JPH06211871A - 新規ペネム、該化合物を含有する抗菌性薬学的組成物及び該化合物を製造するための中間体 - Google Patents

新規ペネム、該化合物を含有する抗菌性薬学的組成物及び該化合物を製造するための中間体

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JPH06211871A
JPH06211871A JP5250437A JP25043793A JPH06211871A JP H06211871 A JPH06211871 A JP H06211871A JP 5250437 A JP5250437 A JP 5250437A JP 25043793 A JP25043793 A JP 25043793A JP H06211871 A JPH06211871 A JP H06211871A
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JP
Japan
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formula
compound
group
carboxy
compounds
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JP5250437A
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Patrice J Siret
ジャン シーレ パトリス
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AstraZeneca SAS
Syngenta Ltd
Original Assignee
Zeneca Pharma SA
Zeneca Ltd
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Publication date
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    • C07D403/00Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D401/00
    • C07D403/02Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D401/00 containing two hetero rings
    • C07D403/12Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D401/00 containing two hetero rings linked by a chain containing hetero atoms as chain links
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04Antibacterial agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D409/00Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, at least one ring having sulfur atoms as the only ring hetero atoms
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    • C07D499/00Heterocyclic compounds containing 4-thia-1-azabicyclo [3.2.0] heptane ring systems, i.e. compounds containing a ring system of the formula:, e.g. penicillins, penems; Such ring systems being further condensed, e.g. 2,3-condensed with an oxygen-, nitrogen- or sulfur-containing hetero ring
    • C07D499/88Compounds with a double bond between positions 2 and 3 and a carbon atom having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. an ester or nitrile radical, directly attached in position 2
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F9/00Compounds containing elements of Groups 5 or 15 of the Periodic Table
    • C07F9/02Phosphorus compounds
    • C07F9/547Heterocyclic compounds, e.g. containing phosphorus as a ring hetero atom
    • C07F9/553Heterocyclic compounds, e.g. containing phosphorus as a ring hetero atom having one nitrogen atom as the only ring hetero atom
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 新規ペネム化合物及びその製造法の提供。 【構成】 式(I)て示される化合物又は該化合物の薬
学的認容性塩又は生体内加水分解性エステル及びその製
造方法。 [式中、Rは−CH(OH)−CH,−CH(F)
−CH,−CH−CH;RはH,C1−4アル
キル;Aは(置換)フェニル、(置換)チエニル;Zは
−COOH,−SOH、テトラゾール−5−イル、−
CO−NH−SO(RはC1−4アルキル);
である。] 【効果】 該化合物は細菌感染の治療に有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ペネム(pene
m)、特にカルボキシ置換されたフェニル又はチエニル
基を有するこのような化合物に関する。さらに本発明
は、これらの化合物の製造方法、該化合物の製造におけ
る中間体、これらの化合物を治療剤として使用すること
及びこれらの化合物を含有する薬学的組成物に関する。
本発明の化合物は抗生物質であり、従来抗生物質によっ
て治療されている疾病の治療、例えばヒトを含む哺乳動
物における細菌感染の治療において使用することができ
る。
【0002】本発明方法は、グラム陽性及び陰性の、好
気及び嫌気細菌に対する広域抗菌性を有する化合物を提
供する。さらに本発明の代表的化合物は、好ましい薬物
動態を呈する。
【0003】本発明で記載するペネム誘導体は、一般に
認められた半系統的命名法により命名される:
【0004】
【化10】
【0005】
【発明の開示】本発明は、式(I):
【0006】
【化11】
【0007】[式中、R1は1−ヒドロキシエチル、1
−フルオロエチル又はヒドロキシエチルであり;R2
水素又はC1-4アルキルであり;Zはカルボキシ、スル
ホン酸、テトラゾール−5−イル又はC1-4アルキルス
ルホニルカルバモイル(−CONHSO21-4アルキ
ル)であり;Aはフェニル又はチエニル環であり;かつ
かつAは場合によりさらに、ハロゲン、シアノ、C1-4
アルキル、ニトロ、ヒドロキシ、カルボキシ、C1-4
ルコキシ、トリフルオロメチル、C1-4アルコキシカル
ボニル、アミノ、C1-4アルキルアミノ、ジ−C1-4アル
キルアミノ、スルホン酸、C1-4アルキルS(O)n−
(nは0−2である)、C1-4アルカノイルアミノ、C
1-4アルカノイル(N−C1-4アルキル)アミノ、カルバモ
イル、C1-4アルキルカルバモイル、ジ−C1-4アルキル
カルバモイル、N−C1-4アルカンスルホンアミド及び
