JP3604529B2 - ポリカーボネート類を製造する方法 - Google Patents

ポリカーボネート類を製造する方法 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、ホスゲンを用いないでジアリールカーボネートを製造するに適した物質密封型(materially closed)でエネルギー連結型(energy−coupled)の一般的方法そしてビスフェノール類とジアリールカーボネート類から出発した溶媒を含まないポリカーボネート類を提供し、ここでは、オリゴ/ポリカーボネートを与えるエステル交換中に放出されるモノフェノールを、ホスゲンなしに、相当するモノフェノールの酸化的カルボニル化でジアリールカーボネート類を製造する時に再び用いることを特徴とする。
【0002】
芳香族ヒドロキシ化合物と一酸化炭素を貴金属触媒の存在下で酸化的に反応させると芳香族カーボネート類が生じ得ることは公知である(ドイツ特許出願公開第OS 2 738 437号、特開平01 165 551号、国際特許WO93/03000、ヨーロッパ特許第583 935号、ヨーロッパ特許第583 937号およびヨーロッパ特許第583 938号)。貴金属として好適にはパラジウムが用いられる。加うるに、共触媒(例えばマンガンまたはコバルト塩)、塩基、第四級塩、種々のキノン類またはヒドロキノン類および乾燥剤も用いられ得る。この反応は溶媒中、好適には塩化メチレン中で実施可能である。
【0003】
芳香族ヒドロキシ化合物と一酸化炭素と酸素を反応させると、生成する有機カーボネート1モル当たり1モルの水が放出され、これが反応の進行を遅らせる。例えばドイツ特許出願公開第OS 27 38 437号に従い、モレキュラーシーブを用いてそれに反応水を吸収させようとすると、液相から水を有効に分離するにはモレキュラーシーブを多量(100−500%過剰量)に用いる必要がありそして次にそれの再生を非常に複雑な様式で行う必要があることから、このような方法を産業的に応用するのは魅力的でない。このような方法で得られる空間時間収率は、これを産業的に応用するにはあまりにも低すぎる。このような反応を大規模に連続的に実施する方法は開示されていない。
【0004】
特開平04 257 546号には、貴金属触媒と第四級塩の存在下で芳香族ヒドロキシ化合物を一酸化炭素と一緒に30−50バール下150−205℃の蒸留カラムに連続供給してそれらに酸化的反応を受けさせることで有機カーボネート類を製造する方法が記述されている。その反応水を蒸留で連続的に留出させている。そのような方法の欠点は、反応水の除去で蒸留カラムを用いる必要があるがその構造が原因で滞留時間が短時間のみである点である。従って、そのような方法で達成可能な空間時間収率は非常に低く17.8g/L・時のみである。この反応を蒸留カラム内で実施する場合には多量のハロゲン化物を高温(150−205℃)で用いることが伴う。それにより、無視できない腐食問題がもたらされ、その結果としてまた装置費用も高くなる。加うるに、第四級塩として好適に用いられるヨウ化物は指定反応条件下で安定でなく、その多くが酸化を受けてヨウ素を生じることも、本分野の技術者に知られている。これにより、第四級塩が多量に失われることに加えて二次生成物が生成し、それによって、選択率が大きく低下することでその方法の経済的実行性が悪化する。加うるに、温度と圧力をそのように高くすると、ハロゲンが失われてパラジウムの粒子が成長することで均一触媒系の失活が急速に起こることが予測され、その結果として、このような方法を経済的に応用するのは不可能である。
【0005】
更に、従来技術で知られる方法は、それらの全部で、再利用物でない新鮮なモノヒドロキシ化合物が用いられている。溶融ポリカーボネートプラントとのマテリアルカップリング(material coupling)は今までのところ開示されておらず、従来技術における開示では不可能であるように思われる。更に、全くホスゲンを用いないで、芳香族ヒドロキシ化合物の酸化的カルボニル化で得られるジアリールカーボネート類とビスフェノール類のエステル交換で芳香族ポリカーボネート類を製造することは今まで開示されていなかった。従って、酸化的カルボニル化によるジアリールカーボネートの製造を溶融ポリカーボネートプラントとのマテリアルカップリングで高い空間時間収率で達成することを可能にする方法を見付け出すと言った目的が存在している。
【0006】
溶融ポリカーボネートプラントからの戻り流れをモノヒドロキシ化合物として用いると、驚くべきことに、芳香族モノヒドロキシ化合物の酸化的カルボニル化を高い空間時間収率および高い選択率(モノヒドロキシ化合物を基準にして99%以上)で実施することができることをここに見い出した。このことは驚くべきことである、と言うのは、その再利用するモノヒドロキシ化合物は新鮮なモノヒドロキシ化合物に比較して汚染されている可能性がありそしてこの種類の汚染は酸化的カルボニル化の選択率および反応率の両方を大きく低下させる可能性がありかつ触媒系を急速に失活させる恐れがあるからである。本件では、ジアリールカーボネート類の一般的方法そしてそれから溶融縮合で得られるポリカーボネート類を提供する。
