JPH0621165B2 - 熱硬化性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物の製造方法

Info

Publication number
JPH0621165B2
JPH0621165B2 JP634884A JP634884A JPH0621165B2 JP H0621165 B2 JPH0621165 B2 JP H0621165B2 JP 634884 A JP634884 A JP 634884A JP 634884 A JP634884 A JP 634884A JP H0621165 B2 JPH0621165 B2 JP H0621165B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
compounds
thermosetting resin
resin composition
organic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP634884A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS60152528A (ja
Inventor
小山  徹
純一 片桐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd, Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP634884A priority Critical patent/JPH0621165B2/ja
Publication of JPS60152528A publication Critical patent/JPS60152528A/ja
Publication of JPH0621165B2 publication Critical patent/JPH0621165B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は、絶縁材料耐熱区分C種(常用180℃以上)の
新規な熱硬化性樹脂組成物の製造方法に関する。
〔発明の背景〕
近年、回転電機などの電気機器においては、その大容量
化と小型軽量化が進むに従い、耐熱性の極めて優れた熱
硬化性樹脂組成物が要求されている。s−トリアジン環
を主要構造単位として含むポリs−トリアジンが、耐熱
性に優れていることは、既に、米国特許第3775380号明
細書などによつて公知である。このポリs−トリアジン
は式(1)に示すように、多官能性ニトリル化合物の三量
化(環化重合)反応によつて得られる。
この式(1)の反応は揮発分の生成を伴わない付加反応で
あるため、その硬化物は内部に空洞(ボイド)を含ま
ず、高耐熱性の絶縁材料として好適と思われる。ところ
で、この三量化による硬化反応を起させるには一般に硫
酸、p−トルエンスルホン酸、m−キシレンスルホン
酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリクロロメタン
スルホン酸などのブレンステツド酸あるいは三フツ化ホ
ウ素、無水塩化第二スズ、三フツ化ホウ素アミン錯体、
有機金属化合物、有機アミンオキシド等の触媒を添加す
る必要がある。前者のブレンステツド酸を触媒とする場
合には室温でも反応は十分進行するが、その硬化物は、
200℃以上の高温に保持されたとき、残存している硬
化触媒が分解反応の触媒作用をするために、耐熱性に劣
り、また電気特性も損われるという欠点を有する。他
方、三フツ化ホウ素、三フツ化素ホウ素アミン錯塩、有
機金属化合物、有機アミンオキシド等を触媒に用いた場
合には、十分に硬化させるためには250℃以上の温度
で3日間以上加熱する必要がある。得られる硬化物は、
良好な耐熱性と電気特性を示すが、硬化にこのような高
温、長時間を要するために、実用的でなかつた。
ところで、ニトリル化合物の三量化反応は、一官能性モ
デル化合物を例にとると、式(2)に示すような機構で進
むと考えられる。
したがつて、ニトリル基に電子吸引性基を隣接させれ
ば、ニトリル基の陽性カルボニウム炭素が更に活性化さ
れてニトリル基の三量化反応は容易に進行すると思われ
る。電子吸引性基としては酸素、硫黄、窒素などの原子
あるいはカルボニル基 が考えられる。これらのうちで−O−CN、−S−C
N、−NR−CNは容易に三量化してs−トリアジンに
なることが知られている。しかし、α−ケトニトリル の三量化反応は知られていない。わずかにα−ケトニト
リルからのポリマーらしきものがG.ブラツク ストツク
(G. BLACK STOCK)によつてジヤーナル オブ ジ
アメリカン ケミカル ソサイエテイ(J. Amer Chem.
