化フェノールエステルであり、これ
らは具体的には、例えばブチル化ヒドロキシトルエン、
4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノ
ール、4,4´−ジヒドロキシ−2,2´−ジフェニル
プロパン、2,2´−メチレンビス(4−メチル−6−
t−ブチルフェノール)、4,4´−チオビス(6−t
−ブチル−3−メチルフェノール)である。
【0031】そして、含イオウアルカン酸アルキルエス
テルとしては、例えばジラウリルチオプロピオン酸エス
テル、ジステアリルチオプロピオン酸エステル等であ
る。エポキシ化油脂としては、エポキシ化不飽和油脂、
エポキシ化不飽和脂肪酸エステル、エポキシシクロヘキ
サン誘導体であり、例えばエポキシ化大豆油、エポキシ
化ヒマシ油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化サフラワ
ー油、エポキシ化アマニ油脂肪酸ブチル、エポキシステ
アリン酸のブチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル
等のアルキルエステル、3−(2−キセノキシ)−1,
2−エポキシプロパン、エポキシヘキサヒドロフタル酸
ジ−2−エチルヘキシル等である。
【0032】その他の安定化助剤としては、多価アルコ
ール、例えばモノ及びジペンタエリスリトール、マンニ
トール、ソルビトールであり、この多価アルコールとカ
ルボン酸、アミノ酸またはロジンとのエステル化合物、
例えばステアリン酸ペンタエリスリトール、アジピン酸
ペンタエリスリトール、ピロリドンカルボン酸ジペンタ
エリスリトール、グルタミン酸ジペンタエリスリトー
ル、ウッドロジンペンタエリスリトール、無水マレイン
酸変性ウッドロジンペンタエリスリトール、ウッドロジ
ングリセロールエステルである。また、含窒素化合物で
あるβ−アミノクロトン酸と1,3,または1,4−ブ
タンジオール、1,2−ジプロピレングリコール、チオ
ジエチレングリコール、ラウリルアルコール等とのエス
テル化合物、そしてトリス(ヒドロキシエチル)イソシ
アヌレート、トリス(メルカプトエチル)イソシアヌレ
ート等のイソシアヌレート化合物である。
【0033】紫外線吸収剤等の光安定剤として用いられ
るものは、ベンゾトリアゾール系及びヒンダードアミン
系によって代表され、例えば2−(5−メチル−2−ヒ
ドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5
−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−ク
ロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール化合
物、そしてコハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエ
チル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン重縮合物、ポリ〔{6−(1,1,3,3
−テトラメチルピペリジン)イミノ−1,3,5−トリ
アジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピベリジル)イミノ}ヘキサメチレン
{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
イミノ}〕等のヒンダードアミン化合物である。
【0034】
【発明の作用効果】本発明で用いる第四級アンモニウム
塩化合物は、帯電防止剤として非常に優れており、塩化
ビニル系樹脂組成物の帯電防止性を大幅に向上する。本
発明では、このような帯電防止剤を用いた塩化ビニル系
樹脂組成物に対し、特定の金属塩化合物と、ジアルキル
錫ジカルボン酸塩化合物と、β−ジケトン化合物とを含
有させることにより、カチオン系アミン塩の欠点である
着色及び熱安定性の低下を抑制している。これらの金属
塩化合物(b)、ジアルキル錫ジカルボン酸塩化合物
(c)、及びβ−ジケトン化合物(d)の相互の作用機
構は明確ではないが、これらの化合物を配合することで
相乗効果により、熱安定性及び加工性が改善され、変色
及び着色のない帯電防止性塩化ビニル系樹脂組成物とす
ることができる。
【0035】また、本発明において、分子中にエーテル
結合を含有するエステル(e)を含有させることによ
り、さらに帯電防止性に優れた塩化ビニル系樹脂組成物
とすることができる。また、このようなエステル(e)
は、帯電防止剤(a)と同様に着色及び熱安定性の低下
という欠点を有しているが、エポキシ樹脂系プレポリマ
ー(f)を含有させることにより、熱安定性及び加工性
が改善され、変色及び着色のない帯電防止性塩化ビニル
系樹脂組成物とすることができる。
【0036】
【実施例】ポリ塩化ビニル樹脂(重合度1000)に対
し、表1に示す配合割合で各種化合物を配合し、この配
合組成物を180℃に加熱した混練ロールで5分間混練
