JPH06211750A - 芳香族カーボネートの製造方法 - Google Patents

芳香族カーボネートの製造方法

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JPH06211750A
JPH06211750A JP5004816A JP481693A JPH06211750A JP H06211750 A JPH06211750 A JP H06211750A JP 5004816 A JP5004816 A JP 5004816A JP 481693 A JP481693 A JP 481693A JP H06211750 A JPH06211750 A JP H06211750A
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aromatic
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carbonate
aromatic carbonate
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Fumio Okuda
文雄 奥田
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 芳香族ヒドロキシ化合物から芳香族カーボネ
ートを効率よく製造することである。 【構成】 芳香族ヒドロキシ化合物,一酸化炭素及び酸
素とを、(a)パラジウム化合物、(b)一価又は二価
の銅化合物及び(c)ハロゲン化アンモニウム化合物か
らなる触媒の存在下で反応させる芳香族カーボネートの
製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は芳香族カーボネートの製
造方法に関し、詳しくは、エステル交換法によるポリカ
ーボネート製造の中間体として有用な芳香族カーボネー
トを、特定の触媒を用いることによって有機ヒドロキシ
化合物から効率よく製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一般的
に、芳香族カーボネートの製造方法としては、酸化的カ
ルボニル化法,エステル交換法及びホスゲン法がよく知
られている。この中で、エステル交換法は、例えば、特
開昭59−123948号公報に開示されている技術で
は、メタノール,一酸化炭素及び酸素から製造される炭
酸ジメチルをチタン化合物の存在下でフェノールと反応
させて芳香族カーボネートを製造しており、この方法を
用いてメタノールからの製造を考えた場合、実質的に二
段階プロセス法で効率的な製造方法ではない。そして、
この方法では、触媒に用いているチタン化合物が、最終
目的物であるポリカーボネートの着色の原因となる欠点
を有する。また、ホスゲン法は、アルカリの存在下でフ
ェノールとホスゲンとを反応させて芳香族カーボネート
を製造している。この方法では、猛毒なホスゲンを用い
ており、また、量論量のアルカリ塩が副生する欠点を有
する。
【0003】これらに対して、酸化的カルボニル化法
は、芳香族ヒドロキシ化合物から一段処理で芳香族カー
ボネートを製造することができ、したがって、芳香族カ
ーボネートの製造には、専ら、この酸化的カルボニル化
法が採られている。従来から、酸化的カルボニル化法に
より芳香族カーボネートを製造する方法としては、様々
なものが提案されている。例えば、芳香族カーボネート
の製造方法としては、触媒に元素状アルカリ金属及びア
ルカリ土類金属,塩基性の第四アンモニウム,第四ホス
ホニウム又は第三スルホニウム化合物類,アルカリ金属
及びアルカリ土類金属水酸化物類,強塩基と弱有機酸の
塩類,第一アミン類,第二アミン類,第三アミン類の塩
基及びPdを用いたもの(特公昭56−38143号公
報)、Pdと上記塩基からなる触媒及び酸化剤(IIIA,I
VA,VA,VIA,IB,IIB,VIB,VIIB 族の金属化合物)を用いた
もの(特公昭56−38144号公報)、Pdと塩基か
らなる触媒,酸化剤(Co,Mn)及び乾燥剤を用いた
もの(特公昭56−38145号公報)、塩基及び+1
の酸化状態をしたVIII族(Ru,Rh,Pd,Os,I
r,Pt)金属を触媒として用いたもの(特開昭53−
68747号公報)、無水条件で塩基及びVIII族金属を
触媒として用いたもの(米国特許第4201721号明
細書)、塩基とVIII族金属からなる触媒及び酸化剤(VI
II族金属より酸化電位が大きいもの)を用いたもの(特
開昭54−135743号公報)、Pdと塩基からなる