【0007】
本発明に従う一般的方法は柔軟性があって実施が簡単でありかつ高純度の生成物をもたらすが、これは工程全体が極めて重要であり、従って、本方法に下記の工程段階を含める(図1参照):
1. 基礎芳香族ヒドロキシ化合物の酸化的カルボニル化でジアリールカーボネートを製造し、
2. 該ジアリールカーボネートを製造混合物から分離して精製し、
3. 該ジアリールカーボネートと芳香族ジヒドロキシ化合物のエステル交換を行うことでオリゴ/ポリカーボネートを生じさせると共に芳香族モノヒドロキシ化合物を放出させ、
4. 該ポリカーボネートおよび該芳香族モノヒドロキシ化合物の単離または分離を行い、
5. 該芳香族モノヒドロキシ化合物をジアリールカーボネート製造段階に戻す。
【0008】
従って、本発明は、式(II)
−OH (II)
[式中、
は、フェニル、メチルフェニル、エチルフェニルまたはクロロフェニルを表す]
で表される基礎の芳香族ヒドロキシ化合物と一酸化炭素と酸素を白金金属触媒と共触媒と第四級塩と塩基の存在下で反応させることで式(I)
−O−CO−O−R (I)
で表されるジアリールカーボネートを製造する方法に関し、この方法は、その使用する芳香族ヒドロキシ化合物が、(I)と式
【0009】
【化3】
Figure 0003604529
【0010】
[式中、
Xは、単結合、−S−、−SO−、−CO−、−O−、C−C−アルキリデンまたはC−C−シクロアルキリデンを表し、
は、メチル、ClまたはBrを表し、そして
nは、数0、1または2を表す]
で表されるビスフェノールを溶融重縮合させている間に脱離する芳香族ヒドロキシ化合物であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、ジアリールカーボネートの基礎となる芳香族ヒドロキシ化合物を脱離させながらジアリールカーボネートとビスフェノールを溶融重縮合させることでポリカーボネート類を製造する方法も提供し、この方法は、
a)式
−OH (II)
[式中、
は、フェニル、メチルフェニル、エチルフェニルまたはクロロフェニルを表す]
で表される基礎芳香族ヒドロキシ化合物の酸化的カルボニル化を一酸化炭素および酸素を用いて白金金属触媒と共触媒と第四級塩と塩基の存在下で行うことで式R−O−CO−O−R (I)で表されるジアリールカーボネートを製造し、
b)該ジアリールカーボネートの分離および精製を行い、
c)このジアリールカーボネートと式
【0012】
【化4】
Figure 0003604529
【0013】
[式中、
Xは、単結合、−S−、−SO−、−CO−、−O−、C−C−アルキリデンまたはC−C−シクロアルキリデンを表し、
は、メチル、ClまたはBrを表し、そして
nは、数0、1または2を表す]
で表されるビスフェノールのエステル交換を溶融重縮合方法で行うことで、相当するオリゴもしくはポリカーボネートを生じさせると共に芳香族ヒドロキシ化合物(II)を脱離させ、
d)該芳香族ヒドロキシ化合物(II)を該オリゴもしくはポリカーボネートから分離し、そして
e)(II)を段階a)に戻す、
段階を用いることを特徴とする。
【0014】
本発明に従って使用可能のビスフェノール類は、例えば4,4’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,2−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(C−アルキリデンを伴う)、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−スルホンおよび4,4’−ジヒドロキシ−ベンゾフェノンなどである。
【0015】
好適なビスフェノール類は、式
【0016】
【化5】
Figure 0003604529
【0017】
[式中、
Xは、単結合、−O−、C1−C5−アルキリデンまたはC6−C9−シクロアルキリデンを表し、そして
2およびnをこの上と同様に定義する]
で表されるビスフェノール類である。
【0018】
この上に記述したビスフェノール類の中で特に好適なビスフェノール類は、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンおよび1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、特に2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンである。
【0019】
本発明に従って使用可能でジアリールカーボネート(I)の基礎単位であるヒドロキシ化合物(II)は、例えばフェノール、o−、m−、p−クレゾール、o−、m−、p−エチルフェノールまたはo−、m−、p−クロロフェノールなどであり、好適にはフェノールまたはo−、m−、p−クレゾール、特にフェノールである。
