JPH06211887A - 3,4′−ジデオキシデスマイコシン - Google Patents

3,4′−ジデオキシデスマイコシン

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JPH06211887A
JPH06211887A JP5006660A JP666093A JPH06211887A JP H06211887 A JPH06211887 A JP H06211887A JP 5006660 A JP5006660 A JP 5006660A JP 666093 A JP666093 A JP 666093A JP H06211887 A JPH06211887 A JP H06211887A
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dideoxydesmycosin
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Naoki Matsumoto
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武男 吉岡
Hiroshi Nishida
浩史 西田
Rokuro Okamoto
六郎 岡本
Tomio Takeuchi
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    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
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Abstract

(57)【要約】 〔構成〕下記式: 【化1】 で示される3,4′−ジデオキシデスマイコシン。 〔効果〕エリスロマイシンやジョサマイシン等に耐性の
マクロライド系抗生物質耐性菌に対して強い抗菌作用を
示すので、感染症治療剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗生物質3,4′−ジ
デオキシデスマイコシンに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】マクロ
ライド系抗生物質として、ジョサマイシンやエリスロマ
イシンが臨床上広く使用されている。しかし、近年、こ
れらのマクロライド系抗生物質に耐性を示すマクロライ
ド耐性菌が増加傾向を示しており、新しい抗生物質の開
発が望まれている。
【0003】デスマイコシンはタイロシンの生合成中間
体(Antimicrobial Agents and Chemotherapy, Mar. 197
7, p455-461)であり、またタイロシンの加水分解( Anti
biotics and Chemotherapy, vol.11, p328-334, 1961)
によって容易に得ることができる。しかし、本物質は十
分な抗菌活性を示さないことから治療薬として応用され
た例はない。本発明者は、デスマイコシンの誘導体を種
々合成してその抗菌作用を検討し、マクロイライド耐性
菌にも強い抗菌力を有する新規抗生物質として3,4′
−ジデオキシデスマイコシンを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の3,4′−ジデ
オキシデスマイコシンは、以下の式で示される新規抗生
物質である。
【0005】
【化2】 本発明の3,4′−ジデオキシデスマイコシンの製造方
法の一例を、以下の製造スキームに示すが、本発明の
3,4′−ジデオキシデスマイコシンの製造方法は、こ
れらの方法に限定されることはない。スキーム中、Aは
保護されたカルボニル基を示し、Bは保護されたアルデ
ヒド基を示し、protは保護基を示し、Xはハロゲン原子
を示し、R1 は独立にスルホン酸残基を示し、またR2
は低級アルカノイル基を示す。下記スキームの方法によ
れば、容易に入手可能なタイロシンから、本発明の3,
4′−ジデオキシデスマイコシンを効率的かつ収率よく
製造することができる。
【0006】
【化3】
【0007】
【化4】
【0008】
【化5】
【0009】
【化6】
【0010】
【化7】 式(IV)で示されるマイカミノシルタイロノライド誘導
体は、例えばジャーナル・オブ・アンティバイオティク
ス(35, 661, 1982)に記載された方法により、タイロシ
ンを酸無水物で処理して2′−O−アシルタイロシン(I
I)を得、さらに該化合物を保護基で適宜保護して製造す
ることができる。A又はBが表すカルボニル基又はアル
デヒド基の保護基としては当業者に自明なものはいかな
るものを使用してもよいが、例えば、ジメチルアセター
ル(ジメチルケタール)、ジエチルアセタール(ジエチ
ルケタール)、ジエチルチオアセタール(ジエチルチオ
ケタール)、エチレンアセタール(エチレンケター
ル)、プロピレンアセタール(プロピレンケタール)等