テトラメチレンから選択された1又は2個の置換基によ
って置換されている]で示される化合物又は該化合物の
薬学的認容性塩又は生体内加水分解性エステルを提供す
る。
【0008】アルキルという用語は、すべて直鎖及び枝
分れ鎖構造を包含し、例えばC1-4アルキルはn−ブチ
ル及び2−メチルプロピルを包含する。
【0009】R1は好ましくは1−ヒドロキシエチルで
ある。
【0010】R2は水素又はC1-4アルキル、例えばメチ
ル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル及びn−
ブチルである。
【0011】R2は好ましくは水素又はメチルである。
【0012】Zは好ましくはカルボキシである。
【0013】Aが場合により置換されている場合には、
任意の置換基は好ましくは、ハロゲン、シアノ、C1-4
アルキル、ニトロ、カルボキシ、ヒドロキシ、C1-4
ルコキシ、カルバモイル、アミノ及びトリフルオロメチ
ルから選択される。
【0014】Aの適当な置換基は、例えば次のとおりで
ある:ハロゲン:弗素、塩素、臭素及び沃素;C1-4
ルキル:メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチ
ル、ブチル及び2−メチルプロピル;C1-4アルコキ
シ:メトキシ、エトキシ、プロポキシ、1−メチルエト
キシ、ブトキシ及び2−メチルプロポキシ;C1-4アル
キルカルバモイル:メチルカルバモイル、エチルカルバ
モイル及びプロピルカルバモイル;ジ−C1-4アルキル
カルバモイル:ジメチルカルバモイル及びジエチルカル
バモイル;C1-4アルキルアミノ:メチルアミノ、エチ
ルアミノ及びプロピルアミノ;ジ−C1-4アルキルアミ
ノ:ジメチルアミノ、ジエチルアミノ及びメチルエチル
アミノ;C1-4アルキルS(O)n−メチルチオ、メチ
ルスルフィニル及びメチルスルホニル;C1-4アルカノ
イルアミノ:アセトアミド及びプロピオンアミド;C
1-4アルカノイル(N−C1-4アルキル)アミノ:N−メ
チルアセトアミド及びN−エチルアセトアミド;N−C
1-4アルカンスルホンアミド:N−メタンスルホンアミ
ド及びN−エタンスルホンアミド。
【0015】本発明は、式(I)の化合物のすべてのエ
ピマー、ジアステレオマー及び互変異性体の形を包含す
る。この際5位における絶対立体配置は式(I)で図示
したとおりである。結合がくさびとして表わしてある場
合には、この結合は、三次元において紙から前方に来る
ことを示す。結合が平行細線で示されている場合には、
この結合は、三次元において紙の裏側にいくことを示
す。式(I)の化合物は、多数の他の光学活性中心を有
している、すなわちR1基内(R1が1−ヒドロキシエチ
ル又は1−フルオロエチルである場合);6位;及びピ
ロリドン環:
【0016】
【化12】
【0017】における2′及び4′位に同中心を有す
る。
【0018】有利な化合物は、β−ラクタム陽子がその
中で相互にトランス配置で存在する化合物である。R1
が1−ヒドロキシエチル又は1−フルオロエチルである
場合には、8位の置換基がR−配置を有するのが好まし
い。すなわち有利な種類の化合物は、式(III):
【0019】
【化13】
【0020】[式中R2,Z,A及びAにおける任意の
置換基は前記定義のものを表わす]で示される化合物及
び該化合物の薬学的認容性塩及び生体内加水分解性エス
テルである。
【0021】有利な化合物は、ピロリジン環が分子内で
2′−及び4′位で次の絶対立体配置:
【0022】
【化14】
【0023】を有する化合物である。
【0024】本発明の適当な種類の化合物は、式(I
V):
【0025】
【化15】
【0026】[式中R2,Z,A及びAにおける任意の
置換基は式(I)に関して定義したものを表わす]で示
される化合物及び該化合物の薬学的認容性塩及び生体内
加水分解性エステルである。
【0027】他の態様では、適当な種類の化合物は、式
(IV)においてR2が水素、メチル又はエチルであ
り、Z,A及びAにおける任意の置換基が式(I)で定
義したものを表わす化合物である。
【0028】さらに他の態様では、適当な種類の化合物
は、式(IV)においてAが場合によりさらに、メチ
ル、エチル、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、フルオ
ロ、クロロ、ブロモ、カルバモイル、ニトロ、テトラメ
チレン、メトキシ、エトキシ及びプロポキシから選択さ
れた1又は2個の置換基によって置換されており;Z,
A及びR2が式(I)に関して定義したものを表わす化
合物である。
【0029】本発明の特別な種類の化合物は、式(I
V)において、R2が水素又はメチルであり;Aがチエ
ニル又はフェニルであり;Zが前記定義のものを表わ
し;Aが場合によりさらに、メチル、エチル、ヒドロキ
シ、カルボキシ、シアノ、クロロ、ブロモ、ニトロ、メ
トキシ及びエトキシから選択された1個の置換基によっ
て置換されている化合物である。
【0030】本発明の有利な種類の化合物は、式(I
V)において、R2は水素であり;Aはチエニル又はフ
ェニルであり;Zはカルボキシであり;Aは場合により
さらに、メチル、ヒドロキシ、クロロ及びカルボキシか
ら選択された1個の置換基によって置換されている化合
物である。
【0031】本発明の他の有利な種類の化合物は、式
(IV)において、R2は水素であり、Aはチエニルで
あり、Zはカルボキシであり、Aはさらに置換されてい
るか又は未置換である化合物である。
【0032】本発明の他の有利な化合物は、式(IV)
において、R2は水素であり;Aはフェニルであり;Z
はカルボキシであり、Aはさらに置換されているか又は
未置換である化合物である。
【0033】本発明の特別な化合物は、例えば式(I
V)で示される次の化合物:(5R,6S,8R,2′
S,4′S)−2−(2−(2−カルボキシ−4−チエ
ニルカルバモイル)ピロリジン−4−イルチオ)−6−
(1−ヒドロキシエチル)ペン−2−エム−3−カルボ
ン酸;(5R,6S,8R,2′S,4′S)−2−
(2−(3−カルボキシフェニルカルバモイル)ピロリ
ジン−4−イルチオ)−6−(1−ヒドロキシエチル)
ペン−2−エム−3−カルボン酸;(5R,6S,8
R,2′S,4′S)−2−(2−(2−カルボキシ−
5−チエニルカルバモイル)ピロリジン−4−イルチ
オ)−6−(1−ヒドロキシエチル)ペン−2−エム−
3−カルボン酸及びこれらの化合物の薬学的認容性塩及
び生体内加水分解性エステルである。
【0034】適当な薬学的認容性塩は、酸付加塩、すな
わち塩化水素酸塩、臭化水素酸塩、クエン酸塩、マレイ
ン酸塩及び燐酸及び硫酸で形成された塩である。他の態
様では、適当な塩は塩基塩、すなわちアルカリ金属塩、
例えばナトリウム塩又はカリウム塩、アルカリ土類金属
塩、例えばカルシウム塩又はマグネシウム塩、有機アミ
ン塩、例えばトリエチルアミン、モルホリン、N−メチ
ルピペリジン、N−エチルピペリジン、プロカイン、ジ
ベンジルアミン、N,N−ジベンジルエチルアミンの塩
又はアミノ酸例えばリシンの塩である。
【0035】もちろん、1、2又は3個の塩形成陽イオ
ンが存在していてもよく、これらイオンはカルボン酸官
能基の数及びそれらのイオン価に依存している。
【0036】有利な薬学的認容性塩は、ナトリウム塩及
びカリウム塩である。しかし、製造中の塩の単離を容易
にするためには、選択された溶剤中であまり溶けない塩
が、薬学的に認容性であってもなくても有利である。
【0037】生体内加水分解性エステルは、ヒトの体内
で加水分解して原ヒドロキシ又はカルボキシ化合物を生
成する薬学的認容性塩である。このようなエステルは、
被検化合物を実験動物に例えば静脈内投与し、次に実験
動物の体液を検査することによって同定することができ
る。
【0038】ヒドロキシに関する適当な生体内加水分解
性エステルは、アセトキシ、ピロピオニルオキシ、ピバ
ロイルオキシ、C1-4アルコキシカルボニルオキシ例え
ばエトキシカルボニルオキシ、フェニルアセトキシ及び
フタリジルエステルである。カルボキシに関する適当な
生体内加水分解性エステルは、C1-6アルコキシメチル
エステル例えばメトキシメチルエステル;C1-6アルカ