【0020】
好適なジアリールカーボネート類は、フェノールまたはアルキル置換フェノール類のジエステル、例えばジフェニルカーボネートまたは例えばジクレジルカーボネート、特にジフェニルカーボネート(DPC)である。
【0021】
酸化的カルボニル化によるジアリールカーボネート類の製造を、好適には、塩基と第四級塩と白金金属もしくは白金金属化合物と共触媒を含めた触媒系を用いて公知様式で実施する。
【0022】
本発明に従うジアリールカーボネート類の合成で使用可能な塩基は、第三級アミン類、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミンなど、アルカリ金属の水酸化物、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウムまたは水酸化セシウムなど、式(II)[式中、Rをこの上で与えたのと同じ様式で定義する]で表される芳香族ヒドロキシ化合物のアルカリ金属塩などである。有機カーボネート(I)に変化させることを意図する芳香族ヒドロキシ化合物(II)のアルカリ金属塩が特に好適である。このようなアルカリ金属塩はリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムまたはセシウムの塩であってもよい。好適にはリチウム、ナトリウムまたはカリウムのフェノラート類を用い、特にナトリウムフェノラートを用いる。このアルカリ金属フェノラートは、固体状形態の高純度化合物としてか或は溶融物として反応混合物に添加可能である。また明らかに本発明に従う方法ではアルカリ金属フェノラートの水和物も使用可能である。ここで上げることができるそのような水和物の例は、本発明に従う方法を制限するものでないが、ナトリウムフェノラート三水化物である。しかしながら、好適には、使用する水の量が塩基1モル当たり多くて5モルになるように添加水の量を調整する。水の量をより多くすると一般に変換率が劣りかつ生成するカーボネートの分解がもたらされる。本発明のさらなる態様では、アルカリ金属のフェノラートが0.1から80重量%、好適には0.5から65重量%、特に1−50重量%入っている溶液として、アルカリ金属フェノラートを反応混合物に添加する。溶媒として、アルコール類またはフェノール類、例えば変換で用いるフェノールなど、或は不活性溶媒が使用可能である。以下に反応媒体で適切であるとして挙げる溶媒を挙げることができる。このような溶媒は単独でか或は互いの如何なる組み合わせでも使用可能である。このように、本発明に従う方法の1つの態様では、例えば、溶融フェノールを不活性溶媒で希釈してそれに塩基を溶解させる。好適には、芳香族ヒドロキシ化合物の溶融物に塩基を溶解させる。特に、有機カーボネートに変換することを意図する芳香族ヒドロキシ化合物の溶融物に塩基を溶解させる。具体的には、フェノールに塩基を添加して溶解させる。化学量論に依存しない量で塩基の添加を行う。この塩基に対する白金金属、例えばパラジウムの比率を、好適には、白金金属、例えばパラジウム1グラム原子当たり0.1から5000、好適には3から2000、特に9から1000当量の塩基になるように選択する。ここでは、この白金金属を金属として計算するが、しかしながら、この白金金属は金属としてか或はいろいろな酸化状態における結合形態で存在し得る。
【0023】
本発明に従うジアリールカーボネート製造方法を好適には無溶媒で実施する。明らかにまた不活性溶媒も使用可能である。挙げることができる溶媒の例は、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジオキサン、t−ブタノール、クミルアルコール、イソアミルアルコール、テトラメチル尿素、ジエチレングリコール、ハロゲン化炭化水素、例えばクロロベンゼンまたはジクロロベンゼンなど、およびエーテル類である。
【0024】
本発明に従うジアリールカーボネート類の製造で用いるに適切な白金金属触媒は、VIII族(CAS命名法)の金属を少なくとも1種、好適にはパラジウムを含有する触媒である。本発明に従う方法ではそれをいろいろな形態で用いることができる。パラジウムは、金属形態でか、或は好適には酸化状態が0および+2であるパラジウム化合物の形態、例えばパラジウム(II)のアセチルアセトネート、ハロゲン化物、C−C−カルボン酸塩、硝酸塩または酸化物、或はパラジウム錯体(これは例えば一酸化炭素、オレフィン類、アミン類、ホスフィン類またはハロゲン化物を含有し得る)などの形態で使用可能である。臭化パラジウムまたはアセチルアセトンパラジウムが特に好適である。
【0025】
本発明に従う方法では白金金属触媒の量を制限しない。好適には、反応混合物中の金属濃度が1−3000ppmの濃度になるに充分な量で触媒を用い、5−500ppmの濃度が特に好適である。
【0026】