Soc.),34,1080(1912)に報告されているのみであ
る。すなわち、ピリジン溶媒中でテレフタロイルクロラ
イドとシアン化水素を反応させると300℃付近で溶融
する褐色粉末が得られるという。しかし、この粉末は耐
熱性、電気特性共に悪く、電気絶縁材料として使用する
ことはできない。
〔発明の目的〕 本発明の目的は、耐熱性及び可とう性が共に優れた硬化
物を与える、新規な熱硬化性樹脂組成物を提供すること
にある。
〔発明の概要〕
本発明を概説すれば、本発明は熱硬化性樹脂組成物の製
造方法に関する発明であって、(A)少なくとも2個の
α−ケトニトリル基を有するα−ケトニトリル化合物及
び(B)少なくとも2個のマレイミド基を有するマレイ
ミド化合物と少なくとも2個のアミノ基を有するアミン
を反応させて得られるアミノマレイミド化合物を少なく
ともを含有する熱硬化性樹脂組成物を製造する方法にお
いて、該化合物(A)のα−ケトニトリル化合物と、化
合物(B)のアミノマレイミド化合物とを配合する工程
を含有することを特徴とする。
本発明方法による組成物は、少なくとも前記化合物
(A)と化合物(B)とを含有していればよく、それ以
外に含有させる成分については特に制限はない。例えば
多官能性エポキシ化合物を含有していてもよい。
本発明の組成物の硬化において、一官能性のモノマーで
例示すると、下記式(3)〜(5)の反応、また多官能性エポ
キシ化合物を共用する場合には下記式(3)〜(7)の反応が
生起しているものと推定される: トリアジン−イミダゾール環 本発明において、化合物(A)のα−ケトニトリル化合
物としては、1分子中に少なくとも2個のα−ケトニト
リル基を含む化合物であれば、特別に制限されない。そ
のような化合物としては、例えば、フタロイルジシアニ
ド、イソフタロイルジシアニド、テレフタロイルジシア
ニド、α,α′,α″−トリオキソ−1,2,5−ベン
ゼントリアセトニトリル、α,α′,α″,α−テト
ラオキソ−1,2,4,5−ベンゼンテトラアセトニト
リル、4,4′−メチレンビス(α−オキソ−ベンゼン
アセトニトリル)、4,4′−プロパンジイルビス(α
−オキソ−ベンゼンアセトニトリル)、4,4′−スル
ホニルビス(α−オキソ−ベンゼンアセトニトリル)、
4,4′−オキシビス(α−オキソ−ベンゼンアセトニ
トリル)、4,4′−〔(1−メチル−1,1−エタン
ジイル)ビス(4,1−フエニレンオキシ)〕ビス〔α
−オキソ−ベンゼンアセトニトリル〕などがある。更
に、4,4′−〔(1−メチル−1,1−エタンジイ
ル)ビス(4,1−フエニレンオキシ)〕ビス〔α,
α′−ジオキソ−1,2−ベンゼンジアセトニトリル〕
が有用である。これらの化合物(A)のα−ケトニトリ
ル化合物は、単独若しくは2種以上併せて用いられる。
これらのうちイソフタロイルジシアニドが液状であるた
め、含浸用ワニス原料として好適である。
本発明方法における化合物(B)のアミノマレイミド化
合物としては、少なくとも2個のマレイミド基を有する
マレイミド化合物に、少なくとも2個のアミノ基を有す
るアミンが反応によって付加したものであれば特に制限
はない。上記マレイミド化合物としてはN,N′−エチ
レンジマレイミド、N,N′−ヘキサメチレンビスマレ
イミド、N,N′−ドデカメチレンビスマレイミド、
N,N′−m−キシリレンビスマレイミド、N,N′−
p−キシリレンビスマレイミド、N,N′−1,3−ビ
スメチレンシクロヘキサンビスマレイミド、N,N′−
1,4−ビスメチレンシクロヘキサンビスマレイミド、
N,N′−2,4−トリレンビスマレイミド、N,N′
−2,6−トリレンビスマレイミド、N,N′−ジフエ
ニルメタンビスマレイミド、N,N′−ジフエニルスル
ホンビスマレイミド、N,N′−ジフエニルスルフイド
ビスマレイミド、N,N′−p−ベンゾフエノンビスマ
レイミド、N,N′−ジフエニルエタンビスマレイミ
ド、N,N′−ジフエニルエーテルビスマレイミド、
N,N′−(メチレン−ジテトラヒドロフエニル)ビス
マレイミド、N,N′−(3−エチル)−4,4′−ジ
フエニルメタンビスマレイミド、N,N′−(3,3′
−ジメチル)−4,4′−ジフエニルメタンビスマレイ
ミド、N,N′−(3,3′−ジエチル)ジフエニルメ
タンビスマレイミド、N,N′−(3,3′−ジクロ