触媒,酸化剤,移相剤及び乾燥剤を用いたもの(特開昭
55−102539号公報)、塩基とVIII族金属からな
る触媒及び酸化剤を用いたもの(米国特許第43494
85号明細書)、Pd,Mn,R4 + -(Rはアル
キル基及びXはハロゲンを示す。)及びキノンからなる
触媒を用いたもの(特開平2−104564号公報)、
Pd,Co,R4 + - (R及びXは上記と同様。)
及びキノンからなる触媒を用いたもの(特開平2−14
2754号公報)、Pd,アルカリ金属又はアルカリ土
類金属,ヨウ化物又はヨウ化オニウム化合物及びゼオラ
イト類からなる触媒を用いたもの(特開平1−1655
51号公報)等が挙げられる。しかしながら、上記芳香
族有機カーボネートの製造方法は、高価なパラジウム
を量論量を必要とする。反応速度が遅く、収率が低
い。また、溶媒として、塩化メチレンを用いる場合が多
い。パラジウム触媒の再酸化剤として、Co,Mn塩
の他にキノン成分を必要とし、複雑な系である。また、
反応速度がおそく、収率が低い。触媒のターンオーバ
ーが低く、触媒成分として、脱水剤(モレキュラーシー
ブ)を必要とする等、様々な問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は、上
記の状況に鑑み、従来技術の問題点を解消し、含ハロゲ
ン系溶媒を用いなくても高収率・高選択率で、芳香族ヒ
ドロキシ化合物から一段で芳香族カーボネートを効率よ
く製造する方法を開発すべく鋭意研究を重ねた。その結
果、(a)パラジウム化合物、(b)一価又は二価の銅
化合物及び(c)ハロゲン化アンモニウム化合物からな
る触媒を用いることにより、目的を達成できることを見
出した。本発明はかかる知見に基いて完成したものであ
る。すなわち、本発明は、芳香族ヒドロキシ化合物,一
酸化炭素及び酸素とを、(a)パラジウム化合物、
(b)一価又は二価の銅化合物及び(c)ハロゲン化ア
ンモニウム化合物からなる触媒の存在下で反応させるこ
とを特徴とする芳香族カーボネートの製造方法を提供す
るものである。
【0005】本発明の方法において、芳香族ヒドロキシ
化合物としては、各種のものがあり、ポリカーボネート
製造(エステル交換法)の中間体として有用な芳香族カ
ーボネートの種類により適宜選定すればよく、モノヒド
ロキシ化合物あるいはジヒドロキシ化合物から選ばれる
フェノール類である。先ず、モノヒドロキシ化合物とし
ては、一般式(I)
【0006】
【化1】
【0007】〔式中、Xは水素原子,ハロゲン原子(例
えば、塩素,臭素,フッ素,沃素)あるいは炭素数1〜
6のアルキル基,アルコキシル基,シアノ基もしくはエ
ステル基を示し、o,mあるいはp位は問わない。〕で
表される炭素数6〜12の芳香族モノヒドロキシ化合物
(一価フェノール)である。該芳香族モノヒドロキシ化
合物としては、具体的には、例えば、フェノール,クレ
ゾール,p−メチルフェノール,t−ブチルフェノール
(p−t−ブチルフェノールなど),メトキシフェノー
ル,クロロフェノール,シアノフェノール等のフェノー
ル類が挙げられる。
【0008】そして、ジヒドロキシ化合物としては、一
般式(II) HO−Ar−OH ・・・(II) 〔式中、Arはアリーレン基を示す。〕で表される芳香
族ジヒドロキシ化合物(二価フェノール)である。該芳
香族ジヒドロキシ化合物としては、具体的には、例え
ば、カテコール,ハイドロキノン,レゾルシンあるいは
これらの置換誘導体であるフェノール類が挙げられる。
また、ジヒドロキシ化合物としては、一般式(III)
【0009】
【化2】
【0010】〔式中、Rは、それぞれ水素原子,ハロゲ
ン原子(例えば、塩素,臭素,フッ素,沃素)又は炭素
数1〜8のアルキル基であり、このRが複数の場合、そ
れらは同一であってもよいし、異なっていてもよく、a
及びbは、それぞれ1〜4の整数である。そして、Y
は、単結合,炭素数1〜8のアルキレン基,炭素数2〜
8のアルキリデン基,炭素数5〜15のシクロアルキレ
ン基,炭素数5〜15のシクロアルキリデン基又は−S
−,−SO−,−SO2 −,−O−,−CO−結合もし
くは一般式(IV)
【0011】
【化3】
【0012】で表わされる結合を示す。〕で表わされる
炭素数12〜27の芳香族ジヒドロキシ化合物(二価フ
ェノール)である。ここで、上記一般式(III) で表わさ
れる二価フェノールとしては、様々なものがあるが、特
に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
〔ビスフェノールA〕が好ましい。ビスフェノールA以
