JPH1143539A - 芳香族ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents
芳香族ポリカーボネートの製造方法Info
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- JPH1143539A JPH1143539A JP20294797A JP20294797A JPH1143539A JP H1143539 A JPH1143539 A JP H1143539A JP 20294797 A JP20294797 A JP 20294797A JP 20294797 A JP20294797 A JP 20294797A JP H1143539 A JPH1143539 A JP H1143539A
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Abstract
相等の良好なポリカーボネートをコスト的に優位で生産
性良く製造する方法の提供。 【解決手段】 芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリール
カーボネートとをエステル交換触媒の存在下に溶融重縮
合反応させて芳香族ポリカーボネートを製造する方法に
おいて、易水溶性塩素系不純物の塩素含有量が30pp
b以下、且つ、含窒素系不純物の全窒素含有量が1.0
ppm以下であるジアリールカーボネートを用いる。
Description
ネートの製造方法に関する。詳しくは、芳香族ジヒドロ
キシ化合物と特定の不純物の含有量の少ないジアリール
カーボネートとを溶融重縮合反応させて芳香族ポリカー
ボネートを製造する方法に関する。本発明によれば、色
調に優れた商品質の芳香族ポリカーボネートをエステル
交換法により生産性良く製造することができる。
明性、耐衝撃性、耐熱性、寸法安定性等の特長を生かし
てエンジニアリングプラスチックとして幅広く利用され
ている。その製造方法としては、塩化メチレン/水の二
相系溶媒中でホスゲンとビスフェノール化合物を反応さ
せるいわゆる界面重合法が主流である。近年になり塩化
メチレンの発癌性等が危惧されるに及び、塩化メチレン
の排水規制や大気汚染に対する規制が強化されるのに対
応してビスフェノール化合物とジアリールカーボネート
とのエステル交換法による重合法が見直されている。
り高温でしかも触媒の存在下に反応を行うため、着色を
回避することが製造上の重要なポイントの一つとなる。
着色を回避する要素としては目標とする分子量を達成す
るのに当たり、できるだけ低い温度で、できるだけ少な
い触媒量で重合することである。この目的を達成するた
めには重合に用いる原料の純度は極めて重要であり、こ
れまでにも特開平2−175722号公報には原料中の
不純物として加水分解可能な塩素含有量の合計量が3p
pm以下の重合原料を用いる方法が提案されている。ま
た、特開平4−100824号公報には重合触媒を用い
ず塩素含有量が0.05ppm以下で且つキサントン含
有量が10ppm以下であるジアリールカーボネートを
用いる方法が提案されている。更には特開平7−258
30号公報には炭酸ジエステルをアルミノシリケートの
存在下で加熱減圧処理することにより加水分解可能な塩
素含有量を5ppm以下等とする精製法並びにこの方法
で精製した原料を用いる溶融重合法が提案されている。
特定の塩素系不純物としては特開平5−262872号
公報において炭酸ジエステル中のクロロフォルメートに
基づく塩素含量が30ppm以下であることを特徴とす
る重合法が提案されている。
法はいずれも加水分解性の塩素化合物含量を低減させて
いるものの、その中でも特に触媒に対する被毒作用が顕
著となる不純物種の組合せ並びにその低減が不十分であ
ったため、過剰量の触媒を使用し重合を行わざるを得ず
品質も十分に満足されるものではなかった。本発明の目
的は、エステル交換法による重合において重合に使用す
る触媒量を必要十分な極小量に落とし、品質に優れるポ
リカーボネートをコスト的に優位で生産性良く製造する
方法を提供することにある。
題を解決するために原料のジアリールカーボネート中に
含有される不純物について鋭意検討した結果、触媒の被
毒効果が顕著となる不純物種の新たなる組合せ及びその
臨界的な触媒被毒作用を見出し、この知見に基づき、従
来に比べて格段の触媒量低減を可能にし、品質が向上す
る方法を確立し本発明を完成するに到った。
シ化合物とジアリールカーボネートとをエステル交換触
媒の存在下に溶融重縮合反応させて芳香族ポリカーボネ
ートを製造する方法において、易水溶性塩素系不純物の
塩素含有量が30ppb以下、且つ、含窒素系不純物の
全窒素含有量が1.0ppm以下であるジアリールカー
ボネートを用いることを特徴とする芳香族ポリカーボネ
ートの製造方法、にある。以下、本発明を詳細に説明す
る。
ロキシ化合物は一般式(1)で示される化合物である。
置換基を有していてもよい直鎖状、分岐状又は環状の二
価の炭化水素基、−O−、−S−、−CO−、−SO−
又は−SO2 −を表わし、X及びYは、それぞれ独立し