し、厚さ0.5mmのシートを得た。このシートの表面
固有抵抗をJIS K 6911に従い、20℃,65
%RHで測定し、さらにシートを180℃のギヤオーブ
ン中で加熱し、熱劣化によるシートの変色度合(黒化時
間)を調べた。この結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】表1に示すような可塑剤を含まない硬質塩
化ビニル系樹脂組成物において、本発明に従う実施例の
塩化ビニル系樹脂組成物は、表面固有抵抗が低く、かつ
熱安定性に優れている。
【0039】次に、可塑剤を含む配合系における本発明
に従う実施例について説明する。ポリ塩化ビニル樹脂
(重合度1300)に、表2に示す配合割合で各種化合
物を配合し、この配合組成物を165℃に加熱した混練
ロールで5分間混練し、厚さ0.5mmの軟質塩化ビニ
ルシートを得た。混練中のプレートアウト性について評
価し、表2に示した。また得られたシートの表面固有抵
抗をJIS K 6911に従い、20℃,65%RH
で測定し、さらにこのシートを180℃ギヤオーブン中
で加熱し、熱劣化によるシートの変色度合(黒化時間)
を調べた。この結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】表2から明らかなように、本発明に従う帯
電防止性塩化ビニル系樹脂組成物は、表面固有抵抗が低
く、かつ熱安定性に優れている。またプレートアウト性
についても良好であることがわかる。
【0042】次に、分子中にエーテル結合を含有するエ
ステル(e)及びエポキシ樹脂系プレポリマー(f)を
含有する実施例について説明する。ポリ塩化ビニル樹脂
(重合度1300)に対し、表3に示す配合割合で各種
化合物を配合し、この配合組成物を165℃に加熱した
混練ロールで5分間混練し、厚さ0.5mmの軟質塩化
ビニルシートを得た。混練中のプレートアウト性につい
て評価し、表3に示した。また、得られたシートの表面
固有抵抗をJISK−6911に従い、20℃、65%
RHで測定し、さらにこのシートを180℃のギヤオー
ブン中で加熱し、熱劣化によりシートの変色度合い(黒
化時間)を調べた。この結果を表3に示す。
【0043】
【表3】
【0044】表3中の略号は以下の意味を有する。 DBEP:エチレングリコールモノブチルエーテル−フ
タル酸ジエステル DOEP:エチレングリコールモノオクチルエーテル−
フタン酸ジエステル DHGA:エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエー
テル−アジピン酸ジエステル DBDEP:ジエチレングリコールモノブチルエーテル
−フタル酸ジエステル 第四級アンモニウム塩:N−ポリオキシエチレン−N,
N,N−メチル,ジオクチルアンモニウム過塩素酸塩 表3から明らかなように、可塑剤としてのエステル
(e)及びエポキシ樹脂系プレポリマー(f)を含有し
た場合にも、熱安定性に優れ、かつ表面固有抵抗が低
く、プレートアウト性も良好な塩化ビニル系樹脂組成物
とすることができる。
【0045】以上のように、本発明に従う帯電防止性塩
化ビニル系樹脂組成物は、硬質塩化ビニル系樹脂組成物
及び軟質塩化ビニル系樹脂組成物のいずれにおいても、
帯電防止性に優れ、かつ熱安定性がよく、加工性に優
れ、変色及び着色も生じない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/57 KJB 7242−4J (72)発明者 大隈 克宏 東京都福生市志茂116

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂に対して: (a)下記の一般式(I)で表される第四級アンモニウ
    ム塩化合物と; 【化1】 (ここで、R1 ,R2 ,R3 のうちの1つは炭素数1〜
    5のアルキル基であり、他の2つは炭素数5〜18のア
    ルキル基であり、R4 は炭素数2〜4のアルキレン基で
    あり、nは1〜5の整数であり、Xは塩酸、塩素酸また
    は過塩素酸のアニオンを示す。) (b)カルボン酸の金属塩化合物及びアルキルフェノー
    ルの金属塩化合物のうちの少なくとも2種類の金属塩化
    合物と; (c)ジアルキル錫ジカルボン酸塩化合物と; (d)β−ジケトン化合物とを含有してなることを特徴
    とする、帯電防止性塩化ビニル系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 さらに、 (e)下記の一般式(ll)で表される、可塑剤として
    の、分子中にエーテル結合を含有するエステルと; Xm1 {CO(OR5 )m3 OR6 }m2 (ll) (ここで、Xは芳香族環又はメチレン基(CH2 )であ
    り、R5 は炭素数2〜4のアルキレン基であり、R6
    炭素数1〜13のアルキル基であり、m1 は1〜10の
    整数、m2 は1〜4の整数、m3 は1〜4の整数を示