外の二価フェノールとしては、ビスフェノールA以外の
ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンとして1,1
−(4−ヒドロキシフェニル)メタン;1,1−(4−
ヒドロキシフェニル)エタン;ハイドロキノン;4,
4’−ジヒドロキシジフェニル;ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)シクロアルカン;ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)スルフィド;ビス(4−ヒドロキシフェニル)ス
ルホン;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシ
ド;ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル;ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ケトンのような化合物又は
ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン;ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパンのようなハロゲン化ビスフェノール類等
が挙げられる。これらのフェノール類が置換基としてア
ルキル基を有する場合には、炭素数1〜6のアルキル
基、特に炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。上記芳
香族ヒドロキシ化合物と反応させる一酸化炭素は、不活
性ガスで希釈されていても、水素との混合ガスであって
もよい。また、上記芳香族ヒドロキシ化合物と反応させ
る酸素は、純酸素であってもよいが、一般には不活性ガ
スで希釈されたもの、例えば空気等の酸素含有ガスであ
ってもよい。
【0013】一方、本発明の方法において、触媒は、前
述したように(a),(b)及び(c)成分から構成さ
れている。ここで(a)成分であるパラジウム化合物と
しては、例えば、塩化パラジウム(PdCl2),臭化パ
ラジウム(PdBr2),沃化パラジウム(PdI2),酢
酸パラジウム〔Pd(OAc)2;Acはアセチル基を示
す。〕, 硝酸パラジウム〔Pd(NO3)2 〕,硫酸パラ
ジウム(PdSO4 ),ジクロロビストリフェニルホス
フィンパラジウム〔PdCl2 (PPh3 2 ;Phは
フェニル基を示す。〕,ジブロモビストリフェニルホス
フィンパラジウム〔PdBr2 (PPh3 2 〕,塩化
パラジウムカルボニル〔PdCl(CO)〕,ジクロロ
ジベンゾニトリルパラジウム〔PdCl2 (PhCN)
2 〕,テトラn−ブチルアンモニウム臭化パラデート
〔(n−C4 9 4 NPdBr3 〕等が挙げられる。
また、担持型のパラジウム触媒としては、例えば、Pd
/活性炭,Pd/アルミナ,Pd/シリカ,Pd/シリ
カ・アルミナ,Pd/ゼオライト等が挙げられる。これ
らのパラジウム成分には、適宜アルキルホスフィン及び
芳香族ホスフィン等の配位子やアセトニトリル等のニト
リル配位子を組み合わせてもよい。
【0014】そして、(b)成分である一価又は二価の
銅化合物としては、例えば、酢酸銅〔Cu(OA
c)2 〕,ギ酸銅〔Cu(HCOO)2 〕,安息香酸銅
〔Cu(C 6 5 COO)2 〕等のカルボン酸塩、ま
た、一価の銅化合物として、塩化第一銅(Cu2
2 ),臭化第一銅(Cu2 Br2 ),ヨウ化第一銅
(Cu2 2)、さらに、二価の銅化合物として、塩化
第二銅(CuCl2 ),臭化第二銅(CuBr2 ),ヨ
ウ化第二銅(CuI2 ),硝酸銅〔Cu(N
3 2 〕,水酸化銅〔Cu(OH)2 〕,銅アセチル
アセトナト〔Cu(acac)2 〕等が挙げられる。
【0015】更に、(c)成分であるハロゲン化アンモ
ニウム化合物としては、例えば、テトラアルキルアンモ
ニウムハライド(具体的には、Me4 NBr,Et4
Br,Pr4 NCl,Bu4 NCl,Pr4 NBr,B
4 NBr,Pr4 NI,Bu4 NI等),PhCH2
(Bu)3 NBr,Ph(Me)3 NBr等が挙げられ
る。ここで、Meはメチル基,Etはエチル基,Prは
プロピル基,Buはブチル基,Phはフェニル基を示
す。これらの中では、臭化アンモニウム塩、特に、臭化
テトラブチルアンモニウムが好ましく用いられる。
【0016】本発明の方法において、触媒の量は、特に
制限はなく、通常は触媒量でよいが、例えば、(a)成