て、ハロゲン又は炭素数1〜6の炭化水素基を表わしp
及びqは0〜2の整数である)
合物の幾つかの代表例を挙げれば、例えばビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジブロモフェニル)プロパン、4,4−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)シクロヘキサン等のビスフェノー
ル;4,4′−ジヒドロキシビフェニル、3,3′,
5,5′−テトラメチル−4,4′−ジヒドロキシビフ
ェニル等のビフェノール;ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフ
ィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ケトン等である。これらの
中でも2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ンが好ましい。
(共重合体)もできるし、また、分岐状芳香族ポリカー
ボネートを製造しようとするときは、少量の三価以上の
多価フェノールを共重合させることもできる。また、製
造される芳香族ポリカーボネートの熱安定性や耐加水分
解性を更に向上させることを目的として、水酸基末端の
封止のために、p−t−ブチルフェノール、p−t−オ
クチルフェノール、p−クミルフェノール等の一価フェ
ノール類を使用することもできる。
ト化合物は、一般式(2)で示される化合物である。
て、炭素数が1〜10のアルキル基又は、アルコキシ基
を表わし、m及びnは0〜2の整数である)
ば、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネー
ト、ジキシリルカーボネート、ビスブチルフェニルカー
ボネート、ビスノニルフェニルカーボネート、ビスメト
キシフェニルカーボネート、ビスブトキシフェニルカー
ボネート等を挙げることができる。これらの中でもジフ
ェニルカーボネートが好ましい。これらジアリールカー
ボネート化合物は、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに
対して過剰に用いられるのが一般的であり、1.01〜
1.30モル、好ましくは1.02〜1.20モルの量
で用いることが望ましい。
としては、ジメチルカーボネート等からヒドロキシアリ
ール化合物とのエステル交換反応により合成する方法や
ホスゲン及び/又はいわゆるホスゲンダイマーやトリマ
ー及び/又はアリールクロロフォルメート等のホスゲン
誘導体とヒドロキシアリール化合物とのホスゲン化反応
による方法等が代表的なものとして知られるが、本発明
は特にその合成方法によって限定されるものではない。
ところでホスゲン化においては、一般に触媒としてトリ
エチルアミンやピリジン等の含窒素系塩基性触媒の存在
下で脱塩酸や脱塩化ナトリウムや脱塩化カリウム等が行
われるため本発明が特に有効である。
について、本発明の最終的な目標である品質に優れるポ
リカーボネートをコスト的に優位で生産性良く重合する
方法を確立すると言う意味において考えるならば、原料
合成の過程で副生し着色の原因となる異性体の生成量が
少なく、結果的に原料精製工程のコストが小さいホスゲ
ン化による方法が品質的、コスト的に優位であると考え
られる。本発明で好適に用いられるジアリールカーボネ
ートの合成方法としては、例えば、芳香族モノヒドロキ
シ化合物とホスゲン又はアリールクロロフォルメートと
を含窒素塩基性化合物、より好適には芳香族複素環式含
窒素塩基性化合物の存在下に反応させて生成した反応混
合物を、80〜95℃の温水と接触させ、再び水相と有
機相に分離し、この分離された有機相より蒸留によりジ
アリールカーボネートを回収する方法等が挙げられる。
に含まれる易水溶性塩素系不純物とは、以下の方法によ
りその塩素含有量が分析されるものである。即ち、精秤
したジアリールカーボネート(5g)を精製トルエン
(10ml)にて加温溶解後超純水(10ml)を加え
て、室温で10分間撹拌(マグネチックスターラー10
00rpm)した後、水相中の塩素をイオンクロマトグ
ラフで分析する方法である。
特開平5−262872号公報でも明らかにされている
ように、クロロフォルメートに基づくような有機系の塩
素は殆んどなく、その主たる成分はアミン・塩酸塩やN
aCl、KCl等の塩酸塩或いは塩酸そのものと考えら
れる。本発明におけるこれらの易水溶性塩素系不純物の
塩素含有量(以下、Cl含量と略記)は、30ppb以
下、好適には20ppb以下、更に好適には15ppb
以下である。Cl含量が30ppbを超えると初期の重
合活性が低下するため過剰の触媒を加えるか又は品質に
悪影響のある末端OH基を増やさないと重合度が上がら
ない。
に含まれる含窒素系不純物の全窒素含有量(以下、全N
含量と略記)は、例えば三菱化学(株)社製のTota
lNitrogen Analyzer TN−05等
のいわゆる全窒素分析計で測定される測定値である。本
発明におけるこれら含窒素系不純物の全N含量は、1.