本発明に従う方法で用いるに適した共触媒は、元素周期律システム(CAS命名法)のIIIB、IVB、VB、IB、IIB、VIBまたはVIIB族または鉄族の金属(化合物の形態)であり、この金属はいろいろな酸化状態で使用可能である。本発明に従う方法を制限するものでないが、マンガン(II)、マンガン(III)、銅(I)、銅(II)、コバルト(II)、コバルト(III)、バナジウム(III)またはバナジウム(IV)の化合物を挙げることができる。このような金属は、例えばハロゲン化物、酸化物、C−C−カルボン酸塩、ジケトン塩または硝酸塩に加えて、錯体化合物(これは例えば一酸化炭素、オレフィン類、アミン類、ホスフィン類またはハロゲン化物を含有し得る)などとして使用可能である。本発明に従う方法では、好適にはマンガン化合物、特にマンガン(II)化合物または錯体、具体的にはアセチルアセトンマンガン(II)を用いる。
【0027】
この共触媒を、これの濃度が反応混合物の0.0001から20重量%の範囲になるような量で用い、この濃度範囲は、好適には0.005から5重量%、特に0.01から2重量%である。
【0028】
本発明の文脈で用いる第四級塩は、例えば有機基で置換されているアンモニウム、ホスホニウムもしくはスルホニウム塩などであってもよい。有機基としてC−C10−アリール、C−C12−アラルキルおよび/またはC−C20−アルキル基を有しそしてアニオンとしてハロゲン化物、テトラフルオロホウ酸塩またはヘキサフルオロ燐酸塩を有するアンモニウム、ホスホニウムまたはスルホニウム塩が本発明に従う方法で用いるに適切である。この第四級塩の有機基は、この記述した基の中の同じか或は異なる種類のものであってもよい。本発明に従う方法では、C−C10−アリール、C−C12−アラルキルおよび/またはC−C10−アルキル基を有しそしてアニオンとしてハロゲン化物を有するアンモニウム塩を好適に用い、特に臭化テトラブチルアンモニウムを用いる。この種類の第四級塩の量は、反応混合物の重量を基準にして例えば0.1−20重量%であってもよい。この量は好適には0.1−15重量%、特に1−5重量%である。
【0029】
本発明に従う方法を、好適には無溶媒で、1から200バール、好適には2から100バール、特に5から50バールの圧力下30から200℃、好適には30から150℃、特に40から120℃で実施する。
【0030】
幅広い濃度範囲に渡って反応ガス、即ち一酸化炭素と酸素の組成を変化させることができるが、1:(0.001−1.0)、好適には1:(0.01−0.5)、特に1:(0.02−0.3)のCO:O比(COを基準)を用いるのが好都合である。このようなモル比を用いると、高い空間時間収率を達成することができると同時に爆発性の一酸化炭素/酸素ガス混合物を生じさせないに充分なほど酸素分圧が高くなる。この反応ガスは特別な純度要求を受けず、従って、CO源として合成ガスが使用可能でありそしてO担体として空気が使用可能であるが、触媒毒、例えば硫黄または硫黄化合物などが入り込まないことを確保する注意を払う必要がある。本発明に従う方法の好適な態様では、高純度のCOと高純度の酸素を用いる。
【0031】
本発明に従う方法では、反応ガスを過剰量で用いることで、反応体に含まれる水および反応中に継続して生じる水を除去する。この反応ガス(一酸化炭素と酸素と不活性ガス、例えば窒素、メタン、ネオンまたはアルゴン、好適には窒素を含有する)を、1時間につき、反応溶液1リットル当たり1−100000Nl、好適には反応溶液1リットル当たり5−50000Nl、特に反応溶液1リットル当たり10−10000Nlの量で導入する。
【0032】
ポリカーボネートプラントから出て来る戻り流れとして存在する芳香族ヒドロキシ化合物の量の10から100%、好適には15から100%、特に20から100%をジアリールカーボネート反応槽に供給する。さらなる態様では、その溶融ポリカーボネート製造で生じる芳香族ヒドロキシ化合物の残りの量、即ち90から0%、好適には85から0%、特に80から0%を、また、該ビスフェノールの製造でも使用し(その脱離する芳香族ヒドロキシ化合物がまた該ビスフェノールの基礎単位である場合のみであるが)、ここで、限界値である0(ゼロ)%は、該ポリカーボネートプラントから出て来る戻り流れ由来の芳香族ヒドロキシ化合物をビスフェノールの製造で用いないことを示す。
【0033】
このような関係は、例としてビスフェノールAのポリ/オリゴカーボネートを用いた理想的な形態で、下記の如く表示可能である:
【0034】
【化6】
Figure 0003604529
【0035】
従って、方程式(1)および(2)で用いたフェノール4nモルの中の2nモルが再び方程式(3)に従う溶融重縮合で脱離して方程式(1)および(2)に戻り得る。
【0036】
本発明に従う方法で製造したジアリールカーボネートの単離および精製は公知従来技術に従って実施可能であり、蒸留、抽出および/または晶析で実施可能である。
【0037】