ノイルオキシメチルエステル例えばピバロイルオキシメ
チルエステル;C3-8シクロアルコキシカルボニルオキ
シC1-6アルキル例えば1−シクロヘキシルオキシカル
ボニルオキシエチル;1,3−ジオキソレン−2−オン
イルメチルエステル例えば5−メチル−1,3−ジオキ
ソレン−2−オンイルメチルエステル;ブタリジルエス
テル及びC1-6アルコキシカルボニルオキシエチルエス
テル例えば1−エトキシカルボニルオキシエチルであ
り、本発明の化合物中の任意のカルボキシ基において形
成されうる。
【0039】式(I)の化合物又は該化合物の薬学的認
容性塩又は生体内加水分解性エステルをヒトを含む哺乳
動物の治療用に、特に感染治療で使用するためには、こ
れらの化合物を、通常は標準の薬学的プラクチスにより
薬学的組成物として処方する。
【0040】従って本発明の他の態様では、式(I)の
化合物又は該化合物の薬学的認容性塩又は生体内加水分
解性エステル及び薬学的認容性キャリアーを含有する薬
学的組成物を提供する。
【0041】本発明の薬学的組成物は、症状に対する標
準的方法で投与することができる。すなわち例えば経
口、直腸又は非経口投与によって治療するのが望まし
い。これらの目的のために、技術上周知の方法によって
処方して、例えば錠剤、カプセル、水性又は油性溶液又
は懸濁液、エマルジョン、分散性粉末、坐薬及び無菌注
射可能の水性又は油性溶液又は懸濁液にすることができ
る。
【0042】本発明の化合物は、該化合物を単独に乾燥
配合混合物として含有していてよい、乾燥粉末の入った
小瓶として製剤することもできる。例えば本発明の酸性
化合物を、アルカリ金属炭酸塩又は重炭酸塩と乾式配合
することができる。本発明の化合物を単独に又は標準賦
形剤との混合物として、凍結乾燥して調剤にすることも
可能である。標準賦形剤は、構造形成剤、凍結保護剤及
びpH調節剤、すなわちマニトール、ソルビトール、ラ
クトース、グルコース、塩化ナトリウム、デキストラ
ン、スクロース、マルトース、ゼラチン、ウシ血清アル
ブミン(BSA)、グリシン、マンノース、リボース、
ポリビニルピロリジン(PVP)、セルロース誘導体、
グルタミン、イノシトール、グルタミン酸カリウム、エ
リトリトール、セリン及び他のアミノ酸及び緩衝剤、例
えば燐酸水素二ナトリウム及びクエン酸カリウムであ
る。
【0043】また本発明の薬学的組成物は、本発明の化
合物の他に、他の臨床的に有用な抗菌剤(例えば他のβ
−ラクタム又はアミノグリコシド)、β−ラクタマーゼ
の阻害剤(例えばクラバラン酸)、腎管阻止剤(例えば
プロベネシッド)及び代謝酵素阻害剤(例えばデヒドロ
ペプチターゼ、例えばZ−2−アシルアミノ−3−置換
プロペノエート、すなわちシラスタチン)及びN−アシ
ル化アミノ酸すなわちベタミプロンも含有するか又は同
時に投与してもよい(ヨーロッパ特許出願公開第178
911号明細書も参照されたい)。
【0044】本発明の適当な薬学的組成物は、本発明の
化合物100mg〜1gを含有する単位用量形、例えば
錠剤又はカプセルの形の、経口投与用に適当な組成物で
ある。
【0045】本発明の有利な薬学的組成物は、静脈内、
皮下又は筋肉内注射用に適したもの、例えば本発明の化
合物1〜50%w/wを含有する無菌注射可能の組成物
である。
【0046】水中の1%溶液としての組成を有し、凍結
乾燥してありかつ0.9%塩化ナトリウム水溶液を加え
ることによって調合してある、組成物の特定な例は次の
とおりである: 組成物1 例1の化合物 50mg 組成物2 例1の化合物 50mg グリシン 31mg 他の特定な組成物例は、例1の化合物が例2又は3の化
合物と変換される以外は上記のとおりである。
【0047】本発明の薬学的組成物は、通常は、細菌に
よって惹起された感染を治療するために、イミペネム
(imipenem)に対して用いたのと同じ一般的方
法でヒトに投与し、この際本発明の化合物の薬物動態の
ための用量水準に関しては、イミペネムの臨床的使用と
比較して十分考量する。すなわち患者は、本発明の化合
物0.05〜5g、好ましくは0.1〜2.5gの静脈
内、皮下又は筋肉内用量の投与を毎日受け、組成物は1
日1〜4回、好ましくは1又は2回投与する。静脈内、
皮下及び筋肉内用量は注射によって投与することができ
る。また静脈内用量は一定時間の間連続的な注入によっ
て投与してもよい。また患者は、毎日の非経口用量にほ
ぼ等しい毎日の経口用量を投与されてもよい。すなわち
適当な毎日の経口用量は本発明の化合物0.05〜5g
であり、組成物は毎日1〜4回投与される。
【0048】本発明は、他の態様で式(I)の化合物又
は該化合物の薬学的認容性塩又は生体内加水分解性エス
テルを製造する方法も提供する。該方法は、式(V):
【0049】
【化16】
【0050】[式中Aは式(I)におけるように任意に
置換されており;Aは前記定義のものを表わし;R10
2基又はアミノ保護基であり;R13はR1基、保護され
たヒドロキシメチル基又は1−(保護されたヒドロキ
シ)エチルであり;R11は水素又はカルボキシ保護基で
あり;R12は水素又はアミノ保護基であり;R18はZ又
は保護されたZ基であり、Aにおける任意の置換基は任
意に保護されており、少なくとも1個の保護基が存在し
ている]で示される化合物を脱保護し、次に必要の場合
には (i) 薬学的認容性塩を形成し; (ii) エステル化して生体内加水分解性エステルを
形成する を特徴としている。
【0051】保護基は、一般に、文献に記載されている
か又は当業者に周知であって、当該基の保護のために適
当な任意の基から選択することができ、慣用方法によっ
て導入することができる。
【0052】保護基は、文献に記載されているか又は当
業者に周知であり、当該の保護基の除去のために適当な
任意の慣用方法によって除去することができ、このよう
な方法は、分子中の他の基に対する妨害を最小限に抑え
て保護基の除去を行うように選択する。
【0053】式(V)の化合物は新規であって、本発明
の他の態様を形成する。
【0054】保護基の特定の例は、便宜のために次に記
載するが、基中の“低級”は、適用される基が好ましく
は炭素原子1〜4個を有することを意味する。これらの
例がすべてを網羅しているのではないことは明らかであ
る。保護基を除去するための方法の特定の例も下記する
が、この場合にもこれらの例はすべてを網羅しているわ
けではない。特に言及しなかった保護基の使用及び脱保
護の方法ももちろん本発明の範囲内である。
【0055】カルボキシ保護基は、エステル形成脂肪族
又はアル脂肪族アルコール又はエステル形成シラノール
(前記アルコール又はシラノールは好ましくは炭素原子
1〜20個を有する)の残基であってよい。
【0056】カルボキシ保護基の例は、直鎖又は枝分れ
鎖(1−12C)アルキル基(例えばイソプロピル、t
−ブチル);低級アルコキシ低級アルキル基(例えばメ
トキシメチル、エトキシメチル、イソブトキシメチ
ル);低級脂肪族アシルオキシ低級アルキル基(例えば
アセトキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブチリ
ルオキシメチル、ピバロイルオキシメチル);低級アル
コキシカルボニルオキシ低級アルキル基(例えば1−メ
トキシカルボニルオキシエチル、1−エトキシカルボニ
ルオキシエチル);アリール低級アルキル基(例えばp
−メトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロ
ベンジル、ベンズヒドリル及びフタリジル);トリ(低
級アリル)シリル基(例えばトリメチルシリル及びt−
ブチルジメチルシリル);トリ(低級アルキル)シリル
低級アルキル基(例えばトリメチルシリルエチル);ジ
アリール(低級アルキル)シリル基(例えばt−ブチル
ジフェニルシリル);及び(2−C)アルケニル基(例
えばアリル及びビニルエチル)である。
【0057】カルボキシル保護基を除去するために特に
適当な方法は、例えば酸−、塩基−、金属−又は酵素触
媒加水分解、p−ニトロベンジルオキシ−カルボニルの
ような基については水素添加及びo−ニトロベンジルオ
キシカルボニルのような基については光分解である。
【0058】ヒドロキシ保護基の例は、低級アルケニル
基(例えばアリル);低級アルカノイル基(例えばアセ