ロ)−4,4′−ジフエニルメタンビスマレイミド、
N,N′−トリジンビスマレイミド、N,N′−イソホ
ロンビスマレイミド、N,N′−p,p′−ジフエニル
ジメチルシリビスマレイミドなどの2官能性マレイミド
化合物の他、アニリンとホルマリンとの反応生成物(ポ
リアミン化合物)、3,4,4′−トリアミノジフエニ
ルメタン、トリアミノフエノールなどと無水マレイン酸
との反応生成物がある。このマレイミド化合物は1種若
しくは2種以上の混合系で用いてもよい。上記のマレイ
ミド化合物のうち、芳香族(単環及び多環)のマレイミ
ド化合物が耐熱性などの点で好ましい。
前記アミンとしては、分子中にアミノ基を2個以上有す
る化合物であれば、特に制限はない。アミンは、脂肪族
アミン類、芳香族アミン類、脂肪芳香族アミン類であつ
て、第1級及び第2級アミンが好ましい。更に、分子中
に酸素、ハロゲン類、硫黄、リン、ケイ素、各種金属原
子が存在していても支障はない。また、芳香族アミン類
とアルデヒド類との反応によつて得られるポリアミン類
なども使用することができる。
本発明において、多官能性エポキシ化合物としては例え
ばビスフエノールAのジクリシジルエーテル、ブタジエ
ンジエポキシド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチ
ル−(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレ
ート、ビニルシクロヘキセンジオキシド、4,4−ジ
(1,2−エポキシエチル)ジフエニルエーテル、4,
4′−(1,2−エポキシエチル)ビフエニル、2,2
−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパン、
レゾルシンのジグリシジルエーテル、フロログルシンの
トリグリシジルエーテル、メチルフロログルシンのトリ
グリシジルエーテル、ビス(2,3−エポキシシクロペ
ンチル)エーテル、2−(3,4−エポキシ)シクロヘ
キサン−5,5−スピロ(3,4−エポキシ)−シクロ
ヘキサン−m−ジオキサン、ビス−(3,4−エポキシ
−6−メチルシクロヘキシル)アジペート、N,N′−
m−フエニレンビス(4,5−エポキシ−1,2−シク
ロヘキサンジカルボキイミド)などの2官能性のエポキ
シ化合物、p−アミノフエノールのトリグリシジルエー
テル、ポリアリルグリシジルエーテル、1,3,5−ト
リ(1,2−エポキシエチル)ベンゼン、2,2′,
4,4′−テトラグリシドキシベンゾフエノン、テトラ
グリシドキシテトラフエニルエタン、フエノールホルム
アルデヒドノボラツクのポリグリシジルエーテル、グリ
セリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロ
パンのトリグリシジルエーテルなどの3官能性以上のエ
ポキシ化合物が用いられる。
上記多官能性エポキシ化合物の中で、特にビスフエノー
ルAのジグリシジルエーテル、フエノールホルムアルデ
ヒドノボラツクのポリグリシジルエーテルが有用であ
る。
本発明の組成物に式(3)〜(7)の反応を生起させるには触
媒が重要な働きを有する。そのような触媒が重要な働き
をする。そのような触媒としては三フツ化ホウ素、無水
塩化第二スズ、無水塩化アルミニウム、無水塩化第二
鉄、五塩化リン、塩化第二銅、四塩化チタンなどのルイ
ス酸、三フツ化ホウ素モノエチルアミン錯塩、三フツ化
ホウ素ピペリジン錯塩、三フツ化ホウ素イミダゾール錯
塩などの三フツ化ホウ素アミン錯体、一般式 (式中、R1、R2、R3、R4及びR6は水素、アルキル基、ア
ルケニル基、フエニル基又は置換フエニル基を表わし、
R5はフエニル基又は置換フエニル基を表わす。またQは
窒素、リン、ヒ素、アンチモン若しくはビスマスを表わ
す)で示されるテトラ置換ボレート型錯体などがある。
また四塩化チタン−トリエチルアルミニウム、四塩化チ
タン−トリイソブチルアルミニウムなどのチーグラーナ
ツタ系触媒、フエロシアン化第一鉄、フエロシアン化第
二鉄、フエロシアン化銅、フエロシアン化亜鉛、フエロ
シアン化ナトリウム、フエロシアン化カリウム、フエロ
シアン化カルシウム、フエロシアン化バリウム、フエロ
シアン化リチウム、フエリシアン化第一鉄、フエリシア
ン化第二鉄、フエリシアン化銅、フエリシアン化ナトリ