このようにして製造したジアリールカーボネートを、ここで、芳香族ジヒドロキシ化合物(ビスフェノール)とのエステル交換(溶融重縮合)で直接用いる。このジアリールカーボネートを、ビスフェノール1モルを基準にして1.01から1.30モル、好適には1.02から1.15モルの量で用いる。このモル比を通して、重縮合度、従って分子量を調整する。このように、この上に示したモル質量を用いるとオリゴカーボネートまたは熱可塑性ポリカーボネートが得られる。ポリカーボネートの製造は1段階でか或はオリゴカーボネートを経由させて2−4段階で実施可能である。オリゴカーボネート類は容易に貯蔵可能なポリカーボネート前駆体である。
【0038】
分枝剤を少量用いることでポリカーボネートを予測可能および管理様式で分枝させることができる。適切な分枝剤は、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゼン、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタン、トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−フェニルメタン、2,2−ビス−[4,4−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキシル]−プロパン、2,4−ビス−(4−ヒドロキシフェニルイソプロピル)−フェノール、2,6−ビス−(2−ヒドロキシ−5’−メチルベンゼン)−4−メチルフェノール、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−プロパン、ヘキサ−(4−(4−ヒドロキシフェニルイソプロピル)−フェニル)−オルソテレフタレート、テトラ−(4−ヒドロキシフェニル)−メタン、テトラ−(4−(4−ヒドロキシフェニルイソプロピル)−フェノキシ)−メタン、1,1−ビス−(4’,4”−ジヒドロキシトリフェニル)−メチル)−ベンゼン、特にa,a’,a”−トリス−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼンである。可能なさらなる分枝剤は、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、トリメシン酸、シアヌール酸クロライドおよび3,3−ビス−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロインドールである。任意に組み込んでもよい分枝剤を、使用するビスフェノール類を基準にして0.05から2モル%の量で、該ビスフェノール類と一緒に添加してもよい。
【0039】
オリゴカーボネート製造用の反応成分または多段階ポリカーボネート製造における第一段階用の反応成分、即ちビスフェノール類とジアリールカーボネート類にアルカリ金属イオンもアルカリ土類金属イオンも全く含有させないのが有利であり、容認され得るアルカリ金属イオン量およびアルカリ土類金属イオン量は0.1ppm未満である。このような種類の高純度ビスフェノール類およびジアリールカーボネート類は、例えば、これらの物質を再結晶するか、洗浄するか或は蒸留することなどで入手可能である。本発明に従い、該ビスフェノールおよびまたジアリールカーボネート両方中のアルカリ金属イオンおよびアルカリ土類金属イオンの濃度を0.1ppm未満にすべきである。
【0040】
溶融状態におけるビスフェノールとジアリールカーボネートのエステル交換反応を好適には2段階で実施する。第一段階において、該ビスフェノールとジアリールカーボネートの溶融を大気圧下80−250℃、好適には100−230℃、特に120−190℃の温度で0.01−5時間、好適には0.25−3時間かけて起こさせる。触媒を添加した後、真空をかけ(2mmHg未満にまで下がるまで)そして芳香族ヒドロキシ化合物(II)を留出させることで温度を上昇させ(260℃にまで)ると、該ビスフェノールとジアリールカーボネートからオリゴカーボネートが生じる。このようにして生じさせたオリゴカーボネートは2000から18000、好適には4000から15000の範囲の平均分子量M(ジクロロメタン中か或はフェノールとo−ジクロロベンゼンの等重量混合物中で相対溶液粘度を測定して光散乱で較正を行うことで測定)を有する。ジアリールカーボネート(I)の基礎単位である芳香族ヒドロキシ化合物(II)を主要比率(>80%)で回収してこの上で述べた範囲内でジアリールカーボネートの新しい製造過程に戻す。
【0041】
第二段階における溶融重縮合中に<2mmHgの圧力下温度を更に上昇させて250−320℃、好適には270−295℃にするとポリカーボネートが生じる。ここで、ジアリールカーボネート(I)の基礎単位である芳香族ヒドロキシ化合物(II)の残りを回収する。(II)がポリカーボネートの末端基になりそして(II)がポリカーボネート内に残存することが原因で、(II)が少量失われるが、その量は約<5%、好適には<2%、特に<1%である。このような損失が生じた場合には、ジアリールカーボネートの生成に相当する量で(II)を補充すべきである。汚染物の蓄積を抑制する目的で、その循環させる(II)をジアリールカーボネートの製造で再び用いる前に、それから浄化流(purge stream)を取り出してもよい。