0ppm以下、好適には0.7ppm以下、更に好適に
は0.5ppm以下であることが望ましい。全N含量が
1.0ppmを超えると初期の重合速度が低下するため
過剰の触媒を加えるか又は品質に悪影響のある末端OH
基を増やさないと重合度が上がらない。
窒素系不純物は相乗的に重合に影響し、Cl量が30p
pb以下であっても全N含量が1.0ppmを超える場
合は初期の重合速度が低下し、一方、全N含量が1.0
ppm以下であってもCl量が30ppbを超える場合
にも、重合速度が低下して本発明の効果は得られない。
これはジアリールカーボネートの合成過程で残存する弱
塩基性の含窒素系不純物が塩酸等との塩となり、無機酸
そのものに比べて重合過程での揮散が減る、或いは重合
に用いる塩基性触媒との酸−塩基相互作用が変化する等
の影響で触媒への被毒作用が強まるためと推定されるが
詳細は明らかでない。
触媒としては公知の触媒等が用いられるが、中でも塩基
性触媒が好適であり、例えばアルカリ金属やアルカリ土
類金属等のエステル交換触媒や、含窒素塩基性化合物や
含リン塩基性化合物等のエステル交換触媒が用いられ
る。アルカリ金属及びアルカリ土類金属化合物として
は、具体的には、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の
有機酸塩、無機酸塩、酸化合物、水酸化物、水素化物或
いはアルコラート等が好ましく挙げられる。
ては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチ
ウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水
素リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチ
ウム、ビスフェノールAの二ナトリウム塩、二カリウム
塩、二リチウム塩、フェノールのナトリウム塩、カリウ
ム塩、リチウム塩、水酸化セシウム、炭酸セシウム、炭
酸水素セシウム等の無機セシウム塩、酢酸セシウム、ス
テアリン酸セシウム等の有機酸セシウム塩、セシウムメ
チレート、セシウムエチレート等のセシウムアルコラー
ト、セシウムフェノレート、ビスフェノールAのジセシ
ウム塩等のフェノール類セシウム塩等が挙げられる。
具体的に、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化
マグネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシ
ウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸
水素ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、
炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム等が挙げられ
る。これらの化合物は単独で、或いは組み合わせて用い
られる。
ルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物と
共に、塩基性化合物を用いることもできる。このような
塩基性化合物としては、例えば高温で易分解性又は揮発
性であり、最終の芳香族ポリカーボネートに残留するこ
とが少なく、色相等の物性に悪影響を与えない含窒素塩
基性化合物及びホスホニウムヒドロキシド化合物が挙げ
られ、具体的には、以下のような化合物が挙げられる。
ルアンモニウムヒドロキシド(Me 4 NOH)、テトラ
エチルアンモニウムヒドロキシド(Et4 NOH)等の
アルキル、アリール、アルアリール基等を有するアンモ
ニウムヒドロキシド類、トリメチルアミン、トリエチル
アミン等の三級アミン類、R2 NH(式中、Rはメチ
ル、エチル等のアルキル、フェニル、トルイル等のアリ
ール基等である)で示される二級アミン類、RNH
2 (式中、Rは上記と同じである)で示される一級アミ
ン類、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾ
ール等のイミダゾール類、ニトリロ三酢酸ナトリウム等