ウム、フエリシアン化カリウム、フエリシアン化カルシ
ウム、フエリシアン化マグネシウム、フエリシアン化リ
チウム等のフエロシアン化金属、フエリシアン化金属、
テトラフエニルスズ、ジブチルスズスルフイド、トリブ
チルスズアクリレート、トリフエニルスズクロライド、
ヘキサブチルジスズ、ジブチルジビニルスズ、トリエチ
ルスズクロライド、テトラエチルスズ、ジブチルスズジ
アセテート、ジオクチルスズマレート、トリフエニルス
ズヒドロオキサイド、テトラビニルスズなどの有機スズ
化合物、トリブチルアンチモン、トリブチルアンチモン
オキシド、トリフエニルアンチモン、トリフエニルアン
チモンスルフイドなどの有機アンチモン化合物、テトラ
フエニル鉛などの有機鉛化合物、酢酸フエニル水銀、ジ
フエニル水銀などの有機水銀化合物、トリフエニルヒ
素、トリフエニルヒ素オキシドなどの有機ヒ素化合物、
フエロセン(ジシクロペンタジエニル鉄)、クロロマー
キユリーフエロセン、アセチルフエロセン、1,1−ビ
ス(クロロマーキユロ)フエロセンなどの有機鉄化合
物、ビス(シクロペンタジエニル)チタンジクロライ
ド、テトラ(i−プロピル)チタネート、テトラ(n−
ブチル)チタネート、テトラステアリルチタネート、テ
トラ(2−エチルヘキシル)チタネート、ブチルチタネ
ートダイマー、重合テトラブチルチタネートなどの有機
チタン化合物、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムクロライド、テトラエチルジルコネート、テトラ
(i−プロピル)ジルコネート、テトラ(n−ブチル)
ジルコネート、テトラ(n−ペンチル)ジルコネート、
テトラ(n−ヘキシル)ジルコネート、テトラ(n−オ
クチル)ジルコネートなどの有機ジルコニウム化合物、
トリフエニルホスフインスルフイド、ジヘキシルホスフ
インオキシド、トリオクチルホスフインオキシド、トリ
フエニルホスフインなどの有機リン化合物、ヘキサメチ
ルジシラザン、トリフエニルシリコーンアジドなどの有
機シリコーン化合物、オクタカルボニルジコバルトなど
の有機コバルト化合物、ヘキサカルボニルクロム、トリ
カルボニルトルイルクロムなどの有機クロム化合物、ト
リフエニルビスマスなどの有機ビスマス化合物、有機バ
ナジウム化合物、有機マンガン化合物、有機タングステ
ン化合物などがある。また、N,N−ジメチル−N−シ
クロヘキサルアミンオキシド、N,N−ジメチル−N−
フエニルアミンオキシド、1,4−ジオキソ−1,4−
ジアザ〔2,2,2〕ビシクロオクタン、フエナジン−
N−オキシド、ピリジン−N−オキシド、N−メチルモ
ルホリン−N−オキシド、N−メチルピペリジン−N−
オキシド、トリメチルアミンオキシド、N−エチル−N
−メチル−N−ブチルアミンオキシドなどの有機アミン
オキシドなどがある。上記触媒のうち、ルイス酸、三フ
ツ化ホウ素アミン錯体、有機スズ化合物、有機チタン化
合物、有機ジルコニウム化合物、有機アミンオキシドが
特に有効である。
上記触媒の使用量は厳格な限定を要しないが、上記触媒
の少なくとも1種が前記組成物に対して0.01〜10
重量%の範囲で用いられ、特に0.1〜5重量%の範囲
が好ましい。
本発明において、前記組成物は、前記触媒を配合された
熱硬化性樹脂組成物として、使用され得る。該組成物
は、既述のように付加重合型の無溶剤系であつて、所望
に従つて溶媒を含有することも、また、公知の各種添加
剤、充てん剤や顔料などを配合されて使用されることも
できる。そのような組成物は、0〜250℃において1
〜200時間加熱することによつて容易に硬化する。得
られる硬化樹脂は250℃という高温でも長時間使用で
きる優れた耐熱性を有している。また、該樹脂は、電気
特性、耐薬品性、耐衝撃性、自己消化性にも優れてい
る。したがつて、前記熱硬化性樹脂組成物は、耐熱性絶
縁ワニスや注型用樹脂、電子部品用モールド樹脂、含浸
・積層用樹脂、印刷配線用樹脂、内装用樹脂など広汎な
用途向けの材料として有用である。
以下、本発明の組成物の構成分の1例の製造例を示す。
製造例 1 イソフタロイルジシアニドの合成 かくはん機、温度計、冷却器、窒素導入管付の2四つ
口フラスコに、精製したイソフタロイルジクロライド1
02g(0.502モル)を加え、窒素気流下かくはん
し、180℃に保つた。次に、乾燥したシアン化第一銅