【0042】
本発明に従うジアリールカーボネートとビスフェノールのエステル交換で用いるに適した触媒は全ての塩基性無機もしくは有機化合物であり、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、カルシウム、バリウム、マグネシウムなどの水酸化物、炭酸塩、ハロゲン化物、フェノラート類、ジフェノラート類、フッ化物、酢酸塩、燐酸塩、水素燐酸塩またはボラネート(boranates)など、窒素または燐の塩基、例えば水酸化テトラメチルアンモニウム、酢酸テトラメチルアンモニウム、フッ化テトラメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウムテトラフェニルボラネート、フッ化テトラフェニルホスホニウム、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボラネート、水酸化ジメチルジフェニルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、DBU(ジアザビシクロウンデセン)、DBN(ジアザビシクロノナン)またはグアニジン系、例えば1,5,7−トリアザビシクロ−[4,4,0]−デセ−5−エン、7−フェニル−1,5,7−トリアザビシクロ−[4,4,0]−デセ−5−エン、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ−[4,4,0]−デセ−5−エン、7,7’−ヘキシリデン−ジ−1,5,7−トリアザビシクロ−[4,4,0]−デセ−5−エン、7,7’−デシリデン−ジ−1,5,7−トリアザビシクロ−[4,4,0]−デセ−5−エンまたは7,7’−ドデシリデン−ジ−1,5,7−トリアザビシクロ−[4,4,0]−デセ−5−エン、或はホスファゼン類、例えばホスファゼン塩基P−t−オクト=t−オクチル−イミノ−トリス−(ジメチルアミノ)−ホスホラン、ホスファゼン塩基P−t−ブチル=t−ブチル−イミノ−トリス−(ジメチルアミノ)−ホスホランまたはBEMP=2−t−ブチルイミノ−2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−パーヒドロ−1,3−ジアザ−2−ホスホリンなどである。
【0043】
このような触媒をビスフェノール1モル当たり10−2から10−8モルの量で用いる。また、これらの触媒を互いに組み合わせて(2種以上)用いることも可能である。
【0044】
アルカリ/アルカリ土類金属触媒を用いる場合、それらを後期(例えばオリゴカーボネート合成後、重縮合中、第二段階中など)に添加するのが有利であり得る。アルカリ/アルカリ土類金属触媒の添加は、例えば固体としてか或は水、フェノール、オリゴカーボネートまたはポリカーボネート中の溶液として実施可能である。このアルカリもしくはアルカリ土類金属触媒を用いることは、この上で述べた反応相手の純度に関する要求に矛盾しない。
【0045】
本発明の文脈において、ポリカーボネートを与えるビスフェノールとジアリールカーボネートの反応は、バッチ式または連続式に実施可能であり、例えば撹拌タンク、薄層蒸発装置、流下液膜式蒸発装置、撹拌タンクカスケード、押出し機、ニーダー、簡単なディスク反応槽および高粘度用ディスク反応槽などを用いて実施可能である。
【0046】
本発明に従う方法で生じる芳香族ポリカーボネート類は、18000から80000、好適には19000−50000の平均重量分子量M(ジクロロメタン中か或はフェノールとo−ジクロロベンゼンの等重量混合物中で相対溶液粘度を測定して光散乱で較正を行うことで測定)を有する。
【0047】
粗(II)をエステル交換過程中に単離すると、これは、エステル交換条件および蒸留条件に応じて、とりわけジアリールカーボネート、ビスフェノール、サリチル酸、サリチル酸フェニル、イソプロペニルフェノール、フェノキシ安息香酸フェニル、キサントンまたはヒドロキシモノアリールカーボネートで汚染されている可能性がある。必ずしも必要ではないが、通常の精製方法、即ち簡単な蒸留または再結晶などを用いて、精製を行ってもよい。この場合の(II)の純度は、>97%、好適には>98%、特に>99%であり、次に本発明に従って循環させてジアリールカーボネートの製造で用いるに充分な純度である。
【0048】
【実施例】
添付図1に、ジアリールカーボネートを製造する本発明に従う方法およびポリカーボネート類を製造する本発明に従う方法の実施で用いる柔軟なパイロットプラントのブロック図を示す。図1に示す装置に、ジフェニルカーボネート(DPC)製造用反応槽A、このAから流れ出る粗反応混合物からDPCを分離するための装置B(進行するDPCの精製を任意にまたBで実施することも可能である)、第一および第二段階のオリゴマー化のためのエステル交換反応槽CおよびD、および溶融重縮合用エステル交換反応槽E(本方法を数段階で実施する場合で、ここでは第三段階として)を含める。
【0049】