チル);低級アルコキシカルボニル基(例えばt−ブト
キシカルボニル);低級アルケニルオキシカルボニル基
(例えばアリルオキシカルボニル);アリール低級アル
コキシカルボニル基(例えばベンゾイルオキシカルボニ
ル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、o−ニト
ロベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキ
シカルボニル);トリ低級アルキルシリル(例えばトリ
メチルシリル、t−ブチルジメチルシリル);ジアリー
ル(低級アルキル)シリル(例えばt−ブチルジフェニ
ルシリル)及びアリール低級アルキル(例えばベンジ
ル)基である。
【0059】アミノ保護基の例は、ホルミル、アルアル
キル基(例えばベンジル及び置換ベンジル、例えばp−
メトキシベンジル、ニトロベンジル及び2,4−ジメト
キシベンジル、及びトリフェニルメチル);ジ−p−ア
ニシルメチル及びフリルメチル基;低級アルコキシカル
ボニル(例えばt−ブトキシカルボニル);低級アルケ
ニルオキシカルボニル(例えばアリルオキシカルボニ
ル);アリール低級アルコキシカルボニル基(例えばベ
ンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシ
カルボニル、o−ニトロベンジルオキシカルボニル、p
−ニトロベンジルオキシカルボニル);トリアルキルシ
リル(例えばトリメチルシリル及びt−ブチルジメチル
シリル);ジアリール(低級アルキル)シリル(例えば
t−ブチルジフェニルシリル);アルキリデン(例えば
メチリデン);ベンジリデン及び置換されたベンジリデ
ン基である。
【0060】ヒドロキシ及びアミノ保護基を除去するた
めの適当な方法は、例えば酸−、塩基−、金属−又は酵
素触媒加水分解、p−ニトロベンジルオキシカルボニル
のような基の場合には水素添加及びo−ニトロベンジル
オキシカルボニルのような基の場合には光分解である。
【0061】本発明の他の態様では、式(I)及び
(V)で示される化合物を、 a) 式(VI)及び(VII):
【0062】
【化17】
【0063】[式中A,R10,R11,R12,R13及びR
18は前記定義のものを表わし、Aにおける任意の置換基
は前記定義のものを表わし、Lは遊離基である]で示さ
れる化合物を反応させるか又は b) 式(VIII):
【0064】
【化18】
【0065】[式中A,R10,R11,R12,R13及びR
18は前記定義のものを表わし、Aにおける任意の置換基
は前記定義のものを表わし、R14,R15及びR16はアリ
ール及びC1-6アルコキシから独立的に選択され、官能
基は任意に保護されている]で示される化合物を還化
し、その後必要な場合には、 (i)任意の保護基を除去し; (ii)エステル化して生体内加水分解性エステルを形
成する ことによって製造することができる。
【0066】式(VI)の化合物においては、Lはヒド
ロキシ基の反応性エステル、すなわちスルホネート(例
えばトリフルオロメタンスルホニルオキシ)である。他
の場合にはLはスルホキシド、例えば容易に置換されう
る−SOCH=CH−NHCOCH3又は−SOC25
である。Lは好ましくは−SOC25である。
【0067】式(VI)の化合物及びその製造は、ペネ
ムの文献上で周知である、例えばヨーロッパ特許出願第
199490号明細書、J.Antibiotics、
1987、1636及びTet.Lett.1982、
23、3535を参照されたい。 Lがトリフルオロメ
タンスルホニルである場合には、式(VI)の化合物
は、式(XIX):
【0068】
【化19】
【0069】[式中R11及びR13は前記定義のものを表
わす]で示される化合物を、トリフルオロメタンスルホ
ン酸無水物と反応させることによって製造することがで
きる。同様な反応についてはTet.Lett.199
0、31、3291を参照されたい。
【0070】式(XIX)の化合物は、化合物(X
X):
【0071】
【化20】
【0072】[式中R11及びR13は前記定義のものを表
わし、Pはカルボキシ保護基である]で示される化合物
を環化することによって製造することができる。環化は
代表的にはリチウムヘキサメチルジシリルような塩基の
存在で行われる。同様な例については、Tet.Let
t.1990、31、3291を参照されたい。
【0073】しかしアルキルスルホキシドである式(V
I)の化合物は、式(XXI):
【0074】
【化21】
【0075】[式中R11及びR13は前記定義のものを表
わす]で示される化合物をアルキル化し、次に酸化する
ことによって製造することができる。アルキル化は、技
術上周知の標準条件下で、例えば塩基の存在で沃化エチ
ルのようなアルキルハロゲン化物と反応させることによ
って行う。生じるスルフィドを酸化してスルホキシドに
するための試薬及び条件は技術上周知である。例えばジ
クロロメタン中で酸化剤としてのm−クロロペルオキシ
安息香酸で酸化する。
【0076】式(VI)の化合物と式(VII)の化合
物との反応は、代表的には塩基、すなわち有機アミン例
えばジ−イソプロピルエチルアミン又は無機塩基、例え
ばアルカリ金属炭酸塩例えば炭酸カリウムの存在で行
う。反応は有利には−25℃〜室温の温度で行う。反応
は一般には、有機溶剤例えばアセトニトリル又はジメチ
ルホルムアミド中で行う。反応は一般に、同様な反応に
ついて文献に記載されているのと同様な方法で行う。
【0077】式(VII)の化合物は、式(IX):
【0078】
【化22】
【0079】[式中A,R10,R12及びR18は前記定義
のものを表わし、Aにおける任意の置換基は前記定義の
ものを表わし、R17は保護基、例えばC1-6アルカノイ
ル又はC1-6アルコキシカルボニルである]で示される
化合物を脱保護することによって製造することができ
る。R17の有利なものは、アセチル及びt−ブトキシカ
ルボニルである。式(IX)の化合物は、脱保護の標準
的方法によって式(VII)の化合物に変化させること
ができる、例えばアセチル基は水性アルカノール、アル
ケノール例えばアリルアルコール又はテトラヒドロフラ
ン中での塩基性加水分解によって除去することができ
る。
【0080】式(IX)の化合物は、式(X)の化合物
の活性化誘導体(その場で生成させてもよい)を、式
(XI)の化合物と反応させることによって製造するこ
とができる:
【0081】
【化23】
【0082】[式中A,R10,R12,R17及びR18は前
記定義のものを表わし、Aにおける任意の置換基は前記
定義のものを表わす]。式(X)の化合物の活性化誘導
体は、酸ハロゲン化物、無水物及び活性化エステル、す
なわち1H−ベンゾール−1,2,3−トリアゾール−
1−イル、ペンタフルオロフェニル及び2,4,5−ト
リクロロフェニルエステル又は式(X)に相応するチオ
カルボン酸のベンズイミダゾール−2−イルエステルで
ある。式(X)の化合物と式(XI)の化合物との反応
は、標準方法で、例えば室温で塩化スルホニルの存在で
行う。
【0083】式(X)及び(XI)の化合物は、当業者
に周知の標準方法、例えば後記の例における方法、ヨー
ロッパ特許出願公開第126587号明細書に記載され
た方法又はこの方法に類似の方法によって製造する。
【0084】式(VIII)の化合物においては、
14,R15及びR16は、アリール例えばフェニル又はC
1-6アルコキシ例えばメトキシ、エトキシ、イソプロポ
キシ、n−プロポキシ又はn−ブトキシから独立的に選
択する。R14〜R16はそれぞれ同じものであり、C1-6
アルコキシ例えばメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ
又はn−ブトキシ又はアリール例えばフェニルである。
【0085】式(VIII)の化合物は、技術上周知の
慣用条件下で環化して式(V)の化合物を生成させる。
代表的な条件は、大体において不活性の有機溶剤、例え
ばトルエン、キシレン又は酢酸エチル中で60〜150
℃の温度で加熱することである。反応は代表的には、窒
素雰囲気中で、ラジカルスキャベンジャー例えばヒドロ
キノンの存在で行う。例えば、Chem.Pharm.