108g(1.21モル)を添加し、その温度で2時間
保つた。その後、冷却し、乾燥メチルエチルケトン10
0mlを添加した。生じた沈殿を別した。別を濃縮し
減圧蒸溜を行い、5mmHgで138℃の沸点を有する化合
物〔A〕を55g得た。〔A〕の元素分析結果は次の通り
であつた。
元素分析:C10H4N2O2として また、〔A〕の赤外線吸収スペクトルを測定すると、波
数2225cm-1にニトリル基に基つく吸収が、波数16
90cm-1にカルボニル基に基づく吸収が認められた。
以上のことから、該生成物は下記の構造式で表わされる
化合物であると推定される: 製造例 2 テレフタロイルジシアニドの合成 製造例1と同じ装置に、精製したテレフタロイルジクロ
ライド102g(0.502モル)を加え、窒素気流下
かくはんしながら180℃まで上昇させた。この温度
で、乾燥したシアン化第一銅108g(1.21モル)
を添加し、2時間かくはんした。その後、冷却し、乾燥
トルエンを500ml添加した。過を行い、その液を
減圧濃縮した。生じた沈殿をトルエンから3回再結晶
し、融点が148℃の淡黄色結晶〔B〕を得た。この
〔B〕の元素分析結果は次の通りであつた。
元素分析:C10H4N2O2として また、〔B〕の赤外線吸収スペクトルを測定すると、波
数2225cm-1にニトリル基に基づく吸収が、波数16
90cm-1にカルボニル基に基づく吸収が認められた。
以上のことから、〔B〕は下記の構造式で表わされる化
合物であると推定される: 製造例 3 4,4′−〔(1−メチル−1,1−エタンジイル)ビ
ス(4,1−フエニレンオキシ)〕ビス〔α,α′−ジ
オキソ−1,2−ベンゼジアセトニトリル〕〔C〕の合
成 かくはん機、温度計、冷却器付の2四ツ口フラスコ
に、ジメチルスルホキシド500ml及びビスフエノール
A(2,2−ビス(4−ヒドロキシフエニル)プロパ
ン)114.2g(0.500モル)を添加し、良くかくは
ん混合した。それから、50%水酸化ナトリウム水溶液
80.0gを添加し、良くかくはん混合し、ビスフエノ
ールAのナトリウム塩を合成した。次に、トルエン30
0mlを加え、水を共沸させて除去した。これに1,2−
ビス(メトキシカルボニル)−4−ニトロベンゼン23
9.2g(1.00モル)を添加し、70℃に5時間保
持した。冷却後、沈殿を別した。液に50%の水酸
化ナトリウム水溶液150.0gを加え、50℃に8時
間保持した。溶媒を減圧留去した後、残渣をメタノール
から再結晶し、融点225〜230℃の無色結晶〔I〕
を得た。〔I〕の元素分析結果は次の通りであつた。
元素分析:C31H24O10として また、〔I〕の酸価は398で、下記の構造として計算
した場合の98.7%の値であつた。
次に、塩化カルシウム管を接続した冷却器をつけた1
の丸底フラスコに、〔I〕150.0g(0.270モ
ル)及び塩化チオニル500.0g(4.20モル)を
入れ、80℃に緩め、その温度に5時間保持する。過剰
の塩化チオニルを留去したのち、乾燥トルエン及びn−
ヘキサンで十分洗浄し、無色結晶〔II〕を165.8g
得た。
かくはん機、温度計、還流冷却器を備えた四つ口フラス
コに、脱水精製したN,N−ジメチルアセトアミド50
0ml、〔II〕165.8g(0.263モル)及びシアン化
銅94.3g(1.05モル)を入れ、5時間還流し
た。冷却後、過した。液からN,N−ジメチルアセ
トアミドを減圧留去し、154.3gの淡黄色液状物を
得た。該液状物の元素分析結果は次の通りであつた。
元素分析:C35H20N4O6として また、その赤外線吸収スペクトルを測定すると波数22
25cm-1にニトリル基に基づく吸収が、波数1680cm
-1にカルボニル基に基づく吸収が認められた。
以上のことから、該生成物は下記の構造式〔C〕で表わ
される化合物であると推定される: 〔発明の実施例〕 以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例 1〜12 製造例1で製造したイソフロフタロイルジシアニド15
8g、2モルのビス(p−アミノフエニル)メタンを付
加した1モルのN,N′−ジフエニルメタンビスマレイ
ミド50.0gに、下記第1表に示す触媒を、各例共
3.00g添加し、よくかくはんした。
この混合物を、120℃/10時間+180℃/5時間