のイミノカルボン酸誘導体又はその塩、或いはアンモニ
ア、テトラメチルアンモニウムボロハイドライド(Me
4 NBH4 )、テトラブチルアンモニウムボロハイドラ
イド(Bu4 NBH4 )等の塩基性塩が挙げられる。
しては、テトラエチルホスホニウムヒドロキシド、テト
ラブチルホスホニウムヒドロキシド、テトラフェニルホ
スホニウムヒドロキシド、メチルトリフェニルホスホニ
ウムヒドロキシド、アリルトリフェニルホスホニウムヒ
ドロキシド等が挙げられる。これらの中、テトラアルキ
ルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルホスホニウ
ムヒドロキシド、テトラフェニルホスホニウムヒドロキ
シドが好ましく用いられる。
び/又はアルカリ土類金属化合物の場合には、芳香族ジ
オール化合物1モルに対して、通常1×10-5〜1×1
0-4モル、好ましくは1×10-7〜1×10-5モルの量
で用いられ、また、塩基性化合物の場合には、芳香族ジ
オール化合物1モルに対して通常1×10-7〜1×10
-1モル、好ましくは1×10-6〜1×10-2モルの量で
用いられる。
限定はなく、一般的にエステル交換反応に用いられる重
合プロセスが採用可能である。例えば撹拌装置を備えた
縦型及び/又は横型の重合装置を一機ないしは数機を適
当に組合せ、バッチ式ないしは連続式で、170〜30
0℃、より好適には200〜280℃、更に好適には2
10〜275℃の温度範囲で温度を上昇させ、また重合
圧力も重合の進行に伴い減圧度を常圧〜フル真空の間で
適度に上昇させることにより重合を進行させ分子量を上
げる方法がある。特に重合度が上がり粘度が上昇する重
合後期においては、界面更新性に優れる横型反応器等高
粘度対応型の反応器が好適に用いられる。また、別の方
法として重合後期に一旦生成ポリマーを熱処理や溶媒接
触等の方法により結晶化させた後固相重合する方法も適
用できる。
リカーボネートの分子量は、射出成形や押出成形等の樹
脂成形により得られる成形材料やコーティング等により
得られる膜として実用に耐えうる機械的性質を示すため
に、粘度平均分子量として11000以上、より好適に
は12000以上、更に好適には13000以上であ
る。粘度平均分子量が11000に満たない場合は、極
めて脆く樹脂材料として使用に供し得ない。分子量の上
限としては特に制限は無いが、一般に成形性、製膜性を
考えると粘度平均分子量として50000以下、より好
適には40000以下、更に好適には35000以下で
ある。粘度平均分子量が50000を超えると粘度が極
めて高く一般的な成形機での成形は困難となる。
リカーボネートには、触媒安定剤、耐熱安定剤、紫外線
吸収剤、離型剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロ
ッキング剤、滑剤、防曇剤、着色剤、流動性改良剤、有
機系強化充填剤、無機系強化充填剤等の添加剤を配合し
て使用することができる。このような添加剤は、溶融状
態にある芳香族ポリカーボネートに添加することもでき
るし、また一旦ペレタイズされた芳香族ポリカーボネー
トを再溶融して添加することもできる。なお、再溶融は
不活性ガス雰囲気下に行うことが好ましい。また、他の
樹脂、例えばエチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリアミ
ド、ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・ス
チレン共重合体、ポリエステルポリプロピレン等とブレ
ンドして使用することもできる。
するが、本発明は、その要旨を超えない限りこれら実施
例に何ら限定されるものではない。なお、得られたポリ
カーボネートの分析は下記の測定方法に従って行った。
での極限粘度[η]を測定し、以下の式より粘度平均分
子量(Mv)を求めた。
mmのガラス製セルに入れ、カラーテスター(スガ試験
機株式会社製SC−1−CH)で、色の絶対値である三
刺激値XYZを測定し、次の関係式により黄色度の指標
であるYI値を計算した。なお、このYI値が大きいほ
ど着色していることを示す。