分については、原料である芳香族ヒドロキシ化合物1モ
ルに対して、Pdとして10-5〜0.5モル、好ましくは
10-4〜10-2モルである。10-5モル未満では、反応
速度が遅く実用的でない。一方、0.5モルを超えても、
それに相当する効果が認められず経済的に不利である。
また、(b)成分は、(a)成分のPd1モルに対し
て、通常1〜30モル、好ましくは1〜10モルであ
る。同様に、(c)成分は、(a)成分のPd1モルに
対して、通常1〜100モル、好ましくは1〜50モル
である。
【0017】本発明の方法は、無溶媒下でも進行する
が、溶媒中で行うことが好ましい。ここで、溶媒として
は、例えば、脂肪族炭化水素,環状脂肪族炭化水素,芳
香族炭化水素,ハロゲン化炭化水素,エーテル又はエス
テル等が挙げられる。脂肪族炭化水素,環状脂肪族炭化
水素及び芳香族炭化水素の具体例としては、ヘキサン,
ヘプタン,シクロヘキサン,ベンゼン,トルエン,キシ
レン等がある。また、ハロゲン化炭化水素の具体例とし
ては、塩化メチレン,クロロホルム,クロロベンゼン,
1,2−ジクロロエタン等がある。そして、エーテルの
具体例としては、1,2−ジメトキシエタン,1,4−
ジオキサン,ジエチレングリコールジメチルエーテル(D
iglyme) ,アニソール,ジフェニルエーテル,テトラヒ
ドロフラン(THF)等がある。さらに、エステルの具
体例としては、酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸フェニ
ル,プロピオン酸メチル,プロピオン酸エチル等が挙げ
られる。これらの溶媒の中で、塩化メチレン,ジクロロ
ベンゼン等のハロゲン化炭化水素は、芳香族カーボネー
トの収率は、非常に良好である。しかし、ハロゲン化炭
化水素は、副生物が多くなる傾向がみられ、近年、問題
にされているフロン規制を考慮すると、これらの含ハロ
ゲン溶剤の使用は望ましくない。また、ベンゼンの場合
には、同様に芳香族カーボネートの収率は、非常に良好
で、副生物が抑制される点ではハロゲン化炭化水素に比
べて幾分優れている。これに対して、1,2−ジメトキ
シエタン,1,4−ジオキサン,ジエチレングリコール
ジメチルエーテル等のエーテルあるいは酢酸エチルのエ
ステル等の含酸素化合物は、芳香族カーボネートの収率
が、良好であるとともに、副生物の生成が極めて少なく
大きな特徴を有する。したがって、本発明の方法におい
て、溶媒を用いる場合には、特に1,2−ジメトキシエ
タン,1,4−ジオキサンが好ましく用いられる。
【0018】反応温度は、特に制限はないが、通常は5
0〜200℃で、好ましくは70〜150℃である。あ
まり高温では、分解反応等の副反応が多くなり、また低
温下では、反応速度が低下して実用的でない。また、反
応圧力は、一酸化炭素や酸素等のガス状原料を用いるた
め、加圧状態に設定することが一般であり、通常は一酸
化炭素の分圧が少なくとも約30kg/cm2 であり、
酸素分圧が少なくとも約1kg/cm2 であればよい。
なお、ここで、爆発限界を考慮すると、酸素分圧は、一
酸化炭素分圧の5体積%程度にするのが好ましい。あま
り低圧では反応速度が低下し、また高圧すぎると反応装
置が大型となり建設費用が高く経済的に不利である。反
応方式は、回分,半連続及び連続のいずれでも可能であ
る。ここで、反応系の状態は、液相の場合と液相と気相
の混合状態のいずれかである。また、触媒の反応系にお
ける状態は、均一でも不均一でもよく、溶媒及び触媒を
適宜選択すればよい。上記原料成分及び触媒は、必要に
応じて希釈してもよく、その希釈剤として、液相では飽
和炭化水素等の不活性溶媒が用いられ、気相では窒素,
エタン,プロパン等の不活性ガスが用いられる。
【0019】本発明の方法は、芳香族ヒドロキシ化合
物,一酸化炭素及び酸素を原料として、これらを上記触
媒の存在下で反応させて、芳香族カーボネートを製造す
るものである。この反応で得られる目的物である芳香族
カーボネート(即ち、芳香族ヒドロキシ化合物の炭酸エ
ステル)としては、様々なものがある。例えば、一般式
(V)
【0020】
【化4】
【0021】〔式中、Xは前記と同じである。〕で表さ
れる芳香族カーボネートが挙げられる。具体的には、一
般式(V)において、Xが水素原子である式(VI)
【0022】
【化5】
【0023】で表される炭酸ジフェニルが得られる。ま
た、この反応で同時に得られる副生物としては、例え
ば、o−フェニレンカーボネート類,サリチル酸エステ
ル類あるいはハロゲン化フェノール類がある。これらの
副生物は、具体的には、例えば、o−フェニレンカーボ