    す。) (f)エポキシ樹脂系プレポリマーとを含有することを
    特徴とする、請求項1に記載の帯電防止性塩化ビニル系
    樹脂組成物。
JP10081293A 1992-11-25 1993-04-27 帯電防止性塩化ビニル系樹脂組成物 Pending JPH06212040A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10081293A JPH06212040A (ja) 1992-11-25 1993-04-27 帯電防止性塩化ビニル系樹脂組成物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4-315016 1992-11-25
JP31501692 1992-11-25
JP10081293A JPH06212040A (ja) 1992-11-25 1993-04-27 帯電防止性塩化ビニル系樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06212040A true JPH06212040A (ja) 1994-08-02

Family

ID=26441770

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10081293A Pending JPH06212040A (ja) 1992-11-25 1993-04-27 帯電防止性塩化ビニル系樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06212040A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0394547B1 (en) Stabilized chlorine-containing resin composition
US2935491A (en) Synergistic stabilizer composition containing a benzoate, a phenolate, and triphenyl phosphite
EP0524354B1 (en) Polyvinylchloride composition and stabilizers therefor
US3390112A (en) Vinyl halide resins stabilized with mixtures comprising polyols, phenols and barium and cadmium salts
JPH06212040A (ja) 帯電防止性塩化ビニル系樹脂組成物
EP0331095B1 (en) Improving stability at moderate temperatures of motor vehicle components shaped from polyvinyl chloride resin compositions
US4839409A (en) Stabilizers for rigid halogen-containing organic polymers comprising a primary heat stabilizer and an ester of a polyhydrocarbyl ether glycol
JPH08875B2 (ja) 熱安定化された塩素含有樹脂組成物
JPH04202452A (ja) ポリ塩化ビニル系樹脂組成物
JPH04183735A (ja) 熱安定化された塩素含有樹脂組成物
JP2952258B1 (ja) 熱安定化された塩化ビニル系樹脂組成物
JP3174569B2 (ja) ポリ塩化ビニル系樹脂組成物
JP2809548B2 (ja) 安定化された塩素含有樹脂組成物
US4224218A (en) Stabilized vinyl chloride polymer comprising a metal mono-organic phosphite
JP3841760B2 (ja) 安定化された塩素含有樹脂組成物
JP2573755B2 (ja) 熱安定化された塩素含有樹脂組成物
JPH0430421B2 (ja)
JP3114021B2 (ja) 含塩素樹脂組成物
JP3457912B2 (ja) 安定化された塩化ビニル系樹脂組成物
JP2781789B2 (ja) 電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物
JP3713270B1 (ja) 混合溶剤及びその混合溶剤を用いた塩素含有樹脂の液状安定剤組成物
JPH07100752B2 (ja) 安定化された塩素含有樹脂組成物
JP2944436B2 (ja) 透明性および色相の改良された塩素含有樹脂組成物
JP2004256762A (ja) 安定化された含ハロゲン樹脂組成物
JPH0625494A (ja) 加工性を改善した塩素含有樹脂組成物