のアセタール(又はチオアセタール)又はケタール(又
はチオケタール)等を用いることができる。R2 が示す
低級アルカノイル基としては、例えば、ホルミル基、ア
セチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル
基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ヘキ
サノイル基等の炭素数1〜6の直鎖又は分岐状のアルカ
ノイル基を挙げることができる。また、水酸基の保護基
(prot)としては、当業者に自明なものならばいかなるも
のを使用してもよいが、例えばt−ブチルジメチルシリ
ル、ジメチルセキシルシリル、トリメチルシリル、トリ
エチルシリル、トリ(t−ブチル)シリル等のアルキル
シリル基、トリチル基、テトラヒドロピラニル基、テト
ラヒドロフラニル基、アリル基、アセチル基等の低級ア
ルカノイル基、ベンゾイル基、ベンジル基、メトキシメ
チル基、ベンジルオキシカルボニル基等を使用すること
ができる。
【0011】式(IV)で示される上記のマイカミノシル
タイロノライド誘導体を、例えば置換スルホン酸又はそ
の反応性誘導体等のスルホニル化剤と反応させることに
より、3位及び4′位の水酸基がスルホニル化された式
(V) の化合物を得ることができる。置換スルホン酸とし
ては、ベンジルスルホン酸や、ベンゼン環に1〜3個の
メチル基、エチル基等の置換基を有するベンジルスルホ
ン酸等を好適に使用することができる。また、置換スル
ホン酸の反応性誘導体としては、塩化物、臭化物等のハ
ロゲン化物や酸無水物を使用すればよい。例えばベンジ
ルスルホニルクロライドを用いて反応させると、効率的
に3位及び4′位をスルホニル化することができる。ス
ルホニル化反応は、通常−40℃〜+50℃の温度下に
有機溶媒中で行えばよく、溶媒として、例えばアセトニ
トリル、アセトン、ジメチルスルホキシド、ジオキサ
ン、トルエン、酢酸エチル等を使用すればよい。ピリジ
ン、4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン等
を塩基性触媒及び/又は溶媒としても使用してもよい。
【0012】R1 が表すスルホン酸残基としては、例え
ば、メシル基、エタンスルホニル基、プロピルスルホニ
ル基、イソプロピルスルホニル基、ベンゼンスルホニル
基、トシル基、ベンジルスルホニル基等を挙げることが
でき、さらに具体的には、-OR1が-OSO2R3 で示される場
合、R3 は、例えば低級アルキル基、トリフルオロメチ
ル基、2−オキソ−10−ボルナニイル基、置換又は未置
換のアリル基、若しくは置換又は未置換のアラルキル基
を表す。低級アルキル基としては、例えばメチル基、エ
チル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソ
ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、1−メチルブ
チル基、2−メチルブチル基、ネオペンチル基などを挙
げることができる。置換または未置換のアリル基として
は、フェニル基、p-メトキシフェニル基、p-ニトロフェ
ニル基、p-フルオロフェニル基、p,o-ジフルオロフェニ
ル基、p-クロロフェニル基、m-クロロフェニル基、o-ク
ロロフェニル基、o,p-ジクロロフェニル基、p-ブロモフ
ェニル基、p-メチルフェニル基、m-メチルフェニル基、
o,p-ジメチルフェニル基、m,p-ジメチルフェニル基、ナ
フチル基等を挙げることができる。置換または未置換の
アラルキル基としては、ベンジル基、p-ニトロベンジル
基、o,p-ジニトロベンジル基、p-クロロベンジル基、m-
クロロベンジル基、p-メチルベンジル基、m-メチルベン
ジル基、o-メチルベンジル基、o,p-ジメチルベンジル
基、p-メトキシベンジル基、p-フルオロベンジル基を挙
げることができる。
【0013】上記式(V) の化合物を、例えばアセトン、
2−ブタノン、ジメチルホルムアミド等の不活性溶媒
中、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、臭化リチウ
ム、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチ
ルアンモニウムクロライド等のハロゲン化剤と反応させ
ることにより、選択的に4′位がハロゲン化された式(V
I)で示される化合物を得ることができる。Xが示すハロ
ゲン原子としては、例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ
素原子等のいずれでもよい。通常、ハロゲン化反応は前
記スルホニル残基の種類により−30〜 100℃で行えばよ
い。ハロゲン化の条件によっては、2,3位又は3,4
位が二重結合になった化合物が一部生成する場合がある
が、これらの化合物を次工程の原料化合物として用いて
もよい。
【0014】上記式(VI)で示される化合物をアルカリ条