ネート,サリチル酸フェニル,o−臭化フェノール,m
−臭化フェノール又はp−臭化フェノール等が挙げられ
る。なお、目的物と副生物の分離は抽出等の常法によれ
ばよい。
【0024】
【実施例】更に、本発明を実施例及び比較例により、詳
しく説明する。しかし、本発明はこれらの実施例によっ
て限定されるものではない。 実施例1 容量200ミリリットルのオートクレーブに、フェノー
ル9.41g(100ミリモル),臭化パラジウム0.04
g(0.15ミリモル),酢酸銅0.163g( 0.9ミリモ
ル),臭化テトラ−N−ブチルアンモニウム1.451g
( 4.5ミリモル)及び1,2−ジメトキシエタン50ミ
リリットルを封入した。一酸化炭素で加圧及び脱圧する
ことにより、このオートクレーブ内を一酸化炭素置換し
た。その後、25℃換算で、60kg/cm2 Gとなる
ように一酸化炭素を加圧し、さらに、酸素濃度を5体積
%となるように加圧した。これを100℃に加熱し、3
時間反応させた。途中、1時間毎にガス分析を行い、系
内の酸素濃度を5体積%となるように加圧した。冷却
後、脱圧し、濃褐色の均一反応溶液を得た。反応液をガ
スクロマトグラフィーによって分析した結果、ジフェニ
ルカーボネート(DPC)が10.2ミリモル生成してい
た(収率20.4%)。その他、副生物として、o−フェ
ニレンカーボネート(PHC)0.16ミリモル、o−ブ
ロモフェノール(o−BP)0.61ミリモル、m−ブロ
モフェノール(m−BP)0.40ミリモルが生成してい
た。なお、DPCの収率は、フェノール基準の収率を%
で表した。
【0025】実施例2〜8 実施例1において、1,2−ジメトキシエタンの代わり
に第1表に示した溶媒を用いた以外は、実施例1と同様
に実施した。実施例1〜8で得られた生成物及び副生物
の生成量を第1表に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】実施例9〜12及び比較例1〜2 実施例1において、酢酸銅の代わりに第2表に示した銅
化合物を用いた以外は、実施例1と同様に実施した。実
施例9〜12及び比較例1〜2で得られた生成物及び副
生物の生成量を第2表に示す。
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】実施例13〜16及び比較例3〜6 実施例1において、臭化テトラ−n−ブチルアンモニウ
ムの代わりに第3表に示した塩基類を用い、また、溶媒
として、塩メチレンを用いた以外は、実施例1と同様に
実施した。実施例13〜16及び比較例1〜2で得られ
た生成物及び副生物の生成量を第3表に示す。
【0032】
【表5】
【0033】
【表6】
【0034】実施例17〜22及び比較例7〜9 実施例1において、臭化パラジウムの代わりに第4表に
示した金属類を用いた以外は、実施例1と同様に実施し
た。実施例17〜22及び比較例3〜6で得られた生成
物及び副生物の生成量を第4表に示す。
【0035】
【表7】
【0036】
【表8】
【0037】実施例23 フェノールの代わりにカテコールを50ミリモル用い、
溶媒として、塩化メチレンを用いた以外は、実施例1と
同様に実施した。反応溶液をガスクロマトグラフィーに
よって分析した結果、o−フェニレンカーボネートが1
9.4ミリモル生成していた(収率38.8%)。
【0038】
【発明の効果】以上の如く、本発明の方法によれば、ポ
リカーボネート製造において有用な中間原料となる芳香
族カーボネートを効率良く製造することができる。した
がって本発明は、ポリカーボネート製造中間体(例え
ば、アリールカーボネート)の原料に使用できる芳香族
カーボネートを効率よく製造できる方法として、ポリカ
ーボネート樹脂製造の分野における利用価値が高い。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ヒドロキシ化合物,一酸化炭素及
    び酸素とを、(a)パラジウム化合物、(b)一価又は
    二価の銅化合物及び(c)ハロゲン化アンモニウム化合
    物からなる触媒の存在下で反応させることを特徴とする
    芳香族カーボネートの製造方法。
JP5004816A 1993-01-14 1993-01-14 芳香族カーボネートの製造方法 Pending JPH06211750A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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