加え、60℃で溶解後、超純水(Clを含有しないイオ
ン交換水)10mlを加え、23℃の恒温室でマグネチ
ックスターラーを用い1000rpmで10分間撹拌し
た後、水相中の塩素をイオンクロマトグラフィーにて分
析し求めた。
加え完全に溶解させた後10mlにメスアップし、この
溶液20μlを三菱化学(株)社製TotalNitr
ogen Analyzer TN−05に注入し全N
含量を求めた。
イル循環方式の外部加熱装置に接続されたジャケット付
きガラス製反応容器(内容積が1リットル、実液700
mlの位置にオーバーフロー管を設置)を3個連続で接
続した。第2と第3の反応容器には、生成した塩酸ガス
を系外へ除くためのコンデンサー付き排気管を接続し
た。予めピリジンを5モル%添加して撹拌しておいた溶
融フェノールを、約700ml/hr(フェノール71
6g/hr、ピリジン30g/hrに相当)で第1反応
容器へ連続供給しながら、150℃へ昇温した。充分に
撹拌を行いながら、供給されるフェノールの0.48モ
ル比のホスゲン(361g/hr)を第1反応容器へ連
続供給した。
オーバーフロー管を介して第2反応器へ供給し、第2反
応器から流出した反応混合物は同様に第3反応器へ供給
した。第3反応器から流出した反応混合物は、ポリプロ
ピレン製の受器に抜き出した。第3反応器には、窒素ガ
スの吹き込み管を設置し、反応混合物中へ70Nリット
ル/hrの窒素ガスを連続供給した。組成が充分に安定
した後に抜き出した反応混合物(組成:ジフェニルカー
ボネート89重量%、フェノール6重量%、ピリジン塩
酸塩5重量%、フェニルクロロフォーメート未検出)1
kgを、オイル循環方式の外部加熱装置に接続されたジ
ャケット付きガラス製反応容器に入れ、85℃へ昇温し
た。85℃に加温しておいた濃度が5重量%の水酸化ナ
トリウム水溶液372gを添加してディスクタービン翼
二段にて5分間撹拌後、30分間静置してから水相と有
機相を別々に抜き出した。水酸化ナトリウム水溶液添加
後のpHは9であった。
式の外部加熱装置に接続されたジャケット付きガラス製
反応容器内に入れ、85℃へ昇温した。85℃に加温し
ておいた脱塩水300gを添加して先記と同様の撹拌翼
にて5分間撹拌後、5分間静置してから水相と有機相を
別々に抜き出した。この操作を再度繰り返して有機相を
採取した。スルザーパッキング(住友重機工業製)10
個を充填した真空蒸留塔にて、分離した有機相を蒸留精
製した。詳細には、真空度20〜40Torr、オイル
バス温度約220℃、トップ温度50〜80℃で、遊離
型のピリジンとフェノールを留去した後、真空度10T
orr、オイルバス温度約230℃、トップ温度150
℃で精製ジフェニルカーボネート750gを得た。こう
して得られたジフェニルカーボネート中に含まれる易水
溶性Cl含量は10ppb、全N含量は0.03ppm
であった。また、上記合成例の85℃脱塩水による洗浄
分離工程の繰り返しを省き一回の洗浄分離とした以外は
全く同様の方法で得たジアリールカーボネートは、ロッ
トにより易水溶性Cl含量が10〜15ppb、全N含
量が0.19〜0.54ppmの範囲のものが得られ
た。このようにして得られたジフェニルカーボネートを
以下の実施例1〜6に用いた。
成例1のアルカリ水溶液、及び脱塩水による洗浄におい
て撹拌を平板四枚よりなるパドル翼二段にて撹拌する以
外は合成例1と同様の方法で合成、精製して得られたジ
フェニルカーボネート中に含まれる易水溶性Cl含量は
110ppb、全N含量は0.52ppmであった。こ
うして得られたジフェニルカーボネートを以下の比較例
5〜6に用いた。
イエル社製ジフェニルカーボネート1050gを熱媒温
度260℃、内温190℃、トップ温度180℃で真空
度10Torrの条件で蒸留し精製ジフェニルカーボネ
ートを950g得た。こうして得られたジフェニルカー
ボネートの易水溶性Cl含量は33ppb、全N含量は
1.15ppmであった。これを以下の比較例1に用い
た。
成例3の蒸留精製においてバイエル社製ジフェニルカー
ボネート1050gに1N NaOH 500mlを添
加する他は合成例3と同様の方法により精製したジフェ