件下で還元することにより、3位及び4′位を同時に水
素置換して、式(VII) で示される3,4′−ジデオキシ
デスマイコシン誘導体を製造するこができる。該反応
は、例えば、反応に不活性な溶媒中で、触媒存在下に式
(VI)で示される化合物を接触還元することにより行われ
る。アルカリ条件を形成するために用いる塩基として
は、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナト
リウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等、好ましく
は炭酸カリウムを用いることができる。これらの塩基
は、通常、基質となる式(VI)で示される化合物に対して
2〜5モルの割合で使用される。接触還元に使用する触
媒としては、白金、パラジウム、ラネーニッケル等、好
ましくはラネーニッケルを挙げることができる。触媒の
使用量は触媒の種類により異なるが、一般に、基質とな
る式(VI)で示される化合物に対して1/10〜1の割合で使
用すればよい。不活性溶媒としては、メタノール、エタ
ノール、テトラヒドロフラン等の溶媒を挙げることがで
きる。接触還元を行うにあたり、水素の添加圧を、常圧
〜5Kg/cm2、反応温度を、例えば冷却下〜室温、好まし
くは−10〜30℃として反応を行えばよい。これらの条件
は原料化合物や触媒の種類により異なるが、当業者によ
り適宜選択されるものである。
【0015】上記の工程により、式(VI)で示される化合
物の3位及び4′位を同時に水素置換することができ、
これにより、式(VI)の化合物から一段階かつ高収率(ほ
ぼ80%程度)で、式(VII) で示される3,4′−ジデ
オキシデスマイコシン誘導体を得ることができる。この
ようにして得られた式(VII) の化合物は、常法に従って
保護基を除去することにより、本発明の3,4′−ジデ
オキシデスマイコシン又はその塩に変換することができ
る。保護基の除去は、通常、水の存在下に塩酸、硫酸等
の鉱酸で処理するか、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリク
ロル酢酸等の有機酸で処理することにより行えばよい
が、場合によってはジオキサン、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等の溶媒中
でp−トルエンスルホン酸等のアリールスルホン酸、メ
タンスルホン酸等のアルキルスルホン酸等を用いて、室
温〜加熱下で処理することによっても行うことができ
る。
【0016】本発明の方法を用いて得ることができる
3,4′−ジデオキシデスマイコシンは、グラム陽性及
び陰性に属する広範囲の微生物に対して抗菌活性を示す
物質であり、特にエリスロマイシンやジョサマイシンに
耐性のマクロライド耐性菌に対しても優れた抗菌活性を
有するので、抗菌剤として有用である。本発明の3,
4′−ジデオキシデスマイコシンの各種細菌に対する最
小発育素子濃度(MIC) を日本化学療法学会標準法に従っ
て測定した結果を、以下の表1に示す。
【0017】
【表1】 試験菌 A EM JM ─────────────────────────────────── バチルス・ズブチリス 0.05 0.05 0.20 Bacillus subtilis ATCC6633 ミクロコッカス・ルテウス < 0.006 < 0.006 0.012 Micrococcus luteus ATCC9341 スタフィロコッカス・アウレウス 0.024 0.024 0.05 Staphylococcus aureus 209P スタフィロコッカス・アウレウス 0.20 0.10 1.56 Staphylococcus aureus Smith スタフィロコッカス・エピデルミディス 0.05 0.05 0.39 Staphylococcus epidermidis ATCC12228 スタフィロコッカス・アウレウス 0.10 100 0.78 Staphylococcus aureus MS8710* スタフィロコッカス・アウレウス 0.05 > 100 0.20 Staphylococcus aureus MS11593 * スタフィロコッカス・アウレウス 0.05 > 100 > 100 Staphylococcus aureus MS11598 * スタフィロコッカス・アウレウス 0.39 > 100 100 Staphylococcus aureus MS11612 * スタフィロコッカス・アウレウス 0.78 > 100 > 100 Staphylococcus aureus KS24 * ─────────────────────────────────── A :3,4′−ジデオキシデスマイコシン; EM:エリスロマイシン; JM:ジョサマイシン *印の試験菌はマクロライド系抗生物質耐性臨床分離株
を示す。 本発明の3,4′−ジデオキシデスマイコシンは、好ま
しくは、有効成分として医薬用組成物に配合され、感染