それぞれパイプ(1)および(2)に通して、一酸化炭素と酸素[CO:Oのモル比(COを基準)が1:0.035]を供給ガスとして計量して反応槽Aに入れた。このようなモル比にすると、約150gのDPC/L・時から成る高い空間時間収率を達成することができると同時に爆発性の一酸化炭素/酸素ガス混合物が生じる可能性がなくなるに充分なほど酸素の分圧が高くなる。一酸化炭素と酸素を個別に供給することで最適酸素濃度を確保する。
【0050】
パイプ(3)に通してフェノールを反応槽Aに導入する一方、パイプ(4)に通して補充用フェノールと触媒系を供給した。10バール(絶対)の全圧で反応槽A内の温度を80℃にした。供給ガスを過剰量で用いて、反応中に生じる水を排気用パイプ(15)に通して取り出して、その水を供給ガスから分離した。浄化流を取り出し(パイプ19)て不活性ガスと二酸化炭素を分離した後の過剰量の供給ガスをパイプ(16)で反応槽Aに戻した。
【0051】
ジフェニルカーボネートが入っている粗反応混合物をパイプ(5)で反応槽Aから連続的に取り出して装置Bに送り込み、その中で、その生じたDPCの分離と精製を実施した。触媒系が入っている母液をパイプ(6)で反応槽Aに戻した。B内で回収したDPCをパイプ(7)で第一段階のエステル交換/溶融重縮合Cに供給した。更に、パイプ(8)に通して、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン(ビスフェノールA)の流れをCに供給した。
【0052】
CおよびD内で、エステル交換触媒としてのテトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボラネート(変換を受けさせるビスフェノールA 1モル当たり10−6モル)の存在下、最初180℃の温度を220℃に上昇させると同時に圧力を下げて100ミリバールにすることで反応を起こさせた。脱離したフェノールをパイプ(9)で反応槽Aに戻し、そしてパイプ(10)に通して、オリゴカーボネートを第二段階のエステル交換/溶融重縮合Dに供給した。温度が250℃で圧力が5ミリバールのD内で更にフェノールが脱離し、そのフェノールをパイプ(11)で反応槽Aに戻した。分子量が約5000g/モルのオリゴカーボネートをパイプ(12)でエステル交換反応槽Dから取り出して第三段階(重縮合反応槽E)に送り込んだ。変換を受けさせるビスフェノールA 1モル当たり10−6モルの量でNaOHが存在していて温度が290℃で圧力が0.1ミリバールのE内で、最後に残るフェノールが脱離し、そしてそのフェノールをCおよびDで脱離したフェノールと一緒にして、それから浄化流(13)を取り出した後、パイプ(17)および多岐管(14)で反応槽Aに戻した。ポリカーボネートを工程生成物として重縮合反応槽Eから取り出し(パイプ18)、これは約25000g/モルの分子量を有していた。このポリカーボネートは淡黄色で溶媒を含有していなかった。このパイロットプラントを21日間連続運転した後に運転を停止したが、品質が低下する兆候もまた得られる分子量が低下する兆候も全く検出されなかった。
【0053】
本発明の特徴および態様は以下のとうりである。
【0054】
1. 式(II)
1−OH (II)
[式中、
1は、フェニル、メチルフェニル、エチルフェニルまたはクロロフェニルを表す]
で表される基礎の芳香族ヒドロキシ化合物と一酸化炭素と酸素を白金金属触媒と共触媒と第四級塩と塩基の存在下で反応させることで式(I)
1−O−CO−O−R1 (I)
で表されるジアリールカーボネートを製造し、得られたジアリールカーボネート(I)と式
【0055】
【化7】
Figure 0003604529
【0056】
[式中、
Xは、単結合、−S−、−SO2−、−CO−、−O−、C1−C8−アルキリデンまたはC5−C9−シクロアルキリデンを表し、
2は、メチル、ClまたはBrを表し、そして
nは、数0、1または2を表す]
で表されるビスフェノールを溶融重縮合させてポリカーボネートを製造し、溶融重縮合に際し脱離する芳香族ヒドロキシ化合物を上記基礎の芳香族ヒドロキシ化合物として使用することを特徴とするポリカーボネート類を製造する方法。
【0057】
2. ジアリールカーボネートから基礎の芳香族ヒドロキシ化合物を脱離させながらジアリールカーボネートとビスフェノールを溶融重縮合させることでポリカーボネート類を製造する方法であって、
a)式
−OH (II)
[式中、
は、フェニル、メチルフェニル、エチルフェニルまたはクロロフェニルを表す]
で表される基礎芳香族ヒドロキシ化合物の酸化的カルボニル化を一酸化炭素および酸素を用いて白金金属触媒と共触媒と第四級塩と塩基の存在下で行うことで式
−O−CO−O−R (I)
で表されるジアリールカーボネートを製造し、
b)該ジアリールカーボネートの分離および精製を行い、
c)このジアリールカーボネートと式
【0058】
【化8】
Figure 0003604529
【0059】
[式中、
Xは、単結合、−S−、−SO−、−CO−、−O−、C−C−アルキリデンまたはC−C−シクロアルキリデンを表し、