Bull.1983、31、768及びChem.Ph
arm.Bull.1990、38、1077を参照さ
れたい。
【0086】式(VIII)の化合物は、その場で生成
させ、環化することができる。式(VIII)の化合物
は、有利には式(XII):
【0087】
【化24】
【0088】[式中A,R10,R11,R12,R13,R18
及び任意の置換基は前記定義のものを表わし、BはCO
又はR14〜R16がフェニルの場合には、CHClであ
る]で示される化合物を式(XIII):PR1415
16(R14,R15,R16は前記定義のものを表わす)の化
合物と反応させることによって製造することができる。
式(XIII)の化合物の適当なものはホスフィットで
あるか又はこのような化合物の官能的等価物である。
【0089】式(XII)の化合物と式(XIII)の
化合物との反応は、有利には有機溶剤、例えばトルエ
ン、キシレン、酢酸エチル、クロロホルム、ジクロロメ
タン又はアセトニトリル中で行う。反応は代表的には、
高められた温度例えば60〜150℃、有利には110
°〜120℃で行う。
【0090】式(XII)の化合物は、技術上周知の多
数の方法によって製造することができる。例えば式(X
II)の化合物は、式(XIV):
【0091】
【化25】
【0092】[式中A,R10,R12,R13及びR18は前
記定義のものを表わし、Aにおける任意の置換基は前記
定義のものを表わす]で示される化合物を、BがCOで
ある場合には式(XVA): Cl−CO−COOR11 (XVA) で示される化合物で、BがCHClの場合には式(XV
B): CHOCOOR11 (XVB) で示される化合物(次にヒドロキシ基をクロロ基に変え
る)でアシル化することによって製造することができ、
ヒドロキシ基のクロロ基への変化は、有利には、塩基の
存在で塩素化剤例えば塩化スルホニルと反応させること
によって行う。
【0093】式(XIV)の化合物は、式(XVI)及
び(XVII):
【0094】
【化26】
【0095】[式中R10,R12,R13及びR18は前記定
義のものを表わす]で示される化合物を反応させること
によって製造することができる。式(XVI)の化合物
は技術上周知であり、技術上周知の慣用方法により式
(XVII)の化合物と反応させることができる。
【0096】式(XVII)の化合物は、水酸化カリウ
ムのような塩基の存在で式(VII)の化合物をCS2
と反応させることによって製造することができる。この
反応は技術上周知の標準条件下で行う。例えば、Hel
v.C.A.1980、63、1093を参照された
い。
【0097】式(XII)及び(XIV)の化合物は新
規であり、そのまま本発明の他の態様を成す。
【0098】次の生物学的試験方法、データ及び実施例
により本発明を説明する。
【0099】抗菌活性 本発明の薬学的認容性ペネム化合物は、病原性細菌に対
する活性に関して選択するために用いられる標準実験微
生物(グラム陰性及グラム陽性)に対する広域試験管内
活性を有する有用な抗菌剤である。特定の化合物の抗菌
域及び効力は標準試験系で決定することができる。特に
本発明のペネムは、β−ラクタマーゼに対する良好な安
定性を有し、一般には、特に半減期に関して特に優れた
薬物動態を呈する。
【0100】また本発明の化合物の抗菌性は、従来試験
において生体内でも証明することができる。
【0101】次の実施例について:ペネム化合物は一般
に、温血動物に対して比較的非毒性であることが判明し
ており、この一般化は本発明の化合物に関しても正しく
当てはまる。
【0102】本発明の代表的な化合物は、細菌感染に対
して防御を提供するに要する用量に対して過剰用量でマ
ウスに投与した。投与した化合物に帰因する明白な毒性
微候又は副作用は認められなかった。
【0103】次の結果は、代表的化合物に関し診断感受
性テストを用いる標準試験管内試験系において得られ
た。抗菌活性は、104CFU/スポットの接種物寸法
を用いる寒天稀釈法によって測定した最小阻止濃度(M
IC)によって記載してある。
【0104】
【表1】
【0105】(a) アリルオキシはプロペン−1−イ
ルオキシ基−OCH2CH=CH2を意味する。
【0106】(b) THFはテトラヒドロフランを意
味する。
【0107】(c) DMFはジメチルホルムアミドを
意味する。
【0108】(d) 溶剤の蒸発は減圧下で行った。
【0109】例 1 (5R,6S,8R,2′S,4′S)−2−(2−
(2−カルボキシ−4−チエニルカルバモイル)ピロリ
ジン−4−イルチオ)−6−(1−ヒドロキシエチル)
ペン−2−エム−3−カルボン酸 DMF(19ml)に溶かした、アリル(5R,6S,
8R,2′S,4′S)−2−(1−(4−ニトロベン
ゾイルオキシカルボニル)−2−(2−アリルオキシカ
ルボニル−4−チエニルカルバモイル)−ピロリジン−
4−イルチオ)−6−(1−ヒドロキシエチル)ペン−
2−エム−カルボキシレート(559mg;0.651
mol;1当量)の溶液に、PPh3(34mg;0.
13mol;0.2当量)、テトラキストリフェニルホ
スフィンパラジウム(34mg)及び酢酸エチル中のナ
トリウム2−エチルヘキサノエート(3.5ml;0.
43M;1.49mmol;2.3当量)を加えた。2
0時間後にこの混合物を真空下で濃縮乾固した。残留物
を酢酸エチル/水(30ml/30ml)混合物中にと
り、炭素(600mg)上のパラジウム10%の存在で
3時間水素添加した。触媒をセライトにより濾取し、水
で洗浄した。水相をデカントし、酢酸エチル5mlで抽
出を行い、次いで凍結乾燥した。残留物をシリカゲルC
18カラムにより精製し、水で溶出し次いで水中5%C
3CNで溶出する。溶出相を濃縮し、次いで凍結乾燥
して標題化合物(ナトリウム塩)を泡状物(229m
g)として得た。
【0110】
【外1】
【0111】出発物質は次のようにして製造した:2−
チオフェンカルボン酸(6.4g、50mM)を無水酢
酸(15ml)中で懸濁し、氷酢酸(25ml)中の発
煙硝酸(16ml)を撹拌しながら1時間徐々に加え、
この間反応混合物の温度を30℃未満に保った。反応混
合物を室温で2時間撹拌した。生成物を、溶離剤として
メタノール/(水+1%酢酸):0/100→50/5
0を用いてHP20SS樹脂によるクロマトグラフィー
(470ml)を施して精製した。純4−ニトロ−2−
チオフェンカルボン酸(1.3g)が、4−及び5−ニ
トロチオフェン−2−カルボン酸の混合物(4.4g)
と一緒に得られた。
【0112】NMR(CDCl3):δ8.35(d、
1H);8.5(d、1H)。
【0113】濃HCl(10ml)中のSnCl2・2
2O(3.25g、14.4mmol)の溶液に、4
−ニトロ−2−チオフェンカルボン酸(1g、5.7m
mol)を撹拌しながら加えた。この混合物を室温で6
時間撹拌し、溶離剤として水を用い、HP20SS樹脂
によるクロマトグラフィーを施して精製すると、4−ア
ミノ−2−チオフェンカルボン酸(0.59g、71
%)が得られた。
【0114】NMR(DMSO−d6+AcOD−
4):δ7.6(s、2H)。
【0115】(2S,4S)−4−アセチルチオ−2−
カルボキシ−1−(4−ニトロベンジルオキシカルボニ
ル)−ピロリジン(1.5g、4.08mmol)を室
温で塩化チオニル(10ml)中に溶かした。この混合
物を室温で4時間撹拌した。塩化チオニルを蒸発させ、
残留油状物をジクロロメタン/トルエン(10ml、
1:1)中にとり、溶剤を蒸発によって除去した。残留
油状物を真空下に1時間乾燥し、ジクロロメタン(25
ml)中に溶かした。この溶液を、0℃で、ジクロロメ
タン(40ml)中の4−アミノ−2−チオフェンカル
ボン酸(0.58g、4.08mmol)、塩化トリメ
チルシリル(1ml、8.2mmol)及びジイソプロ
ピルエチルアミン(3ml、17.25mmol)の混
合物に加えた。この反応混合物を室温で12時間撹拌
し、溶剤を蒸発し、残留物をDMF中に溶かし、HP2
0SS樹脂によるクロマトグラフィーを施してアセトニ
トリル/水/酢酸(40:60:1)で溶出し、次いで
蒸発及び凍結乾燥を行って、(2S,4S)−1−(4
−ニトロベンジルカルボニル)−2−(2−カルボキシ
−4−チエニルカルバモイル)−ピロリジン−4−イル
チオアセテート(0.84g、42%)を生成した。
【0116】
【外2】
【0117】(2S,4S)−1−(4−ニトロベンジ
ルカルボニル)−2−(2−カルボキシ−4−チエニル
カルバモイル)−ピロリジン−4−イルチオアセテート
(0.475g、0.963mmol)を、ジオキサン
/水(1:1)(20ml)中に溶かし、NaOHの1
M水溶液で処理した。反応をHPLCによって監視し
た。1時間後に、0℃でpHをHClの6M水溶液でp
H3に調節した。次に反応混合物を蒸発させ、真空で1
時間乾燥すると、(2S,4S)−1−(4−ニトロベ
ンジルオキシカルボニル)−2−(2−カルボキシ−4
−チエニルカルバモイル)ピロリジン−4−イルチオー
ルが得られた。
【0118】アセトニトリル(15ml)に溶かした
(2S,4S)−1−(4−ニトロベンジルオキシカル
ボニル)−2−(2−カルボキシ−4−チエニルカルバ
モイル)ピロリジン−4−イルチオール(2.25g;
4.58mmol;1.2当量)の溶液に、アルゴン雰
囲気下で、アリル(5R,6S,8R)−2−(エチル
スルホニル)−6−(1−(t−ブチルジメチルシリル
オキシ)−エチル)ペン−2−エム−3−カルボキレー
ト(1.7g;3.82mmol;1.0当量)、N−
エチル−ジイソプロピルアミン(88μl;4.58m
mol;1.2当量)[F.Di Ninno et
al、Tet.Lett.1982、23、353
5]、トリ−n−ブチルホスフィン(190μl;0.