症の治療剤として患者に投与される。本発明の3,4′
−ジデオキシデスマイコシンを有効成分として含む医薬
組成物は、通常、カプセル剤、錠剤、細粒剤、顆粒剤、
散剤、シロップ剤等の経口投与剤、あるいは注射剤、坐
剤、点眼剤、眼軟膏、点耳剤又は外皮用剤として調製さ
れる。これらの医薬用組成物は常法により製造でき、必
要により崩壊剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、基
剤、溶解補助剤、等張化剤、安定化剤、pH調節剤等の薬
理学的、製剤学的に許容しうる周知の添加物を加えても
よい。本発明の3,4′−ジデオキシデスマイコシンの
投与量は、投与経路や感染起因菌の種類等により種々変
化させてもよいが、一般に成人の患者に一日当たり50
〜1000mg程度で1回又は数回に分けて投与すればよ
い。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されること
はない。 2′−O−アセチルデスマイコシン 9,20−ビス
(エチレンアセタール)の製造
【0019】
【化8】 2′−O−アセチルタイロシン23.7gをトルエン10
0mlに懸濁、続いてオルト蟻酸エチル12.36g(83.
5mmol)、エチレングリコール12.95g(208.8mm
ol)及びカンファースルホン酸6.30g(27.1mmol)
を加えると均一溶液になった。この溶液を50℃で2時
間攪拌後、反応液を5%重曹水100ml、水100ml、
10%食塩水で洗浄した。有機層は無水硫酸ナトリウム
で乾燥後減圧乾固すると、トルエン/アセトン(1/
1)展開のシリカゲルTLCにてRf値0.49に硫酸呈色
陽性の表題化合物が20.20g得られた。
【0020】UV(MeOH)λmax;235nm IR(KBr) νmax;3470,2975,2938,2882,1746,1236,1169,1
084,961 cm-1 NMR(CDCl3); 主要ピークのみを表す δ;0.78(3H,bs,H-18), 0.93(3H,t,J=7.3Hz,H-17),1.01
(3H,d,J=6.6Hz,H-21), 1.26(3H,d,J=6.2Hz,H-6″),1.32
(3H,d,J=6.2Hz, H-6′), 1.70(3H,s,H-22),2.01(3H,s,O
COCH3-2′), 2.39[6H,s,N(CH3)2-3′],3.05(1H,t,J=9.5
Hz, H-4′), 3.18(1H,bd,J=7.0Hz, H-4″),3.49(3H,s,O
CH3-2″),3.62(3H,s,OCH3-3″),4.55(1H,d,J=8.1Hz,H-1
″),4.64(1H,br,H-1′), 4.96(1H,m,H-20), 4.96(1H,
m,H-15),5.03(1H,dd,J=10.6&7.7Hz, H-2′), 5.42(1H,
d,J=10.6Hz,H-13),5.64(1H,d,J=15.8Hz,H-10), 6.37(1
H,d,J=15.8Hz,H-11) FAB-MS;902(M+H)+ 2′−O−アセチル−4″−O−トリメチルシリルデス
マイコシン 9,20−ビス(エチレンアセタール)の
製造
【0021】
【化9】 2′−O−アセチルデスマイコシン 9,20−ビス
(エチレンアセタール)18.9g(20.9mmol)をトル
エン94mlに溶解後ピリジン2.52ml(31.2mmol)を
加え、−5℃に冷却した。この溶液に塩化トリメチルシ
ラン3.42ml(27mmol)を滴下し、同温度で80分間
反応させた。反応液を5%重曹水150ml、10%食塩
水150mlで洗浄後無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有
機層を減圧濃縮すると、トルエン/アセトン(1/1)
展開のシリカゲルTLCにてRf値0.57に硫酸呈色陽性
の表題化合物が20.64g得られた。
【0022】UV(MeOH)λmax;235nm IR(KBr) νmax;3520,2973,2884,1748,1713,1373,1236,1
171,1100,966,882,841cm-1 NMR(CDCl3); 主要ピークのみを表す δ;0.17[9H,s,Si(CH3)3], 0.77(3H,bs,H-18), 0.91(3H,
t,J=7.3Hz,H-17),1.01(3H,d,J=6.6Hz,H-21), 1.18(3H,
d,J=6.2Hz,H-6″),1.32(3H,d,J=5.9Hz, H-6′), 1.69(3
H,d,J=0.7Hz,H-22),2.01(3H,s,OCOCH3-2′), 2.38[6H,
s,N(CH3)2-3′],2.59(1H,t,J=10.3Hz, H-3 ′), 3.05(1
H,t,J=9.9Hz, H-4 ′),3.28(1H,dd,J=9.2&2.6Hz,H-
4″), 3.49(3H,s,OCH3-2″),3.60(3H,s,OCH3-3″), 4.