は、メチル、ClまたはBrを表し、そして
nは、数0、1または2を表す]
で表されるビスフェノールのエステル交換を溶融重縮合方法で行うことで、相当するオリゴもしくはポリカーボネートを生じさせると共に芳香族ヒドロキシ化合物(II)を脱離させ、
d)該芳香族ヒドロキシ化合物(II)を該オリゴもしくはポリカーボネートから分離し、そして
e)(II)を段階a)に戻す、
段階を用いることを特徴とする方法。
【0060】
3. 式
【0061】
【化9】
Figure 0003604529
【0062】
[式中、
Xは、単結合、−O−、C1−C5−アルキリデンまたはC6−C9−シクロアルキリデンを表し、そして
2およびnをこの上と同じ様式で定義する]
で表されるビスフェノールとして好適には2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンまたは1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを用いることを特徴とする第1項記載の方法。
【0063】
4. 該芳香族ヒドロキシ化合物としてフェノールまたはo−、m−もしくはp−クレゾールを用いることを特徴とする第1項記載の方法。
【0064】
5. 塩基として第三級アミン類、アルカリ金属の水酸化物、または芳香族ヒドロキシ化合物(II)のアルカリ金属塩を用いることを特徴とする第1項記載の方法。
【0065】
6. 白金金属触媒としてパラジウムを金属形態または酸化状態が0または+2のPd化合物の形態で用いることを特徴とする第1項記載の方法。
【0066】
7. 共触媒としてIIIB、IVB、VB、IB、IIB、VIB、VIIB族または鉄族の金属を化合物の形態で用いることを特徴とする第1項記載の方法。
【0067】
8. 第四級塩として有機基で置換されているアンモニウム、ホスホニウムもしくはスルホニウム塩を用いることを特徴とする第1項記載の方法。
【0068】
9. 溶融重縮合中に脱離する芳香族ヒドロキシ化合物の10−100%をジアリールカーボネートの製造に戻すことを特徴とする第1項記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】ジアリールカーボネートを製造する本発明に従う方法およびポリカーボネート類を製造する本発明に従う方法の実施で用いる柔軟なパイロットプラントのブロック図を示す。

Claims (2)

  1. 式(II)
    1−OH (II)
    [式中、
    1は、フェニル、メチルフェニル、エチルフェニルまたはクロロフェニルを表す]
    で表される基礎の芳香族ヒドロキシ化合物と一酸化炭素と酸素を白金金属触媒と共触媒と第四級塩と塩基の存在下で反応させることで式(I)
    1−O−CO−O−R1 (I)
    で表されるジアリールカーボネートを製造し、得られたジアリールカーボネート(I)と式
    Figure 0003604529
    [式中、
    Xは、単結合、−S−、−SO2−、−CO−、−O−、C1−C8−アルキリデンまたはC5−C9−シクロアルキリデンを表し、
    2は、メチル、ClまたはBrを表し、そして
    nは、数0、1または2を表す]
    で表されるビスフェノールを溶融重縮合させてポリカーボネートを製造し、溶融重縮合に際し脱離する芳香族ヒドロキシ化合物を上記基礎の芳香族ヒドロキシ化合物として使用することを特徴とするポリカーボネート類を製造する方法。
  2. a)式
    1−OH (II)
    [式中、
    1は、フェニル、メチルフェニル、エチルフェニルまたはクロロフェニルを表す]
    で表される基礎芳香族ヒドロキシ化合物の酸化的カルボニル化を一酸化炭素および酸素を用いて白金金属触媒と共触媒と第四級塩と塩基の存在下で行うことで式
    1−O−CO−O−R1 (I)
    で表されるジアリールカーボネートを製造し、
    b)該ジアリールカーボネートの分離および精製を行い、
    c)このジアリールカーボネートと式
    Figure 0003604529
    [式中、
    Xは、単結合、−S−、−SO2−、−CO−、−O−、C1−C8−アルキリデンまたはC5−C9−シクロアルキリデンを表し、
    2は、メチル、ClまたはBrを表し、そして
    nは、数0、1または2を表す]
    で表されるビスフェノールのエステル交換を溶融重縮合方法で行うことで、相当するオリゴもしくはポリカーボネートを生じさせると共に芳香族ヒドロキシ化合物(II)を脱離させ、
    d)該芳香族ヒドロキシ化合物(II)を該オリゴもしくはポリカーボネートから分離し、そして
    e)(II)を段階a)に戻す、
    段階を用いることを特徴とするポリカーボネート類を製造する方法。
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