76mmol;0.2当量)、水(14μl;0.76
mmol;0.2当量)を加えた。1時間撹拌した後、
溶剤を蒸発させた。残留物を、フラッシュクロマトグラ
フィーにより、石油エーテル(45〜55%)中の酢酸
エチルで溶出することによって精製すると、アリル(5
R,6S,8R,2′S,4′S)−2−(1−(4−
ニトロベンジルオキシカルボニル)−2−(2−アリル
オキシカルボニル−4−チエニルカルバモイル)ピロリ
ジン−4−イルチオ)−6−(1−(t−ブチルジメチ
ルシリルオキシ)エチル)ペン−2−エム−3−カルボ
キレート(1.43g;44%)が淡黄色固体として得
られた。
【0119】
【外3】
【0120】氷浴中で冷却したTHF(21ml)中
の、アリル(5R,6S,8R,2′S,4′S)−2
−(1−(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)−2
−(2−アリルオキシカルボニル−4−チエニルカルバ
モイル)ピロリジン−4−イルチオ)−6−(1−(t
−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)ペン−2−エ
ム−カルボキレート(1.4g;1.63mmol;1
当量)の溶液に、酢酸(1.86ml;32.6mmo
l;20当量)及び弗化テトラブチルアンモニウム(1
6.38ml;THF中の1M溶液;16.38mmo
l;10当量)を滴加した。濃縮後に、残留物を酢酸エ
チルで希釈し、飽和水性NaHCO3溶液で2回、水、
塩水で洗浄し、MgSO4により脱水し、濃縮した。残
留物をシリカにより精製した。CH3CN/CH2Cl2
(35/65)による溶出によって、アリル(5R,6
S,8R,2′S,4′S)−2−(1−(4−ニトロ
ベンジルオキシカルボニル)−2−(2−アリルオキシ
カルボニル−4−チエニルカルバモイル)ピロリジン−
4−イルチオ)−6−(1−ヒドロキシエチル)ペン−
2−エム−3−カルボキレート(780mg;63%)
が固体として得られた。
【0121】
【外4】
【0122】例 2 (5R,6S,8R,2′S,4′S)−2−(2−
(3−カルボキシフェニルカルバモイル)ピロリジン−
4−イルチオ)−6−(1−ヒドロキシエチル)ペン−
2−エム−3−カルボン酸 DMF(10ml)中のアリル(5R,6S,8R,
2′S,4′S)−2−(1−(4−ニトロベンジルオ
キシカルボニル)−2−(3−アリルオキシカルボニル
フェニルカルバモイル)ピロリジン−4−イルチオ)−
6−(1−ヒドロキシエチル)ペン−2−エム−3−カ
ルボキシレート(303mg、0.4mmol)の溶液
に、順々にトリフェニルホスフィン(20mg、0.2
当量)、酢酸エチル(2ml、0.45M、2.3当
量)中のナトリウム2−エチルヘキサノエート及びテト
ラキストリフェニルホスフィンパラジウム(20mg)
を加えた。30分後に溶剤を蒸発させ、残留物を酢酸エ
チル/水(1:1、24ml)中にとり、炭素(300
mg)上のパラジウム10%の存在で1時間水素添加し
た。混合物をセライトによって濾過し、水相をデカント
し、酢酸エチルで抽出を施し、次いで凍結乾燥した。
【0123】残留物をシリカゲルC18カラムにより、
(NH42CO3緩衝液(2g/l、pH6.0)中の
CH3CN 0〜6%の勾配で溶出することによって精
製した。フラクションを濃縮し、次いで凍結乾燥すると
表題化合物が白色固体(35mg)として得られた。
【0124】
【外5】
【0125】出発物質は次のように製造した:3−ニト
ロ安息香酸(2.6g、21.3mM)をDMF(55
ml)中に溶かし、無水K2CO3(11.78g、7
6.5mM)を撹拌しながら加えた。臭化アリル(5.
4ml、62.4mM)を加え、この混合物を室温で1
8時間撹拌した。溶剤を蒸発によって除去し、残留物を
水で処理し、pHを5.5に調節し、生成物を酢酸エチ
ル中に抽出した。集めた抽出物を水性NaH2PO4
水、塩水で洗浄し、MgSO4により脱水した。蒸発後
残留物をシリカによるクロマトグラフィーを施し、ペト
ロール/EtOAc(10:1)の混合物で溶出すると
アリル3−ニトロベンゾエートを得た。
【0126】
【外6】
【0127】塩化第一錫2水和物を、アルゴンシール下
でエタノール中で還流させて溶液を得た。熱を除き、エ
タノール中の前記ニトロ化合物を加えた。次に還流を3
時間続け、混合物を冷却し、溶剤を除去した。残留物を
酢酸エチル中に溶かし、880アンモニアで塩基性にな
るまで処理した。有機相を沈殿した錫塩からデカント
し、スラリーにさらなる溶剤で同様に再抽出を施した。
次に集めた有機相を希釈アンモニア、水及び塩水で洗浄
し、次いでMgSO4により脱水した。蒸発するとアリ
ル3−アミノベンゾエートが得られた。
【0128】
【外7】
【0129】側鎖ピロリジン−4−イルチオアセテート
の製造 (2S,4S)−4−アセチルチオ−1−アリルオキシ
カルボニル−2−カルボキシピロリジン(2.54g、
9.3mM)、アリル3−アミノベンゾエート(1.5
g、8.5mM)及び2−エトキシ−1−エトキシカル
ボニル−1,2−ジヒドロキノリン(2.72g、11
mM)をトルエン中に溶かしかつ室温で18時間撹拌し
た。反応混合物を酢酸エチル(150ml)で希釈し、
2MHCl(3×30ml)、水、飽和NaHCO3及び
塩水で洗浄した。MgSO4により脱水し、蒸発すると
(2S,4S)−4−アセチルチオ−1−アリルオキシ
カルボニル−2−(3−アリルオキシカルボニルフェニ
ルカルバモイル)ピロリジンがゴム状物質(3.7g、
100%)として得られた。次の作業にとって十分純粋
な状態であった。
【0130】
【外8】
【0131】水酸化ナトリウム(960μl、1.19
mmol、1.1当量)の2M水溶液を、アリルアルコ
ール(17ml)中のチオアセテート(916mg、
1.74mmol)の溶液に滴加し、氷上で冷却した。
次に混合物を室温で45分間撹拌し、塩化水素酸(2
N、960μl)を加えた。混合物を、溶剤を蒸発させ
て濃縮し、残留物を酢酸エチル中にとり、塩水で2回洗
浄し、MgSO4で脱水し、溶剤を蒸発させた。残留物
をアセトニトリル(6ml)中にとり、アリル(5R,
6S,8R)−2−(エチルスルホニル)−6−(1−
t−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)ペン−2−
エム−カルボキシレート(645mg、1.45mmo
l)[F Di Ninno et al.Tet.L
ett.1982、23、3535に記載されたように
製造]、トリ−n−ブチルホスフィン(87μl、0.