59(1H,d,J=7.7Hz,H-1″),4.64(1H,br,H-1′), 4.95(1H,
m,H-20), 4.96(1H,m,H-15),5.03(1H,dd,J=10.6&7.7Hz,
H-2′), 5.42(1H,d,J=10.6Hz,H-13),5.62(1H,d,J=15.8H
z,H-10), 6.36(1H,d,J=15.8Hz,H-11) FAB-MS;974(M+H)+ 2′−O−アセチル−3,4′−ジ−O−メタンスルホ
ニル−4″−O−トリメチルシリル−デスマイコシン
9,20−ビス(エチレンアセタール)の製造
【0023】
【化10】 2′−O−アセチル−4″−O−トリメチルシリルデス
マイコシン 9,20−ビス(エチレンアセタール)1
0.07g(10.3mmol)をトルエン50mlに溶解後トリ
エチルアミン7.20ml(51.7mmol)を加え−15℃に
冷却した。この溶液にメタンスルホニルクロリド2.8ml
(36.2mmol)を加え、−10℃にて1時間反応させ
た。反応液にトルエン40mlを加え、有機層を水80m
l、5%重曹水40ml、10%食塩水40mlで洗浄後無
水硫酸ナトリウムにて乾燥した。有機層を減圧乾固する
と、トルエン/アセトン(3/1)展開のシリカゲルT
LCにてRf値0.55に硫酸呈色陽性の表題化合物が12.
94g得られた。この化合物は不安定なため即座に次の
反応に供した。
【0024】NMR(CDCl3); 主要ピークのみを表す δ;0.16[9H,s,Si(CH3)3], 0.88(3H,d,J=7.3Hz,H-18),0.
92(3H,t,J=7.3Hz,H-17), 1.02(3H,d,J=6.6Hz,H-21),1.1
8(3H,d,J=6.2Hz, H-6″), 1.35(3H,d,J=5.9Hz,H-6′),
1.69(3H,d,J=0.7Hz, H-22), 2.04(3H,s,OCOCH3-2′),2.
39[6H,s,N(CH3)2-3 ′],2.93(1H,t,J=10.3Hz,H-3′),3.