ニルカーボネートの易水溶性Cl含量は14ppb、全
N含量1.28ppmであった。これを以下の比較例2
〜4に用いた。
量、全N含量が各々10ppb、0.03ppmのジフ
ェニルカーボネート188.5g(0.88モル)、及
びエステル交換触媒として0.26%炭酸セシウム水溶
液50μl(0.4μモル)を内容積500mlの撹拌
機及び留出装置付きのガラスフラスコに入れ、反応容器
内を窒素ガスで置換後、窒素ガス雰囲気下210℃で内
容物を溶解した。内容物が完全に溶解した後、210
℃、常圧、1時間この状態を保持した。次いで、反応器
内の圧力を徐々に100Torrにまで下げてフェノー
ルを留出させ、この状態で1時間保持した。この間に留
出した留出物の量を初期重合速度の目安として表1に初
期留出量として示した。その後重合温度を240℃に昇
温し、反応器内の圧力を徐々に15Torrに減圧し、
1時間重合を進めた後、更に270℃に昇温し、反応器
内の圧力を0.5Torrまで下げ1時間重合を継続し
た。この後反応器内の圧力を窒素により復圧して生成ポ
リマー約200gを回収し、先記の測定方法に従い分析
評価した。
全N含量のものを用い、触媒であるCs2 CO3 量をビ
スフェノールA 1モルに対し表1中に示す量で実施例
1と同様の方法で重合した結果を表1に示した。
中に含まれる特定の不純物の含量を制御してより少ない
触媒量で色相等の良好なポリカーボネートを重合するこ
とができる。
Claims (7)
- 【請求項1】 芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリール
カーボネートとをエステル交換触媒の存在下に溶融重縮
合反応させて芳香族ポリカーボネートを製造する方法に
おいて、易水溶性塩素系不純物の塩素含有量が30pp
b以下、且つ、含窒素系不純物の全窒素含有量が1.0
ppm以下であるジアリールカーボネートを用いること
を特徴とする芳香族ポリカーボネートの製造方法。 - 【請求項2】 ジアリールカーボネート中に含まれる含
窒素系不純物の全窒素含有量が0.7ppm以下である
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 ジアリールカーボネート中に含まれる含
窒素系不純物の全窒素含有量が0.5ppm以下である
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 【請求項4】 エステル交換触媒として塩基性化合物を
用いることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに
記載の方法。 - 【請求項5】 塩基性化合物がアルカリ金属及びアルカ
リ土類金属から選ばれた少なくとも一種であることを特
徴とする請求項4に記載の方法。 - 【請求項6】 ジアリールカーボネートがホスゲンとヒ
ドロキシアリール化合物とを触媒の存在下に反応させて
得られたものであることを特徴とする請求項1ないし5
のいずれかに記載の方法。 - 【請求項7】 触媒が含窒素塩基性触媒であることを特
徴とする請求項6に記載の方法。
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---|---|---|---|
JP20294797A JP3508488B2 (ja) | 1997-07-29 | 1997-07-29 | 芳香族ポリカーボネートの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP20294797A JP3508488B2 (ja) | 1997-07-29 | 1997-07-29 | 芳香族ポリカーボネートの製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH1143539A true JPH1143539A (ja) | 1999-02-16 |
JP3508488B2 JP3508488B2 (ja) | 2004-03-22 |
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