2当量)、水(6μl、0.2当量)及びN−エチルジ
イソプロピルアミン(305μl、1.2当量)を加え
た。室温で45分後に、溶剤を蒸発させ、乾燥残留物を
酢酸エチル中にとり、水、塩水で洗浄し、MgSO4
脱水し、溶剤を蒸発させた。残留物をシリカカラムによ
り酢酸エチル/石油エーテル(1:1)で溶出すること
によって精製して、アリル(5R,6S,8R,2′
S,4′S)−2−(1−(4−ニトロベンジルオキシ
カルボニル)−2−(3−アリルオキシカルボニルフェ
ニルカルバモイル)ピロリジン−4−イルチオ)−6−
(1−t−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)ペン
−2−エム−3−カルボキシレート(636mg、52
%)を得た。
【0132】
【外9】
【0133】THF(10ml)中のアリル(5R,6
S,8R,2′S,4′S)−2−(1−(4−ニトロ
ベンジルオキシカルボニル)−2−(3−アリルオキシ
カルボニルフェニルカルバモイル)ピロリジン−4−イ
ルチオ)−6−(1−t−ブチルジメチルシリルオキ
シ)エチル)ペン−2−エム−3−カルボキシレート
(626mg、0.734mmol)の溶液に、酢酸
(740μl、20当量)及びTHF(7.3ml、1
0当量)中の弗化テトラブチルアンモニウムの(1M)
溶液を加えた。混合物を室温で一晩放置し、次に濃縮
し、酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し、次に飽和水性重
炭酸ナトリウム溶液、次に水、塩水で洗浄した。この溶
液をMgSO4で脱水し、溶剤を蒸発すると、アリル
(5R,6S,8R,2′S,4′S)−2−(1−
(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)−2−(3−
アリルオキシカルボニルフェニルカルバモイル)ピロリ
ジン−4−イルチオ)−6−(1−ヒドロキシエチル)
ペン−2−エム−3−カルボキシレート(303mg)
が得られた。このものは、さらに精製することなく次の
脱保護工程で使用した。
【0134】例 3 (5R,6S,8R,2′S,4′S)−2−(2−
(2−カルボキシ−5−チエニルカルバモイル)ピロリ
ジン−4−イルチオ)−6−(1−ヒドロキシ)ペン−
2−エム−3−カルボン酸 DMF(15ml)中のアリル(5R,6S,8R,
2′S,4′S)−2−(1−(4−ニトロベンジルオ
キシカルボニル)−2−(2−アリルオキシカルボニル
−5−チエニルカルバモイル)−ピロリジン−4−イル
チオ)−6−(1−(t−ブチルジメチルシリルオキ
シ)エチル)ペン−2−エム−3−カルボキシレート
(450mg、0.52mmol)の溶液に、トリフェ
ニルホスフィン(28mg)及び酢酸エチル(2.6m
l、1.2mmol)中のナトリウム2−エチルヘキサ
ノエート溶液を加えた。次にテトラキストリフェニルホ
スフィン(28mg)を加え、この混合物を30分間撹
拌した。同混合物を蒸発乾固し、酢酸エチル(25m
l)及び水(25ml)中に溶かし、炭素上のパラジウ
ム10%の存在で2時間水素添加した。混合物をセライ
トによって濾過し、水相を酢酸エチルで抽出し、次に凍
結乾燥した。残留物をシリカゲルC18カラムにより、
(NH42SO4緩衝液(2g/l)中の2〜4%CH3
CNで溶出することによって精製した。生成物を含有す
るフラクションは蒸発させ、凍結乾燥すると標題化合物
が白色固体(85mg)として得られた。
【0135】
【外10】
【0136】5−ニトロ−2−チオフェンカルボン酸 標題化合物は、例1で記載した方法を用いて、2−チオ
フェンカルボン酸と、4−ニトロ−2−チオフェンカル
ボン酸とから得られた。
【0137】NMR(CDCl3):δ7.65(d、
1H);7.88(d、1H)。
【0138】アリル5−ニトロ−2−チオフェンカルボ
キシレート DMF(140ml)中の5−ニトロ−2−チオフェン
カルボン酸(20g、0.11mol)の溶液に、反応
混合物の温度を30℃未満に保つために冷却しながら、
順次に臭化アリル(40ml、0.46mol)及びト
リエチルアミン(64ml、0.46mol)を加え
た。試薬を加えた後、反応混合物を室温で3時間撹拌
し、次に酢酸エチルで希釈した。沈殿した固体を濾取
し、濾液を水で洗浄し、塩化ナトリウムの飽和水溶液で
洗浄し、MgSO4により脱水し、濃縮した。残留物を
シリカにより、溶離剤としてCH2Cl2/石油エーテル
(3:7)の混合物を用いてクロマトグラフィーを施し
て精製すると、標題化合物が白色固体(8.8g、38
%)として得られた。
【0139】NMR(CDCl3):δ4.84(d、
2H);5.36−5.45(m、2H);6.00
(m、1H);7.71(d、1H);7.88(d、
1H)アリル5−アミノ−2−チオフェンカルボキシレ
ート 濃縮した塩化水素(35ml)中のアリル5−ニトロ−
2−チオフェンカルボキシレート(3.2g、15mm
ol)の溶液に、SnCl2・H2O(10.1g、45
mmol)を冷却下に加えた。この混合物を室温で3.
5時間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、5N NaOHで
pH10の塩基性にした。有機相を水及び塩化ナトリウ
ムの飽和水溶液で洗浄してMgSO4により脱水し、濃
縮した。残留物をシリカゲルにより、酢酸エチル/石油
エーテル(3:7)の混合物を用いてクロマトグラフィ
ーにかけ精製して、標題化合物を黄色油状物(1.94
g、72%)として得た。
【0140】NMR(CDCl3):δ4.34(広
幅、s、2H);4.73(d、2H);5.23
(d、1H);5.36(d、1H);5.99(m、
1H);6.09(d、1H);7.48(d、1
H)。
【0141】(2S,4S)−1−(4−ニトロベンジ
ルオキシカルボニル)−2−(2−アリルオキシカルボ
ニル−5−チエニルカルバモイル)ピロリジン−4−イ
ルチオアセテート CH2Cl2(12ml)中の(2S,4S)−4−アセ
チルチオ−2−カルボキシ−1−(4−ニトロベンジル
オキシカルボニル)ピロリジン(3.79g、10.3
mmol)の溶液に、塩化チオニル(3.75ml、5
1.5mmol)及びDMF(0.055ml)を加え
た。この混合物を室温で16時間撹拌し、濃縮し、残留
油状物をCH2Cl2/トルエン中にとり、再蒸発させ
た。残留物を真空下で乾燥し、CH2Cl2(25ml)
中で可溶化した。0℃に冷却したこの溶液に、N−ジイ
ソプロピルエチルアミン(2.05ml、11.8mm
ol)及びアリル5−アミノ−2−チオフェンカルボキ
シレート(1.9g、10.3mmol)を加えた。室
温で15分後に、溶剤を蒸発させ、残留物を水及び酢酸
エチルの混合物中にとった。有機相をMgSO4を介し
て脱水し、蒸発乾固した。残留物をシリカゲルにより、
CH2Cl2/エーテル(9:1)の混合物を用いてクロ
マトグラフィーにかけて精製すると、標題化合物が黄色
の泡状物(4.68g、85%)として得られた。
【0142】
【外11】
【0143】(2S,4S)−1−(4−ニトロベンジ
ルオキシカルボニル)−2−(2−アリルオキシカルボ
ニル−5−チエニル−カルバモイル)ピロリジン−4−
イルチオール ジクロロメタン(2ml)中の(2S,4S)−1−
(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)−2−(2−
アリルオキシカルボニル−5−チエニルカルバモイル)
ピロリジン−4−イルチオアセテート(1.06g、2
mmol)の溶液に、0℃でエタノール(0.8ml、
4mmol)を加えた。反応混合物を室温で1.5時間
撹拌し、6N HClで酸性化してpH4として。この
溶液に酢酸エチルを加え、有機相を水及び塩化ナトリウ
ムの水溶液で洗浄し、MgSO4により脱水し、蒸発さ
せると標題化合物が黄色の泡状物(0.96g、97
%)として得られた。
【0144】
【外12】
【0145】アセトニトリル(15ml)中の(2S,
4S)−1−(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)
−2−(2−アリルオキシカルボニル−5−チエニルカ
ルバモイル)ピロリジン−4−イルチオール(2.31
g、4.49mmol)の溶液に、アリル(5R,6
S,8R)−2−(エチルスルホニル)−6−(1−
(t−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)ペン−2
−エム−3−カルボキシレート(1.74g、3.82
mmol)、N−エチルジイソプロピルアミン(800
μl、4.58mmol)、トリ−n−ブチルホスフィ
ン(190μl、0.76mmol)、水(14μl、
0.76mmol)を加えた。この混合物を1時間撹拌
し、溶剤を蒸発させた。残留物を、フラッシュクロマト
グラフィーによって石油エーテル中の45〜55%酢酸
エチルを用いて溶出することによって精製して、アリル