10(3H,s,OMs),3.14(3H,s,OMs), 3.28(1H,dd,J=9.5&2.6H
z,H-4″),3.47(3H,s,OCH3-2″),3.59(3H,s,OCH3-3″),
4.22(1H,t,J=9.9Hz,H-4′),4.57(1H,d,J=7.7Hz,H-1
″), 4.60(1H,br,H-1 ′), 4.75(1H,br,H-3),4.93(1H,
m,H-15), 4.96(1H,m,H-20), 5.03(1H,dd,J=10.3&8.0Hz,
H-2 ′),5.47(1H,d,J=11.0Hz,H-13), 5.54(1H,d,J=15.8
Hz,H-10),6.34(1H,d,J=15.8Hz,H-11) FAB-MS; 1130(M+H)+ 2′−O−アセチル−4′−デオキシ−4′−ヨード−
3−O−メタンスルホニル−4″−O−トリメチルシリ
ルデスマイコシン 9,20−ビス(エチレンアセター
ル)の製造
【0025】
【化11】 2′−O−アセチル−3,4 ′−ジ−O−メタンスルホ
ニル−4″−O−トリメチルシリルデスマイコシン
9,20−ビス(エチレンアセタール)12.94g(1
1.5mmol)をメチルエチルケトン60mlに溶解し、ヨウ
化ナトリウム2.58g(17.2mmol)を加えて暗所で8
5℃、1時間反応させた。反応液を室温に冷却後析出物
を濾別し、沈殿物をトルエン5mlで洗浄した。洗浄液と
母液とを合わせ減圧濃縮後トルエン60ml及び水60ml
を加えて分液した。有機層を10%チオ硫酸ナトリウム
40ml、水40mlで洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾
燥、減圧濃縮乾固すると、トルエン/アセトン(4/
1)展開のシリカゲルTLCにてRf値0.51に硫酸呈色
陽性の表題化合物が10.73g得られた。
【0026】UV(MeOH)λmax;235nm IR(KBr) νmax;3443,2973,2940,2886,1746,1360,1233,1
173,1101,1049,966,909,882,843 cm-1 NMR(CDCl3); 主要ピークのみを表す δ;0.16[9H,s,Si(CH3)3], 0.89(3H,d,J=7.3Hz,H-18),0.
92(3H,t,J=7.3Hz,H-17), 1.02(3H,d,J=7.0Hz,H-21),1.1
8(3H,d,J=6.2Hz,H-6 ″), 1.51(3H,d,J=5.9Hz, H-6
′),1.69(3H,d,J=0.7Hz,H-22), 2.02(3H,s,OCOCH3-2
′),2.42[6H,s,N(CH3)2-3 ′], 3.12(3H,s,OMs-3), 3.
47(3H,s,OCH3-2 ″),3.59(3H,s,OCH3-3″), 4.57(1H,d,
J=8.1Hz,H-1″),4.57(1H,br,H-1′),4.77(1H,br,H-3),
4.91(1H,dd,J=9.9&7.3Hz, H-2′), 4.93(1H,m,H-15),4.
98(1H,br,H-20), 5.47(1H,d,J=10.6Hz,H-13),5.54(1H,
d,J=15.8Hz,H-10), 6.34(1H,d,J=15.8Hz,H-11) FAB-MS; 1162(M+H)+ 2′−O−アセチル−3,4′−ジデオキシデスマイコ
シン 9,20−ビス(エチレンアセタール)の製造
【0027】
【化12】 2′−O−アセチル−4′−デオキシ−4′−ヨード−
3−O−メタンスルホニル−4″−O−トリメチルシリ
ルデスマイコシン 9,20−ビス(エチレンアセター
ル)10.70g(9.2mmol)をメタノール50mlに溶解
し、炭酸カリウム3.82g(27.6mmol)、続いてラネ
ーニッケル(川研ファインケミカル株NDT−65)湿
重量6.4g(5ml)のメタノール8ml懸濁液を加え、水
素圧3Kg/cm2 にて2時間接触還元を行なった。触媒を
セライトにて濾別後母液を減圧濃縮した。残査に酢酸エ
チル100ml、水100mlを加え、分液した。有機層は
20%食塩水100mlで洗浄後減圧濃縮した。濃縮液に
無水酢酸0.86mlを加え室温で1.5時間反応させた後5
%重曹水30ml、20%食塩水30mlで洗浄した。有機
層は無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧乾固すると、クロ
ロホルム/メタノール(10/1)展開のシリカゲルT
LCにてRf値0.44に硫酸呈色陽性の表題化合物が7.4
6gが得られた。
【0028】UV(MeOH)λmax;235nm IR(KBr) νmax;3476,2973,2938,2882,1744,1373,1238,1