+200℃/5時間加熱して硬化物を得た。いずれの硬
化物の赤外吸収スペクトルにも、硬化前に存在していた
波数2225cm-1のニトリル基に基づく吸収は減少して
いた。
得られた硬化物の諸特性は第2表に示す通りであり、優
れた耐熱性と機械特性を示した。
実施例 13及び14 イソフタロイルジシアニドの代りに、製造例2の〔B〕
又は製造例3の〔C〕を用いた以外、実施例1と全く同
じ実験を行つた。その結果を第3表に示す。
実施例 15〜26 製造例1で製造したイソフタロイルジシアニド158
g、ノボラツクタイプのポリグリシジルエーテル(ダウ
ケミカル社製、DEN438、エポキシ当量176)8
7.5g、2モルのビス(p−アミノフエニル)メタン
を付加した1モルのN,N′−ジフエニルメタンビスマ
レイミド50.0gに、前記第1表に示した触媒を、各
例共3.00g添加し、よくかくはんした。
この混合物を、120℃/10時間+180℃/5時間
+200℃/5時間加熱して硬化物を得た。いずれの硬
化物の赤外吸収スペクトルにも、硬化前に存在していた
波数2225cm-1のニトリル基に基づく吸収と、910
cm-1のエポキシ基に基づく吸収が減少していた。
得られた硬化物の諸特性は第4表に示す通りであり、優
れた耐熱性と機械特性を示した。
比較例 1 実施例15における多官能性アミノマレイミドを除いた
以外、実施例15と全く同じ実験を行つた。その結果を
第4表に示す。
実施例 27及び28 イソフタロイルジシアニドの代りに、製造例2の〔B〕
又は製造例3の〔C〕を用いた以外、実施例15と全く
同じ実験を行つた。その結果を第5表に示す。
〔発明の効果〕 以上詳述したように、本発明の新規な熱硬化性樹脂組成
物を用いれば、200℃という比較的低い温度の硬化条
件によつて、高温における機械的特性及び電気的特性の
優れた耐熱性硬化物が得られるという顕著な硬化が奏せ
さられる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)少なくとも2個のα−ケトニトリル
    基を有するα−ケトニトリル化合物及び(B)少なくと
    も2個のマレイミド基を有するマレイミド化合物と少な
    くとも2個のアミノ基を有するアミンを反応させて得ら
    れるアミノマレイミド化合物を少なくとも含有する熱硬
    化性樹脂組成物を製造する方法において、該化合物
    (A)のα−ケトニトリル化合物と、化合物(B)のア
    ミノマレイミド化合物とを配合する工程を含有すること
    を特徴とする熱硬化性樹脂組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】該化合物(A)のα−ケトニトリル化合物
    が、イソフタロイルジシアニドである特許請求の範囲第
    1項記載の熱硬化性樹脂組成物の製造方法。
JP634884A 1984-01-19 1984-01-19 熱硬化性樹脂組成物の製造方法 Expired - Lifetime JPH0621165B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP634884A JPH0621165B2 (ja) 1984-01-19 1984-01-19 熱硬化性樹脂組成物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP634884A JPH0621165B2 (ja) 1984-01-19 1984-01-19 熱硬化性樹脂組成物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS60152528A JPS60152528A (ja) 1985-08-10
JPH0621165B2 true JPH0621165B2 (ja) 1994-03-23

Family

ID=11635862

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP634884A Expired - Lifetime JPH0621165B2 (ja) 1984-01-19 1984-01-19 熱硬化性樹脂組成物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0621165B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6156638B2 (ja) * 2013-08-19 2017-07-05 株式会社スリーボンド シアネートエステル樹脂組成物