(5R,6S,8R,2′S,4′S)−2−(1−
(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)−2−(2−
アリルオキシカルボニル−5−チエニルカルバモイル)
ピロリジン−4−イルチオ)−6−(1−(t−ブチル
ジメチルシリルオキシ)エチル)ペン−2−エム−カル
ボキシレートを淡黄色固体(1.1g、34%)として
得た。
【0146】
【外13】
【0147】THF(16ml)中のアリル(5R,6
S,8R,2′S,4′S)−2−(1−(4−ニトロ
ベンジルオキシカルボニル)−2−(2−アリルオキシ
カルボニル−5−チエニルカルバモイル)ピロリジン−
4−イルチオ)−6−(1−(t−ブチルジメチルシリ
ルオキシ)エチル)ペン−2−エム−3−カルボキシレ
ート(1.1g、1.28mmol)の溶液に、0℃で
酢酸(1.46ml、25.6mmol)、次にTHF
(12.8ml、1M、12.8mmol)中の弗化テ
トラブチルアンモニウムを滴加した。この混合物を室温
で一晩中放置し、溶剤を蒸発させて半容積に濃縮した。
残留物を酢酸エチルで希釈し、重炭酸ナトリウムの飽和
水溶液で2回、水、塩水で1回洗浄し、MgSO4で脱
水し、溶剤を蒸発させた。残留物をエーテルと一緒に磨
砕し、濾取し、真空下で乾燥してアリル(5R,6S,
8R,2′S,4′S)−2−(1−(4−ニトロベン
ジルオキシカルボニル)−2−(2−アリルオキシカル
ボニル−5−チエニルカルバモイル)ピロリジン−4−
イルチオ)−6−(1−ヒドロキシエチル)ペン−2−
エム−3−カルボキシレート(800mg)を得た。
【0148】
【外14】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 パトリス ジャン シーレ フランス国 ランス セド ベーペ401 ゾーン−アンドゥストリーユ シデスト (番地なし)

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I): 【化1】 [式中、R1は1−ヒドロキシエチル、1−フルオロエ
    チル又はヒドロキシエチルであり;R2は水素又はC1-4
    アルキルであり;Zはカルボキシ、スルホン酸、テトラ
    ゾール−5−イル又はC1-4アルキルスルホニルカルバ
    モイル(−CONHSO21-4アルキル)であり;Aは
    フェニル又はチエニル環であり;かつAは場合によって
    はさらに、ハロゲン、シアノ、C1-4アルキル、ニト
    ロ、ヒドロキシ、カルボキシ、C1-4アルコキシ、トリ
    フルオロメチル、C1-4アルコキシカルボニル、アミ
    ノ、C1-4アルキルアミノ、ジ−C1-4アルキルアミノ、
    スルホン酸、C1-4アルキルS(O)n−(nは0−2
    である)、C1-4アルカノイルアミノ、C1-4アルカノイ
    ル(N−C1-4アルキル)アミノ、カルバモイル、C1-4
    ルキルカルバモイル、ジ−C1-4アルキルカルバモイ
    ル、N−C1-4アルカンスルホンアミド及びテトラメチ
    レンから選択された1個又は2個の置換基によって置換
    されている]で示される化合物又は該化合物の薬学的認
    容性塩又は生体内加水分解性エステル。
  2. 【請求項2】 R1は1−ヒドロキシエチルである、請
    求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】 式(IV): 【化2】 [式中R2、Z、A及びAにおける任意の置換基は請求
    項1で定義したものを表わす]で示される、請求項1又
    は請求項2記載の化合物。
  4. 【請求項4】 Zがカルボキシである、請求項3記載の
    化合物。
  5. 【請求項5】 Aにおける置換基がハロゲン、シアノ、
    1-4アルキル、ニトロ、ヒドロキシ、カルボキシ、C
    1-4アルコキシ、カルバモイル、アミノ及びトリフルオ
    ロメチルから選択される、請求項3記載の化合物。
  6. 【請求項6】 (5R,6S,8R,2′S,4′S)
    −2−(2−(2−カルボキシ−4−チエニルカルバモ
    イル)ピロリジン−4−イルチオ)−6−(1−ヒドロ
    キシエチル)ペン−2−エム−3−カルボン酸;(5
    R,6S,8R,2′S,4′S)−2−(2−(3−
    カルボキシフェニルカルバモイル)ピロリジン−4−イ
    ルチオ)−6−(1−ヒドロキシエチル)ペン−2−エ
    ム−3−カルボン酸;(5R,6S,8R,2′S,
    4′S)−2−(2−(2−カルボキシ−5−チエニル
    カルバモイル)ピロリジン−4−イルチオ)−6−(1
    −ヒドロキシエチル)ペン−2−エム−3−カルボン酸
    である請求項1記載の化合物及びその薬学的認容性塩。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6までのいずれか1
    項記載の1種類の化合物及び薬学的認容性キャリアーか
    ら成る薬学的組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の化合物を製造するに当
    り、式(V): 【化3】 [式中Aは請求項1で定義したものであり;R10はR2
    基又はアミノ保護基であり;R13はR1基、保護された
    ヒドロキシメチル基又は1−(保護されたヒドロキシ)
    エチルであり;R11は水素又はカルボキシ保護基であ
    り;R12は水素又はアミノ保護基であり;R18はZ又は
    保護されたZ基であり、Aにおける任意の置換基は場合
    により保護されておりかつ少なくとも1個の保護基が存
    在する]で示される化合物を脱保護し、その後必要なら
    ば、(i) 薬学的認容性塩を形成するか又は(ii)
    エステル化して生体内加水分解性エステルを形成する
    ことを特徴とする、請求項1記載の化合物の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の化合物又は請求項8で定
    義した式(V)で示される化合物の製造方法において、 a) 式(VI)及び(VII): 【化4】 [式中A,R10,R11,R12,R13及びR18は請求項8
    で定義したものを表わし、Aにおける任意の置換基は請
    求項8で定義したものを表わし、Lは遊離基である]で
    示される化合物を反応させ、その後必要な場合には、 i)任意の保護基を除去し; ii)薬学的認容性塩を形成し; iii)エステル化して生体内加水分解性エステルを形
    成する ことを特徴とする前記製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の化合物又は式(V)で
    示される化合物の製造方法において、式(VIII): 【化5】 [式中A,R10,R11,R12,R13及びR18は請求項8
    で定義したものを表わし、Aにおける任意の置換基は請
    求項8で定義したものを表わし、R14,R15及びR16
    アリール及びC1-6アルコキシから独立的に選択されて
    おり、任意の官能基は場合により保護されている]で示
    される化合物を環化し、その後必要な場合には、 i)任意の保護基を除去し; ii)薬学的認容性塩を形成し; iii)エステル化して生体内加水分解性エステルを形
    成する ことを特徴とする前記製造方法。
  11. 【請求項11】 式(V): 【化6】 [式中Aは請求項1で定義したものであり;R10はR2
    基又はアミノ保護基であり;R13はR1基、保護された
    ヒドロキシメチル基又は1−(保護されたヒドロキシ)
    エチルであり;R11は水素又はカルボキシ保護基であ
    り;R12は水素又はアミノ保護基であり;R18はZ又は
    保護されたZ基であり、Aにおける任意の置換基は場合
    により保護されておりかつ少なくとも1個の保護基が存
    在する]で示される化合物。
  12. 【請求項12】 式(VIII): 【化7】 [式中A,R10,R11,R12,R13及びR18は請求項8
    で定義したものを表わし、Aにおける任意の置換基は請
    求項8で定義したものを表わし、R14,R15及びR16
    アリール及びC1-6アルコキシから独立的に選択されて
    おり、任意の官能基は場合により保護されている]で示
    される化合物。
  13. 【請求項13】 式(XII): 【化8】 [式中A,R10,R11,R12,R13及びR18は請求項8
    で定義したものを表わす]で示される化合物。
  14. 【請求項14】 式(XIV): 【化9】 [式中A,R10,R12,R13及びR18は請求項8で定義
    したものを表わす]で示される化合物。
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