167,1061,961cm-1 NMR(CDCl3); 主要ピークのみを表す δ;0.82(3H,bd,J=5.5Hz,H-18), 0.92(3H,t,J=7.3Hz,H-1
7),1.00(3H,d,J=6.6Hz,H-21), 1.23(3H,d,J=6.2Hz,H-
6′),1.26(3H,d,J=6.2Hz,H-6 ″), 1.35(1H,m,H-4′a),
1.71(1H,m,H-4 ′b),1.73(3H,d,J=1.1Hz,H-22), 2.04
(3H,s,OCOCH3-2 ′),2.26[6H,s,N(CH3)2-3 ′], 2.68(1
H,ddd,J=12.3&10.4&4.4Hz,H-3′),3.18(1H,br,H-4″),
3.48(3H,s,OCH3-2 ″), 3.61(3H,s,OCH3-3 ″),4.31(1
H,d,J=7.7Hz,H-1 ″), 4.55(1H,d,J=7.7Hz,H-1″),4.80
(1H,dd,J=10.4&7.7Hz,H-2 ′), 4.90(1H,m,H-15),4.95
(1H,bt,J=5.1Hz,H-20), 5.42(1H,d,J=10.6Hz,H-13),5.6
2(1H,d,J=15.8Hz,H-10), 6.36(1H,d,J=15.8Hz,H-11) FAB-MS;870(M+H)+ 3,4′−ジデオキシデスマイコシンの製造 2′−O−アセチル−3,4′−ジデオキシデスマイコ
シン 9,20−ビス(エチレンアセタール)211mg
をアセトン0.5mlに溶解後、0.1N塩酸2.5mlを加えて
50℃で4時間反応させた。クロロホルム5mlを加えて
有機層を5%重曹水3ml、10%食塩水5mlで洗浄し
た。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後に減圧乾
固し、脱アセタール体177mgを得た。この化合物をメ
タノール1.77mlに溶解し、60℃で1.5時間反応させ
た後、室温で16時間放置した。反応液を減圧乾固した
後、残渣を少量のクロロホルムに溶解し、シリカゲル
(12g)のカラムに吸着させ、クロロホルム、クロロ
ホルム/メタノール(10/1)で溶出した。クロロホルム
/メタノール(5/1)展開のシリカゲルTLCでRf値0.
36に硫酸呈色を示す画分を集めて減圧固化し、表題化
合物70mgを得た。
【0029】UV(MeOH)λmax;283nm IR(KBr) νmax;3457,2969,2936,2880,1726,1678,1593,1
456,1381,1314,1167,1078,986cm -1 NMR(CDCl3); 主要ピークのみを表す δ;0.93(3H,t,J=7.3Hz,H-17), 1.03(3H,d,J=6.6Hz,H-1
8),1.20(3H,d,J=6.2Hz,H-6'),1.21(3H,d,J=6.6Hz,H-2
1),1.25(1H,m,H-4'a),1.26(1H,d,J=6.2Hz,H-6 ″), 1.3
0(1H,m,H-3a), 1.41(1H,m,H-3b),1.71(1H,m,H-4'b), 1.
81(3H,d,J=1.1Hz,H-22),2.32[6H,s,N(CH3)2-3 ′], 3.4
8(3H,s,OCH3-2 ″),3.61(3H,s,OCH3-3″), 4.19(1H,d,J
=7.3Hz,H-1'),4.56(1H,d,J=7.7Hz,H-1 ″), 4.91(1H,m,
H-15),5.89(1H,d,J=10.3Hz,H-13), 6.32(1H,d,J=15.2H
z,H-10),7.31(1H,d,J=15.2Hz,H-11), 9.69(1H,s,H-20) FAB-MS;740(M+H)+
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、抗菌剤として有用な
3,4′−ジデオキデスマイコシンが提供される。該化
合物は、エリスロマイシンやジョサマイシン等に耐性の
マクロライド系抗生物質耐性菌に対して強い抗菌作用を
示すので、感染症治療剤として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西田 浩史 神奈川県横須賀市津久井568 グリーンハ イツ11−3−503 (72)発明者 岡本 六郎 神奈川県藤沢市花の木2−18 (72)発明者 竹内 富雄 東京都品川区東五反田5−1−11 701− A

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式: 【化1】 で示される3,4′−ジデオキシデスマイコシン。
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