WO2018181818A1 (ja) * 2017-03-30 2018-10-04 日産化学株式会社 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子

Also Published As

Publication number Publication date
JPS60152528A (ja) 1985-08-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5003039A (en) Amino phenyl containing curing agent for high performance phthalonitrile resin
US4276407A (en) Acetylene terminated imide oligomers which melt at low temperatures
JPS5855968B2 (ja) エポキシドキオガンユウスルフカブツノ セイゾウホウホウ
EP0047530A2 (en) Maleimide resin composition and process for its production
GB1355408A (en) Epoxy resin compositions
US4448940A (en) Thermosetting resin composition and prepolymer thereof
JP3435496B2 (ja) 硬化性難燃樹脂組成物、これより製造したプリプレグ及び難燃電気用積層板
JPH0621165B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物の製造方法
US3795658A (en) Epoxy resins from dimethyladamantane bisphenols
WO1995015350A1 (en) Novel bisimides and thermoplastic polymers thereof
WO1999067233A1 (fr) Phenols polyhydriques, resines epoxydes, composition de resine epoxyde et produits durcis
JP4843940B2 (ja) 樹脂組成物及びその硬化物
JP4752308B2 (ja) 樹脂組成物及びそれを用いた硬化物
Khurana et al. Curing and thermal behavior of epoxy resin in the presence of silicon‐containing amide amines
US3495255A (en) Thermoplastic copolymers of benzimidazolone and diepoxides
JPS60152527A (ja) 熱硬化性樹脂組成物
JPS5812898B2 (ja) エポキシ樹脂組成物
JPS5989326A (ja) 熱硬化性樹脂組成物およびそのプレポリマ
JPS6354435A (ja) 熱硬化性樹脂組成物
JPS6092328A (ja) 熱硬化性樹脂組成物
JPH0254369B2 (ja)
Hamerton et al. Studies on a dicyanate containing four phenylene rings and polycyanurate blends. 1. Synthesis and polymerization of the monomers and characterization of the polymer blends using thermal and mechanical methods
CA1180491A (en) Curable epoxy resins
JPH1017646A (ja) 高分子化合物の製造方法、新規高分子化合物及び樹脂組成物
JPS60229923A (ja) ポリフエニレンオキサイドの製造法